JP3697408B2 - 分析試料の作成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析試料を化学的機械的研磨により分析試料裏面から薄膜化して、分析試料の裏面からの分析を可能とする分析試料の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、表示素子及び記録媒体などのいわゆる電子デバイスは、通常、基板上に薄膜が積層された構成である。また、近年の電子デバイスにおいては、高性能化・高集積化に伴った微細化が進み基板中の不純物分布も極浅い領域で形成されることが多くなっている。このため、薄膜構造や不純物分布を正確に評価することが重要な課題となっており、SIMS分析法(Secondary Ion Mass Spectoroscopy;2次イオン質量分析法)などが薄膜構造や不純物分布の評価法としてよく用いられている。
【0003】
SIMS分析では、ppbオーダー以下と感度が良いことが知られている。SIMS分析法は、加速した酸素、セシウム、ガリウム及びアルゴンなどのイオン(1次イオン)を用いた所定エネルギーのイオンビームで半導体デバイスなどの試料表面をスパッタし、そのスパッタ面から放出された2次イオンの質量を分析する。これにより、試料表面付近の元素の種類と濃度を算出すると同時に深さ方向の不純物分布を測定することができる。
【0004】
しかし、SIMS分析法では、1次イオンが加速エネルギーを持つため、試料中の元素が元来存在していた位置よりも深くまで押し込まれる現象(ノックオン効果)が生じる。特に、1次イオンの加速エネルギーが高いとノックオン効果による影響が大きい。このノックオン効果の影響を防ぐ方法としては、1次イオンの加速電圧(加速エネルギー)を非常に低くして測定する方法がある。しかし、この方法では、積層構造おいて上層膜の主成分が下層膜に不純物レベルで拡散しているかを正確に評価することができない。また、ポリシリコンなどのように表面に凹凸がある試料や、スパッタすることで分析面に凹凸が発生する金属膜などでは、1次イオンの加速電圧に関わらず不純物の深さ方向分解能が低く、正確な分析結果を得ることができない。
【0005】
このような問題を解決する方法として、深さ方向の分析を試料の裏面側から実施する方法が提案されている。例えば、特開2000−105180号公報ではSIMS測定の精度向上を図るために、均一且つ平坦な形状に試料を加工することが出来る分析試料の作成方法が提案されている。
【0006】
以下、特開2000−105180号公報の分析試料の作成方法を図5(a)〜(f)を用いて述べる。図5(a)〜(f)は、上記分析試料の作成方法を工程順に示す図である。なお、図5(e)は図5(d)のE―E’での断面図である。
【0007】
まず、図5(a)に示すように、基板101上に不活性層102を形成する。ただし、上記不活性層102は、基板101と異なる材質からなり、後述する分析試料110(図5(d)参照)を研磨する際に用いる研磨液に対して不活性な材料からなっている。また、上記基板101上に不活性層102を形成するとき、不活性層102を所定の厚さに施す。所定の厚さとは、後述する分析試料110を後の行程において研磨する際に、希望する研磨後の分析試料110の厚さのことである。上記不活性層102を所定の厚さに施すことにより、希望する厚さの分析試料110を得ることができる。このような基板101と不活性層102との組み合わせとしては、シリコンとシリコン酸化膜、コロイダイルシリカとシリコン窒化膜などが挙げられる。
【0008】
次に、上記基板101上の不活性層102の―部をウエットエッチングやドライエッングなどを用いて除去することにより、図5(b)に示すような不活性層102aを形成する。
【0009】
次に、上記基板101において不活性層102の一部が除去された領域内に、図5(c)に示すような穴103〜106を設けて、穴103〜106を有する基板101aを得る。この基板101aと不活性層102aとで支持基板108が構成される。穴の数はこれに限定されるのではなく、支持基板108と分析試料110とを接着するのに十分な数だけ設けられていればよく、少なくとも1つ以上であればよい。
【0010】
次に、上記支持基板108とは別の基板から、図5(d)に示すような分析試料110を作成する。この分析試料110には、イオン注入などにより薄膜が形成されている。上記分析試料110の研磨したい面(裏面)が水平板107に接するように、分析試料110を水平板107上に載せ、その分析試料110上に支持基板108を重ね合わせる。その際、上記基板101aにおいて不活性層102aが形成されていない面が分析試料110に接するように、且つ、不活性層102が分析試料110aに接触しないように、分析試料110上に支持基板108を重ね合わせる。
【0011】
そして、図5(e)に示すように、上記支持基板108において不活性層102aが形成されていない側の面から、穴103〜106内に接着剤109を注入し、その接着剤109を固化させる。上記支持基板108と分析試料110とは穴103〜106に注入した接着剤109により接着され、支持基板108と分析試料110との間には接着剤9が存在しない。
【0012】
次に、研磨液を用いた化学的機械的研磨を行う。このとき、上記分析試料110が所定の厚さになるように、分析試料110の裏面を機械的に研磨し、且つ、分析試料110の裏面を鏡面仕上げする。この場合、研磨液として、分析試料110のエッチング速度と不活性層102aのエッチング速度との比が1対無限大であるものを用いる。これにより、上記不活性層102aは研磨の影響を殆ど受けずに分析試料110のみが研磨される。そして、上記研磨は不活性層102aと研磨板である水平板107とが接するまで行われる。その結果、図5(f)に示すように、不活性層102aとほぼ同じ厚さに加工された分析試料110aが得られる。つまり、所定の厚さであり且つSIMS測定に適した平坦な面を有する分析試料110aが得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000−105180号公報には、均一且つ平坦な形状に試料を加工することが出来る分析試料の作成方法が提案がされているが、この分析試料の作成方法では、作業工程が多いため多数の分析試料を効率よく得ることは難しいという問題がある。
【0014】
そこで、本発明の課題は、分析試料の裏面からの分析を目的とした試料加工(調整)作業を容易且つ効率的に行うことができる分析試料の作成方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
まず、支持基板として、分析試料と同程度の硬度、もしくはそれ以上の硬度を持つ平坦な基板を用意する。この基板は、分析試料の表面積に対して例えば2.5倍以上の表面積を有する。用意した支持基板表面の例えば中央付近に、深さが制御された凹部を形成する。この凹部に分析試料を固定するため、凹部の底面の面積は分析試料の表面の面積より必ず大きくしておく。上記凹部の大きさを限定するものではないが、特に、分析試料より一回り大きい程度の凹部を形成することが望ましい。ただし、上記支持基板の凹部以外の表面の面積が凹部の底面の面積とよりも必ず広くなるように、支持基板に凹形状を形成する。そして、上記凹部の深さは、分析試料の残し膜厚(薄膜化後の分析試料の膜厚)を決定するため、目的の残し膜厚に合わせた深さにする。
【0016】
次に、上記凹部に分析試料の表面側を直接密着させ、密着させたままの状態で分析試料の周囲に接着剤(例えば熱硬化樹脂や接着剤)を塗布して、分析試料を支持基板に固定する。上記分析試料と支持基板との固定に際して、分析試料を支持基板に固定する前に、分析試料の分析領域以外の表面に溝を形成してもよい。この場合、接着剤としての固定樹脂を溝に流し込むことで分析試料を支持基板に固定すると、分析試料と支持基板との接着面積が広がり、分析試料と支持基板との固定強度を高めることができる。また、ダイシングマシンなどの溝加工が出来る装置、または集束イオンビーム装置やレーザーマーキング装置などを使用して、分析試料の表面における特定領域の周囲に対して、分析試料の薄膜化加工時の残し膜厚以上の深さで溝加工または穴加工をしてもよい。この場合、上記分析試料の裏面に化学的機械的研磨などを行うと、分析試料の裏面において溝または穴が露出して、目的とする特定領域の評価が可能となる。
【0017】
すなわち、上記課題を解決するため、本発明の分析試料の作成方法は、
分析試料を保持する支持基板に凹部を形成する工程と、
上記支持基板の凹部内に上記分析試料を収容して、上記分析試料の一方の表面を上記支持基板の凹部の底面に密着させて、上記分析試料を上記支持基板に固定する工程と、
上記分析試料の他方の表面に対して研磨を行うことにより、上記分析試料を薄膜化する工程とを備えたことを特徴としている。
【0018】
上記構成の分析試料の作成方法によれば、上記分析試料を収容する凹部を支持基板に形成するので、従来のように、凹部を形成する不活性層を支持基板上に形成しなくてもよい。したがって、上記不活性層を形成する工程が省けて、多数の分析試料を効率よく得ることができる。
【0019】
一実施形態の分析試料の作成方法は、上記分析試料の一方の表面には溝が形成されている。
【0020】
上記実施形態の分析試料の作成方法によれば、上記分析試料の一方の表面には溝が形成されているので、その溝に接着剤を流し込むことにより、分析試料と支持基板との固定強度を高めることができる。
【0021】
一実施形態の分析試料の作成方法は、上記溝は、少なくとも1つあり、上記分析試料の表面の一辺からこの一辺の対辺まで延びている。
【0022】
一実施形態の分析試料の作成方法は、上記溝は、少なくとも1つあり、上記分析試料の表面の縁部のみに形成されている。
【0023】
また、本発明の分析試料の作成方法は、
分析試料を研磨して薄膜化する分析試料の作成方法において、
上記分析試料の一方の表面における特定領域の近傍に、薄膜化後の上記分析試料の厚さ以上の深さで溝または穴を設ける工程と、
上記分析試料を保持する支持基板に凹部を形成する工程と、
上記支持基板の凹部内に分析試料を収容して、上記分析試料の一方の表面を上記支持基板の凹部の底面に密着させて、上記分析試料を上記支持基板に固定する工程と、
上記分析試料の他方の表面に対して研磨を行うことにより、上記分析試料を薄膜化する工程とを備えたことを特徴としている。
【0024】
上記構成の分析試料の作成方法によれば、上記分析試料を収容する凹部を支持基板に形成するので、従来のように、凹部を形成する不活性層を支持基板上に形成しなくてもよい。したがって、上記不活性層を形成する工程が省けて、多数の分析試料を効率よく得ることができる。
【0025】
また、上記溝または穴が、薄膜化後の分析試料の厚さ以上の深さで特定領域の近傍に設けるので、分析試料の他方の表面に対して研磨を行って、分析試料を薄膜化すると、分析試料の他方の表面から溝または穴が露出する。したがって、上記溝または穴の位置に基づいて、分析試料の他方の表面側から特定領域を容易に検出することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の分析試料の作成方法を図示の実施例により詳細に説明するが、以下に記載する実施例は本発明を例示する目的であり、本発明を限定するものではない。
【0027】
(実施例1)
図1(a)〜(f)は本発明の実施例1の分析試料の作成方法の工程を示す図であり、図1(g)はSIMS分析時の分析試料の断面図である。上記分析試料の作成方法は次のようにして行われる。
【0028】
まず、図1(a)に示すように、支持基板1上にレジスト膜などのマスク材を塗布して、そのマスク剤をパターンニングすることにより、開口部12を有するマスク11を支持基板1上に形成する。上記支持基板1は、図1(e)に示すような分析試料10を保持するものであって、分析試料10(例えば厚さ400μm〜700μm程度)と同程度の硬度、またはそれ以上の硬度を持つ表面が平坦な基板である。また、上記支持基板1は、分析試料10の表面積に対して2.5倍以上の表面積を持つ十分に大きい基板である。
【0029】
次に、図1(b)に示すように、ドライエッチングまたはウエットエッチングにより、支持基板1aに凹部2を設ける。この凹部2の深さは、通常300nm〜2000nmにする。また、上記凹部2の深さは、分析試料10の残し膜厚となるため、目的の残し膜厚に合わせる。上記凹部2の深さの制御は、使用する支持基板1に対するドライエッチングまたはウェットエッチング時のエッチングレートを元に高い精度で行うことができる。
【0030】
次に、上記支持基板1a上のマスク11除去して、図1(c)に示すような支持基板1aを得る。
【0031】
次に、上記支持基板1aの表面において、図1(d)に示すように、例えば、角部と、この角部に対向する角部とにマーク13(ケガキ線やレーザー加工など)を形成する。このマーク13は、後の化学的機械的研磨作業時において、支持基板1aが削れているか否かを確認する為の指標となる。
【0032】
次に、図1(e)に示すように、上記支持基板1aの凹部2内に分析試料10を収容して、分析試料10の表面10aを凹部2の底面に直接密着させる。このとき、上記分析試料10の裏面10bは、図中上側、つまり支持基板1aと反対側を向いている。このような状態をピンセットや押圧治具などで維持して、分析試料10の周囲に接着剤9(例えば150℃程度で硬化する熱硬化樹脂や瞬間接着剤など)を塗布し、分析試料10を支持基板1aに固定する。このとき、上記分析試料10の表面10aと凹部2の底面との間には接着剤9が介在せず、分析試料10の表面10aと凹部2の底面とが平行になっている。なお、上記分析試料10は表面10aに不純物層を有している。
【0033】
次に、図1(f)に示すように、上記分析試料10と支持基板1aとからなる試料の支持基板1a側を化学的機械的研磨装置(図示せず)に取り付け、分析試料10の裏面10bに対して化学的機械的研磨を行う。
【0034】
上記化学的機械的研磨の条件の一例の概略は以下の通りである。
・荒研磨:研磨シート9μm、回転数80rpm、残り30μmまで研磨
・中間研磨1:研磨シート15μm〜3μm、回転数60rpm、残り1〜5μmまで研磨
・鏡面研磨:バフ研磨シートに0.05μmのcolloldal Silica(研磨液)で研磨
このような化学的機械的研磨では、分析試料10の裏面10bの高さと支持基板1aの表面の高さを比較しながら徐々に研磨を進めつつ、分析試料10の裏面10bを鏡面に仕上げる。このとき、上記支持基板1aの凹部2の深さが目的の分析試料10の残し膜厚に相当するので、化学的機械的研磨時の残り研磨膜厚の確認が容易である。また、上記分析試料10が目的の膜厚となった状態では、分析試料10と支持基板1aとの両方が研磨板と接触し、研磨面積が約2倍以上となる。このため研磨レートも遅くなるので、分析試料10が目的の膜厚まで研磨できた否かを容易に確認することができる。つまり、目的の残し膜厚に制御されて薄膜となった分析試料10を容易に得ることができる。
【0035】
また、上記分析試料10の表面10aに対して支持基板1aの表面が平行であり、且つ、支持基板1aの表面の面積が分析試料10の裏面10bの面積に比べて広く、硬度もあるため、支持基板1aが分析試料10の平行研磨用のガイドとなって、支持基板1aの表面に対して分析試料10の裏面10bを水平な状態に補正できる。すなわち、上記分析試料10の表面10aと平行な研磨面(裏面10b)を得ることができる。また、上記支持基板1aが分析試料10の平行研磨用のガイドとなるから、上記分析試料10の表面10aに対して平行精度が高い研磨面(裏面10b)を得ることができる。
【0036】
また、化学的機械的研磨時に支持基板1aに入れたマーク13が研磨されているか否かで、支持基板1aの表面が研磨されているか否かを確認することができる。
【0037】
次に、図1(g)に示すように、分析試料10の裏面10bに対してイオンビーム14を照射し、その裏面10bから放出される2次イオン15を利用してSIMS分析を行う。
【0038】
本実施例1の分析試料の作成方法は、分析試料10を収容する凹部2を支持基板1aに直接形成するので、図5の従来例のように、凹部を形成するための不活性層を支持基板1a上に形成しなくてもよい。したがって、上記不活性層を形成する工程が省けて、多数の分析試料10を効率よく得ることができる。
【0039】
(実施例2)
図2(a)〜(c)は本発明の実施例2の分析試料の作成方法の工程を示す図である。この分析試料の作成方法は次のようにして行われる。なお、図2において、図1に示した構成要素と同一構成要素は、図1における構成要素と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0040】
まず、図2(a)に示すような、SIMS分析に用いる分析試料20を用意する。この分析試料20は、Si基板に不純物が注入された試料を5mm×5mm程度の大きさに劈開切断して得られる。また、上記分析試料20の表面20aには、回転刃(ダイシングマシンなど)100を用いて溝25が形成されている。上記溝25は、分析試料20の表面20aの一辺からこの一辺の対辺まで延びている。また、上記溝25は、表面20aの中心付近4mm×4mmを残すように形成されており、幅が例えば10μm〜60μm、深さが例えば0.3μm〜2μmになっている。
【0041】
次に、図2(b)に示すように、上記支持基板1aの凹部2内に分析試料20を収容して、分析試料20の表面20aを凹部2の底面に直接密着させる。このとき、上記分析試料20の裏面20bは図中上側を向いている。そして、上記分析試料20を支持基板1aに密着させたままの状態で、分析試料20の周囲に接着剤9を塗布し、分析試料20を支持基板1aに固定する。この際に、上記分析試料20の表面20aに形成した溝25内に接着剤9が流れ込み、両者の接着面積が増えるので、支持基板1aに対する分析試料20の固定強度を高めることができる。
【0042】
上記支持基板1aは、例えば15mm×15mmのSi基板を使用して得られる。また、上記凹部2は、支持基板1aの中央付近において6mm×6mm程度の大きさで形成されている。上記凹部2の形成方法は、所望のパターンを有するレジスト膜をSi基板上に形成し、Si基板のみをエッチャントKOHで1μmエッチングした後、レジスト膜を硫酸と過酸化水素水の混合液により除去する。このような処理時に、Si基板が数10Å酸化されるため、5%のHFにて酸化膜の除去を行う。
【0043】
次に、図2(c)に示すように、上記分析試料20の裏面20bに対して化学的機械的研磨を行う。この化学的機械的研磨では、支持基板1aの表面と分析試料20の裏面20bとが同じ高さになった時点、つまり、支持基板1aの表面と分析試料20の裏面20bとが同一平面上に存在するようになった時点で、分析試料20の裏面20bを鏡面仕上げする。なお、SIMS分析は、分析試料20の裏面20bの中心付近4mm×4mm内の領域に対して行う。
【0044】
上記実施例2では、分析試料20の表面20aに2つの溝25を形成していたが、1つまたは2つ以上の溝を形成してもよい。
【0045】
また、図2(d)に示すように、分析試料120の表面120aの縁部のみに溝125を形成してもよい。この溝125は、幅が例えば10μm〜60μm、深さが例えば0.3μm〜2μm程度である。また、上記溝125の長さは、分析試料20の表面120aの各辺の長さの1/4〜1/20程度に形成する。また、上記溝125は、その各辺に1箇所または複数個または対辺のみに形成してもよい。
【0046】
(実施例3)
図3(a)〜(d)は本発明の実施例3の分析試料の作成方法の工程を示す図である。上記分析試料の作成方法は、半導体ウエハー内のTEG(Test Element Group)内の領域に形成された不純物層を裏面から分析するために、次のようにして行われる。
【0047】
まず、図3(a)に示すような、SIMS分析に用いる分析試料30を用意する。この分析試料30の表面30aにおいて分析すべき特定領域31をSIMS分析時に識別できるように、その表面30aの特定領域31の近傍を通る2本の溝35を設けている。この2本の溝35は、特定領域31から100μm程度に離れた場所で交差している。上記溝35は、回転刃(ダイシングマシンなど)100を用いて、例えば、幅20μm〜200μm、深さ2μm〜5μmで形成されている。
【0048】
上記特定領域31は、分析目的の不純物層を含み、例えば400μm×400μmである。このような特定領域31が分析試料30の中心付近に位置するように、分析試料30は4mm×4mm程度に劈開切断されている。
【0049】
次に、図3(b)に示すように、上記支持基板1aの凹部2内に分析試料30を収容して、分析試料30の表面30aを凹部2の底面に直接密着させる。このとき、上記分析試料30の裏面30bは図中上側を向いている。そして、上記分析試料30を支持基板1aに密着させたままの状態で、分析試料30の周囲に接着剤9を塗布し、分析試料30を支持基板1aに固定する。この際に、上記分析試料30の表面30aに形成した溝35内に接着剤9が流れ込み、両者の接着面積が増えるので、支持基板1aに対する分析試料30の固定強度を高めることができる。
【0050】
上記支持基板1aは、例えば15mm×15mmのSi基板を使用して得ている。また、上記凹部2は、支持基板1aの中央付近において6mm×6mm程度の大きさで形成されている。上記凹部2の形成方法は、所望のパターンを有するレジスト膜をSi基板上に形成し、Si基板のみをエッチャントKOHで1μmエッチングした後、レジスト膜を硫酸と過酸化水素水の混合液により除去する。このような処理時に、Si基板が数10Å酸化されるため、5%のHFにて酸化膜の除去を行う。
【0051】
次に、図3(c)に示すように、上記分析試料30の裏面30bに対して化学的機械的研磨を行う。この化学的機械的研磨では、支持基板1aの表面と分析試料30の裏面30bとが同一平面上に存在するようになった時点で、分析試料30の裏面30bを鏡面仕上する。上記化学的機械的研磨を行うと、分析試料30の表面30aに形成した溝35が、支持基板1aの凹部2の深さ(残し膜厚)より深いため、分析試料30の裏面30bから溝35が露出し、分析試料30の裏面30b側から溝35を確認することができる。
【0052】
次に、図3(d)に示すように、交差する2本の溝35から100μm程度に離れた位置が目的の特定領域31であるから、特定領域31の確認が容易となつてSIMS分析が可能になる。
【0053】
上記実施例3では、分析試料30の表面30aの特定領域31の近傍に2本の溝35を設けていたが、図4(a)に示すように、分析試料40の表面40aの特定領域41の近傍に2つの穴45を設けてもよい。この穴45は、目的の分析試料40の残し膜厚以上の深さで形成されている。
【0054】
上記分析試料40に対して図3(b),(c)と同様の処理を施すと、図4(b)に示すように、分析試料40の裏面40bから、穴45が露出して、分析試料40の裏面40b側から溝45を確認することができる。したがって、上記溝45の位置に基づいて、分析試料40の裏面40b側から特定領域41を容易に見つけ出せる。
【0055】
また、上記溝35や穴45の数を1つにしてもよいし、または、2つ以上にしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によって、分析試料の残し膜厚を制御できると共に、分析試料において表面と水平で平坦な裏面を容易に得ることができる。これより、上記分析試料の裏面からの分析時における精度を格段に向上させることが可能である。
【0057】
また、従来法に比べて試料作成工程が短く、試料の加工時間が短縮できるため分析の高効率化が期待できる。
【0058】
すなわち、本発明の分析試料の作成方法は、上記分析試料を収容する凹部を支持基板に形成するので、従来の不活性層が不要になり、その不活性層を形成する工程を省いて、多数の分析試料を効率よく得ることができる。
【0059】
また、本発明の分析試料の作成方法を用いて試料加工(調整)を行うことによって、SIMS測定などの測定精度向上、測定結果の安定化が可能となる。
【0060】
一実施形態の分析試料の作成方法は、上記分析試料の一方の表面には溝が形成されているので、その溝に接着剤を流し込むことにより、分析試料と支持基板との固定強度を向上させることができる。
【0061】
また、本発明の分析試料の作成方法は、上記分析試料を収容する凹部を支持基板に形成するので、従来の不活性層が不要になり、その不活性層を形成する工程を省いて、多数の分析試料を効率よく得ることができる。
【0062】
上記分析試料の一方の表面における特定領域の近傍に、薄膜化後の分析試料の厚さ以上の深さで溝または穴を設けてから、分析試料の他方の表面に対して研磨を行うことにより、分析試料の他方の表面から溝または穴が露出する。したがって、上記溝または穴の位置に基づいて、分析試料の他方の表面側から特定領域を容易に見つけ出すことができる。
【0063】
また、本発明の分析試料の作成方法を用いて試料加工(調整)を行うことでSIMS測定などの測定精度向上、測定結果の安定化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(f)は本発明の実施例1の分析試料の作成方法の工程図であり、図1(g)はSIMS分析時の分析試料の断面図である。
【図2】 図2(a)〜(c)は本発明の実施例2の分析試料の作成方法の工程図であり、図2(d)は上記実施例2の分析試料の作成方法の変形例の工程図である。
【図3】 図3(a)〜(d)は本発明の実施例3の分析試料の作成方法の工程図である。
【図4】 図4(a),(b)は上記実施例3の分析試料の作成方法の変形例の工程図である。
【図5】 図5(a)〜(f)は従来の分析試料の作成方法の工程図である。
【符号の説明】
1a 支持基板
2 凹部
10,20,30,40 分析試料
10a,20a,30a,40a 表面
10b,20b,30b,40b 裏面

Claims (5)

  1. 分析試料を保持する支持基板に凹部を形成する工程と、
    上記支持基板の凹部内に上記分析試料を収容して、上記分析試料の一方の表面を上記支持基板の凹部の底面に密着させて、上記分析試料を上記支持基板に固定する工程と、
    上記分析試料の他方の表面に対して研磨を行うことにより、上記分析試料を薄膜化する工程とを備えたことを特徴とする分析試料の作成方法。
  2. 請求項1に記載の分析試料の作成方法において、
    上記分析試料の一方の表面には溝が形成されていることを特徴とする分析試料の作成方法。
  3. 請求項2に記載の分析試料の作成方法において、
    上記溝は、少なくとも1つあり、上記分析試料の表面の一辺からこの一辺の対辺まで延びていることを特徴とする分析試料の作成方法。
  4. 請求項2に記載の分析試料の作成方法において、
    上記溝は、少なくとも1つあり、上記分析試料の表面の縁部のみに形成されていることを特徴とする分析試料の作成方法。
  5. 分析試料を研磨して薄膜化する分析試料の作成方法において、
    上記分析試料の一方の表面における特定領域の近傍に、薄膜化後の上記分析試料の厚さ以上の深さで溝または穴を設ける工程と、
    上記分析試料を保持する支持基板に凹部を形成する工程と、
    上記支持基板の凹部内に分析試料を収容して、上記分析試料の一方の表面を上記支持基板の凹部の底面に密着させて、上記分析試料を上記支持基板に固定する工程と、
    上記分析試料の他方の表面に対して研磨を行うことにより、上記分析試料を薄膜化する工程とを備えたことを特徴とする分析試料の作成方法。
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