JP2007155211A - ガバナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明におけるガバナ装置1は、軸方向の両端が開口する円筒状部49と、この円筒状部49の一端側に開口する制御用ポート52の開口縁に形成された弁座と、この弁座を閉止可能であるとともに、制御用ポート52からの持ち上がり高さによって制御用ポート52に対する開放量を制御可能な弁体18と、弁体18に対しバランサースプリング53を介して接続され、円筒状部49における軸方向への熱膨張あるいは熱収縮に起因した開放量の熱変動を補正するための温度補正部材54とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
請求項1の発明によると、弁体あるいは筒状部の少なくともいずれか一方に対し直接あるいは間接に接続され、筒状部における軸方向への熱膨張あるいは熱収縮に起因した開放量の熱変動を補正するための温度補正部材を備えるから、温度変化に対して開放量を一定に保持することが可能である。
請求項2の発明によると、弁体には、ポートを開放する方向に付勢するばねの一端側が係止され、同ばねの他端側は筒状部の軸方向への熱伸縮可能な温度補正部材に係止しているから、弁体をばねの自由端側に接続することが可能となり、温度補正部材の熱伸縮に対して弁体の開閉動作を緩やかに行うことができる。
請求項3の発明によると、温度補正部材は、筒状部の伝熱源を構成する部材と接触しているから、温度変化が筒状部に伝達されるとともに、温度補正部材にも伝達されることになり、迅速で精度の高い補正が可能となる。
請求項4の発明によると、温度補正部材は、ばねの他端側を支持するばね受け部と、このばね受け部から軸方向に沿って延びる複数本の脚部とからなるため、脚部を伝熱部として機能させることができる。
サーボ装置に用いられる材料としては、ある程度の耐熱性が要求されるため、耐熱性を高めようとして樹脂にガラス繊維を混入すると、伸び率が低下する。そこで、温度補正部材の軸方向における寸法を長くとることが考えられるが、それでは全体が大型化してしまうという問題がある。その点、請求項5の発明によると、温度補正部材としてポリアセタール樹脂を採用したから、ガラス繊維を混入しないでも耐熱性を確保することができ、温度補正部材を軸方向に長くしなくてもよく、もって全体が大型化するのを回避可能である。
出口側の圧力を一定に保つためには、温度補正部材をワーキングガバナ部に取り付けて補正することにより出口側の圧力を調整する方法が考えられる。しかし、この方法によると、一時的には出口側の圧力を調整することができたとしても、出口側の圧力変動に応じて開放量が変動し、その結果、出口側の圧力を調整前の圧力に戻そうとすることになる。そこで、請求項6の発明によると、温度補正部材をサーボ部に取り付けるようにしたから、開放量を一定に保持することが可能となり、もって出口側の圧力を一定に保持することが可能となる。
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。本実施形態におけるガバナ装置1は温水給湯暖房機であるガスボイラー等において、プレミックスバーナ(予混合バーナ)を用いた空燃比制御用に用いられる。ガバナ装置1は、図1に示すように、サーボ部10と、ワーキングガバナ部20と、電磁弁30と、ボディ40とからなる。ボディ40の内部には、入口側2と出口側3とを連絡する流路Rが配されている。流路Rを流れる燃料は、入口側2から流入して電磁弁30を通過した後、電磁弁30とワーキングガバナ部20とを連絡する導入路4を通じてワーキングガバナ部20を通過した後、出口側3に通じる導出路5を通じて出口側3から流出する。また、ボディ40の内部には、導入路4とサーボ部10とを連絡する第1の連通路6と、サーボ部10と導出路5とを連絡する第2の連通路7と、後述する圧力検知室25と第1の連通路6とを連絡する制御流路8とが形成されている。
ΔL=温度変化ΔT×線膨張係数C×長さ寸法L……(1)
の関係式が成立する。
一方、ΔHとΔLの関係については、調整ばね46のばね定数をK1とし、バランサースプリング53のばね定数をK2とすると、弁体18の高さ位置がΔHだけ上方に移動することにより、弁体18が調整ばね46から受ける力F1は、
F1=K1×ΔH
となるのに対し、弁体18がバランサースプリング53から受ける力F2は、
F2=K2×(ΔL−ΔH)
となり、これらの力F1,F2が釣り合う(F1=F2)から、
K1×ΔH=K2×(ΔL−ΔH)
→ΔL={(K1+K2)/K2}×ΔH……(2)
の関係式より、ΔLの値が定まるため、ΔLを式(1)に挿入することにより、長さ寸法Lおよび温度補正部材54の材質(線膨張係数C)を選択する。
特に本実施形態においては、ポリアセタール樹脂を使用しており、ガラス繊維を混入しなくても必要な耐熱性を得ることが可能であるから、伸び率(線膨張係数C)が低下することがない。その結果、長さ寸法Lを小さめとし、全体が大型化することを回避可能である。以上の通り、温度上昇に伴い円筒状部49が熱膨張する場合を例として説明したが、温度低下に伴い円筒状部49が熱収縮する場合についても同様であるため、その説明については省略する。
まずは、ガバナ装置1を稼働させて燃料の供給圧が一定となる定常状態に至るまでの状態について説明する。
ガバナ装置1を稼働させると、電磁弁30のコイル部31への通電に伴う励磁によってプランジャ32は戻しばね41の付勢力に抗して上昇しアウト側開口36を開放する。この状態で、燃料が都市ガスの場合には図示しない供給パイプ(パイプライン)により、また、燃料がプロパンガスの場合には図示しないガスボンベによって入口側2から流路R内に送り込まれると、燃料は遮断弁30のイン側開口36、アウト側開口37を経由して導入路4内へ到達する。一方、空気は、エア導入管13を介してエア導入室16内へと送られる。
温度上昇に伴い円筒状部49が熱膨張し、高さ寸法HがΔHだけ高くなったとすると、弁座50が弁体18にΔHだけ近づくことになる。もし、温度補正部材54を使用しない場合には、弁体18と弁座50との間がΔHだけ短くなるため、制御用ポート52の開放量が小さくなって開放量Q2(Q2<Q1)となる。すると、制御流路8を通じて圧力検知室25に送られる燃料の量が増えて、圧力検知室25内の圧力が上昇し、上室24との圧力差に基づいて大径ダイアフラム26が上昇する。これに伴い、調整弁29が上昇して供給用ポート22の開放量が大きくなるとともに、出口側3の圧力が上昇して圧力P2となる(図5のグラフ1参照)。しかし、本実施形態ではバランサースプリング53とボディ40との間に温度調整部材54が介在され、バランサースプリング53の下端はフランジ54Cによって支持されている。そのため、温度上昇に伴い温度補正部材54が熱膨張し、長さ寸法LがΔLだけ長くなり、バランサースプリング53全体をΔLだけ上方へと移動させることになる。ΔLはΔHと等しくなるように、温度補正部材54の材質と長さ寸法L等が設定されているから、弁体18は弁座50から所定高さA1だけ浮いた位置に保持され、制御用ポート52の開放量は所定の開放量Q1に保持される。したがって、出口側3の圧力は温度上昇に対して一定の圧力P1に保たれることになる(図5のグラフ2参照)。尚、本実施形態においては、温度補正部材54の脚部54Bがボディ40の表面に接触しているため、例えばコイル部31の発熱に起因してボディ40の表面温度が変化した場合には、その温度変化を温度補正部材54に迅速に伝達することが可能である。
次に、本発明の実施形態2を図6ないし図7によって説明する。本実施形態におけるガバナ装置1は、実施形態1のサーボ部10の構造を一部変更したものであり、その他の重複する構造については説明を省略する。本実施形態のサーボ部45は、ボディ40内に、小径ダイアフラム15によりエア導入室16と区画される圧力調整室56が設けられている。ボディ40の底面部59において、弁体46の下面中心部と対応する位置には、円筒状部57(本発明における筒状部に相当する。)が上方に突出している。この円筒状部57の上面中央部には、弁座58が円筒状部57と同軸で上方に突出して設けられ、弁座部58の上端面が弁体46に対する弁座となっている。また、底面部59と円筒状部57の内部には軸心に沿って鉛直路60が形成され、その上端は制御用ポート61として開口し、その下端は第1の連通路6に連通している。円筒状部57の外周面には、円筒形の温度補正部材62が全周方向に沿って接触状態で装着されている。温度補正部材62の下端は底面部59に支持されるとともに、温度補正部材62の上端は、バランサースプリング53の下端を支持している。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(6)本実施形態においては、温度変化によるダイアフラムの硬度変化について説明を省略しているが、より正確な温度補正を行うには、ダイアフラムの硬度変化を考慮に入れた材料選択および製品設計を行うようにすることが望ましい。この場合には、補正したい圧力変化に対する必要なスプリング荷重変化を実験等により導いた上で、そのスプリング荷重に見合ったΔLになるように線膨張係数Cと長さ寸法Lを設定すればよい。
2…入口側
3…出口側
6…第1の連通路
7…第2の連通路
8…制御流路
10…サーボ部
16…エア導入室
17…圧力調整室
18…弁体
20…ワーキングガバナ部
21…ケース体
22…供給用ポート(弁口)
25…圧力検知室
26…大径ダイアフラム(差圧作動部材)
29…調整弁
40…ボディ(伝熱源を構成する部材)
49…円筒状部(筒状部)
50…弁座
52,61…制御用ポート(ポート)
53…バランサースプリング
54,62…温度補正部材
54A…ばね受け部
54B…脚部
57…円筒状部(筒状部)
58…弁座
R…流路
Q…制御用ポートの開放量
Claims (6)
- 軸方向の両端が開口する筒状部と、
この筒状部の一端側に開口するポートの開口縁に形成された弁座と、
この弁座を閉止可能であるとともに、前記ポートからの持ち上がり高さによって前記ポートに対する開放量を制御可能な弁体と、
前記弁体あるいは前記筒状部の少なくともいずれか一方に対し直接あるいは間接に接続され、前記筒状部における軸方向への熱膨張あるいは熱収縮に起因した前記開放量の熱変動を補正するための温度補正部材とを備えることを特徴とするガバナ装置。 - 前記弁体には、前記ポートを開放する方向に付勢するばねの一端側が係止され、同ばねの他端側は前記筒状部の軸方向への熱伸縮可能な温度補正部材に係止していることを特徴とする請求項1記載のガバナ装置。
- 前記温度補正部材は、前記筒状部への伝熱源を構成する部材と接触していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガバナ装置。
- 前記温度補正部材は、前記ばねの他端側を支持するばね受け部と、このばね受け部から軸方向に沿って延びる複数本の脚部とからなることを特徴とする請求項2または請求項3記載のガバナ装置。
- 前記温度補正部材はポリアセタール樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガバナ装置。
- ケース体とこのケース体内において流路の入口側と出口側とを連通する弁口とこの弁口を開閉する調整弁と前記ケース体内に設けられる圧力検知室とこの圧力検知室と前記出口側との間を仕切りかつ前記圧力検知室と前記出口側との圧力差に基づいて前記調整弁に開閉動作を行わせる差圧作動部材とを備えるワーキングガバナ部と、
一定圧の空気が導入されるエア導入室と、前記弁体により前記エア導入室と区画される圧力調整室とを備えるサーボ部と、
前記ワーキングガバナ部と前記サーボ部とが組み込まれ、かつ、前記入口側と前記ポートとを連通する第1の連通路と、前記出口側と前記圧力調整室とを連通する第2の連通路と、前記圧力検知室と前記第1の連通路とを連通する制御流路とを備えたボディとを有し、
前記圧力検知室内の圧力は、前記開放量により制御されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のガバナ装置。
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