JP2007154959A - 動圧流体軸受装置及びその製造方法 - Google Patents

動圧流体軸受装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007154959A
JP2007154959A JP2005349181A JP2005349181A JP2007154959A JP 2007154959 A JP2007154959 A JP 2007154959A JP 2005349181 A JP2005349181 A JP 2005349181A JP 2005349181 A JP2005349181 A JP 2005349181A JP 2007154959 A JP2007154959 A JP 2007154959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
bearing device
shaft
manufacturing
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005349181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007154959A5 (ja
Inventor
Takafumi Asada
隆文 淺田
Tsutomu Hamada
力 濱田
Kazuo Shimada
一男 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fine Sinter Sanshin Kk
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Fine Sinter Sanshin Kk
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fine Sinter Sanshin Kk, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Fine Sinter Sanshin Kk
Priority to JP2005349181A priority Critical patent/JP2007154959A/ja
Publication of JP2007154959A publication Critical patent/JP2007154959A/ja
Publication of JP2007154959A5 publication Critical patent/JP2007154959A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/10Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load
    • F16C17/102Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure
    • F16C17/107Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure with at least one surface for radial load and at least one surface for axial load

Abstract

【課題】圧粉成型金属焼結体などの多孔質素材からなるスリーブの表面を適切に封孔することを課題とする。
【解決手段】本発明の動圧流体軸受装置は、スリーブ3と、スリーブ3の軸受穴3Aに相対的に回転自在に挿入される軸1と、スリーブ3の内周面に形成された動圧発生溝とを有し、スリーブ3は、表面多孔率が0.01以下である。またその多孔質表面には、厚さ2〜10マイクロメータの四三酸化鉄(Fe34)皮膜が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明はディスク回転装置等に使用される動圧流体軸受装置及びその製造方法に関するものである。
近年、回転するディスクを用いた記録装置等はそのメモリー容量が増大し、またデータの転送速度が高速化している。このため、これらの記録装置等に使用される軸受には、常にディスクを高精度に回転させるための高い性能と信頼性が要求されている。そこで、これらの回転装置には高速回転に適した動圧流体軸受装置が用いられている。
動圧流体軸受装置は、軸とスリーブとの間に潤滑流体(例えば、オイル)を介在させ、動圧発生溝によって回転時にポンピング圧力を発生させる。これにより軸がスリーブに対して非接触で回転するため、動圧流体軸受装置は、機械的な摩擦が無く、高速回転に適している。
以下、図13〜図15を参照しながら、従来の動圧流体軸受装置の一例について説明する。
図13は、従来例の動圧流体軸受装置の構成の概略を示す断面図である。図13において、動圧流体軸受装置は、軸11、フランジ12、スリーブ13、スラスト板14、オイル15、ロータ16、ベース17を有する。軸11は、フランジ12を一体的に有している。軸11は、スリーブ13の軸受穴13Cに回転自在に挿入され、フランジ12は、スリーブ13の凹部に収納される。軸11の外周面またはスリーブ13の内周面の少なくともいずれか一方には、動圧発生溝13A、13Bが設けられている。また、フランジ12のスリーブ13との対向面及びフランジ12のスラスト板14との対向面には、動圧発生溝12A、12Bがそれぞれ設けられている。スラスト板14は、スリーブ13に固着されている。各動圧発生溝13A、13B、12A、12Bの付近の軸受隙間は、少なくともオイル15で充満されている。ロータ16には、ディスク18が固定される。
ベース17には、スリーブ13が固定される。ロータ16には、図示しないロータ磁石が取り付けられ、またベース17には、ロータ磁石に対向する位置に図示しないモータステータが固定される。
ここで、以上のように構成された従来の動圧流体軸受装置を有する回転装置の動作について説明する。図示しないモータステータに通電して、図示しないロータ磁石に回転力が与えられると、図13に示すロータ16、軸11、フランジ12、ディスク18が回転を始める。回転力により、動圧発生溝13A、13B、12A、12Bは、オイル15をかき集め、軸11とスリーブ13との間、及びフランジ12とスリーブ13及びスラスト板14との間には、ポンピング圧力が発生する。これにより、軸11は、スリーブ13とスラスト板14とに対して非接触で回転する。軸11とともにディスク18が回転し、回転装置では、図示しない磁気ヘッドまたは光学ヘッドにより、ディスク18上のデータの記録再生が行われる。
図13の従来の動圧流体軸受装置において、スリーブ13には、素材が安価でありかつ高級なNC旋盤での精密加工が不要な圧粉焼結体が用いられている。
しかし、圧粉焼結体により成型される軸受は、金属粉末を原料として用いるために、通常の工程では焼結体粒子間の空隙による連通孔の存在を完全に無くすことが不可能であり、通気性を有している。このため、例えば、軸受表面で発生した動圧が上記した連通孔を通じて漏れて圧力低下を生じたり、オイル漏れや回転軸の剛性の低下を招いたりというように、回転精度に悪影響を及ぼすことがある。
そこで、焼結体軸受の表面にスチーム処理を施し酸化鉄皮膜を設けることにより、気孔を封孔し、機密性を高める技術がすでに提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−115898号公報
しかしながら、従来のようにスリーブの表面に単に酸化膜皮膜を設けるだけでは多孔質材である圧粉焼結体の表面及び内部空孔を完全に埋める事は事実上困難であり、十分な機密性を保つことは難しい。
このため、図14に示すように、当初オイル15を符号Uの位置まで軸受隙間全体に注入しておいても、多孔質であるスリーブ13の内部に当初から空孔(ポーラス)が存在しているため、また酸化膜を形成しても表面に空孔が残留しているため、約500時間放置後には、オイル15がスリーブ13内の空孔に入り込み、オイル15の液面高さは符号Vの位置まで下がってしまう。この結果、動圧発生溝13Aは、軸11と擦れて焼け付くことがある。
また、図14において、オイル15は、多孔質であるスリーブ13の表面に符号15Bに示すように外部に滲み出してしまい、そのオイルが蒸発してガスが周囲を汚染する事がある。
また、多孔質であるスリーブ13のこのような封孔状態は、例えば、図示しないビーカに十分な量のオイルを入れ、スリーブ13を単品で、またはスリーブ13に軸11、フランジ12、スラスト板14とを組み立てた状態で浸漬放置し、約500時間後に総重量の増加を測定し、多孔質材料に染み込んだオイル重量を求めることで診断が可能である。従来は、図15に示すように、80℃、500時間の油中浸漬で2ミリグラム以上の変化(重量変化)が認められている。一般に、軸受装置全体のオイル量が10ミリグラム程度であるため、この変化は、動圧流体軸受装置の信頼性を大きく損なうものである。
さらに、一般的に動圧流体軸受装置におけるスリーブ13と軸11の隙間は5μm程度に設定される。このため、動圧流体軸受装置の信頼性を確保するには、スチーム処理後の表面酸化膜の厚さの均一性と精度の確保、使用時における軸11とスリーブ13との熱線膨張係数差における軸受隙間の変化の防止、表面の硬度や粗さによる摩耗粉等の発生の防止などが不可欠なものである。
そこで本発明は、多孔質材料からなるスリーブの表面を適切に封孔することを課題とする。さらに付随的に本発明は、流体軸受装置の性能の確保、コストの削減、信頼性の確保などを達成することを課題とする。
本発明は、スリーブと、スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、軸の外周面またはスリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置およびその製造方法である。スリーブは、例えば、多孔質表面に四三酸化鉄(Fe34)皮膜が厚さ2マイクロメータ以上施されており、表面多孔率が0.01以下となるように製造される。これにより表面に残留する空孔を適切に封止することが可能となる。
本発明では、動圧流体軸受装置において、多孔質材料からなるスリーブの表面を適切に封孔することが可能となる。このため、付随的には、発生した動圧の機械的強度が増す。また、焼結体軸受の表面粗さが改善される。このため、例えば、小さな軸受面積でも高い剛性が得られ、小型スピンドルモータにも適切な動圧流体軸受装置が提供可能となる。
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図11は、本発明の動圧流体軸受装置の構成の概略を示す断面図である。
図1において、動圧流体軸受装置は、軸1、フランジ2、スリーブ3、オイル4、上カバー5、下カバー6、ロータ7、ベース8を有する。軸1は、フランジ2を一体的に有している。軸1は、スリーブ3の軸受穴3Aに相対的に回転自在に挿入されている。フランジ2は、スリーブ3の下面に対向している。軸1の外周面またはスリーブ3の内周面の少なくともいずれか一方には、動圧発生溝3Bが設けられている。また、スリーブ下面3Cまたはフランジ2のスリーブ下面3Cとの対向面の少なくともいずれか一方には、動圧発生溝2Aが設けられている。上カバー5と下カバー6とは、スリーブ3またはロータ7に固着されている。各動圧発生溝3B、2Aの付近の軸受隙間は、少なくともオイル(オイル等の潤滑流体)4で充満されている。ロータ7には、ディスク9が固定される。ベース8には、軸1が固定される。ロータ7には、図示しないロータ磁石が取り付けられる。ベース8には、ロータ磁石に対向する位置に図示しないモータステータが固定される。図示しないロータ磁石は、軸方向に吸引力を発生し、スリーブ3をフランジ2の方向に約10〜50グラムの力で押し付けている。
スリーブ3は、図2に示すような部材であり、鉄成分が全体の80重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上占める圧粉成型金属焼結体であり、その体積密度が98%以上の多孔質材料である。
図3に示すように、一般に、焼結金属は多孔質であり、孔は、通気孔3I、閉鎖孔3J、盲孔3Kからなる。動圧流体軸受装置においては、通気孔3Iと閉鎖孔3Jの2種類が、オイル漏れや圧力もれ防止の点で問題となる。すなわち、通気孔3Iを封孔すれば油等の漏れはなくなるが、閉鎖孔3Jが残ると閉鎖孔3J内に初期的に空気またはオイルが滞留する恐れがあるため、この通気孔3Iと閉鎖孔3Jとを合計した表面多孔3I+3Jを低減する必要がある。尚、表面多孔率は、全多孔3I+3J+3Kに対する表面多孔3I+3Jの割合として算出される。なお、鉄系金属焼結体の場合は、体積密度7.84g/cm3であれば、その体積密度は100%(1.00)であり、多孔率は0%であり、真密度が測定されたことを意味する。
図4は、鉄系材料からなるスリーブ3の体積密度[g/cm3]と孔率の関係を示している。グラフG1は、通気孔率、グラフG2は、表面多孔率、グラフG3は、全多孔率を示しており、これらグラフの内、通気孔率のグラフG1と表面多孔率のグラフG2は、実測値を示している。なお、尚、全多孔率G3は体積密度から一義的に定まる値である。
図4において体積密度が7.3以上では、表面多孔率(グラフG2)は、0.05以下になることが示されている。また、体積密度が7.7以上では、表面多孔率(グラフG2)は、0.01以下になり、通気孔率(グラフG1)は、0に近づくことが示されている。すなわち、体積密度を7.7〜7.84g/cm3にすることにより、通気孔率を0、閉鎖孔率を0.01以下とすることが可能となり、スリーブ3からのオイル漏れとスリーブ3表面からのオイルの染み込みとを防止することが可能となる。
図5は、図4の横軸の体積密度を%で示したものである。
図5において体積密度が98%以上では表面多孔率は0.01以下になり、通気孔率は0に近づくことが示されている。すなわち、体積密度を98%以上にすることにより、通気孔率を0、閉鎖孔率を0.01以下にすることが可能となり、スリーブ3からのオイル漏れとスリーブ3表面からのオイルの染み込みとを防止することが可能となる。
尚、図4及び図5に示すそれぞれの孔率は、JIS Z 2501:2000「焼結金属材料 ― 密度,含油率及び開放気孔率試験方法」を用いて測定したもの(多孔率または気孔率と表現される値)である。
図6は、図示しないビーカに十分な量のオイルを入れ、表面多孔率の異なるスリーブを単品で浸漬放置し、約2000時間後に総重量の増加を測定したグラフである。これにより多孔質材料に染み込んだオイル重量を求めることが可能である。本発明のスリーブ3のように、表面多孔率が0.01以下ではスリーブ重量変化率は0.005%以下程度でありオイルの染み込みはほぼ見られなく良好であった。
図7は、本発明のスリーブ3の重量の時間変化を示している。本発明のスリーブ3は、体積密度98パーセント以上の圧粉成型金属焼結体素材の多孔質からなり、その表面には2〜10マイクロメータの厚さに四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成している。この四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成する事で、圧粉成型金属焼結体の表面に残留する空孔(ポーラス)を埋めている。この皮膜は、例えば、400℃〜700℃の水蒸気処理にて形成される。
図7は、このようなスリーブ3を80℃のオイル中に3000時間浸漬し重量変化を測定したデータである。3000時間放置後もスリーブ3は重量変化がほとんどない。これは、オイルがスリーブ3の内部に吸い込まれたりしていない事を示している。このような表面が完全に封孔されたスリーブ3を用いる事で、図1に示す動圧流体軸受装置において、回転時の圧力低下を防止でき、高性能、高剛性を得ることが可能となる。また、オイルがスリーブ3の内部に染込んで軸受隙間のオイル4が枯渇して軸受が焼け付いたり、またオイルがスリーブ3の外部に流出して軸受装置の周辺をオイルのガスで汚染したりすることが防止可能となる。
またスリーブ3の軸受穴3Aは、1ミクロンメータ以下の高い加工精度が要求される。このため、四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成する前か、後の少なくともいずれか一方に、金型内にスリーブ3を挿入しプレス機械によりサイジング加工を施す。このサイジング加工は、四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成する前に行う方が、サイジングが軽荷重で容易に行えるが、四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成する後で行った方が四三酸化鉄(Fe34)皮膜の厚さばらつきをサイジング工程で補正できるために仕上がり精度が良好である。このようにスリーブ3は、四三酸化鉄皮膜を形成した後にサイジングを行うことにより、動圧流体軸受装置としての必要な高い要求精度を満たすことができる。
さらに、図8に示すように、必要に応じて四三酸化鉄(Fe34)皮膜3Gのオーバーコートとしてニッケル系の無電解メッキ3HまたはDLC皮膜(例えば株式会社栗田製作所のプラズマイオン注入式の立体物用3DパックDLCコーティング等が用いられる。)を1ミクロンメータ以上の厚さに施す事でスリーブ3の耐摩耗性の向上と同時に確実な表面封孔効果を得ている。また、スリーブ3の封孔効果をさらに確実に行うには、もしもオーバーコート3Hや四三酸化鉄(Fe34)皮膜3Gにピンホールや表面欠陥があった場合にも問題が生じない様に、焼結体素材3Lであるスリーブ3の内部に確率的に残留する内部空孔3Fを、オーバーコート3H加工前に低圧環境下で樹脂または水ガラスに含浸し、封孔しておくことも好ましい。
図9は、図1に示す動圧流体軸受装置のロータ7を示している。ロータ7は、ステンレス材料やアルミニウム材料等の金属、硬質樹脂、または鉄や銅を主成分とする体積密度が98%以上の圧粉成型金属焼結体などからなっている。ロータ7が圧粉成型金属焼結体である場合は、その表面には2〜10マイクロメータの厚さに四三酸化鉄(Fe34)皮膜が形成されている。このように、四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成する事で圧粉成型金属焼結体の表面に残留する空孔(ポーラス)を埋めることが可能となる。ロータ7は、スリーブ3と一体に組み立てられるが、スリーブ3の外周面とロータ7の内周面との少なくともいずれか一方には、潤滑流体(オイル4)が循環可能な縦溝3E(図2参照)が設けられている。ロータ7は、ディスク等を固定し易いように段部7Aを有している。
尚、スリーブ3とロータ7が共に鉄成分を全体の80重量%以上、好ましくは95重量%以上を占める成分からなる圧粉成型金属焼結体であり、体積密度が85%以上の多孔質材料である場合には、両部品を別々に焼結後、スリーブ3をロータ7に軽く圧入し、その後にその表面に2〜10マイクロメータの厚さに四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成すれば、安価に部材が構成できる。しかも、スリーブ3とロータ7との材料の熱線膨張係数が同じなので、温度が変化しても部材に歪が生じたり変形したりせず、動圧流体軸受装置の性能が良好となる。
尚、スリーブ3とロータ7とを一体的に圧粉成型金属焼結体として加工し、縦溝3Eをドリル加工(縦穴加工)で1ケ所ないし4ケ所程度形成してもよい。
以上のように構成された本発明の動圧流体軸受装置を備える回転装置の動作について図1を用いて説明する。
図示しないロータ磁石に回転力が与えられると、図1に示すロータ7、スリーブ3、上カバー5、下カバー6、ディスク9が回転を始める。回転により、動圧発生溝3B、2Aは、オイル4をかき集め、軸1とスリーブ3との間、及びフランジ2とスリーブ3との間には、ポンピング圧力が発生する。これにより、スリーブ3は、軸1及びフランジ2に対して非接触で回転する。スリーブ3とともにディスク9が回転し、回転装置では、図示しない磁気ヘッドまたは光学ヘッドにより、ディスク9上のデータの記録再生が行われる。なお、スリーブ3の縦溝3Eでは、動圧流体軸受装置が回転中にオイル4が循環可能であり、オイル4が不足する部分に必要なオイル4が供給され易くなり油膜切れが防止される。
オイル4は、フランジ2と下カバー6との間の隙間にも表面張力で保持され、また軸受が回転中は遠心力が働いてオイル漏れはさらに強力に防止される。またオイル4は、上カバー5とスリーブ3の上部に設けられた傾斜面3Dとの間の隙間にも表面張力により保持され、また軸受が回転中はオイル4に遠心力が加わりオイル漏れが防止される。上カバー5の内径部は、軸1の小径部1Aに対向しており、軸1の外径より小さく設けられているため、オイル4に働く遠心力は、十分に発揮される。またこの隙間のオイル4は、表面張力により、傾斜面3Dにより形成される傾斜状の隙間が小さくなる外周部に移動しようとするため、オイル4は、縦溝3Eにも流入しやすくなる。このため、オイル4は、軸受内部を移動し易く、軸受内部にオイル不足や油膜切れが起ころうとした場合に、オイル4は、縦溝3Eを通って移動し、必要な箇所に供給される。また、図1において、軸1の下端部1Bも軸1の外径(スリーブ3と径方向に対向する部分の外径)より細く構成され、下カバー6の内径も軸1の外径より小さく構成されているため、オイル4に対して遠心力が十分に作用し、強力なオイルシール効果が得られる。
図1におけるスリーブ3は、圧粉成型金属焼結体素材の多孔質表面に四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成している。圧粉成型に用いる金属粉末の材質については、真鍮など銅系のものでもよいが、モータの回転軸との熱線膨張係数差を小さくするためには、鉄成分を全体の80重量%以上、好ましくは95%重量以上を占める成分からなる鉄系の粉末または純鉄が好ましい。
スリーブ3の表面は、図8に示すように、四三酸化鉄(Fe34)皮膜によって残留空孔が閉鎖されているので、オイル4がその空孔に入ってしまい軸受隙間のオイルが枯渇する心配がない。また、オイル4がスリーブ3の内部の残留空孔を通過してスリーブ3の外へ漏洩する問題も生じない。また四三酸化鉄(Fe34)を厚さ2マイクロメータ以上の厚さに施すことにより、鉄系材料からなるスリーブでは、防錆効果が高まり、表面の耐摩耗性も向上する。
図10は、図示しないビーカに十分な量のオイルを入れ、皮膜厚さが異なるスリーブを単品で浸漬して80℃で放置し、2000時間後に総重量の変化量(図10に示すスリーブの重量変化率)を測定し、多孔質材料に染み込んだオイル重量を求めたデータである。スリーブ3は、圧粉成型金属焼結体素材の多孔質材料であるが、その体積密度が92%未満では表面多孔率が大きいために、表面にいくら四三酸化鉄(Fe34)皮膜を形成しても表面が充分には封孔されず、図6に示すように、オイルが染込み、スリーブの重量が増加することを発見した。一方、本発明のように、体積密度が92%以上(鉄系材料を95%以上含む粉体では、7.2g/cm3以上)、さらに好ましくは92〜98%(鉄系材料を95%以上含む粉体では、7.2〜7.7g/cm3)であれば、スリーブ3の表面に残留する空孔は、四三酸化鉄(Fe34)皮膜を施す事で封止され、また四三酸化鉄皮膜の厚さを2マイクロメータ以上の厚さにすることで、スリーブ3はオイル15をほぼ吸い込まないため、2000時間後も重量変化がほとんど無く良好である事を発見した。
また良好な結果を得たスリーブ3の四三酸化鉄(Fe34)皮膜の厚さは2〜10マイクロメータである事を発見した。厚さが2マイクロメータ未満では、多孔質表面を封孔する効果が不足し、また10マイクロメータを超える厚さの場合は四三酸化鉄(Fe34)皮膜が剥離したり、割れたりする欠陥が生じた。この四三酸化鉄(Fe34)皮膜の厚さについては、その厚さが2マイクロメータ以上の厚さであれば多孔質材料の体積密度が92%以上の条件との組み合わせ効果により表面が封孔され、オイルが染込まない事を発見した。このようにして作られたスリーブ3は、多孔質材料の表面がほぼ完全に封孔され、動圧流体軸受装置の圧力発生効果を高めることができる。
なお、焼結したスリーブを再圧縮することで体積密度を92%以上(7.2g/cm3以上)とした後、スリーブの多孔質表面の孔部に四三酸化鉄または樹脂または水ガラスのうち少なくとも一つの材料を充填し、封孔を行ってもよい。これにより、充填前に比較して表面多孔率を小さくすることが可能となる。
図11は、図示しないビーカに十分な量のオイルを入れ、メッキ厚さが異なるスリーブを単品で浸漬して80℃で放置し、2000時間後に総重量の変化量を測定し、多孔質材料に染み込んだオイル重量を求めたデータである。スリーブ3は、圧粉成型金属焼結体素材の多孔質材料であるが、その体積密度が92%未満では表面にいくらメッキやDLC皮膜を設けてもスリーブ3の表面は封孔されない。一方、本発明のように、体積密度が92%以上、さらに好ましくは92〜98%であれば、厚さ1マイクロメータ以上のニッケルを含む成分から成る無電解メッキ皮膜またはDLC皮膜を施すことで、表面に残留していた空孔は封孔され、スリーブ3は、オイル4をほとんど吸い込まなくなり、2000時間後も重量変化がほとんどなく良好である事を発見した。
また、四三酸化鉄(Fe34)層を先に形成し、その表面にニッケルを含む無電解メッキまたはDLC皮膜を形成することにより、メッキ層またはDLC層とスリーブ3との間の密着性がより良くなり、これら薄膜の剥離強度が20パーセント程度良くなることを発見した。スリーブ3と軸1との隙間は、一般に5μm程度に設定されるのであるが、サイジングを施すことにより適正な隙間を確保でき、メッキをすることで摩耗粉の流出を抑えることができる。さらにモータの回転軸との熱線膨張係数差の少ないニッケルを含む無電解メッキやDLC皮膜を施した鉄系の焼結体は最適である。
尚、本実施の形態において、軸1及びフランジ2の材質は、ステンレス鋼、高マンガンクロム鋼、または炭素鋼を用いた。軸1としては、ラジアル軸受面の表面粗さが、0.01〜0.8マイクロメータの範囲に加工された材料を使用している。
尚、図13に示す軸が回転する構成の動圧流体軸受装置における、金属切削で製作されたスリーブ13よりも、本発明のスリーブ3は表面粗さが粗い。このため、スリーブ3とロータ7とを接着で固定する場合には、接着強度がより高くなり、接着溝を設ける必要がなくなる。また本発明により形成されたスリーブを、図13に示す動圧流体軸受装置に適用することも可能であり、この場合には、スリーブは高い接着強度を発揮することができるため、他の部材を介さずスリーブとベースとを直接接着固定することも可能となる。
尚、本実施の形態の動圧流体軸受装置を備える回転装置は、図1に示すように軸1の両端が固定可能で、スリーブ3が回転する構造である。しかし、本発明の適用範囲はこれに限らず、例えば日本特許第3155529号(流体動圧軸受を備えたモータ及びこのモータを備えた記録ディスク駆動装置)の第2図に示す様に、軸の上側にロータが固定され軸の下側にリング形状の部材が取り付けられ、このリング形状の部材周辺がラジアル軸受面に隣接するオイル溜まりを有し、ロータの下面とスリーブの上面とが対向してスラスト軸受面を形成する動圧流体軸受装置においても、本発明は適用できるものである。
尚、本実施の形態で用いられるスリーブ3は、鉄系材料を95%以上(80%以上)含む粉体の体積密度を6.8〜7.2g/cm3(85〜92%)に圧縮成型する工程と、圧縮成型後、1000℃〜1300℃の焼結を施す工程と、焼結後、体積密度7.7〜7.84g/cm3(98〜99.9%)に再圧縮することで、表面多孔率を0.01以下にする工程と、により形成されていてもよい。このように焼結後に再度圧縮成型を行うことで、最終的に得られるスリーブ3の寸法精度を向上させることが可能となる。
尚、本実施の形態で用いられるスリーブ3は、鉄系材料を95%以上(80%以上)含む粉体の体積密度を6.8〜7.2g/cm3(85〜92%)に圧縮成型する工程と、圧縮成型後、700℃〜1000℃の焼結を施す工程と、焼結後、体積密度7.7〜7.84g/cm3(95〜99.9%)に再圧縮する工程と、再圧縮後、1000℃〜1300℃の焼結を施し、表面多孔率を0.01以下にする工程と、により形成されてもよい。このスリーブ3の製造方法では、2回焼結を行っており、上述した1回焼結によるスリーブの製造方法とは、焼結温度に差異がある。すなわち、それぞれの製造方法では、1回焼結に良好な焼結温度と、2回焼結に良好な焼結温度とをそれぞれ用いてスリーブ3が製造されている。
なお、本実施の形態で用いられるスリーブ3は、焼結前には、例えば、金属からなる粉体(例えば、鉄系材料を80%以上含む粉体)の体積密度を85〜92%(鉄系材料を95%以上含む粉体では、体積密度6.8〜7.2g/cm3)に圧縮成型されていてもよい。
(実施の形態2)
図12は実施の形態2としての動圧流体軸受装置を示す構成図である。21は、軸、22はフランジ、23はスリーブ、23Aは軸受穴、23B、23Cは動圧発生溝、22A、22Bは、フランジ22に設けられた動圧発生溝、23Dは、スリーブ23の径大部、23Jは、連通穴、24は、キャップである。
本実施の形態の動圧流体軸受装置の動作は、図1に示す動圧流体軸受装置と同じである。ただ、スリーブ23に少なくとも1ケ所に明けられた連通穴23Jを通じて、軸受内のオイル26に含まれ膨張した空気25が軸受外部に排出される。これにより動圧発生溝23B、23C、22A、22Bにおいて気泡の存在を防止し、オイル26の油膜を確実に形成し、動圧流体軸受装置の信頼性を向上させることができる。
連通穴23Jは、焼結金属体からなるスリーブ23に図示しないドリルで穴をあける方法で加工しても良く、直溝状の連通溝を外周面に有するスリーブ23とパイプ23Kを共に焼結金属体で成型し、高温で焼結後にパイプ23Kにスリーブ23を圧入することで一体化すると同時に連通穴23Jを構成しても良い。このようにスリーブ23とパイプ23Kとを組み合わせて構成すれば連通穴23Jを最も安価に構成することができる。動圧流体軸受装置の高速回転での性能と信頼性を確保するためには連通穴23Jの存在は大変有効であり、このように2個の焼結金属体を組み合わせて連通穴23Jを構成する方法の経済効果は大きい。
なお、パイプ23Kは、アルミまたはステンレス材料の薄板で形成しても経済的である。
この動圧流体軸受装置によっても、上記実施の形態1の動圧流体軸受装置と同様な効果を得ることができる。すなわち、上記実施の形態1と同様に、安価で、圧力漏れが無く、高性能で長寿命な動圧流体軸受装置を得ることができる。
本発明はハードディスク装置やその他の回転装置に用いられる動圧流体軸受装置であって、多孔質材料からなるスリーブの表面を適切に封孔することが求められる分野において有用である。
実施の形態1の動圧流体軸受装置の断面図 実施の形態1の動圧流体軸受装置におけるスリーブの説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置におけるスリーブ断面の拡大図 実施の形態1の動圧流体軸受装置における体積密度の影響についての説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置における体積密度の影響についての説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置における表面多孔率の影響についての説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置におけるスリーブ重量の時間変化についての説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置におけるスリーブ断面の拡大図 実施の形態1の動圧流体軸受装置におけるロータの説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置における皮膜厚さの影響についての説明図 実施の形態1の動圧流体軸受装置におけるメッキ厚さの影響についての説明図 実施の形態2の動圧流体軸受装置の断面図 従来の動圧流体軸受装置の断面図 従来の動圧流体軸受装置におけるスリーブの説明図 従来の動圧流体軸受装置におけるスリーブ重量の時間変化についての説明図
符号の説明
1、21 軸
2、22 フランジ
2A、22A,22B 動圧溝(スラスト)
3、23 スリーブ
3B、23B,23C 動圧溝(ラジアル)
4 潤滑流体(オイル)
5 上カバー
6 下カバー
7 ロータ
8 ベース
9 ディスク
26 スラスト板

Claims (19)

  1. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    金属からなる粉体の体積密度を85〜92%に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、焼結を施す工程と、
    焼結後、再圧縮によって体積密度を92%以上にする工程と、
    再圧縮後、スリーブの多孔質表面の孔部に四三酸化鉄または樹脂または水ガラスのうち少なくとも一つの材料を充填することで、充填前に比較して表面多孔率を小さくする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  2. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    鉄系材料を95%以上含む粉体の体積密度を6.8〜7.2g/cm3に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、焼結を施す工程と、
    焼結後、再圧縮によって体積密度を7.2g/cm3以上にする工程と、
    再圧縮後、スリーブの多孔質表面の孔部に四三酸化鉄または樹脂または水ガラスのうち少なくとも一つの材料を充填することで、充填前に比較して表面多孔率を小さくする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  3. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    鉄系材料を80%以上含む粉体の体積密度を85〜92%に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、焼結を施す工程と、
    焼結後、再圧縮することで、表面多孔率を0.01以下にする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  4. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    鉄系材料を95%以上含む粉体の体積密度を6.8〜7.2g/cm3に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、1000℃〜1300℃の焼結を施す工程と、
    焼結後、体積密度7.7〜7.84g/cm3に再圧縮することで、表面多孔率を0.01以下にする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  5. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    鉄系材料を95%以上含む粉体の体積密度を6.8〜7.2g/cm3に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、700℃〜1000℃の焼結を施す工程と、
    焼結後、体積密度7.7〜7.84g/cm3に再圧縮する工程と、
    再圧縮後、1000℃〜1300℃の焼結を施し、表面多孔率を0.01以下にする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  6. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    鉄系材料を80%以上含む粉体の体積密度を85〜92%に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、1000℃〜1300℃の焼結を施す工程と、
    焼結後、体積密度98〜99.9%に再圧縮することで、表面多孔率を0.01以下にする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  7. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置の製造方法であって、
    前記スリーブは、
    鉄系材料を80%以上含む粉体の体積密度を85〜92%に圧縮成型する工程と、
    圧縮成型後、700℃〜1000℃の焼結を施す工程と、
    焼結後、体積密度95〜99.9%に再圧縮する工程と、
    再圧縮後、1000℃〜1300℃の焼結を施し、表面多孔率を0.01以下にする工程と、
    を含む工程により製造される、
    動圧流体軸受装置の製造方法。
  8. 前記スリーブには、400℃〜700℃の水蒸気処理にて多孔質表面に四三酸化鉄(Fe34)皮膜が厚さ2マイクロメータ以上施されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置の製造方法。
  9. 前記スリーブには、再圧縮を行う前に、400℃〜700℃の水蒸気処理にて多孔質表面に四三酸化鉄(Fe34)皮膜が厚さ2マイクロメータ以上施されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置の製造方法。
  10. 前記スリーブには、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキ皮膜またはDLC皮膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置の製造方法。
  11. 前記スリーブには、400℃〜700℃の水蒸気処理にて多孔質表面に四三酸化鉄(Fe34)皮膜が厚さ2〜10マイクロメータ施された後、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキ皮膜またはDLC皮膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置の製造方法。
  12. 前記スリーブは、内部に残留する多孔質内部に樹脂または水ガラスが含浸されており、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキ皮膜またはDLC皮膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置の製造方法。
  13. 前記スリーブは、スラスト軸受板を固定するスリーブカラーを外周面に一体的に有しており、
    前記スリーブと前記スリーブカラーとは、共に圧粉成型された金属焼結体であり、それぞれが一体に組み立てられた後に、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキまたはDLC膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置の製造方法。
  14. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置であって、
    前記スリーブは、鉄系材料を95%以上含む粉体を圧縮成型した焼結金属からなり、多孔質表面には四三酸化鉄(Fe34)皮膜が厚さ2マイクロメータ以上施され、表面多孔率が0.01以下である、
    動圧流体軸受装置。
  15. スリーブと、前記スリーブの軸受穴に相対的に回転自在に挿入される軸と、前記軸の外周面または前記スリーブの内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝とを有する動圧流体軸受装置であって、
    前記スリーブは、鉄系材料を80%以上含む粉体を圧縮成型した焼結金属からなり、多孔質表面には四三酸化鉄(Fe34)皮膜が厚さ2マイクロメータ以上施され、表面多孔率が0.01以下である、
    動圧流体軸受装置。
  16. 前記スリーブには、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキ皮膜またはDLC皮膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項14または15に記載の動圧流体軸受装置。
  17. 前記スリーブは、内部に残留する多孔質内部に樹脂または水ガラスが含浸されており、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキ皮膜またはDLC皮膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項14または15に記載の動圧流体軸受装置。
  18. 前記スリーブは、スラスト軸受板を固定するスリーブカラーを外周面に一体的に有しており、
    前記スリーブと前記スリーブカラーとは、共に圧粉成型された金属焼結体であり、それぞれが一体に組み立てられた後に、ニッケルを含む成分からなる無電解メッキまたはDLC膜が表面に厚さ1マイクロメータ以上施されている、
    請求項14または15に記載の動圧流体軸受装置。
  19. 前記スリーブは、スラスト軸受板を固定するスリーブカバーの内周面に挿入固定されている、
    請求項14または15に記載の動圧流体軸受装置。

JP2005349181A 2005-12-02 2005-12-02 動圧流体軸受装置及びその製造方法 Withdrawn JP2007154959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005349181A JP2007154959A (ja) 2005-12-02 2005-12-02 動圧流体軸受装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005349181A JP2007154959A (ja) 2005-12-02 2005-12-02 動圧流体軸受装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007154959A true JP2007154959A (ja) 2007-06-21
JP2007154959A5 JP2007154959A5 (ja) 2009-01-15

Family

ID=38239596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005349181A Withdrawn JP2007154959A (ja) 2005-12-02 2005-12-02 動圧流体軸受装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007154959A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009016983A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Ntn Corporation 流体動圧軸受装置およびその組立方法
JP2009036254A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Ntn Corp 流体軸受装置の組立方法
JP2009068691A (ja) * 2007-08-21 2009-04-02 Ntn Corp 流体軸受装置
JP2009074572A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Panasonic Corp 流体軸受装置およびそれを備えた情報記録再生処理装置
JP2012031965A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Porite Corp 流体動圧軸受の製造方法
US8454239B2 (en) 2007-07-31 2013-06-04 Ntn Corporation Fluid dynamic bearing device and assembling method thereof
JP2016102553A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Ntn株式会社 動圧軸受及びその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009016983A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Ntn Corporation 流体動圧軸受装置およびその組立方法
JP2009036254A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Ntn Corp 流体軸受装置の組立方法
US8454239B2 (en) 2007-07-31 2013-06-04 Ntn Corporation Fluid dynamic bearing device and assembling method thereof
KR101439924B1 (ko) * 2007-07-31 2014-09-12 엔티엔 가부시키가이샤 유체 동압 베어링 장치 및 그 조립 방법
JP2009068691A (ja) * 2007-08-21 2009-04-02 Ntn Corp 流体軸受装置
JP2009074572A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Panasonic Corp 流体軸受装置およびそれを備えた情報記録再生処理装置
JP2012031965A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Porite Corp 流体動圧軸受の製造方法
JP2016102553A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Ntn株式会社 動圧軸受及びその製造方法
WO2016084546A1 (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Ntn株式会社 動圧軸受及びその製造方法
CN107110209A (zh) * 2014-11-28 2017-08-29 Ntn株式会社 动压轴承及其制造方法
US10099287B2 (en) 2014-11-28 2018-10-16 Ntn Corporation Dynamic pressure bearing and method for manufacturing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7186028B2 (en) Hydrodynamic bearing device
US5998898A (en) Motor having hydrodynamic bearing
JP2007154959A (ja) 動圧流体軸受装置及びその製造方法
US5683183A (en) Spindle device and bearing device therefor
US20070047857A1 (en) Sleeve for hydrodynamic bearing device, hydrodynamic bearing device and spindle motor using the same, and method for manufacturing sleeve
EP2977626B1 (en) Fluid dynamic bearing device and motor provided with same
JP2006194400A (ja) スピンドルモータおよび回転装置
KR20100125251A (ko) 소결 베어링
JP2003232354A (ja) 軸受ユニットおよびその製造方法ならびにスピンドルモータ
JP2009074572A (ja) 流体軸受装置およびそれを備えた情報記録再生処理装置
US20150043844A1 (en) Sintered metal bearing
JP2010053914A (ja) 流体軸受装置、スピンドルモータ、情報装置
US7251891B2 (en) Production method for sintered bearing member, fluid dynamic pressure bearing device, and spindle motor
JP2006029565A (ja) 流体軸受装置、その流体軸受装置を有するスピンドルモータ及びハードディスク駆動装置
JP2005188552A (ja) 流体軸受装置
JP2007092992A (ja) 流体軸受装置用スリーブ、それを用いた流体軸受装置およびスピンドルモータ並びにスリーブの製造方法
JP3886028B2 (ja) 焼結含油軸受装置
JP2003336636A (ja) 動圧軸受装置
JP5670061B2 (ja) 流体動圧軸受装置及びその製造方法
JP2002276666A (ja) 動圧型軸受ユニット
JP2003130053A (ja) 流体軸受の製造方法
JP2010007721A (ja) 動圧流体軸受装置、それを備えたスピンドルモータ、および製造方法
JP2002238228A (ja) 流体軸受装置
JP4454491B2 (ja) 動圧流体軸受用スリーブの製造方法および動圧流体軸受用スリーブ
JP5901979B2 (ja) 流体動圧軸受装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081126

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20101118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125