JP2002238228A - 流体軸受装置 - Google Patents

流体軸受装置

Info

Publication number
JP2002238228A
JP2002238228A JP2001030403A JP2001030403A JP2002238228A JP 2002238228 A JP2002238228 A JP 2002238228A JP 2001030403 A JP2001030403 A JP 2001030403A JP 2001030403 A JP2001030403 A JP 2001030403A JP 2002238228 A JP2002238228 A JP 2002238228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid bearing
lubricant
sleeve
shaft
thrust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001030403A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
Hideo Okano
秀雄 岡野
Ikunori Sakatani
郁紀 坂谷
Etsuo Maeda
悦生 前田
Kazuhiro Kamimura
和宏 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001030403A priority Critical patent/JP2002238228A/ja
Publication of JP2002238228A publication Critical patent/JP2002238228A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産性,起動停止耐久性に優れ、取り付け精
度や同軸度の影響が流体軸受部分の摩耗に対して生じに
くい流体軸受装置を提供する。 【解決手段】 ベース11,スリーブ12,及びカウン
タープレート16からなる固定部と、軸13及びハブ1
4からなり前記固定部に流体軸受R,Sによって回転自
在に支持される回転部と、を備えるとともに、ハブ14
に取り付けたロータ磁石19と、該ロータ磁石19に径
方向のギャップGを介して対向するステータ18と、で
構成される駆動モータMによって前記回転部が回転駆動
されるスピンドルモータにおいて、ギャップGの大きさ
を0.25〜0.45mmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器,音響・
映像機器,事務機等に使用される流体軸受装置、特に、
磁気ディスク装置(以降はHDDと記す),光ディスク
装置等に最適な流体軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような用途に使用される流体軸受
装置としては、例えば、図1に示すようなHDD用スピ
ンドルモータがある。ベース11に立設した円筒部11
aの内側に、円筒体状のスリーブ12が内挿されてい
て、これらは一体的に固着されている。このスリーブ1
2には軸13が回転自在に挿通されていて、軸13の上
端には、逆カップ状のハブ14が一体的に取り付けられ
ており、軸13の下端には、円板状のスラストプレート
15が止めねじ20により固着されている。
【0003】このスラストプレート15の両平面は、ス
ラスト流体軸受Sのスラスト受面15s,15sとされ
ている。そして、上側のスラスト受面15sには一方の
相手部材であるスリーブ12の下端面がスラスト流体軸
受Sの流体軸受すきまを介して対向し、このスリーブ1
2の下端面がスラスト流体軸受Sのスラスト軸受面12
sとされている。
【0004】また、スラストプレート15の下方には、
他方の相手部材であるカウンタープレート16が配置さ
れ、ベース11に固定されている。このカウンタープレ
ート16の上面が、スラストプレート15の下側のスラ
スト受面15sにスラスト流体軸受Sの流体軸受すきま
を介して対向して、スラスト流体軸受Sのスラスト軸受
面16sとされている。
【0005】そして、上記スラスト受面15s,15s
とスラスト軸受面12s,16sとの少なくとも一方
に、ヘリングボーン状又はスパイラル状の動圧発生用溝
(図示せず)を備えて、スラスト流体軸受Sが構成され
ている。一方、軸13の外周面には、上下に間隔をおい
て一対のラジアル受面13r,13rが形成されてい
る。また、スリーブ12の内周面には、ラジアル受面1
3r,13rにラジアル流体軸受Rの流体軸受すきまを
介して対向してラジアル軸受面12r,12rが形成さ
れている。そして、ラジアル受面13r,13rとラジ
アル軸受面12r,12rとの少なくとも一方に、ヘリ
ングボーン状又はスパイラル状の動圧発生用溝17,1
7を備えて、ラジアル流体軸受R,Rが構成されてい
る。
【0006】そして、円筒部11aの外周面にはステー
タ18が固定され、ハブ14の内周面下側に固定されて
いるロータ磁石19とギャップGを介して周面対向して
駆動モータMを形成しており、この駆動モータMにより
軸13とハブ14とが一体的に回転駆動されるようにな
っている。軸13が回転すると、スラスト流体軸受S及
びラジアル流体軸受Rの各動圧発生用溝のポンピング作
用により、各流体軸受S,Rの流体軸受すきまに充填さ
れた微量の潤滑剤に動圧が発生して、軸13はスリーブ
12の内周面及びカウンタープレート16の上面と非接
触となり支承される。
【0007】上記のような流体軸受を使用したスピンド
ルモータのステータ18とロータ磁石19との間のギャ
ップGは、開発当初は、玉軸受を使用したスピンドルモ
ータの場合と同様に0.2±0.04mmに設計されて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、HDDは記録密
度の向上が求められていて、情報を記録するためのトラ
ックの幅が狭くなっているため、HDD用スピンドルモ
ータには、従来の玉軸受に代えて回転精度の優れた流体
軸受を採用することが検討されている。さらに、ノート
型パソコンのような携帯機器に搭載されるHDDにおい
ては、電池寿命を長くするため低消費電力であることが
求められている。そのため、HDDが動作しないときは
スピンドルモータをこまめに停止させて、データを読み
書きするときのみスピンドルモータを回転させるような
方式になってきている。したがって、このようなHDD
用スピンドルモータには、優れた起動停止耐久性(10
万回以上)が要求されるようになってきている。
【0009】しかしながら、流体軸受を使用したスピン
ドルモータの場合には、起動停止時に軸13の外周面と
スリーブ12の内周面とが接触することは避けられず、
スリーブ12の内周面が摩耗しやすいため、前述のよう
な市場の要求する起動停止耐久性を満足することは難し
かった。スピンドルモータの起動停止耐久性を優れたも
のとするためには、スリーブ12をステンレス鋼で構成
する方法や、スリーブ12を銅合金で構成し、その内周
面にメッキ処理を施して表面の硬さを高める方法などが
知られている。しかしながら、前者の方法においては、
ステンレス鋼は難削材であるため量産性が低いという問
題点があり、後者の方法においては、メッキ処理のため
高コストとなるという問題点があった。
【0010】一方、流体軸受を使用したスピンドルモー
タの起動停止耐久性試験を行うと、スリーブ12の内周
面のうちラジアル流体軸受Rを形成する部分の摩耗の程
度がスピンドルモータによって大きくばらついたり、前
記部分に偏摩耗が生じたりするという現象が起きる。そ
して、このような現象が起きる原因は、流体軸受の剛性
が玉軸受に比べて小さいため、ステータ18とロータ磁
石19との間のギャップGが小さい場合は、取り付け精
度や同軸度が悪いと、ロータ磁石19の吸引力による大
きな偏心荷重が作用し、ラジアル流体軸受R(軸13の
外周面とスリーブ12の内周面)が接触しやすくなるた
めであると判明した。よって、取り付け精度や同軸度が
摩耗に影響を与えるということが生じにくいスピンドル
モータの開発が望まれていた。
【0011】そこで、本発明は、上記のような従来技術
が有する問題点を解決し、量産性,起動停止耐久性に優
れ、取り付け精度や同軸度の影響が流体軸受部分の摩耗
に対して生じにくい流体軸受装置を提供することを課題
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明の流体軸受装置は、固定部と、該固定部に流体軸受に
よって回転自在に支持された回転部と、を備えるととも
に、前記回転部に取り付けたロータ磁石と、該ロータ磁
石に径方向のギャップを介して対向するステータと、で
構成される駆動モータによって前記回転部が回転駆動さ
れる流体軸受装置において、前記ギャップの大きさを
0.25〜0.45mmとしたことを特徴とする。
【0013】このような構成であれば、前記ステータと
前記ロータ磁石との間の径方向のギャップが大きいの
で、取り付け精度や同軸度の影響を受けにくく、流体軸
受部分の摩耗の程度が流体軸受装置によって大きくばら
ついたり、流体軸受部分に偏摩耗が生じたりすることが
起こりにくい。また、前記ギャップが大きいので、前記
駆動モータから発生する電磁騒音が小さい。
【0014】前記ギャップの大きさが0.25mm未満
であると、取り付け精度や同軸度の影響が流体軸受部分
の摩耗に対して生じやすく起動停止耐久性に問題が生
じ、0.45mmを超えると、駆動トルクが小さくなり
所定のモータ特性を満足できない。なお、前記回転部を
支持する前記流体軸受を、軸と、該軸に流体軸受すきま
を介して対向するスリーブと、を備えた構成とし、さら
に、前記スリーブを銅合金で構成してもよい。前記スリ
ーブを銅合金で構成すれば、前記スリーブの切削性,加
工性が著しく向上するので、流体軸受装置の量産性が向
上し、低コストとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る流体軸受装置の実施
の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、
本発明の流体軸受装置の一実施形態であるHDD用スピ
ンドルモータの縦断面図である。まず、スピンドルモー
タの構造を説明する。なお、以下の説明における上,下
等の方向を示す用語は、特に断りがない限り、説明の便
宜上、図1におけるそれぞれの方向を意味するものであ
る。
【0016】このスピンドルモータは、ハブ14が固着
された軸13と、ベース11の円筒部11aに取り付け
られたスリーブ12とから構成されている。軸13はス
リーブ12に回転自在に挿通されていて、軸13とスリ
ーブ12との間にはラジアル流体軸受Rが介装されてい
る。また、軸13の一端にはスラストプレート15が備
えられていて、スラストプレート15の両平面と、これ
に対向するスリーブ12及びカウンタープレート16と
の間に、スラスト流体軸受Sが設けられている。
【0017】ベース11の円筒部11aの外周面にはス
テータ18が固定されていて、ハブ14の内周面に固定
されたロータ磁石19と径方向のギャップGを介して周
面対向して駆動モータMを形成している。なお、ギャッ
プGの大きさは0.25〜0.45mmとされている。
そして、駆動モータMによりハブ14と軸13とを一体
的に回転駆動させると、スラスト流体軸受S及びラジア
ル流体軸受Rにより、軸13がスリーブ12及びカウン
タープレート16に対して回転自在に支承されるように
なっている。
【0018】なお、ハブ14と軸13とが固着されてな
るものが、本発明の構成要件たる回転部に相当し、スリ
ーブ12,カウンタープレート16,及びベース11が
一体となったものが本発明の構成要件たる固定部に相当
する。次に、上記のようなスピンドルモータの構造を、
さらに詳細に説明する。ベース11の中央部に立設され
ている円筒部11aの内側に、フランジ付円筒体状のス
リーブ12が内挿されていて、前記フランジ12fによ
り一体的に固着されている。このことによりスリーブ1
2の外周面と円筒部11aの内周面との間に、環状すき
まである潤滑剤溜まり22が形成されている。この潤滑
剤溜まり22の構造については、後にさらに詳述する。
【0019】スリーブ12には中空状の軸13が回転自
在に挿通されていて、軸13の内周面には雌ねじ13f
が形成されている。なお、スリーブ12の材質は、特に
限定されるものではないが、ケイ素化マンガン系高力黄
銅,特殊黄銅,ベリリウム銅,快削黄銅等の銅合金が、
切削性が良好であるため好ましい。また、軸13は中実
軸でもよい。さらに、軸13の材質は、硬さが高くて耐
食性に優れた材料であれば特に限定されるものではない
が、例えばマルテンサイト系のステンレス鋼やオーステ
ナイト系ステンレス鋼に、熱処理を施して表面を硬化さ
せたものあるいはメッキやダイヤモンドライクカーボン
(DLC)膜による表面処理を行って表面を硬化させた
ものがあげられる。
【0020】この軸13の上端には、浅い逆カップ状の
ハブ14が圧入等の慣用の方法により一体に固着されて
いる。また、スリーブ12の下端より突出した軸13の
下端には、円板状のスラストプレート15が固定されて
いる。このスラストプレート15は、軸13の内周面に
設けられた雌ねじ13fに螺合した止めねじ20により
固着されていて、軸13とスラストプレート15とは十
分な耐衝撃性を確保するに足る強度(抜け荷重)で固着
されている。
【0021】このとき、軸13の下端面にスラストプレ
ート15の上面が当接された形態で、スラストプレート
15が軸13に取り付けられているので、スラストプレ
ート15の厚さが薄くてもスラストプレート15の端面
の振れが小さい。なお、スラストプレート15を軸13
に取り付ける方法としては、ねじ止めの他、圧入,接
着,溶接等の慣用の固着方法が採用可能である。あるい
は、軸とスラストプレートとが一体的に形成された部材
を用いてもよい。
【0022】ただし、スラストプレート15をねじ止め
により取り付けると十分な締結強度が確保され、圧入に
より取り付ける場合とは異なり、スラストプレート15
にヤング率の低い銅合金等の材料を使用できる。なお、
止めねじ20の頭部20aの形状としては、図示の平頭
形に限定されることはなく、丸小ねじのような丸頭形や
皿小ねじのような皿頭形など適宜変更してもよい。
【0023】そして、スラストプレート15の下側の平
面は、ベース11の中央部に取り付けたカウンタープレ
ート16の上面と対向している。また、スラストプレー
ト15の上側の平面は、スリーブ12の下端面と対向し
ている。なお、カウンタープレート16は、ベース11
と一体に形成されていてもよい。カウンタープレート1
6の上面の中央部(軸13の真下の位置)には、止めね
じ20の頭部20aを収納する凹部16aが設けられて
いる。そうすれば、止めねじ20をスラストプレート1
5に没入した形態で取り付ける必要がなく、スラストプ
レート15の加工が容易となる。
【0024】なお、スラストプレート15を固定する止
めねじ20を頭部20aが没入した形態で取り付けた
り、スラストプレート15を軸13に圧入して固着する
などした場合は、凹部16aは設ける必要はない。スラ
ストプレート15の上下の両平面はスラスト受面15
s,15sとされる。そして、上側のスラスト受面15
sにスラスト流体軸受Sの流体軸受すきまを介して対向
するスリーブ12の下端面と、下側のスラスト受面15
sにスラスト流体軸受Sの流体軸受すきまを介して対向
するカウンタープレート16の上面とが、それぞれスラ
スト軸受面12s及び16sとされて、相対するスラス
ト受面15s,15s及びスラスト軸受面12s,16
sのうち少なくとも一方に、例えばヘリングボーン状や
スパイラル状の動圧発生用溝(図示せず)を備えてスラ
スト流体軸受Sを構成している。
【0025】なお、この動圧発生用溝をスラストプレー
ト15の両平面(スラスト受面15s,15s)に設け
る加工方法は特に限定されるものではなく、塑性加工,
切削加工,化学エッチング,電解エッチング等があげら
れる。塑性加工であるコイニング加工は、プレス等を用
いて金型をスラストプレート15に押圧することにより
前記動圧発生用溝を刻印する方法であるので、エッチン
グと比較すると量産性に優れていて低コストである。
【0026】特に、スラストプレート15に硬さの低い
銅合金を用いた場合は、コイニング加工による塑性加工
が容易であるので、量産性に優れるという利点がある。
なお、スリーブ12やカウンタープレート16は、強度
が必要なため硬さが高い方が好ましい。一方、軸13の
外周面には、軸方向に間隔をおいて上下に一対のラジア
ル受面13r,13rが形成されるとともに、このラジ
アル受面13r,13rにラジアル流体軸受Rの流体軸
受すきまを介して対向するラジアル軸受面12r,12
rが、スリーブ12の内周面に形成されている。そし
て、ラジアル軸受面12r,12rに、略くの字状のヘ
リングボーン状の動圧発生用溝17,17を備えて、ラ
ジアル流体軸受R,Rが構成されている。
【0027】ただし、動圧発生用溝17,17は、ラジ
アル受面13r,13rに設けてもよいし、ラジアル受
面13r,13rとラジアル軸受面12r,12rとの
双方に設けてもよい。なお、この動圧発生用溝17を設
ける加工方法は特に限定されるものではなく、スラスト
プレート15の両平面に設けた動圧発生用溝の場合と同
様の慣用の方法が採用される。
【0028】ラジアル軸受面12r、すなわちスリーブ
12の内周面に動圧発生用溝17を加工すると、量産性
に優れたボール転造等の塑性加工あるいはバイトによる
切削加工により動圧発生用溝17を加工できるので、好
ましい。ボール転造は、軸の外周にはめ合わせた中空状
の外筒に複数個の鋼球を保持させた転造治具を、スリー
ブに押し込むことによって加工する方法である。
【0029】すなわち、スリーブ12を旋盤上で切削加
工した後、旋盤の主軸をゆっくり正逆回転させながら転
造治具をスリーブ12に押し込んで相対移動させること
により内周面にヘリングボーン状(略くの字状)の溝加
工を行い、その後に溝周辺の盛り上がり部分を除去する
仕上げ切削やボール通しなどの仕上げ加工を必要に応じ
て行う。もちろん旋盤上でなく、転造装置を用いて転造
治具を左右に正逆回転させながら固定されたスリーブ1
2に押し込み、ヘリングボーン状の溝を転造加工しても
よい。
【0030】2つの動圧発生用溝17,17のうち外気
側に位置する方を、溝長さが外気側より内側の方が僅か
に短い内向き非対称溝パターン(非対称ヘリングボーン
状の動圧発生用溝)とすることは、以下の理由により好
ましい。すなわち、軸13の回転に伴って外気側から内
側へ向かって潤滑剤を押し込む圧力が働くので(ポンプ
イン)、ラジアル流体軸受Rの流体軸受すきま内の潤滑
剤が、軸13の回転に伴う遠心力によって外部に飛散す
ることが防止される。
【0031】このことをさらに詳細に説明する。動圧発
生用溝17は、軸13の円周方向に沿って所定の間隔で
並べられた複数の略くの字状の溝で構成されている。2
カ所に設けられた動圧発生用溝17,17のうち、外気
側に位置する動圧発生用溝17(図1においては上側の
動圧発生用溝17)を、そのパターンが軸方向に非対称
な形状とする。そして、他方の動圧発生用溝17(図1
においては下側の動圧発生用溝17)のパターンを、軸
方向に対称な形状とする。
【0032】すなわち、外気側に位置する動圧発生用溝
17においては、略くの字状の溝の軸方向の幅のうち屈
曲部から外気側の端部までの幅を、屈曲部から内側の端
部までの幅より大とする。なお、本実施形態において
は、外気側とは、軸13において、スピンドルモータの
外気に向いている側(図1においては上方)、すなわ
ち、スラスト流体軸受Sが設けられている側とは反対側
を意味するものである。また、内側とは、外気側とは反
対側、すなわち、スラスト流体軸受Sが設けられている
側を意味するものである。
【0033】また、回転中にスラスト流体軸受S及びラ
ジアル流体軸受Rの流体軸受すきま内の潤滑剤へ気泡が
巻き込まれることを少なくするためには、スラスト流体
軸受S及びラジアル流体軸受Rに設ける動圧発生用溝
は、溝角度(回転方向に対してなす角度)を30°以
下、好ましくは25°以下とし、溝の本数を10本以
上、好ましくは12本以上とすることが望ましい。
【0034】特に、ラジアル流体軸受Rに設けるヘリン
グボーン状の動圧発生用溝17の軸受幅(動圧発生用溝
17の軸方向の幅)が軸径よりも小さい場合には、溝角
度を25°以下とし、溝の本数を12本以上、好ましく
は16本以上とすることが望ましい。潤滑剤に気泡が巻
き込まれると、回転中の不安定振動の原因となり回転精
度が劣化しやすい。
【0035】また、上下2つのラジアル流体軸受R,R
に挟まれたスリーブ12の内周面(軸13の外周面でも
よいし、あるいはスリーブ12の内周面と軸13の外周
面との双方でもよい)には、ラジアル流体軸受Rの軸受
すきまに向かってすきまが狭くなるテーパ状の周溝から
なる逃げ溝21を設けている。このことにより、スピン
ドルモータを薄型化した場合でも、ラジアル流体軸受
R,Rの作用点間距離である軸受スパンを大きく取るこ
とができるので、該スピンドルモータはモーメント耐力
に優れる。また、逃げ溝21は、ラジアル流体軸受Rの
軸受すきまよりもすきまが大きいので、潤滑剤の流体摩
擦が小さくなる。よって、該スピンドルモータは、軸受
トルクが小さく低消費電力である。
【0036】なお、駆動モータMを構成するロータ磁石
19及びステータ18の軸方向位置を若干ずらし、軸方
向の吸引力が作用するようにして、スリーブ12の下端
面側で負荷を主に分担するようにし、さらに、スラスト
プレート15の下面側のスラスト受面15sの有効面積
を、上面側のスラスト受面15sの有効面積よりも小さ
く設計することにより(軸受有効径を小さく設計す
る)、反負荷側の軸受トルクを削減するようにしてもよ
い。そうすれば、スピンドルモータの消費電力を少なく
することができる。
【0037】次に、前述の潤滑剤溜まり22の構造につ
いて説明する。スリーブ12の外周面と円筒部11aの
内周面との間には環状すきまが介在していて、該環状す
きまが潤滑剤溜まり22を形成している。潤滑剤溜まり
22の内面を形成する円筒部11aの内周面はテーパ面
24とされていて、これにより潤滑剤溜まり22は下方
のスラスト流体軸受Sに向かってすきまが徐々に狭くな
っている。
【0038】もっとも、テーパ面24は必ずしも円筒部
11aの内周面に形成するとは限らず、スリーブ12の
外周面に形成してもよく、あるいはスリーブ12の外周
面と円筒部11aの内周面との双方に形成してもよい。
また、潤滑剤溜まり22の下端には、スラストプレート
15の外周面15aとそれに対向する部材である円筒部
11aの内周面との間に形成される円環状のすきまに向
かって開口している潤滑剤供給路25が設けられてい
る。
【0039】そして、スラスト流体軸受Sの流体軸受す
きまに近接して連通する潤滑剤供給路25の開口部は、
スラスト流体軸受Sの流体軸受すきまとほぼ等しいか、
又は僅かに大きくなっていて、表面張力に基づく毛管現
象により潤滑剤が潤滑剤供給路25からスラスト流体軸
受Sの流体軸受すきまに導入されやすいようになってい
る。
【0040】本実施形態においては、環状すきまからな
る潤滑剤溜まり22の下部の全体が潤滑剤供給路25を
形成している(すなわち、潤滑剤供給路25が環状すき
ま状である)が、潤滑剤溜まり22の下部のうち一カ所
にスリット状の潤滑剤供給路25を設けてもよいし(つ
まり、その他の部分は、スリーブ12の外周面と円筒部
11aの内周面とが接触していて閉口している)、複数
箇所にスリット状の潤滑剤供給路25を設けてもよい。
【0041】また、本実施形態においては、円筒部11
aの内周面の全てをテーパ面24として、潤滑剤溜り2
2のテーパ面24の一部を潤滑剤供給路25とし、スラ
ストプレート15の外周面15aと円筒部11aの内周
面との間に形成される円環状のすきまに、テーパ面24
を直接連通させている。しかし、円筒部11aの内周面
のうち上部をテーパ面24とし、下部はスリーブ12の
外周面と平行な面として、この平行面により形成される
環状のすきまが潤滑剤供給路25を構成するような構造
としてもよい。
【0042】このような潤滑剤溜まり22の上部には、
外気と連通する空気抜き穴23が開口している。空気抜
き穴23は、潤滑剤溜まり22の最上部から垂直に伸
び、スリーブ12の上端面に開口している。もちろん、
潤滑剤溜まり22の上部から水平に伸び、途中で上方に
屈曲してスリーブ12の上端面に開口してもよい。すな
わち、空気抜き穴23は、円筒部11aのスリーブ12
とのはめあい面に軸方向のスリットを形成するようにし
て設けてもよい。
【0043】次に、当該スピンドルモータへの潤滑剤の
充填方法について説明する。まず、スピンドルモータ全
体を組み立てた後に、大気下において、カウンタープレ
ート16の中心に設けた厚み方向の通し穴からなる貫通
穴26から、ディスペンサ等を使用して潤滑剤を注入す
る。スピンドルモータに潤滑剤を注入した後は、貫通穴
26にボール27を圧入することにより該貫通穴26を
密封する。そうすれば、異物等がスピンドルモータ内に
侵入することが防止される。なお、ボール27の代わり
に円筒部材等を圧入してもよい。
【0044】そして、圧入したボール27の外部衝撃に
よる脱落やボール圧入部のすきまからの油もれを防止す
るために、ボール27の圧入後にカウンタープレート1
6の下面にシート部材や粘着シール部材等を接着しても
よい。ただし、この貫通穴26は、流体軸受の性能上は
必ずしも密封する必要はないので、潤滑剤注入口として
使用した後は空気抜きのために使用してもよい。
【0045】また、スピンドルモータへの潤滑剤の注入
は、スピンドルモータの組み立て途中に空気抜き穴23
や中空状の軸13が有する穴(軸13を軸方向に貫通す
る穴)から行ってもよく、この場合は貫通穴26は設け
る必要はない。ただし、中空状の軸13が有する穴から
行う場合は、止めねじ20にも、該止めねじ20を軸方
向に貫通する穴を設けておく必要がある。
【0046】次に、潤滑剤を注入したスピンドルモータ
を、真空槽内に移す等の手段により真空下に保持し、脱
気を行う。注入された潤滑剤のうち、スラスト流体軸受
Sの流体軸受すきまの一部の空間に位置する潤滑剤や、
スラスト流体軸受Sの流体軸受すきまの近傍に位置する
潤滑剤は、表面張力の作用によってすきまの狭い方に引
き込まれて、スラスト流体軸受Sの流体軸受すきま内を
満たし、続いて、ラジアル流体軸受Rの流体軸受すきま
や逃げ溝21内に広がってゆく。
【0047】本実施形態においては、注入された潤滑剤
が各流体軸受すきま全体に充填されるまでの期間は、ス
ピンドルモータが真空下に保持されているので、潤滑剤
が各流体軸受すきまに充填される際に、各流体軸受すき
まや逃げ溝21内に気泡が巻き込まれて残留することが
ほとんどない。よって、このような方法により潤滑剤を
充填したスピンドルモータは、回転中に不安定振動が生
じにくい。
【0048】通常の場合は、潤滑剤が注入されてから各
流体軸受すきま全体に充填されるまでに、数分から数十
分の時間を要するので、この間にスピンドルモータを真
空下に保持すれば、真空下で潤滑剤を注入した場合と同
様の脱気効果が得られる。このとき、スピンドルモータ
を高温に保ちながら真空下に保持すると、潤滑剤の粘度
が低下して、潤滑剤が各流体軸受すきま内を広がってゆ
く速度を高めることができるので、潤滑剤が注入されて
から各流体軸受すきま全体に充填されるまでの期間を短
縮することができる。
【0049】また、スピンドルモータへの潤滑剤の注入
は、貫通穴26を通じて外部から行うので、潤滑剤の注
入操作が大変容易である。さらに、潤滑剤の注入は大気
下で行うので、真空下で潤滑剤の注入を行う場合のよう
な複雑な設備を必要とせず低コストである。さらにま
た、真空下における工程は、単にスピンドルモータを真
空下に保持するだけでよいので、作業性,量産性も優れ
ている。
【0050】スピンドルモータを保持する圧力は、大気
圧より低い圧力であればよいが、気泡の残留をより確実
に防止するためには、0.03MPa以下がより好まし
く、0.02MPa以下がさらに好ましい。また、スピ
ンドルモータを真空下に保持する期間は、潤滑剤の注入
直後から潤滑剤が各流体軸受すきま全体に充填されるま
での期間のうち少なくとも一部の期間であればよいが、
気泡の残留をより確実に防止するためには、本実施形態
のように潤滑剤の注入直後から潤滑剤が各流体軸受すき
ま全体に充填されるまでの期間全体であることがより好
ましい。
【0051】本実施形態においては、スピンドルモータ
全体を組み立てた後に潤滑剤を注入したが、スピンドル
モータのうち一部を組み立てた段階で潤滑剤を注入し、
その後にスピンドルモータを最後まで組み立てて完成さ
せる方法を採用してもよい。例えば、スピンドルモータ
のうち流体軸受部分(軸13,スリーブ12,カウンタ
ープレート16,ベース11からなる部分)のみを組み
立てた段階で潤滑剤を注入し、その後に軸13の上端に
ハブ14を取り付けてスピンドルモータを完成させても
よい。この場合には、潤滑剤を注入した後に真空下で保
持し、その後にスピンドルモータを完成させてもよい
し、スピンドルモータを最後まで組み立てて完成させた
後に真空下で保持してもよい。
【0052】また、スピンドルモータの完成後や使用前
に、所定の回転数で短時間(少なくとも1分間以上)回
転させるエージングを行うと、動圧発生用溝の自己排出
機能により、残留する気泡の除去がより確実となり好ま
しい。このように注入された潤滑剤は、表面張力の作用
によりスラスト流体軸受S及びラジアル流体軸受Rの各
流体軸受すきまを満たすとともに、余分な潤滑剤は潤滑
剤供給路25を経て潤滑剤溜まり22に溜まって、表面
張力に基づく毛管現象によりテーパ面24に保持され
る。したがって、潤滑剤の注入量が過剰であっても、余
分な潤滑剤が潤滑剤溜まり22に貯蔵されるので問題な
い。また、運搬時や取り扱い時にスピンドルモータが倒
置されたとしても、潤滑剤溜まり22内の潤滑剤が外部
に流出することはない。
【0053】また、潤滑剤溜まり22のすきまの大きさ
が、テーパ面24により下方の潤滑剤供給路25に向か
って狭くなっているため、外部衝撃で飛散した潤滑剤
も、外部に流出しない限りは潤滑剤溜まり22のすきま
の狭い潤滑剤供給路25の方に自然に集められる。そし
て、潤滑剤溜まり22の上部(すきまの広い方)に集ま
った気泡は、空気抜き穴23を通って外部に排出され
る。
【0054】駆動モータMにより、被回転体である図示
しない磁気ディスクを外周部に搭載するハブ14と軸1
3とを一体的に回転駆動させると、スラスト流体軸受S
及びラジアル流体軸受Rの各動圧発生用溝のポンピング
作用により、各流体軸受S,Rの流体軸受すきまに充填
されている潤滑剤に動圧が発生して、軸13はスリーブ
12及びカウンタープレート16と非接触となり支承さ
れる。なお、前記磁気ディスクはクランプ部材でねじ止
めされているので、十分な耐衝撃性を確保するに足る強
度で固着されている。
【0055】運転が長期に及んで、流体軸受すきまに保
持されている潤滑剤が次第に蒸発したり飛散したりして
不足してくると、潤滑剤溜まり22内に表面張力に基づ
く毛管現象で保持されている潤滑剤が、その不足分に応
じてテーパ面24に案内されつつすきまの狭い方に吸引
され、各流体軸受すきま内に潤滑剤が満たされるまで補
給される。すなわち、各流体軸受すきま内の潤滑剤の減
少に伴い、潤滑剤供給路25を経由してすきまの狭い流
体軸受すきまに毛管現象で吸引され、潤滑剤溜まり22
のテーパ面24の表面張力が釣り合う位置で安定する。
こうして、潤滑剤の減少分だけ自動的に潤滑剤が補給さ
れる。
【0056】このように本実施形態のスピンドルモータ
は、潤滑剤溜まり22の環状すきまがテーパ状であるか
ら、潤滑剤は表面張力によりすきまの狭い方に吸引さ
れ、一方、組み立て時に巻き込んだ残留気泡は、すきま
の広い方に分離され排出される。したがって、各流体軸
受すきまには気泡のない潤滑剤が自動的に確実に補給さ
れて、常時潤滑剤で満たされた状態となり、長期にわた
り使用しても信頼性が高く耐久性に優れている。
【0057】また、潤滑剤の注入量に過不足があったと
しても、潤滑剤が外部に飛散したり、長期間の使用にお
いて各流体軸受すきま内の潤滑剤が枯渇したりするおそ
れが小さい。次に、スリーブ12の材質とギャップMの
大きさを種々変更したスピンドルモータ(実施例1〜
4,比較例1〜4)を用意し、起動停止耐久試験を行っ
た結果について説明する。この起動停止耐久試験は、ス
ピンドルモータの起動停止を10万回行い、その後のス
リーブ12の内周面のうちラジアル流体軸受Rを形成し
ている部分の摩耗の程度を評価するというものである。
なお、軸13の材質はマルテンサイト系ステンレス鋼と
し、流体軸受の潤滑剤にはジエステル油を用いた。ま
た、ハブ14には磁気ディスク2枚を搭載して負荷をか
けた。
【0058】起動停止耐久試験の結果を表1に示す。表
1中の摩耗の欄の○印は、スリーブ12の内周面の摩耗
がほとんどないことを示す。また、△印は摩耗が小さい
ことを示し、×印は摩耗が大きいことを示す。なお、○
〜×と表示されている場合は、同種のスピンドルモータ
を複数個試験したときに、摩耗がほとんどなく起動停止
耐久性が優れていたものと、摩耗が大きく起動停止耐久
性が劣っていたものの双方があったことを示している。
【0059】また、表1中の切削性の欄の◎印は、切削
性が極めて良好であることを示している。また、○印は
切削性が良好であることを示し、×印は劣っていること
を示す。
【0060】
【表1】
【0061】まず、ギャップGの大きさについて考察す
る。表1から、ギャップGが0.25mm以上でない
と、取り付け精度や同軸度の影響を受けやすくなって、
スリーブ12の内周面のうちラジアル流体軸受Rを形成
する部分の摩耗の程度がスピンドルモータによって大き
くばらついたり、前記部分に偏摩耗が生じたりすること
が起こりやすく、起動停止耐久性が市場の要求する10
万回に満たない場合があることが分かる。
【0062】なお、ギャップGを0.3mm以上とする
と、起動停止耐久性が優れていることに加えて、ステー
タ18やロータ磁石19等の部品の寸法精度の影響を受
けにくく、スピンドルモータの電磁騒音が小さかった。
次に、スリーブ12の材質について考察する。ケイ素化
マンガン系高力黄銅,特殊黄銅,ベリリウム銅は、切削
性と起動停止耐久性(摩耗)の両方が優れていることが
分かる。
【0063】それに対して、鉛青銅と快削黄銅は切削性
は優れているが、硬さが低いため起動停止耐久性が不十
分であった。十分に優れた起動停止耐久性を得るために
は、硬さはHv180以上とすることが好ましいことが
分かる。そして、ステンレス鋼は、上記のような銅合金
とは異なり切削性に問題があった。したがって、切削性
と起動停止耐久性(摩耗)の両方を満足させるために
は、ギャップGを0.3mm以上とし、スリーブ12の
材質を硬さHv180以上の銅合金とすることが好まし
いことが分かる。
【0064】なお、銅合金としては、切削加工を必要と
せず量産性に優れた焼結金属,焼結含油金属でもよい。
以上説明した本実施形態は本発明の一例を示したもので
あって、本発明は本実施形態に限定されるものではな
い。例えば、スピンドルモータは、本実施形態のような
スリーブ固定−軸回転タイプでもよいが、軸固定−スリ
ーブ回転タイプでもよい。
【0065】また、軸13に設けるスラストプレート1
5の位置は、軸端に限らず軸端近傍でもよいし、軸の中
央部やその近傍であってもよい。さらに、流体軸受の構
造,空気抜き穴23,潤滑剤溜まり22,潤滑剤供給路
25の構造、動圧発生用溝のパターン、スピンドルモー
タの細部の構造等に関しては、本実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できるならば、必要
に応じて適宜変更することが可能である。
【0066】例えば、潤滑剤溜まり22を構成するテー
パ面24は、潤滑剤溜まり22が流体軸受すきまに向か
って徐々にすきまが狭くなる形状となるならば、種々の
曲面であってもよい。また、動圧発生用溝はヘリングボ
ーン状やスパイラル状に限定されるものではなく、動圧
流体軸受として機能すれば、どのような溝パターンでも
よい。また、該溝の加工方法は、材質や必要精度に応じ
て、化学エッチング,電解エッチング,塑性加工,切削
加工,レーザ加工,イオンビーム加工,ショットブラス
ト等を適用することができる。
【0067】さらに、スリーブ12の材質は、切削性と
起動停止耐久性(摩耗)の両方を満足させるために、銅
合金とすることが好ましく、特に、硬さHv180以上
の銅合金とすることがより好ましい。また、スリーブ1
2及びスラストプレート15を硬さの異なる銅合金同
士、例えばスリーブ12に硬さの高いベリリウム銅やア
ルミ青銅を、スラストプレート15に鉛青銅やリン青銅
を用いた組み合わせとすると、摺動性と切削加工性とを
満足させることができる。この場合、硬さの低い鉛青銅
やリン青銅の流体軸受面に動庄発生用溝を設けた方が、
相手部材を傷つけにくいので好ましい。
【0068】さらに、本実施形態においては、流体軸受
装置としてスピンドルモータを例示して説明したが、本
発明は他の種々の流体軸受装置に対して適用することが
できる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の流体軸受装置
は、量産性,起動停止耐久性に優れ、取り付け精度や同
軸度の影響が流体軸受部分の摩耗に対して生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体軸受装置の一実施形態である
スピンドルモータの縦断面図である。
【符号の説明】
12 スリーブ 13 軸 15 スラストプレート 16 カウンタープレート 18 ステータ 19 ロータ磁石 G ギャップ M 駆動モータ R ラジアル流体軸受 S スラスト流体軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂谷 郁紀 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 前田 悦生 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 上村 和宏 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA20 BA02 BA06 BA08 CA02 DA02 JA02 KA02 KA03 MA21 5H605 AA08 BB05 BB19 CC04 EB03 EB06 EB21 GG21 5H607 AA00 BB01 BB14 BB17 DD01 DD02 DD16 GG01 GG03 GG12 GG25 KK10 5H621 GA01 HH01 JK17 JK19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部と、該固定部に流体軸受によって
    回転自在に支持された回転部と、を備えるとともに、前
    記回転部に取り付けたロータ磁石と、該ロータ磁石に径
    方向のギャップを介して対向するステータと、で構成さ
    れる駆動モータによって前記回転部が回転駆動される流
    体軸受装置において、前記ギャップの大きさを0.25
    〜0.45mmとしたことを特徴とする流体軸受装置。
JP2001030403A 2001-02-07 2001-02-07 流体軸受装置 Pending JP2002238228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001030403A JP2002238228A (ja) 2001-02-07 2001-02-07 流体軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001030403A JP2002238228A (ja) 2001-02-07 2001-02-07 流体軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002238228A true JP2002238228A (ja) 2002-08-23

Family

ID=18894624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001030403A Pending JP2002238228A (ja) 2001-02-07 2001-02-07 流体軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002238228A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006158192A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Taida Electronic Ind Co Ltd モーター
JP2007085391A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Ntn Corp 滑り軸受
US7374340B2 (en) * 2004-10-19 2008-05-20 Nidec Corporation Fluid dynamic-pressure bearing, spindle motor and recording disk driving device
JP2009077617A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Denso Corp 整流装置
US7855480B2 (en) 2007-08-31 2010-12-21 Denso Corporation Rectifier device for automotive alternator

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7374340B2 (en) * 2004-10-19 2008-05-20 Nidec Corporation Fluid dynamic-pressure bearing, spindle motor and recording disk driving device
JP2006158192A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Taida Electronic Ind Co Ltd モーター
JP2007085391A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Ntn Corp 滑り軸受
JP4584093B2 (ja) * 2005-09-20 2010-11-17 Ntn株式会社 滑り軸受
JP2009077617A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Denso Corp 整流装置
US7855480B2 (en) 2007-08-31 2010-12-21 Denso Corporation Rectifier device for automotive alternator
JP4626665B2 (ja) * 2007-08-31 2011-02-09 株式会社デンソー 整流装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001187920A (ja) スピンドルモータ
US6712513B2 (en) Fluid bearing device
US6827495B2 (en) Fluid bearing device
US7059771B2 (en) Motors with oil dynamic pressure bearing, oil dynamic pressure bearing devices and method for manufacturing the same
JP2002238228A (ja) 流体軸受装置
JP2002122134A (ja) 流体軸受装置
JP2000197309A (ja) 流体動圧軸受を備えたモ―タ及びこのモ―タを備えた記録ディスク駆動装置
JP2004084864A (ja) 流体軸受装置
JP2010144858A (ja) 流体軸受装置、およびそれを用いたスピンドルモータ、情報記録再生装置
JP4032517B2 (ja) 流体軸受ブラシレスモータ
JPH11280755A (ja) 流体軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ
JP2002161912A (ja) 流体軸受装置の製造方法
JP2002174242A (ja) 流体軸受装置への潤滑剤充填方法
JP2001289242A (ja) 流体軸受スピンドルモータ
JP2001107946A (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法並びにその製造方法に用いる成形用金型の製造方法
JP2002147444A (ja) 流体軸受装置
JP2002125344A (ja) 磁気ディスク装置及びディスクドライブ用スピンドルモータ
JP2006194384A (ja) 動圧軸受装置
JP2002147443A (ja) 流体軸受装置
JP2002357219A (ja) 流体軸受装置
JP2002130258A (ja) 流体軸受装置
JP2002021841A (ja) 流体軸受装置
JP4579218B2 (ja) 動圧型軸受ユニットの製造方法
JPH11313461A (ja) 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置
JP2002317820A (ja) 流体軸受装置