JP2001107946A - 動圧軸受装置及びその製造方法並びにその製造方法に用いる成形用金型の製造方法 - Google Patents
動圧軸受装置及びその製造方法並びにその製造方法に用いる成形用金型の製造方法Info
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Abstract
耐久性に優れたスラスト板を供えた動圧軸受装置及びそ
の製造方法並びにその製造方法に用いる成形用金型の製
造方法を得る。 【解決手段】 相対回転可能な軸部材1及び軸受部材4
に、対向する一対の動圧軸受面15,16が形成され、
両動圧軸受面間に潤滑流体が介在し、両動圧軸受面の少
なくとも一方側に、所定形状に形成された動圧発生溝が
あり、動圧発生溝部以外の部分が凸状表面を有するラン
ド部になっている。動圧発生溝を形成する動圧軸受面1
5,16を樹脂材で構成。動圧発生溝の溝開口部を形成
している両対向縁部のうちの少なくとも潤滑流体の進入
側の縁部には、ランド部の凸状表面に対して傾斜し、こ
の傾斜による楔膜作用によって動圧発生溝内の潤滑流体
をランド部側に導く傾斜案内面が設けられている。
Description
を発生させ、この動圧力により軸部材と軸受部材とを相
対的に回転自在に支持する動圧軸受装置、及びその製造
方法、並びにその製造方法に用いる成形用金型の製造方
法に関するものである。
特に、ポリゴンミラー、各種ディスク回転駆動装置など
のように高速回転が要求される装置においては、オイル
や空気などの潤滑流体の動圧力を利用した動圧軸受装置
が用いられるようになってきた。動圧軸受装置のうちス
ラスト動圧軸受においては、軸部材側のスラスト板に設
けられた動圧面と、軸受部材側に設けられた動圧面とが
軸方向に対向するように配置され、これら軸方向両対向
動圧面のうちの少なくとも一方側に動圧発生用溝が形成
されており、上記両対向動圧面間に介在するオイルや空
気等の潤滑流体が、回転部材の回転時に動圧発生用溝の
ポンピング作用により昇圧され、この潤滑流体に発生す
る圧力が動圧力となって回転部材が浮上状態に保持さ
れ、回転自在に支持されるようになっている。
いるスラスト板を成形する場合、特にこのスラスト板に
動圧発生用溝を形成する場合の一般的な技術として、コ
イニング技術がある。コイニングは、金属材料からなる
ブランク素材を金型内にセットし、金型内でブランク素
材に加圧力を与えることで所定の形状及び寸法を得るも
のであって、スラスト板の形状形成と同時にこのスラス
ト板の表面に動圧発生用溝を形成することが可能であ
る。コイニングによれ成形されたスラスト板は、軸部材
に対して圧入等により接合されるが、コイニング成形時
に軸部材とスラスト板とを接合させる技術も提案されて
いる。
料の場合は、特開平10-217035号公報に記載さ
れているように、動圧発生溝形成面にマスクを重ね、ケ
ミカルエッチングや電解加工法で動圧発生用溝を形成す
る場合もある。スラスト板等のスラスト動圧部材がセラ
ミックスの場合は、動圧発生用溝形成面にマスクを重
ね、ショットブラスト工法で動圧発生用溝を形成する場
合もある。
ング技術によってスラスト板を成形する場合には、次の
ような問題がある。スラスト板を所定の仕上がり寸法と
するためには、ブランク素材を予め高精度に成形してお
く必要があり、そのため製造コストが高くなる傾向があ
る。スラスト板を軸部材に対して圧入等により接合する
に際し、両部材どうしの取付け直角度にばらつきを生じ
やすく、その結果、軸受性能が不安定化しやすい。コイ
ニングで生じた残留応力によって亀裂や割れを発生しや
すく、長期使用によって応力腐食割れに至ることが多
い。スラスト板に空気孔や潤滑油の循環孔等の内部通路
を形成する場合には、ドリル加工や旋盤加工が必要とな
り、工程が複雑になる難点がある。
ットブラスト工法では、軸受加工面にマスクを重ね、あ
るいはレジスト等を形成して動圧発生用溝形成加工を行
うため、スラスト動圧面のランド部のエッジが直角とな
り、楔膜効果が発生しにくく、回転初期において浮上し
にくいという難点がある。浮上しにくいということは、
軸部材と軸受部材が相対回転開始から長い時間接触して
おり、相対速度が速い状態でも接触しているので、軸受
が磨耗しやすくなり信頼性が劣るという難点がある。
解消するためになされたもので、コイニング工程を用い
ることなく簡易な工程により製作可能であり、かつ、回
転初期において回転部分が浮上しやすく、耐久性に優れ
たスラスト板を供えた動圧軸受装置及びその製造方法並
びにその製造方法に用いる成形用金型の製造方法を提供
することを目的とする。
相対回転可能に装着された軸部材及び軸受部材に、対向
する一対の動圧軸受面が形成され、これら軸部材及び軸
受部材の両動圧軸受面間に潤滑流体が介在するととも
に、上記両動圧軸受面の少なくとも一方側に、所定形状
に形成された動圧発生溝があり、この動圧発生溝部以外
の部分が凸状表面を有するランド部に形成された動圧軸
受装置において、上記動圧発生溝を形成する動圧軸受面
を樹脂材にて構成し、上記動圧発生溝の溝開口部を形成
している両対向縁部のうちの少なくとも潤滑流体の進入
側の縁部には、上記ランド部の凸状表面に対して傾斜
し、この傾斜による楔膜作用によって上記動圧発生溝内
の潤滑流体をランド部側に導く傾斜案内面が設けられて
いることを特徴とする。
明において、動圧発生溝を形成する動圧軸受面は、軸に
樹脂をアウトサート成形することによって軸と一体に形
成されたスラストプレートであることを特徴とする。請
求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、ス
ラストプレートは軸の端面に設けられ、軸の端面全面が
樹脂で覆われていることを特徴とする。
着された軸部材及び軸受部材に、軸方向に対向する一対
のスラスト動圧軸受面が形成され、これら両スラスト動
圧軸受面どうしの隙間内に潤滑流体が介在する動圧軸受
装置の製造方法において、樹脂成形によって、上記両ス
ラスト動圧軸受面の少なくとも一方側に、所定形状の動
圧発生溝を形成し、この動圧発生溝以外の部分を、凸状
表面を有するランド部に形成するに当たり、上記動圧発
生溝の溝開口部を形成している両対向縁部のうちの少な
くとも潤滑流体の進入側の縁部に、上記ランド部の凸状
表面に対して傾斜し、この傾斜による楔膜作用によって
上記動圧発生溝内の潤滑流体をランド部側に導く傾斜案
内面を形成するために、この傾斜案内面に相当する凹凸
形状を有する樹脂成形金型を用いることを特徴とする。
明において、動圧発生溝を形成する動圧軸受面は、軸に
樹脂をアウトサートによって一体成形したスラストプレ
ートであり、樹脂をアウトサート成形するときのゲート
部は、上記軸の端面または上記スラストプレートの外周
側面に設定したことを特徴とする。請求項6記載の発明
は、請求項5記載の発明において、動圧発生溝を形成す
る動圧軸受面は、軸に樹脂をアウトサートによって一体
成形したスラストプレートであり、樹脂をアウトサート
成形するときのゲート部は、上記軸の端面に設定し、軸
の端面全面を樹脂が覆うように上記スラストプレートが
構成されることを特徴とする。請求項7記載の発明は、
請求項5記載の発明において、樹脂をアウトサート成形
して形成されるスラストプレートのゲート部の残りを除
去した後、樹脂皮膜を形成してなることを特徴とする。
圧軸受装置の製造方法に用いる成形用金型の製造方法で
あって、樹脂成形用金型のブランク素材にイオンミーリ
ング装置を対向させて配置し、このイオンミーリング装
置からイオン照射することによって、上記ブランク素材
に対し、スラスト動圧軸受面のランド部を形成するため
のランド成形用凹部を所定の深さで成形して、樹脂成形
用金型の圧印部を形成するようにし、上記ブランク素材
の圧印部形成面に、上記ランド部に相当する形状のメタ
ルマスクを取り付けてイオン遮断状態とするとともに、
上記ブランク素材の圧印部成形面に対して垂直な軸方向
と、上記イオンミーリング装置によるイオン照射の軸方
向とが所定の角度をなして傾斜する配置関係に設定して
おき、上記両軸どうしの傾斜角度関係をほぼ一定に維持
しながら、いずれか一方の軸回りに他方の軸を相対的に
回転させつつイオン照射を行うことによって、上記ブラ
ンク素材におけるランド成形用凹部の底面角部に相当す
る部位に、このランド成形用凹部の中心側から立ち上が
り壁面に向かって深さが連続的に浅くなる傾斜面を形成
することを特徴とする。
照しながら、本発明にかかる動圧軸受装置及びその製造
方法並びにその製造方法に用いる成形用金型の製造方法
について詳細に説明する。まず、本発明にかかる動圧軸
受装置を有するディスクドライブスピンドルモータの例
について説明する。図1において、軸1の下端部には、
アウトサート成形により、予め樹脂からなるスラストプ
レート5が一体成形されている。軸1は、中心孔を有す
ることによって両端に開口部を有する軸受部材4の上記
中心孔に下側から挿入され、軸受部材4に取り付けられ
ている。軸受部材4の上端から突出した軸1の上端部外
周には、ディスクを取り付けるためのハブ2の中心孔が
圧入され、ハブ2が軸1に固定されている。ハブ2と軸
1は一体成形されることもあるので、本明細書では、ハ
ブ2と軸1を合わせた概念として軸部材ということにす
る。
動圧軸受14が形成され、この動圧軸受14の動圧作用
により軸1が軸受部材4に回転自在に支持されている。
軸受部材4の下端開口部には蓋部材としてのカウンター
プレート6が被せられて軸受部材4の下端が封止されて
いる。上記スラストプレート5の下面と、カウンタープ
レート6の上面との間には下側スラスト動圧軸受が形成
され、スラストプレート5の上面15と軸受部材4のス
ラストプレート対向面との間には上側スラスト動圧軸受
が形成され、これらのスラスト動圧軸受によってスラス
ト荷重を支持するようになっている。
心円筒部23が圧入により固定されている。上記中心円
筒部23の外周側には、積層コア12がその中心孔を圧
入する等手段によって固定されている。積層コア12は
適宜数の突極を有し、各突極には駆動コイル13が巻き
回されている。軸受部材4の中心孔上端部は緩やかなテ
ーパー面に形成されていて、上記軸1の外周面と軸受部
材4の上端部内周面との間隔が、上方に向かって順次大
きくなる、いわゆるメニスカス部になっている。このメ
ニスカス部から上記ラジアル動圧軸受14、スラスト動
圧軸受15,16まで僅かな隙間をもって連通し、この
連通した隙間にオイル等の潤滑流体が介在している。従
って、軸受部材4に対して軸1が相対回転すると、ラジ
アル動圧軸受14及びスラスト動圧軸受の部位に介在し
ている潤滑流体に動圧力が発生し、軸1及びスラストプ
レート5が、軸受部材4及びカウンタープレート6に接
触することなく浮上した状態で回転可能に支持される。
しており、下部の外周壁が前記積層コア12を覆ってい
る。ハブ2の上記外周壁内面には、円筒状ヨーク9の介
在のもとに円筒状ロータマグネット7が固着されてい
る。ロータマグネット7の内周面は、積層コア12の前
記各突極の端面に適宜の間隙をおいて対向している。ハ
ブ2の外周側段部は、ディスク載置面3となっている。
ハブ2の円筒状外周面をガイドとしてこれにハードディ
スクの中心孔が嵌められ、ディスク載置面3にディスク
が1枚または複数枚載置される。載置されたディスクは
適宜のクランプ手段によってハブ2に一体にクランプさ
れる。
検出信号に応じて各駆動コイル13への通電を制御する
ことにより、ロータマグネット7を電磁的な吸引反発力
で周方向に付勢し、ロータマグネット7及びこれと一体
の前記軸部材が回転駆動される。
5は軸1の一方の端面に設けられている。また、スラス
トプレート5は軸1に樹脂をアウトサート成形すること
によって軸1と一体に形成されている。図2は、軸1と
スラストプレート5の構成を詳細に示す。図2におい
て、軸1の下端部には、軸1の下端面から中心軸線方向
に比較的浅い穴17が形成されるとともに、外周側から
半径方向に複数の孔18が形成され、これらの孔18は
上記穴17に連通している。また、軸1の外周には、上
記孔18形成位置において周溝24が形成されている。
この穴17、孔18を介して樹脂をアウトサート成形す
ることによって、軸1の下端部にスラストプレート5が
一体に形成される。図3はこの成形金型の例を示す。
コア40とキャビティ50からなる。コア40は、第1
コア41と、このコア41の内方に一体に結合された第
2コア42とからなり、第2コア42には、中心軸線に
沿って樹脂を射出するためのゲート43が形成されてい
る。キャビティ50は、第1キャビティ51と、この第
1キャビティ51の内方に一体に結合された第2キャビ
ティ52とからなる。第2キャビティ52には、中心軸
線に沿って円筒形の孔54が形成されている。孔54に
は軸1が挿入される。コア40の上面にキャビティ50
の下面を押し付けた状態で、第2コア42の上面と第2
キャビティ52の下面との間に成形空間が形成される。
また、軸1を上記穴17及び孔18形成部を下にして上
記孔54に挿入することによって、上記穴17及び孔1
8形成部が上記成形空間に侵入し、ゲート43、穴1
7、孔18、上記成形空間が連通するようになってい
る。
に、軸1の上から棒状の押圧部材55を挿入して軸1を
押圧し、この状態でゲート43から樹脂を射出すると、
上記ゲート43、穴17、孔18、上記成形空間が樹脂
で満たされ、軸1と一体に、樹脂からなるスラストプレ
ート5がアウトサート成形される。軸1の下端面には、
ゲート43に対応する部分にゲートの残りやバリが生じ
るが、このバリは除去して滑らかな表面に仕上げればよ
く、動圧軸受の精度に影響することはない。また、ゲー
トの残りやバリを除去した後、スラストプレート5に樹
脂皮膜を形成するとよい。図2によって説明した軸1の
周溝24は、一体成形されたスラストプレート5が軸1
から脱落するのを防止する抜け止めの役目をしている。
両面15,16はスラスト動圧軸受面となっている。そ
して、このスラストプレート5の上下両面15,16
は、凸状表面のランド部となっていて、このランド部に
所定形状の動圧発生溝が形成されている。換言すれば、
上記両スラスト動圧軸受面には所定形状の動圧発生溝が
形成され、この動圧発生溝以外の部分は、凸状表面を有
するランド部に形成されている。図2(b)はスラスト
プレート5の下面16を示している。図2(b)におい
て、符号19はランド部、20は動圧発生溝をそれぞれ
示している。スラストプレート5の下面16はスラスト
動圧軸受面となっていて、このスラスト動圧軸受面には
動圧発生溝20が形成され、この動圧発生溝20以外の
部分は、凸状表面を有するランド部19となっている。
ラストプレート5が所定の向きに回転したとき、潤滑流
体によって動圧力が発生するような所定の形状に形成さ
れている。図2(b)に示す例では、「く」の字状の溝
が周方向に多数配置されたいわゆるヘリングボーン形に
なっていて、スラストプレート5が図2(b)において
時計方向に回転したとき、潤滑流体が動圧発生溝20の
両端から「く」の字の中央の頂点に集められて動圧力が
高まる形になっている。スラストプレート5の上面15
にも、上記ランド部19及び動圧発生溝20と同様のラ
ンド部と動圧発生溝が形成されて、前記軸受部材4の対
向面との間にスラスト動圧力が発生するようになってい
る。
図4に示すような横断面形状になっている。すなわち、
各動圧発生溝20は横断面がほぼ矩形状になっている
が、各動圧発生溝20の開口縁部すなわち図において上
縁部分であって、スラストプレート5の回転時に潤滑流
体の進入側となる部分には、傾斜案内面45が設けられ
ている。この傾斜案内面45は、上記動圧発生溝20の
立ち上がり壁面23と、ランド部19の凸状表面とをつ
なぐ面として形成され、ランド部19の凸状表面に対し
て鋭角をなしている。この傾斜案内面45によって、動
圧発生溝20の開口部が外方(図において上方)に向か
って拡大する形になっている。このような形状の動圧発
生溝20及びランド部19は、図3について説明した成
形金型の、スラストプレート5成形面、すなわち、第2
コア42の上端面及び第2キャビティ52の下端面を、
上記動圧発生溝20及びランド部19の形状に対応し、
かつ、傾斜案内面45に対応した凹凸形状に形成してお
けばよい。
レート5のスラスト動圧軸受16におけるランド部19
の凸状表面は、回転停止時に、相手側の部材(図1の例
では蓋部材6)に接触することになるが、相手側の部材
の接触面と、上記傾斜案内面45との間には、楔形状の
空間が形成される。従って、回転停止時において動圧発
生溝20内に溜まっていた潤滑流体は、軸1とともにス
ラストプレート5が回転を開始するのに伴って、動圧発
生溝20の開口縁部に設けられた傾斜案内面45を通し
てランド部19に直ちに流出していき、傾斜案内面45
での楔膜作用によって軸1と軸受部材4との間に迅速に
入り込んで潤滑流体の幕を形成する。その結果、回転開
始直後から、軸1と軸受部材4との接触状態が回避され
ることになり、両部材の磨耗は最小限に押さえられる。
の実施の形態について、これをスピンドルモータに適用
した例を示す図5、図6を参照しながら説明する。図5
において、モータのベース68は中心孔とその外方上側
に円筒状コアホルダ部77を有し、中心孔には軸61の
下端部が嵌められて固定されている。上記コアホルダ部
77の外周側には積層コア72が嵌められて固定されて
いる。積層コア72に放射状に形成された複数の突極に
は駆動コイル73が巻き回されている。ベース68から
上方に立ち上がっている軸61には軸受部材64が、軸
61に対し相対回転可能に嵌められている。軸受部材6
4の上端部外周にはハブ62の中心孔が嵌められ軸受部
材64とハブ62が一体に結合されている。
1枚載置され、ハブ62と一体にハードディスクが回転
可能になっている。ハブ62の外周壁内面には円筒状ヨ
ーク69の介在のもとに円筒状ロータマグネット67が
固着されている。ロータマグネット67の内周面は積層
コア72の上記突極と適宜の間隙をおいて対向してい
る。
脂をアウトサート成形することによってスラストプレー
ト65が一体に形成されている。軸受部材64の上端開
口部は、蓋部材66によって覆われている。蓋部材66
とスラストプレート65との対向面、スラストプレート
65と軸受部材64との対向面は、軸方向に対向する一
対のスラスト動圧軸受面となっている。スラストプレー
ト65の上面及び下面はそれぞれランド部75,76と
なっていて、これらのランド部75,76に動圧発生溝
が形成されている。図6(a)は、軸61を上下反転し
て示したもので、軸61の周溝63の外周にスラストプ
レート65を一体成形することにより、スラストプレー
ト65の脱落防止が図られている。
面を示すもので、スラストプレート65の下面には、僅
かに突出したランド部76が形成され、このランド部7
6に動圧発生溝70が形成されている。この動圧発生溝
70以外の部分は、凸状表面を有する上記ランド部76
となっている。この動圧発生溝70の横断面形状も、図
4について説明したような横断面形状になっていて、動
圧発生溝70の溝開口部を形成している両対向縁部のう
ちの少なくとも潤滑流体の進入側の縁部には、上記ラン
ド部76の凸状表面に対して傾斜し、この傾斜による楔
膜作用によって動圧発生溝70内の潤滑流体をランド部
76側に導く傾斜案内面が設けられている。スラストプ
レート65の上面側のランド部75も同様に構成され、
同様の動圧発生溝を有している。
ストプレート65に対して軸受部材64が回転すること
により、スラストプレート65の上下のスラスト軸受面
に動圧力が発生し、軸受部材64は、上記一対のスラス
ト軸受面によって非接触でスラスト荷重が支持される。
軸受部材64の中心孔内周面と、これに対向する軸61
の外周面との間にはラジアル動圧軸受部74が形成され
ている。スラストプレート65に対して軸受部材64が
回転することにより、上記ラジアル動圧軸受部74に動
圧力が発生し、軸受部材64が軸61に非接触で回転す
るようになっている。軸61には、動圧軸受に介在する
潤滑流体を循環させるための半径方向の孔79と、この
孔79に連通する軸線方向の孔78が形成されている。
は、成形金型によって成形することができる。図6にお
いて符号71は、成形時のゲートを示す。ゲート71は
スラストプレート65の外周側に少なくとも1個配置さ
れる。ゲート部分にできるゲート部の残りあるいはバリ
は、成形後に除去される。また、ゲート部の残りあるい
はバリを除去した後、スラストプレート65に樹脂皮膜
を形成するとよい。
ストプレートの別の例を示す。基本的には図4について
説明したものと実質的に同じと考えてよく、各動圧発生
溝20の開口縁部であって、スラストプレート5の回転
時に潤滑流体の進入側となる部分には、傾斜案内面45
が設けられている。傾斜案内面45は、上記動圧発生溝
20の立ち上がり壁面23と、ランド部19の凸状表面
とをつなぐ面として形成されている。スラストプレート
5のランド部19の凸状表面は、回転停止時に、相手側
の部材に接触することになるが、相手側の部材の接触面
と、上記傾斜案内面45との間には、楔形状の空間が形
成される。従って、回転停止時において動圧発生溝20
内に溜まっていた潤滑流体は、軸1とともにスラストプ
レート5が回転を開始するのに伴って、動圧発生溝20
の開口縁部に設けられた傾斜案内面45を通してランド
部19に直ちに流出していき、傾斜案内面45での楔膜
作用によって軸1と軸受部材4との間に迅速に入り込ん
で潤滑流体の膜を形成する。
説明する。この実施の形態は図5に示す実施の形態を変
形した形になっているので、共通の構成部分には共通の
符号を付し、異なった構成部分について重点的に説明す
る。図8において、符号61は固定の軸、62はハブ、
64は軸受部材、67はロータマグネット、68はベー
ス、69はヨーク、72は積層コア、73は駆動コイ
ル、77は上記ベースのコアホルダ部をそれぞれ示して
いる。軸61の上端部には樹脂のアウトサート成形によ
ってスラストプレート80が一体に設けられている。ま
た、軸61の下端寄りの位置には樹脂のアウトサート成
形によってスラストプレート81が一体に設けられてい
る。スラストプレート80の下面と軸受部材64の上端
面との間で上側のスラスト動圧軸受82が構成され、軸
受部材64の下端面とスラストプレート81の上面との
間でスラスト動圧軸受83が構成されている。軸61の
外周面と軸受部材64の内周面との間にはラジアル動圧
軸受74が形成されている。ラジアル動圧軸受74及び
上記上下のスラスト動圧軸受には潤滑流体が介在してい
る。
レート80、81のスラスト動圧面には、図2、図4、
図6で説明したような動圧発生溝が形成され、軸61に
対して軸受部材64及びこれと一体の回転部分が回転す
ることにより、スラスト動圧軸受82,83に動圧力が
発生し、上記軸受部材64がスラストプレート80、8
1に対し非接触状態で回転する。この実施の形態におけ
るスラストプレート80、81も、すでに説明したよう
な成形金型によって軸61に一体にアウトサート成形す
ることができる。
ストプレートは、軸の端面に、軸の端面全面を覆うよう
に設けてもよい。図9に示す例がそれである。図9におい
て、軸84の下端部外周には周溝86が形成されてお
り、軸84下面側から、この下面を覆って軸84に樹脂
をアウトサート成形することによって、スラストプレー
ト85が軸84に一体に形成されている。スラストプレ
ート85の成形樹脂は上記周溝86を覆うとともに、周
溝86を満たすことにより、スラストプレート85の抜
け止めがなされている。このように構成された軸84
は、例えば図1に示すモータの軸として適用することが
できる。
に用いる成形用金型、特に、スラストプレートのスラス
ト軸受面を成形する部分、すなわち図3の例において第
2コア42の上端面と第2キャビティ52の下端面は、
例えばイオンミーリング装置を用いて製造することがで
きる。図10はその例を示す。図10において、超硬材か
らなる複数体のブランク素材21´が、回転駆動源31
に連結された回転ワークテーブル32上に周状に取り付
けられ、回転ワークテーブル32の斜め上方位置に、イ
オンミーリング装置33のイオン照射部が対向するよう
に配置されている。回転ワークテーブル32上の各ブラ
ンク素材21´は、圧印部を形成すべき面をほぼ鉛直上
方に向けた状態でそれぞれ固定されており、ほぼ鉛直方
向に延びる回転ワークテーブル32の回転軸32aに対
して、イオンミーリング装置33のイオン照射軸33a
の軸方向が5°〜85°の範囲内の所定角度θをなして
傾斜する配置関係に設定されている。各ブランク素材2
1´の中心軸21´aと、イオンミーリング装置33の
イオン照射軸33aの軸方向との間の角度も、同じくθ
に設定されている。
素材21´の圧印部形成面には、前記動圧発生溝に相当
する部位にメタルマスク34が重ねられており、その動
圧発生溝に相当する部位が、イオンミーリング装置33
によるイオン照射に対して遮断状態になるように設定さ
れている。上記メタルマスク34は、ステンレス鋼等の
薄い板材から構成されており、上記動圧発生溝に相当す
る部分がエッチング等で抜かれたパターン形状になって
いる。メタルマスク34は、上記ブランク素材21´の
圧印部形成面に対して、例えばエポキシ系樹脂などの耐
熱性の高い接着剤を用いて強固に貼り付けられている。
このようにメタルマスク34を接着すれば、磁気力で固
定した場合に発生するメタルマスクの反り上がりによる
浮きや剥がれが防止されることになり、その結果、メタ
ルマスク34のパターン形状が、ブランク素材21´に
対して正確に転写される。
グ装置33によるイオン照射によってブランク素材21
´とともにミーリング加工されるために徐々に薄くなっ
ていくが、最終的にメタルマスク34が残る程度の厚さ
のものが採用されている。このようなメタルマスク34
は、樹脂やレジストを印刷工法で成形したマスクに比し
て、より均一な厚さのマスクとすることができるため、
結果として、以下のようなミーリング加工の精度を向上
させることができる。
転ワークテーブル32を回転させながら、ブランク素材
21´の印圧部形成面(図示上面)に対して、イオンミ
ーリング装置33からイオン照射が行われてランド成形
用凹部が形成される。このとき、各ブランク素材21´
の中心軸21´aと、イオンミーリング装置33のイオ
ン照射軸33aとの間の傾斜配置関係はほぼ一定に保持
される。この場合、各ブランク素材21´側を固定して
おき、イオンミーリング装置33のイオン照射軸33a
を回転させるようにしてもよい。
ミーリング装置33との傾斜配置関係を一定に維持しな
がら、ブランク素材21´の圧印部形成面にイオン照射
を行うようにすれば、メタルマスク34が貼り付けられ
ている部位についてはミーリング加工が全く行われない
が(メタルマスク34のみがミーリング加工される)、
メタルマスク34によりイオン遮断されていない部分3
5は、ミーリング加工されてランド成形用凹部が溝状に
形成されていく。このとき、上述したようにイオンミー
リング装置33と各ブランク素材21´とは、一定の傾
斜配置関係になっているので、形成される溝深さは場所
によって以下のような差異が出る。
常時イオン照射が行われる部位35aにおいては、溝深
さが最も深くなる。この溝深さが深く形成された部位3
5aは、溝の底面部を構成するように所定の範囲にわた
って形成される。
が傾斜配置された状態でブランク素材21´が回転され
ていることから、メタルマスク34により特定の時間内
のみイオン遮断されて一時的に日陰状になる部位35b
は、イオン照射時間に対応した溝深さに形成される。す
なわち、メタルマスク34により特定の時間内のみイオ
ン遮断されて一時的に日陰状になる部位35bにおいて
は、メタルマスク34に近い部分ほどイオン遮断時間が
長く、メタルマスク34の根元部分では、ほとんどの時
間でイオン遮断状態となることから、溝深さは非常に浅
くなる。そして、そのメタルマスク34の根元部分から
中央側に離れる部位になればなるほど、メタルマスク3
4によるイオン遮断時間は短くなり、イオン照射時間は
長くなる。従って、上記部位35bにおける溝深さは、
メタルマスク34の根元部分から中央側に向かって徐々
に深くなっていく。このような溝深さは、ブランク素材
21´とイオンミーリング装置33との傾斜角度を適宜
調整することによって調整されるため、成形金型の成形
面が適宜の形状にきわめて容易に形成される。
れた成形金型は、エッチング等の他の加工方法で成形さ
れた場合よりも、成形面の表面粗さは大幅に向上し、結
果的に、スラスト動圧面の面精度が向上し、動圧特性が
向上する。
れば、動圧発生溝を形成する動圧軸受面を樹脂材にて構
成したため、従来のコイニング工法やエッチング工法で
動圧発生溝を形成するものに比べて安価に動圧発生溝を
形成することができる。また、上記動圧発生溝の溝開口
部を形成している両対向縁部のうちの少なくとも潤滑流
体の進入側の縁部には、上記ランド部の凸状表面に対し
て傾斜し、この傾斜による楔膜作用によって上記動圧発
生溝内の潤滑流体をランド部側に導く傾斜案内面が設け
られているため、回転停止時において動圧発生溝内に溜
まっていた潤滑流体は、軸部材と軸受部材とが相対回転
を開始するのに伴って、動圧発生溝の開口縁部に設けら
れた傾斜案内面を通してランド部に直ちに流出する。そ
の結果、傾斜案内面での楔膜作用によって軸部材と軸受
部材との間に迅速に入り込んで潤滑流体の幕を形成し、
回転開始直後から、軸部材と軸受部材との接触状態が回
避されることになり、両部材の磨耗が最小限に押さえら
れる、という効果を得ることができる。
載の発明において、動圧発生溝を形成する動圧軸受面
は、軸に樹脂をアウトサート成形することによって軸と
一体に形成されたスラストプレートとなっているため、
スラストプレートを安価に形成することができるし、ス
ラストプレートに動圧発生溝を形成する場合でも、この
動圧発生溝を容易かつ安価に形成することができる。
よれば、樹脂成形によって、上記両スラスト動圧軸受面
の少なくとも一方側に、所定形状の動圧発生溝を形成す
るようにしたため、従来のコイニング工法やエッチング
工法で動圧発生溝を形成するものに比べて安価に動圧発
生溝を形成することができる。また、動圧発生溝以外の
部分を、凸状表面を有するランド部に形成するに当た
り、上記動圧発生溝の溝開口部を形成している両対向縁
部のうちの少なくとも潤滑流体の進入側の縁部に、上記
ランド部の凸状表面に対して傾斜し、この傾斜による楔
膜作用によって上記動圧発生溝内の潤滑流体をランド部
側に導く傾斜案内面を形成するとともに、この傾斜案内
面に相当する凹凸形状を有する樹脂成形金型を用いるた
め、傾斜案内面での楔膜作用によって軸部材と軸受部材
との間に迅速に入り込んで潤滑流体の幕を形成し、回転
開始直後から軸部材と軸受部材との接触状態を回避する
ことができる動圧軸受装置を、容易かつ安価に得ること
ができる。
載の発明において、動圧発生溝を形成する動圧軸受面
は、軸に樹脂をアウトサートによって一体成形したスラ
ストプレートであり、樹脂をアウトサート成形するとき
のゲート部は、上記軸の端面または上記スラストプレー
トの外周側面に設定している。スラストプレートの外周
側面にゲートを設けた場合は、動圧軸受を形成するスラ
スト軸受面にゲート残り等の突起が形成されず、良好な
軸受性能を得ることができる。また、軸の端面にゲート
を設けた場合は、軸の端面は軸受を構成する部位ではな
いので、軸受性能に影響を及ぼすことはない。また、ス
ラストプレートのスラスト軸受面とラジアル軸受を構成
する軸表面との直角度が、金型内で高精度にしかも安定
的に確保されるため、このスラストプレートを一体に有
する軸を動圧軸受に組み込んだとき、回転性能が安定す
る。
載の発明において、動圧発生溝を形成する動圧軸受面
は、軸に樹脂をアウトサートによって一体成形したスラ
ストプレートであり、樹脂をアウトサート成形するとき
のゲート部は、上記軸の端面に設定し、軸の端面全面を
樹脂が覆うように上記スラストプレートが構成されるた
め、請求項5記載の発明と同様の効果を得ることができ
る。
載の発明において、樹脂をアウトサート成形して形成さ
れるスラストプレートのゲート部の残りを除去した後、
樹脂皮膜を形成するため、ゲート部の残りを除去した跡
が樹脂コーティングされることによって、フィラの脱落
が防止され、信頼性の高い動圧軸受装置を得ることがで
きる。軸内部から射出成形できない場合は、スラストプ
レート外周面に射出ゲートを設けることになる。この場
合、ゲート残りを削り取らなければならない。ゲート残
りを除去すると、スキン層がなくなり、フィラが表面に
露出し、衝撃などの外力でフィラが脱落することがあり
得る。フィラが脱落すると、これが軸受隙間に入り込
み、所期の軸受性能を得ることができなくなる。その点
も請求項7記載の発明によれば、上記のとおり、このよ
うな不具合を解消することができる。
用いる成形用金型の製造方法は、イオンミーリング工法
によって成形用金型を製造するものである。請求項8記
載の方法で製造された成形用金型を用いれば、樹脂成形
で転写されたスラストプレートのランド部のエッジが傾
斜した形状に形成されるため、潤滑流体の楔膜効果で、
回転開始時におけるスラストプレートの浮上が容易にな
る。その結果、回転部分の固定部分に対する接触時間が
短くなり、磨耗が減少し、信頼性の高い動圧軸受装置を
製造することができる。
ルモータの例を示す縦断面図である。
面図、(b)は底面図である。
ルモータの別の例を示す縦断面図である。
示す断面図である。
ルモータのさらに別の例を示す縦断面図である。
面図、(b)は底面図である。
ートの別の例を拡大して示す一部断面正面図である。
ルモータのさらに別の例を示す縦断面図である。
ートのさらに別の例を示す縦断面図である。
いる成形用金型の製造方法の実施形態を示す斜視図であ
る。
ンク素材を拡大して示す縦断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 相対回転可能に装着された軸部材及び軸
受部材に、対向する一対の動圧軸受面が形成され、これ
ら軸部材及び軸受部材の両動圧軸受面間に潤滑流体が介
在するとともに、上記両動圧軸受面の少なくとも一方側
に、所定形状に形成された動圧発生溝があり、この動圧
発生溝部以外の部分が凸状表面を有するランド部に形成
された動圧軸受装置において、 上記動圧発生溝を形成する動圧軸受面を樹脂材にて構成
し、 上記動圧発生溝の溝開口部を形成している両対向縁部の
うちの少なくとも潤滑流体の進入側の縁部には、上記ラ
ンド部の凸状表面に対して傾斜し、この傾斜による楔膜
作用によって上記動圧発生溝内の潤滑流体をランド部側
に導く傾斜案内面が設けられていることを特徴とする動
圧軸受装置。 - 【請求項2】 動圧発生溝を形成する動圧軸受面は、軸
に樹脂をアウトサート成形することによって軸と一体に
形成されたスラストプレートである請求項1記載の動圧
軸受装置。 - 【請求項3】 スラストプレートは軸の端面に設けら
れ、軸の端面全面が樹脂で覆われている請求項2記載の
動圧軸受装置。 - 【請求項4】 相対回転可能に装着された軸部材及び軸
受部材に、軸方向に対向する一対のスラスト動圧軸受面
が形成され、これら両スラスト動圧軸受面どうしの隙間
内に潤滑流体が介在する動圧軸受装置の製造方法におい
て、樹脂成形によって、上記両スラスト動圧軸受面の少
なくとも一方側に、所定形状の動圧発生溝を形成し、こ
の動圧発生溝以外の部分を、凸状表面を有するランド部
に形成するに当たり、上記動圧発生溝の溝開口部を形成
している両対向縁部のうちの少なくとも潤滑流体の進入
側の縁部に、上記ランド部の凸状表面に対して傾斜し、
この傾斜による楔膜作用によって上記動圧発生溝内の潤
滑流体をランド部側に導く傾斜案内面を形成するため
に、この傾斜案内面に相当する凹凸形状を有する樹脂成
形金型を用いることを特徴とする動圧軸受装置の製造方
法。 - 【請求項5】 動圧発生溝を形成する動圧軸受面は、軸
に樹脂をアウトサートによって一体成形したスラストプ
レートであり、樹脂をアウトサート成形するときのゲー
ト部は、上記軸の端面または上記スラストプレートの外
周側面に設定してなる請求項4記載の動圧軸受装置の製
造方法。 - 【請求項6】 動圧発生溝を形成する動圧軸受面は、軸
に樹脂をアウトサートによって一体成形したスラストプ
レートであり、樹脂をアウトサート成形するときのゲー
ト部は、上記軸の端面に設定し、軸の端面全面を樹脂が
覆うように上記スラストプレートが構成される請求項5
記載の動圧軸受装置の製造方法。 - 【請求項7】 樹脂をアウトサート成形して形成される
スラストプレートのゲート部の残りを除去した後、樹脂
皮膜を形成してなる請求項5記載の動圧軸受装置の製造
方法。 - 【請求項8】 請求項4記載の動圧軸受装置の製造方法
に用いる成形用金型の製造方法であって、 樹脂成形用金型のブランク素材にイオンミーリング装置
を対向させて配置し、このイオンミーリング装置からイ
オン照射することによって、上記ブランク素材に対し、
スラスト動圧軸受面のランド部を形成するためのランド
成形用凹部を所定の深さで成形して、樹脂成形用金型の
圧印部を形成するようにし、 上記ブランク素材の圧印部形成面に、上記ランド部に相
当する形状のメタルマスクを取り付けてイオン遮断状態
とするとともに、 上記ブランク素材の圧印部成形面に対して垂直な軸方向
と、上記イオンミーリング装置によるイオン照射の軸方
向とが所定の角度をなして傾斜する配置関係に設定して
おき、 上記両軸どうしの傾斜角度関係をほぼ一定に維持しなが
ら、いずれか一方の軸回りに他方の軸を相対的に回転さ
せつつイオン照射を行うことによって、上記ブランク素
材におけるランド成形用凹部の底面角部に相当する部位
に、このランド成形用凹部の中心側から立ち上がり壁面
に向かって深さが連続的に浅くなる傾斜面を形成するこ
とを特徴とする動圧軸受装置の製造方法に用いる成形用
金型の製造方法。
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