JP2007153867A - イオン性化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水相及び有機相からなる二相系に、(NPR1 2)n [式中、R1は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR1は塩素であり;nは3〜15を表す]で表される環状ホスファゼン化合物と、NR2 3 [式中、R2は、それぞれ独立して一価の置換基又は水素で、但し、少なくとも一つのR2は水素ではなく、また、R2は互いに結合して環を形成してもよい]で表されるアミンとを加え、反応させて、(NPR3 2)n [式中、R3は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR3は、−N+R2 3Cl- (式中、R2は上記と同義である)で表されるイオン性置換基であり;nは上記と同義である]で表されるイオン性化合物を生成させる。
【選択図】図1
Description
下記一般式(I):
(NPR1 2)n ・・・ (I)
[式中、R1は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR1は塩素であり;nは3〜15を表す]で表される環状ホスファゼン化合物と、
下記一般式(II):
NR2 3 ・・・ (II)
[式中、R2は、それぞれ独立して一価の置換基又は水素で、但し、少なくとも一つのR2は水素ではなく、また、R2は互いに結合して環を形成してもよい]で表されるアミンとを加え、前記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物と前記一般式(II)で表されるアミンとを反応させて、
下記一般式(III):
(NPR3 2)n ・・・ (III)
[式中、R3は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR3は、下記一般式(IV):
−N+R2 3Cl- ・・・ (IV)
(式中、R2は上記と同義である)で表されるイオン性置換基であり;nは上記と同義である]で表されるイオン性化合物を生成させる工程を含むことを特徴とする。
前記一般式(III)で表されるイオン性化合物と、
下記一般式(V):
A+X- ・・・ (V)
[式中、A+は一価の陽イオンを表し、X-は一価の陰イオンを表す]で表される塩とを反応させて、
下記一般式(VI):
(NPR4 2)n ・・・ (VI)
[式中、R4は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR4は、下記一般式(VII):
−N+R2 3X- ・・・ (VII)
(式中、R2及びX-は上記と同義である)で表されるイオン性置換基であり;nは上記と同義である]で表されるイオン性化合物を生成させる工程を含むことを特徴とする。
水 5gとクロロホルム 5gからなる二相系を調製し、該二相系にトリエチルアミン 5mLと、上記一般式(I)で表され、式中のnが3であって、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5mLとを順次滴下した。該二相系をスターラーで撹拌すると、反応に伴って発熱が観測された。3分間の撹拌の後に、水相を採取し、水を蒸発させたところ白色結晶が生成し、更に減圧乾燥して白色結晶 0.2g(収率 53%)を得た。得られた白色結晶は、クロロホルム、メタノール、アセトニトリルに対して不溶で、水に対して可溶であった。得られた白色結晶を重水に溶解させて、1H-NMRで分析したところ、該白色結晶は、上記一般式(III)で表され、式中のnが3であって、6つのR3のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+(CH2CH2)3Cl-であることを確認した。生成物の1H-NMRの結果を図1に、31P-NMRの結果を図2に、反応スキームを下記に示す。
上記一般式(I)で表され、式中のnが3であって、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物とトリエチルアミンとを、5:1、1:1、1:5の質量比で混合した。混合により、反応が進行し、いずれの混合比率においても白色沈殿が生成した。次に、生成した白色沈殿に対して濾過による採取を試みたが、白色沈殿が速やかに茶褐色に変化し、採取することができなかった。得られた茶褐色の物質を1H-NMRで分析したところ、トリエチルアミンであることが確認された。
水 15mLとクロロホルム 15mLからなる二相系を調製し、該二相系にN-メチル-2-ピロリドン 5mLと、上記一般式(I)で表され、式中のnが3であって、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5mLとを順次滴下した。その後、該二相系を冷却しながら撹拌すると、クロロホルム相に白色結晶が沈殿した。常温に戻して撹拌すると該白色結晶は消えた。なお、クロロホルム相は、反応前は無色であったが、反応後は白濁した。ピペットを用いて水相を採取し、エバポレートした後、真空ポンプを用いて水を留去したところ、白色結晶 5.1g(収率 74%)を得た。得られた白色結晶を重水に溶解させて、1H-NMRで分析したところ、該白色結晶は、上記一般式(III)で表され、式中のnが3であって、6つのR3のうち5つがフッ素で且つ1つが上記一般式(IV)で表されるイオン性置換基で、式(IV)中のX-がCl-で、R2の1つがメチル基で、他の2つのR2が互いに結合して窒素原子と共に2-アザシクロペンタノン環を形成しているイオン性化合物であることを確認した。生成物の1H-NMRの結果を図3に、31P-NMRの結果を図4に、反応スキームを下記に示す。
水 15mLとクロロホルム 15mLからなる二相系を調製し、該二相系にピリジン5mLと、上記一般式(I)で表され、式中のnが3であって、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5mLとを順次滴下した。その後、該二相系を冷却しながら撹拌すると、クロロホルム相に白色結晶が沈殿した。常温に戻して撹拌すると該白色結晶は消えた。なお、クロロホルム相は、反応前は無色であったが、反応後は白濁した。ピペットを用いて水相を採取し、エバポレートした後、真空ポンプを用いて水を留去したところ、白色結晶 5.2g(収率 57%)を得た。得られた白色結晶を重水に溶解させて、1H-NMRで分析したところ、該白色結晶は、上記一般式(III)で表され、式中のnが3であって、6つのR3のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+C5H5Cl-であることを確認した。生成物の1H-NMRの結果を図5に、31P-NMRの結果を図6に、反応スキームを下記に示す。
水 15mLとクロロホルム 15mLからなる二相系を調製し、該二相系にアニリン5mLと、上記一般式(I)で表され、式中のnが3であって、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5mLとを順次滴下した。その後、該二相系を冷却しながら撹拌すると、クロロホルム相に白色結晶が沈殿した。常温に戻して撹拌すると該白色結晶は消えた。なお、クロロホルム相は、反応前は無色であったが、反応後は白濁した。ピペットを用いて水相を採取し、エバポレートした後、真空ポンプを用いて水を留去したところ、白色結晶 4.8g(収率 54%)を得た。得られた白色結晶を重水に溶解させて、1H-NMRで分析したところ、該白色結晶は、上記一般式(III)で表され、式中のnが3であって、6つのR3のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+H2C6H5Cl-であることを確認した。生成物の1H-NMRの結果を図7に、31P-NMRの結果を図8に、反応スキームを下記に示す。
水 15mLとクロロホルム 15mLからなる二相系を調製し、該二相系にジメチルアニリン5mLと、上記一般式(I)で表され、式中のnが3であって、6つのR1のうち1つが塩素で且つ5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5mLとを順次滴下した。その後、該二相系を冷却しながら撹拌すると、クロロホルム相に白色結晶が沈殿した。常温に戻して撹拌すると該白色結晶は消えた。なお、クロロホルム相は、反応前は無色であったが、反応後は白濁した。ピペットを用いて水相を採取し、エバポレートした後、真空ポンプを用いて水を留去したところ、白色結晶 5.1g(収率 52%)を得た。得られた白色結晶を重水に溶解させて、1H-NMRで分析したところ、該白色結晶は、上記一般式(III)で表され、式中のnが3であって、6つのR3のうち5つがフッ素で且つ1つが−N+(CH3)2C6H5Cl-であることを確認した。生成物の1H-NMRの結果を図9に、31P-NMRの結果を図10に、反応スキームを下記に示す。
Claims (9)
- 水相及び有機相からなる二相系に、下記一般式(I):
(NPR1 2)n ・・・ (I)
[式中、R1は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR1は塩素であり;nは3〜15を表す]で表される環状ホスファゼン化合物と、下記一般式(II):
NR2 3 ・・・ (II)
[式中、R2は、それぞれ独立して一価の置換基又は水素で、但し、少なくとも一つのR2は水素ではなく、また、R2は互いに結合して環を形成してもよい]で表されるアミンとを加え、前記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物と前記一般式(II)で表されるアミンとを反応させて、下記一般式(III):
(NPR3 2)n ・・・ (III)
[式中、R3は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR3は、下記一般式(IV):
−N+R2 3Cl- ・・・ (IV)
(式中、R2は上記と同義である)で表されるイオン性置換基であり;nは上記と同義である]で表されるイオン性化合物を生成させる工程を含むことを特徴とする上記一般式(III)で表されるイオン性化合物の製造方法。 - 更に、前記一般式(III)で表されるイオン性化合物を水相から回収する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のイオン性化合物の製造方法。
- 前記一般式(I)及び前記一般式(III)中のnが3又は4であることを特徴とする請求項1に記載のイオン性化合物の製造方法。
- 前記一般式(I)中のR1は、少なくとも一つが塩素で、その他がフッ素であることを特徴とする請求項1に記載のイオン性化合物の製造方法。
- 前記一般式(III)中のR3は、少なくとも一つが前記一般式(IV)で表されるイオン性置換基で、その他がフッ素であることを特徴とする請求項1に記載のイオン性化合物の製造方法。
- 前記一般式(III)で表されるイオン性化合物と下記一般式(V):
A+X- ・・・ (V)
[式中、A+は一価の陽イオンを表し、X-は一価の陰イオンを表す]で表される塩とを反応させて、下記一般式(VI):
(NPR4 2)n ・・・ (VI)
[式中、R4は、それぞれ独立してハロゲン元素又は一価の置換基で、少なくとも一つのR4は、下記一般式(VII):
−N+R2 3X- ・・・ (VII)
(式中、R2及びX-は上記と同義である)で表されるイオン性置換基であり;nは上記と同義である]で表されるイオン性化合物を生成させる工程を含むことを特徴とする上記一般式(VI)で表されるイオン性化合物の製造方法。 - 前記一般式(III)で表されるイオン性化合物を含有する水相に前記一般式(V)で表される塩を添加することを特徴とする請求項6に記載のイオン性化合物の製造方法。
- 前記一般式(III)及び前記一般式(VI)中のnが3又は4であることを特徴とする請求項6に記載のイオン性化合物の製造方法。
- 前記一般式(VI)中のR4は、少なくとも一つが前記一般式(VII)で表されるイオン性置換基で、その他がフッ素であることを特徴とする請求項6に記載のイオン性化合物の製造方法。
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