JP4484318B2 - スルホニル基含有ホスファゼン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電解液、潤滑油等の難燃化に有用な新規なスルホニル基含有ホスファゼン誘導体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホスファゼンは、難燃剤、耐油性エラストマー、ガス分離膜、電解質などに用いられてきた。近年、非水電解液二次電池は、高電圧、高エネルギー密度という優れた自己放電性を有することから、特にパソコン、VTR等の情報機器やAVのメモリーのバックアップやそれらの駆動電源用電池として注目され、特開平06−13108号公報には、非水電解質二次電池の電解質に、(NPR2 )n(式中、Rは一価の有機基、nは3〜15)で表される環状ホスファゼン誘導体又はR3 ( P=N) m - PR4 ( 式中、mは1〜20、Rは一価の有機基、O、又はCの中から選ばれる。)で表される鎖状型ホスファゼン誘導体を含有させることにより、短絡時における破裂、発火の危険性を取り除いた非水電解質二次電池が提案されている。
【0003】
しかし、このホスファゼン誘導体を電解質に含有させることにより、電解質の難燃性をある程度改善できるものの、その反面、電池性能が低下するという問題がある。近年、非水電解液二次電池において、スピネル構造のマンガン酸リチウムを正極活物質を用いた非水電解液二次電池の電解液にホスファゼン誘導体を含有させ高温寿命特性を向上させた非水電解液二次電池(特開平2000−21442号公報)、電解液にホスファゼン誘導体を含有させ、電池特性、特に、充放電サイクル特性および難燃性に優れたリチウム二次電池(特開平2000−30740号公報)、電解液にリン酸エステルとホスファゼン誘導体を含有させた、難燃性と電池のサイクル特性に優れた非水電解液電池(特開平11−191431号公報)等で見られるように、非水電解液電池の電解液にホスファゼン誘導体を含有させることにより、電解液の難燃化だけでなく、電池性能を向上させることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のホスファゼン化合物は、難燃性と電池性能の向上という点ではそれなりの効果を示しているものの、未だ十分ではなく、難燃性を付与する機能と共に、優れた電気特性を持つ新規なホスファゼン化合物の出現が望まれていた。
【0005】
従って、本発明の目的は、非水電解液二次電池の電解液に利用可能な新規な構造を有するスルホニル基含有ホスファゼン誘導体およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、五ハロゲン化リンと特定のスルホンアミドとを反応させることによりハロゲン化ホスファゼンを得、次いで、該ハロゲン化ホスファゼンと特定のアルコラートとを反応させることにより、新規なスルホニル基含有ホスファゼン誘導体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
(R1 O)3 P=N−SO2 −R2 (1)
{式中、R1 はハロゲン原子で置換されていてもよい次式の基;CH3-( OCH2 CH2)n - (nは1〜5の整数を示す。)を示し、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。}で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、五ハロゲン化リンと、下記一般式(2);
H2 N−SO2 −R2 (2)
(式中、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表されるスルホンアミドとを反応させて、下記一般式(3);
X3 P=N―SO2 −R2 (3)
(式中、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体を得、次いで、該ハロゲン化ホスファゼン誘導体と一般式(4);
R1 −OM (4)
(式中、R1 はハロゲン原子で置換されていてもよい次式の基;CH 3 -( OCH 2 CH 2 ) n - (nは1〜5の整数を示す。)を示す。Mはアルカリ金属を示す。)で表されるアルコラート類とを反応させて、前記一般式(1)で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体を得る製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)中、R1 は次式の基;CH3-( OCH2 CH2)n - (nは1〜5の整数を示す。)であるか、又は当該基がハロゲン原子で置換されたものである。nの好ましい数は1〜3である。置換するハロゲン原子としては、特に制限されないが、塩素原子又はフッ素原子が好ましく、特に好ましくはフッ素原子である。
【0010】
前記一般式(1)中、R2 は、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子で一部又は全部が置換されたフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基は、アルキル基がハロゲン原子で一部又は全部が置換されていてもよいし、また、アルキル基置換以外のベンゼン環に結合する水素原子がハロゲン原子で一部又は全部が置換されていてもよい。炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec- ブチル基、tert- ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基等が挙げられ、この中、炭素数1〜3のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が好ましい。置換するハロゲン原子としては、特に制限されないが、塩素原子又はフッ素原子が好ましく、特に好ましくはフッ素原子である。
【0011】
また、R2 は、炭素数1〜3のアルキル基がフッ素置換されたトリフルオロメチル基、テトラフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基;フェニル基、ハロゲン置換されたフェニル基、メチル基で置換されたフェニル基、ハロゲン化されたメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。
【0012】
次いで、前記一般式(1)で表されるスルホニル基を有するホスファゼン誘導体の製造方法について説明する。本発明の前記一般式(1)で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体は、例えば、五ハロゲン化リンと前記一般式(2)で表されるスルホンアミドとを反応させて、前記一般式(3)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体を得る第一工程、次いで、得られた前記一般式(3)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体と前記一般式(4)で表されるアルコラート類とを反応させて、目的とする前記一般式(1)で表されるスルホニル基を有するホスファゼン誘導体を得る第二工程からなる方法で得ることができる。
【0013】
<第一工程>
第一工程の反応原料となる五ハロゲン化リンとしては、五塩化リン、五臭化リン、五ヨウ化リンが挙げられ、この中、反応性の面で五塩化リンが好ましい。他方の反応原料の前記一般式(2)で表されるスルホンアミドの式中、R2 は、 炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子で一部又は全部が置換されたフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基は、アルキル基がハロゲン原子で一部又は全部が置換されていてもよい。炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec- ブチル基、tert- ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基等が挙げられ、この中、炭素数1〜3のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が好ましい。該アルキル基を置換するハロゲン原子としては、特に制限されないが、塩素原子又はフッ素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0014】
前記一般式(2)で表されるスルホンアミドの式中、R2 が炭素数1〜12のアルキル基である場合の好ましい化合物としては、メチルスルホンアミド、エチルスルホンアミド、n−プロピルスルホンアミド、イソプロピルスルホンアミド等が例示される。
【0015】
前記一般式(2)で表されるスルホンアミドの式中、R2 がハロゲン原子で置換され炭素数1〜12のアルキル基である場合の好ましい化合物としては、トリフルオロメチルスルホンアミド、テトラフルオロエチルスルホンアミド、ヘキサフルオロプロピルスルホンアミド等が例示される。
【0016】
前記一般式(2)で表されるスルホンアミドの式中、R2 がフェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基及びハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基を有するフェニル基である場合の好ましい化合物としては、ベンゼンスルホンアミド、メチルベンゼンスルホンアミド、トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド、フルオロベンゼンスルホンアミド、メタジフルオロベンゼンスルホンアミド、オルトジフルオロベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリフルオロベンゼンスルホンアミド、2,4,5−トリフルオロベンゼンスルホンアミド、3,4,5−トリフルオロベンゼンスルホンアミド、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンスルホンアミド、3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンスルホンアミド、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホンアミド等を例示することができる。
【0017】
この五ハロゲン化リンとスルホンアミドとの反応は、下記反応式(I );
【0018】
【0019】
(式中、R2 及びXは前記と同義。)に従って進行し、五ハロゲン化リンと前記一般式(2)で表されるスルホンアミドを有機溶媒中で反応させる。五ハロゲン化リンに対するスルホンアミドのモル比は、通常、0.8〜1.5、好ましくは1.0〜1.1、反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは20〜40℃であり、反応時間は、通常、0.5〜4時間、好ましくは1〜2時間である。反応溶媒としては、五ハロゲン化リン及び前記一般式(2)で表されるスルホンアミドが溶解するもので、かつ不活性なものであれば特に制限されないが、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素及び塩化メチレン、クロロホルム等のハロアルカン類、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0020】
反応終了後は乾燥して、あるいは乾燥することなく溶液のままで前記一般式(3)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体を得ることが出来る。本発明では、反応終了後、乾燥して更に、常法の精製手段により精製を行うことができる。
【0021】
<第二工程>
第二工程は、第一工程で得られた前記一般式(3)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体と、前記一般式(4)で表されるR1-OM(式中、R1 は前記と同義。Mはアルカリ金属を示す。)で表されるアルコラート類とを反応させて、目的とする前記一般式(1)で表されるスルホニル基を有するホスファゼン誘導体を得る工程である。
【0022】
反応原料となるR1-OMで表されるアルコラート類の式中、R1 は、前記一般式(1)で表されるスルホニル基を有するホスファゼン誘導体の式中のR1 に相当し、nは通常1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数を示し、Mは、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属であり、好ましくはナトリウムである。このハロゲン化ホスファゼン誘導体とアルコラート類との反応は、下記反応式(II);
【0023】
【0024】
(式中、Mはアルカリ金属を示し、R1 及びR2 は前記に同じ。)に従って進行し、前記一般式(3)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体と前記一般式(4)で表されるアルコラート類とを有機溶媒中で反応させ、前記一般式(1)で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体を生成させる。ハロゲン化ホスファゼン誘導体に対するアルコラート類のモル比は、通常、2.0〜4.5、好ましくは2.7〜3.3である。反応温度は、通常、−20〜40℃、好ましくは0〜20℃、反応時間は、通常、2〜12時間、好ましくは3〜6時間である。反応溶媒としては、ハロゲン化ホスファゼン誘導体とアルコール類が溶解でき、かつ不活性な溶媒であれば特に限定はなく、例えば、炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、ハロアルカン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられ、このうち、1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。反応終了後は抽出、脱水、乾燥等の常法により前記一般式(1)で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体を得る。
【0025】
本発明の前記一般式(1)で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体は元素分析、1 H−NMR、31P−NMR、MASS及びIRにより同定することができる。
【0026】
本発明の前記一般式(1)で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体は、ホスファゼン化合物自体の難燃性機能と共に、スルホニル基を有することから優れた電気性能が期待できる。従って、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、ポリマー電池、ポリマー二次電池等の非水電解液電池、電解コンデンサー等の電池の電解液に含有させることにより、優れた難燃性能と電気特性を付与することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
攪拌機を付けた四口フラスコに五塩化リン46.6g(0.224モル)、メタンスルホンアミド21.3g(0.224モル)、脱水トルエン62.9g及びTHF0.2gを仕込み、窒素雰囲気下、室温で2時間反応させ、トリクロロホスファゾスルホニルメタンを得た。反応終了後、溶液をそのまま原料として用いた。攪拌機を付けた四口フラスコに水素化ナトリウム27.8g(0.695モル)及び脱水THF233.5gを仕込み、次いで、ジエチレングリコールモノメチルエーテル136.9g(1.13モル)を滴下し、ジエチレングリコールモノメチルエーテルのアルコラート溶液を調製した。攪拌機を付けた四口フラスコにトリクロロホスファゾスルホニルメタン51.6g(0.224モル)とトルエン225.6gを仕込み、窒素雰囲気中で、前記で調製したジエチレングリコールモノメチルエーテルのアルコラート溶液(0.695モル)を反応系内の温度を0〜10℃に保持しながら滴下した。滴下終了後、更に、10℃以下で1.5時間攪拌下に反応させた。反応終了後、酢酸で中和した。次いで、濾過し、ろ液をクロロホルムで抽出して得られた有機層を、濃縮、脱水して、オイル状の物質37.7g(収率83.1%)を得た。元素分析、1 H−NMR、31P−NMR、MASS及びIRにより同定したところ、表1に示したスルホニル基を有するホスファゼン誘導体であることが確認された。
【0028】
(同定データ)
・元素分析:構造式:C16H36NO11PS(分子量481.1 )に対する
計算値;C;39.94%、H;7.54% 、N;2.91% 、S;6.66%
実測値;C;39.71%、H;8.01% 、N;2.89% 、S;6.86%
・1 H−NMR(ppm,CDCl3 )δ;
3.01(d,3H)、3.40(m,9H)、3.53(m,6H)、3.65(m,6H)、3.74(m,6H)、
4.37( m,6H)
・31P−NMR(ppm,CDCl3 )δ;
−1.81(m)
・IR;ν(KBr )cm-1;
2882、1455、1328、1220、1143、1111
・MASS(FAB )m/z ;482(M +H) +
【0029】
実施例2
攪拌機を付けた四口フラスコに五塩化リン31.4g(0.151モル)、ベンゼンスルホンアミド23.6g(0.150モル)、脱水トルエン74.3g及びTHF1.0gを仕込み、室温で2.5時間攪拌下に反応させ、トリクロロホスファゾスルホニルベンゼン42.5gを得た(収率96.9%)。攪拌機を付けた四口フラスコに水素化ナトリウム17.9g(0.449モル)及び脱水THF153.3gを仕込み、次いで、エチレングリコールモノメチルエーテル58.2g(0.764モル)を滴下し、エチレングリコールモノメチルエーテルのアルコラート溶液を調製した。攪拌機を付けた四口フラスコに前記で調製したトリクロロホスファゾスルホニルベンゼン42.69g(0.146モル)とトルエン145.1gを仕込み、窒素雰囲気中で、前記で調製したエチレングリコールモノメチルエーテルのアルコラート溶液(0.449モル)を反応系内の温度を0〜10℃に保持しながら滴下した。滴下終了後、更に、室温で3.5時間攪拌下に反応させた。反応終了後、塩酸で中和した。次いで、濾過し、ろ液をジクロロメタンで抽出して得られた有機層を濃縮、脱水して、オイル状の物質47.1g(収率78.4%)を得た。元素分析、1 H−NMR、31P−NMR、MASS及びIRにより同定したところ、表1に示したスルホニル基を有するホスファゼン誘導体であることが確認された。
【0030】
(同定データ)
・元素分析:構造式C15H26NO8 PS(分子量411.3 )に対する
計算値;C;43.79%、H;6.37% 、N;3.40% 、S;7.70%
実測値;C;43.71%、H;6.59% 、N;3.54% 、S;8.02%
・1 H−NMR(ppm ,CDCl3 )δ;
3.35(s,9H)、3.58(m,6H)、4.32(m,6H)、7.47(m,3H)、7.96(m,2H)
・31P−NMR(ppm ,CDCl3 )δ;
−2.01(m)
・IR;ν(KBr )cm-1ν;
2890、2824、1447、1370、1203、1155、1133
・MASS(FAB )m/z ;412(M +H) +
【0031】
実施例3
攪拌機を付けた四口フラスコに五塩化リン46.2g(0.222モル)、4−フルオロベンゼンスルホンアミド39.1g(0.222モル)、テトラヒドロフラン8.0g及びトルエン250mlを仕込み、窒素雰囲気中で2時間、室温で反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、N−4−フルオロベンゼンスルホニル−P,P,P−トリクロロホスファゼン66.1g(収率95.6%)を得た。次いで、攪拌機を付けた四つ口フラスコに上記で得たN−4−フルオロベンゼンスルホニル−P,P,P−トリクロロホスファゼン60.0g(0.193モル)とテトラヒドロフラン250mLを仕込み、実施例2と同様にして得られたエチレングリコールモノメチルエーテルのアルコラート溶液(0.637モル)を、窒素雰囲気中で、0〜5℃で一昼夜攪拌下に反応させた。反応終了後、濃硫酸で中和した。次いで、水洗後、クロロホルムで抽出して得られた有機層を濃縮、脱水して、オイル状の物質75.2g(収率78.9%)を得た。元素分析、1 H−NMR、31P−NMR、MASS及びIRにより同定したところ、表1に示したスルホニル基を有するホスファゼン誘導体であることが確認された。
【0032】
(同定データ)
元素分析:構造式C15H25FNO8 PS(分子量429.4 )に対する
計算値;C;41.95%、H;5.87% 、N;3.26% 、S;7.47%
実測値;C;42.34%、H;6.16% 、N;3.36% 、S;7.79%
・1 H−NMR(ppm ,CDCl3 )δ;
3.24(s,9H)、3.45(m,6H)、4.17(m,6H)、6.99(m,2H)、7.86(m,2H)
・31P−NMR(ppm ,CDCl3 )δ;
−2.2(m)
・IR;ν(KBr )cm-1;
2932 、2890、1591、1494、1371、1280、1218、1150、1039、839 、
687
・MASS(FAB )m/z ;430(M +H) +
【0033】
実施例4
攪拌機を付けた四口フラスコに五塩化リン10.6g(0.051モル)、2,4−ジフルオロベンゼンスルホンアミド10.0g(0.052モル)、テトラヒドロフラン1.4g及びトルエン100mlを仕込み、窒素雰囲気中で2時間、室温で反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、N−2,4−ジフルオロベンゼンスルホニル−P,P,P−トリクロロホスファゼン16.1g(収率96.2%)を得た。次いで、攪拌機を付けた四つ口フラスコに上記で得たN−2,4−ジフルオロベンゼンスルホニル−P,P,P−トリクロロホスファゼン16.1g(0.0490モル)とテトラヒドロフラン100mLを仕込み、実施例2と同様にして得られたエチレングリコールモノメチルエーテルのアルコラート溶液(0.160モル)を、窒素雰囲気中で、0〜5℃で一昼夜攪拌下に反応させた。反応終了後、濃硫酸で中和した。次いで、水洗後、クロロホルムで抽出して得られた有機層を濃縮、脱水して、オイル状の物質17.0g(収率77.7%)を得た。元素分析、1 H−NMR、31P−NMR、MASS及びIRにより同定したところ、表1に示したスルホニル基を有するホスファゼン誘導体であることが確認された。
【0034】
(同定データ)
・元素分析:構造式C15H24F2 NO8 PS(分子量447.4 )に対する
計算値;C;40.27%、H;5.41% 、N;3.13% 、S;7.17%
実測値;C;40.24%、H;5.48% 、N;3.16% 、S;7.54%
・1 H−NMR(ppm ,CDCl3 )δ;
3.27(s,9H)、3.51(m,6H)、4.25(m,6H)、6.83(m,2H)、7.89(m,1H)
・31P−NMR(ppm ,CDCl3 )δ;
−2.58(m )
・IR;ν(KBr )cm-1;
2893 、2825、1603、1485、1424、1372、1290、1203、1159、
1040 、970 、850 、687 、620
・MASS(FAB )m/z ;448(M +H) +
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明のスルホニル基を有するホスファゼン誘導体は、ホスファゼン化合物自体の難燃性機能と共に、スルホニル基を有することから優れた電気性能が期待できる。従って、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、ポリマー電池、ポリマー二次電池等の非水電解液電池、電解コンデンサー等の電池の電解液に含有させることにより、優れた難燃性能と電気特性を付与することができる。
Claims (2)
- 下記一般式(1);
(R1 O)3 P=N−SO2 −R2 (1)
{式中、R1 はハロゲン原子で置換されていてもよい次式の基;CH3-( OCH2 CH2)n - (nは1〜5の整数を示す。)を示し、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。}で表されることを特徴とするスルホニル基含有ホスファゼン誘導体。 - 五ハロゲン化リンと、下記一般式(2);
H2 N−SO2 −R2 (2)
(式中、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表されるスルホンアミドとを反応させて、下記一般式(3);
X3 P=N―SO2 −R2 (3)
(式中、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスファゼン誘導体を得、次いで、該ハロゲン化ホスファゼン誘導体と一般式(4);
R1 −OM (4)
(式中、R1 はハロゲン原子で置換されていてもよい次式の基;CH 3 -( OCH 2 CH 2 ) n - (nは1〜5の整数を示す。)を示す。Mはアルカリ金属を示す。)で表されるアルコラート類とを反応させて、下記一般式(1);
(R1 O)3 P=N−SO2 −R2 (1)
{式中、R1 はハロゲン原子で置換されていてもよい次式の基;CH3-( OCH2 CH2)n - (nは1〜5の整数)を示し、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、該アルキル基で置換されたフェニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。}で表されるスルホニル基含有ホスファゼン誘導体を得ることを特徴とするスルホニル基含有ホスファゼン誘導体の製造方法。
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