JP2007153134A - 車両用空調装置および空調ダクト - Google Patents

車両用空調装置および空調ダクト Download PDF

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聡志 水谷
Hironobu Murakami
広宣 村上
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俊彦 村木
Hiroyuki Yamagishi
弘幸 山岸
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渉 石川
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    • B60H2001/006Noise reduction

Abstract

【課題】送風通路の容積の確保、車室内への騒音の低減、および外表面の保護を可能とする車両用空調装置および空調ダクトを提供する。
【解決手段】車両用空調装置は、空調ユニット1が、空気が流通する空気通路2と、空気の空調に使用される空調用機能部品4を搭載し、空気通路2を形成する空調ケース5と、空気通路2の全部または一部の外殻を構成するように設けられた吸音部と、を備える。そして、ブロワケーシング20、第1吸込みダクト21、第2吸込みダクト22、および吹出しダクト23は、非通気性の板材10と、板材10を挟むように両側に配置された第1吸音材11および第2吸音材12とを一体化して形成された複数層部材で構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、空調ユニットを備え、自動車等の車室内に空調された空気を吹き出す車両用空調装置、および車室内と空調ユニットを連通する空調ダクトに関する。
従来の車両用空調装置や空調ダクトにおいては、空調風が流れることによって発生する騒音が車室内に伝わることを防止する必要があった。特に、吸込み口や吹出し口に近い部位で発生する騒音が強い影響を与えていた。
そこで、このような騒音を低減するための技術を開示したものとして特許文献1および特許文献2が知られている。特許文献1の車両用空調装置は、送風通路を形成する通路形成ケースと、送風通路内に設けられ内外気を導入するブロワユニットと、通路形成ケース内面に貼付された吸音材と、ブロワユニットにより送風された空気を空調するエアコンユニットと、を備えている。
また、特許文献2の空調ダクトは、自立する程度に硬いグラスウールからなる吸音材で形成されており、この吸音材の内表面または外表面に薄いフィルム材が装着されている。この吸音材とフィルム材により、ダクト内部から外部への空気の流れを遮断するとともに、空気を外部に漏らすことなく、空気の振動のみを外部に漏らして騒音の低減を図っている。
特開2004−243816号公報 特開2001−322544号公報
しかしながら、上記特許文献1の車両用空調装置においては、ブロワユニットを収納する通路形成ケースの内面に吸音材を設けることで騒音の低減を図っているが、この吸音材は新たに付加したものであり、送風通路内の容積を小さくしてしまうことになる。そして、送風通路内の必要容積に配慮すると、吸音材の厚さや表面積が小さくなり十分な騒音の低減効果が得られないという問題があり、また、送風通路内の必要容積の確保と十分な騒音の低減効果の両方を満たすためには、通路形成ケースを大きくすることになり空調装置全体が大型化してしまうという問題があった。
また、上記特許文献2の空調ダクトにおいては、ダクトの外表面側の材料は、ダクトの形態を維持するために一定以上の剛性を有していることが必要となるので、薄いフィルム材を外表面に配した場合でも吸音材を剛性の高い材料で構成しなければならない。そうすると、通常、吸音材はその剛性が低い材料の方がその吸音効果が高いため、薄いフィルム材および吸音材の2層で形成されている特許文献2の空調ダクトは、吸音材による吸音効果が十分でなく、十分な騒音の低減が得られないという問題があった。また、薄いフィルム材をダクトの外表面に配した場合には、ダクトの取り付け作業工程などにおいて、フィルム材を破損してダクトの通気遮断性能を損なってしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、送風通路の容積の確保、車室内への騒音の低減、および外表面の保護を備えた車両用空調装置および空調ダクトを提供することである。
上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明は、車両に設けられた空調ユニット(1)によって車室内(3)に空調された空気を送る車両用空調装置であって、空調ユニット(1)は、空気が流通する空気通路(2)と、空気の空調に使用される空調用機能部品(4)を搭載し、空気通路(2)を形成する空調ケース(5)と、空気通路(2)の全部または一部の外殻を構成するように設けられた吸音部(20、21、22、23)と、を備える。そして、吸音部(20、21、22、23)は、非通気性の中間層(10)と、中間層(10)を挟むように両側に配置された吸音層(11、12)とが一体化されて形成された複数層部材(21c、21d、22c、22d)で構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、非通気性の中間層を吸音層で挟むようにしてこれらを一体化した複数層部材によって吸音部を構成したことにより、十分な吸音効果と、空気の外部への遮断性能と、形状維持性と、外表面の保護とを確保することができるので、外部への空気の漏れを防ぎ、かつ車室内への騒音を低減した車両用空調装置が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用空調装置において、空調ケース(5)と車室内(3)を連通させるダクト(21、22)を設け、ダクト(21、22)に吸音部(21、22)を設けることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、車室内と近い位置にあるダクトに吸音部を設けることにより、車室内への騒音の低減効果をさらに高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用空調装置において、ダクト(21、22)はその全体形状が組み合わされた複数個の複数層部材(21c、21d、22c、22d)で形成されていることを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、ダクト自身を吸音効果が高く、剛性を備えた部材で構成するので、さらに騒音の低減効果が向上するとともに、剛性も確保できるダクトが得られる。また、全体形状を複数個の複数層部材で構成するので、比較的複雑な形状や長い形状のダクトを作成しやすくなる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用空調装置において、複数層部材(21c、21d、22c、22d)は、吸音層(11、12)の間に中間層(10)をインサートして成形することにより形成されることを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、複雑な形状を有する複数層部材を形成することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の車両用空調装置において、吸音部(20)を空調ケース(5)の一部に設けることを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、空調用機能部品などの振動による騒音や空気通路内の気流の乱れによる騒音が発生する部位に吸音部を設けることにより、効果的な騒音の低減が図れる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の車両用空調装置において、複数層部材(21c、21d、22c、22d)のうち、中間層(10)よりも外側に位置する吸音層(12)は、中間層(10)よりも内側に位置する吸音層(11)よりも硬い層であることを特徴とする。請求項6に記載の発明によれば、外側に位置する吸音層の硬度を高めて複数層部材の形状を維持する機能を向上させ、内側に位置する吸音層の硬度を下げて吸音率を高めることで吸音機能を向上させた車両用空調装置が得られる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の車両用空調装置において、複数層部材(21c、21d、22c、22d)のうち、中間層(10)よりも内側に位置する吸音層(11)は、中間層(10)よりも外側に位置する吸音層(12)よりも厚さの大きい層であることを特徴とする。請求項7に記載の発明によれば、内側の吸音層の厚さを大きくすることにより、内側の吸音層における吸音率を高めて複数層部材の吸音効果を促進することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の車両用空調装置において、吸音層(8、9、11、12)は繊細な糸状物質から構成されていることを特徴とする。請求項8に記載の発明によれば、繊細な糸状物質の密度を調整することにより、所望の形状維持機能および吸音機能を確保した吸音層を作成することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の車両用空調装置において、中間層(10)は臭気遮断性を有する板材であることを特徴とする。請求項9に記載の発明によれば、通気遮断効果とともに、装置外部の空気が含んでいる臭気がダクトを透過して車室内に侵入することを防止できる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の車両用空調装置において、中間層(10)は、外側に位置する吸音層(12)と、内側に位置する吸音層(11)との間に膜状に形成した接着材料であることを特徴とする。請求項10に記載の発明によれば、吸音層を中間層に接着する材料を用いて中間層を構成することができるので、板材などの部品を必要とせず、部品およびコストの低減が図れる。
請求項11に記載の発明は、車室内(3)に空調された空気を送る空調ユニット(1)と車室内(3)とを連通するように設けられた空調ダクト(30、31)であって、その外殻が、非通気性の中間層(7、10)と、中間層(7、10)を挟むように両側に配置された吸音層(8、9、11、12)とを一体化して形成された複数層部材(30a、30b、31a、31b)で構成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、非通気性の中間層を吸音層で挟むようにしてこれらを一体化した複数層部材によって空調ダクトの外殻を構成したことにより、十分な吸音効果と、空気の外部への遮断性能と、形状維持性を確保することができるので、送風通路の容積を狭めたり、ダクトの外形を大きくしたりすることなく、車室内への騒音を低減した空調ダクトが得られる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の空調ダクトにおいて、複数個の複数層部材(30a、30b、31a、31b)が組み合わされてその全体形状が形成されていることを特徴とする。請求項12に記載の発明によれば、空調ダクト自身を吸音効果が高く、剛性を備えた部材で構成するので、さらに騒音の低減効果が向上するとともに、剛性も確保できる空調ダクトが得られる。また、全体形状を複数個の複数層部材で構成することにより、比較的複雑な形状や長い形状の空調ダクトを作成することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の空調ダクトにおいて、複数層部材(30a、30b、31a、31b)は、吸音層(8、9、11、12)の間に中間層(7、10)をインサートして成形することにより形成されることを特徴とする。請求項13に記載の発明によれば、複雑な形状を有する空調ダクトを形成することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項11から13のいずれかに記載の空調ダクトにおいて、複数層部材(30a、30b、31a、31b)のうち、中間層(7、10)よりも外側に位置する吸音層(9、12)は、中間層(7、10)よりも内側に位置する吸音層(8、11)よりも硬い層であることを特徴とする。請求項14に記載の発明によれば、外側の吸音層の硬度を高めて複数層部材の形状を維持する機能を向上させ、内側の吸音層の硬度を下げて吸音率を高めることで吸音機能を向上させる優れた性能を備えた空調ダクトが得られる。
請求項15に記載の発明は、請求項11から14のいずれかに記載の車両用空調装置において、複数層部材(30a、30b、31a、31b)のうち、中間層(7、10)よりも内側に位置する吸音層(8、11)は、中間層(7、10)よりも外側に位置する吸音層(9、12)よりも厚さの大きい層であることを特徴とする。請求項15に記載の発明によれば、内側の吸音層の厚さを大きくすることにより、内側の吸音層における吸音率を高めて空調ダクトの吸音効果を促進することができる。
請求項16に記載の発明は、請求項11から15のいずれかに記載の空調ダクトにおいて、吸音層(8、9、11、12)は繊細な糸状物質から構成されていることを特徴とする。請求項16に記載の発明によれば、繊細な糸状物質の密度を調整することにより、所望の形状維持機能および吸音機能を有する吸音層を作成することができる。
請求項17に記載の発明は、請求項11から16のいずれかに記載の空調ダクトにおいて、中間層(7、10)は臭気遮断性を有する板材であることを特徴とする。請求項17に記載の発明によれば、通気遮断効果が得られるともに、装置外部の臭気がダクトを透過して車室内に侵入することを防止できる。
請求項18に記載の発明は、請求項11から16のいずれかに記載の空調ダクトにおいて、中間層(7、10)は、外側に位置する吸音層(9、12)と内側に位置する吸音層(8、11)との間に膜状に形成された接着材料であることを特徴とする。請求項18に記載の発明によれば、吸音層を中間層に接着する材料を用いて中間層を構成することができるので、板材などの部品を必要とせず、部品およびコストの低減が図れる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
図1〜図6を用いて第1実施形態を説明する。本実施形態の車両用空調装置は、自家用または業務用の車両に用いられ、車室内の空調をオートコントロールまたはマニュアルコントロールできるように構成されている。本実施形態の空調ダクトは、自家用または業務用の車両に用いられ、空調空気を創出する空調ユニットに接続されて車室内に空調空気を送る部材である。本実施形態の車両用空調装置および空調ダクトは、騒音の低減、および吸音部分の外表面の保護を可能とする。図1は、本実施形態の車両用空調装置を後部座席用エアコンユニットとして使用した場合の構成を示す概略図である。図2は、本実施形態の車両用空調装置および空調ダクトの構成を示した斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の車両用空調装置は、車室内3に空調された空気を送風する空調ユニット1を備えている。この空調ユニット1は、空調される空気を取り込んで空調ダクト30、31に送るまでの空気通路2と、取り込んだ空気の空調に使用される空調用機能部品4と、空気通路2を形成し、空調用機能部品4を搭載する空調ケース5とを、備えている。
空調ユニット1は、車室内3の後方のトランクルーム内に配置されている。空調ユニット1の主要部分を占める空調ケース5は、後部座席6の後方にあるパッケージトレイの上面に設けられた第1吸込み口24および第2吸込み口25と、それぞれ第1吸込みダクト21および第2吸込みダクト22によって接続されている。さらに、空調ケース5は、車室内3のルーフサイドに開口された吹出し口と空調ユニット1とを連通するように設けられた第1空調ダクト30および第2空調ダクト31と接続されている。
なお、空調ユニット1は、エンジンルームと車室内3を区画する車室内3の前方のダッシュパネルの裏側壁面寄りに配置される構成としてもよい。この場合、第1空調ダクト30および第2空調ダクト31は、フットダクトとして使用し、乗員の足元に向けて吹き出すように構成する。
空調用機能部品4は、エアコンユニットに含まれるエバポレータ、ヒータコア、エアミックスドアなどの熱交換器や吹出口切替ドア、ブロワユニットに含まれる送風機や内外気切替ドア、である。エアコンユニットおよびブロワユニットは、空調ユニット1に含まれ、空調ケース5内の所定の位置に配置されている。空調ケース5は横幅寸法よりも高さ寸法が小さい扁平状の筐体であり、複数の樹脂成形部品を組み立てて形成されている。
エバポレータは、冷凍サイクル内の膨張弁で減圧された低温低圧の冷媒を送風機の送風を受けて内部で蒸発させるものであり、空調ケース5内に収納されている。ヒータコアは、走行用エンジンの冷却水を熱源として送風空気を加熱するものであり、エバポレータよりも空気流れ方向下流側の空気通路2を部分的に塞ぐように空調ケース5内に収納されている。また、ヒータコアの上流側でエバポレータの下流側に相当する空気通路2の部位には、ヒータコアを通る空気量と、ヒータコアを迂回する空気量との比率を調節するためのエアミックスドアが設けられている。
第1吸込みダクト21と第2吸込みダクト22は、空調ユニット1の上部に配置され、空調ユニット1の両側部に第1吸込み口24および第2吸い込み口25を備えている。第1吸込み口24および第2吸い込み口25から吸い込まれた空気は、空調ユニット1の両側から中央部に向けて流れ、空調ケース5内で合流する。そして、当該空気は、空調ケース5内に形成された空気通路2を通り、空調用機能部品4を通過して空調ユニット1の側部の吹出しダクト23内を経て、空調ユニット1の外部に吹き出される。さらに、吹き出された空気は、吹出しダクト23の吹出し口26に接続された第1空調ダクト30内および第2空調ダクト31内を流れて、第1空調ダクト吹出し口32および第2空調ダクト吹出し口33を経由して車室内3に向けて吹き出されることになる。
この空調ユニット1は、空気通路2の全部または一部の外殻を構成する吸音部を備えていることを特徴としている。この吸音部は、空気通路2を流れる空気流による騒音の発生を吸音する機能を有し、非通気性の中間層と、この中間層を挟むように両側に配置された吸音層とが一体化されて形成された複数層部材で形成されている。
また、吸音部は、中間層によって内部を流れる空気が外部に漏れることを防止する機能と、中間層よりも内側に位置する吸音層によって内部の空気による騒音を吸音する吸音率を高める機能と、中間層よりも外側に位置する吸音層によって中間層を保護するとともに全体形状を維持する機能と、を備えている。
この中間層は、非通気性を有し、高密度ポリエチレンのフィルム材、金属薄板、アルミニウム箔付きの樹脂板、多層ハイバリアPET、ナイロン多層品、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)などで構成し、高い延性を有している素材や剛性が低い素材が好ましい。中間層は、空気通路2内を流れる空気を外部に通さない機能を必要とするため、エアバリア性能の高い素材であることが望ましい。特に、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)はエアバリア性能が高く、さらに空気に含まれる臭気を遮断する効果も高い。
吸音層は、多孔性を有し、繊細な糸状物質を成形したもの、多孔質樹脂材、多孔性を有するポリエチレンテレフタラート(PET)、フェルト材、グラスウール、ロックウール、クロロプレンゴム(CRスポンジ材)、樹脂材に布材を混ぜたもの、連泡性ウレタンなどで構成する。
吸音部は、送風機を覆っているブロワケーシング20、エバポレータやヒータコアなどの周辺の空気通路2が曲がる部位、エアコンユニットの出口付近および入口付近の空気通路2が曲がる部位、吹出口切替ドアの周辺部位、内外気切替ドアの周辺部位、または、空調ケース5の一部に設けることが望ましい。これは、空気通路2内を流れる空気の気流が乱れやすく、騒音が発生する部位における騒音低減を図るためである。
また、吸音部は、空調ケース5と車室内3を連通させる第1吸込み口ダクト21または第2吸込み口ダクト22に設けることが望ましい。第1吸込み口ダクト21および第2吸込み口ダクト22は、車室内3に近い位置にあり、空調ユニット1で発生する騒音は第1吸込み口24および第2吸い込み口25を通って車室内3に伝わりやすく、ダクト内を伝わる音の吸音率を高めることは騒音低減の効果が大きいからである。
さらに、第1吸込み口ダクト21または第2吸込み口ダクト22は、前述の複数層部材を複数個組み合わせて形成することによりその全体形状を形成することが望ましい。その一例を図3および図4を用いて説明する。図3は第2吸込みダクト22の構成を示した斜視図であり、図4は第1吸込みダクト21の構成を示した斜視図である。
第2吸込みダクト22は、一端に開口した第2吸込み口25と他端に開口した第2吹出し口22eを互いに連通するように備え、その通路形状は矩形状である。さらに、第2吸込みダクト22は、第2吸込みダクト下側部22cと第2吸込みダクト上側部22dの二つの部品で構成され、各部品は、前述の複数層部材で構成されている。
具体的には、第2吸込みダクト下側部22c、第2吸込みダクト上側部22dのそれぞれは、非通気性の中間層である板材10と、この板材10を挟むように板材10の内側に配置された吸音層である第1吸音材11と、板材10の外側に配置された吸音層である第2吸音材12とが一体化されて形成された少なくとも3層の複数層部材で形成されている。また、第2吸込みダクト22の内部にはフレーム部材22bを設け、その風路形状を保持する構成としてもよい。
第2吸込みダクト下側部22cと第2吸込みダクト上側部22dは、それぞれ所定の形状に成形された複数層部材であり、両者はその端部22aにおいてヒートプレスによる溶着、振動溶着、または接着によって接合したり、互いに嵌合して結合したりすることで、内部に通路を有する第2吸込みダクト22の形態を呈する。結果的に端部22aは、第2吸込みダクト22の側面にわずかに突出して伸長する線状部を形成することになる。
同様に、第1吸込みダクト21は、一端に開口した第1吸込み口24と他端に開口した第1吹出し口21eを互いに連通するように備え、その通路形状は矩形状である。さらに、第1吸込みダクト21は、第1吸込みダクト下側部21cと第2吸込みダクト上側部21dの二つの部品で構成され、各部品は、前述の複数層部材で構成されている。また、第1吸込みダクト21の内部にはフレーム部材21bを設け、その風路形状を保持する構成としてもよい。
具体的には、第1吸込みダクト下側部21c、第1吸込みダクト上側部21dのそれぞれは、非通気性の中間層である板材10と、この板材10を挟むように板材10の内側に配置された吸音層である第1吸音材11と、板材10の外側に配置された吸音層である第2吸音材12とが一体化されて形成された少なくとも3層の複数層部材で形成されている。
また、第1吸込みダクト下側部21cと第1吸込みダクト上側部21dは、それぞれ所定の形状に成形された複数層部材であり、両者はその端部21aにおいてヒートプレスによる溶着、振動溶着、または接着によって接合したり、互いに嵌合して結合したりすることで、内部に通路を有する第1吸込みダクト21の形態を呈する。結果的に端部21aは、第1吸込みダクト21の側面にわずかに突出して伸長する線状部を形成することになる。
次に、第1空調ダクト30および第2空調ダクト31の構成について図5を用いて説明する。第1空調ダクト30および第2空調ダクト31についても、第1吸込み口ダクト21と同様に、前述の複数層部材を複数個組み合わせて形成することによりその全体形状を形成することが望ましい。図5は、第1空調ダクト30または第2空調ダクト31の構成を示した分解斜視図である。
第1空調ダクト30は、第1空調ダクト上側部30aと第1空調ダクト下側部30bの二つの部品で構成され、各部品は、前述の複数層部材で構成されている。具体的には、第1空調ダクト上側部30aは、非通気性の中間層である板材10と、この板材10を挟むように板材10の内側に配置された吸音層の第1吸音材11と、板材10の外側に配置された吸音層の第2吸音材12とが一体化されて形成された少なくとも3層の複数層部材で形成されている。また、板材10、第1吸音材11、および第2吸音材12は、ともに所定の形状に成形されている。例えば、ロール材からなる薄い層を曲げ加工を施して成形する。
成形された各層は、各層を重ねた状態でプレス加工などを施して一体化した複数層部材に加工され、第1空調ダクト上側部30aの形態を呈することになる。例えば、各層間の接合はヒートプレス加工を用いた溶着によって行う。このヒートプレス加工による溶着は、ポリエチレン系の樹脂が各層の間で溶解して接着剤として機能することによって実施できる。ポリエチレン系の樹脂の溶解は、各層の間にあらかじめポリエチレン系の樹脂の粉末を配置して接着剤として使用してもよいし、中間層自体をポリエチレン系の樹脂で構成して、溶解させて接着剤として使用してもよい。
なお、中間層は、このポリエチレン系の接着剤に限らず、外側に位置する吸音層と、内側に位置する吸音層との間に膜状に形成し、非通気性を備えた接着材料で構成する構成してもよい。この構成により、接着材料は薄い非通気性の中間層の機能と、中間層と二つの吸音層を一体化する機能とを併せ持つことになる。
また、第1空調ダクト下側部30bは、非通気性の中間層である板材7と、この板材7を挟むように板材7の内側に配置された吸音層の第1吸音材8と、板材7の外側に配置された吸音層の第2吸音材9とが一体化されて形成された少なくとも3層の複数層部材で形成されている。また、板材7、第1吸音材8、および第2吸音材9は、ともに所定の形状に成形されている。各層は、例えば、ロール材からなる薄い層を曲げ加工を施して成形する。これらの成形された各層は、各層を重ねた状態でプレス加工などを施して一体化した複数層部材に加工され、第1空調ダクト下側部30bの形態を呈する。例えば、各層間の接合は、前述の第1空調ダクト上側部30aの作成と同様に、ヒートプレス加工を用いた溶着によって行う。
このように形成された第1空調ダクト上側部30aと第1空調ダクト下側部30bは、ダクトの軸方向に伸びる端部10a、11a、12aと端部7a、8a、9aをヒートプレスによる溶着、振動溶着、または接着によって接合することで内部に通路を有する第1空調ダクト30の形態を呈することになる。
さらに、第2空調ダクト31は、第2空調ダクト上側部31aと第2空調ダクト下側部31bの二つの部品で構成され、各部品は、前述の複数層部材で構成されている。なお、第2空調ダクト上側部31a、第2空調ダクト下側部31bのそれぞれを構成する複数層部材の詳細については、前述の第1空調ダクト上側部30a、第1空調ダクト下側部30bと同様であり、その説明は省略する。
また、吸音部を構成する複数層部材は、二つの吸音層の間に中間層をインサートして成形することにより形成してもよい。この場合、中間層は、非通気性を有するポリエチレンのフィルム材、金属薄板、アルミニウム箔付きの樹脂板などで構成し、二つの吸音層は、溶融樹脂であり、多孔性を有する樹脂材、ポリエチレンテレフタラートなどで構成する。
そして、この複数層部材の形成には金型を用いたインサート成形を使用し、金型内にインサート品である中間層を装填した後、吸音層を構成する溶融樹脂を注入してインサート品を溶融樹脂で包んで固化させ一体化する。このように成形することにより、空調ユニット1の全部または一部に設けた吸音部、第1空調ダクト30、および第2空調ダクト31について、複雑な取付け形状や、寸法精度が求められる嵌合のための形状を形成することが可能となる。
次に、吸音部の構成の違いによる騒音低減の効果について、いくつかの異なる構造を有するダクトを例に挙げた実験結果を説明する。騒音の低減効果を調べたダクトは、「A.通常の樹脂製ダクト」、「B.高い剛性を有する吸音材の外側に非通気性のフィルムを覆った構成のダクト」、「C.非通気性のフィルムを高い剛性を有する吸音材で挟んだ構成のダクト」、「D.非通気性のフィルムの内側に低い剛性で吸音率の高い吸音材を配し、外側に高い剛性を有する吸音材を配して当該フィルムを挟んだ構成のダクト」である。
実験条件は、50mm角、長さ300mmの寸法に形成した上記構成AからDの各ダクトについて、その一端側入口に音源(騒音レベル120dB)を配置し、他端側出口から100mm離れた位置で騒音の測定を行ったものである。騒音の測定は、音源で発生した音がダクトの内部を通り、ダクト内で吸音された後、ダクト出口から出てきたときの音圧レベル測定したものであり、その測定値は、A特性周波数重み付け音圧レベルにより測定した値である。
このような条件における測定値は、構成Aのダクトにおける測定値106.8dBを基準値とすると、構成BからDのダクトによる基準値からの低減度合いは、構成Bが−8.9dB、構成Cが−7.5dB、構成Dが−12.2dBであった。この結果から、構成Dによる低減度合いが最も優秀であることがわかる。なお、構成Bのダクトは、構成Cよりも基準値からの低減度合いが大きいものの、前述したように、フィルムの保護という観点から空気遮断性能に問題がある。
ダクト内部を通過するときの音波は、中間層よりも内側に位置する吸音層を通過するとき、空気分子と吸音層との摩擦および粘性抵抗により音エネルギーを消耗する。そして音エネルギーを消耗して空気分子は、中間層で反射してダクト内に戻りダクト出口から出て行く。このように、音エネルギーの消耗は、吸音層の構成によって大きく左右される。なお、このとき一部の音エネルギーは、振動という形態で外側の吸音層側に伝搬する。
この理論および実験結果から、複数層部材のうち、非通気性を有する中間層よりも内側に位置する吸音層は、中間層よりも外側に位置する吸音層よりも柔らかい層であることが望ましい。言い換えれば、非通気性を有する中間層よりも外側に位置する吸音層は、中間層よりも内側に位置する吸音層よりも硬い層であることが望ましい。また、音エネルギーの消耗を促進させるためには、空気分子が通る吸音層の距離を長くすればよい。このことから、複数層部材のうち、中間層よりも内側に位置する吸音層は、中間層よりも外側に位置する吸音層よりも厚さの大きい層であることが望ましい。
次に、非通気性の中間層を設けた吸音部による外部からの臭気の侵入を低減する効果について、いくつかの異なる構造を有するダクトを例に挙げた実験結果を説明する。この臭気侵入の低減は、空調ユニットや空調ダクトが配置されている空間の空気が臭気成分を有している場合に効果を発揮し、この臭気を含む空気が吸音部を通過して装置内部に入り車室内に侵入することを防止することになる。例えば、トランクルーム内に臭気を発生する物が置かれた場合、この臭気が吸音部を通過して装置内に入り込んで空気とともに車室内に送られてしまうことがある。
図6は、3種類のダクトについて17名の被験者が感じた臭気侵入レベルを検証した結果を表した図である。実験に用いたダクトは、「通常の樹脂製ダクト」、「吸音層を有しているが、非通気性のフィルムを有さない吸音ダクト」、および「吸音層を有し中間に非通気性のフィルムを有する吸音ダクト」であり、それぞれ図6中に、実線、破線、二点鎖線で示している。
実験は、実験開始時の臭気レベルが「その正体が分かる程度」に認識できる状態の外部環境に前述3種類のダクトのそれぞれを配置したときに、この外部環境と遮断されているがダクトの内部と連通している場所に配置された被験者が、時間の経過とともに感じる臭気レベルの変化を検出したものである。
この検証結果により、各ダクトにおける被験者が感じる臭気のレベルは、実験開始からしばらくはあまり差が生じていないが、実験開始から10分程度経過すると、レベルに差が生じることになった。実験開始から15分が経過すると、「通常の樹脂製ダクト」および「中間に非通気性のフィルムを有する吸音ダクト」と比べて「非通気性のフィルムを有さない吸音ダクト」については、かすかに臭気を感じるようになる。これに対して、「通常の樹脂製ダクト」と「中間に非通気性のフィルムを有する吸音ダクト」は、まだ臭気を感じない状態であり、臭気遮断性においても「中間に備えた非通気性のフィルム」が効果を発揮することがわかる。
この検証結果から、中間層は、周期遮断性を有する板材で構成することが望ましい。例えば、エアバリア性が高いエチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)を板材に加工して適用することができる。
このように本実施形態の車両用空調装置は、空調ユニット1が、空気が流通する空気通路2と、空気の空調に使用される空調用機能部品4を搭載し、空気通路2を形成する空調ケース5と、空気通路2の全部または一部の外殻を構成するように設けられた吸音部と、を備える。そして、吸音部であるブロワケーシング20、第1吸込みダクト21、第2吸込みダクト22、および吹出しダクト23は、非通気性の板材10と、板材10を挟むように両側に配置された第1吸音材11および第2吸音材12とを一体化して形成された複数層部材で構成されている。
この構成を採用したことにより、十分な吸音効果と、空気の外部への遮断性能と、形状維持性と、外表面の保護を確保することができるので、外部への空気の漏れを防ぎ、かつ車室内3への騒音を低減することができる。また、非通気性の板材10が第1吸音材11および第2吸音材12で挟まれて保護されているので、運搬、組み立て作業時に板材10を傷つけて破損することがなく、騒音低減とともに、空気遮断性能の確保が実現できる。
また、車両用空調装置は、空調ケース5と車室内3を連通させる第1吸込みダクト21および第2吸込みダクト22を設け、両ダクト21および22に吸音部を備えている。この構成を採用した場合には、車室内3と近い位置にあるダクトの吸音率を高めることにより、車室内3への騒音の低減効果をさらに高めることができる。
また、第1吸込みダクト21はその全体形状が組み合わされた複数個の複数層部材である第1吸込みダクト下側部21c、第1吸込みダクト上側部21dで形成されている。また、第2吸込みダクト21はその全体形状が組み合わされた複数個の複数層部材である第2吸込みダクト下側部22c、第2吸込みダクト上側部22dで形成されている。
この構成を採用した場合には、ダクト自身を吸音効果が高く、剛性を備えた部材で構成するので、さらに騒音の低減効果が向上するとともに、剛性も確保できるダクトが得られる。また、全体形状を複数個の複数層部材で構成するので、比較的複雑な形状や長い形状のダクトを作成しやすくなる。
また、第1吸込みダクト下側部21c、第1吸込みダクト上側部21d複数層部材、第2吸込みダクト下側部22c、または第2吸込みダクト上側部22dは、第1吸音部材11と第2吸音部材12との間に板材10をインサートして成形することにより形成されている。この構成を採用した場合には、複雑な形状を有する複数層部材を形成することができる。
また、車両用空調装置は、吸音部をブロワケーシング20に備えている。この構成を採用した場合には、送風機などの振動による騒音や空気通路内の気流の乱れによる騒音の効果的な低減が図れる。
また、車両用空調装置は、第1吸込みダクト上側部21d複数層部材、第2吸込みダクト下側部22c、第2吸込みダクト上側部22d、またはブロワケーシング20において、板材10よりも外側に位置する第2吸音材12は、板材10よりも内側に位置する第1吸音材11よりも硬い層である。この構成を採用した場合には、外側に位置する第2吸音材12の硬度を高めてダクトの形状機能を向上させ、内側に位置する第1吸音材11の硬度を下げて吸音率を高めることで吸音機能を向上させた車両用空調装置が得られる。
車両用空調装置は、第1吸込みダクト上側部21d複数層部材、第2吸込みダクト下側部22c、第2吸込みダクト上側部22d、またはブロワケーシング20において、板材10よりも内側に位置する第1吸音材11は、板材10よりも外側に位置する第2吸音材12よりも厚さの大きい層である。この構成を採用した場合には、内側の第1吸音材11における吸音率を高めて複数層部材の吸音効果を促進することができる。
また、第1吸音材8、11、および第2吸音材9、12は、繊細な糸状物質から構成されている。この構成を採用した場合には、繊細な糸状物質の密度を調整することにより、所望の形状維持機能および吸音機能を確保した第1吸音材8、11、および第2吸音材9、12を作成することができる。
また、中間層は臭気遮断性を有する板材で構成する。この構成を採用した場合には、装置外部の空気が含んでいる臭気が中間層を透過してダクト内に入り、車室内3に侵入することを防止できる。
また、中間層は、外側に位置する第2吸音材12と、内側に位置する第1吸音材11との間に膜状に形成した接着材料で構成することとする。この構成を採用した場合には、第2吸音材12と第1吸音材11を接着する材料を用いて中間層を構成することができるので、板材などの中間層を必要とせず、部品およびコストの低減が図れる。
本実施形態の第1空調ダクト30は、その外殻が、非通気性の板材7、10と、板材7、10を挟むように両側に配置された第1吸音材8、11および第2吸音材9、12とを一体化して形成された第1空調ダクト上側部30aおよび第1空調ダクト下側部30bで構成されている。また、第2空調ダクト31は、その外殻が、非通気性の板材7、10と、板材7、10を挟むように両側に配置された第1吸音材8、11および第2吸音材9、12とを一体化して形成された第2空調ダクト上側部31aおよび第2空調ダクト下側部31bで構成されている。
この構成を採用した場合には、十分な吸音効果と、空気の外部への遮断性能と、形状維持性を確保することができるので、空調ダクトの送風通路の容積を狭めたり、ダクトの外形を大きくしたりすることなく、車室内3への騒音を低減することができる。
また、第1空調ダクト30は、第1空調ダクト上側部30aと第1空調ダクト下側部30bが組み合わされてその全体形状が形成されている。また、第2空調ダクト31は、第2空調ダクト上側部31aと第2空調ダクト下側部31bが組み合わされてその全体形状が形成されている。この構成を採用した場合には、空調ダクト自身を吸音効果が高く、剛性を備えた部材で構成するので、さらに騒音の低減効果を向上した空調ダクトが得られる。また、全体形状を複数個の複数層部材で構成することにより、比較的複雑な形状や長い形状の空調ダクトを作成することができる。
また、第1空調ダクト上側部30a、第1空調ダクト下側部30b、第2空調ダクト上側部31a、または第2空調ダクト下側部31bは、第1吸音材8、11と第2吸音材9、12の間に板材7、10をインサートして成形することにより形成することとする。この構成を採用した場合には、取付け形状や嵌合形状において複雑な形状を有する空調ダクトを形成することができる。
また、第1空調ダクト上側部30a、第1空調ダクト下側部30b、第2空調ダクト上側部31a、または第2空調ダクト下側部31bにおいて、板材7、10よりも外側に位置する第2吸音材9、12は、板材7、10よりも内側に位置する第1吸音材8、11よりも硬い層とする。この構成によれば、外側の第2吸音材9、12の硬度を高めてダクトの形状を維持する機能を向上させ、内側の第1吸音材8、11の硬度を下げて吸音率を高めることで吸音機能を向上させることができる。
また、第1空調ダクト上側部30a、第1空調ダクト下側部30b、第2空調ダクト上側部31a、または第2空調ダクト下側部31bにおいて、板材7、10よりも内側に位置する第1吸音材8、11は、板材7、10よりも外側に位置する第2吸音材9、12よりも厚さの大きい層とする。この構成によれば、内側の第1吸音材8、11における吸音率を高めて空調ダクトの吸音効果を促進することができる。
また、第1空調ダクト30、または第2空調ダクト31における第1吸音材8、11、および第2吸音材9、12は、繊細な糸状物質から構成されている。この構成を採用した場合には、繊細な糸状物質の密度を調整することにより、所望の形状維持機能および吸音機能を有する空調ダクトを作成することができる。
また、第1空調ダクト30、または第2空調ダクト31における中間層は臭気遮断性を有する板材で構成する。この構成を採用した場合には、通気遮断効果が得られるともに、装置外部の臭気がダクトを透過して車室内3に侵入することを防止できる。
また、第1空調ダクト30、または第2空調ダクト31における中間層は、外側に位置する第2吸音材9、12と内側に位置する第1吸音材8、11との間に膜状に形成された接着材料で構成する。この構成を採用した場合には、第1吸音材8、11および第2吸音材9、12と中間層に接着する材料を用いて中間層を構成することができるので、フィルムや板材などの部品が不要であり、部品およびコストの低減が図れる。
第1実施形態の車両用空調装置を後部座席用エアコンユニットとして使用した場合の構成を示した概略図である。 第1実施形態の車両用空調装置および空調ダクトの構成を示した斜視図である。 第1実施形態の車両用空調装置の第2吸込みダクト22の構成を示した斜視図である。 第1実施形態の車両用空調装置の第1吸込みダクト21の構成を示した斜視図である。 第1実施形態の空調ダクトの構成を示した分解斜視図である。 第1実施形態の空調ダクトについて、17名の被験者により臭気侵入レベルを検証した結果を表した図である。
符号の説明
1 空調ユニット
2 空気通路
3 車室内
4 空調用機能部品
5 空調ケース
7、10 板材(中間層)
8、11 第1吸音材(吸音層)
9、12 第2吸音材(吸音層)
20 ブロワケーシング(吸音部)
21 第1吸込みダクト(吸音部、ダクト)
21c 第1吸込みダクト下側部(複数層部材)
21d 第1吸込みダクト上側部(複数層部材)
22 第2吸込みダクト(吸音部、ダクト)
22c 第2吸込みダクト下側部(複数層部材)
22d 第2吸込みダクト上側部(複数層部材)
23 吹出しダクト(吸音部)
30 第1空調ダクト(空調ダクト)
30a 第1空調ダクト上側部(複数層部材)
30b 第1空調ダクト下側部(複数層部材)
31 第2空調ダクト(空調ダクト)
31a 第2空調ダクト上側部(複数層部材)
31b 第2空調ダクト下側部(複数層部材)

Claims (18)

  1. 車両に設けられた空調ユニット(1)によって車室内(3)に空調された空気を送る車両用空調装置であって、
    前記空調ユニット(1)は、空気が流通する空気通路(2)と、前記空気の空調に使用される空調用機能部品(4)を搭載し、前記空気通路(2)を形成する空調ケース(5)と、前記空気通路(2)の全部または一部の外殻を構成するように設けられた吸音部(20、21、22、23)と、を備え、
    前記吸音部(20、21、22、23)は、非通気性の中間層(10)と、前記中間層(10)を挟むように両側に配置された吸音層(11、12)とが一体化されて形成された複数層部材(21c、21d、22c、22d)で構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調ケース(5)と前記車室内(3)を連通させるダクト(21、22)を設け、前記ダクト(21、22)に吸音部(21、22)を設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記ダクト(21、22)はその全体形状が組み合わされた複数個の前記複数層部材(21c、21d、22c、22d)で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記複数層部材(21c、21d、22c、22d)は、前記吸音層(11、12)の間に前記中間層(10)をインサートして成形することにより形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記吸音部(20)を前記空調ケース(5)の一部に設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  6. 前記複数層部材(21c、21d、22c、22d)のうち、前記中間層(10)よりも外側に位置する吸音層(12)は、前記中間層(10)よりも内側に位置する吸音層(11)よりも硬い層であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 前記複数層部材(21c、21d、22c、22d)のうち、前記中間層(10)よりも内側に位置する吸音層(11)は、前記中間層(10)よりも外側に位置する吸音層(12)よりも厚さの大きい層であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両用空調装置。
  8. 前記吸音層(8、9、11、12)は繊細な糸状物質から構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両用空調装置。
  9. 前記中間層(10)は臭気遮断性を有する板材であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車両用空調装置。
  10. 前記中間層(10)は、外側に位置する吸音層(12)と、内側に位置する吸音層(11)との間に膜状に形成した接着材料であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車両用空調装置。
  11. 車室内(3)に空調された空気を送る空調ユニット(1)と前記車室内(3)とを連通するように設けられた空調ダクト(30、31)であって、
    その外殻が、非通気性の中間層(7、10)と、前記中間層(7、10)を挟むように両側に配置された吸音層(8、9、11、12)とを一体化して形成された複数層部材(30a、30b、31a、31b)で構成されていることを特徴とする空調ダクト。
  12. 複数個の前記複数層部材(30a、30b、31a、31b)が組み合わされてその全体形状が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の空調ダクト。
  13. 前記複数層部材(30a、30b、31a、31b)は、前記吸音層(8、9、11、12)の間に前記中間層(7、10)をインサートして成形することにより形成されることを特徴とする請求項12に記載の空調ダクト。
  14. 前記複数層部材(30a、30b、31a、31b)のうち、前記中間層(7、10)よりも外側に位置する吸音層(9、12)は、前記中間層(7、10)よりも内側に位置する吸音層(8、11)よりも硬い層であることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の空調ダクト。
  15. 前記複数層部材(30a、30b、31a、31b)のうち、前記中間層(7、10)よりも内側に位置する吸音層(8、11)は、前記中間層(7、10)よりも外側に位置する吸音層(9、12)よりも厚さの大きい層であることを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の車両用空調装置。
  16. 前記吸音層(8、9、11、12)は繊細な糸状物質から構成されていることを特徴とする請求項11から15のいずれかに記載の空調ダクト。
  17. 前記中間層(7、10)は臭気遮断性を有する板材であることを特徴とする請求項11から16のいずれかに記載の空調ダクト。
  18. 前記中間層(7、10)は、外側に位置する吸音層(9、12)と内側に位置する吸音層(8、11)との間に膜状に形成された接着材料であることを特徴とする請求項11から16のいずれかに記載の空調ダクト。
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