JP2007152835A - 高屈曲性フレキシブル金属張積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】用いる材料を限定することなく、汎用性に優れた高屈曲性を有するフレキシブル金属張積層体、並びにフレキシブル回路基板を提供する。
【解決手段】絶縁層と導体層を含むフレキシブル金属張積層体において、前記絶縁層厚みW1と前記導体層の厚みW2の比であるW1/W2が0.70以上1.30以下であることを特徴とするフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上し、十分な屈曲寿命が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】絶縁層と導体層を含むフレキシブル金属張積層体において、前記絶縁層厚みW1と前記導体層の厚みW2の比であるW1/W2が0.70以上1.30以下であることを特徴とするフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上し、十分な屈曲寿命が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高屈曲性フレキシブルプリント配線板に関するものである。
フレキシブル回路基板(以下、FPCと略称する)はポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム間にパターニングされた導体をエポキシ系やアクリル系の接着剤でサンドイッチした構造になっており、折り曲げが可能であるため折り曲げを必要とするケーブル代替や回路基板として使用されている。
近年エレクトロニクス分野の発展が目覚ましく、とくに通信用、民生用などの電子機器の小型化、軽量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求が益々高度なものとなってきている。このような要求に対してFPCは、可撓性を有し繰り返し屈曲に耐えるため、狭い空間に立体的高密度の実装が可能であり、電子機器への配線、ケーブル、或いはコネクター機能を付与した複合部品としてその用途が拡大しつつある。このFPCも最近では、プリンター、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等の機械本体と可動部品との接続に使用される機会が多くなり、これに伴って屈曲性に対する要求が特に強くなってきている。そこでFPCの屈曲性を向上させる方法として、特許文献1には、銅箔の組成限定すること、特許文献2には、FPCに用いられる接着剤の複素せん断弾性率を規定すること、特許文献3には、ベースフィルムとカバーフィルムの弾性率を規定すること等が提案されている。
近年エレクトロニクス分野の発展が目覚ましく、とくに通信用、民生用などの電子機器の小型化、軽量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求が益々高度なものとなってきている。このような要求に対してFPCは、可撓性を有し繰り返し屈曲に耐えるため、狭い空間に立体的高密度の実装が可能であり、電子機器への配線、ケーブル、或いはコネクター機能を付与した複合部品としてその用途が拡大しつつある。このFPCも最近では、プリンター、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等の機械本体と可動部品との接続に使用される機会が多くなり、これに伴って屈曲性に対する要求が特に強くなってきている。そこでFPCの屈曲性を向上させる方法として、特許文献1には、銅箔の組成限定すること、特許文献2には、FPCに用いられる接着剤の複素せん断弾性率を規定すること、特許文献3には、ベースフィルムとカバーフィルムの弾性率を規定すること等が提案されている。
しかしながら、これら提案では、用いる材料が限定される場合が多い。
特開平2000−212661号公報
特開2000−151030号公報
特開平6−164085号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、高屈曲性を有するフレキシブル金属張積層体、並びにフレキシブル回路基板の提供を目的とするものである。
絶縁層と導体層を含むフレキシブル金属張積層体において、前記絶縁層厚みW1と前記導体層の厚みW2の比であるW1/W2が0.70以上1.30以下であることを特徴とするフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上する。
本発明のフレキシブル金属張積層体を用いてフレキシブル回路基板を作成することで充分な屈曲寿命を有するフレキシブル回路基板を提供しうる。
以下に、本発明のフレキシブル金属張積層体について説明する。
本発明のフレキシブル金属張積層体に用いられるベースフィルムは、特に限定はされないが、フレキシブル回路基板の使用環境を鑑みポリイミドフィルムであることが好ましい。
以下には、ポリイミドフィルムを得る方法について説明する。
ポリイミドフィルムを得るに際しての前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液について説明する。
ポリアミド酸の製造方法としては公知の方法を用いることができ、通常、芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて、得られた有機溶媒溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。
重合方法としてはあらゆる公知の方法を用いることができる。
ここで、本発明にかかるポリアミド酸有機溶媒溶液に用いられる材料について説明する。得られたポリイミドフィルム積層体をFPC、TAB、COF用途に用いるのに必要なフィルム特性、線膨張係数、弾性率、耐薬品性、吸水率、吸湿膨張係数等をコントロールできるという点から、本発明において用い得る適当な酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)等が例示される。これら例示した酸二無水物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
本発明にかかるポリアミド酸において使用し得る適当なジアミンとしては、剛直構造を有するジアミンと柔構造を有するジアミンを併用することもできる。得られるフィルムの持つ線膨張係数の値をコントロールするには、剛構造のジアミンの使用比率が大きくなると線膨張係数を小さくでき、柔構造を有するジアミンの使用比率が大きくなると、線膨張係数を小さくすることができる。
重合方法としてはあらゆる公知の方法を用いることができる。
ここで、本発明にかかるポリアミド酸有機溶媒溶液に用いられる材料について説明する。得られたポリイミドフィルム積層体をFPC、TAB、COF用途に用いるのに必要なフィルム特性、線膨張係数、弾性率、耐薬品性、吸水率、吸湿膨張係数等をコントロールできるという点から、本発明において用い得る適当な酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)等が例示される。これら例示した酸二無水物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
本発明にかかるポリアミド酸において使用し得る適当なジアミンとしては、剛直構造を有するジアミンと柔構造を有するジアミンを併用することもできる。得られるフィルムの持つ線膨張係数の値をコントロールするには、剛構造のジアミンの使用比率が大きくなると線膨張係数を小さくでき、柔構造を有するジアミンの使用比率が大きくなると、線膨張係数を小さくすることができる。
柔構造を有するジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパンが等が例示される。
剛構造を有するジアミンとしてはパラフェニレンジアミン等が例示される。
ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用することができる。
次に、ポリアミド酸有機溶媒溶液からポリイミドフィルムを得る方法について説明する。
得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を環化させてポリイミドフィルムにする際には、イミド化触媒と脱水剤を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法のいずれで行ってもよいが、化学閉環法で行った方が生産性が良い傾向にある。尚、化学閉環法並びに熱閉環法によるフィルム化方法は公知公用の方法を適宜参考に実施することができる。
化学閉環法に用いられる脱水剤とイミド化触媒について説明する。脱水剤としては、例えば無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水安息香酸などの芳香族酸無水物などが挙げられる。イミド化触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン、ジメチルピリジンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
このポリアミド酸有機溶媒溶液と脱水剤とイミド化触媒の混合溶液を平滑な表面を有する金属製の支持体表面に連続的に流延して前記溶液の薄膜を形成する。次にその薄膜を乾燥するが、その際の加熱条件は、60〜160℃、2〜20分間程度、加熱乾燥するのが好ましい。その後、金属支持体よりゲルフィルムを引き剥がし、この自己支持性フィルム(ゲルフィルム)を、レールに沿って駆動するチェーンに取り付けられたフィルム把持装置に、両端部を把持させた後、連続加熱炉へ挿入し、加熱することにより、本発明のフレキシブル金属張積層体に用いられるポリイミドフィルムが得られる。
次ぎにフレキシブル金属張積層板を得る方法について記載する。一般に、フレキシブル金属張積層板を得る方法は大別すると5種類あり、第一の方法は、ポリイミドフィルム上に少なくとも片面にエポキシ系、アクリル系、フェノール系などに代表される接着剤を積層し、その後導体層となる銅箔を貼り合せることによって得られる。第二の方法は、ポリイミドフィルムに少なくとも片面にポリイミド系接着剤、特に好ましくは熱可塑性ポリイミド樹脂を積層し、その後導体層となる銅箔を貼り合せることによって得られる。第三の方法は、導体層となる銅箔上にポリイミド樹脂を積層しフレキシブル金属張積層板を得る。第四の方法は、導体層となる銅箔上にポリアミド樹脂を積層後、加熱・乾燥しポリアミド樹脂をポリイミド樹脂としフレキシブル金属張積層板を得る。ここで第三、第四の方法においては、溶剤蒸発等による作成されたフレキシブル金属張積層板の反りを低減する目的でポリイミド樹脂層を2層以上の多層構造を用いたり、ポリイミド樹脂層へ無機フィラーを添加するなどの手段を講じても良い。第五の方法は、ポリイミドフィルム上に乾式鍍金および/または湿式鍍金法により導体層を積層することによって得られる。この際用いる導体層は銅、クロム、ニッケルなどの金属を用いることが好ましい。
このポリアミド酸有機溶媒溶液と脱水剤とイミド化触媒の混合溶液を平滑な表面を有する金属製の支持体表面に連続的に流延して前記溶液の薄膜を形成する。次にその薄膜を乾燥するが、その際の加熱条件は、60〜160℃、2〜20分間程度、加熱乾燥するのが好ましい。その後、金属支持体よりゲルフィルムを引き剥がし、この自己支持性フィルム(ゲルフィルム)を、レールに沿って駆動するチェーンに取り付けられたフィルム把持装置に、両端部を把持させた後、連続加熱炉へ挿入し、加熱することにより、本発明のフレキシブル金属張積層体に用いられるポリイミドフィルムが得られる。
次ぎにフレキシブル金属張積層板を得る方法について記載する。一般に、フレキシブル金属張積層板を得る方法は大別すると5種類あり、第一の方法は、ポリイミドフィルム上に少なくとも片面にエポキシ系、アクリル系、フェノール系などに代表される接着剤を積層し、その後導体層となる銅箔を貼り合せることによって得られる。第二の方法は、ポリイミドフィルムに少なくとも片面にポリイミド系接着剤、特に好ましくは熱可塑性ポリイミド樹脂を積層し、その後導体層となる銅箔を貼り合せることによって得られる。第三の方法は、導体層となる銅箔上にポリイミド樹脂を積層しフレキシブル金属張積層板を得る。第四の方法は、導体層となる銅箔上にポリアミド樹脂を積層後、加熱・乾燥しポリアミド樹脂をポリイミド樹脂としフレキシブル金属張積層板を得る。ここで第三、第四の方法においては、溶剤蒸発等による作成されたフレキシブル金属張積層板の反りを低減する目的でポリイミド樹脂層を2層以上の多層構造を用いたり、ポリイミド樹脂層へ無機フィラーを添加するなどの手段を講じても良い。第五の方法は、ポリイミドフィルム上に乾式鍍金および/または湿式鍍金法により導体層を積層することによって得られる。この際用いる導体層は銅、クロム、ニッケルなどの金属を用いることが好ましい。
上記で説明した方法のうち、一例として、接着剤を用いる方法について以下に述べる。
本発明に係るフレキシブル金属張積層板は、上記ポリイミドフィルムに接着剤を介して金属箔を貼り合わせることにより得られる。使用する金属箔としては特に限定されるものではないが、電子機器・電気機器用途に本発明のフレキシブル金属張積層板を用いる場合には、例えば、銅若しくは銅合金、ステンレス鋼若しくはその合金、ニッケル若しくはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる箔を挙げることができる。一般的なフレキシブル金属張積層板では、圧延銅箔、電解銅箔といった銅箔が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。なお、これらの金属箔の表面には、防錆層や耐熱層あるいは接着性を向上させる為にカップリング剤処理等を実施しても良い。本発明において、上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。
次に、フレキシブル回路基板について説明する。
フレキシブル回路基板の基本構造は、図1(断面図)に示すものである。図1では、カバーレイフィルムを張り合わせる前の状態を示している。フレキシブル回路基板は、導体層がベースフィルムの片面にのみ配置されているもの(片面FPC)とベースフィルムの両面に配置されているもの(両面FPC)があるが、本実施形態では片面FPCについて説明する。
フレキシブル回路基板10は以下の様に作成する。まず、ベースフィルム12であるポリイミドフィルムの片面に、銅箔を張り合せた材料(フレキシブル金属張積層体)の銅箔を所定のパターンにエッチングして回路11を形成する。
フレキシブル金属張積層体はポリイミドフィルムに銅箔を直接形成させたものや接着剤を介して張合わせたものいずれでも良い。
本実施形態では接着剤13を介してベースフィルムと銅箔を貼り合せている。
用いられる接着剤は、アクリル系、エポキシ系、ポリイミド系など種々の樹脂が用途やFPC層厚みなどを鑑み適宜選択される。接着層としては、難燃性、半田耐熱性、屈曲性の観点からは、熱可塑性ポリイミドを用いることが好ましく、接着層の厚みは、FPCの薄型化の観点からは15um以下が好ましい。
次に、回路形成した積層体の回路側にカバーレイフィルムを貼り合せフレキシブル回路基板が得られる。
該カバーレイフィルムの作成方法や回路形成した積層体への張り合せ方法は公知公用の方法が適用される。
ここで、絶縁層の厚みW1と導体層の厚みW2の比であるW1/W2が0.70以上1.30以下であることを特徴とするフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上することを見出した。
絶縁層の厚みW1と導体層の厚みW2の比であるW1/W2は好ましくは、0.7以上1.3以下、更に好ましくは、0.9以上1.2以下。更に好ましくは、1.0以上1.2以下であるフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上することを見出した。
W1及びW2についてさらに詳しく説明すると、両面FPCの場合には、外側から導体層/接着剤層/ベースフィルム/接着剤層/導体層の構造のうち、W1とは接着剤層/ベースフィルム/接着剤層の厚みを指し、W2とはどちらか一方の導体層の厚みのみを指す。また、片面FPCの場合には、ベースフィルム/接着剤層/導体層の構造のうち、W1とはベースフィルム/接着剤層の厚みを指し、W2とは導体層の厚みを指す。
乾式鍍金または/および湿式鍍金により導体層を作成する場合は、W1はベースフィルムであるポリイミドフィルムの厚みであり、W2は鍍金法により積層された金属層の厚みを指す。
ここで、絶縁層の厚みW1と導体層の厚みW2の比であるW1/W2が0.70以上1.30以下であることを特徴とするフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上することを見出した。
絶縁層の厚みW1と導体層の厚みW2の比であるW1/W2は好ましくは、0.7以上1.3以下、更に好ましくは、0.9以上1.2以下。更に好ましくは、1.0以上1.2以下であるフレキシブル金属張積層体を用いることでフレキシブル回路基板の屈曲性が向上することを見出した。
W1及びW2についてさらに詳しく説明すると、両面FPCの場合には、外側から導体層/接着剤層/ベースフィルム/接着剤層/導体層の構造のうち、W1とは接着剤層/ベースフィルム/接着剤層の厚みを指し、W2とはどちらか一方の導体層の厚みのみを指す。また、片面FPCの場合には、ベースフィルム/接着剤層/導体層の構造のうち、W1とはベースフィルム/接着剤層の厚みを指し、W2とは導体層の厚みを指す。
乾式鍍金または/および湿式鍍金により導体層を作成する場合は、W1はベースフィルムであるポリイミドフィルムの厚みであり、W2は鍍金法により積層された金属層の厚みを指す。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリイミドフィルムの製造方法)
ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)溶液中にて、2,2−(ビス−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(0.3当量)を溶解させ、溶解後、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(0.2当量)を投入し、溶解させた。その後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(0.3当量)を投入し、溶解させ、溶解後、ピロメリット酸二無水物(0.15当量)を投入し、溶解させた。その後、パラフェニレンジアミン(0.5当量)を投入し、溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物(0.53当量)を投入し、溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物をDMAcに溶解させた溶液(固形分濃度6%)を徐々に添加し粘度が23℃にて3000ポイズに達したところで添加・攪拌を終了した。
この重合溶液を約0℃に冷却し、無水酢酸、イソキノリン、DMAcの混合溶液を添加し充分に攪拌した後、約0℃に保ったダイより押し出して、エンドレスベルト上に流延塗布し、エンドレスベルト上にて自己支持性を有するまで乾燥させ、その後エンドレスベルトより引き剥がし、フィルム両端を連続的にシートに搬送するピンシートに固定し、第一加熱炉、第二加熱炉、第三加熱炉、第四加熱炉、徐冷炉に搬送し徐冷炉から搬出されたところでフィルムをピンシートより引き剥がし、巻き取って1.1m、厚み9umのポリイミドフィルムを得た。加熱条件は下記の通り。エンドレスベルト部:100℃、第一加熱炉:200℃、第二加熱炉:300℃、第三加熱炉:400℃、第四加熱炉:480℃、徐例炉:400℃/300℃/200℃とした。
(MITサンプルの作製)
上記にて得られたベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの両面に接着剤層として熱可塑ポリイミド系接着剤をイミド化後の厚さで片面2.5um(基材総厚み14um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材両面に圧延銅箔(厚さ12um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た。得られたフレキシブル金属張積層体を用いて、図2に示す回路を片面のみに形成し、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、絶縁層厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、1.17であった。
(MIT屈曲試験)
東洋精機社製MIT屈曲試験機にて、荷重500g、屈折角135°、屈折サイクル175cpm、屈折部局率半径0.38mmの条件下通電試験により回路破断による通電状態切れまでの回数を測定した。結果を表1及び図3に示す。
(ポリイミドフィルムの製造方法)
ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)溶液中にて、2,2−(ビス−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(0.3当量)を溶解させ、溶解後、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(0.2当量)を投入し、溶解させた。その後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(0.3当量)を投入し、溶解させ、溶解後、ピロメリット酸二無水物(0.15当量)を投入し、溶解させた。その後、パラフェニレンジアミン(0.5当量)を投入し、溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物(0.53当量)を投入し、溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物をDMAcに溶解させた溶液(固形分濃度6%)を徐々に添加し粘度が23℃にて3000ポイズに達したところで添加・攪拌を終了した。
この重合溶液を約0℃に冷却し、無水酢酸、イソキノリン、DMAcの混合溶液を添加し充分に攪拌した後、約0℃に保ったダイより押し出して、エンドレスベルト上に流延塗布し、エンドレスベルト上にて自己支持性を有するまで乾燥させ、その後エンドレスベルトより引き剥がし、フィルム両端を連続的にシートに搬送するピンシートに固定し、第一加熱炉、第二加熱炉、第三加熱炉、第四加熱炉、徐冷炉に搬送し徐冷炉から搬出されたところでフィルムをピンシートより引き剥がし、巻き取って1.1m、厚み9umのポリイミドフィルムを得た。加熱条件は下記の通り。エンドレスベルト部:100℃、第一加熱炉:200℃、第二加熱炉:300℃、第三加熱炉:400℃、第四加熱炉:480℃、徐例炉:400℃/300℃/200℃とした。
(MITサンプルの作製)
上記にて得られたベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの両面に接着剤層として熱可塑ポリイミド系接着剤をイミド化後の厚さで片面2.5um(基材総厚み14um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材両面に圧延銅箔(厚さ12um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た。得られたフレキシブル金属張積層体を用いて、図2に示す回路を片面のみに形成し、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、絶縁層厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、1.17であった。
(MIT屈曲試験)
東洋精機社製MIT屈曲試験機にて、荷重500g、屈折角135°、屈折サイクル175cpm、屈折部局率半径0.38mmの条件下通電試験により回路破断による通電状態切れまでの回数を測定した。結果を表1及び図3に示す。
ポリイミドフィルムの製造方法において、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
次にMITサンプルの作製において、ベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの両面に接着剤層として熱可塑ポリイミド系接着剤をイミド化後の厚さで片面2.5um(基材総厚み14um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材両面に圧延銅箔(厚さ18um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、基材厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、0.78であった。
(比較例1)
ポリイミドフィルムの製造方法において、1.1m、厚み17umのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
ポリイミドフィルムの製造方法において、1.1m、厚み17umのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
次にMITサンプルの作製において、ベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの両面に接着剤層として熱可塑ポリイミド系接着剤をイミド化後の厚さで片面4um(基材総厚み25um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材両面に圧延銅箔(厚さ12um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、基材厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、2.08であった。
(比較例2)
ポリイミドフィルムの製造方法において、1.1m、厚み17umのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
ポリイミドフィルムの製造方法において、1.1m、厚み17umのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
次にMITサンプルの作製において、ベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの両面に接着剤層として熱可塑ポリイミド系接着剤をイミド化後の厚さで片面4um(基材総厚み25um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材両面に圧延銅箔(厚さ18um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、基材厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、1.39であった。
(比較例3)
ポリイミドフィルムの製造方法において、1.1m、厚み12.5umのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
次にMITサンプルの作製において、ベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの片面に接着剤層としてエポキシ系接着剤を硬化後の厚さで13um(基材総厚み25.5um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材片面に圧延銅箔(厚さ12um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、基材厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、2.13であった。
ポリイミドフィルムの製造方法において、1.1m、厚み12.5umのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
次にMITサンプルの作製において、ベースフィルムとしてのポリイミドフィルムの片面に接着剤層としてエポキシ系接着剤を硬化後の厚さで13um(基材総厚み25.5um)になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、基材片面に圧延銅箔(厚さ12um)を加熱圧着し、アフターキュアさせフレキシブル金属張積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、MITサンプルを作製した。MITサンプルにおいて、ベースフィルムの厚みと接着剤層の厚みの総和である、基材厚みW1と導体層厚みW2の比であるW1/W2は、2.13であった。
図3から明らかなように、W1/W2が0.70以上1.30以下において、際立って屈曲性に優れている事がわかる。
このように本発明は、特に材料を限定せずとも、絶縁層厚みと導体層厚みの比を既定する事により、屈曲性に優れたフレキシブル回路基板を製造する事ができる。
10 片面FPCのカバーレイフィルムを張り合わせる前の片面FPC
11 導体層
12 ポリイミドフィルム
13 接着剤層
11 導体層
12 ポリイミドフィルム
13 接着剤層
Claims (6)
- 絶縁層と導体層を含むフレキシブル金属張積層体において、前記絶縁層厚みW1と前記導体層の厚みW2の比であるW1/W2が0.70以上1.30以下であることを特徴とするフレキシブル金属張積層体。
- 請求項1記載の絶縁層が、ポリイミドフィルムと接着剤により構成されていることを特徴とするフレキシブル金属張積層体。
- 請求項1記載の絶縁層が、異なる2種以上のポリイミド樹脂により構成されていることを特徴とするフレキシブル金属張積層体。
- 請求項1記載の絶縁層が、少なくとも1種以上のポリイミド樹脂と無機フィラーにより構成されていることを特徴とするフレキシブル金属張積層体。
- 請求項1記載の導体層がポリイミドフィルムへ湿式鍍金及び/または乾式鍍金により形成されたことを特徴とするフレキシブル金属張積層体。
- 請求項1記載のフレキシブル金属張積層体を用いたフレキシブル回路基板。
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JP2005353570A JP2007152835A (ja) | 2005-12-07 | 2005-12-07 | 高屈曲性フレキシブル金属張積層体 |
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JP2005353570A JP2007152835A (ja) | 2005-12-07 | 2005-12-07 | 高屈曲性フレキシブル金属張積層体 |
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- 2005-12-07 JP JP2005353570A patent/JP2007152835A/ja active Pending
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