JP2017144730A - 多層ポリイミドフィルム、およびフレキシブル金属張積層板 - Google Patents

多層ポリイミドフィルム、およびフレキシブル金属張積層板 Download PDF

Info

Publication number
JP2017144730A
JP2017144730A JP2017023371A JP2017023371A JP2017144730A JP 2017144730 A JP2017144730 A JP 2017144730A JP 2017023371 A JP2017023371 A JP 2017023371A JP 2017023371 A JP2017023371 A JP 2017023371A JP 2017144730 A JP2017144730 A JP 2017144730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide film
layer
thermoplastic polyimide
multilayer
loss tangent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017023371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6971580B2 (ja
Inventor
立石 和幸
Kazuyuki Tateishi
和幸 立石
雅義 清水
Masayoshi Shimizu
雅義 清水
富美弥 河野
Fumiya Kono
富美弥 河野
翔人 番家
Shoto Banya
翔人 番家
多和田 誠
Makoto Tawada
誠 多和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JP2017144730A publication Critical patent/JP2017144730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6971580B2 publication Critical patent/JP6971580B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】伝送損失の低減が可能な高周波回路基板に好適に使用することができる多層ポリイミドフィルム、及びフレキシブル金属張積層板の提供。【解決手段】非熱可塑性ポリイミドフィルム1の少なくとも片面に、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層2を介して熱可塑性ポリイミド層3が設けられる構造を有する多層ポリイミドフィルム4、及び多層ポリイミドフィルム4の少なくとも片面に金属箔を有するフレキシブル金属張積層板。非熱歌塑性ポリイミド層2の吸湿率が0.8wt%で10GHzにおける比誘電率が3.3以下で10GHzにおける誘電正接が0.007以下である多層ポリイミドフィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波回路基板に好適に使用することができる、多層ポリイミドフィルムと、その片面または両面に金属箔が設けられたフレキシブル金属張積層板に関する。
ポリイミドは、機械強度、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性に優れているため、電子基板材料用途で多く利用されている。例えば、ポリイミドフィルムを基板材料とし、少なくとも片面に銅箔等を積層したフレキシブル金属張積層板(以下、FCCLともいう)や、さらに回路を作成したフレキシブルプリント基板(以下、FPCともいう)などが製造され、各種電子機器に使用されている。近年の電子機器の高速信号伝送に伴う回路を伝達する電気信号の高周波化において、基板材料であるポリイミドの低誘電率、低誘電正接化の要求が高まっている。例えば、高周波(1GHz以上)領域において誘電率、誘電正接の低い材料が求められている。さらに、電子回路における信号の伝播速度は基板材料の誘電率が増加すると低下する。また誘電率と誘電正接が増加すれば信号の伝送損失も増大する。したがって、基板材料であるポリイミドの低誘電率化、低誘電正接化、さらには、FPCとした状態での伝送損失が小さいことなどが、電子機器の高性能化に不可欠となっている。
高周波に適応可能なFCCLやそれに用いるフィルムの検討としては、ポリイミド樹脂に誘電率が低い樹脂粉末を混合した絶縁樹脂層の開発が主流であり、フッ素樹脂を含有するポリイミド樹脂の両面にポリイミド層を積層し、さらに銅箔を配したフレキシブル銅張積層板等が開発されている。特許文献1にはポリイミドにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉を含有させた基板材料としての多層ポリイミドフィルムが開示されている。
一方、FCCLの基板材料には、基板材料と金属箔との接着性も必要であるため、接着層を有する多層構造となる事が一般的である。特許文献2には、耐熱フィルム上に形成した導電性金属層(金属箔)との密着力を有し、寸法安定性に優れる接着層を有する多層フィルムを用いるプリント回路用基板が開示されている。
特表2014−526399 特開2005−026542
しかしながら、特許文献1のようなポリイミド樹脂へのフッ素樹脂の配合による取組みでは、ポリイミド樹脂中へのフッ素樹脂の均一分散が難しい。結果として、フィルムの場所により特性がばらつきやすく、例えば、誘電率、誘電正接が異なって、回路基板としては使用しくいことが課題である。
特許文献2のような多層ポリイミドフィルムを用いる取組みでは、伝送損失低減の検討は全く着目されていない。
したがって、誘電率、誘電正接がフィルムにおいて均一であり、寸法安定性、引き剥がし強度と伝送損失の低減を両立する高周波回路基板(FCCL)に用いることが可能なフィルムの開発が求められている。
本発明の目的は、樹脂層の誘電正接および吸湿率を小さくすることにより伝送損失の低減が可能な高周波回路基板に好適に使用することができる多層ポリイミドフィルム及び、フレキシブル金属張積層板を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、他の樹脂への分散性に乏しいフッ素樹脂を用いることなく、低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムによって上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層を介して熱可塑性ポリイミド層が設けられる構造を有することを特徴とする多層ポリイミドフィルムに関する。
好ましい実施態様としては、誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層の吸湿率が0.8wt%以下であり、かつ10GHzにおける比誘電率が3.3以下、かつ10GHzにおける誘電正接が0.007以下であることを特徴とする上記の多層ポリイミドフィルムに関する。
好ましい実施態様としては、吸湿率が1.0wt%以下であり、かつ10GHzにおける比誘電率が3.5以下、かつ10GHzにおける誘電正接が0.009以下であることを特徴とする上記の多層ポリイミドフィルムに関する。
好ましい実施態様としては、上記の多層ポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属箔を有するフレキシブル金属張積層板に関する。
好ましい実施態様としては、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層が、芳香族酸二無水物として、少なくとも2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンのいずれか一種、芳香族ジアミンとして、少なくとも3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物のいずれか一種を有するポリイミドを含むことを特徴とする上記の多層ポリイミドフィルムに関する。
本発明に係る多層ポリイミドフィルムによれば低伝送損失の材料を提供できるという効果を奏する。そのため、エレクトロニクス製品の高周波化に対応でき、例えば、1GHz以上という高周波回路用基板等を開発する場合に有用である。
本発明の係る多層ポリイミドフィルムの一例を示す断面図である。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できる。
なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)、B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。
(低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層)
従来のFCCLに用いられる絶縁樹脂フィルムは、基板材料(以下、コア層ともいう)と、コア層と金属箔と接着させる接着層とから構成されることが一般的である。従来から必要とされる寸法安定性、引き剥がし強度などの一般特性を満足するために、コア層は主に耐熱性や寸法安定化に必要な物性を確保し、接着層は主に金属箔との引き剥がし強度に必要な物性を確保する役割を担う。さらに、コア層と接着層を含む多層フィルムと金属箔を、熱ラミネート法などにより積層する場合に容易に製造できることも必要である。
本発明の多層ポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層(以下、低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層、または中間層ともいう)を積層し、さらに熱可塑性ポリイミド層を有する。
本発明における低誘電正接性とは、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009であることをいう。すなわち、本発明における低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層とは、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層を意味する。
低伝送損失特性を付与させるためには、絶縁樹脂フィルムの低誘電率化、低誘電正接化、低吸湿率化が必要となり、これらの特性をコア層と接着層で分担する必要がある。
しかしながら、上記一般特性に必要な物性と低伝送損失化に必要な特性はトレードオフの関係にあるものもあり、コア層と接着層で、従来から必要とされる高耐熱性、寸法安定化、引き剥がし強度及び低伝送損失特性を両立させることは難しかった。本発明者らは種々検討した結果、ポリイミドフィルムを用いた絶縁樹脂フィルムの誘電率、誘電正接に概ね加成性が成り立つことを見出し、低伝送損失特性の向上に優れる低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムにより、一般特性と低伝送損失特性の両立を実現した。
具体的には、コア層と接着層で、従来から必要とされる耐熱性、寸法安定化、金属箔との引き剥がし強度に必要な物性を確保し、中間層で低伝送損失に必要とされる低誘電率化、低誘電正接化、低吸湿率化の物性を確保する方法である。
上記の通り、本発明の中間層は、伝送損失に影響を及ぼす低誘電率、低誘電正接、低吸湿率に優れる材料であり、コア層に用いる非熱可塑性ポリイミドと異なり、低吸湿率に特化した材料の組合せを選択する必要がある。
本発明における中間層は誘電正接が低いことが必要である。具体的には0.001〜0.009であることがより好ましく、0.001〜0.007であることが特に好ましい。誘電正接がこの範囲にある場合、FPCの伝送損失が小さくなり、好適である。
本発明における中間層は比誘電率も低い方が好ましい。2.7〜3.5であることがより好ましく、2.7〜3.3であることが特に好ましい。比誘電率がこの範囲にある場合、FPCの伝送損失が小さくなり、好適である。
吸湿率も伝送損失へ影響を及ぼすため、本発明の中間層の吸湿率は低い方が好ましい。0.1%〜1.0%であることがより好ましく、0.1%〜0.8%であることが特に好ましい。吸湿率がこの範囲にある場合、FPCの伝送損失が小さくなり、好適である。
本発明の中間層は、誘電正接が0.001〜0.009の範囲であれば特に限定はなく、種々のポリアミド酸を用いることができる。
ポリアミド酸は、芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物とを反応させて得られる。より具体的には、通常、芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物とを、実質的に等モル量となるように有機溶媒中に溶解させて、得られた溶液を、制御された温度条件下で、上記芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンとの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。このようにして得られたポリアミド酸を含む溶液は、通常5重量%〜35重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得る。重合方法も特に限定されず、添加の順序、モノマーの組み合わせ、および組成(添加量)は特に限定されるものではない。例えば、ランダム重合であってもよく、ブロック成分を製造できるシーケンス重合などであってもよい。
芳香族ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン)、4、4’−ジアミノジフェニルスルホン、3、3’−ジアミノジフェニルスルホン、9、9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4、4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−ジアミノベンズアニリド等、またはこれらの2種類以上の組み合わせを挙げることができる。
上記芳香族酸二無水物としては、特に限定されるものではないが、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,4’−オキシフタル酸二無水物、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンジフタル酸無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等、またはこれらの2種類以上の組み合わせを挙げることができる。
低誘電正接性や低吸水率性を発現させるための芳香族ジアミンの好ましい例としては、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、パラフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニルのようなフッ素系モノマーを単独又は複数併用すること挙げられる。低誘電正接性や低吸水率性を発現させるための芳香族酸二無水物の好ましい例としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を単独又は複数併用することが挙げられる。
ポリアミド酸を製造するための重合用溶媒として用いられる有機溶媒は、芳香族ジアミン、芳香族酸二無水物、および得られるポリアミド酸を溶解するものであれば、特に限定されるものではない。重合用溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いれば、得られるポリアミド酸の溶液をそのまま用いて、ポリイミドフィルムとすることができる。
ポリアミド酸を製造するための反応温度は、−10℃〜50℃であることが好ましい。かかる範囲内であることにより、良好な反応速度で反応が進み、生産性に優れるため好ましい。また、反応時間も特に限定されるものではないが、通常数分〜数時間である。
ポリイミドは、上記ポリアミド酸を熱キュアまたは化学キュアなどを代表とする方法により製造される。熱キュアは加熱処理のみによりイミド化を進行させるものである。化学キュアは硬化剤と混合して、加熱処理することによりイミド化させる方法である。硬化剤とは、脱水剤および触媒を含む。ここで脱水剤とは、ポリアミド酸に対する脱水閉環剤であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物を好適に用いることができ、無水酢酸が特に好ましい。触媒としては、ポリアミド酸に対する脱水剤の脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミン等を挙げることができる。これらの中でも、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、イソキノリン、キノリン、ジエチルピリジンまたはβ−ピコリン等の含窒素複素環化合物が特に好ましく用いられる。
本発明における非熱可塑性とは、原料モノマーを組み合わせて溶液重合し、得られたポリアミド酸溶液を乾燥し、少なくとも熱イミド化、または化学イミド化の少なくとも一方の方法により得られる成形体(主にフィルムである)を450℃で1分間加熱した際にシワや伸びなどの変形を起こさず形状を保持しているものを表す。
(非熱可塑性ポリイミドフィルム)
非熱可塑性ポリイミドフィルムをコア層とすることにより、本発明の多層ポリイミドフィルムを構成することができる。
非熱可塑性ポリイミドフィルムは非熱可塑性ポリイミドフィルムとしての特性を損なわない範囲で、非熱可塑性ポリイミドとともに他の樹脂を含有していてもよい。
本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルム(コア層)の誘電正接は低い方が好ましい。具体的には0.001〜0.012であることがより好ましく、0.001〜0.010であることが特に好ましい。誘電正接が上記範囲である場合、中間層で多層ポリイミドフィルムの誘電正接を0.009以下に制御できる。
本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルム層(コア層)の吸湿率も低い方が好ましい。具体的には0.1%〜1.7%であることがより好ましく、0.1%〜1.4%であることが特に好ましい。
フレキシブル金属張積層板のエッチング前後の寸法変化率を抑制するため、コア層の熱線膨張係数(CTE)は1ppm〜15ppmであることが好ましく、2〜12ppmであることがより好ましい。CTEが上記範囲である場合、中間層で多層ポリイミドフィルムの寸法変化率を適正範囲に制御できる。
(非熱可塑性ポリイミド) 非熱可塑性ポリイミドフィルム(コア層)に含有される非熱可塑性ポリイミドは、ポリアミド酸を前駆体として用いてイミド化することにより製造される。
イミド化することにより非熱可塑性ポリイミドとなるポリアミド酸を構成するモノマーとしては、非熱可塑性を示すことができれば、特に限定はない。例えば、中間層を構成するモノマーと同様のものを例示することができる。
非熱可塑性ポリイミドフィルム(コア層)に含有される非熱可塑性ポリイミドに好適に用いられる芳香族ジアミンの例としては、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル、などが挙げられ、これらを単独又は複数併用することができる。非熱可塑性ポリイミドフィルム(コア層)に含有される非熱可塑性ポリイミドを設計するために好適に用いられる芳香族酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、などが挙げられ、これらを単独又は複数併用することができる。
非熱可塑性ポリイミドフィルム(コア層)に含有される非熱可塑性ポリイミドの重合方法、重合用溶媒、反応温度や反応時間は特に限定されるのもではない。
ポリアミド酸をポリイミドとする際の硬化剤や硬化条件等も特に限定されない。例えば、中間層を製造する際に用いるものと同様にものを使用することができる。
(熱可塑性ポリイミド層)
本発明に係る熱可塑性ポリイミド層(接着層ともいう)は、銅箔などの金属箔との接着力や好適な線膨張係数など、所望の特性を発現できれば、接着層に含まれる熱可塑性ポリイミドの含有量、分子構造、厚みは特に限定されない。しかしながら、有為な接着力や好適な線膨張係数などの所望の特性の発現のためには、熱可塑性ポリイミドを50wt%以上含有することが好ましい。
本発明の熱可塑性ポリイミド層(接着層)の誘電正接も低いほうが好ましい。具体的には0.001〜0.012であることがより好ましく、0.001〜0.010であることが特に好ましい。誘電正接が上記範囲を上回る場合、中間層での多層ポリイミドフィルムの低誘電正接化が困難となる。
吸湿率も低いほうが好ましい。具体的には0.1%〜1.3%であることがより好ましく、0.1%〜0.9%であることが特に好ましい。
金属箔との接着力を発現し、かつ得られる金属張積層板の耐熱性を損なわないという点から考えると、本発明における熱可塑性ポリイミドは、150℃〜300℃の範囲にガラス転移温度(Tg)を有していることが好ましい。なお、Tgは動的粘弾性測定装置(DMA)により測定した貯蔵弾性率の変曲点の値により求めることができる。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド層に含有される熱可塑性ポリイミドは、その前駆体のポリアミド酸からの転化反応により得られる。該ポリアミド酸の製造方法としては、非熱可塑性ポリイミドの前駆体、すなわち高耐熱性ポリイミド層の前駆体と同様、公知のあらゆる方法を用いることができる。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド層の特性を制御する目的で、必要に応じて無機あるいは有機物のフィラー、さらにはその他樹脂を添加しても良い。
(熱可塑性ポリイミド)
熱可塑性ポリイミド層に含有される熱可塑性ポリイミドとしては、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリエステルイミド等を好適に用いることができる。中でも、寸法安定性、密着性の点から、熱可塑性ポリイミドが特に好適に用いられる。
本発明に用いられる熱可塑性ポリイミドの前駆体のポリアミド酸についても、特に限定されず、公知のあらゆるポリアミド酸を用いることができる。ポリアミド酸溶液の製造に関しても、非熱可塑性ポリイミドの前駆体の製造に用いられる芳香族酸二無水物および芳香族ジアミンなどの原料、溶媒、および前記製造条件等を全く同様に用いることができる。
なお、熱可塑性ポリイミドは、使用する原料を種々組み合わせることにより諸特性を調節することができるが、一般に剛直構造の芳香族ジアミン使用比率が大きくなるとガラス転移温度が高くなったり、熱時の貯蔵弾性率が大きくなって、接着性・加工性が低くなるため好ましくない。剛直構造の芳香族ジアミン使用比率は好ましくは40mol%以下、さらに好ましくは30mol%以下、特に好ましくは20mol%以下である。
本発明に特に好ましく用いられる芳香族ジアミンの例として、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどが挙げられ、これらを単独又は複数併用することができる。
本発明に特に好ましく用いられる芳香族酸二無水物の例として、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物など挙げられ、これらを単独又は複数併用することができる。
熱可塑性ポリイミドの重合方法、重合用溶媒、反応温度や反応時間は特に限定されるのもではない。
ポリアミド酸をポリイミドとする際の硬化剤も特に限定されないが、例えば、中間層を製造する際に用いるものと同様にものを使用することができる。
(多層ポリイミドフィルム)
本発明の多層ポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミドフィルム(コア層)の少なくとも片面に、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層(中間層)を介して熱可塑性ポリイミド層(接着層)が設けられる構造を有することを特徴とする。
本発明の多層ポリイミドフィルムは高周波回路用基板等に用いられるため、吸湿率が低い方が好ましい。具体的には0.1%〜1.3%であることがより好ましく、0.1%〜1.0%であることが特に好ましい。本発明の多層ポリイミドフィルムの比誘電率も低いほうが好ましい。具体的には、2.8〜3.6であることがより好ましく、2.8〜3.5であることが特に好ましい。
本発明の多層ポリイミドフィルムの誘電正接も低いほうが好ましい。具体的には0.001〜0.011であることがより好ましく、0.001〜0.009であることが特に好ましい。
本発明の多層ポリイミドフィルムの全厚みは、特に限定されない。例えば、12μm〜54μmが好ましく、16.5μm〜48μmがより好ましい。全厚みがこの範囲内の場合は、フレキシブル配線板としては、適切な硬さと折り曲げ性を有することになり、またハンドリング性も良好であり、搬送中に裂けて製造工程を通らなくなるようなトラブルも発生しにくくなる。
本発明のコア層、中間層の合計厚みは、特に限定されない。例えば、8μm〜50μmが好ましく、12.5μm〜44μmがより好ましい。コア層と中間層の厚みは上記合計厚みの好ましい範囲内で、任意に決めることができる。例えば、合計厚みの範囲において、中間層の厚みは3μm〜40μmがより好ましく、6μm〜35μmが特に好ましい。また、中間層の厚みの合計厚みに対する構成比率は30%〜80%がより好ましく、40%〜70%が特に好ましい。中間層の厚みがこの範囲内の場合は、中間層で多層ポリイミドフィルムの誘電正接を0.009以下に制御できる。
接着層の厚み(片面)は、特に限定されない。例えば、1.7μm〜16μmが好ましく、1.7μm〜6μmがより好ましく、1.7μm〜4μmがさらに好ましい。接着層の厚み(片面)がこの範囲内の場合は金属箔表面の粗度にもよるが金属箔との密着性が良く、またエッチングした後の寸法変化率も良好となる傾向にある。また接着層が厚く、多層ポリイミドフィルムの全厚みに占める接着層の厚み構成比率が50%以下の場合はフレキシブル金属張積層板に加工した場合の寸法変化率が良好となる。多層ポリイミドフィルムの全厚みに占める接着層の厚み構成比率が8%〜32%となることがより好ましく、12%〜24%となることが特に好ましい。多層ポリイミドフィルムの全厚みに占める接着層の厚み構成比率がこの範囲内の場合は引き剥がし強度及び寸法安定性が良好となり、好ましい。
(多層ポリイミドフィルムの製造方法)
本発明の多層ポリイミドフィルムの製造方法において、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層を介して熱可塑性ポリイミド層を設ける手段については特に限定されず、従来公知の方法が使用できる。例を挙げると、(i)コア層となる非熱可塑性ポリイミド層に中間層となる低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層を形成し、接着層となる熱可塑性ポリイミド層を形成する方法、(ii)コア層と中間層を多層押出し等で同時成形し、接着層となる熱可塑性ポリイミド層を形成する方法、(iii)コア層と中間層と接着層を多層押出し等で同時成形しする方法等が好適に例示される。
前記(i)の手段で中間層を製造する場合、例えばコア層に中間層の前駆体溶液を塗工した後、まず中間層溶液中の有機溶剤を大部分除去するため、比較的低い温度で加熱を行う。この段階での温度は50℃〜200℃の範囲が好ましい。次に、接着層の前駆体溶液を塗工し、接着層溶液中の有機溶剤の大部分を除去するため、比較的低い温度で加熱を行う。温度は50℃〜200℃の範囲が好ましい。
最後に、多層ポリイミドフィルム中における中間層、接着層中に僅かに残った溶剤の除去と、中間層、接着層のポリアミド酸のイミド化を行うため、多層ポリイミドフィルムを高い温度で加熱処理を行う。この段階での加熱処理温度は250℃以上が好ましい。250℃以上の温度で加熱処理を行う場合、寸法安定性、引き剥がし強度が良好となる。接着層中に溶剤が殆ど残っていない場合、この段階で熱可塑性ポリイミドの融点以上の温度をかけて加熱を行い、溶剤除去、接着層中の熱可塑性ポリイミドのイミド化、接着層の融解を一工程でまとめて行っても良い。熱可塑性ポリイミドの融点以上の温度は390℃程度と高温になることがあり、加熱後に急冷すると多層ポリイミドフィルムの急激な収縮が起こり、外観が悪化する可能性があるため、徐々に雰囲気温度を下げて徐冷する方が好ましい。
前記(ii)の手段で多層ポリイミドフィルムを製造する場合、コア層と中間層を多層押出し等で同時成形した後、加熱して溶剤除去、コア層、中間層のイミド化、コア層、中間層の融解を行う。次に、接着層を形成し、加熱して溶剤除去、接着層のイミド化、融解を行う。ステップについては(i)と同様にして行えば良い。
前記(iii)の手段で多層ポリイミドフィルムを製造する場合、コア層と中間層と接着層を多層押出し等で同時成形した後、加熱して溶剤除去、イミド化、融解を行う。温度ステップについては(i)と同様にして行えば良い。
前記加熱手段としては特に限定されず、例えば、熱風方式、遠赤外線方式などをが挙げられ、これらを併用しても良い。また、加熱方法についても、バッチ処理、連続処理のどちらを用いても良いが、多層ポリイミドフィルムの生産性の観点からすると、連続処理が好ましい。
本発明に係る中間層、接着層及びコア層の製造方法では、熱キュア法、化学キュア法のいずれを採用しても構わないが、製造効率を考慮すると、コア層には化学キュア法を採用する方が特に好ましい。
(金属箔)
本発明において用いることができる金属箔としては特に限定されるものではない。例えば、電子機器・電気機器用途に本発明のフレキシブル金属張積層板を用いる場合には、例えば、銅または銅合金、ステンレス鋼またはその合金、ニッケルまたはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる箔を挙げることができる。一般的なフレキシブル積層板では、圧延銅箔、電解銅箔といった銅箔が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。なお、これらの金属箔の表面には、防錆剤や耐熱性付与剤あるいは接着剤が塗布されていてもよい。また、上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。金属箔の表面は平滑な方が伝送損失低減のためには好ましく、Ra1.0μm以下の銅箔が好ましく用いられ得る。高速伝送用の平滑な銅箔は各社から市販されている。本発明で使用される多層ポリイミドフィルムは、接着層が熱可塑性ポリイミドであるため銅箔との密着性が高く、一般にアンカー効果が得られにくくなる平滑な銅箔とも良好な密着を得られる点で優れている。
(フレキシブル金属張積層板)
本発明のフレキシブル金属張積層板を製造するために、多層ポリイミドフィルムと金属箔を貼り合わせる方法としては、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、装置構成が単純であり保守コストの面で有利であるという点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いることが好ましい。また、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置で金属箔と貼り合わせた場合に特に寸法変化が発生しやすいことから、本発明の多層ポリイミドフィルムは、熱ロールラミネート装置で金属箔と張り合わせた場合に顕著な効果を発現する。ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。
上記熱ラミネートを実施する手段の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することが好ましい。保護材料としては、熱ラミネート工程の加熱温度に耐えうる材料、すなわち、耐熱性プラスチック、銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等の金属箔等が挙げられ、ラミネート温度よりも50℃以上の高い耐熱性を有する材料が好ましく用いられる。また、保護材料の厚みはラミネート時の緩衝並びに保護の役目を十分に果たすことができれば、特に限定されない。例えば、保護材料の厚みは75μm以上であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明について更に具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(フィルムの厚み)
接触式厚み計Mitsutoyo社製LASER HOLOGAGEを使用してフィルムの厚みを測定した。
(吸湿率の測定)
吸湿率は、ティー・エイ・インスツメント・ジャパン社製STD Q600により、20℃〜120℃まで20℃/minで加熱し、120℃で2時間保持した条件下における重量減少から算出した。サンプルは23℃/55%RHで1週間静置して調湿したものを測定した。
(誘電率と誘電正接の測定)
誘電率と誘電正接は、HEWLETTPACKARD社製のネットワークアナライザ8719Cと株式会社関東電子応用開発製の空洞共振器振動法誘電率測定装置CP511を用いて測定した。サンプルを2mm×100mmに切り出し、23℃/55%RH環境下で24時間調湿後に測定を行った。測定は10GHzで行った。
(引き剥がし強度)
JIS C6471の「6.5 引きはがし強さ」に従って、サンプルを作製し、3mm幅の金属箔部分を、90度の剥離角度、200mm/分の条件で剥離し、その荷重(N/cm)を測定した。
(寸法変化率の測定)
JIS C6481に基づいて、フレキシブル銅張積層板に4つの穴を形成し、各穴のそれぞれの距離を測定した。次に、エッチング工程を実施してフレキシブル銅張積層板から金属箔を除去した後に、23℃/55%RHで24時間静置して調湿した。その後、エッチング工程前と同様に、上記4つの穴について、それぞれの距離を測定した。金属箔除去前における各穴の距離の測定値をD1とし、金属箔除去後における各穴の距離の測定値をD2として、次式によりエッチング前後の寸法変化率を求めた。寸法変化率(%)={(D2−D1)/D1}×100 続いて、エッチング後の測定サンプルを250℃で30分加熱した後、23℃/55%RHで24時間放置した。その後、上記4つの穴について、それぞれの距離を測定した。加熱後における各穴の距離の測定値をD3として、次式により加熱前後の寸法変化率を求めた。寸法変化率(%)={(D3−D2)/D2}×100 なお、上記寸法変化率は、MD方向及びTD方向の双方について測定し、その平均値を寸法変化率とした。
(フレキシブル金属張積層板(FCCL)の作製方法)
多層ポリイミドフィルムの両面に厚み12μmの圧延銅箔(GHY5−93F−HA;JX日鉱日石社製)、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI;カネカ製、厚み125μm)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力245N/cm2(25kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で連続的に熱ラミネートを行い、フレキシブル金属張積層板を作製した。
(伝送損失の測定)
得られたフレキシブル金属張積層板を用いて線路長10cm、線路幅100μmのマイクロストリップラインを作製した。具体的にはドリル穴あけ、スルーホールめっき、パターニング工程を経た後、ニッカン工業社製カバーレイフィルムCISV1225を貼り合わせ、かつ測定用パッド部分を金メッキしてマイクロストリップライン形状のFPCテストピースを作製した。得られたマイクロストリップ線路を、120℃/24時間加熱乾燥させた後、23℃/55%RHで48時間静置して調湿した後、ネットワークアナライザとプローブステーションを用いて伝送損失S21パラメータを測定した。信号強度が半分となる−3dB/10cmの時の信号周波数を記録した。
伝送特性は水分の影響を受け易いため乾燥、フレキシブル金属張(銅張)積層板の調湿を精度良く行う必要がある。
(合成例1:低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド1の前駆体溶液の合成)
容量100Lの反応槽に、ジメチルホルムアミド(DMF)62.9kg、パラフェニレンジアミン(PDA)2.3kgを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)5.6kgを徐々に添加した。続いて、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)2.6kg、BPDA1.1kgを加え、ピロメリット酸二無水物(PMDA)0.5kgを添加し、1時間攪拌して溶解させた。PMDA0.2kgをDMF2.5kgに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が1000ポイズに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例2:低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド2の前駆体溶液の合成)
容量100Lの反応槽に、ジメチルホルムアミド(DMF)59.5kg、PDA2.4kg加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA5.9kg徐々に添加した。続いて、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)3.9kgを投入し、BPDA0.7kg、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)2.7kgを投入し、1時間攪拌して溶解させた。ODPA0.3kgをDMF5.6kgに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が1000ポイズに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例3:熱可塑性ポリイミドの前駆体溶液の合成)
容量100Lの反応槽に、ジメチルホルムアミド(DMF)64.1kg、BPDA7.7kgを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、TPE−R1.1kgを徐々に添加した。TPE−R2kgをDMF40kgに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が1000ポイズに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(実施例1)
9μm厚の高耐熱性ポリイミドフィルム(アピカル(登録商標)9FP、カネカ製)をコア層として、このコア層の両面に、合成例1で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度8.0重量%になるまでDMFで希釈した溶液を、低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド(中間層となる)の最終片面厚みが5μmとなるようにポリアミド酸溶液を塗布した後、120℃で2分間、180℃で5分間加熱を行った。続いて、コア層の両面に塗布された中間層の外面に、熱可塑性ポリイミド(接着層となる)の最終片面厚みが3μmとなるように、合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度8.0重量%になるまでDMFで希釈したポリアミド酸溶液を塗布した後、120℃で2分間加熱を行った。続いて250℃で7秒間、450℃で14秒間、350℃で7秒間加熱を行い、全厚みが25μmの多層ポリイミドフィルムを得た。
得られた多層ポリイミドフィルムに厚み12μmの圧延銅箔(GHY5−93F−HA;JX日鉱日石製)を熱ラミネートしてフレキシブル銅箔積層板を得た。
多層ポリイミドフィルムの比誘電率、誘電正接、吸湿率の測定及びフレキシブル銅箔積層板の伝送損失測定を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1では信号が半減する周波数が高くなっており、伝送損失の低減を確認した。
(比較例1)
ポリアミド酸溶液として合成例1で作製したものを合成例2に変えた以外は、実施例1と同様に作製し、多層ポリイミドフィルムおよびフレキシブル銅張積層板を得て、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1では中間層の特性が不十分であり、多層ポリイミドフィルムの誘電正接が目標に及ばず、伝送損失の低減が不十分であった。
(比較例2)
中間層を塗布しないこと以外は、実施例1と同様に作製し、多層ポリイミドフィルムおよびフレキシブル銅張積層板を得て、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1と比較例2から、実施例1は中間層を使用することによりフレキシブル銅張積層板の寸法安定性、引き剥がし強度を維持しながら、低伝送損失を達成することを確認した。
1.非熱可塑性ポリイミドフィルム
2.低誘電正接性を有する非熱可塑性ポリイミド層
3.熱可塑性ポリイミド層
4.多層ポリイミドフィルム

Claims (5)

  1. 非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層を介して熱可塑性ポリイミド層が設けられる構造を有することを特徴とする多層ポリイミドフィルム。
  2. 誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層の吸湿率が0.8wt%以下であり、かつ10GHzにおける比誘電率が3.3以下、かつ10GHzにおける誘電正接が0.007以下であることを特徴とする請求項1記載の多層ポリイミドフィルム。
  3. 吸湿率が1.0wt%以下であり、かつ10GHzにおける比誘電率が3.5以下、かつ10GHzにおける誘電正接が0.009以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層ポリイミドフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層ポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属箔を有するフレキシブル金属張積層板。
  5. 前記10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.009である非熱可塑性ポリイミド層が、芳香族酸二無水物として、少なくとも2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンのいずれか一種、芳香族ジアミンとして、少なくとも3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物のいずれか一種を有するポリイミドを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層ポリイミドフィルム。
JP2017023371A 2016-02-12 2017-02-10 多層ポリイミドフィルム、およびフレキシブル金属張積層板 Active JP6971580B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025229 2016-02-12
JP2016025229 2016-02-12

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017144730A true JP2017144730A (ja) 2017-08-24
JP6971580B2 JP6971580B2 (ja) 2021-11-24

Family

ID=59680603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017023371A Active JP6971580B2 (ja) 2016-02-12 2017-02-10 多層ポリイミドフィルム、およびフレキシブル金属張積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6971580B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019051710A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 Jsr株式会社 積層体捲回体
JP2020055186A (ja) * 2018-09-29 2020-04-09 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 金属張積層板及び回路基板
CN111300922A (zh) * 2019-04-30 2020-06-19 南京中鸿润宁新材料科技有限公司 一种聚酰亚胺挠性覆铜板
CN111300950A (zh) * 2019-04-29 2020-06-19 南京中鸿润宁新材料科技有限公司 一种高性能聚酰亚胺挠性覆铜板的制备方法
JP2020110972A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 エルジー・ケム・リミテッド フィルム、金属張積層板、フレキシブル基板、フィルムの製造方法、金属張積層板の製造方法、及びフレキシブル基板の製造方法
CN112175183A (zh) * 2019-07-01 2021-01-05 东丽·杜邦股份有限公司 聚酰亚胺膜
CN112469560A (zh) * 2018-07-25 2021-03-09 日铁化学材料株式会社 覆金属层叠板和电路基板
CN113710484A (zh) * 2019-02-15 2021-11-26 住友化学株式会社 膜和层叠体
CN114616271A (zh) * 2019-11-07 2022-06-10 聚酰亚胺先端材料有限公司 具有改良介电性质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114616270A (zh) * 2019-11-07 2022-06-10 聚酰亚胺先端材料有限公司 高耐热及低介电质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114651035A (zh) * 2019-11-07 2022-06-21 聚酰亚胺先端材料有限公司 高耐热及低介电质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
US11505651B2 (en) 2016-04-20 2022-11-22 Jsr Corporation Polymer, composition, molded article, cured product and laminate
US11582860B2 (en) 2017-09-15 2023-02-14 Jsr Corporation Circuit board

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014208644A1 (ja) * 2013-06-28 2014-12-31 新日鉄住金化学株式会社 ポリイミド、樹脂フィルム及び金属張積層体

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014208644A1 (ja) * 2013-06-28 2014-12-31 新日鉄住金化学株式会社 ポリイミド、樹脂フィルム及び金属張積層体

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11505651B2 (en) 2016-04-20 2022-11-22 Jsr Corporation Polymer, composition, molded article, cured product and laminate
JP2019051710A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 Jsr株式会社 積層体捲回体
US11582860B2 (en) 2017-09-15 2023-02-14 Jsr Corporation Circuit board
JP7087859B2 (ja) 2017-09-15 2022-06-21 Jsr株式会社 積層体捲回体
CN112469560A (zh) * 2018-07-25 2021-03-09 日铁化学材料株式会社 覆金属层叠板和电路基板
JPWO2020022129A1 (ja) * 2018-07-25 2021-08-05 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 金属張積層板及び回路基板
JP7428646B2 (ja) 2018-07-25 2024-02-06 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 金属張積層板及び回路基板
TWI804658B (zh) * 2018-07-25 2023-06-11 日商日鐵化學材料股份有限公司 覆金屬積層板和電路基板
JP7093282B2 (ja) 2018-09-29 2022-06-29 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 金属張積層板及び回路基板
JP2020055186A (ja) * 2018-09-29 2020-04-09 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 金属張積層板及び回路基板
JP2020110972A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 エルジー・ケム・リミテッド フィルム、金属張積層板、フレキシブル基板、フィルムの製造方法、金属張積層板の製造方法、及びフレキシブル基板の製造方法
JP7195530B2 (ja) 2019-01-11 2022-12-26 エルジー・ケム・リミテッド フィルム、金属張積層板、フレキシブル基板、フィルムの製造方法、金属張積層板の製造方法、及びフレキシブル基板の製造方法
CN113710484A (zh) * 2019-02-15 2021-11-26 住友化学株式会社 膜和层叠体
CN113710484B (zh) * 2019-02-15 2023-11-28 住友化学株式会社 膜和层叠体
CN111300950A (zh) * 2019-04-29 2020-06-19 南京中鸿润宁新材料科技有限公司 一种高性能聚酰亚胺挠性覆铜板的制备方法
CN111300950B (zh) * 2019-04-29 2021-11-19 南京中鸿润宁新材料科技有限公司 一种高性能聚酰亚胺挠性覆铜板的制备方法
CN111300922A (zh) * 2019-04-30 2020-06-19 南京中鸿润宁新材料科技有限公司 一种聚酰亚胺挠性覆铜板
CN112175183A (zh) * 2019-07-01 2021-01-05 东丽·杜邦股份有限公司 聚酰亚胺膜
CN114651035A (zh) * 2019-11-07 2022-06-21 聚酰亚胺先端材料有限公司 高耐热及低介电质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114616270A (zh) * 2019-11-07 2022-06-10 聚酰亚胺先端材料有限公司 高耐热及低介电质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114616271A (zh) * 2019-11-07 2022-06-10 聚酰亚胺先端材料有限公司 具有改良介电性质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114616270B (zh) * 2019-11-07 2024-03-19 聚酰亚胺先端材料有限公司 高耐热及低介电质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114616271B (zh) * 2019-11-07 2024-03-22 聚酰亚胺先端材料有限公司 具有改良介电性质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN114651035B (zh) * 2019-11-07 2024-04-05 聚酰亚胺先端材料有限公司 高耐热及低介电质的聚酰亚胺薄膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6971580B2 (ja) 2021-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6971580B2 (ja) 多層ポリイミドフィルム、およびフレキシブル金属張積層板
JP6590568B2 (ja) 絶縁性フィルム、絶縁性フィルムの製造方法、および金属張積層板の製造方法
JP6515180B2 (ja) 多層接着フィルム及びフレキシブル金属張積層板
JP2011173423A (ja) 銅張り積層基板
JP2018145303A (ja) 多層ポリイミドフィルム
KR101290933B1 (ko) 폴리이미드 필름
JPWO2006011404A1 (ja) 接着フィルムおよびその利用
JPWO2009019968A1 (ja) 多層ポリイミドフィルム、積層板および金属張積層板
JP7122162B2 (ja) 熱可塑性ポリイミドフィルム、多層ポリイミドフィルム、およびフレキシブル金属張積層板
JP7429519B2 (ja) 多層ポリイミドフィルム
JPWO2005115752A1 (ja) ポリイミド積層体およびその製造方法
JP2015199328A (ja) 金属張積層体、回路基板及びポリイミド
KR20080044330A (ko) 내열성 접착 시트
JP2008188954A (ja) 片面金属張積層板用基材及び片面金属張積層板の製造方法
WO2021166572A1 (ja) マイクロストリップライン構造を有するフレキシブル金属張積層板
JP2011143678A (ja) 多層ポリイミドフィルム及びそれを用いたフレキシブル金属張積層板
JP2010115797A (ja) 多層ポリイミドフィルム
JP6412012B2 (ja) 多層フレキシブル金属張積層体及びその製造方法
KR20210036342A (ko) 금속 피복 적층판 및 회로 기판
JP2020015237A (ja) 金属張積層板の製造方法及び回路基板の製造方法
JP2019202514A (ja) 多層ポリイミドフィルム
WO2016159106A1 (ja) ポリイミド積層フィルム、ポリイミド積層フィルムの製造方法、熱可塑性ポリイミドの製造方法、およびフレキシブル金属張積層体の製造方法
KR20230074304A (ko) 폴리이미드 수지 전구체, 폴리이미드 수지, 금속장 적층판, 적층체 및 플렉시블 프린트 배선판
JP6936639B2 (ja) 積層体、フレキシブル金属張積層板、およびフレキシブルプリント回路基板
JP2018126887A (ja) 多層ポリイミドフィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20201014

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210804

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210804

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210819

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6971580

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150