JP2019051710A - 積層体捲回体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波信号の伝送損失を低減することが可能な高周波回路用積層体を巻芯に捲回して保管した場合であっても巻癖を抑制できる積層体捲回体を提供する。【解決手段】本発明に係る積層体捲回体は、23℃において周波数10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.01である樹脂層と、金属層とが接して積層された構造を含む高周波回路用積層体が、半径10〜100mmの巻芯に捲回されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波回路基板として好適に使用される積層体捲回体に関する。
近年の情報端末機器の高性能化やネットワーク技術の飛躍的進歩に伴い、情報通信分野で扱う電気信号は高速・大容量伝送に向けた高周波数化が進んでいる。これに対応するため、使用されるプリント配線板にも高周波信号や高速デジタル信号を伝送・処理する上で課題となる伝送損失を低減できる低誘電率(低ε)・低誘電正接(低tanδ)材料に対する要求が高まっている(例えば、特許文献1〜4参照)。
プリント配線板としては、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」ともいう)やフレキシブルフラットケーブル(以下、「FFC」ともいう)が、電子・電気機器に使用されている。FPCは、絶縁体層と銅箔層とからなる銅張積層体(CCL)を加工して電気回路を形成した後、該回路部を保護するために絶縁層と接着剤層からなるカバーレイ(CL)の接着剤部を回路部へ取り付ける工程を経て製造される。また、FFCは、絶縁体層と接着剤層からなる基材と配線状に形成した銅箔等の導体を用い、基材の接着剤部同士の間に導体を複数本並べ、接着して得られる電気回路である。
特開2014−197611号公報 特開2015−176921号公報 特開2016−087799号公報 特開2016−032098号公報
しかしながら、電気信号は高周波になればなるほど減衰しやすく、伝送損失が大きくなる傾向にある。そのため、次世代高周波(10GHz以上)対応実装基板では、配線間クロストーク低減のための低誘電や電気信号の伝送損失を抑制するための低誘電損失特性が、絶縁体(樹脂)材料に必要不可欠な特性となっている。特にFPCやFFCでは、樹脂層と金属層とを積層させるために接着剤が使用されるが、接着剤によって形成される接着層が実装基板の低誘電損失特性を損なう一因であると考えられる。
さらに、接着剤を介在させた樹脂層と金属層との積層体は、巻芯に捲回させた捲回体として保管した場合に、外的な要因(例えば保管環境)により接着層が変質して硬化するために、引き出したときに巻癖が発生しやすいという課題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、高周波信号の伝送損失を低減することが可能な高周波回路用積層体を巻芯に捲回して保管した場合であっても巻癖を効果的に抑制できる積層体捲回体を提供することを課題とするものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る積層体捲回体の一態様は、
23℃において周波数10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.01である樹脂層と、金属層とが接して積層された構造を含む高周波回路用積層体が、半径10〜100mmの巻芯に捲回されていることを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の積層体捲回体において、
前記高周波回路用積層体の厚さが50〜200μmであることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の積層体捲回体において、
前記樹脂層の厚さが10〜100μmであり、かつ、前記金属層の厚さが10〜50μmであることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の積層体捲回体において、
前記樹脂層の弾性率が0.1〜3GPaであることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の積層体捲回体において、
前記高周波回路用積層体の前記樹脂層と前記金属層との剥離強度が5N/cm以上であることができる。
本発明に係る積層体捲回体によれば、高周波信号の伝送損失を低減することが可能な高周波回路用積層体を巻芯に捲回して保管した場合であっても巻癖を効果的に抑制できる。
本実施形態に係る積層体捲回体の一例を示す斜視図である。 巻芯の一例を示す斜視図である。 従来の積層体捲回体から積層体を巻き戻した際に発生する押し跡の様子を示す斜視図である。 高周波回路用積層体の製造例Aにおける各工程を模式的に示す断面図である。 高周波回路用積層体の製造例Bにおける各工程を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
本明細書において、「〜」を用いて記載された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
1.積層体捲回体
本明細書で用いられる用語を以下のように定義する。
・「高周波信号」とは、10GHz以上の周波数の電気信号または電波のことをいう。
・「高周波回路用積層体」とは、10GHz以上の周波数で駆動する高周波回路を製造する際に使用するための積層体のことをいう。
・「Bステージ樹脂層」とは、樹脂が半硬化した状態の層のことをいう。
・「Cステージ樹脂層」とは、樹脂が完全に硬化した状態の層のことをいう。なお、本願発明において、「Cステージ樹脂層」を単に「樹脂層」ということもある。
・「捲回体」とは、巻芯上に、一様の幅の高周波回路用積層体が所定の長さ分だけ捲回されたものをいう。巻長や幅は特に限定されるものではないが、通常巻長は0.5〜100m、幅は数十〜1000mm程度である。
本実施形態に係る積層体捲回体は、23℃において周波数10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.01である樹脂層と、金属層とが接して積層された構造を含む高周波回路用積層体が、半径10〜100mmの巻芯に捲回されていることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る積層体捲回体について説明する。
図1は、本実施形態に係る積層体捲回体の一例を示す斜視図である。図2は、本実施形態で使用可能な巻芯の一例を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る積層体捲回体300は、巻芯30と、巻芯30に捲回された高周波回路用積層体40とを備える。このような高周波回路用積層体は、加工を効率的に行うために一定の幅を有する長尺のシート状とし、それを巻芯に捲回した積層体捲回体の状態で使用または保管されることが一般的である。
本実施形態に係る積層体捲回体は、略円柱状の巻芯を使用することが好ましい。この場合、円柱状の巻芯の半径を小さくし、曲率半径をできるだけ小さくすることで、同じ長さの高周波回路用積層体が巻芯されたロールでも、より小型化が可能となり、生産性を向上させることができる。ところが、曲率半径が小さい積層体捲回体では、高周波回路用積層体に巻癖が残留しやすく、高周波回路用積層体の加工が困難になる傾向があった。このため、高周波回路用積層体に残留する巻癖を抑制するために、積層体捲回体の曲率半径を小さくすることは困難であった。
また、従来の高周波回路用積層体は、樹脂層と金属層との密着性を向上させるために接着層を介在させていた。このため、従来の高周波回路用積層体を巻芯に捲回させた積層体捲回体を保管する場合、外的な要因により接着層が変質して硬化するために、引き出したときに巻癖が発生しやすかった。
しかしながら、本実施形態に係る積層体捲回体では、23℃において周波数10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.01である樹脂層と、金属層とが接して積層された構造を含む高周波回路用積層体を用いることで、半径10〜100mmの巻芯に捲回された、小型の高周波回路用積層体捲回体を作製することが可能となった。
巻芯30と高周波回路用積層体40とは、接合部材を用いて接合されていてもよく、接合されていなくてもよい。例えば図2に示すように、巻芯30が段差部32を有する場合、高周波回路用積層体40の端部で接合部材を介して巻芯30の段差部32に接合した後、巻芯30を回転させて高周波回路用積層体40を巻き取り、積層体捲回体300を作製することができる。なお、段差部が形成された巻芯については、例えば実用新案登録第3147706号公報に記載されている巻芯等を使用することができる。
なお、接合部材の種類は、特に限定されず各種接合部材を用いることができ、例えば接着剤、粘着剤、及び両面テープ等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、この接合部材は、高周波回路用積層体40の幅方向の全長を巻芯30に接合してもよく、一部のみを接合してもよい。
巻芯30の半径は、10〜100mmであるが、10〜50mmであることが好ましく、15〜40mmであることがより好ましい。巻芯30の半径が前記範囲であると、積層体捲回体300から高周波回路用積層体40を引き出して加工する際に、高周波回路用積層体40と巻芯30との接合部(捲回開始部)の段差に起因する、図3に示すような押し跡41が形成されることを効果的に抑制することができる。なお、このような押し跡41は、高周波回路用積層体加工の際に歩留まりの低下の主要因となるため、生産性向上のためには可能な限り抑制するべき巻癖の一つである。
段差部32の高さは、50〜200μmであることが好ましく、60〜180μmであることがより好ましく、70〜150μmであることが特に好ましい。また、段差部32の高さは、高周波回路用積層体20の厚さ(μm)±10μmであることが特に好ましい。段差部32の高さが前記範囲内であると、巻芯30の段差部32と高周波回路用積層体40との接合部における段差が解消されるため、積層体捲回体300の押し跡が形成されることをより効果的に抑制することができる。
巻芯30の材質としては、特に限定されないが、紙、金属、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。巻芯30の材質が紙である場合、樹脂等で表面をコートしてもよい。金属としては、SUS、鉄、アルミニウム等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、スチレン系樹脂(ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、ポリスチレン等)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン類、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド類、シンジオ型ポリスチレン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。巻芯30の材質が熱可塑性樹脂である場合、巻芯30及びその段差部32は、押出成形または切削成形により作製することができる。
前記貼り合わせた高周波回路用積層体をロール状に巻き取る方法は、特に限定されず、高周波回路用積層体やフィルムの製造において使用される方法に従ってよい。
2.高周波回路用積層体
次に、本実施形態に係る積層体捲回体において、巻芯に捲回される高周波回路用積層体について説明する。
本実施形態で用いられる高周波回路用積層体は、金属層と樹脂層とが接して積層されてなるものであり、金属層と樹脂層との間にプライマー樹脂層のような接着層を介在しない。一般的な回路用積層体は、導電機能を担う金属層と絶縁機能を担う樹脂層との密着性を向上させるために、樹脂層と金属層との間に接着層を介在させている。接着層は、主に極性官能基を有する重合体を含有する接着剤を用いて、塗布などの方法によって形成される。しかしながら、このような接着層は、電気特性が悪いので、絶縁機能を担う樹脂層の実効誘電率や実効誘電損失が大きくなってしまい、高周波回路には不適であった。これに対して、本実施形態で用いられる高周波回路用積層体は、接着剤を使用しなくても金属層と樹脂層との密着性が良好であり、金属層と樹脂層とが接して積層されることによって、樹脂層の実効電気特性を劣化させずに高周波回路に適した積層体を得ることに成功した。
本実施形態で用いられる高周波回路用積層体は、樹脂層と金属層との剥離強度が5N/cm以上であることが好ましく、5.3N/cm以上であることがより好ましく、6N/cm以上であることが特に好ましい。本実施形態で用いられる高周波回路用積層体は、上
記範囲の剥離強度を有するため、接着剤を使用しなくても金属層と樹脂層との密着性が良好である。なお、剥離強度は、「IPC−TM−650 2.4.9」に記載されている方法に準じて測定することができる。
本実施形態で用いられる高周波回路用積層体の厚さは、50〜200μmであることが好ましく、60〜180μmであることがより好ましく、70〜150μmであることが特に好ましい。高周波回路用積層体の厚さが前記範囲にあると、薄厚化された高周波回路基板を作製できるだけでなく、巻芯に捲回した場合に巻癖が付きにくくなる。
また、高周波回路用積層体の厚さは、巻芯に段差部が形成されている場合には、段差部の高さ(μm)±10μmであることが特に好ましい。高周波回路用積層体の厚さが前記範囲内であると、巻芯の段差部と高周波回路用積層体との接合部における段差が解消されるため、積層体捲回体の押し跡が形成されることをより効果的に抑制することができる。
以下、本実施形態で用いられる高周波回路用積層体を構成する各層の構成、製造方法について、詳細に説明する。
2.1.樹脂層
本実施形態で用いられる高周波回路用積層体は、樹脂層を備える。樹脂層の弾性率は、0.1〜3GPaであることが好ましく、0.2〜2.5GPaであることがより好ましい。樹脂層の弾性率が前記範囲であると、柔軟性に優れた高周波回路用積層体となるため、より自由な条件で回路基板を製造することができる。樹脂層の弾性率とは、引張弾性率のことであり、JIS K 7161に準じて測定することができる。
樹脂層の23℃における周波数10GHzでの比誘電率は、2〜3であることが好ましく、2.1〜2.8であることがより好ましい。また、樹脂層の23℃における周波数10GHzでの誘電正接は、0.001〜0.01であり、0.002〜0.009であることが好ましい。23℃における10GHzでの比誘電率及び誘電正接が前記範囲であると、高周波特性に優れた回路基板を製造することができる。比誘電率及び誘電正接は、空洞共振器摂動法誘電率測定装置を用いて測定することができる。
また、樹脂層の厚さは、10〜100μmであることが好ましく、20〜90μmであることがより好ましく、25〜80μmであることが特に好ましい。
本願発明では、樹脂層は異なる複数の樹脂層から構成されている態様も含む。樹脂層が複数の樹脂層からなる場合、各樹脂単層の弾性率、比誘電率、誘電正接は、必ずしも上記で記載の好ましい範囲に限定される必要はなく、全体として好ましい範囲となっていればよい。
このような樹脂層の製造方法については、特に限定されないが、樹脂層用組成物を剥離層や金属箔等の基材に塗布したり、押出成形して自立フィルムを作製する等の方法により作製することができる。
樹脂層用組成物の組成は、得られる樹脂層が前記誘電正接を満たすような組成であれば特に限定されないが、重合体、硬化性化合物、必要に応じて硬化助剤、溶媒を含有することが好ましい。
2.1.1.樹脂層用組成物
<重合体>
樹脂層用組成物に含まれ得る重合体としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポ
リアリーレン等、低誘電率かつ低誘電正接の特性を有する公知の材料を適時使用することができるが、特に、下記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り返し単位を有する重合体等を好ましく使用することができる。
Figure 2019051710
〔式(1−1)〜(1−3)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、1〜3級アミノ基、又は1〜3級アミノ基の塩である。nは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。nが2の場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成していてもよい。〕
としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、炭素数1〜6の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、1〜3級アミノ基、又は1〜3級アミノ基の塩が好ましく、フッ素原子、塩素原子、メチル基、ニトロ基、シアノ基、t−ブチル基、フェニル基、アミノ基がより好ましい。nとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
繰り返し単位の一方の結合手に対する他方の結合手の位置は特に限定されないが、繰り返し単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点からメタ位が好ましい。また、繰り返し単位としては、ピリミジン骨格を有する上記式(1−2)で表される構造単位が好ましい。
重合体は、必要に応じて上記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有することができるが、重合体中の上記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り返し単位の含有割合は、重合体における全構造単位の合計を100モル%とした場合に、5〜95モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましい。
上記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り返し単位を有する重合体の合成方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り返し単位を与える単量体と、必要に応じてその他の単量体とを、有機溶媒中、アルカリ金属等と共に加熱することで合成することができる。
上記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り返し単位を有する重合体の重量平均分子量(Mw)の下限は、500であることが好ましく、1,000であることがより好ましく、10,000であることがさらにより好ましく、30,000であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)の上限は、600,000であることが好ましく、400,000であることがより好ましく、300,000であることがさらにより好ましく、200,000であることが特に好ましい。
上記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のうちの少なくとも1種で表される繰り
返し単位を有する重合体のガラス転移温度(Tg)の下限は、150℃が好ましく、180℃がより好ましい。ガラス転移温度(Tg)の上限は、320℃が好ましく、300℃がより好ましい。
重合体は、さらに下記一般式(2)で示される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2019051710
(式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は炭素数1〜20の1価の有機基、c及びdはそれぞれ独立して0〜8の整数、e、f、yはそれぞれ独立して0〜2の整数、Lは、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−又は炭素数1〜20の2価の有機基である。)
及びRで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、1価の鎖状炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等のアルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;ノルボルネニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
及びRで表される炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、上記R及びRで表される基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換した基等が挙げられる。
Lで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基又は炭素数6〜20の2価のフッ素化芳香族炭化水素基等が挙げ
られる。
上記2価の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基、ネオペンチレン基、4−メチル−ペンタン−2,2−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基等が挙げられる。
上記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;ノルボルネニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これら重合体としては、例えば、特開2015−209511号公報、国際公開第2016/143447号、特開2017−197725号公報、特開2018−024827号公報等に記載の重合体を例示できる。
樹脂層用組成物中の重合体の含有割合は、後述する硬化性化合物及び重合体の合計100質量部に対して、10質量部以上90質量部以下であることが好ましい。
<硬化性化合物>
硬化性化合物は、熱や光(例えば、可視光、紫外線、近赤外線、遠赤外線、電子線等)の照射により硬化する化合物であり、後述する硬化助剤を必要とするものであってもよい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、シアネートエステル化合物、ビニル化合物、シリコーン化合物、オキサジン化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、アクリル化合物、メタクリル化合物、ウレタン化合物が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらの中でも、前記重合体との相溶性、耐熱性等の特性上の観点から、エポキシ化合物、シアネートエステル化合物、ビニル化合物、シリコーン化合物、オキサジン化合物、マレイミド化合物、及びアリル化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましく、エポキシ化合物、シアネートエステル化合物、ビニル化合物、アリル化合物、及びシリコーン化合物のうちの少なくとも1種であることがより好ましい。
樹脂層用組成物中の硬化性化合物の含有割合は、樹脂層用組成物100質量部に対して、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、20質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。
<硬化助剤>
硬化助剤としては、例えば、光反応開始剤(光ラジカル発生剤、光酸発生剤、光塩基発生剤)等の重合開始剤を挙げることができる。硬化助剤の具体例としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジスルホニルジアゾメタン化合物、ジスルホニルメタン化合物、オキシムスルホネート化合物、ヒドラジンスルホネート化合物、トリアジン化合物、ニトロベンジル化合物、ベンジルイミダゾール化合物、有機ハロゲン化物類、オクチル酸金属塩、ジスルホン等が挙げられる。これらの硬化助剤は、種類を問わず、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂層用組成物中の硬化助剤の含有割合は、樹脂層用組成物100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
<溶媒>
樹脂層用組成物は、必要に応じて溶媒を含有してもよい。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、1,2−メトキシエタン、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等の多官能性溶媒;スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン等のスルホン系溶媒の他、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数;1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数;1〜4)等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂層用組成物が溶媒を含有する場合、溶媒を除いた樹脂層用組成物100質量部に対して、2000質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。
<その他の成分>
樹脂層用組成物は、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、強化剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、離型剤、発泡剤、前記重合体以外の他の重合体等が挙げられる。
<樹脂層用組成物の調製方法>
樹脂層用組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、重合体、硬化性化合物、及び必要に応じて他の添加剤(例えば、硬化助剤、溶媒、酸化防止剤等の他の成分)を均一に混合することによって調製することができる。また、組成物の形態は、液状、ペースト状等とすることができる。
2.2.金属層
本実施形態で用いられる高周波回路用積層体は、金属層を備える。金属層としては、金属箔やスパッタ膜を使用することが好ましい。金属箔としては銅箔が好ましい。銅箔の種類には電解箔と圧延箔とがあるが、どちらを用いてもよい。
金属層の表面粗さRaは、10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましく、30〜100nmであることが特に好ましい。金属層の表面粗さRaが前記範囲であると、高周波回路用積層体を作成する際に、前記樹脂層と金属層との密着性をより向上させることができる。さらに、高周波回路用積層体の面内での厚みをより均一にすることができ、高周波回路用積層体を捲回させてロール状にする際に樹脂層と金属層の剥離を抑制することができる。なお、金属層の表面粗さRaは、JIS B0601−2001に準拠して測定した「算術平均粗さ」のことをいう。
金属層の厚みは、3〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましく、7〜35μmであることが特に好ましい。
金属層として金属箔を用いる場合、金属箔の表面粗さRaが前記範囲であれば薄厚化し
たものをそのまま用いてもよいが、その表面を物理的または化学的に処理して表面粗さRaを前記範囲に制御したものを用いてもよい。金属箔の表面の粗さを制御する方法としては、金属箔にエッチング処理(酸処理など)、レーザー処理、電解メッキ、無電解メッキ、スパッタ処理、サンドブラストなどの方法があるが、これらに限定されるものではない。
2.3.高周波回路用積層体の製造方法
本実施形態で用いられる高周波回路用積層体の製造方法は、樹脂層と金属層とを接して積層させることができればその方法は特に限定されない。「樹脂層と金属層とが接する」とは、樹脂層の一方の面が金属層と全面に接している場合に限られず、樹脂層の一方の面の少なくとも一部が金属層と接している場合を含む。
以下に、本実施形態で用いられる高周波回路用積層体の好ましい製造例について説明する。
<製造例A>
図4(A)〜図4(D)は、製造例Aの各工程における断面を模式的に示す図である。図4(A)〜図4(D)を参照しながら、製造例Aについて説明する。
(工程A1)
図4(A)に示すように、剥離層10上へ樹脂層用組成物を塗工してBステージ樹脂層12を形成し、「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」(「Bステージシート」ともいう。)を作製する。剥離層10としては、PETフィルム等の公知のフィルムを使用することができる。PETフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、パナック株式会社製パナプロテクトMK38S等を使用することができる。樹脂層用組成物の塗工方法は、公知の塗工方法を使用することができるが、例えばバーコーターを用いて膜厚を調整して塗工することが好ましい。
このように剥離層10へ樹脂層用組成物を塗工した後、オーブン等公知の加熱手段を用いて半硬化状態のBステージ樹脂層12を形成することが好ましい。加熱温度としては、50〜150℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。加熱する際、例えば50〜100℃と100〜150℃等の二段階に加熱してもよい。また、加熱時間の合計は、30分未満が好ましく、20分未満がより好ましい。前記範囲の温度と時間の条件で加熱することにより、膜厚均一性の高いBステージ樹脂層12を作製することができ、また、剥離層10の変質を抑制することにより、製造工程において良好に剥離層10を剥離することができる。
表面に露出しているBステージ樹脂層12の表面粗さRaは、1〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。Bステージ樹脂層12の表面粗さRaが前記範囲であると、高周波回路用積層体を製造する場合、樹脂層と金属層や、樹脂層同士の密着性をより向上させることができる。なお、本願発明におけるBステージ樹脂層の表面粗さRaとは、JIS B0601−2001に準拠して測定した「算術平均粗さ」のことをいう。
Bステージ樹脂層12の弾性率は、1Hzの測定条件で、50℃以上80℃未満での弾性率(MPa)の最大値が1MPa以上であることが好ましく、3MPa以上であることがより好ましい。また、80℃以上200℃以下の温度範囲内での弾性率(MPa)の最小値が20MPa以下であることが好ましく、15MPa以下であることがより好ましい。Bステージ樹脂層の弾性率が各温度範囲であると、高周波回路用積層体を熱プレスして製造した場合に、高周波回路基板の凹凸が抑制されて平滑化することができ、伝送損失を
抑制することができる。
(工程A2)
図4(B)に示すように、工程A1で作製した「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」の露出した樹脂層面13と金属層14とを貼り合わせて「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」を作製する。樹脂層面13と貼り合わせる金属層14の表面粗さRaは、10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましく、30〜100nmであることが特に好ましい。
貼り合わせる際には、「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」の樹脂層面13と金属層14とを重ね合わせた後、さらに加熱したロール(本明細書中において「熱ロール」ともいう。)等を用いて加熱圧着することが好ましい。加熱圧着する際の線荷重は1〜19kN/mが好ましく、5〜18kN/mがより好ましい。加熱圧着の温度としては、50〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましく、70〜130℃が特に好ましい。
また、工程A2では、貼り合わせ直後の「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」を、引き続き、加熱されたロールに接触させたりまたは加熱炉を通したりすることで、アニール処理を行ってもよい。このようなアニール処理は、樹脂の融点以上の温度であればよいが、例えば100〜250℃が好ましく、110〜230℃がより好ましい。加熱する時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜600秒間、より好ましくは10〜300秒間である。熱ロールを用いて、例えば5〜600秒程度の短時間でアニール処理することにより、膜厚均一性の高いBステージ樹脂層を作製することができ、また、剥離層の変質を抑制することにより、製造工程において良好に剥離層を剥離することができる。なお、上述した『貼り合わせ直後の「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」を、引き続き、』処理するとは、積層体の貼り合わせを行う製造ラインにおいて、貼り合わせを行った積層体を製造ラインから取り出すことなく、貼り合わせ処理後に引き続いてインラインで処理する工程である。
(工程A3)
図4(C)に示すように、工程A2で作製した「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」から剥離層10を剥離し、必要に応じて露出した樹脂層面11と金属箔16とを貼り合わせる。「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」から、剥離層10を剥離し、露出したBステージ樹脂層面11と金属層16とを貼り合わせる場合、露出した樹脂層面11と金属層16とを重ね合わせ、さらに熱ロール等を用いて加熱圧着することが好ましい。加熱圧着は工程A2と同様の条件が好ましい。
「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」から、剥離層10を剥離して露出した樹脂層面11の表面粗さRaは、1〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。Bステージ樹脂層の表面粗さRaが前記範囲であると、高周波回路用積層体を製造する場合、樹脂層と金属層や、樹脂層同士の密着性をより向上させることができる。
(工程A4)
図4(D)に示すように、Bステージ樹脂層12を硬化させてCステージ樹脂層18とすることにより、高周波回路用積層体100が得られる。Bステージ樹脂層12を硬化させるために、工程A3で得られた積層体をオーブン等の公知の加熱手段を用いて50〜200℃に加熱することが好ましく、100〜200℃に加熱することがより好ましい。加熱する際、例えば50〜100℃と100〜200℃等の二段階に加熱してもよい。また、加熱時間は5時間未満が好ましく、3時間未満がより好ましい。前記範囲の温度と時間の条件で加熱することにより、Bステージ樹脂層を硬化させた、膜厚均一性の高いCステ
ージ樹脂層を作製することができる。
<製造例B>
図5(A)〜図5(C)は、製造例Bの各工程における断面を模式的に示す図である。図5(A)〜図5(C)を参照しながら、製造例Bについて説明する。
(工程B1)
図5(A)に示すように、金属層20へ樹脂層用組成物を塗工してBステージ樹脂層22を形成し、「金属層/Bステージ樹脂層積層体」を作製する。樹脂層用組成物の塗工方法は、公知の塗工方法を使用することができるが、例えばバーコーターを用いて膜厚を調整して塗工することが好ましい。
このように金属層20へ樹脂層用組成物を塗工した後、オーブン等公知の加熱手段を用いて半硬化状態のBステージ樹脂層22を形成することが好ましい。加熱温度としては、50〜150℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。加熱する際、例えば50〜100℃と100〜150℃等の二段階に加熱してもよい。また、加熱時間の合計は30分未満が好ましく、20分未満がより好ましい。前記範囲の温度と時間の条件で加熱することにより、膜厚均一性の高いBステージ樹脂層22を作製することができる。
(工程B2)
図5(B)に示すように、工程B1で作製した「金属層/Bステージ樹脂層積層体」の露出した樹脂層面23に金属層24を貼り合わせて、「金属層/Bステージ樹脂層/金属層積層体」を作製する。露出した樹脂層面23に金属層24を貼り合わせる場合、露出した樹脂層面23と金属層24とを重ね合わせた後、さらに熱ロール等を用いて加熱圧着することが好ましい。また、加熱圧着は、上記工程A2と同様の条件が好ましい。
また、工程B2では、貼り合わせ直後の「金属層/Bステージ樹脂層/金属層」を、引き続き、加熱されたロールに接触させたりまたは加熱炉を通したりすることで、アニール処理を行ってもよい。アニール処理は、上記工程A2と同様の条件が好ましい。
露出した樹脂層面23の表面粗さRaは、1〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。Bステージ樹脂層の表面粗さRaが前記範囲であると、高周波回路用積層体を製造する場合、樹脂層と金属層の密着性をより向上させることができる。また、樹脂層面23と貼り合わせる金属層24の表面粗さRaは、10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましく、30〜100nmであることが特に好ましい。
(工程B3)
図5(C)に示すように、Bステージ樹脂層22を硬化させてCステージ樹脂層26とすることにより、高周波回路用積層体200が得られる。工程B3では、工程B2で作製した「金属層/Bステージ樹脂層/金属層積層体」をオーブン等公知の加熱手段を用いて50〜200℃に加熱することが好ましく、100〜200℃に加熱することがより好ましい。加熱する際、例えば50〜100℃と100〜200℃等の二段階に加熱してもよい。また、加熱時間は5時間未満が好ましく、3時間未満がより好ましい。前記範囲の温度と時間の条件で加熱することにより、Bステージ樹脂層22を硬化させた、膜厚均一性の高いCステージ樹脂層26を作製することができる。
3.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.重合体の合成
<合成例1>
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BisTMC)(18.6g、60.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(Pym)(8.9g、60.0mmol)、及び炭酸カリウム(11.1g、81.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(64g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(368g)を加えて、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(9.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(P−1)で表される構造単位を有する重合体P−1を得た(収量;20.5g、収率;90%、重量平均分子量(Mw);32,000、ガラス転移温度(Tg);206℃)。
Figure 2019051710
なお、ガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル社製、「DMS7100」)を用いて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で測定し、損失正接が極大となる温度とした。損失正接は、貯蔵弾性率を損失弾性率で割った値とした。
また、重量平均分子量(Mw)は、GPC装置(東ソー社の「HLC−8320型」)を使用し、下記条件で測定した。
カラム:東ソー社の「TSKgel α―M」と、東ソー社の「TSKgel guardcоlumn α」とを連結したもの
展開溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.75質量%
試料注入量:50μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<合成例2>
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BisTMC)(10.7g、34.5mmol)、3,6−ジクロロピリダジン(Pyd)(5.1g、34.2mmol)、及び炭酸カリウム(6.5g、47.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(36g)を加え、窒素雰囲気下、145℃で9時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(150g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この
溶液をメタノール(3kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、合成例1と同じ条件で乾燥し、下記式(P−2)で表される構造単位を有する重合体P−2を得た(収量7.6g、収率48%、重量平均分子量(Mw);30,000、ガラス転移温度(Tg);232℃)。なお、重量平均分子量及びガラス転移温度は合成例1と同様に測定した。
Figure 2019051710
<合成例3>
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BisTMC)(18.6g、60.0mmol)、4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(PhPym)(13.7g、61.1mmol)、及び炭酸カリウム(11.4g、82.5mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(75g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(368g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(9.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、合成例1と同じ条件で乾燥し、下記式(P−3)で表される構造単位を有する重合体P−3を得た(収量20.5g、収率90%、重量平均分子量(Mw);187,000、ガラス転移温度(Tg);223℃)。なお、重量平均分子量及びガラス転移温度は合成例1と同様に測定した。
Figure 2019051710
<合成例4>
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BisTMC)(12.4g、40.0mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(BisA)(2.3g、10.0mmol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ノナン(BisP−DED)(3.3g、10.0mmol)、4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(PhPym)(13.7g、61.1mmol)、及び炭酸カリウム(11.4g、82.5mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(75g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(368g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(9.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収し
た後、合成例1と同じ条件で乾燥し、下記式(P−4)で表される構造単位を有する重合体P−4を得た(収量23.5g、収率87%、重量平均分子量(Mw);165,000、ガラス転移温度(Tg);196℃)。なお、重量平均分子量及びガラス転移温度は合成例1と同様に測定した。
Figure 2019051710
<合成例5>
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BisTMC)(12.4g、40.0mmol)、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール(BisP−MIBK)(2.7g、10.0mmol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ノナン(BisP−DED)(3.3g、10.0mmol)、4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(PhPym)(13.7g、61.1mmol)、及び炭酸カリウム(11.4g、82.5mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(75g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(368g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(9.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、合成例1と同じ条件で乾燥し、下記式(P−5)で表される構造単位を有する重合体P−5を得た(収量23.8g、収率88%、重量平均分子量(Mw);157,000、ガラス転移温度(Tg);190℃)。なお、重量平均分子量及びガラス転移温度は合成例1と同様に測定した。
Figure 2019051710
3.2.実施例1
3.2.1.Bステージ樹脂層/剥離層積層体の作製
重合体P−1を50部、硬化性化合物として2,2’−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(東京化成工業社製)を50部、硬化助剤として1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(三菱化学社製、製品名「BMI 12」)を5部、及びシクロペンタノンを160部混合し、樹脂層用組成物を調製した。
剥離層として、厚さ100μmのPETフィルム(帝人フィルムソリューション社製、テイジンテトロンフィルムG2)上に、硬化後の膜厚が25μmとなるように上記で調製した樹脂層用組成物をバーコーターを用いて塗工し、オーブンを用いて70℃で10分加熱した後、さらに130℃で10分加熱して、PETフィルム上にBステージ樹脂層が積
層された「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」を得た。
<表面粗さRa>
上記で得られた「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」の樹脂層の表面を、白色干渉顕微装置(ZYGO社製 New View 5032)を用いて測定し、JIS B0601−2001に準拠して10μm×10μmの範囲について算出した「算術平均粗さ」を表面粗さRaとした。その結果を表1に示す。
<樹脂層の50℃〜200℃の弾性率測定>
上記で得られた「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」から剥離層(PETフィルム)を剥離し、試験片(幅3mm×長さ2cm)を切り出し、DMS試験器(セイコーインスツル社製)にて、1Hz、10℃/分の測定条件で、50℃以上80℃未満の温度範囲での弾性率(MPa)の最大値及び80℃以上200℃以下の温度範囲での弾性率(MPa)の最小値を測定した。その結果を表1に示す。
3.2.2.金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体の作製
上記で得られた「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」の露出した樹脂層上に、厚さ18μmの銅箔(三井金属社製、型番「TQ−M4−VSP」、表面粗さ110nm)を重ね合わせ、さらに150℃の熱ロールで線荷重10kN/mの条件でプレスし、銅箔/Bステージ樹脂層/PETフィルムの積層構造を有する「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」を作製した。なお、銅箔の表面粗さRaは、白色干渉顕微装置(ZYGO社製 New View 5032)を用いて測定し、JIS B0601−2001に準拠して10μm×10μmの範囲について算出した「算術平均粗さ」を表面粗さRaとした。その結果を表1に示す。
<剥離層剥離後の表面粗さRa>
上記で得られた「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」から剥離層(PETフィルム)を剥離し、露出した樹脂層の表面を、白色干渉顕微装置(ZYGO社製 New View 5032)を用いて測定し、JIS B0601−2001に準拠して10μm×10μmの範囲について算出した「算術平均粗さ」を表面粗さRaとした。その結果を表1に示す。
3.2.3.高周波回路用積層体の作製及び評価
上記で得られた「金属層/Bステージ樹脂層/剥離層積層体」から剥離層(PETフィルム)を剥離し、露出した樹脂層面と厚さ18μmの銅箔(三井金属社製、型番「TQ−M4−VSP」、表面粗さ110nm)とを重ね合わせて載置し、150℃の熱ロールで線荷重10kN/mの条件でプレスし、その後オーブンを用いて250℃で3時間加熱して、Cステージ樹脂層の両面に銅箔が積層された「銅箔(膜厚18μm)/Cステージ樹脂層(膜厚25μm)/銅箔(膜厚18μm)」の積層構造を有する高周波回路用積層体を作製した。なお、銅箔(金属層)の表面粗さRaは、白色干渉顕微装置(ZYGO社製
New View 5032)を用いて測定し、JIS B0601−2001に準拠して10μm×10μmの範囲について算出した「算術平均粗さ」を表面粗さRaとした。その結果を表1に示す。
<引張強度及び引張伸び>
作製した高周波回路用積層体にエッチング処理して銅箔を除去し、評価用樹脂フィルムを作成した。作成した樹脂フィルムからJIS K 7161 7号ダンベル形試験片を用いて試験片を切り出し、島津製作所社製「Ez−LX」を用い、5mm/分で引っ張り、破断した際の応力を引張強度、伸びを引張伸びとして測定した。結果を表1に示す。
<ガラス転移温度(Tg)>
作製した高周波回路用積層体にエッチング処理して銅箔を除去し、評価用樹脂フィルムを作成した。作成した樹脂フィルムから試験片(幅3mm×長さ1cm)を切り出し、DMS試験器(セイコーインスツル社製、型番「EXSTAR4000」)にてガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を表1に示す。
<弾性率>
作製した高周波回路用積層体にエッチング処理して銅箔を除去し、評価用樹脂フィルムを作成した。作成した樹脂フィルムからJIS K 7161 7号ダンベルを切り出し、島津製作所社製「Ez−LX」を用いて、JIS K 7161に準じて5mm/分で引張試験を行い、引張弾性率を測定した。結果を表1に示す。
<電気特性(比誘電率、誘電正接)>
作製した高周波回路用積層体にエッチング処理して銅箔を除去し、評価用樹脂フィルムを作成した。作成した樹脂フィルムから試験片(幅2.6mm×長さ80mm)を切り出し、空洞共振器摂動法誘電率測定装置(アジレントテクノロジー社製、型番「PNA−LネットワークアナライザーN5230A」、関東電子応用開発社製、型番「空洞共振器10GHz用CP531)を用いて10GHzにおける比誘電率及び誘電正接の測定を行った。結果を表1に示す。
<剥離強度>
作製した高周波回路用積層体から試験片(幅1cm×長さ10cm)を切り出し、インストロン社製「Instron5567」を用い、500mm/分の条件で90度方向に引っ張り、「IPC−TM−650 2.4.9」に準拠して剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
3.2.4.積層体捲回体の作製及び評価
上記で作製した高周波回路用積層体を、幅250mm、巻芯半径40mmの厚紙製の巻芯に厚さ10μmの両面テープを幅方向中央に長さ100mmにわたって貼り付けた。その後、作製した高周波回路用積層体を両面テープに接合した後、巻き取り張力150N/mで巻芯に高周波回路用積層体を1,000層に巻き、積層体捲回体を作製した。
作製した積層体捲回体に捲回された高周波回路用積層体を25℃で1ヶ月保存した後、巻芯から積層体を全て巻き戻した。その後、巻き戻した積層体の巻癖を目視で評価した。巻癖が認められない場合は「良好」と判断し、巻癖が激しく、実用に供することができない場合には「不良」と判断した。結果を表1に示す。
3.2.5.回路基板の作製及び評価
上記で作製した高周波回路用積層体の片面を、感光性ドライフィルムを用いて銅箔をパターニングし、ピッチが150μmで線幅がそれぞれ40、45、50、55、60μm、及びピッチが750μmで線幅がそれぞれ200、220、240、260、280μmの銅配線パターンを作製した。次いで、作製した銅配線パターンの表面に、上記で作製した「Bステージ樹脂層/剥離層積層体」をBステージ樹脂層側がパターニングした高周波回路用積層体の銅配線に接するように載置した後、その上に鏡板を乗せ、120℃/3.0MPa/5分のプレス条件で加熱加圧成形後、剥離層(PETフィルム)を剥離して250℃で3時間加熱して、回路基板を作製した。
<伝送損失評価>
上記で作製した回路基板について、測定プローブ(カスケードマイクロテック社製、シングル(ACP40GSG250)、ベクトル型ネットワークアナライザー(Keysi
ght technology E8363B)を用いて25℃における周波数20GHzの伝送損失を測定した。伝送損失が−5dB/100mm以上の場合、良好と判断した。結果を表1に示す。
3.3.実施例2〜7、比較例1〜3
樹脂層用組成物を表1の組成に変更し、金属膜の種類や各種膜厚、積層体捲回体の作製条件を表1のように変更した以外は実施例1と同様の方法で高周波回路用積層体及び積層体捲回体を作製し評価した。結果を表1に示す。
3.4.実施例8
厚さ18μmの銅箔(三井金属社製、型番「TQ−M4−VSP」、表面粗さ110nm)上に、硬化後の膜厚が25μmとなるように、実施例1で作製した樹脂層用組成物をバーコーターを用いて塗工し、オーブンを用いて70℃で10分間加熱した後、さらに130℃で10分間加熱して、銅箔/Bステージ樹脂層の積層構造を有する「金属層/Bステージ樹脂層積層体」を作製した。
作製した「金属層/Bステージ樹脂層積層体」の露出した樹脂層面へ、厚さ18μmの銅箔(三井金属社製、型番「TQ−M4−VSP」、表面粗さ110nm)を重ね合わせ、150℃の熱ロールを用いて線荷重10kN/mの条件でプレスし、その後、オーブンを用いて250℃で3時間加熱し、Cステージ樹脂層の両面に銅箔が積層された、銅箔(膜厚18μm)/Cステージ樹脂層(膜厚25μm)/銅箔(膜厚18μm)の積層構造を有する高周波回路用積層体を作製した。このようにして作製された高周波回路用積層体を用いて、実施例1と同様の方法で積層体捲回体を作製し評価した。結果を表1に示す。
3.5.比較例4
厚さ25μmポリイミドフィルム(東レ社製、商品名「カプトン100H」)の表面に、接着性層を作製するためにマレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製、商品名「タフテックM1913」)をロ−ル塗布した。次いで、この塗膜付きフィルムをオーブン内に静置して、100℃で3分間乾燥させて厚さ25μmの被膜(接着性層)を形成し、「接着性層/ポリイミド層積層体」を得た。
その後、厚さ18μmの銅箔(三井金属社製、型番「TQ−M4−VSP」、表面粗さ110nm)の両面を、作製した「接着性層/ポリイミド層積層体」の接着性層の表面に面接触するように重ね合わせて載置し、120℃の熱ロールで線荷重10kN/mの条件でプレスし、その後オーブンを用いて180℃で圧力3MPaの条件で1分間加熱し、その後、180℃で1時間の加熱を行い、ポリイミド層の両面に銅箔が積層された「銅箔(膜厚18μm)/ポリイミド層(膜厚25μm)/銅箔(膜厚18μm)」の積層構造を有する高周波回路用積層体を作製した。このようにして作製された高周波回路用積層体を用いて、実施例1と同様の方法で積層体捲回体を作製し評価した。結果を表1に示す。
3.6.評価結果
表1に、各実施例及び各比較例で使用した樹脂層用組成物の組成、高周波回路用積層体及び積層体捲回体の評価結果を示す。
Figure 2019051710
上表1中、下記の略称等について補足する。
<硬化性化合物>
・化合物A:2,2’−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(東京化成工業社製)
・化合物B:SR−16H(坂本薬品工業社製、エポキシ当量;160g/eq)
・化合物C:HP−4032D(DIC社製、エポキシ当量;141meq/g)
・化合物D:SR−4PG(坂本薬品工業社製、エポキシ当量;305g/eq)
<硬化助剤>
・硬化助剤A:1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(三菱化学社製、製品名「BMI
12」)
・硬化助剤B:2−エチルオクチル酸亜鉛(和光純薬工業社製)
<溶媒>
・溶媒A:シクロペンタノン(東京化成工業社製)
・溶媒B:塩化メチレン(東京化成工業社製)
<金属層種類>
・電解銅箔A:三井金属株式会社製、品番「TQ−M4−VSP」
・電解銅箔B:三井金属株式会社製、品番「3EC−M3S−HTE」
・圧延銅箔A:JX金属株式会社製、品番「GHY5−HA」
表1の結果より、実施例1〜8で得られた積層体捲回体は、高周波回路における電気信号の伝送損失が低減される高周波回路用積層体を、巻芯に捲回して保管した場合であっても巻癖を効果的に抑制できることがわかった。
10…剥離層、11…樹脂層面(露出面)、12…Bステージ樹脂層、13…樹脂層面(露出面)、14…金属層、16…金属層、18…Cステージ樹脂層、20…金属層、22…Bステージ樹脂層、23…樹脂層面(露出面)、24…金属層、26…Cステージ樹脂層、30…巻芯、32…段差部、40…高周波回路用積層体、41…押し跡(巻癖)、100…高周波回路用積層体、200…高周波回路用積層体、300…積層体捲回体

Claims (5)

  1. 23℃において周波数10GHzにおける誘電正接が0.001〜0.01である樹脂層と、金属層とが接して積層された構造を含む高周波回路用積層体が、半径10〜100mmの巻芯に捲回された、積層体捲回体。
  2. 前記高周波回路用積層体の厚さが50〜200μmである、請求項1に記載の積層体捲回体。
  3. 前記樹脂層の厚さが10〜100μmであり、かつ、前記金属層の厚さが10〜50μmである、請求項1または請求項2に記載の積層体捲回体。
  4. 前記樹脂層の弾性率が0.1〜3GPaである、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の積層体捲回体。
  5. 前記高周波回路用積層体の前記樹脂層と前記金属層との剥離強度が5N/cm以上である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の積層体捲回体。
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