JP2007152601A - ボールペン用ボール及びその製造方法 - Google Patents

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洋 伊東
Isao Konuki
勲 小貫
Yosuke Kurosawa
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Abstract

【目的】 長期経時してもボールが腐食しにくく、軽く滑らかな書き味と潤滑性を維持するボールペンを提供する。
【構成】 ボールペン用ボールの表面にリン酸及び/またはその塩を付着させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、長期経時した後でもボール表面が腐食しにくく、書き味が重くならないボールペン用のボールに関する。
ボールペン用ボールは、結合成分としてクロムやコバルトなどを含有するタングステンカーバイドの焼結体である、いわゆる超硬材などの金属製ボールのものが知られている。金属を使用したボールは、インキや空気中の水分などの水と接触することによって、長期経時によりボール中に含有している金属が溶出するいわゆる腐食が発生する。金属が溶出すると、炭化タングステン粒子が表面にむき出しになったり、さらに溶出が進行すると炭化タングステンの粒子が剥がれ落ちたりして、ボール表面が凸凹となり、書き味の滑らかさが失われる場合があった。
これを防止するために、インキ中に一般的な金属防錆剤であるカルボキシベンゾトリアゾール(特許文献1)、気化性の防錆剤であるジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩(特許文献2)、潤滑性を併せ持つポリオキシアルキルエーテルリン酸(特許文献3)を添加して腐食防止する例が知られている。を添加して腐食防止する例が知られている。
特開平8−199107号(2頁左欄上から45行目〜同右欄3行目) 特開平10−130563号(4頁左欄上から16行目〜19行目) 特開平10−279876号(2頁右欄上から23行目〜29行目)
保管中のインキの漏れやインキ乾燥を防止するために、合成樹脂製ホットメルト剤で、ボールとボールホルダーとの隙間を塞いでペン先部を覆うと、ボールと合成樹脂製ホットメルト剤の間に水分が溜まり局部電池を形成してボールの腐食が発生することがある。これは熱など周囲の環境によりボールペンチップ小口周辺にあるインキから蒸発した水分が、ホットメルト剤に阻まれて移動できずにホットメルト剤とボールの間に溜まったり、または吸湿性の高い樹脂(例えばポリアミド等)では外部環境から水分を吸収し、それがボールとホットメルト剤の隙間に溜まるためと考えられる。この場合、ボールとインキ接触部の溶存酸素とボールのホットメルト被覆部との酸素および溶存酸素の濃度差によって起きる通気差腐食で、酸素濃度の小さい方が腐食する。ボールのインキ側が腐食するか、ホットメルト側が腐食するかは、還元剤等のインキ中の成分や高温度・多湿度等の外部環境に影響を受ける。したがって、防錆剤を単にインキに添加しただけでは、例えばホットメルト側のボール表面が腐食した場合には、ホットメルト側に防錆剤が存在しないので、腐食が発生し、滑らかな書き味を損なう問題点があった。また、インキ中に添加することで、長期経時においては、インキ中の他成分と反応し、腐食防止効果や潤滑効果は十分とはいえなかった。
即ち、本発明は、表面にリン酸及び/またはその塩を付着させたボールペン用ボールを要旨とするものである。
リン酸及び/またはその塩は、ボール表面金属を網目状に被覆し、さらに緩衝(溶液が水を含む場合でもpHの変化をほとんど起こさない)作用を持つため、ボール表面周辺でのpH低下を抑制し、ボール表面に存在する溶存酸素(インキと接している場合は、インキ中の溶存酸素、ホットメルトと接している場合は、ホットメルトを通して吸収した外部環境の水分中に存在する溶存酸素)がボール表面金属への酸化膜の形成を阻害しないので、金属の溶出が少なくなる。したがって、ボールから金属が溶出しないので、炭化タングステン等の粒子も脱落しなくなるため、ボール表面が凸凹とならず、長期経時した後でも書き味が重くなったりボールの回転が阻害されたりせず、書き味が維持される。
またリン酸及び/またはその塩中のリンがボール表面金属に強力に吸着し、リン酸及びまたはその塩の水に不溶な分子層が形成されるので長期にわたって安定な潤滑性を発揮し得るものと推察される。
ボールは炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素などの焼結体が使用できる。これら炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素などの焼結体には、通常粒子同士の隙間を埋め、固く接着させるための鉄、コバルト、クロム、ニッケル、チタン等の金属が配合されている。これらの金属は通常、ボール全重量に対して20重量%未満が好ましい。
これらのボールの処理は、リン酸及び/またはその塩を含有する処理液にて、ボール又はボールをボールホルダーに把持させたチップを浸漬し、均一にボールを濡らすことによってなすことができる。このときに反応速度を速めるために、適宜冷却、加温してもよい。これを一定時間放置後取り出し、そのままもしくは洗浄して乾燥することで処理出来る。処理液として、リン酸及び/またはその塩を溶液にするときの溶剤としては、上記化合物を溶解できるものなら何でも良く、水や、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の有機溶剤が用いられる。また、処理液のpHは、用いる処理材料の種類によって、従来公知の酸性あるいは塩基性物質を添加して適宜調整してもよい。
処理液の濃度は0.015mol/l以上0.5mol/l以下の溶液で処理するのが好ましい。濃度を0.5mol/lより濃くしても、腐食防止効果は望めず不経済である。また、濃度が0.015mol/l未満だと、ボールの皮膜形成が充分に行われず長期経時で腐食を発生するおそれがある。
本発明で使用できるリン酸またはその塩は、オルトリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、オルトリン酸塩、オルト水素リン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩である。使用できる物質の具体例としては、オルトリン酸塩の例として、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸ルビジウム、リン酸ベリリウム、リン酸三カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン等が、オルト水素リン酸塩の例として、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸一水素ルビジウム、リン酸二水素ルビジウム、リン酸二水素セシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二カルシウム、リン酸水素バリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等が、ポリリン酸塩の例として、三リン酸五ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、トリリン酸カリウム、ピロリン酸マグネシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄等が、メタリン酸塩の例として、メタリン酸リチウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム挙げられる。これらは1種もしくは2種以上を混合して使用できる。
本発明に使用できるボールペンチップは、従来より使用されているボールペンチップを用いることができる。例えば、上記の方法で、リン酸及び/またはその塩を含む処理液に浸漬したボールを、ステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成したボールホルダーに、ボールの一部を突出した状態で抱持させるボールペンチップが挙げられる。
本発明で、筆跡・塗布跡を形成するインキとしては、水を主媒体とする所謂水性インキにて好適に使用できる。水性インキは主溶剤である水の他に、着色剤、粘度調整剤、界面活性剤、水溶性有機溶剤等を配合したものである。これらの水性インキの成分が主成分であれば、ほかに、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶剤の他に、各種の油溶性染料、酒精染料及び/又は各種の顔料からなる油性インキを添加してもよい。尚、水を配合しない油性インキと称されるのもでの使用を排除するものではない。
水性インキに使用する、着色剤としては、従来水性インキ組成物に用いられている染料、顔料ともに限定無く使用可能であるが、その具体例を挙げると染料としては、ジャパノ−ルファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォ−タ−ブラック100L(同19)、ウォ−タ−ブラック108L(同19)、ウォ−タ−ブラック191L(同19)、ウォ−タ−ブラックL−200(同19)、ウォ−タ−ブラック#7(同19)、カヤセットブラックW9(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディ−プブラックEX(同38)、ダイレクトディ−プブラック(同38類似品)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤクダイレクトブリリアントエロ−G(C.I.ダイレクトエロ−4)ダイレクトファストエロ−5GL(同26)、アイゼンブルムラエロ−GCLH(同44)、ダイレクトファストエロ−R(同50)、ダイワIjイエロー306H(同132)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカ−レットGSX(同4)、ダイレクトファストスカ−レット4BS(同23)、アイゼンダイレクトデュリンBH(同31)、ダイレクトスカ−レットB(同37)、カヤクダイレクトスカ−レット3B(同39)、アイゼンブリムラビンコンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンブリムラレッド4BH(同81)カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトロ−ズFR(同227)ダイレクトスカイブル−6B(C.I.ダイレクトブル−1)、ダイレクトスカイブル−5B(同15)、ベンゾブリリアントスカイブル−8GS(同41)、スミライトスプラブル−BRRコンク(同71)、ダイボ−ゲンタ−コイズブル−S(同86)、ウォ−タ−ブル−#3(同86)、カヤラスタ−コイズブル−GL(同86)、ダイワブル−215H(同87)、カヤラススプラブル−FF2GL(同106)、カヤラススプラブル−FFRL(同108)カヤラススプラタ−コイズブル−FBL(同199)などの直接染料や、アシッドブル−ブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、ウォ−タ−ブラックR455(同2)、ウォ−タ−ブラックR510(同2)、スミノ−ルミリングブラック8BX(同24)、カヤノ−ルミリングブラックVLG(同26)、カヤノ−ルミリングブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパ−ルブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノ−ルミリングブラックTLB(同109)、スミノ−ルミリングブラックB(同109)、カヤノ−ルミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパ−ルブラックニュ−コンク(同119)、ウォ−タ−ブラック187−L(同154)アシッドイエロ−#10(C.I.アシッドエロ−1)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(同7:1)、カヤシルエロ−GG(同17)、キシレンライトエロ−2G140%(同17)、スミノ−ルレベリングエロ−NR(同19)、ウォ−タ−イエロ−#1(同23)、ダイワタ−トラジン(同25)、カヤクタ−トラジン(同23)、スミノ−ルファストエロ−R(同25)ダイアシッドライトエロ−2GP(同29)、スミノ−ルミリングエロ−O(同38)、スミノ−ルミリングエロ−MR(同42)、ウォ−タ−イエロ−#6(同42)、カヤノ−ルエロ−NFG(同49)、スミノ−ルミリングエロ−3G(同72)、スミノ−ルファストエロ−G(同61)、スミノ−ルミリングエロ−G(同78)、カヤノ−ルエロ−N5G(同110)、スミノ−ルミリングエロ−4G200%(同141)、カヤノ−ルエロ−NG(同135)、カヤノ−ルミリングエロ−5GW(同127)、カヤノ−ルミリングエロ−6GW(同142)、スミトモファストスカ−レットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカ−レット(同9)、ソ−ラ−ルビンエクストラ(同14)、ダイワニュ−コクシン(同18)、ウォ−タ−スカ−レット(同18)、ダイワ赤色102号(同18)、アイゼンボンソ−RH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノ−ルレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノ−ル3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドロ−ダミンFB(同52)、ダイワ赤色106号(同52)、スミノ−ルレベリングルビノ−ル3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノ−ルF3G200%(同82)、アリザリンルビノ−ル5G(同83)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォ−タ−レッド#2(同87)、ダイワ赤色103WB(同87)、ウォ−タ−ピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ダイワ赤色104号(同92)、ロ−ズベンガル(同94)、カヤノ−ルミリングスカ−レットFGW(同111)、カヤノ−ルミリングルビン3BW(同129)、スミノ−ルミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノ−ルミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパ−ルピンクBH(同186)、スミノ−ルブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノ−ルミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、ウォ−タ−バイオレット#1(同49)、ウォ−タ−バイオレット#5(同49)、ダイワ紫1号(同49)、バイオレットL10(同49)、スミトモパテントピュァブル−VX(C.I.アシッドブル−1)、ウォ−タ−ブル−#106(同1)、パテントブル−AF(同7)、ウォ−タ−ブル−#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、ブル−L20(同9)、スプラノ−ルブル−B(同15)、ウォ−タ−ブル−#116(同15)、オリエントソルブルブル−OBC(同22)、オリエントソルブルブル−OBX(同22)、スミノ−ルレベリングブル−4GL(同23)、ミツイナイロンファストブル−G(同25)、カヤシルブル−AGG(同40)、カヤシルブル−BR(同41)、ミツイアリザリンサフィロ−ルSE(同43)、スミノ−ルレベリングスカイブル−Rエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブル−R(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/e(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォ−タ−ブル−#115(同90)、ウォ−タ−ブル−#105(同90)、オリエントソルブルブル−OBB(同93)、スプラノ−ルシアニン7BF(同100)、スミトモブリリアントブル−5G(同103)、アシッドブル−(同103)、アシランブリリアントブル−FFR(同104)、カヤノ−ルミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノ−ルミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパ−ルシアニン2GLH(同158)、ダイワギニアグリ−ンB(C.I.アシッドグリ−ン3)アシッドブリリアントミリンググリ−ン(同9)、ダイワグリ−ン#70(同16)、カヤノ−ルシアニングリ−ンG(同25)、スミノ−ルミリンググリ−ンG(同27)、ウォ−タ−オレンジ#17(C.I.アシッドオレンジ56)などの酸性染料、ウォ−タ−イエロ−#2(C.I.フ−ドエロ−3)などの食用染料、マラカイトグリ−ン(C.I.42000)、ビクトリアブル−FB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ロ−ダミンF4G(C.I.45160)、ロ−ダミン6GCP(C.I.45160)などが例示できる。
顔料としては、Special Black 6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#40、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX8、同12、BLACK PEARLS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825OilBeads 、同H20、同C、Conductex 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カ−ボン日本(株)製)等のカ−ボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)等の酸化チタン、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、コバルトブル−、クロムグリ−ン、酸化クロム等の無機顔料、ハンザエロ−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロ−、パ−マネントエロ−NCG、タ−トラジンレ−キ、キノリンエロ−、スダ−ン1、パ−マネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パ−マネントブラウンFG、パラブラウン、パ−マネントレッド4R、ファイヤ−レッド、ブリリアントカ−ミンBS、ピラゾロンレッド、レ−キレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカ−ミン6B、ボルド−5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリブル−レ−キ、フタロシアニンブル−、インジゴ、アシッドグリ−ンレ−キ、フタロシアニングリ−ン等の有機顔料、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダ−P−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダ−3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)等の金属粉顔料が挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料、その他公知の有機蛍光顔料が挙げられる。前記した着色剤は、単独或いは、他との組み合わせにより使用でき、その使用量は色調等によっても異なるが、水性組成物全量に対して0.5〜20重量%が好ましい。
更に、顔料インキ組成物の場合、顔料を水性媒体に分散した水性インキ組成物ベ−スを用いることは、顔料インキ組成物製造上有利なことである。具体的には、チバスペシャリティケミカルズ(株)製のunisperseシリーズ、クラリアントジャパン(株)製のHostfineシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のDisperseシリーズ、Ryudyeシリーズ、富士色素(株)製のFuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製のMicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製のRio Fastシリーズ、EM Colorシリーズ、住化カラー(株)製のPoluxシリーズ、(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製のNKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製のコスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製のシンロイヒ・カラーベースシリーズ(以上、蛍光顔料の分散体)等が挙げられるものであり、これらは一種もしくは二種以上混合して用いることができる。また、染料、顔料、分散顔料は混合して使用することもできる。
また、必要に応じて、ボールペン用インキとしての適切な粘度物性を得るために増粘剤を添加してもよい。その具体例として天然系のアラビアガム、トラガントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、ウェランガム、ラムザンガム、キサンタンガム、デキストラン、レオザンガム、アルカシーガム、半合成系のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、合成系のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル酸とメタクリル酸アルキルの共重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩などが挙げられる。
水性インキとするための液媒体の主溶剤として水を使用できる。更に、水性インキとしての種々の品質、例えば、低温時での水性インキ凍結防止、ペン先での水性インキ乾燥防止等の目的で従来公知の水溶性有機溶剤を使用することが可能である。水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用することができる。その使用量は水性インキ全量に対して10.0重量%以上60.0重量%以下が好ましい。
上記以外に、各種高分子分散剤や界面活性剤が使用できる。例示すれば、高分子分散剤として、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、メチルセルロ−ス、カルボキシセルロ−ス、ヒドロキシメチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ−ル等の非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、脂肪酸塩類、高級アルコ−ル硫酸エステル塩類、液体脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
また、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料などを被筆記面に定着させるためにスチレン−アクリル共重合体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水溶性樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合物などの水不溶性樹脂、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸や燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属の水酸化物やアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のpH調整剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質等といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
製造されたボールペンのユーザーがはじめて使用するまでのインキ漏れの防止やインキ乾燥防止、未使用であることの表示などの目的で、ボールペンチップの先端に、ボールとボールホルダーとの隙間を閉塞する合成樹脂材料を配置することもできる。これは、熱可塑性の合成樹脂を溶融させて必要部分に玉状に付着させたもので、合成樹脂ホットメルト剤などと称されている。このホットメルト剤としては、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を主剤とする混合物やエチレンビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、軟質プラスチック、ワックスを主剤とする混合物などが好適に使用される。具体的な商品として、ポリアミド樹脂を主剤とするものにはセメダイン(株)ホットメルト剤HM360、HM370、HM373や、ダイアボンド工業(株)ホットメルト剤メルトロンA703T、同A704、同A705、同A706、同A707、同1Y15などが挙げられ、エチレンビニルアルコールを主剤とするものには、セメダイン(株)のホットメルト剤HM200,同202,同207,同210,同223,同204、同320、同326,同409,同712や、ヒロダイン(株)の1585,2017,2025,2030,2040,2060,2090,2256,2265などがある。これら一種もしくは二種以上の混合物を使用できる。また、これらに、テルペン系樹脂やロジン系樹脂などの粘着性付与剤やパラフィン系オイルなどの軟化剤、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、無機・有機顔料などの充填剤、ゼオライト、シリカゲル等の吸着剤等を必要に応じて添加することもできる。
ボールペンチップのボールとボールホルダーとの隙間を合成樹脂ホットメルト剤にて塞ぐ方法についてその一例を説明する。ホットプレート等の加熱機器上に、エチレングリコール等の高沸点溶剤を入れた油浴を設置し、この油浴にポリアミド系ホットメルト剤のペレットを適量入れた容器を浸し、ヒーターにて加熱し、前記油浴の温度を210℃程度に設定して、容器内のポリアミド系ホットメルト剤のペレットを溶融状態とする。次いで、ボールペンチップをボールとボールホルダーとの隙間が埋まるように漬けて、一秒後に引き上げ、30秒〜60秒放置して、ポリアミド系ホットメルト剤を冷却固化させる。尚、油浴を使用せずに、ペレットが入った容器を直接ホットプレートなどで加熱しもよい。
インキを収容するものとしては各種の繊維を束ねたいわゆる中綿と呼ばれるものや、インキを直接パイプ充填する方式のものが使われるが、インキを直接充填するパイプの材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が使用可能であるが、透湿性、透明性、コスト等を考えるとポリプロピレン製が好ましい。
本発明のボールペンの製造に当たって、インキの充填は従来一般的に行われている方法で充填することで特に問題は無い。例えば、インキ収容管に直接インキを充填する場合、減圧下にインキを放置してインキ中の溶存気体を不飽和としたインキを充填したり、インキを充填したボールペンを常圧下又は減圧下で遠心したりしてインキ中又は逆流防止体中に存在する気泡を除去することは経時的に気泡が発生してチップ先端でインキの吐出を妨げることを防止する意味で有効である。ここにおいて、減圧下で遠心するには、遠心しながら徐々に又は一気に減圧する方法、最初に減圧しておいてから遠心する方法、遠心しながら減圧しておいてから減圧を緩めた後再度減圧する方法、場合によってはこの減圧と減圧を緩めることを繰り返し行う方法等がある。
使用したインキの配合は以下の通りである。例中の部は重量部を示す。
(インキ1)
Water Blue 9(C.I.AcidBlue1、オリエント化学工業(株)製) 4.2部
ダイワレッド106WB(C.I.AcidRed52、ダイワ化成(株)製)0.6部
エチレングリコール 10.0部
ジエチレングリコール 8.0部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン(株)製) 0.2部
サルコシネートOH(オレオイルサルコシン、日光ケミカルズ(株) 1.0部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5部
水 75.2部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水50部を攪拌しながら加えプロペラ攪拌機で1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまでさらに1時間攪拌し、その後トリエタノールアミンでpHを8.5に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターでろ過し、粘度が800mPa・sである青色インキを得た。
(インキ2)
Water Blue 9(C.I.Acid Blue1,オリエント化学工業(株)製) 1.2部
Water Yellow 6C(C.I.Acid Yellow42,オリエント化学工業(株)製) 1.0部
NKW−2105E(蛍光黄色着色エマルション、日本蛍光化学(株)製) 15.0部
POLUX BLUE PC−5T1020(青色顔料分散体、住化カラー(株)製)
1.0部
エチレングリコール 10.0部
ジエチレングリコール 8.0部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン(株)製) 0.2部
レオザン(サクシノグルカン、三晶(株)製) 0.5部
ハイドロキノンスルホン酸カルシウム 0.5部
水 62.6部
上記成分のうち、レオザンの全量を水の全量に攪拌しながら加え、プロペラ攪拌機で1時間攪拌してレオザンの水溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまでホモジナーザーで30分間攪拌し、その後2−アミノ2−メチル−プロパンジオールでpHを9.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターでろ過し、粘度が1500mPa・sである緑色インキを得た。
(インキ3)
FUJI SP ブラック 8922(カーボンブラック水性インキベース、冨士色素(
株)製) 20.0部
水 27.9部
グリセリン 15.0部
エチレングリコール 15.0部
NIKKOL DDP−10(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、日光ケミカルズ(株)) 0.5部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン(株)製) 0.2部
ペミュレンTR−1(アクリル酸―メタクリル酸アルキル共重合体、ノベオン社(米国)製)2%水溶液 21.0部
上記成分のうち、ペミュレンTR−1の2%水溶液以外をプロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターでろ過し、粘度が1200mPa・sである筆記具用黒色水性インキを得た。
(処理液1)
リン酸亜鉛7.3gを、pH=2.0に調整したリン酸水溶液92.70gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌して処理液1を得た。このとき、リン酸亜鉛水溶液の濃度は0.45mol/lであった。
(処理液2)
リン酸鉄0.76gを、pH=3.0に調整したリン酸水溶液99.24gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌して処理液2を得た。このとき、リン酸鉄水溶液の濃度は0.05mol/lであった。
(処理液3)
リン酸カルシウム2.74gを、pH=2.5に調整したリン酸水溶液97.26gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌して処理液3を得た。このとき、リン酸カルシウム水溶液の濃度は、0.20mol/lであった。
(処理液4)
トリリン酸ナトリウム7.20gを、pH=2.0に調整したリン酸水溶液92.80gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌して処理液4を得た。このとき、トリリン酸ナトリウム水溶液の濃度は、0.18mol/lであった。
(処理液5)
リン酸亜鉛0.16gを、pH=2.0に調整したリン酸水溶液98.40gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌して処理液5を得た。このとき、リン酸亜鉛水溶液の濃度は、0.01mol/lであった。
(処理液6)
カルボキシベンゾトリアゾールの2.0gをエタノール98.0gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌して処理液6を得た。
(ボールペンチップ1)
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、処理液1に浸漬し、超音波で30分処理した後、水で洗浄してから50℃で2時間乾燥して、ボール表面の任意の20μm×20μmに存在するリン濃度が28原子%であるボールペンチップを得た。
(ボールペンチップ2)
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、処理液2に浸漬し、超音波で1時間処理した後、水で洗浄してから50℃で2時間乾燥して、ボール表面の任意の20μm×20μmに存在するリン濃度が8原子%であるボールペンチップを得た。
(ボールペンチップ3)
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを処理液3に浸漬し、超音波で1時間処理した後水で洗浄してから50℃で2時間乾燥して、ボール表面の任意の20μm×20μmに存在するカルシウム濃度が17原子%であるボールペンチップを得た。
(ボールペンチップ4)
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを処理液4に浸漬し、超音波で1時間処理した後水で洗浄してから50℃で2時間乾燥して、ボール表面の任意の20μm×20μmに存在するリン濃度が15原子%であるボールペンチップを得た。
(ボールペンチップ5)
ボールに炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを用い、処理液1の代わりに、処理液5を用いた以外はボールペンチップ1と同様に為して、ボール表面の任意の20μm×20μmに存在するリン濃度が1原子%であるボールペンチップを得た。
(ボールペンチップ6)
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。このとき、ボール表面の任意の20μm×20μmにおいて、リンおよびカルシウムはいずれも検出されなかった。
(ボールペンチップ7)
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。このとき、ボール表面の任意の20μm×20μmにおいて、リンおよびカルシウムはいずれも検出されなかった。
(ボールペンチップ8)
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.3mmのボールを取り付けたハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、処理液6に浸漬し、超音波で30分処理した後エタノールで洗浄してから50℃で2時間乾燥して、ボールペンチップを得た。このとき、ボール表面の任意の20μm×20μmにおいて、リンおよびカルシウムはいずれも検出されなかった。
(ホットメルト剤取り付け工程1)
ポリアミド系ホットメルト剤メルトロンA704(ダイアボンド(株))のペレットを500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、該ポリアミド系ホットメルト剤メルトロンA704の温度が200℃となるようにしたものにボールペンチップ先端を1秒間漬けて、引き上げ、60秒間放置して、ポリアミド系ホットメルト剤を冷却固化した。
(ホットメルト剤取り付け工程2)
エチレンビニルアルコール系ホットメルト剤HM200(セメダイン(株))のペレットを500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を210℃に設定し、該エチレンビニルアルコール系ホットメルト剤HM200の温度が190℃となるようにしたものにボールペンチップの先端を1秒間漬けて、引き上げ、60秒間放置して、エチレンビニルアルコール系ホットメルト剤を冷却固化した。
ハイブリッド(KN103、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のインキ収容管に上記の水性インキを充填したものに、上記のボールペンチップを取り付け、上記のホットメルト剤取り付け工程にてボールとボールホルダーの先端開口部との隙間を閉塞し、遠心処理を経て得た評価用の水性インキ用ボールペンを用いて各種試験を行った。
各実施例、比較例の評価用の水性インキ用ボールペンのチップ、インキ、ホットメルト剤取り付け工程と、各種試験による評価結果を表1に示す。表中にある「経時後」とは、ボールペンを50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置したボールペンを示す。
尚、実施例、比較例のインキ組成物の粘度の測定は、全て東機産業(株)製TVE−20H型粘度計でコーンローター(1度34分、R24)を使用し、1.0rpm(剪断速度3.83s−1)にて測定した。測定した時の温度は25℃であった。
また、実施例、比較例のボールペンチップに用いたボールのリン濃度およびカルシウム濃度は、オージェ電子分光法による測定機器、EMASII((株)日電アネルバ製)を用いて、加速電圧5kvで、ボール表面の任意の20μm×20μmを測定した。
(試験1:書き味の軽さ、滑らかさ)
筆記抵抗値を測定した。筆記抵抗値は自動筆記機を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度2mm/秒、筆記角度70度の条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を測定し、表1の「筆記抵抗値」の欄に示した。
(試験2:ボールの経時腐食)
ボール表面の粗さ(算術平均粗さ)の変化を原子間力顕微鏡にて測定した。初期状態のボールは、ボールの任意の20μm×20μmの表面粗さを、経時後のボールは顕微鏡で腐食したと思われる部分を確認し、そのうちもっとも荒れた部分の任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定し、表1の「ボールの表面粗さ」の欄に示した。測定は(株)セイコーインスツルーメンツ社製、走査型プローブ顕微鏡SPI−400を用いて行った。単位はnm。
(試験3:潤滑性)
水性インキを充填した直後のボールペン(初期)の0m〜200mの吐出量と50℃50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置したボールペンの0m〜200mの吐出量の比を百分率で表1の「経時吐出安定性」の欄に示した(吐出安定性(%)=50℃経時後の0m〜200mの吐出量/初期の0m〜200mの吐出量×100)。測定は、自転式連続螺旋筆記試験機(MODEL TS−4C−20、精機工業研究所製)にて、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)に筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で連続筆記した。
Figure 2007152601
以上、詳細に説明したように本発明は経時的にボールの腐食が少なく、軽く滑らかな書き味が長期的に維持されるボールペン用ボールに関するものである。

Claims (3)

  1. 表面にリン酸及び/またはその塩を付着させたボールペン用ボール。
  2. 前記ボール表面における、オージェ電子分光法により測定したリンの濃度が、ボール表面の任意の20μm×20μmの面積中に5原子%以上30原子%以下である請求項1に記載のボールペン用ボール。
  3. 前記ボールを、リン酸及び/またはその塩を0.015mol/l以上0.5mol/l以下の濃度で含有する処理液にてボール表面にリン酸及び/またはその塩を付着させる請求項1又は請求項2に記載のボールペン用ボールの製造方法。
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