JP2007152586A - 射出成形機における温度調節機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸引き現象の発生を好適に抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる射出成形機における樹脂冷却機構を提供する。
【解決手段】第3流路14cは、射出成形機の射出ノズル11の外面の近傍に一端が配置され、他端側から供給された冷却空気及び加熱空気を射出ノズル11の外面に噴射する。供給制御部24は、第3流路14cに対して冷却空気及び加熱空気を供給するとともに、それら空気の供給を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】第3流路14cは、射出成形機の射出ノズル11の外面の近傍に一端が配置され、他端側から供給された冷却空気及び加熱空気を射出ノズル11の外面に噴射する。供給制御部24は、第3流路14cに対して冷却空気及び加熱空気を供給するとともに、それら空気の供給を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、射出成形機における樹脂の温度調節機構に関するものである。
一般に、射出成形機による成形サイクルは、射出成形機の加熱シリンダ(射出ノズル)内において成形材料(樹脂チップ)を加熱溶融する工程(加熱溶融工程)、その加熱溶融された樹脂をノズルから射出して成形金型内に充填する工程(充填工程)、該充填された樹脂を冷却して固化させて離型する工程(冷却工程)を行うことを1サイクルとしている。
従来、こうした成形サイクルタイムを短縮化することにより、成形品の生産性を向上させることが要望されている。しかし、成形サイクルタイムを単純に短縮化することは困難であり、例えば冷却工程の時間を短縮した場合には、成形品の離型時に射出ノズルの樹脂射出口部位で樹脂が好適に切断されず、成形品に樹脂糸が残る糸引き現象が生じてしまうおそれがある。こうした糸引き現象が生じると、その糸が金型内に残り、次のサイクルで成形される成形品に該糸が混入してしまい、該成形品が不良品となって歩留まりが低下してしまうおそれがある。このため、こうした糸引き現象の発生を抑制することが必要となる。
そこで従来、例えば特許文献1や特許文献2に記載される糸引き防止技術が提案されている。
詳しくは、特許文献1においては、射出ノズルの外面に向けて冷却用気体を噴出することによって該射出ノズルの樹脂射出口部位の温度を低下させ、これにより成形品離型時における樹脂の好適な切断を促進させるようになっている。このため、それ以前に比べて冷却時間を短縮しても糸引き現象が抑制される。
詳しくは、特許文献1においては、射出ノズルの外面に向けて冷却用気体を噴出することによって該射出ノズルの樹脂射出口部位の温度を低下させ、これにより成形品離型時における樹脂の好適な切断を促進させるようになっている。このため、それ以前に比べて冷却時間を短縮しても糸引き現象が抑制される。
また、特許文献2においては、射出ノズル内の樹脂流路における樹脂射出口部位に、該樹脂流路の中心に溶融樹脂が流れることを阻害する阻害部材(駒部材)を配設している。通常、樹脂の凝固は外面部位から始まり、温度が低下しにくい中心部位が最後に凝固する。このため、樹脂射出口部位に前記阻害部材を配設することにより、該樹脂射出口における樹脂流路の中心部位に溶融樹脂が流れにくくなるため樹脂の凝固が促進され、冷却時間を短縮しても糸引き現象が抑制される。
よって、これら従来の技術により、成形サイクルタイムの短縮化が可能となる。
特開2003−211513号公報
特開2001−246642号公報
ところが、例えば特許文献1のように射出ノズルの冷却を行った場合には、次の成形サイクルにおける加熱溶融工程においては再び射出ノズルを加熱して内部の樹脂を溶融させる必要があるため、射出ノズルを冷却してしまうと、樹脂を溶融するために必要な加熱時間が若干長くなってしまう。
また、例えば特許文献2のように樹脂流路に阻害部材を配設した場合には、何も配設しない場合よりも樹脂流路内における樹脂の流動性が低下してしまうため、充填工程に要する時間が長くなってしまう。
近年では、よりいっそう生産性を向上させるために、更なる成形サイクルタイムの短縮化が要望されていることから、こうした時間のロスも軽視できない。
また、前記従来の技術をもってしても、更なる成形サイクルタイムの短縮を行うべく冷却時間の更なる短縮化を図ると、前記糸引き現象が生じてしまって歩留まりが悪化してしまうため、更なる成形サイクルタイムの短縮は事実上困難であった。
また、前記従来の技術をもってしても、更なる成形サイクルタイムの短縮を行うべく冷却時間の更なる短縮化を図ると、前記糸引き現象が生じてしまって歩留まりが悪化してしまうため、更なる成形サイクルタイムの短縮は事実上困難であった。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、糸引き現象の発生を好適に抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる射出成形機における樹脂冷却機構を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、内部に設けられた樹脂流路内に供給される樹脂材料を加熱機構によって加熱溶融するとともにその溶融樹脂を成形金型内に射出する射出ノズル内に、流体からなる冷却媒体及び加熱媒体が流通するように、または、前記射出ノズルの外面における射出口側端部に前記冷却媒体及び前記加熱媒体を噴射するように配設された媒体流通部と、該媒体流通部内に前記冷却媒体及び前記加熱媒体を供給するとともに、それら媒体の供給を制御する媒体供給制御手段とを備えたことを要旨とする。
上記構成によると、射出ノズル内の樹脂流路内に媒体流通部を設けた場合、その媒体流通部内に冷却媒体を流通させることにより、樹脂流路を流れる樹脂自体が該冷却媒体によって直接冷却されることとなる。また、射出成形機の外部において冷却媒体及び加熱媒体を射出ノズルの外面に噴射するように媒体流通部を設けた場合、その媒体流通部内に冷却媒体を流通させることにより、射出ノズルが冷却されることとなり、樹脂流路を流れる樹脂も間接的に冷却されることとなる。よって、樹脂の凝固時間が短くなり、成形品を冷却・離型する工程に必要な時間を短縮しても、成形品に糸引き現象が生じにくくなる。しかも、射出ノズルを加熱して樹脂を再び溶融する際には、媒体流通部に加熱媒体を供給することにより、射出ノズル内の樹脂は該射出ノズルの加熱機構に加えて加熱媒体によっても加熱されることとなることから該樹脂の溶融を促進させることができるため、樹脂の加熱時間をも短縮することが可能となる。よって、糸引き現象を抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる。さらには、冷却媒体も加熱媒体も共に流体によって構成されているため、例えばこれら媒体を混合させれば媒体の温度調整も容易となるとともに、冷却のための構造と加熱のための構造が同一種であるため、例えば冷却媒体を用いて冷却を行い、ヒータなどを用いて加熱を行う場合に比べて、温度調節機構も簡単な構造で実現可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記媒体流通部は、前記冷却媒体が流通する第1媒体流路と、前記加熱媒体が流通する第2媒体流路と、それら第1媒体流路及び第2媒体流路が連結されて両媒体が流通する第3媒体流路とを備え、前記樹脂流路内における樹脂射出口側部位に前記冷却媒体及び前記加熱媒体が流通するように、または、該射出成形機の外部において前記冷却媒体及び前記加熱媒体を前記射出ノズルの外面に噴射するように、前記第3媒体流路が配設されていることを要旨とする。
上記構成によると、冷却媒体と加熱媒体とは個別の媒体流路から供給され、それら媒体は第3媒体流路において混合可能となる。このため、各媒体を混合させたりさせなかったりすることにより、射出ノズルの外面に噴射される媒体の温度や、樹脂流路内に流通される媒体の温度を自由に調節することが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記媒体供給制御手段は、前記冷却媒体及び前記加熱媒体の供給量を徐変可能であることを要旨とする。
上記構成によると、冷却媒体及び加熱媒体の供給量は、媒体供給制御手段により徐変可能となっているため、射出ノズルや樹脂を冷却・加熱する際に、各媒体の最適な供給量を設定可能となる。特に、冷却媒体と加熱媒体とを混合可能とした場合には、その混合媒体の温度の微調整が可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記媒体供給制御手段は、供給状態と供給停止状態とに2値的に切り換えることにより、前記媒体流通部に対する前記冷却媒体及び前記加熱媒体の供給を制御することを要旨とする。
上記構成によると、媒体供給制御手段による各媒体の供給制御は、供給状態と供給停止状態との2値的制御ですむため、該供給制御が容易となる。
以上詳述したように、本発明によれば、糸引き現象の発生を好適に抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる射出成形機における樹脂冷却機構を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、射出成型用金型1は、図示しない固定プラテンに取り付けられる固定金型2と、図示しない可動プラテンに取り付けられることにより固定金型2に接離自在な可動金型3とによって構成されている。
図1に示すように、射出成型用金型1は、図示しない固定プラテンに取り付けられる固定金型2と、図示しない可動プラテンに取り付けられることにより固定金型2に接離自在な可動金型3とによって構成されている。
固定金型2は、固定プラテンに取着される固定型板4と、その固定型板4内に埋設されて可動金型3と当接するスプルブッシュ5と、そのスプルブッシュ5を固定型板4内に保持するロケートリング6とを備えている。スプルブッシュ5には凹所7が凹設されるとともに、ロケートリング6にはその凹所7と連通する貫通孔8が設けられている。その凹所7の最奥部には、可動金型3側に貫通するスプル9が透設されている。また、可動金型3における固定金型側面には、スプル9と連通するキャビティ10が凹設されている。なお、スプル9は、可動金型3側に向かうに従って徐々に径が大きくなるように設定されている。こうした凹所7内には、射出成形機の射出ノズル11の先端部位が貫通孔8を貫通した状態で収容されている。詳しくは、射出ノズル11内には、先端縁に貫通する樹脂射出口12と、その樹脂射出口12と連通する樹脂流路13とが設けられている。そして、射出ノズル11は、樹脂射出口12がスプルに合致するように凹所7内に収容されている。射出ノズル11は、図示しない加熱機構により樹脂流路13内に供給される樹脂材料を加熱溶融させ、その加熱溶融された溶融樹脂を樹脂射出口12から外部に吐出する。このため、樹脂流路13内を流通する溶融樹脂は、樹脂射出口12からスプル9を介してキャビティ10内に供給される。
ところで、固定型板4及びスプルブッシュ5には、射出ノズル11の先端部位に向けて前記凹所7内に冷却媒体及び加熱媒体を供給できるように、凹所7の内周面に開口する媒体流通部としての媒体流路14が透設されている。この媒体流路14は、スプルブッシュ5及び固定型板4を貫通して延びるとともに、固定型板4の外部から凹所7に連通するように設けられている。この媒体流路14は、凹所7に対する射出ノズル11の挿入方向と直交する方向に延びて固定型板4の外面に開口する第1流路14aと、その第1流路14aと平行に延びる第2流路14bと、一端が第1流路14a及び第2流路14bに連結されるとともに他端が凹所7に連通する第3流路14cとによって構成されている。すなわち、第1流路14aを流れる媒体と第2流路14bを流れる媒体とは第3流路14cにて合流し、該第3流路14cには混合された媒体が流れることとなる。また、固定型板4における第1流路14aの開口箇所には第1ポート15が設けられるとともに、第2流路14bの開口箇所には第2ポート16が設けられている。そして、第1ポート15は第1媒体供給流路17、第2ポート16は第2媒体供給流路18を介してポンプ19に連結されている。なお、本実施形態においてポンプ19は、各媒体供給流路17,18及び各媒体流路14(第1〜第3流路14a〜14c)に媒体として空気を供給するようになっている。
第1流路14aには第1温度センサ21が配設され、第2流路14bには第2温度センサ22が配設され、第3流路14cには第3温度センサ23が配設されている。これら温度センサ21〜23は、それぞれ個別に媒体供給制御手段としての供給制御部24に電気的に接続されている。
また、第1媒体供給流路17には、ポンプ19から供給される媒体の第1流路14aへの流通量を制御する第1制御バルブ25が配設されるとともに、第2媒体供給流路18には、該ポンプ19から供給される媒体の第2流路14bへの流通量を制御する第2制御バルブ26が配設されている。これら制御バルブ25,26は、供給制御部24にそれぞれ個別に電気的に接続され、該供給制御部24から入力される流通制御信号に基づいて媒体の流通量を制御する。なお、本実施形態において各制御バルブ25,26の開度は、供給制御部24によってリニアに変化可能に構成されている。
さらに、第2媒体供給流路18には、該第2媒体供給流路18を流通する媒体を所定温度(例えば225℃)に加熱する温度調節装置27が配設されている。この温度調節装置27は、供給制御部24に電気的に接続され、該供給制御部24から入力される温度制御信号に基づいて温度を制御する。
このため、ポンプ19から第1媒体供給流路17に供給された空気は、第1制御バルブ25によってその流量が制御されるとともに、該第1媒体供給流路17から第1ポート15、第1流路14a及び第3流路14cを介して射出ノズル11の先端部位に噴射されることとなる。すなわち、第1媒体供給流路17、第1ポート15及び第1流路14aには、常温の空気が流通することとなる。一方、ポンプ19から第2媒体供給流路18に供給された空気は、温度調節装置27において温度調節された後、第2制御バルブ26によってその流量が制御されるとともに、該第2媒体供給流路18から第2ポート16、第2流路14b及び第3流路14cを介して射出ノズル11の先端部位に噴射されることとなる。すなわち、第2媒体供給流路18、第2ポート16及び第2流路14bには、高温の空気が流通することとなる。このため、第1媒体供給流路17から第1ポート15及び第1流路14aを介して第3流路14cに流通する空気が冷却媒体として機能するとともに、第2媒体供給流路18から第2ポート16及び第2流路14bを介して第3流路14cに流通する空気が加熱媒体として機能する。なお、第1流路14a及び第2流路14bにそれぞれ対応する空気が流通された際には、それら空気が第3流路14cにおいて混合されて混合空気が射出ノズル11の先端部位に噴射されることとなる。
供給制御部24は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットによって構成されており、射出成形機からの入力信号や、各温度センサ21〜23からの検出信号に基づいて、各制御バルブ25,26及び温度調節装置27の駆動を制御する。このため、供給制御部24は、射出成形機と同期して媒体の供給制御を行うことが可能となる。
このように、第1〜第3流路14a〜14cからなる媒体流路14と、第1及び第2ポート15,16と、第1及び第2媒体供給流路17,18と、ポンプ19と、第1〜第3温度センサ21〜23と、供給制御部24とにより、射出成形機における温度調節機構が構成されている。
次に、このように構成された温度調節機構の具体的な動作例を、図2に示すシーケンスチャート及び図3に示すフローチャートに従って説明する。
図2に示すように、射出成形機による成形工程は、以下の手順で行われる。すなわち、まずステップS1において射出ノズル11の樹脂流路13内に供給された樹脂材料(樹脂チップ)を加熱機構によって加熱溶融する加熱溶融工程が行われる。その後、ステップS2において射出ノズル11の樹脂射出口12からスプル9内に該溶融樹脂を射出してキャビティ10内に充填する充填工程が行われる。そして、ステップS3において該樹脂を冷却・固化させる冷却工程が行われた後に、ステップS4において固定金型2から可動金型3を離型して樹脂成形品をキャビティ10から取り出す離型工程が行われる。すなわち、射出成形機による成形サイクルは、「加熱溶融工程→充填工程→冷却工程→離型工程」を1サイクルとしている。
図2に示すように、射出成形機による成形工程は、以下の手順で行われる。すなわち、まずステップS1において射出ノズル11の樹脂流路13内に供給された樹脂材料(樹脂チップ)を加熱機構によって加熱溶融する加熱溶融工程が行われる。その後、ステップS2において射出ノズル11の樹脂射出口12からスプル9内に該溶融樹脂を射出してキャビティ10内に充填する充填工程が行われる。そして、ステップS3において該樹脂を冷却・固化させる冷却工程が行われた後に、ステップS4において固定金型2から可動金型3を離型して樹脂成形品をキャビティ10から取り出す離型工程が行われる。すなわち、射出成形機による成形サイクルは、「加熱溶融工程→充填工程→冷却工程→離型工程」を1サイクルとしている。
そして、図3に示すように、ステップS11において供給制御部24は、射出成形機からの入力信号に基づき、上記成形サイクルにおける各工程や、樹脂の材料を示す樹脂材料情報、射出ノズル11の加熱温度を示す溶融温度情報、樹脂射出口12の口径を示す射出口情報、樹脂成形品の大きさやスプル9の口径や長さなどを示す成形品情報等の成形情報を取得する。そして、供給制御部24は、こうした成形情報に基づいて加熱媒体(加熱空気)の最適な温度を求め、該最適温度となるように温度調節装置27に対して温度制御信号を出力する。
次に、ステップS12において供給制御部24は、加熱開始時期であるか否かを判断する。なお、本実施形態においては、加熱溶融工程の開始時が加熱開始時期として設定されるとともに、加熱溶融工程の終了時が加熱終了時期として設定されている。このため、供給制御部24は、射出成形機からの入力信号に基づいて加熱開始時期であるか否かの判断を行い、加熱開始時期であると判断した際にはステップS13〜S17の加熱処理を行う。
<加熱処理>
すなわち、まずステップS13において供給制御部24は、第2制御バルブ26に対して流通制御信号を出力して該第2制御バルブ26の開制御を行うことにより該第2制御バルブ26を全閉状態から全開状態に駆動し、第2媒体供給流路18、第2ポート16、第2流路14b及び第3流路14cに加熱空気を流通させる。このため、加熱空気は射出ノズル11の先端部位に噴射され、該射出ノズル11の加熱が促進されて樹脂の溶融速度が上がり、加熱溶融工程に要する時間が短縮される。
すなわち、まずステップS13において供給制御部24は、第2制御バルブ26に対して流通制御信号を出力して該第2制御バルブ26の開制御を行うことにより該第2制御バルブ26を全閉状態から全開状態に駆動し、第2媒体供給流路18、第2ポート16、第2流路14b及び第3流路14cに加熱空気を流通させる。このため、加熱空気は射出ノズル11の先端部位に噴射され、該射出ノズル11の加熱が促進されて樹脂の溶融速度が上がり、加熱溶融工程に要する時間が短縮される。
そして、ステップS14において供給制御部24は、第2温度センサ22及び第3温度センサ23からの検出信号に基づいて媒体(加熱空気)の温度が前記最適温度であるか否かを判断する。その結果、加熱空気の温度が最適温度ではないと判断した際には、供給制御部24は、ステップS15において温度調節装置27に対して温度制御信号を出力するとともに、各制御バルブ25,26の開度制御を行うことにより、加熱空気の温度調節を行う。
詳しくは、供給制御部24は、加熱空気の温度が最適温度よりも低い場合には、温度調節装置27によって加熱空気の加熱温度を上昇させるとともに、第2制御バルブ26の開度を拡張する(全開状態でない場合に限る)。これにより、加熱空気の温度が上昇し、最適温度に調節される。
これに対し、供給制御部24は、加熱空気の温度が最適温度よりも高い場合には、温度調節装置27によって加熱空気の加熱温度を下降させるとともに、第2制御バルブ26の開度を絞り、且つ第1制御バルブ25を開制御して第1媒体供給流路17に冷却媒体(冷却空気)を流通させる。これにより、第1流路14aに冷却空気が流通し、第3流路14cにて加熱空気と冷却空気とが混合される。よって、少なくとも第3流路14cには、加熱空気と冷却空気との混合気が流通することとなり、第3流路14cを流通する媒体の温度が低下して最適温度に調節される。
そして、こうしたステップS15の処理が終了した場合、またはステップS14において媒体温度が最適温度であると判断した場合に、供給制御部24は、ステップS16において射出成形機による加熱溶融工程が終了したか否かを判断する。その結果、供給制御部24は、加熱溶融工程が終了していないと判断した場合には再びステップS14の処理へ移行し、加熱溶融工程が終了したと判断した場合には、ステップS17において各制御バルブ25,26を開状態から全閉状態となるように制御して射出ノズル11に対する媒体の噴射を停止し、ここでの処理を一旦終了する。
よって、こうした加熱処理が行われることにより、樹脂の加熱溶融工程に要する時間が短縮化され、成形サイクルタイムの短縮化が可能となる。
一方、供給制御部24は、ステップS12において加熱開始時期ではないと判断した場合には、ステップS18の処理に移行する。そして、ステップS18において供給制御部24は、冷却開始時期であるか否かを判断する。なお、本実施形態においては、成形サイクルが充填工程が終了間近になった時点が冷却開始時期として設定され、離型工程の終了時が冷却終了時期として設定されている。このため、供給制御部24は、射出成形機からの入力信号に基づいて冷却開始時期であるか否かの判断を行い、冷却開始時期ではないと判断した際にはここでの処理を一旦終了する。すなわち、この場合、供給制御部24は、加熱開始時期でも冷却開始時期でもないと判断して何ら制御を行わない。これに対し、供給制御部24は、冷却開始時期であると判断した際にはステップS19〜S23に示す冷却処理を行う。
一方、供給制御部24は、ステップS12において加熱開始時期ではないと判断した場合には、ステップS18の処理に移行する。そして、ステップS18において供給制御部24は、冷却開始時期であるか否かを判断する。なお、本実施形態においては、成形サイクルが充填工程が終了間近になった時点が冷却開始時期として設定され、離型工程の終了時が冷却終了時期として設定されている。このため、供給制御部24は、射出成形機からの入力信号に基づいて冷却開始時期であるか否かの判断を行い、冷却開始時期ではないと判断した際にはここでの処理を一旦終了する。すなわち、この場合、供給制御部24は、加熱開始時期でも冷却開始時期でもないと判断して何ら制御を行わない。これに対し、供給制御部24は、冷却開始時期であると判断した際にはステップS19〜S23に示す冷却処理を行う。
<冷却処理>
すなわち、まずステップS19において供給制御部24は、第1制御バルブ25に対して流通制御信号を出力して該第1制御バルブ25の開制御を行うことにより該第1制御バルブ25を全閉状態から全開状態に駆動し、第1媒体供給流路17、第1ポート15、第1流路14a及び第3流路14cに冷却空気(常温空気)を流通させる。このため、冷却空気は射出ノズル11の先端部位に噴射され、該射出ノズル11の先端部位が冷却される。その結果、射出ノズル11の樹脂射出口12及び樹脂流路13を流れる溶融樹脂が冷却空気によって間接的に冷却されることとなり、凝固速度が上昇する。
すなわち、まずステップS19において供給制御部24は、第1制御バルブ25に対して流通制御信号を出力して該第1制御バルブ25の開制御を行うことにより該第1制御バルブ25を全閉状態から全開状態に駆動し、第1媒体供給流路17、第1ポート15、第1流路14a及び第3流路14cに冷却空気(常温空気)を流通させる。このため、冷却空気は射出ノズル11の先端部位に噴射され、該射出ノズル11の先端部位が冷却される。その結果、射出ノズル11の樹脂射出口12及び樹脂流路13を流れる溶融樹脂が冷却空気によって間接的に冷却されることとなり、凝固速度が上昇する。
次に、ステップS20において供給制御部24は、第1温度センサ21及び第3温度センサ23からの検出信号に基づいて媒体(冷却空気)の温度が冷却に最適な温度(常温)であるか否かを判断する。その結果、冷却空気の温度が最適温度ではないと判断した際には、供給制御部24は、ステップS21において第1制御バルブ25の開度制御を行うことにより、冷却空気の温度調節を行う。
詳しくは、供給制御部24は、冷却空気の温度が最適温度よりも低い場合には第1制御バルブ25の開度を絞り、該冷却空気の温度が最適温度よりも高い場合には該第1制御バルブ25の開度を拡張する(全開状態でない場合に限る)。これにより、冷却空気の温度が最適温度に調節される。
そして、こうしたステップS21の処理が終了した場合、またはステップS20において媒体温度が冷却に最適な温度であると判断した場合に、供給制御部24は、ステップS22において射出成形機による離型工程が終了したか否かを判断する。その結果、供給制御部24は、離型工程が終了していないと判断した場合には再びステップS20の処理へ移行し、離型工程が終了したと判断した場合には、ステップS22において第1制御バルブ25を開状態から全閉状態となるように制御して射出ノズル11に対する媒体の噴射を停止し、ここでの処理を一旦終了する。
よって、こうした冷却処理が行われることにより、充填工程の終了間近から離型工程の完了時までの間における樹脂の凝固速度が早くなり、結果として冷却工程に必要な時間が短縮化される。しかも、離型時において、成形品に糸引き現象が生じにくくなり、次の成形サイクルにおいて該糸引き樹脂がキャビティ10内に残存してしまうのが好適に抑制される。
また、次の成形サイクル時における加熱溶融工程では、冷却空気によって冷却が促進された射出ノズル11の先端が加熱空気によって加熱されるため、冷却に伴う加熱溶融工程に要する時間の延長化も生じなくなり、成形サイクルタイム全体が好適に短縮化される。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)第1流路14a及び第3流路14cに冷却空気を流通させて該冷却空気を射出ノズル11の先端部位に噴射させることにより、射出ノズル11の先端部位が冷却されることとなり、樹脂流路13を流れる樹脂も間接的に冷却されることとなる。よって、樹脂の凝固時間が短くなり、成形品を冷却・離型する工程に必要な時間を短縮しても、成形品に糸引き現象が生じにくくなる。しかも、射出ノズル11を加熱して樹脂を再び溶融する次工程(加熱溶融工程)を行う際には、第2流路14b及び第3流路14cに加熱空気を流通させて該加熱空気を射出ノズル11の先端部位に噴射させることにより、射出ノズル11の先端部位が加熱されることとなる。このため、樹脂流路13を流れる樹脂の溶融を促進させることができ、該加熱溶融工程に要する時間をも短縮することができる。よって、こうした温度調節機構を用いることにより、糸引き現象を抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる。さらには、冷却媒体も加熱媒体も共に流体(空気)によって構成されているため、冷却のための構造と加熱のための構造が同一種で済むことから、例えば冷却媒体を用いて冷却を行い、ヒータなどを用いて加熱を行う場合に比べて、温度調節機構も簡単な構造で構成することができる。
(1)第1流路14a及び第3流路14cに冷却空気を流通させて該冷却空気を射出ノズル11の先端部位に噴射させることにより、射出ノズル11の先端部位が冷却されることとなり、樹脂流路13を流れる樹脂も間接的に冷却されることとなる。よって、樹脂の凝固時間が短くなり、成形品を冷却・離型する工程に必要な時間を短縮しても、成形品に糸引き現象が生じにくくなる。しかも、射出ノズル11を加熱して樹脂を再び溶融する次工程(加熱溶融工程)を行う際には、第2流路14b及び第3流路14cに加熱空気を流通させて該加熱空気を射出ノズル11の先端部位に噴射させることにより、射出ノズル11の先端部位が加熱されることとなる。このため、樹脂流路13を流れる樹脂の溶融を促進させることができ、該加熱溶融工程に要する時間をも短縮することができる。よって、こうした温度調節機構を用いることにより、糸引き現象を抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる。さらには、冷却媒体も加熱媒体も共に流体(空気)によって構成されているため、冷却のための構造と加熱のための構造が同一種で済むことから、例えば冷却媒体を用いて冷却を行い、ヒータなどを用いて加熱を行う場合に比べて、温度調節機構も簡単な構造で構成することができる。
(2)冷却媒体と加熱媒体とは個別の媒体流路(第1流路14a、第2流路14b)から供給され、それら媒体は第3流路14cにおいて混合可能となる。このため、各媒体を混合させたりさせなかったりすることにより、射出ノズル11の外面に噴射される媒体の温度を自由に調節することができる。また、温度調節装置27による加熱空気の温度調節を行うだけの場合に比べて、加熱空気の温度調節を迅速に行うことができる。
(3)第1制御バルブ25及び第2制御バルブ26の開度は、供給制御部24によってリニアに制御される。すなわち、冷却空気及び加熱空気の供給量は、供給制御部24により徐変可能となっている。このため、射出ノズル11や樹脂を冷却・加熱する際に、各媒体の最適な供給量を設定することができる。特に、冷却媒体と加熱媒体とを混合して媒体の温度を調節する際には、その混合媒体の温度の微調整を容易に行うことができる。
(4)供給制御部24による加熱開始時期は射出成形機による加熱溶融工程の開始時に設定され、加熱終了時期は加熱溶融工程の終了時に設定されている。このため、加熱空気による射出ノズル11の加熱を必要時にのみ行うことができ、該射出ノズル11の効果的な加熱補助を行うことができる。また、供給制御部24による冷却開始時期は射出成形機による充填工程の終了間近の時点に設定され、冷却終了時期は離型工程の終了時に設定されている。このため、冷却空気による射出ノズル11の冷却を確実に行うことができ、該射出ノズル11を介した溶融樹脂の凝固を確実に促進させることができる。よって、成形品の糸引き現象を抑制しつつ、成形サイクルタイムの更なる短縮化を図ることができる。
(5)冷却空気の温度及び加熱空気の温度は、第1〜第3温度センサ21〜23によって検出され、供給制御部24は、それらによる検出結果に基づいて冷却空気及び加熱空気の温度を最適温度となるように制御する。このため、媒体を用いた冷却及び加熱制御を高い精度で行うことができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、射出ノズル11の外面における先端部位に冷却媒体及び加熱媒体を噴射することにより、該射出ノズル11内の樹脂を間接的に加熱及び冷却するようになっている。しかし、例えば図4(a),(b)に示すように、内部に第3流路14cを有する貫通パイプ31を、射出ノズル11の先端部位に貫通配置させてもよい。詳しくは、貫通パイプ31は、射出ノズル11の先端部位において、樹脂流路13を流れる樹脂の流通方向と直交する方向から、図4(b)に示すように樹脂流路13の中心Oを通るように貫通配置され、その先端が射出ノズル11の外部に突出している。このため、第3流路14cを流れる冷却空気または加熱空気は、樹脂流路13を通過した後、射出ノズル11の外部へ放出されることとなる。よって、樹脂流路13を流れる樹脂自体が冷却空気または加熱空気によって直接冷却されることとなり、該樹脂の冷却及び加熱をより直接的に行うことができる。その結果、加熱溶融工程及び冷却工程の更なる短縮化を図ることができる。
・ 前記実施形態では、射出ノズル11の外面における先端部位に冷却媒体及び加熱媒体を噴射することにより、該射出ノズル11内の樹脂を間接的に加熱及び冷却するようになっている。しかし、例えば図4(a),(b)に示すように、内部に第3流路14cを有する貫通パイプ31を、射出ノズル11の先端部位に貫通配置させてもよい。詳しくは、貫通パイプ31は、射出ノズル11の先端部位において、樹脂流路13を流れる樹脂の流通方向と直交する方向から、図4(b)に示すように樹脂流路13の中心Oを通るように貫通配置され、その先端が射出ノズル11の外部に突出している。このため、第3流路14cを流れる冷却空気または加熱空気は、樹脂流路13を通過した後、射出ノズル11の外部へ放出されることとなる。よって、樹脂流路13を流れる樹脂自体が冷却空気または加熱空気によって直接冷却されることとなり、該樹脂の冷却及び加熱をより直接的に行うことができる。その結果、加熱溶融工程及び冷却工程の更なる短縮化を図ることができる。
なお、上記変更例において、貫通パイプ31は、必ずしも樹脂流路13の中心Oを通るように貫通配置されている必要はなく、該中心O以外の箇所を通るように貫通配置されていてもよい。
・ 貫通パイプ31の断面形状は、図4(c)に示すような真円筒形状はもちろん、これに限らず、例えば図4(d)に示すように涙滴状筒形状となっていたり、楕円筒形状となっていたり、三角形や菱形などの多角形筒形状となっていたりしてもよい。なお、貫通パイプ31の断面形状を円筒形状とした場合には該貫通パイプ31を容易に形成することができ、その他の形状とした場合には樹脂流路13から樹脂射出口12への樹脂の流動を阻害しにくくしたり、該樹脂との接触面積を大きくして該樹脂をより効果的に冷却・加熱可能としたりすることができる。
・ 前記実施形態において冷却媒体及び加熱媒体は空気によって構成され、それら媒体は第3流路14cから射出ノズル11に噴射されることにより、外部に放出されるようになっている。しかし、例えばこれら媒体を、再びポンプに還流させる構成としてもよい。このようにすれば、水などの液体や、フロンガスなどの環境汚染物質を冷却媒体及び加熱媒体として容易に用いることができる。
・ 前記実施形態において、供給制御部24による射出ノズル11の加熱開始時期は射出成形機による加熱溶融工程の開始時に設定され、加熱終了時期は該加熱溶融工程の終了時に設定されている。また、供給制御部24による射出ノズル11の冷却開始時期は射出成形機による充填工程の終了間近の時点に設定され、冷却終了時期は離型工程の終了時に設定されている。しかし、供給制御部24は、加熱開始時期、加熱終了時期、冷却開始時期及び冷却終了時期のうちの少なくとも1つを、射出成形機から入力される成形情報や、操作者によって入力されるパラメータなどによって自由に変更可能となっていてもよい。
・ 前記実施形態において第1制御バルブ25及び第2制御バルブ26の開度は、供給制御部24によってリニアに制御可能となっている。しかし、これら制御バルブ25,26は、全閉状態と全開状態とに2値的に変化するものであってよい。このようにすれば、供給制御部24による各制御バルブ25,26の制御を簡素化することができる。
・ 冷却空気の温度は、常温に限らず、例えば温度調節装置27などによって調節された温度(例えば常温以下の温度)に調節されてもよい。
・ 前記実施形態において、専用の温度調節装置27によって加熱された空気が加熱媒体として用いられている。しかし、例えば射出ノズル11の近傍に第2媒体供給流路18を配設し、該射出ノズル11の温度を利用して加熱された空気を加熱媒体として用いられてもよい。
・ 前記実施形態において、専用の温度調節装置27によって加熱された空気が加熱媒体として用いられている。しかし、例えば射出ノズル11の近傍に第2媒体供給流路18を配設し、該射出ノズル11の温度を利用して加熱された空気を加熱媒体として用いられてもよい。
・ 前記実施形態において媒体流通部としての媒体流路14は、冷却空気が流通する第1流路14aと、加熱空気が流通する第2流路14bと、それら流路14a,14bが合流する第3流路14cとを備えている。すなわち、媒体流路14は、冷却空気と加熱空気とが個別に流通する流路を備えた構成となっている。しかし、媒体流路14は、こうした構成に限らず、例えば第3流路14cのみを備え、その第3流路14cに対して冷却空気と加熱空気とを供給する構成となっていてもよい。
また、第3流路14cを省略し、第1流路14a及び第2流路14bがそれぞれ個別に凹所7に連通させた構成となっていてもよい。
・ 第1〜第3温度センサ21〜23を省略してもよい。このようにした場合、温度調節機構の構成を簡素化することができるとともに、供給制御部24は各温度センサ21〜23からの検出信号に基づく温度調節を行わないこととなるため、該供給制御部24の処理負担を軽減することができる。
・ 第1〜第3温度センサ21〜23を省略してもよい。このようにした場合、温度調節機構の構成を簡素化することができるとともに、供給制御部24は各温度センサ21〜23からの検出信号に基づく温度調節を行わないこととなるため、該供給制御部24の処理負担を軽減することができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記冷却媒体及び前記加熱媒体は空気であること。この(1)に記載の技術的思想によれば、冷却媒体及び加熱媒体を安価に構成することができる。
(1) 請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記冷却媒体及び前記加熱媒体は空気であること。この(1)に記載の技術的思想によれば、冷却媒体及び加熱媒体を安価に構成することができる。
(2) 上記(1)に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記冷却媒体としての空気の温度は、常温であること。この(2)に記載の技術的思想によれば、冷却媒体を積極的に冷却するための構造を不要とすることができる。
(3) 請求項1〜4、技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記媒体供給制御手段は、樹脂成形品の樹脂の材料を示す樹脂材料情報、該樹脂材料の溶融温度情報、スプルの径などを示す成形品情報等の成形情報に基づいて、前記冷却媒体を用いた冷却動作及び前記加熱媒体を用いた加熱動作の開始時期及び終了時期を設定すること。この(3)に記載の技術的思想によれば、成形環境に応じた最適な冷却動作及び加熱動作を行うことができる。
(4) 請求項1〜4、技術的思想(1)〜(3)のいずれか1項に記載の射出成形機における温度調節機構において、前記媒体流通部に、該媒体流通部を流れる前記冷却媒体及び前記加熱媒体の温度を検出する温度検出手段を配設し、前記媒体供給制御手段は、該温度検出手段からの検出信号に基づいて、少なくとも加熱媒体の温度調節を行うこと。この(4)に記載の技術的思想によれば、加熱媒体の好適な温度調節が可能となる。
11…射出ノズル、12…樹脂射出口、13…樹脂流路、14…媒体流通部としての媒体流路、14a…第1流路、14b…第2流路、14c…第3流路、24…媒体供給制御手段としての供給制御部、27…温度調節装置。
Claims (4)
- 内部に設けられた樹脂流路内に供給される樹脂材料を加熱機構によって加熱溶融するとともにその溶融樹脂を成形金型内に射出する射出ノズル内に、流体からなる冷却媒体及び加熱媒体が流通するように、または、前記射出ノズルの外面における射出口側端部に前記冷却媒体及び前記加熱媒体を噴射するように配設された媒体流通部と、
該媒体流通部内に前記冷却媒体及び前記加熱媒体を供給するとともに、それら媒体の供給を制御する媒体供給制御手段とを備えたことを特徴とする射出成形機における温度調節機構。 - 前記媒体流通部は、前記冷却媒体が流通する第1媒体流路と、前記加熱媒体が流通する第2媒体流路と、それら第1媒体流路及び第2媒体流路が連結されて両媒体が流通する第3媒体流路とを備え、前記樹脂流路内における樹脂射出口側部位に前記冷却媒体及び前記加熱媒体が流通するように、または、該射出成形機の外部において前記冷却媒体及び前記加熱媒体を前記射出ノズルの外面に噴射するように、前記第3媒体流路が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機における温度調節機構。
- 前記媒体供給制御手段は、前記冷却媒体及び前記加熱媒体の供給量を徐変可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形機における温度調節機構。
- 前記媒体供給制御手段は、供給状態と供給停止状態とに2値的に切り換えることにより、前記媒体流通部に対する前記冷却媒体及び前記加熱媒体の供給を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形機における温度調節機構。
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JP2017105023A (ja) * | 2015-12-08 | 2017-06-15 | 株式会社日本製鋼所 | 射出ノズル |
JP2020203456A (ja) * | 2019-06-19 | 2020-12-24 | 株式会社尾関ホットランナープラン | 射出成形装置 |
-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005347057A patent/JP2007152586A/ja not_active Withdrawn
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