JP2007151728A - リクライニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、簡単な構成でガタ感の発生を防止することのできるリクライニング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 第2のガイド1Cb,1Dbが内歯21が設けられた円周からなる円の中心を通る直線Xに対して平行で、第1のガイド1Ca,1Daが内歯が設けられた円周からなる円の中心を通る直線Xに対して角度θだけ傾斜して設けられている。つまり、第2のガイドに摺動される第2のロックギヤ5bは垂直方向から内歯21に噛み合い、第1のガイドに摺動される第1のロックギヤ5aは斜め方向から内歯21に噛み合うことになる。これによって、カム6を介して2枚のロックギヤ5a,5bを突っ張らせることができ、ガイドとロックギヤとの間の隙間によるガタ感の発生およびベースプレート1の内周とギヤプレート2の外周との間の隙間によるガタ感の発生を防止することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 第2のガイド1Cb,1Dbが内歯21が設けられた円周からなる円の中心を通る直線Xに対して平行で、第1のガイド1Ca,1Daが内歯が設けられた円周からなる円の中心を通る直線Xに対して角度θだけ傾斜して設けられている。つまり、第2のガイドに摺動される第2のロックギヤ5bは垂直方向から内歯21に噛み合い、第1のガイドに摺動される第1のロックギヤ5aは斜め方向から内歯21に噛み合うことになる。これによって、カム6を介して2枚のロックギヤ5a,5bを突っ張らせることができ、ガイドとロックギヤとの間の隙間によるガタ感の発生およびベースプレート1の内周とギヤプレート2の外周との間の隙間によるガタ感の発生を防止することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、 シートバックの傾斜角を調整する自動車用シートのリクライニン装置に関するもので、特に内歯式リクライニング装置におけるロックギヤに関するものである。
従来の小型化したリクライニング装置としては、ラウンドリクライニング装置とも称される、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものがある。ラウンドリクライニング装置は、略円板状のベースプレートと、そのベースプレート上に回転可能に組み付けられたギヤプレートを備え、ベースプレートとギヤプレートとの間にキャビティ(空間)を設けている。そして、そのキャビティ内にリクライニングのロック、アンロック機構が収容されている。すなわち、ギヤプレートの内周に内歯を形成し、その内歯と噛合可能な外歯を有する複数のロックギヤを半径方向にのみ摺動可能にベースプレートに組み付ける。ロックギヤは中心部に配設されたカムにて半径方向外側に向かって押圧されるようになっており、カムはバネによりロックギヤをギヤプレートの内歯に押し付ける方向に回転付勢されている。常時はバネの付勢力によりロックギヤはギヤプレートの内歯に噛合してギヤプレートをベースプレートにロックしている。
カムの非円形中心孔(角穴)にはセンターシャフトが挿通されている。このセンターシャフトを回転させることにより、バネの付勢力に抗してカムを回転させ、ロックギヤを押圧するカムの力を解除することによって、ロックギヤとギヤプレートとの噛合が解除されロックを解除することができる。このとき、カムと一体に回動する部材であるレバー板がロックギヤと係合するように配設されており、レバー板はロックギヤが半径方向中心方向へ後退する動きを制御するようになっている。つまり、レバー板の回転に従動してロックギヤが後退し、ロックギヤとギヤプレートとの噛合が外れアンロックの状態となる。そして、センターシャフトにリクライニング操作レバーを設けてセンターシャフトを回転操作するようにしていた。
ラウンドリクライニング装置のベースプレートをシートクッションブラケットに固定し、ギヤプレートをシートバックブラケットに固定することにより、シートバックの傾斜角度を任意に設定しロックすることができる。すなわち、リクライニング操作レバーを引き、センターシャフトを回転させることにより、ラウンドリクライニング装置をアンロック状態にしてシートバックの傾斜角度を調整する。調整後にリクライニング操作レバーを手指から離せば、バネの付勢力によりカムが回転し、ラウンドリクライニング装置は再びロック状態に戻り、シートバックは調整した角度位置にロックされる。上記の構造は、ロック機構の構成部品がすべてベースプレートとギヤプレートとの間のキャビティに収容されるため、ラウンドリクライニング装置をユニット化でき、装置の外寸を小型化でき、量産性に適するという利点がある。
また、ラウンドリクライニング装置はロックギヤを左右の案内部材により半径方向に案内する構造を持つ。このため、ベースプレートに形成される左右の案内部材とロックギヤとの間には微小な隙間(クリアランス)が存在せざるを得ない。この隙間は理論上はいくらでも小さくできるが、ラウンドリクライニング装置は部品が一般的にプレス加工で作られ、溶接により固定される箇所がある部品なので、現実には熱歪み等を考慮しなければならず、隙間を所定値以下にすることができなかった。このため、ロックギヤの内歯とギヤプレートの内歯とが確実に噛み合いロックされた状態でも、上記隙間に起因するガタが発生していた。
さらに、リクライニング装置ではベースプレートの内周に沿ってギヤプレートが回転するため、ベースプレートの内周とギヤプレートの外周との間にも微小な隙間(クリアランス)が存在せざるを得ない。このため、ロックギヤの外歯とギヤプレートの内歯とが噛み合うときに、この隙間に起因するガタが発生し、上記案内部材とロックギヤとの間に発生するガタと併せてリクライニング装置を使用する乗員に微妙なガタ感を与え、不快感を与えることがあるという問題点が指摘されていた。
このラウンドリクライニング装置におけるガタ感の発生を防止するものとして、例えば特許文献3に示されているようなものがある。特許文献3では、ロックギヤと、ロックギヤを押圧する第1のカムと、ロックギヤが摺動する案内部材との間に円形状の第2のカムを介在させている。そして、第1のカムでロックギヤと第2のカムを押圧することで、第2のカムが一方の案内部材とロックギヤとを離反させるようにし、ロックギヤを他方の案内部材に押し付けるようにする。こうすることで、案内部材とロックギヤとの間の隙間をなくすことができ、ガタ感の発生を防止することができる。
しかしながら、上記特許文献3のリクライニング装置においては、第2のカムを用いることによって、案内部材とロックギヤとの間の隙間によるガタ感の発生は防止できているものの、リクライニング装置のガタ感が発生するもう一つの原因のベースプレートの内周とギヤプレートの外周との間の隙間によるガタ感の発生は防げないという問題があった。
また、特許文献3では、ガタ感の発生は防止しているものの、ロックギヤと案内部材と第1のカムとの間に第2のカムを設けるので、特許文献1及び2に記載されたラウンドリクライニング装置に比べると、部品点数が多くなりコストもかかることになってしまうという問題があった。
さらに、特許文献3では、2つのロックギヤが摺動するガイドの摺動面が平行(ほぼ直線上)になっているため、ベースプレートがギヤプレートに対してロックギヤが摺動する方向にスライドしてしまい、構造上においてベースプレートとギヤプレートとの間でガタ感が発生してしまうという問題もあった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成でガタ感の発生を防止することのできるリクライニング装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載のリクライニング装置においては、ベースプレートと、該ベースプレート上に回転可能に組み付けられ、その円周上に内歯を有するギヤプレートと、前記ギヤプレートの内歯と噛み合いが可能な外歯を有し、前記ギヤプレートの内歯に噛み合うことができる少なくとも1つのロックギヤと、該ロックギヤの移動方向を規制し、前記ロックギヤが摺動する互いに平行な摺動面を有するガイドと、前記ロックギヤのギヤプレート側への移動を制御し、前記ロックギヤを前記ギヤプレートの内歯に噛み合わせるカムと、前記ロックギヤを内歯と噛み合わせる方向に前記カムを回転付勢するバネと、前記ベースプレートと前記ギヤプレート及び前記カムの非円形中心孔に挿通され、回転することによって前記バネの付勢力に抗して前記カムを回転駆動し、前記ロックギヤと前記ギヤプレートとの噛み合いを解除することが可能なセンターシャフトと、を備えるリクライニング装置において、前記ロックギヤのうち、少なくとも1つのロックギヤが摺動するガイドの摺動面は、前記内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して円周方向に一定角度だけ傾斜して設けられていることを技術的特徴とする。
また、請求項2に記載のリクライニング装置においては、前記ロックギヤは2個設けられ、第1のロックギヤは第2のロックギヤに対して180°離反した位置に配設され、第1のロックギヤが摺動する第1のガイドの摺動面は、前記内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して円周方向に一定角度だけ傾斜して設けられ、第2のロックギヤが摺動する第2のガイドの摺動面は、前記内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して平行に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載のリクライニング装置によれば、ロックギヤのうち、第1のロックギヤが摺動する第1のガイドの摺動面は、内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して円周方向に一定角度だけ傾斜して設けられるため、第1のロックギヤの外歯はギヤプレートの内歯に対して斜め方向から噛み合うことになる。そのため、ロックギヤはガイドに押し付けられるのでロックギヤとガイドとの隙間を埋めることができ、カム及びセンターシャフトとロックギヤが突っ張るようになってギヤプレートをベースプレートに押し付けるため、ベースプレートの内周とギヤプレートの外周との間の隙間も埋めることができ、ガタの発生を防止するという効果を奏する。
また、本発明はロックギヤのうち、1つのロックギヤを傾斜させるのみで実施できるため、従来のリクライニング装置に比べても部品点数を増やすことなく、容易にガタ感の発生の防止を実現できるようになっている。
次に、請求項2に記載のリクライニング装置によれば、第1のロックギヤ及びガイドに対して180°離反した位置に第2のロックギヤ及びガイドが配設され、第2のガイドの摺動面は内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して平行に設けられているため、第2のガイドに摺動する第2のロックギヤの外歯はギヤプレートの内歯に対して垂直に噛み合うことになる。そうすると、カムを介して第1のロックギヤとが突っ張るようになってロックギヤとガイドとの隙間を埋めるだけでなく、ベースプレートの内周とギヤプレートの外周との間の隙間も埋めることができ、ガタの発生を防止するという効果を奏する。
また、第1のロックギヤが摺動する第1のガイドと第2のロックギヤが摺動する第2のガイドとは180°離反した位置にあることから、ほぼ一直線上に配設されていることになる。そうすると、第2のガイドの摺動面に対して第1のガイドの摺動面は傾斜していることになり、第2のガイドの摺動面と第1のガイドの摺動面とが平行な(ほぼ直線上である)場合に比べると、ロックギヤの摺動方向にベースプレートがギヤプレートに対してスライドすることがなく安定し、構造上においてもガタ感の発生を防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係るリクライニング装置1について図1から図3を参照して説明する。
図1(A)は、本発明に係るリクライニング装置のラウンドリクライニングユニットを一部破断して示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A線断面図である。このラウンドリクライニングユニットは略円板状のベースプレート1と、お椀のような形状のギヤプレート2を重ね合わせ、互いに回転可能な状態で円周端部をブラケット3によりリングかしめをして一体化したものである。ベースプレート1とギヤプレート2との間にはキャビティ(空間)4があり、そのキャビティ4内に2枚のロックギヤ5a,5b、中央のカム6、2つの渦巻きバネ7,7、レバー板8等のロック、アンロックのための部材が配設されている。
図2は、図1(A)のB−B線断面図である。図2には、図1には無かったセンターシャフト9を付け加えて描いている。センターシャフト9には先端にスプライン91が形成され、中央部あたりに後述するカム6の角孔61に挿通される角孔挿通部分92が形成され、後端に操作レバー取り付け部分93が形成されている。図2から明らかなように、ベースプレート1の内周面1Aにギヤプレート2の外周面2Aが摺接するようにしてベースプレート1にギヤプレート2が回転自在に組み込まれ、プラケット3によりかしめられてベースプレート1及びギヤプレート2が一体に組み込まれている。
このように、ベースプレート1とギヤプレート2が一体に組み込まれたものをラウンドリクライニングユニットと称し、ラウンドリクライニングユニットにセンターシャフト9が組み込まれたものをラウンドリクライニング装置と称することとする。
ベースプレート1の背面には同一円周上に複数個の円形突起1Bが形成され、ギヤプレート2の背面にも複数個の円形突起2Bが形成されている。これらの円形突起1B及び2Bは、シートクッションフレーム又はシートバックフレームに固定するためのものである。通常は、ベースプレート1に図示しないシートクッションフレームを取り付け、複数の円形突起1Bによりベースプレート1が回転しないように固定し、ギヤプレート2に図示しないシートバックフレームを取り付け、複数の円形突起2Bによりシートバックの傾動と共にギヤプレート2がベースプレート1に対して回転できるようにする。勿論、ベースプレート1とギヤプレート2とを取り付けるフレームを逆にしてもよい。
図3は、図2のC−C線断面図である。装置の構造を分かりやすく示すため、環状断面で現れるギヤプレート2の一部を破断して、その下部のベースプレート1の構造を示している。ベースプレート1には、その内側上面に一対のガイドが2組形成されている。そのガイドに案内されて半径方向(図3では上下方向)に摺動自在に板状の第1と第2のロックギヤ5a,5bが組み付けられている。第1のロックギヤ5aは図面でいう上側の第1のガイド1Ca,1Daの間に配設され、第2のロックギヤ5bは図面でいう下側の第2のガイド1Cb,1Dbに配設されている。ロックギヤ5a,5bの外周側には、外歯51a、51bが形成されている。
ここで、第2のガイド1Cb,1Dbの第2のロックギヤ5bが摺動する互いに平行な摺動面1G,1Gは、後述する内歯21が設けられる円周からなる円の中心を通る直線Xに対して平行に設けられており、第1のガイド1Ca,1Daの第1のロックギヤ5aが摺動する互いに平行な摺動面1F,1F(図中では1Fと平行な線を平行線Yとして示している)は、内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線Xに対して角度θだけ傾斜して設けられている。つまり図3に示されるように、第1のガイド1Ca,1Daの摺動面1Fは第2のガイド1Cb,1Dbの摺動面1Gに対して角度θだけ傾斜して設けられている。このため、第1のガイドに摺動する第1のロックギヤ5aの両側面53a,53aも、第2のロックギヤ5bの両側面53b,53bに対して角度θだけ傾斜して設けられている。角度θは5〜8度程度の僅かなものでよい。
また、ベースプレート1には、その内側上面の図面でいう左右に半月状突起1Eが2つ形成され、その半月状突起1E,1Eにそれぞれ渦巻きバネ7,7の一方のフック部が係合されている。そして、ベースプレート1の中央にはカム6が回転可能に配設されている。カム6は板状で、両端にロックギヤ5a,5bの後退面に当接するカム面63,63と、渦巻きバネ7,7の他方のフック部と係合するフック係合部64,64とを有し、中心に長方形の角孔61を有する。角孔61は、非円形中心孔を構成する。
カム6は、渦巻きバネ7,7と係合し、図面を参照すると時計回転方向に付勢されている。カム6はロックギヤ5a,5bに当接し、時計回転方向の付勢力によりロックギヤ5a,5bを半径外側方向に付勢している。カム6の角孔61には、図2に示したセンターシャフト9が挿入され、センターシャフト9を回転させることにより渦巻きバネ7,7の付勢力に抗して、カム6を反時計回転方向に回転させることができるようになっている。
カム6には、図3でセンターシャフト9の軸方向(紙面上方)に突出するように、円柱状の突起62が2箇所形成されている。また、ロックギヤ5a,5bにも図3でセンターシャフト9の軸方向(紙面上方)に突出するように、円柱状の突起52,52が形成されている。そして、図1に示すように、カム6及び2枚のロックギヤ5a,5bの上方からレバー板8が載置されて組み込まれている。レバー板8には、カム6の突起62,62と嵌合する孔があけられ、その孔と突起62,62とが嵌合してレバー板8はカム6と一体になって回転する。
また、レバー板8には、2つの長孔81,81があけられており、各長孔81と各ロックギヤ5a,5bの突起52が係合するように組み込まれている。カム6及びレバー板8が図面上でいう反時計回転方向に回転させられると、長孔81,81の周縁がロックギヤ5a,5bの突起52,52に当接し、ロックギヤ5a,5bをギヤプレートの内歯から外す方向に後退させるようになっている。
図3を参照し、ギヤプレート2の内周面には内歯21が形成されている。内歯21は、内周面の全周に渡って形成されているのではなく、内歯21の形成されていない単なる円周面からなる平坦部22を有している。内歯21の部分と平坦部22とはそれぞれ2箇所ずつ有り、互いに交互にくるように配置されている。この内歯21,21は前述したロックギヤ5a,5bの外歯51a,51bと噛合するものである。
以上説明した各図において、図面を分かり易くするため、ギヤプレート2の内歯21やロックギヤ5a,5bの外歯51a,51bのピッチ角を粗く描いたが実際にはこれらの歯21、51a、51bのピッチ角は2度ピッチ程度の細かいものである。そして、ギヤプレート2、ロックギヤ5a,5b、カム6等はプレス加工により形成され、浸炭加工されて十分な強度を持って製作されるものである。
次に作動について説明する。ベースプレート1は、図示しない座席のシートクッションフレームに取り付ける。この時、円形突起1Bがシートクッションフレームと係合し、ベースプレート1は回転しないように固定される。ギヤプレート2は、図示しないシートバックフレームに取り付けられ、円形突起2Bがシートバックフレームと係合して、シートバックフレームの傾動と共にギヤプレート2がベースプレート1に対して回転するようにされる。
図3を参照し、常時は、渦巻きバネ7,7の付勢力によりカム6を介して2枚のロックギヤ5a,5bがギヤプレート2の内周面に強く押し付けられ、ロックギヤ5a,5bの外歯51a,51bがギヤプレート2の内歯21に噛合し、ギヤプレート2がロックされている。つまり、座席のシートバックはその傾斜角度を維持する。
このとき、上述したように第1のガイドの摺動面1Fが内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線Xに対して傾斜角θだけ傾いているので、第1のロックギヤ5aは、第2のロックギヤ5bがギヤプレート2の内歯21に向かって垂直方向に移動するのに対し、第1のロックギヤ5aはその垂直方向に対して角度を持ってギヤプレート2の内歯21に向かうことになるため、第1のロックギヤ5aの外歯51aがギヤプレート2の内歯21に噛み合うときには、斜め方向から噛み合うことになる。
つまり、ロック時には第1のロックギヤ5aの側面53aと摺動面1Fが当接するため、座席装置に乗員が着座し、シートバックに荷重が負荷されても、第1のロックギヤ5aは動くことができない。また、第1のロックギヤ5aと第2のロックギヤ5bとが180°離反した位置に配設され、一方のロックギヤが傾斜しているため、2枚のロックギヤ5a,5bがカム6を介して突っ張ることができ、それによってギヤプレート2をベースプレート1に押し付けることができる。よって、ロックギヤ5a,5bとそれぞれが摺動するガイドとの隙間によるガタ感の発生を防止すると共に、ギヤプレート2の外周とベースプレート1の外周の隙間によるガタ感の発生を防止することができる。
また、図3からもわかるように、第1のガイドの摺動面1F,1Fは第2のガイドの摺動面1G,1Gに対して傾斜しているため、ロックギヤ5a、5bの外歯51a、51bがギヤプレート2の内歯21に噛み合ったときには、ベースプレート1がギヤプレート2に対してロックギヤの摺動方向にスライドするのを防止している。このように、構造上においてもベースプレート1とギヤプレート2との間に発生するガタ感の発生を防止できる。
ここで、本実施例では第1のガイド及びロックギヤと第2のガイド及びロックギヤを180°離反した位置に配設しているが、必ずしも180°離反していなくてもある程度の効果は発揮できる。また、少なくとも2組のガイド及びロックギヤを180°離反した位置におけば、ロック強度をあげるために複数のロックギヤ及びガイドを設けた場合であっても、ガイドとロックギヤとの間の隙間によるガタ感の発生もベースプレートの内周とギヤプレートの外周との間の隙間によるガタ感の発生も同時に防ぐことができる。
さらには、本実施例では第1と第2のガイド及びロックギヤを設けているが、第1のガイド及びロックギヤのみであっても、第1のガイドの摺動面が内歯が設けられている円周からなる円の中心を通る直線Xに対して傾斜していれば、第1のロックギヤ5aの外歯51aがギヤプレート2の内歯21に噛み合った時には、第1のロックギヤ5aとカム6及びベースプレート1とギヤプレート2に挿通されるセンターシャフト9の間で突っ張ることができ、ガタ感の発生の防止については本実施例と同様の効果が得られる。
乗員がシートバックの傾斜角度を調整するためにロックを外すときは、図示されていないリクライニング操作レバーを引くことにより、渦巻きバネ7,7の付勢力に抗して、センターシャフト9及びそれと一体化しているカム6を図面上でいう反時計方向に回転させる。これにより、2枚のロックギヤ5a,5bは移動することが可能になり、ギヤプレート2の内歯21とロックギヤ5a,5bの外歯51a,51bとの噛み合いが外れる。
このとき、図1に示すレバー板8もカム6と一体に回転し、レバー板8の長孔81の内周縁がロックギヤ5a,5bの突起52,52に当接し、ロックギヤ5a,5bを積極的に移動させて噛み合いを外す。噛み合いが外れるとギヤプレート2の回転が自由になり、ラウンドリクライニング装置がアンロックになる。
ラウンドリクライニング装置がアンロックになれば、シートバックの傾斜角度を自由に調整できる。調整が終了したらリクライニング操作レバーを緩めることにより、それぞれの渦巻きバネ7,7の付勢力によりカム6が回転させられ、ロックギヤ5a,5bの外歯51a,51bがギヤプレート2の内歯21に噛合してギヤプレート2をロックする。
以上説明したように、本発明におけるリクライニング装置では、第2のガイド1Cb,1Dbが内歯21が設けられた円周からなる円の中心を通る直線Xに対して平行で、第1のガイド1Ca,1Daが内歯が設けられた円周からなる円の中心を通る直線Xに対して角度θだけ傾斜して設けられている。つまり、第2のガイドに摺動される第2のロックギヤ5bは垂直方向から内歯21に噛み合い、第1のガイドに摺動される第1のロックギヤ5aは斜め方向から内歯21に噛み合うことになる。これによって、カム6を介して2枚のロックギヤ5a,5bを突っ張らせることができ、ガイドとロックギヤとの間の隙間によるガタ感の発生およびベースプレート1の内周とギヤプレート2の外周との間の隙間によるガタ感の発生を防止することができる。このため、従来からあるラウンドリクライニング装置と比較しても部品点数を増やすことなく、簡単にガタ感の発生を防止することができるのである。
1 ベースプレート
1A 内周面
1B 円形突起
1Ca、1Da 第1のガイド
1Cb、1Db 第2のガイド
1E 半月状突起
1F 第1のガイドの摺動面
1G 第2のガイドの摺動面
2 ギヤプレート
2A 外周面
2B 円形突起
21 内歯
22 平坦部
3 ブラケット
4 キャビティ(空間)
5a 第1のロックギヤ
5b 第2のロックギヤ
51a、51b 外歯
52 円柱状の突起
53a、53b ロックギヤの側面
6 カム
61 角孔
62 円柱状の突起
63 カム面
64 フック係合部
7 渦巻きバネ
8 レバー板
81 長孔
9 センターシャフト
91 スプライン
92 角孔挿通部分
93 操作レバー取り付け部分
X 内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線
Y 第1のガイドの摺動面と平行な直線
1A 内周面
1B 円形突起
1Ca、1Da 第1のガイド
1Cb、1Db 第2のガイド
1E 半月状突起
1F 第1のガイドの摺動面
1G 第2のガイドの摺動面
2 ギヤプレート
2A 外周面
2B 円形突起
21 内歯
22 平坦部
3 ブラケット
4 キャビティ(空間)
5a 第1のロックギヤ
5b 第2のロックギヤ
51a、51b 外歯
52 円柱状の突起
53a、53b ロックギヤの側面
6 カム
61 角孔
62 円柱状の突起
63 カム面
64 フック係合部
7 渦巻きバネ
8 レバー板
81 長孔
9 センターシャフト
91 スプライン
92 角孔挿通部分
93 操作レバー取り付け部分
X 内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線
Y 第1のガイドの摺動面と平行な直線
Claims (2)
- ベースプレートと、
該ベースプレート上に回転可能に組み付けられ、その円周上に内歯を有するギヤプレートと、
前記ギヤプレートの内歯と噛み合いが可能な外歯を有し、前記ギヤプレートの内歯に噛み合うことができる少なくとも1つのロックギヤと、
該ロックギヤの移動方向を規制し、前記ロックギヤが摺動する互いに平行な摺動面を有するガイドと、
前記ロックギヤのギヤプレート側への移動を制御し、前記ロックギヤを前記ギヤプレートの内歯に噛み合わせるカムと、
前記ロックギヤを内歯と噛み合わせる方向に前記カムを回転付勢するバネと、
前記ベースプレートと前記ギヤプレート及び前記カムの非円形中心孔に挿通され、回転することによって前記バネの付勢力に抗して前記カムを回転駆動し、前記ロックギヤと前記ギヤプレートとの噛み合いを解除することが可能なセンターシャフトと、
を備えるリクライニング装置において、
前記ロックギヤのうち、少なくとも1つのロックギヤが摺動するガイドの摺動面は、前記内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して円周方向に一定角度だけ傾斜して設けられていることを特徴とするリクライニング装置。 - 前記ロックギヤは2個設けられ、第1のロックギヤは第2のロックギヤに対して180°離反した位置に配設され、
第1のロックギヤが摺動する第1のガイドの摺動面は、前記内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して円周方向に一定角度だけ傾斜して設けられ、
第2のロックギヤが摺動する第2のガイドの摺動面は、前記内歯が設けられる円周からなる円の中心を通る直線に対して平行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリクライニング装置。
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007151728A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0937881A (ja) * | 1995-07-31 | 1997-02-10 | Ikeda Bussan Co Ltd | 内歯式リクライニングデバイス |
JP2000189267A (ja) * | 1995-06-23 | 2000-07-11 | Fuji Kiko Co Ltd | 車両シ―ト用リクライナ― |
JP2001087071A (ja) * | 1999-09-28 | 2001-04-03 | Imasen Electric Ind Co Ltd | リクライニング装置 |
-
2005
- 2005-12-02 JP JP2005349174A patent/JP2007151728A/ja active Pending
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