JP2007151379A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータシャフトの回転速度が所定高速域に達した場合でも流体振動が発生しないようにする。
【解決手段】ロータシャフト1端部に駆動側磁石部材18が固着され、従動側磁石部材19にインペラ部材21が取り付けられている。ロータシャフト1が所定高速域に達するまでは、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19とは同期して回転するが、所定高速域に達すると脱調により両者の同期は解除される。したがって、ロータシャフト1の高速回転にかかわらず、インペラ部材21の回転速度は抑制されるので流体振動の発生が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】ロータシャフト1端部に駆動側磁石部材18が固着され、従動側磁石部材19にインペラ部材21が取り付けられている。ロータシャフト1が所定高速域に達するまでは、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19とは同期して回転するが、所定高速域に達すると脱調により両者の同期は解除される。したがって、ロータシャフト1の高速回転にかかわらず、インペラ部材21の回転速度は抑制されるので流体振動の発生が防止される。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機に関するものである。
電車等の鉄道車両では、車体の下に配置された台車に車両駆動用主電動機を装荷し、この主電動機の回転力を歯車装置を介して車輪に伝達することにより車両を走行させるようにしている。そして、従来、このような主電動機に対して行われていた一般的な冷却方式は、機内のロータシャフトに固定された冷却ファンの回転により外気を機内に導入する、所謂「開放型自己通風冷却方式」と呼ばれるものであった。
この開放型自己通風冷却方式では、導入した外気に混入する塵埃によって機内が汚損されるのを防ぐため、外気導入口に通風ろ過器を設け、この通風ろ過器内のフィルタにより塵埃を捕捉する構成が採用されている。しかし、フィルタによって塵埃を完全に捕捉することは難しく、次第に機内に侵入した塵埃が内部に付着して集積するため絶縁性能が低下することになる。また、ある程度の期間が経過すると、フィルタに目詰まりが生じるため導入外気が減少して冷却効果が低下することになる。したがって、このような絶縁性能の低下及び冷却効果の低下を防止するために、機内及びフィルタの清掃を比較的短期間の周期で実施する必要がある。
更に、開放型自己通風冷却方式は、冷却ファンの回転によって外気を機内に導入する構成であることから、必然的に外気導入時の空気抵抗、及び冷却ファンの回転による大きな騒音が発生することになる。しかし、都市圏では鉄道沿線に住宅が接近しており、環境への配慮が強く要請される近時の風潮からは、このような大きな騒音の発生は大きな問題となる。
上記のように、開放型自己通風冷却方式を採用した電動機は、メンテナンスの負担が大きくなると共に、騒音が発生するという問題を生じることになる。そこで、最近は、省メンテナンス化及び低騒音化を図ることが可能な全密閉型電動機が次第に採用されてきている。
全密閉型電動機の構成例としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。これは、電動機の外部にポンプを付設すると共に、電動機のフレーム部材外側に循環冷媒流路を形成しておき、ポンプによって液体冷媒を循環冷媒流路に送り込む構成としたものである。
しかし、特許文献1の構成は、ポンプを設置するためのスペース、及びポンプに電力を供給するための電源を必要とするため、スペース的及び経済的に不利な構成となっている。また、もしポンプが故障した場合は液体冷媒による冷却が直ちに停止されるため、電動機は温度上昇によって損傷されることになる。
そこで、特許文献1の構成に代わり、特許文献2の構成が提案されている。これはロータシャフト端部にインペラ部材を取り付け、このインペラ部材の回転に基づくポンプ作用によって液体冷媒を循環冷媒流路に送り込む構成としたものである。この特許文献2の構成によれば、特許文献1では必要とされたポンプ及び電源等の付帯設備は不要となり、また、故障によりポンプ作用が停止されたとしても電動機が温度上昇によって損傷されることはない(ポンプ作用が停止されたときには、通常、電動機の運転も停止されるからである)。
特開平8−205475号公報
特開平10−285876号公報
上記したように、特許文献2の構成によれば、ロータシャフト端部に取り付けたインペラ部材の回転に基づくポンプ作用によって液体冷媒を循環冷媒流路に送り込む構成としているので、ポンプや電源などの付帯設備は不要となり、また、ポンプ作用が停止されたとしても電動機が損傷されることはないなどの種々のメリットを得ることが可能になっている。
しかし、ロータシャフトの回転速度が次第に上昇して所定高速域(例えば、3000rpm)に達すると、高速回転するインペラ部材のポンプ作用に基づく液体冷媒の吐出及び吸入にサージングが生じ、所謂「流体振動」と呼ばれる現象が発生する。この流体振動の発生は大きな騒音の発生も伴うので、低騒音化を図ろうとする全密閉型電動機の価値が減殺されることになる。また、流体振動が頻繁に発生すると、インペラ部材やその他の部材にも強度的な面で悪影響を及ぼし、冷却装置の寿命を縮める虞もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ロータシャフトの回転速度が所定高速域に達した場合でも、流体振動が発生することのない回転電機を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、ステータ及びロータを収納するフレーム部材外側に形成された冷媒流路と、前記フレーム部材の端面から突出するロータシャフト端部に設けられ且つロータシャフトの回転速度が所定高速域に達するまではロータシャフトと同期した回転により前記冷媒流路に冷媒を循環させるインペラ部材を有しており、しかも、ロータシャフトの回転速度が所定高速域に達したときはロータシャフトとインペラ部材との同期を解除することによりインペラ部材の回転速度の上昇を抑制する冷媒循環手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、また、上記課題を解決するための手段として、ロータシャフトの端部側に配設され、所定個所に形成された冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環手段を備えており、前記冷媒循環手段は、前記ロータシャフトに取り付けられて、ロータシャフトが所定高速域に達するまではロータシャフトと共に回転し、ロータシャフトが所定高速域に達した後はロータシャフトよりも低速度で回転する回転部材を有しており、この回転部材により前記冷媒流路に冷媒を循環させるものである、ことを特徴とする。
本発明によれば、ロータシャフトの回転速度が所定高速域に達した場合でも、流体振動が発生することのない回転電機を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転電機の構成を示す縦断面図であり、図2はその外観形状を示す斜視図である。本実施形態に係る回転電機は、例えば電車に用いられる駆動電動機である。
ロータシャフト1には、その一端側及び他端側にそれぞれ固着された軸受部材2,3を介して、フレーム部材4が取り付けられている。このフレーム部材4の外側には複数の冷却フィン5が形成されている。
フレーム部材4の内側に形成されている室内にはステータが配設されており、このステータに対向するように、ロータが配設されている。ステータは、フレーム部材4の内壁に固着された支持部材6、この支持部材6により支持されたステータ鉄心7、このステータ鉄心7に保持されたステータコイル8等により構成されている。また、ロータは、ロータシャフト1、このロータシャフト1に固着された支持部材9、この支持部材9により支持されたロータ鉄心10、このロータ鉄心10に保持されたロータバー11等により構成されている。そして、支持部材9の一端側と軸受部材2との間に位置するように、循環ファン12がロータシャフト1に固着されている。
フレーム部材4の外側には2つの電力変換器(例えばインバータ)13,14が一体的に取り付けられている。これら電力変換器13,14は、例えばIGBT等の発熱性スイッチング素子を有している。なお、このようにインバータが一体的に組み付けられた電動機は「インバータ一体型電動機」と呼ばれており、設置スペースに制限がある電車には好適な構成となっている。
図1に示した電動機は所謂「内気循環構造」を有するものである(詳しくは、特開平9−205758号公報参照)。すなわち、フレーム部材4には通風口4a及び通風口4bが形成されており、この通風口4a,4b間には密閉構造の通気管(図面簡略化のため図示を略す)が設けられている。また、支持部材9、ロータ鉄心10、及び循環ファン12にはそれぞれ通風口9a,10a,12aが形成されている。そして、ロータの回転時には内気循環ファン12の働きにより、フレーム部材4内部の内気が通風口12a,4a,通気管,通風口4b,9a,10a等の流路を通って循環され、これによりステータ及びロータに対する冷却が行われるようになっている。
フレーム部材4の他方の端面側から突出するロータシャフト1の端部には冷媒循環器15が配設されている。この冷媒循環器15は、内部に冷媒貯溜室17が形成されている冷媒貯溜容器16と、磁気カップリング20と、インペラ部材21とで構成されている。
そして、磁気カップリング20は、冷媒貯溜室17内においてロータシャフト1端部に固着された駆動側磁石部材18、及びこの駆動側磁石部材18と所定の間隙を置いて配置される従動側磁石部材19により形成されている。また、インペラ部材21は適当な取付部材を介して従動側磁石部材19に取り付けられている。
冷媒貯溜容器16の上部には吐出口16a及び吸入口16bが形成されており、これら吐出口16a及び吸入口16bには、配管部材や仕切り部材等により形成された冷媒流路22の一端側及び他端側が接続されている。冷媒流路22は、電力変換器13及びその周囲の冷却フィン5を通過するように配設されている。
同様に、冷媒貯溜容器16の下部には吐出口16c及び吸入口16dが形成されており、これら吐出口16c及び吸入口16dには、配管部材や仕切り部材等により形成された冷媒流路23の一端側及び他端側が接続されている。冷媒流路23は、電力変換器14及びその周囲の冷却フィン5を通過するように配設されている。なお、図2における符号24は、この回転電機(電動機)を電気車の所定個所に取り付けるための取付部である。
そして、冷媒貯溜室17内には冷媒としての冷却油が貯溜されており、インペラ部材21が回転すると、この冷却油が吐出口16a,16cから冷媒流路22,23に吐出され、熱交換を終えた冷却油が吸入口16b,16dから冷媒貯溜室17内に返送されるようになっている。
なお、図1では図面簡略化のため、軸受部材2,3が直接にフレーム部材4に取り付けられているように図示されているが、実際には、軸受部材2にはフレーム部材4の室内と外気との遮断を行うための密閉性保持部材が装着されており、また、軸受部材3にはフレーム部材4の室内と冷媒貯溜室17との遮断を行うための密閉性保持部材が装着されている。
図3は、図1における磁気カップリング20の配置構成を示す斜視図である。駆動側磁石部材18は、合計6個のS極の永久磁石及びN極の永久磁石が交互に配列されてリング状に形成されている。同様に、従動側磁石部材19も、合計6個のS極の永久磁石及びN極の永久磁石が交互に配列されてリング状に形成されている。駆動側磁石部材18は外径D1を有し、従動側磁石部材19は内径D2を有している。したがって、駆動側磁石部材18の外面と従動側磁石部材19の内面との間の間隙寸法Gは、G=(D2−D1)/2により求められる。
なお、図3に示した例では、従動側磁石部材19の外側に取付部材(図示せず)を介して取り付けられたインペラ部材21の個数は4個となっているが、この個数は運転環境に応じて適宜変更されるものである。
次に、上記のように構成される第1の実施形態の動作につき説明する。ステータコイル8に対する通電により回転磁界が発生するとロータが回転し、ロータシャフト1が回転する。このときの回転数は所定高速域以下(例えば、3000rpm以下)とする。ロータシャフト1が回転すると、これに固着された駆動側磁石部材18も回転し、さらにこれに磁気的に連結された従動側磁石部材19も駆動側磁石部材18に同期して回転する。したがって、従動側磁石部材19に取り付けられたインペラ部材21も回転する。
インペラ部材21が回転すると、冷媒貯溜容器16の冷媒貯溜室17内に貯溜されている液体冷媒がポンプ作用によって吐出口16a,16cから冷媒流路22,23へ送り出され、冷却フィン5及び電力変換器13,14で熱交換を終えた液体冷媒が吸入口16b,16dを通って冷媒貯溜室17内に返送される。このような液体冷媒の循環によって、冷却フィン5及び電力変換器13,14に対する冷却と、フレーム部材4内側に配設されているステータ及びロータに対する冷却とが有効に行われる。
また、本実施形態の電動機は既述した「内気循環構造」を有するものであり、ロータシャフト1の回転により、これに固着された内気循環ファン12も回転し、フレーム部材4内部の内気が循環されてステータ及びロータに対する冷却が行われる。つまり、本実施形態では電動機のステータ及びロータが、フレーム部材4外側で循環する液体冷媒と、フレーム部材4の内外を循環する内気との2種類の冷媒によって効率的な冷却が行われている。
そして、ロータの回転速度が上昇し、ロータシャフト1の回転速度が3000rpmを超える高速度になると、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との同期が解除された状態(脱調した状態)となり、駆動側磁石部材18の高速回転にかかわらず従動側磁石部材19の高速回転への上昇が抑制される。すなわち、前述した駆動側磁石部材18の外面と従動側磁石部材19の内面との間の間隙寸法G=(D2−D1)/2の値は、予め行われていた実験等により、3000rpmを超える高速域では駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との同期が解除されるような最適値に設定されている。
したがって、図1の構成では、ロータシャフト1が3000rpmを超える高速度で回転しても、インペラ部材21がこれに同期して高速度回転することはないので、流体振動の発生を有効に防止することが可能になる。それ故、従来、電車の高速走行時に、流体振動に起因して発生していた大きな騒音を防止することができる。
なお、ロータの回転速度が3000rpmを超えることにより同期が解除された駆動側磁石部材18及び従動側磁石部材19は、その後に3000rpm以下に低下したときには自動的に同期した状態に復帰することになる。
ところで、本実施形態に係る電動機はインバータが一体的に組み付けられた「インバータ一体型電動機」であり、フレーム部材4の外側に電力変換器13,14が一体的に取り付けられているが、本実施形態の構成によれば、電力変換器13,14内のスイッチング素子の疲労破壊を回避できるという副次的効果を得ることができる。
つまり、特許文献2に開示された従来装置のように、インペラ部材21が直接ロータシャフト1に固着されていると仮定すると、ロータシャフト1の高速回転(電車の高速走行時)が直ちにインペラ部材21の高速回転となり、低速回転時(電車の低速走行時)に比べて電力変換器13,14内を通る液体冷媒量が大きく増加する。したがって、スイッチング素子の温度変化は相当程度大きなものとなり、電車の低速走行と高速走行とが繰り返し行われると、ヒートサイクルにおける大きな温度差によってスイッチング素子に疲労破壊が発生しやすくなる。
ところが、図1の構成では、インペラ部材21は磁気カップリング20を介してロータシャフト1に取り付けられており、所定回転速度まではロータシャフト1に同期して回転するが、それ以上ロータシャフト1の回転速度が上昇すると、この同期が解除される。したがって、インペラ部材21は、ロータシャフト1の回転速度の上昇にかかわらず、その回転速度の上昇が抑制される。それ故、電車の低速走行と高速走行とが繰り返し行われたとしても、低速走行時と高速走行時との間における循環冷媒量はそれほど激しく変化することはなく、ヒートサイクルにおける温度差が小さくなるため、スイッチング素子に疲労破壊が発生するのを回避することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態の要部構成である磁気カップリング20の配置構成を示す斜視図である。既述したように、駆動側磁石部材18の外面と従動側磁石部材19の内面との間の間隙寸法G=(D2−D1)/2の値は、予め行われた実験等により最適値に設定されているが、運転環境等の変化によって更にその後に再設定する必要が生じる場合がある。しかし、磁気カップリング20の組付を一旦完了させた後に、内径D2又は外径D1の値を変化させて間隙寸法Gの値を調整する作業は容易ではない。そこで、この第2の実施形態では、このような場合に容易に対処することが可能な構成を提供している。
図4が図3と異なる点は、駆動側磁石部材18の外面と従動側磁石部材19の内面との間に形成されている間隙に、例えばアルミニウム等の非磁性材料で形成され且つ板厚tを有する隔壁板25が介挿されている点である。この隔壁板25の板厚tにより駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の磁気的結合力が決定されるため、板厚tの値を適切に調整することによって両者の同期が解除されるタイミングすなわち回転速度を設定することができる。したがって、図4の構成によれば、上記の間隙寸法Gの値を変化させたのと実質的に同等の効果を得ることができる。
なお、実際の調整作業では、板厚tの値がそれぞれ異なる複数個の隔壁板25を予め製作しておき、これら複数個の隔壁板25を順次交換しながら実験を行う方法が効率的である。
また、本実施形態では、板厚tを変化させる代わりに、隔壁板25の材質(透磁率等の物性値が異なる材質)を変化させることにより対処することも可能である。この場合も、材質がそれぞれ異なる複数個の隔壁板25を予め製作しておき、これら複数個の隔壁板25を順次交換しながら実験を行う方法が効率的である。
図5は、本発明の第3の実施形態の要部構成であるロータシャフト1端部の形状を示す斜視図である。図1に示した構成では、ロータシャフト1端部に固着された駆動側磁石部材18が磁気カップリング20の1つの構成要素となっていたが、この第3の実施形態では、駆動側磁石部材18の代わりに、ロータシャフト1端部の外面に所定間隔で形成した複数の溝部1aを用いている。
そして、ロータシャフト1が回転すると、溝部1aに対向して配設されている従動側磁石部材19(図5では図示せず)からの磁力線による磁束分布が変化するために、従動側磁石部材19を回転させるのに充分な回転トルクが発生する(所謂リラクタンスモータの原理による)。したがって、第1の実施形態の場合と同様に、所定高速域に達するまではロータシャフト1及び溝部1aの回転に同期して従動側磁石部材19及びインペラ部材21が回転し、それ以降の高速域ではこの同期が解除されて従動側磁石部材19及びインペラ部材21の回転速度の上昇が抑制される。
第3の実施形態によれば、磁気カップリング20の一方の構成要素である駆動側磁石部材18を省略することができるため、その分コストを低減することができ、また、従動側磁石部材19の内径D2も小さくできるので、その分、冷媒循環器15の小型化を図ることができる。
図6は、本発明の第4の実施形態の要部構成である、インペラ部材21(この図では図示せず)が取り付けられるリング状金属部材26の形状を示す斜視図である。上記の図5の第3の実施形態では、ロータシャフト1端部の外面に所定間隔で形成した複数の溝部1aを、駆動側磁石部材18の代わりに用いた構成としていたが、この第4の実施形態では、従動側磁石部材19の代わりに、リング状金属部材26の外面に所定間隔で形成した複数の溝部26aを用いた構成としている。
そして、ロータシャフト1が回転すると、溝部26aに対向して配設されている駆動側磁石部材18からの磁力線による磁束分布が変化するために、リング状金属部材26が回転するのに充分な回転トルクが発生する。したがって、リング状金属部材26に取り付けられたインペラ部材21は、第1の実施形態の場合と同様に、所定高速域に達するまではロータシャフト1及び駆動側磁石部材18の回転に同期してリング状金属部材26及びインペラ部材21が回転し、それ以降の高速域ではこの同期が解除されてリング状金属部材26及びインペラ部材21の回転速度の上昇が抑制される。
第4の実施形態によれば、磁気カップリング20の他方の構成要素である従動側磁石部材19を省略することができるため、その分コストを低減することができ、また、従動側磁石部材19を省略できた分だけ、冷媒循環器15の小型化を図ることができる。
図7は、本発明の第5の実施形態の要部構成である磁気カップリング20の配置構成を示す説明図である。この図に示すように、駆動側磁石部材18の磁極数は「6」、従動側磁石部材19の磁極数は「12」となっており、両者の比は1対2となっている。
これまでの各実施形態では、図3又は図4に示したように、駆動側磁石部材18の磁極数と従動側磁石部材19の磁極数と比は1対1となっていたため、両者の回転速度は同じになっていた。これに対し、第5の実施形態では上記のように1対2となっているため、従動側磁石部材19は駆動側磁石部材18の略2倍の回転速度を得ることができる。
したがって、循環冷媒量が不足気味になる虞がある低速回転時(電車の低速走行時)においても、インペラ部材21の回転速度を上げることができ、充分な循環冷媒量を確保することが可能になる。
図8は、本発明の第6の実施形態の要部構成である磁気カップリング20の配置構成を示す説明図である。この実施形態では、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間に中間磁石部材27が介挿されており、磁気カップリング20は、同心円状に配置された3つの磁石部材による多段構成となっている。
そして、駆動側磁石部材18の磁極数は「6」、中間磁石部材27の磁極数は「12」、従動側磁石部材19の磁極数は「24」となっており、三者の磁極数の比は1対2対4となっている。つまり、中間磁石部材27の磁極数は、駆動側磁石部材18よりも多く且つ従動側磁石部材19よりも少なくなっている。したがって、従来装置であれば循環冷媒量が不足気味になる低速回転時(電車の低速走行時)においても、インペラ部材21の回転速度を上げることができ、図7に示した第5の実施形態よりも一層充分な循環冷媒量を確保することが可能になる。
なお、図7及び図8の構成では、外側磁石部材の磁極数は内側磁石部材の磁極数の2倍となっているが、3倍以上の磁極数又は2倍よりも小さな磁極数であってもよい。例えば、図7の構成では、駆動側磁石部材18の磁極数を「6」、従動側磁石部材19の磁極数を「10」とすることができ、図8の構成では、駆動側磁石部材18の磁極数を「6」、中間磁石部材27の磁極数を「10」、従動側磁石部材19の磁極数を「16」とすることができる。但し、同一極性が連続しないようにするため、磁極数はいずれの場合であっても偶数個とするのが好ましい。
図9は、本発明の第7の実施形態の要部構成である磁気カップリング20の配置構成を示す説明図である。これまでの各実施形態では、駆動側磁石部材18の外側に従動側磁石部材19が同心円状に配置されていたが、この実施形態では、従動側磁石部材が独立の回転軸を有する6個の従動側磁石部材19A〜19Fにより構成され、これらが駆動側磁石部材18の回りにそれぞれ距離L1〜L6だけ離間して配置されている。なお、回転方向については、例えば、駆動側磁石部材18が時計回り方向に回転したときには、従動側磁石部材19A〜19Fは反時計回り方向に回転することになる。
そして、各従動側磁石部材19A〜19Fには4個のインペラ部材21(図9では図示せず)が取り付けられており、また、冷媒流路はこれら6個の従動側磁石部材19A〜19Fに対応するように6つの流路に分岐されている。なお、これら6つに分岐された流路は、途中に合流する個所が形成されているものでもよい。
図9の構成例では、従動側磁石部材19A〜19F、及び離間距離L1〜L6が全て同一であるものとして図示されているが、本実施形態の最も有用な構成例は、電動機の仕様や設置環境に応じて従動側磁石部材19A〜19Fの磁極数及び離間距離L1〜L6をそれぞれに異なるものとした場合である。何故なら、必要な循環冷媒量は電動機の場所によってそれぞれ異なるのが通常だからである。例えば、図1において、電力変換器13,14及びその周囲に対しては循環冷媒量を多くすべきであり、それ以外の個所では循環冷媒量は比較的少なめでよいことになる。
このように、第7の実施形態によれば、回転電機の仕様や設置環境に応じて循環冷媒をきめ細かに配分することができ、効率的な冷却を行うことが可能になる。
図10は、本発明の第8の実施形態に係る回転電機の構成を示す縦断面図である。図10が図1と異なる点は、冷媒循環器15Aを構成する冷媒貯溜容器16Aの形状である。すなわち、図1の構成では、ロータシャフト1端部、駆動側磁石部材18、従動側磁石部材19、インペラ部材21が密閉室である冷媒貯溜室17内に配設されていたが、この図10の構成では、従動側磁石部材19及びこれに取り付けられたインペラ部材21のみが17内に配設されており、ロータシャフト1端部及びこれに取り付けられた駆動側磁石部材18は、冷媒貯溜容器16Aの内壁部16Aaに囲まれた大気開放空間に配設されている。
この第8の実施形態では、図10に図示するように軸受部材3の外側に冷媒貯溜室17を形成することが可能となるので、軸受部材3と冷媒貯溜室17との間の遮断を行うための密閉性保持部材(シール部材等)を必要とすることなく、冷媒貯溜室17の密閉性を高めることができる。
また、図1の構成では、ロータシャフト1に連結される負荷は冷媒循環器15とは反対側のロータシャフト1端部に限定されることになるが、図10の構成では冷媒循環器15A側とすることも可能な場合がある。したがって、設計上の自由度がそれだけ大きくなる。
更に、図10の構成では、ロータシャフト1端部及び駆動側磁石部材18が液体冷媒中ではなく大気中で回転するため、僅かではあるが負荷トルクが軽減されるという効果もある。
そして、図4においては、隔壁板25の機能につき既述したが、図10の構成では内壁部16Aaに隔壁板25の機能を代替させることが可能である。つまり、内壁部16Aaをアルミニウム等の非磁性材料で形成し、その板厚を適切に調整することによって駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の同期が解除されるタイミングすなわち回転速度を設定することができる。
図11は、本発明の第9の実施形態の要部構成である、ロータシャフト1端部におけるインペラ部材21の取付構造を示す斜視図である。この実施形態では、ロータシャフト1端部が樹脂製リング部材28に嵌装されており、この樹脂製リング部材28にインペラ部材21が取り付けられている。これまでの各実施形態では、ロータシャフト1が所定高速域に達したときにロータシャフト1とインペラ部材21との同期を解除する手段として、磁気カップリング20を用いていた。これに対し、本実施形態では、磁気カップリング20の代わりに、樹脂製リング部材28を用いることにより冷媒循環手段の構成を簡単化している。
そして、本実施形態では、ロータシャフト1の回転速度が所定高速域に達すると、遠心力の作用によって樹脂製リング部材28の内径が僅かに拡張するため、樹脂製リング部材28の内面が微小距離(数百ミクロン程度で可)だけロータシャフト1から離間する。したがって、ロータシャフト1と樹脂製リング部材28及びインペラ部材21との間の同期が解除される。
本実施形態によれば、磁気カップリング20の代わりに安価な樹脂製リング部材28を用いているので、大幅なコストダウンを図ることができる。また、樹脂製リング部材28は、磁気カップリング20に比べて小形且つ軽量であるため、スペース及び重量の面でも有利な構成となる。
なお、ロータシャフト1と樹脂製リング部材28との間の同期が解除されるタイミングの設定については、樹脂製リング部材28の材質を変化させることにより調整することができるが、遠心力は樹脂製リング部材28の重量と対応関係を有しているので、厚みの異なる樹脂製リング部材28を複数種類用意しておくことで適宜調整することができる。
あるいは更に簡便な調整手法として、最初はある程度重めの樹脂製リング部材28を製作しておき、その後にこの樹脂製リング部材28の適当個所に切り欠き部等を設けて次第に軽量化していく過程で最適重量を見出すようにする手法も考えられる。
図12は、本発明の第10の実施形態に係る回転電機の構成を示す縦断面図である。図12が図1と異なる点は、冷媒流路22,23がフレーム部材4の周面部に沿って形成されているだけでなく、端面部(図4における左方の個所)にも沿って形成されている点である。
図1の構成では、フレーム部材4の端面部からの冷却が行われることはなかったが、本実施形態によれば、冷媒流路22,23がフレーム部材4のほぼ全ての個所をカバーするように形成されているので、冷却面積を拡大することができ冷却能力を一層高めることができる。
図13は、本発明の第11の実施形態に係る回転電機の構成を示す縦断面図である。図13が図1と異なる点は、冷媒流路22,23が分岐流路22a,23aを有しており、これらの分岐流路22a,23aがステータ鉄心7を挿通している点である。
図1の構成では、冷媒流路22,23によるステータ鉄心7に対する冷却はフレーム部材4及び冷却フィン5を介して間接的に行われる構成となっていたが、本実施形態では、分岐流路22a,23aがステータ鉄心7に対する冷却を直接的に行う構成となっているので、ステータ鉄心7に対する冷却能力を大幅にアップすることができる。
図14は、本発明の第12の実施形態の要部構成である磁気カップリング20の配置構成を示す説明図である。図14が図9と異なる点は、従動側磁石部材19A〜19Fと駆動側磁石部材18との間の距離L1〜L6が同一ではなく次第に短くなっている点である。したがって、従動側磁石部材19A〜19Fは駆動側磁石部材18の周りに螺旋状に配置された状態になっている。
そして、従動側磁石部材19A〜19Fが駆動側磁石部材18との間で同期を解除する回転数は、それぞれ2000rpm,2200rpm,2400rpm,2600rpm,2800rpm,3000rpmとなっている。そのため、ロータシャフト1の回転数が上昇しても、それに伴って同期して回転する従動側磁石部材の数が段階的に減少していくので、常に騒音レベルが一定になるという効果を期待することができる。
なお、図9の第7の実施形態の説明において、距離L1〜L6がそれぞれ異なる場合については既に言及されているので、この12の実施形態は第7の実施形態に属するものであるとも言える。
図15は、本発明の第13の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図である。図15における冷媒循環器15が図1と異なる点は、磁気カップリング20を構成する駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間に、ロータシャフト1の軸方向に相対的なズレ量dが生じている点である。このズレ量dの値を可変することにより、ロータシャフト1とインペラ部材21との間、すなわち駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の同期が解除されるタイミング(回転数)を調整することができる。
図3において既述したように、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の同期が解除されるタイミングは、基本的には間隙寸法Gの値によって定まるが、間隙寸法Gの値を可変するのは必ずしも容易ではないために、図4に示すように、隔壁板25を用いる構成を採用し、この隔壁板25の板厚tや材質を可変することにより上記の同期が解除されるタイミングを設定するようにしている。
本実施形態は、この同期解除のタイミング設定について更に別の手法を提供し、設計上の選択の幅を広げたものである。なお、ズレ量dの設定は、駆動側磁石部材18に対する従動側磁石部材19の取付位置を可変するようにしてもよいが、容器高さHが異なる冷媒貯溜容器16を何種類かを用意しておき、その中から最適の容器高さHを有する冷媒貯溜容器16を選択する方が、より容易にズレ量dを最適に設定することができる。
図16は、本発明の第14の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図である。図16における冷媒循環器15が図1と異なる点は、ロータシャフト1の端部に小径部1bが形成されており、この小径部1bに駆動側磁石部材18が取り付けられている点である。
本実施形態の構成によれば、駆動側磁石部材18の外径を小さくすることができるので、これに伴って従動側磁石部材19及びインペラ部材21の外径も小さくすることができ、したがって冷媒貯溜容器16の外径も小さくすることができる。すなわち、回転電機の端面から突出した状態となる冷媒循環器15を小型化することができるので、設計上、機器配置について大きな自由度を得ることができる。
なお、図16の構成では、ロータシャフト1の軸方向における駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間のズレ量dがゼロの場合を示しているが、この構成においても容器高さHを変えることによりズレ量dを生じさせるようにし、図15の場合と同様に同期解除のタイミング設定を容易にすることができる。
図17は、本発明の第15の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図である。本実施形態では、上記の第14の実施形態よりも冷媒循環器15を更に小型化できるように構成している。
すなわち、図17における駆動側磁石部材18は薄型のものであり、これがロータシャフト1の小径部1bに取り付けられている。また、この駆動側磁石部材18に対しロータシャフト1の軸上で対向した配置となるように、やはり薄型の従動側磁石部材19が従動シャフト29の取付部29aに取り付けられている。この従動シャフト29の右方の基端部は、冷媒貯溜容器16の端面に固着された軸受部材30によって回転可能に支持されている。そして、従動側磁石部材19及び取付部29aの外側面上にインペラ部材21が取り付けられている。
図16の構成では、駆動側磁石部材18の外側に従動側磁石部材19が配設された構成となっているのに対し、図17の構成では、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19とが付き合わされた構成となっているので、インペラ部材21の外径をより小さくすることができ、したがって冷媒循環器15を更に小型化することができる。
なお、この図17の構成においても、容器高さHを変えることによりズレ量dを生じさせるようにし、図15及び図16の場合と同様に同期解除のタイミング設定を容易にすることができる。
図18は、本発明の第16の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図である。この図18の構成は、図16及び図17の中間レベルといえるものである。つまり、図16の構成は、ロータシャフト1に小径部1bを形成して駆動側磁石部材18の外径を小さくしたといっても、駆動側磁石部材18及び従動側磁石部材19は同心円上に配置されているので冷媒貯溜容器16の外径はそれほど小さくなるわけではない。一方、図17の構成は、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19とが付き合わされた構成となっているので、インペラ部材21の外径が小さくなり、したがって冷媒貯溜容器16の外径もかなり小さくなる。ところが、図17の構成は、冷媒貯溜容器16の外径が小さくなる反面、軸方向長さつまり容器高さHがある程度大きくなることが避けられない。
そこで、図18に示すように、本実施形態では、ロータシャフト1の端部にテーパ面を設け、ロータシャフト1の軸と傾斜角θ(例えば45度)をなす傾斜軸上に駆動側磁石部材18を取り付けている。そして、基端部が軸受部材30により支持されている従動シャフト29の取付部29bに従動側磁石部材19を取り付け、従動側磁石部材19が上記の傾斜軸上で駆動側磁石部材18と対向した配置となるようにしている。
また、従動側磁石部材19の背面側に位置する取付部29bの個所にはインペラ部材21を取り付け、結局、駆動側磁石部材18、従動側磁石部材19、及びインペラ部材21の3つの部材が傾斜軸上を通るように配設された構成となっている。
図18は、このような構成となっているので、冷媒貯溜容器16の外径及び容器高さHを、図16及び図17の中間程度の大きさとすることができ、回転電機を設置する際の設計上の自由度の拡大に資することを可能にしている。
なお、この図18の構成において、図示の状態から容器高さHを次第に大きくしていくと、間隙寸法Gが大きくなると同時に、傾斜軸に垂直な方向の軸上における駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間のズレ量も大きくなる。したがって、両磁石の磁束分布の変化と容器高さHの変化との対応関係も明確化され、同期解除のタイミング設定がこれまでの実施形態に比べてより容易になるものと考えられる。
図19は、本発明の第17の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図である。この図19の構成は、図17の第15の実施形態よりも、冷媒貯溜容器16の外径及び軸方向長さを一層小さくできるようにしたものである。
すなわち、ロータシャフト1の端部の内部に穴部1cを形成し、この穴部1c内に従動側磁石部材19を配置するようにしている。この従動側磁石部材19は、基端部が軸受部材30により支持されている従動シャフト29の先端部に取り付けられ、駆動側磁石部材18に対しその内側で対向するように配置されている。そして、駆動側磁石部材18はロータシャフト1外周面に形成された環状溝に嵌着されているので、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の間隙寸法Gが所定値以下となっている。また、インペラ部材21は、ロータシャフト1の端面と軸受部材30との間の位置で従動シャフト29に取り付けられている。
このように、図19の構成では、ロータシャフト1の端部の内部に穴部1cを形成し、この穴部1c内に従動側磁石部材19を、駆動側磁石部材18に対しその内側で対向するように配置しているので、冷媒貯溜容器16の外径及び軸方向長さを一層小さくすることができる。
図20は、本発明の第18の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図である。この図20の構成は、図19の第17の実施形態よりも、冷媒貯溜容器16の外径及び軸方向長さを更に一層小さくできるようにしたものである。
すなわち、図19の構成と同様に、ロータシャフト1の端部の内部に穴部1cを形成し、この穴部1c内に従動側磁石部材19を配置するようにしている。しかし、図19の構成とは異なり、この従動側磁石部材19を支持しているのは従動シャフト29のような中実状のシャフトではなく、中空パイプ状従動シャフト31である。
この中空パイプ状従動シャフト31は、一方の端部つまり先端部に形成された開口部31a、他方の端部つまり基端部の端面を塞ぐ閉塞部31b、両端部間の外周面に所定角度毎に放射状になるように形成された複数の孔部31c、及び開口部31aから複数の孔部31cにわたって内周面に形成された複数のスキュー状インペラ部31dを有している。
従動側磁石部材19は、このような構造の中空パイプ状従動シャフト31の先端部に取り付けられている。そして、図19の構成では、駆動側磁石部材18がロータシャフト1の外周面に形成された環状溝に嵌着されていたが、図20の構成では、駆動側磁石部材18がロータシャフト1の内周面に形成された環状溝に嵌着されている。したがって、両磁石部材の間にロータシャフト1の部位が介在しないので、磁束分布がより密になり必要な電磁的結合力を確保することができる。また、この図20の構成では、これまでの実施形態と異なり、吐出口16aと吸入口16bとの位置が入れ替わり、同様に、吐出口16cと吸入口16dとの位置が入れ替わっている。
このような図20の構成において、ロータシャフト1及び駆動側磁石部材18が回転すると、所定高速域の回転数(3000rpm)になるまでは、これに同期して従動側磁石部材19も回転する。このとき、冷媒貯溜室17内の冷媒の流れは点線部で示したようになる。すなわち、吸入口16b,16dからの冷媒は、回転するスキュー状インペラ部31dの働きにより、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の間隙から開口部31aに吸引され、更に、スキュー状インペラ部31dにより孔部31cに案内される。そして、案内された冷媒はこの孔部31cを通って、中空パイプ状従動シャフト31の外部へ排出される。排出された冷媒は、吐出口16a,16cからそれぞれ冷媒流路22,23に導かれて既述したように循環される。
なお、図20の構成では、インペラ部材がこれまでの実施形態のように駆動側磁石部材18又は従動シャフト29の外周側に露出した状態で配設されたインペラ部材21ではなく、中空パイプ状従動シャフト31の内周面に隠れた状態で形成されたスキュー状インペラ部31dであるため、吸入口16b,16dから冷媒を吸引する力、及び吐出口16a,16cに向けて冷媒を送り出す力が弱くなるように見える。しかし、冷却に必要な量の冷媒を冷媒流路22,23に循環させるには、実際にそれほど大きな力が必要になるわけではなく、図20の構成によって得られる力で充分である。
また、図20の構成では、従動側磁石部材19と中空パイプ状従動シャフト31とが別部材であるとして説明しているが、両者の材料としてアルニコ磁石を用いるようにし、鋳造等により両者を一体的に成形するようにしてもよい。これにより、製造工程を短縮することができコストダウンを図ることができる。
このように、図20の構成では、ロータシャフト1の端部の内部に穴部1cを形成し、この穴部1c内に中空パイプ状従動シャフト31先端部に取り付けられた従動側磁石部材19を、駆動側磁石部材18に対しその内側で対向するように配置している。そして、磁気カップリング20の回転時には、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間に形成されている隙間から開口部31aを経由して中空パイプ状従動シャフト31内部に吸引された冷媒が、スキュー状インペラ部31dに案内された後、複数の孔部31cを通って中空パイプ状従動シャフト31の外部へ排出されるようにしているので、冷媒貯溜容器16の外径及び軸方向長さを一層小さくすることができる。
図21は、本発明の第19の実施形態の要部構成である冷媒循環器15の部分を拡大して示した縦断面図であり、図22は図21におけるXXII-XXII矢視図である。図21における冷媒循環器15が図1と異なる点は、インペラ部材21が外周面上に固着されたリング部材32が従動側磁石部材19の外側に配置され、このリング部材32内周面と従動側磁石部材19外周面との間に、従動側磁石部材19に対して反発付勢力を有する複数のバネ部材33が介挿されている点である。なお、詳しく図示はしていないが、従動側磁石部材19を構成している6個のピース(磁石片)は、それぞれ接合されているわけではなく、遠心力が作用した場合には僅かに(数百ミクロン程度)離間して従動側磁石部材19の内径が拡張するように配設されている。
図21において、駆動側磁石部材18外面と従動側磁石部材19内面との間の間隙は当初Gであるが、ロータシャフト1が回転し回転速度が所定高速域に達すると、遠心力の作用によって従動側磁石部材19の内径が拡張する。本実施形態では、駆動側磁石部材18及び従動側磁石部材19の材料に安価なものを使用し充分な電磁的結合力が得られないことを前提としているため、このときの従動側磁石部材19内径の拡張は大きなものになろうとする。しかし、本実施形態では、バネ部材33が従動側磁石部材19に対して反発付勢力を与えているために、このときの従動側磁石部材19内径の拡張はそれほど大きくならず、小さな値δに抑制されている。そして、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間で同期が解除されるタイミングは、この従動側磁石部材19の拡張量であるδの値によって決定される。
つまり、図23(a)に示すように、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の磁石間吸引力F1は、従動側磁石部材19の拡張量δが大きくなるにしたがって減少する。一方、図23(b)に示すように、バネ部材33のバネ力(反発付勢力)F2は拡張量δが大きくなるにしたがって増加する。それ故、磁石間吸引力F1の減少分をバネ力F2の増加分によって補完することができ、δの値は結局両者のバランス点に落ち着くことになる。
このように、図21の構成によれば、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間に必要な電磁的結合力が充分に得られない場合においても、バネ部材33のバネ力を利用して電磁的結合力の不足を補うことができる。したがって、駆動側磁石部材18及び従動側磁石部材19にそれほど高品質の高価な材料を用いる必要がなくなり、コストダウンを図ることが可能になる。
図24は、本発明の第20の実施形態の要部構成である磁気カップリング20及びその周辺の部材の構成例を示す説明図であり、図25は図24におけるXXV-XXV矢視図である。
図24に示すように、従動側磁石部材19の周囲には、ある程度大きな値の肉厚を有する樹脂製のリング部材34が配設されており、このリング部材34の側端面にゼンマイバネのような回転バネ部材35を介して4個のインペラ部材21が取り付けられている。
このインペラ部材21は、図25に示すように、両サイドに取付脚21aが形成されたものである。そして、このインペラ部材21の外側に回転バネ部材35が配置されており、この回転バネ部材35が、従動側磁石部材19を挿通するピン部材36によって取付脚21aに取り付けられている。
図24において、ロータシャフト1及び駆動側磁石部材18が矢印方向に回転し、所定高速域(3000rpm)に達すると、これまでと同様に、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との同期が解除され、従動側磁石部材19及びインペラ部材21のそれ以上の高速回転が抑制される。そして、インペラ部材21はこのとき冷媒から抵抗力をうけており、この抵抗力によって回転バネ部材35のバネ力に抗して、2点鎖線で示すように、回転方向と反対側に傾斜する。この傾斜によって、インペラ部材21と冷媒との接触量が減少するため、循環冷媒量が減少することになる。また、この後、回転数が所定高速域以下に低下すると、インペラ部材21は回転バネ部材35のバネ力により元の姿勢に復帰する。
第1の実施形態において、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との同期が解除されることにより、電力変換器13,14内のスイッチング素子のヒートサイクルに起因する疲労破壊を回避できるという副次的効果について既述したが、この第20の実施形態の構成によれば、両磁石部材の同期解除に加えてインペラ部材21の傾斜によっても循環冷媒量を減少させることができるので、ヒートサイクルに起因する疲労破壊の回避を一層有効に行うことができる。
なお、上記の例では、インペラ部材21の傾斜が所定高速域(3000rpm)に達したときに生じる場合を説明したが、回転バネ部材35のバネ力を調整することにより、所定高速域よりもやや低い回転数(2800rpm,2600rpm等)に達した時点で傾斜が生じるようにしてもよい。
また、本実施形態では、インペラ部材21が回転バネ部材35を介してリング部材34に取り付けられる構成について説明したが、インペラ部材21及び回転バネ部材35を軟質樹脂材により一体的に成形し、所定の回転数に達したときに冷媒から受ける抵抗力によってインペラ部材21が傾斜する構成としてもよい。この構成によれば、図25における回転バネ部材35及びピン部材36の組付作業を省略することができ、工数を低減することができる。
本発明の構成は、概ね上述した各実施形態において述べた通りのものであるが、その他に種々の変形又は変更が可能であり、下記のような形態を広く包含するものである。
(1)上記各実施形態では、冷媒が液体冷媒(冷却油)である場合につき説明したが、気体冷媒として外気を用いるようにしてもよい。この場合、図1に示した冷媒貯溜容器16は、その端面部分を除去して形成される開口部から外気を導入する構造となる。この場合の外気は、電動機内に導入されるわけではなく、冷媒流路22,23に導入されるだけなので「開放型自己通風冷却方式」のように塵埃を除去するためのフィルタは不要である。また、インペラ部材21も小さなものなので、「開放型自己通風冷却方式」のように大きな騒音を発生するわけではない。
(2)上記各実施形態では、回転電機が電動機である場合につき説明したが、もちろん本発明の回転電機は発電機を含むものである。
(3)上記各実施形態では、回転電機が電車用駆動電動機である場合につき説明したが、電車用に限定されるわけではなく、例えば昇降機用駆動電動機など他の電動機であってもよい。また、本発明の構成は、これらの大型回転電機ばかりでなく、産業用民生機器等の小型回転電機にも適用可能である。
(4)図1の構成では特に説明しなかったが、冷媒貯溜容器16の横断面形状は円形であり、ロータシャフト1の位置はこの円形の中心に一致している場合を想定している。しかし、冷媒貯溜容器16の中心部をロータシャフト1の位置(つまり複数のインペラ部材21の中心位置)から偏心させる構成とすれば、インペラ部材21の回転時のポンプ作用をより高能率で行うことができる。このように、容器とインペラ部材とを偏心させることによりポンプを高能率で運転する技術は、例えば渦巻きポンプ等の分野において採用されている。
(5)上記各実施形態では、冷媒循環手段の内部に設けられ、冷媒流路に冷媒を循環させるための部材がインペラ部材であるとして説明したが、この部材はインペラ部材と呼ばれるもの以外の他の回転部材を広く含むものであり、更に、冷媒流路もフレーム部材外側以外の個所に形成することも可能である。
(6)冷媒については、液体冷媒の他に、外気のような気体冷媒を用いることが可能であることを(1)において既述したが、その後の発明者らの実験・調査により、気体冷媒として水素を用いた場合に大きな効果が得られることが判明している。例えば、インペラ部材回転時に生じる機械損の一つである通風摩擦損を約20%ほど低減することができ、また、水素は空気に比較して熱伝達率が3〜6倍程度大きくなるために冷却能力を大幅に向上させることができる。
なお、冷媒に水素を用いる場合は、例えば、図1における冷媒循環器15付近に水素ボンベを付設し、この水素ボンベから水素を取り入れるための開口部を冷媒貯溜容器16の適当個所に設ける必要がある。
(7)第2の実施形態(図4)では、駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の間隙に非磁性材料で形成された隔壁板25を介挿した構成につき説明したが、この隔壁板25の材料を非磁性材料のみに限定する理由はなく、磁性材料を用いた構成を採用することも可能である。但し、非磁性材料を用いた場合に比べて両磁石部材間の間隙寸法は異なるものとなる。また、非磁性材料と磁性材料とを組み合わせて隔壁板25を形成することも可能である。
(8)上記各実施形態の主なものについては、駆動側磁石部材18及び従動側磁石部材19の材料について特に言及しなかったが、基本的には最も強力な磁力が得られるネオジウム磁石を用いることが好ましい。
(9)第18の実施形態(図20)では、従動側磁石部材19及び中空パイプ状従動シャフト31(つまりスキュー状インペラ部31d)の材料にアルニコ磁石を用い、鋳造等により両者を一体的に成形することが可能である旨を記載したが、他の実施形態においてもアルニコ磁石を用い、従動側磁石部材19及びインペラ部材21を一体的に成形することが可能である。
1:ロータシャフト
1a:溝部
1b:小径部
1c:穴部
2,3:軸受部材
4:フレーム部材
4a,4b:通風口
5:冷却フィン
6:支持部材
7:ステータ鉄心
8:ステータコイル
9:支持部材
9:通風口
10:ロータ鉄心
10a:通風口
11:ロータバー
12:内気循環ファン
12a:通風口
13,14:電力変換器
15,15A:冷媒循環器
16,16A:冷媒貯溜容器
16a,16c:吐出口
16b,16d:吸入口
16Aa:内壁部
17:冷媒貯溜室
18:駆動側磁石部材
19,19A〜19F:従動側磁石部材
20:磁気カップリング
21:インペラ部材
21a:取付脚
22,23:冷媒流路
24:取付部
25:隔壁板
26:リング状金属部材
26a:溝部
27:中間磁石部材
28:樹脂製リング部材
29:従動シャフト
29a,29b:取付部
30:軸受部材
31:中空パイプ状従動シャフト
31a:開口部
31b:閉塞部
31c:孔部
31d:スキュー状インペラ部
32:リング部材
33:バネ部材
34:リング部材
35:回転バネ部材
36:ピン部材
D1:駆動側磁石部材18の外径
D2:従動側磁石部材19の内径
G:駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の間隙
L1〜L6:従動側磁石部材19A〜19Fと駆動側磁石部材18との離間距離
d:駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間のズレ量
H:冷媒貯溜容器16の容器高さ
θ:傾斜角
δ:拡張量
1a:溝部
1b:小径部
1c:穴部
2,3:軸受部材
4:フレーム部材
4a,4b:通風口
5:冷却フィン
6:支持部材
7:ステータ鉄心
8:ステータコイル
9:支持部材
9:通風口
10:ロータ鉄心
10a:通風口
11:ロータバー
12:内気循環ファン
12a:通風口
13,14:電力変換器
15,15A:冷媒循環器
16,16A:冷媒貯溜容器
16a,16c:吐出口
16b,16d:吸入口
16Aa:内壁部
17:冷媒貯溜室
18:駆動側磁石部材
19,19A〜19F:従動側磁石部材
20:磁気カップリング
21:インペラ部材
21a:取付脚
22,23:冷媒流路
24:取付部
25:隔壁板
26:リング状金属部材
26a:溝部
27:中間磁石部材
28:樹脂製リング部材
29:従動シャフト
29a,29b:取付部
30:軸受部材
31:中空パイプ状従動シャフト
31a:開口部
31b:閉塞部
31c:孔部
31d:スキュー状インペラ部
32:リング部材
33:バネ部材
34:リング部材
35:回転バネ部材
36:ピン部材
D1:駆動側磁石部材18の外径
D2:従動側磁石部材19の内径
G:駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間の間隙
L1〜L6:従動側磁石部材19A〜19Fと駆動側磁石部材18との離間距離
d:駆動側磁石部材18と従動側磁石部材19との間のズレ量
H:冷媒貯溜容器16の容器高さ
θ:傾斜角
δ:拡張量
Claims (35)
- ステータ及びロータを収納するフレーム部材外側に形成された冷媒流路と、
前記フレーム部材の端面から突出するロータシャフト端部に設けられ且つロータシャフトの回転速度が所定高速域に達するまではロータシャフトと同期した回転により前記冷媒流路に冷媒を循環させるインペラ部材を有しており、しかも、ロータシャフトの回転速度が所定高速域に達したときはロータシャフトとインペラ部材との同期を解除することによりインペラ部材の回転速度の上昇を抑制する冷媒循環手段と、
を備えたことを特徴とする回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対しその外側で対向した配置となるように前記インペラ部材に取り付けられた従動側磁石部材とを有するものである、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記駆動側磁石部材の外面と前記従動側磁石部材の内面との間に所定寸法の間隙が形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の回転電機。 - 前記間隙に非磁性体材料の隔壁板を介挿し、この隔壁板の板厚又は材質を調整することにより、前記ロータシャフトと前記インペラ部材との同期が解除されるタイミングを決定することが可能とした、
ことを特徴とする請求項3記載の回転電機。 - 前記磁気カップリングは、前記駆動側磁石部材の代わりとして、前記ロータシャフト端部の外面に所定間隔で形成した複数の溝部を用いた、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の回転電機。 - 前記磁気カップリングは、前記従動側磁石部材の代わりとして、前記インペラ部材が取り付けられたリング状金属部材の内面に所定間隔で形成した複数の溝部を用いた、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の回転電機。 - 前記従動側磁石部材は、前記駆動側磁石部材よりも多い磁極数を有するものである、
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の回転電機。 - 前記駆動側磁石部材よりも多く且つ前記従動側磁石部材よりも少ない磁極数を有する中間磁石部材を、前記駆動側磁石部材と前記従動側磁石部材との間に介挿した、
ことを特徴とする請求項7記載の回転電機。 - 前記従動側磁石部材は、それぞれが独立の回転軸を有し且つそれぞれが独立のインペラ部材に取り付けられた複数の磁石部材で構成された、
ことを特徴とする請求項2記載の回転電機。 - 前記複数の従動側磁石部材は、それぞれの回転軸の前記駆動側磁石部材からの距離が異なるものである、
ことを特徴とする請求項9記載の回転電機。 - 前記複数の従動側磁石部材は、それぞれの磁極数が異なるものである、
ことを特徴とする請求項9又は10記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は、前記磁気カップリングのうちの従動側磁石部材及びこれに取り付けられたインペラ部材を密閉室内に収納する冷媒貯溜容器を有するものであり、前記ロータシャフト端部及びこれに取り付けられた駆動側磁石部材は前記冷媒貯溜容器の内壁面に囲まれた大気開放空間に配設されている、
ことを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の回転電機。 - 前記冷媒貯溜容器の内壁部は、非磁性体材料により形成されており、この内壁部の板厚又は材質を調整することにより、前記ロータシャフトと前記インペラ部材との同期が解除されるタイミングを決定することが可能とした、
ことを特徴とする請求項12記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は、前記インペラ部材に取り付けられ且つ前記ロータシャフト端部に嵌装される樹脂製リング部材を有するものであり、前記ロータシャフトの回転速度が前記所定高速域に達したときに、前記樹脂製リング部材の内面が前記ロータシャフトの外面から遠心力によって微小距離だけ離間することにより、前記ロータシャフトと前記インペラ部材との同期を解除するものである、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記冷媒は冷却油であり、前記冷媒循環手段はこの冷却油を貯溜する密閉構造の冷媒貯溜容器を有するものである、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の回転電機。 - 前記冷媒は外気であり、前記冷媒循環手段は外気を取り入れるための開口部を有するものである、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の回転電機。 - 前記フレーム部材の外側に電力変換器が一体的に取り付けられており、前記冷媒流路はこの電力変換器内を通るものである、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の回転電機。 - 前記ロータシャフトには内気循環ファンが取り付けられると共に、前記フレーム部材の内側及び外側に内気循環流路が形成されており、前記内気循環ファンの回転時に前記内気循環流路を通る内気によって前記フレーム部材内側に配設されたステータ及びロータに対する冷却が行われる、
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の回転電機。 - 前記冷媒流路は、前記フレーム部材の周面部及び端面部の双方の部位に沿って形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の回転電機。 - 前記冷媒流路は、フレーム部材内側に形成され、ステータ鉄心を挿通する分岐流路を有するものである、
ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の回転電機。 - 前記複数の従動側磁石部材は、前記駆動側磁石部材の周りに螺旋状に配置されている、
ことを特徴とする請求項10記載の回転電機。 - 前記ロータシャフトの軸方向に沿った前記駆動側磁石部材と前記従動側磁石部材との間の相対的ズレ量を調整することにより、前記ロータシャフトと前記インペラ部材との同期が解除されるタイミングを決定することが可能とした、
ことを特徴とする請求項2記載の回転電機。 - 前記ロータシャフト端部には小径部が形成されており、前記駆動側磁石部材はこの小径部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部に形成されている小径部に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対しロータシャフト軸上で対向した配置となるように前記インペラ部材と共に従動シャフトに取り付けられた従動側磁石部材とを有するものである、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部にロータシャフト軸との間で傾斜角θをなす傾斜軸上に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対し前記傾斜軸上で対向した配置となるように前記インペラ部材と共に従動シャフトに取り付けられた従動側磁石部材とを有するものである、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対しその内側で対向した配置となるようにロータシャフト端部の内部に形成された穴内へ配置され且つ前記インペラ部材と共に従動シャフトに取り付けられた従動側磁石部材とを有するものである、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対しその内側で対向した配置となるようにロータシャフト端部の内部に形成された穴内へ配置され且つ中空パイプ状従動シャフトの一方の端部に挿通された状態で支持された従動側磁石部材とを有しており、
前記中空パイプ状従動シャフトは、前記一方の端部に形成された開口部、他方の端部に形成された閉塞部、両端部間の外周面に放射状に形成された複数の孔部、及び前記開口部から前記複数の孔部にわたって内周面に形成された複数のスキュー状インペラ部材を有するものであり、
前記磁気カップリングの回転時には、前記駆動側磁石部材と前記従動側磁石部材との間に形成されている隙間から前記開口部を経由して前記中空パイプ状従動シャフト内部に吸引された冷媒が、前記スキュー状インペラ部材に案内された後、前記放射状に形成された複数の孔部を通って前記前記中空パイプ状従動シャフトの外部へ排出される、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対しその外側で対向するように配設された従動側磁石部材とを有しており、
前記従動側磁石部材の周囲には、所定間隔毎に前記インペラ部材が周面上に固着されたリング部材が配設され、このリング部材と従動側磁石部材との間には、従動側磁石部材に対して反発付勢力を有する複数のバネ部材が介挿されている、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記冷媒循環手段は磁気カップリングを含んで構成されており、この磁気カップリングは、前記ロータシャフト端部に取り付けられた駆動側磁石部材と、前記駆動側磁石部材に対しその外側で対向するように配設された従動側磁石部材とを有しており、
前記従動側磁石部材の周囲には、磁気カップリング回転時に冷媒から受ける抵抗によって傾斜可能な前記インペラ部材が周方向へ所定間隔毎に取り付けられたリング部材が配設され、
前記インペラ部材の回転数が所定レベル以上大きくなった場合には、このインペラ部材の前記傾斜により前記冷媒の循環量を低減させる、
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。 - 前記インペラ部材は回転バネ部材を介して前記リング部材に取り付けられ、この回転バネ部材の働きにより前記傾斜を可能とするものである、
ことを特徴とする請求項29記載の回転電機。 - 前記隔壁板の材料を、前記非磁性体材料に代えて磁性体材料とした、
ことを特徴とする請求項4記載の回転電機。 - 前記冷媒は水素であり、前記冷媒循環手段は水素を取り入れるための開口部を有するものである、
ことを特徴とする請求項1乃至14及び請求項17乃至31のいずれかに記載の回転電機。 - 前記駆動側磁石部材又は前記従動側磁石部材をネオジウム磁石により形成した、
ことを特徴とする請求項2乃至13及び請求項21乃至32のいずれかに記載の回転電機。 - 前記従動側磁石部材及び前記インペラ部材を、アルニコ磁石により一体的に形成した、
ことを特徴とする請求項2乃至13及び請求項21乃至32のいずれかに記載の回転電機。 - ロータシャフトの端部側に配設され、所定個所に形成された冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環手段を備えており、
前記冷媒循環手段は、
前記ロータシャフトに取り付けられて、ロータシャフトが所定高速域に達するまではロータシャフトと共に回転し、ロータシャフトが所定高速域に達した後はロータシャフトよりも低速度で回転する回転部材を有しており、この回転部材により前記冷媒流路に冷媒を循環させるものである、
ことを特徴とする回転電機。
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