JP2007150423A - デジタル復調装置、デジタル受信装置、デジタル復調装置の制御方法、デジタル復調装置の制御プログラム、及び、この制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

デジタル復調装置、デジタル受信装置、デジタル復調装置の制御方法、デジタル復調装置の制御プログラム、及び、この制御プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】PLL回路がロック状態から外れたときでも、それにより受信信号に含まれることになる誤りを訂正して、正確なデータを取得することが可能なデジタル復調技術を提供すること。
【解決手段】動作制御部56は、PLL回路23を構成する回路部品への電力を減少させるとともに、ロック検出部55によりPLL回路23がロック状態から外れたことが検出されたときには、回路部品への電力を増加させて、PLL回路23がロック状態から外れたことによって受信信号に含まれることになる誤りの総量が誤り訂正部で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、PLL回路23をロック状態に復帰させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、デジタル送信装置から送信された変調信号を受信して復調するデジタル復調技術に関する。
デジタル送信装置から送信された変調信号を受信して復調するデジタル復調装置は、増幅や復調等の処理を行いやすくするために、受信した信号の周波数をより低い中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に変換するように構成されている。即ち、受信した信号に、発振回路であるPLL(Phase Locked Loop)回路から出力された一定周波数の信号をミキシングしてから、フィルタで不要な周波数成分を除去することにより、受信信号の周波数を中間周波数に変換してIF信号を得る。
ところで、従来のPLL回路は、出力信号の周波数が変動する不安定な状態になるのを防止することを最優先に設計されている。つまり、出力の周波数が安定したロック状態を維持するために、PLL回路には必要以上の電力が常時供給されており、その消費電力がかなり大きいものとなっていた。そこで、このPLL回路の消費電力を低減することが可能な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、半導体集積回路としてのCPUに内蔵されたクロック供給用PLL回路が記載されている。CPUの起動から間もない発振開始期間にはPLL回路の出力が安定していないことから、このPLL回路を制御する制御回路は、CPU内のPLL回路に比較的高い電圧V1を印加する。一方、PLL回路の出力が安定した発振安定期間には、CPUへの印加電圧をV1よりも低い電圧V3へ徐々に低下させる。そのため、PLL回路の動作時における消費電力を低減することが可能になっている。
特開2000−36740号公報
しかし、PLL回路への印加電圧を低下させると、PLL回路から出力される信号の周波数精度が低くなり、発振が不安定になって所望の周波数の信号を安定的に出力できなくなる虞がある。そして、特に、このようなPLL回路がデジタル復調装置に組み込まれた場合には、PLL回路からの出力信号に周波数及び位相のずれが生じることにより、IF信号に位相雑音に起因する誤りが生じ、その後の復調において正しいデータが取得できなくなる虞がある。
本発明の目的は、PLL回路がロック状態から外れたときでも、それにより受信信号に含まれることになる誤りを訂正して、正確なデータを取得することが可能なデジタル復調技術を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のデジタル復調装置は、受信信号に選局処理を施すチューナと、このチューナからの受信信号に含まれる誤りを訂正する誤り訂正手段を有し、前記受信信号に復調処理を施す復調器とを備え、前記チューナは、前記受信信号の周波数を変換する周波数変換部と、この周波数変換部へ一定周波数の信号を出力可能なPLL回路と、このPLL回路が安定して前記一定周波数の信号を出力するロック状態にあるか否かを検出するロック検出手段と、前記PLL回路を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの回路部品の動作を制御する動作制御手段とを有し、前記ロック検出手段により前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御手段により前記回路部品の動作を制御して、PLL回路がロック状態から外れたことによって前記受信信号に含まれることになる誤りの総量が前記誤り訂正手段で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、前記PLL回路をロック状態に復帰させるように構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、PLL回路のロック状態が外れて出力が不安定になって、受信信号に含まれる誤りの総量が増加しても、動作制御手段によりPLL回路を構成する回路部品が制御されて、受信信号に含まれる誤りの総量がその後の誤り訂正により訂正可能な範囲内に収まるように、PLL回路が再びロック状態に復帰する。そのため、PLL回路がロック状態から外れたときでも、受信信号の誤りを訂正して正確なデータを取得することができる。尚、以下の説明において、「回路部品」とは、PLL回路の各部を構成する回路に限られるものではなく、これらの回路を構成する1個のトランジスタに等価な部品等、あらゆる単位の部品が回路部品に相当し得る。
本発明のデジタル復調装置は、前記動作制御手段は、前記回路部品へ供給される電力を制御することにより、前記回路部品の動作を制御することを特徴とするものである。この構成によれば、PLL回路の各回路部品に供給される電力を抑制しつつ、受信状況の悪化等によりPLL回路がロック状態から外れたときには、それにより受信信号に含まれることになる誤りを誤り訂正手段で訂正して、正確なデータを取得することができる。尚、前述した従来技術(特許文献1)のPLL回路の制御回路は、PLL回路への印加電圧を下げることにより消費電力を減らすように構成されているが、本発明のPLL回路は、デジタル復調装置の高周波回路に組み込まれるものであり、その内部にアナログ回路が含まれていることもあることから、電圧だけでなく電流も低下させることによって、消費電力のさらなる低減を実現可能である。また、電流により電力を制御する場合には、電圧による場合に比べて電力の調整が容易である。
ここで、前記動作制御手段により制御される電力の量は、可変であってもよい。
本発明のデジタル復調装置は、前記ロック検出手段により前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御手段は、前記回路部品の電力を増加させることにより、前記PLL回路をロック状態に復帰させることを特徴とするものである。この構成によれば、PLL回路がロック状態に外れたときに、PLL回路を構成する回路部品の電力が増加することから、PLL回路が速やかにロック状態に復帰する。
本発明のデジタル復調装置は、前記PLL回路がロック状態から外れたと仮定したときの、このデジタル復調装置による受信に係る所定の状態量を、この状態量に関する所定の閾値と比較することにより、前記PLL回路がロック状態から外れたときに前記受信信号を受信可能か否かを判断する受信可否判断手段をさらに備え、前記受信可否判断手段により、前記PLL回路がロック状態から外れることによって前記受信信号を受信できなくなると判断されたときには、前記動作制御手段は、PLL回路がロック状態から外れないように前記回路部品への電力を増加させることを特徴とするものである。
伝送時に発生するノイズの増大や、周囲温度の上昇、あるいは、電源電圧の低下など、受信信号の状態が悪化する条件が生じている場合には、PLL回路がロック状態から外れることによって、デジタル復調装置が信号を正しく受信できなくなる虞がある。そこで、本発明のデジタル復調装置は、PLL回路がロック状態から外れることによって、受信が不可能になると予測される場合には、PLL回路がロック状態から外れないように、予めPLL回路の電力を増加させておく。これにより、信号を安定的に受信することが可能となる。
ここで、前記閾値は可変であってもよい。
本発明のデジタル復調装置は、前記ロック検出手段により前記PLL回路がロック状態にあることが検出されているときに、前記動作制御手段は、前記回路部品への電力を減少させることを特徴とするものである。この構成によれば、PLL回路の消費電力を低減しつつ、PLL回路が不安定になるのを防止できる。
本発明のデジタル復調装置は、前記動作制御手段は、一定時間おきに前記回路部品への電力を段階的に減少させることを特徴とするものである。この構成によれば、PLL回路の消費電力をさらに低減することができる。また、電力減少制御によりPLL回路から出力される周波数が急激に変動するのを抑えることができ、PLL回路を速やかにロック状態へ復帰させることが可能になる。
本発明のデジタル復調装置は、前記動作制御手段に、その電力減少制御を実行させる制御信号を出力する制御信号出力手段を有することを特徴とするものである。この構成によれば、デジタル復調装置全体を制御する制御部等からなる外部の制御信号出力手段からの制御信号に基づいて、動作制御手段によるPLL回路の電力制御が行われる。
本発明のデジタル復調装置は、前記動作制御手段に、その電力制御を禁止する禁止信号を出力する禁止信号出力手段を有することを特徴とするものである。起動直後やチャンネル変更後など、PLL回路が必ずロック状態から外れているような場合に、PLL回路の電力増加制御が実行されるようになっていると、不必要に電力を増加させてしまう虞がある。また、PLL回路の電力減少制御が実行されるようになっていると、PLL回路がロック状態から外れたまま安定しなくなる虞がある。さらに、受信状態が悪い場合などにPLL回路の電力減少制御を実行すると、PLL回路がロック状態から大きく外れて、受信信号の誤りが誤り訂正手段で訂正不可能な程度まで増加してしまい、正しいデータを取得できなくなる虞がある。そこで、本発明では、電力制御によりPLL回路がロック状態から大きく外れる虞があるときなどに、禁止信号出力手段から動作制御手段に対して禁止信号を出力して、その電力制御を禁止する。
本発明のデジタル復調装置は、前記PLL回路がロック状態から外れたときに、前記受信信号に含まれることとなる誤りの総量を推定する誤り推定手段と、前記誤り推定手段が推定した前記誤りの総量から、前記誤り訂正手段により前記受信信号の誤りを訂正できるか否かを判断する訂正可否判断手段をさらに備え、前記訂正可否判断手段により、前記受信信号の誤りが訂正不可能であると判断されたときに、前記禁止信号出力手段は前記動作制御手段に対して前記禁止信号を出力することを特徴とするものである。この構成によれば、受信状況が悪く受信信号に含まれる誤りが元々大きい場合など、PLL回路のロック状態が外れたときには誤り訂正が不可能となる場合には、動作制御手段による電力減少制御が禁止されるため、正確なデータを取得することが可能になる。
本発明のデジタル復調装置は、前記動作制御手段が前記回路部品への電力を制御したときに、その電力制御に関する情報を前記動作制御手段から取得する情報取得手段を有することを特徴とするものである。この構成によれば、動作制御手段によるPLL回路の電力制御の情報に基づいて、チューナや復調器等における他の制御を適切に行うことが可能になる。
尚、以上のデジタル復調装置は、文字、画像、音声及びデータの少なくともいずれか1つの再現処理を行う携帯電話やデジタルTV等の様々なデジタル受信装置に採用され得る。このようなデジタル受信装置は本発明のデジタル復調装置が復調した受信信号から文字、画像、音声、あるいは、データに係る情報を取得し、これらの再現処理を行う。
本発明のデジタル復調装置の制御方法は、受信信号の周波数を変換する周波数変換部とこの周波数変換部へ一定周波数の信号を出力可能なPLL回路とを有するチューナと、このチューナからの受信信号に含まれる誤りを訂正する誤り訂正手段を有し、前記受信信号に復調処理を施す復調器とを備えたデジタル復調装置の制御方法であって、前記PLL回路が安定して前記一定周波数の信号を出力するロック状態にあるか否かを検出するロック検出ステップと、前記PLL回路を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの動作を制御する動作制御ステップとを有し、前記ロック検出ステップにおいて前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御ステップにおいて前記回路部品の動作を制御して、PLL回路がロック状態から外れたことによって前記受信信号に含まれることになる誤りの総量が前記誤り訂正手段で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、前記PLL回路をロック状態に復帰させることを特徴とするものである。
この制御方法によれば、PLL回路のロック状態が外れて出力の周波数が不安定になっても、PLL回路がロック状態から外れたことによって受信信号に含まれることとなる誤りが、その後の誤り訂正により訂正可能な範囲内に収まるように、PLL回路が再びロック状態に復帰する。そのため、PLL回路がロック状態から外れたときでも、受信信号の誤りを訂正して正確なデータを取得することができる。
本発明のデジタル復調装置の制御プログラムは、受信信号の周波数を変換する周波数変換部とこの周波数変換部へ一定周波数の信号を出力可能なPLL回路とを有するチューナと、このチューナからの受信信号に含まれる誤りを訂正する誤り訂正手段を有し、前記受信信号に復調処理を施す復調器とを備えたデジタル復調装置の制御プログラムであって、前記PLL回路が安定して前記一定周波数の信号を出力するロック状態にあるか否かを検出するロック検出ステップと、前記PLL回路を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの動作を制御する動作制御ステップとを有し、前記ロック検出ステップにおいて前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御ステップにおいて前記回路部品の動作を制御して、PLL回路がロック状態から外れたことによって前記受信信号に含まれることになる誤りの総量が前記誤り訂正手段で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、前記PLL回路をロック状態に復帰させることを特徴とするものである。
この制御プログラムによれば、PLL回路のロック状態が外れて出力の周波数が不安定になっても、PLL回路がロック状態から外れたことによって受信信号に含まれることとなる誤りが、その後の誤り訂正により訂正可能な範囲内に収まるように、PLL回路が再びロック状態に復帰する。そのため、PLL回路がロック状態から外れたときでも、受信信号の誤りを訂正して正確なデータを取得することができる。
本発明の記録媒体は、前述のデジタル復調装置の制御プログラムを記録したことを特徴とするものである。この構成によれば、PLL回路がロック状態から外れたときでも、それにより受信信号に含まれることとなる誤りを訂正して正確なデータを取得することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態のデジタル復調装置1は、例えば、図1に示すような携帯電話201(デジタル受信装置)に設けられている。そして、携帯電話201がアンテナから受信した信号Srはデジタル復調装置1によって復調され、復調された信号から文字、画像、音声のデータ、あるいは、プログラム等のバイナリデータを含む各種データが再現されて、これらの情報が、携帯電話201に設けられた図示されていないディスプレイやスピーカを通じて電話の使用者に提供される。尚、本実施形態では、携帯電話用のデジタル復調装置1を例に挙げて説明するが、携帯電話以外のデジタル受信装置、例えば、デジタルTV、無線LAN装置、あるいは、無線LANを搭載したPC等に用いられるものであってもよい。
次に、携帯電話201のアンテナで受信されて、デジタル復調装置1により復調される信号Sr(受信信号)について少し説明しておく。以下、特に、日本の地上波デジタル放送に係る方式、即ち、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式を採用した場合を例に挙げて説明する。
まず、送信される文字、画像、音声のデータはそれぞれ所定の方式に基づいてデジタル化される。さらに、デジタル化されたデータに対して、伝送経路で発生する雑音や干渉波によって発生する誤りを受信側で訂正できるようにするための符号が付加される。このような符号としては、リードソロモン符号(RS符号)とビタビ符号とが用いられる。地上波デジタル放送で用いられるRS符号においては、伝送される204バイトのデータのうち、後ろ16バイト分がチェックビットであり、204バイト中最大8バイトの誤りが訂正可能である。また、ビタビ符号においては、符号化後の伝送されるnビットに対して、符号化前のデータがkビットのときの符号化率をk/nとして、1/2から7/8が規格化されている。そして、受信側のデジタル復調装置1において、これらRS符号化及びビタビ符号化されたデータを元に戻すRS復号及びビタビ復号がそれぞれ行われることにより、伝送時等で生じた誤りが訂正される。
ところで、伝送経路の状態によっては、伝送信号に対して時間的又は周波数的に誤りが集中するバースト誤りが発生する場合がある。また、ビタビ符号化された信号を元に戻すビタビ復号後においては、一般的にバースト誤りが起こることが多い。上記のような誤り訂正によってある長さの信号に発生する誤りを訂正する場合、この長さの信号あたりにおける訂正可能な誤り数には限界がある。したがって、上記のようなバースト誤りが発生すると、誤りの訂正が不可能となる場合がある。そこで、地上波デジタル放送においては、このように伝送信号にバースト誤りが発生した場合にも誤り訂正が可能となるように、送信側において伝送されるデータを時間や周波数的に並べ替える種々のインターリーブ処理が施される。そして、受信側において、データを元に戻すデインターリーブ処理が施されることにより、伝送時に生じたバースト誤りが分散されることになる(図7参照)。これらインターリーブ処理及びデインターリーブ処理については、後ほど詳しく説明する。
さらに、データの偏りによる伝送信号のエネルギーの偏りを防ぐため、エネルギー拡散も行われる。このエネルギー拡散は、擬似ランダムデータと伝送信号に係るデータとのビット単位の排他的論理和をとって、データをランダム化することにより行われる。
このように種々の処理がなされた後にデータが伝送されることになるが、ISDB−T方式の伝送方式としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式が採用されている。このOFDM方式は、データの搬送に、周波数の異なる複数の搬送波が用いられるマルチキャリア方式の1種である。
まず、送信データに含まれる複数のデータ値の配列順に従って各データ値が異なる搬送波に振り分けられ、振り分けられたデータ値に応じて搬送波が所定の変調方式により変調される。次に、変調された複数の搬送波に高速フーリエ逆変換(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT)を施すことにより、これら複数の搬送波が重ね合わされてOFDM信号が形成される。ここで、OFDM方式で用いられる搬送波の波形は相互に直交しており、搬送波同士が互いに干渉しないようになっている。尚、「2つの波形が直交する」とは、時間に対する波の振幅を表すそれぞれの関数同士を掛け合わせ、一周期に相当する積分範囲で時間積分したもの(内積)がゼロになることをいう。
さらに、直接波以外の遅延波の影響を削減するため、変調された複数の搬送波が重ね合わされたOFDM信号にはさらにガードインターバルが挿入される。このガードインターバルは、OFDM信号において有効シンボル長あたりの信号ごとに、この信号の一端部が複写されて他端部に挿入されたものである。尚、有効シンボル長とは、搬送波に1つのデータを載せる区間のことを言い、OFDM方式で用いられる搬送波の周波数間隔の逆数に相当する。このようにガードインターバルが挿入された信号が伝送経路へ送信される。
以上、受信信号Srが、ISDB−T方式で伝送された信号である場合について説明したが、このISDB−T方式の他、欧州のDAB(Digital Audio Broadcasting)、DVB−T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)、DVB−H(-Handheld)方式、韓国のDMB(Digital Multimedia Broadcasting)方式、無線LANに用いられるIEEE802.11a/b/g方式で伝送された信号であってもよい。
次に、アンテナで受信した前述の信号Srを復調するデジタル復調装置1について詳細に説明する。図2に示すように、このデジタル復調装置1は、チューナ2、復調器3及び制御部4を有する。チューナ2は携帯電話201(図1参照)のアンテナから信号Srを受信し、この信号Srの増幅等を行い、さらに、信号SrをIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号Siに変換して復調器3へと送信する。また、復調器3はチューナ2から送信されるIF信号Siを受信し、IF信号Siから復調信号、例えばTS(Transport Stream)信号を生成する。制御部4はチューナ2及び復調器3の動作をそれぞれ制御する。
まず、チューナ2について説明する。図3に示すように、チューナ2は、RFアンプ部21、周波数変換部26、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)回路23、及び、IFアンプ部25を有する。アンテナで受信された信号Srは、RFアンプ部21により増幅されて周波数変換部26に送られる。周波数変換部26は、ミキサ部22及びフィルタ部24を有し、信号Srの周波数を変換してIF信号Siを生成するものである。また、PLL回路23は、制御部4から送られたチャンネル制御信号に従って、選択された特定のチャンネルに対応する一定周波数のミキシング信号を生成し、周波数変換部26に出力する。
PLL回路23で生成されたミキシング信号は周波数変換部26のミキサ部22に送られ、ミキサ部22において信号Srとミキシング信号が混合される。さらに、フィルタ部24において、混合された信号から不要な周波数の信号成分が除去されて、選択されたチャンネルに対応するIF信号Siが生成される(選局処理)。さらに、このIF信号Siは、IFアンプ部25において増幅されて、復調器3へ送られる。
さらに、PLL回路23について詳しく説明する。図4に示すように、PLL回路23は、位相差検出部51、LPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)52、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振回路)53、及び、分周回路54を有する。位相差検出部51は、水晶発振回路から出力された基準クロックと分周回路54の出力の位相差と周波数差を検出し、位相差と周波数差に基づく誤差信号を出力する。この誤差信号は、LPF52で平滑化されて、VCO53に入力される。VCO53は、LPF52から入力された誤差信号に従って出力信号の周波数を制御する。このVCO53から出力された信号は、ミキシング信号としてミキサ部22(図3参照)へ入力される。また、このVCO53の出力は分周回路54にも入力され、分周回路54において任意の分周比に分周された後、位相差検出部51に入力される。そして、PLL回路23は、位相差検出部51により検出された位相と周波数の誤差によりVCO53の出力の周波数を制御することで、一定周波数の信号を出力するように構成されている。
さらに、図4に示すように、PLL回路23には、ロック検出部55(ロック検出手段)と動作制御部56(動作制御手段)が電気的に接続されている。尚、これらロック検出部55及び動作制御部56は、それぞれの機能を果たすように特化された回路からなる部品であってもよいし、あるいは、汎用のCPU、ROM、RAM等を備え、ROMに記録されたプログラムをCPUで実行させることにより、それぞれの機能を果たすように構成されていてもよい。
ロック検出部55は、PLL回路23が一定周波数の信号を安定的に出力するロック状態にあるか否かを検出して、ロック検出信号を動作制御部56へ出力する。具体的には、位相差検出部51で検出された、基準クロックと分周回路54の出力の位相差と周波数差が安定している(例えば、位相差と周波数差が共にある範囲内に収まっている)場合にはPLL回路23がロック状態にあると判定し、そうでない場合にはロック状態から外れている(非ロック状態である)と判定する。
また、動作制御部56は、ロック検出部55から入力されたロック検出信号に基づいて、PLL回路23のVCO53や分周回路54等を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの動作を制御する。尚、本実施形態において、「回路部品」とは、VCO53や分周回路54などのPLL回路23の各部を構成する回路に限られるものではなく、これらの回路を構成する1個のトランジスタに等価な部品等、あらゆる単位の部品が回路部品に相当し得る。この動作制御の一例として、動作制御部56が、回路部品に供給される電力を制御することにより、回路部品の動作を制御する場合について、図5を参照して以下説明する。尚、動作制御部56は、回路部品に供給される電流と回路部品に印加される電圧の何れか一方、又は、両方を制御することにより電力を制御する。
図5(a)に示すように、ロック検出部55によりPLL回路23がロック状態にあることが一定時間(T0)検出されているときには、動作制御部56は、制御対象の回路部品に供給される電力を減少させて、PLL回路23の消費電力を抑制する。このように、PLL回路23が一定時間ロック状態にあるときに回路部品への電力を減少させることから、PLL回路23が不安定になるのを極力防止できる。
また、回路部品の電力を減少させた後において、さらに一定時間T0に亙ってPLL回路23がロック状態であることが検出されたときには、回路部品の電力をさらに減少させる。このように、一定時間T0おきに回路部品への電力を段階的に減少させることにより、PLL回路23全体の消費電力を確実に低減することができる。尚、このように複数回に分けて電力を減少させる場合には、複数回の電力減少量をそれぞれ同じにしてもよいが、電力を減少させたときのPLL回路23の出力の周波数変動をできるだけ小さくするために、電力減少量を徐々に小さくしてもよい。
ところで、PLL回路23を構成する回路部品の電力を減少させていくと、PLL回路23から出力される信号の周波数は徐々に不安定になり、最終的にはPLL回路23がロック状態から外れてしまう。このように、PLL回路23から出力されるミキシング信号の周波数がふらつくと、周波数変換部26のミキサ部22で信号Srにミキシングされたときに、周波数のずれに起因するノイズが信号Siに発生してしまう。そこで、図5(b)に示すように、PLL回路23がロック状態から外れたことがロック検出部55により検出されたときには、動作制御部56は、制御対象である回路部品への電力をすぐに増加させる。
ここで、図5(b)において点線の矢印で示すように、PLL回路23が非ロック状態となってから回路部品の電力が増加し始めるまでの間と、電力が増加してからPLL回路23がロック状態に復帰するまでの間には、それぞれタイムラグがあり、PLL回路23が非ロック状態となってからロック状態に復帰させるまでには、ある所定の時間(T1)がかかる。尚、この時間T1は、PLL回路23の回路構成によりほぼ一義的に決定される。この時間T1の間、PLL回路23は非ロック状態となっていることから、PLL回路23から出力されるミキシング信号の周波数が本来の周波数からずれ、この周波数のずれに起因してノイズが発生し、その分、信号Siに含まれる誤りが増加する。しかし、この誤りは、後述する復調器3の誤り訂正部36(図6参照)で訂正される。そのため、PLL回路23が一時的に非ロック状態になっても、復調器3において正確なデータが取得されるようになっている。
尚、ロック状態への復帰に要する時間T1が小さいほど増加する誤りは小さくなり、誤り訂正が容易になるため、PLL回路23は、時間T1が極力小さくなるように設計される。また、前述したように、回路部品への電力は、一定時間おきに段階的に減少するように制御されるため(図5(a))、PLL回路23から出力されるミキシング信号の周波数が急激に変動するのを抑えることができ、PLL回路23を速やかにロック状態へ復帰させることが可能になる。
ところで、受信状況が悪い場合には、前述した回路部品の動作制御が行われることによりPLL回路23が非ロック状態になったときには、PLL回路23を短い時間でロック状態に復帰させたとしても、受信信号Srに元々含まれる誤りが大きいことから、復調器3の誤り訂正部36で訂正不可能になることがありえる。つまり、ロック外れにより信号Siに含まれることとなる誤りの総量が誤り訂正部36で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、PLL回路23をロック状態に時間内に復帰させることは困難になる。また、チューナ2の起動時やチャンネルの設定変更時など、元々PLL回路23が不安定になる場合にも、さらにPLL回路23を不安定にさせる制御を行うことは好ましくない。そこで、このような場合には、制御部4から動作制御部56に、回路部品の動作制御を禁止する禁止信号が入力される。これについては後ほど詳しく説明する。
次に、復調器3について説明する。図6に示すように、復調器3は、ADC部31、AFC・シンボル同期部32、FFT部33、フレーム同期部34、検波部35、波形等化部37及び誤り訂正部36を有する。そして、この復調器3は、チューナ2から送られたIF信号Siに復調処理及び誤り訂正処理を施す。
チューナ2から送信されたIF信号SiはADC部31に入力される。ADC部31は、アナログ信号であるIF信号Siをデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をAFC・シンボル同期部32へと送る。AFC・シンボル同期部32は、ADC部から送られたデジタル信号に対してフィルタ処理などの補正処理等を行う。そして、AFC・シンボル同期部32は、後述のFFT部33によるフーリエ変換の開始点、つまり、シンボル同期点を決定する。そして、同期が取られたデジタル信号をFFT部33へと送る。
なお、シンボル同期点の決定においては、遅延して到達する遅延波等の影響が最も少ない最適な受信が可能な点が同期点として設定される。また、このような同期点の決定方法として、信号の相関を参照する方法や、パイロット信号を用いて位相のずれを補正する方法等が用いられる。また、信号の相関からモードに係る情報を導出する。
FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部33は、AFC・シンボル同期部32から送られたデジタル信号をフーリエ(時間−周波数)変換する。FFT部33に入力されるデジタル信号はOFDM信号であることから、逆フーリエ変換された波形、即ち、データ値に応じて変調された複数の搬送波が重ね合わされた波形を有する。そして、FFT部33は、このように重ね合わされた波形から、データ値に従って変調された複数の搬送波をフーリエ変換によって取り出す。そして、FFT部33は、各搬送波に振り分けられた各データ値に対応するデジタル信号を、データの元の配列順で時間的に並ぶように並べ替えて、OFDM信号形成前のデータに対応するデジタル信号を再生成する。そして、FFT部33はこのデジタル信号をフレーム同期部34へと送る。
フレーム同期部34は、FFT部33から送られたデジタル信号におけるフレーム単位での同期をとる。1フレームは例えば204のシンボルからなり、1フレームの信号から1まとまりのTMCC情報が取得される。フレーム同期部34によって同期が取られたデジタル信号は波形等化部37へと送られると同時に、検波部35へも送られる。
波形等化部37は、デジタル信号に含まれるスキャッタードパイロット信号等に基づき、フレーム同期部34によって同期が取られたデジタル信号に対して波形等化を行う。そして、波形等化によって信号補正を施した後、データ値に相当するデジタル信号に復調し、復調したデジタル信号を誤り訂正部36へと送る。また、波形等化部37は、波形等化が施されたデジタル信号に含まれるスキャッタードパイロット信号等に基づき各搬送波のコンスタレーションと規定値との差を導出する。そして、導出したコンスタレーションと規定値との差から、受信信号のMER(Modulation Error Ratio)あるいはCN比に係る情報を取り出す。さらに、波形等化部37はAFC・シンボル同期部32で導出したモードに係る情報及びMERあるいはCN比を制御部4へと送る。
一方、検波部35はデジタル信号に含まれるTMCC情報を取り出す。そして、波形等化部37から取り出したMERあるいはCN比と検波部35から取り出したTMCCに係る情報とを制御部4へと送る。TMCC情報には、64QAM、16QAM、QPSK等のキャリア変調方式、畳み込み符号化率(1/2、2/3、3/4、5/6、7/8)、ガードインターバル長等の伝送方式に係る情報が含まれる。有効シンボル長のモードには、モード1(有効シンボル長252μs)、モード2(有効シンボル長504μs)及びモード3(有効シンボル長1008μs)がある。また、ガードインターバル長として、有効シンボルの1/4,1/8,1/16及び1/32の長さが採用される。
誤り訂正部36は、デインターリーブ部41、復号部42及びエネルギー逆拡散部43を有している。デインターリーブ部41は波形等化部37から送られたデジタル信号にデインターリーブ処理を施す。デインターリーブには、送信側で行われた種々のインターリーブに対応する、周波数デインターリーブ、時間デインターリーブ、ビットデインターリーブ、及び、バイトデインターリーブがある。そして、種々のインターリーブ処理が施されたデジタル信号が、これらのデインターリーブ処理によりインターリーブ前のデジタル信号に戻される。
ここで、送信側のインターリーブ処理と受信側の誤り訂正部によるデインターリーブ処理について説明する。例えば、時間インターリーブ及び時間インターリーブが行われたデータを元に戻す時間デインターリーブは以下のように行われる。図7は、時間インターリーブ及び時間デインターリーブの一例を示す模式図である。この図7においては、インターリーブ及びデインターリーブ処理が施される前後の3つの信号が示されている。これらの信号は、それぞれ、時間的に連続する複数のシンボルSbからなる。
変調された複数の搬送波からなるOFDM信号Siは、時間インターリーブにより、シンボルSbの長さに対応するデータごとに、あらかじめ決められた順序に従って、図7のように並べ替えられる。このように並べ替えられたデータに対応する信号が送信されたときに、伝送経路の状態によって、信号の一部に連続的なバースト誤り101が発生したとする。
このバースト誤り101を含む信号Srが携帯電話201で受信されると、復調器3のデインターリーブ部41において、時間インターリーブによりいったん並べ替えられたデータが、時間デインターリーブにより再び元の順序に戻される。このとき、伝送経路において複数のシンボルに跨って発生したバースト誤り101は、時間デインターリーブによりシンボルごとの誤り102のように分散される。
即ち、図3に示すように、時間インターリーブによって各シンボルは時間インターリーブ前の時間的な位置よりも後ろの位置に移動するように並べ替えが行われる。また、各シンボルにおける周波数の異なる搬送波に含まれる信号は、並べ替え後の信号におけるそれぞれ別の時間的な位置に含まれることとなる。このように、時間的に誤りが集中するバースト誤りが発生した場合でも、時間デインターリーブ後には誤りが分散されるため、誤り訂正が可能となる。
また、送信側のバイトインターリーブでは、204バイトのRS符号化の単位でデータが分散されるように、バイト単位の信号の並べ替えが行われる。また、ビットインターリーブでは、ビット単位で信号の並べ替えが行われる。さらに、周波数インターリーブでは、OFDM信号Siに含まれる複数の搬送波間でシンボルの並べ替えが行われる。そして、受信側のバイトデインターリーブ、ビットデインターリーブ、及び、周波数デインターリーブにより、それぞれ、インターリーブ前のデータに戻される。
復号部42は、波形等化部37から送られたデジタル信号を復号する。前述したように、復号方式にはビタビ復号及びRS復号があり、ビタビ符号化及びRS符号化が施されたデジタル信号が、これらの復号により符号化前のデジタル信号に戻される。このように、送信側でRS符号化及びビタビ符号化されたデータを元に戻すRS復号及びビタビ復号がそれぞれ行われることにより、伝送時等で生じた誤りが訂正される。尚、本実施形態において、「誤り訂正が可能」とは、復号の後でのビット誤り率が所定値以下となる場合をいう。例えば、RS復号後のビット誤り率が1×10−11以下となる場合が、RS復号及びビタビ復号による誤り訂正が可能な場合である。
エネルギー逆拡散部43は、波形等化部37から送られたデジタル信号を、エネルギー拡散される前のデジタル信号に戻す。
これら種々のデインターリーブ、復号及びエネルギー逆拡散は、送信側で行われた種々のインターリーブ、符号化及びエネルギー拡散の順番に対応する順番で行われる。一般的には、周波数デインターリーブ、時間デインターリーブ、ビットデインターリーブ、ビタビ復号、バイトデインターリーブ、エネルギー逆拡散及びRS復号の順に行われる。
尚、誤り訂正部36は、訂正した誤りの数に基づき、デジタル信号のビット誤り率を算出する。そして、算出したビット誤り率を制御部4へと送る。このビット誤り率は、ビットデインターリーブ処理が施された直後の信号のビット数に対する、ビタビ復号及びRS復号によって訂正されたビット数の割合であってよい。あるいは、バイトデインターリーブ処理が施された直後の信号のビット数に対する、RS復号によって訂正されたビット数の割合であってもよい。
次に、制御部4について説明する。この制御部4は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMに記録された種々のプログラムをCPUで実行させることにより、チューナ2及び復調器3の各部の動作に係る種々の制御を行うように構成されている。その中でも、前述したチューナ2のPLL回路23に係る制御について特に説明する。
前述したように、PLL回路23を構成する回路部品の動作制御(例えば、電力減少制御)が動作制御部56により行われたときに、PLL回路23のロック状態が外れると(図5(b)参照)、ノイズが発生して信号Siに含まれる誤りが増加する。ここで、受信状況が極端に悪い場合などには、受信された信号Srに元々含まれる誤りが大きい上に、さらに、ロック外れに起因する誤りが生じることがから、信号Siに含まれることになる誤りを復調器3の誤り訂正部36で訂正することが不可能となることもあり、その場合には、復調器3においてデータを正確に取得することができなくなる。そこで、このような場合には、制御部4は、動作制御部56による回路部品の動作制御を禁止する。この禁止制御について、以下、具体的に説明する。
図8は、PLL回路23の動作制御による信号Siへの影響を示すタイミングチャートである。曲線71は、PLL回路23のロック外れによって発生するノイズの大きさを示している。尚、この図8においては、信号SiのシンボルSbのうち1つのシンボル73の範囲内でノイズ74が発生する場合を想定している。このようなノイズ74が発生することにより、信号Siに誤りが生じることになる。
このようなノイズの影響を考慮するために、数式1で示されるCN比が導入される。ここで、Cd及びNdはそれぞれ1シンボルあたりの搬送波及びノイズの電力である。
Figure 2007150423
この数式1におけるノイズの電力Ndには、前述したPLL回路23を構成する回路部品の動作制御を行っていない場合の定常的なノイズの電力No(チューナ2が信号Srを受信するまでに発生するノイズの電力と、チューナ2や復調器3において発生するノイズの電力)と、PLL回路23を構成する回路部品の動作制御によって発生するノイズの電力Niとがある。したがって、図8の曲線71によって示されるノイズ74を含めたシンボル73のCN比は、数式2で示される。
Figure 2007150423
また、図8において、曲線72aは、数式2から求められる信号SrのCN比を示している。尚、以下の説明に当たっては、特に断りがない限り、チューナ2が信号Srを受信するまでに発生するノイズに時間的な変化がなく、受信状態が安定している場合が想定されている。したがって、曲線72aが示すCN比は、ノイズ74によってシンボル73の範囲において低下し、その他の範囲では一定の値となる。
ところで、前述したように、誤り訂正部36による誤り訂正がなされる際には、信号Siにはデインターリーブ処理が施される。このうちの時間デインターリーブによって、曲線72aに現れたノイズ74による影響は、図8の一点鎖線の矢印が示す範囲にわたって均一に分散される。これにより、デインターリーブ処理が行われた後の信号の等価的なCN比(以下、等価CN比という)は曲線72bのようになる。ここで、ノイズ74による影響が分散される範囲は、シンボル73に含まれる信号が時間デインターリーブによって分散される範囲、つまり時間インターリーブ長Liの範囲に一致する。
このように時間インターリーブ長Liにわたってノイズ74による影響が分散されることにより、曲線72bが示す等価CN比は数式3のように表されることとなる。ここで、nは時間インターリーブ長Liの範囲に含まれるシンボル数を表す。
Figure 2007150423
このように、PLL回路23のロック外れに起因する誤りが時間デインターリーブによって分散されることを踏まえ、制御部4は、その誤りが誤り訂正部36により訂正可能か否かを判断する。さらに、制御部4は、その判断結果に基づいて動作制御部56による回路部品の動作制御を禁止する。図9に示すように、制御部4は、誤り推定部91、推定値算出部92、訂正可否判断部93(訂正可否判断手段)、及び、禁止信号出力部94(禁止信号出力手段)を備えている。
誤り推定部91は、動作制御部56がPLL回路23を構成する回路部品の動作を制御することにより、PLL回路23がロック状態から外れたと仮定した場合に、信号Siに含まれることとなる仮想的な誤りの総量を推定する。具体的には、PLL回路23のロック外れに起因する誤りの量の基となる、ロック外れにより生じるノイズの電力Niは、PLL回路23が非ロック状態となってからロック状態に復帰するまでの時間T1(図5(b)参照)から導出される。
推定値算出部92は、誤り推定部91が導出したノイズの量Ni、検波部35から送られたCN比に係る情報、有効シンボル長のモード、及び、TMCC情報から数式3によって示される等価CN比を算出する。具体的には、推定値算出部92は、復調器3から送られたCN比に係る情報、有効シンボル長のモード及びTMCC情報に含まれる時間インターリーブに係る情報から、Cd及びNoの時間インターリーブ長での平均を取得する。そして、推定値算出部92は、Cd及びNoの平均値及び誤り推定部91で導出されたノイズ量Niから、数式3に従って等価CN比を算出する。
訂正可否判断部93は、推定値算出部92が算出した等価CN比に基づいて、誤り訂正部36の復号部42によるRS復号及びビタビ復号によって信号Siの誤りを訂正できるか否かを判断する。具体的には、訂正可否判断部93は、等価CN比に係る閾値を保持しており、推定値算出部92が算出した等価CN比がこの閾値を超えた場合には訂正可能であると判断し、この閾値以下である場合には訂正不可能と判断する。
訂正可否判断部93が保持する等価CN比の閾値は、RS復号及びビタビ復号によって誤りが訂正可能な最小値になるように設定される。但し、訂正可能な値はキャリア変調方式や畳み込み符号の符号化率等によって異なる。このため、訂正可否判断部93は、キャリア変調方式等と種々の閾値との対応関係を示すテーブルを保持しており、このようなテーブルとTMCC情報とから適正な閾値を求める。
また、信号Siの受信状況が不安定な場合には、等価CN比の閾値が上記のような訂正可能な最小値と比べて大きく設定されていてもよい。この場合、短時間にCN比が変化したり信号の強度が小さくなったりするような場合においても、より確実に訂正可能かどうかの判断がなされることとなる。逆に、信号Siの受信状況が安定している場合には、短時間にCN比が変化しないと考えられるため、訂正可能な最小値に近い値に設定されていればよい。
尚、推定値算出部92が、波形等化部37から送られたCN比に係る情報でなく、FFT部33から送られたコンスタレーションの規定値からのずれを示すMERを用いてもよい。または、ノイズ成分がガウス雑音であると仮定して、数式2に示されるCN比をMERから等価的に求めてもよい。あるいは、誤り訂正部36から送られた誤り率と誤り推定部91で導出されたノイズの量とから、訂正可否判断部93が訂正の可否を判断してもよい。
禁止信号出力部94は、訂正可否判断部93により、誤り推定部91で推定された誤りが訂正不可能であると判断されたときには、動作制御部56に対して、PLL回路23を構成する回路部品の動作制御を禁止する禁止信号を出力する。つまり、受信状況が悪く、チューナ2で受信された受信信号に誤りが多く含まれている場合には、さらに誤りを増加させる虞のある、回路部品への電力を減少させるなどの動作制御が行われない。そのため、PLL回路23のロック状態が外れて受信信号に含まれる誤りが増加することはなく、復調器3において正確なデータを取得することが可能になる。尚、禁止信号出力部94は、動作制御部56が行う全ての制御を禁止する信号を出力してもよいが、一部の回路部品の制御だけを禁止する信号を出力してもよい。
一方、訂正可否判断部93により、誤り推定部91で推定された誤りが訂正可能であると判断されたときには、禁止信号出力部94は動作制御部56に対して禁止信号を出力しない。従って、動作制御部56によりPLL回路23の回路部品の動作が制御されることになるが、電力減少等の制御によりPLL回路23のロック状態が一時的に外れて、受信信号の誤りが増加しても、その誤りは誤り訂正部36で訂正される。従って、PLL回路23の消費電力を抑えつつも、復調器3において正確なデータを取得できるようになる。
つまり、禁止信号出力部94は、PLL回路23が非ロック状態となっても、受信信号に含まれる誤りの総量が誤り訂正部36で訂正可能な範囲内の誤りとなるような時間内で、PLL回路23をロック状態に復帰させることができる場合には、動作制御部56による動作制御を許可し、そうでない場合には、PLL回路23のロック状態が外れて誤りを増加させる虞のある動作制御を禁止する。
また、禁止信号出力部94は、推定された誤りが訂正不可能である場合だけでなく、それ以外の条件でPLL回路23のロックが外れる虞がある場合にも、動作制御部56に対して禁止信号を出力するように構成されていてもよい。このような動作制御の禁止条件の例としては、チューナ2の起動時やチャンネルの設定変更時が挙げられる。このような場合には、PLL回路23のロック状態が必ず外れるため、電力増加制御による不要な電力増加が生じる可能性がある。また、電力減少制御によって長期間PLL回路23のロックが外れたままになる虞がある。そのため、電力増加制御、電力減少制御を禁止する必要がある。また、高温低電圧や低温高電圧といった厳しい動作条件にある場合も、動作制御の禁止条件に相当する。このような場合にも、PLL回路23のロック状態を外す可能性のある電力減少制御などを禁止し、PLL回路23がロック状態から外れることを回避する必要がある。
さらに、制御部4が、PLL回路23以外の、チューナ2及び復調器3の各部の動作に係る種々の制御(例えば、各部の消費電力を減少させる制御や、受信信号の強さに応じてRFアンプ部21やIFアンプ部25の増幅度を変化させる制御など)を行う場合には、これらの制御により信号Siに含まれる誤りが増加する場合がある。そこで、制御部4がこのような制御を行う場合にも、禁止信号出力部94が、動作制御部56に対して、誤りを増加させる虞のある動作制御を禁止する禁止信号を出力するように構成されていてもよい。
次に、動作制御部56による回路部品の動作制御を含む一連の制御について、図10のフローチャートを参照して説明する。ここで、回路部品の動作制御として、前述した回路部品の電力制御(図5参照)を例に挙げて説明する。尚、図 において、Si(i=1,2,3・・・)は各ステップを示す。
まず、チューナ2の起動時やチャンネルの設定変更時といった、PLL回路23の電力増加制御及び電力減少制御の禁止条件が当てはまらない場合には(S1:No)、制御部4により、復調器3から有効シンボル長のモード、受信信号の伝送方式等のTMCC情報が取得される(S2)。次に、制御部4の誤り推定部91により、動作制御部56によるPLL回路23の回路部品の電力制御が行われることによってPLL回路23のロック状態が外れたときに、信号Siに含まれることになる誤りの総量が推定される(S3)。さらに、推定値算出部92により、誤り推定部91で推定された誤りの量から等価CN比が算出される(S4)。そして、訂正可否判断部93により、信号Siに含まれることになる誤りの総量を誤り訂正部36が訂正可能か否かが判断される(S5)。
訂正可否判断部93において、誤り訂正部36により信号Siに含まれることになる誤りの訂正が可能であると判断された場合には(S5:Yes)、動作制御部56によりPLL回路23の電力減少制御が実行される。即ち、ロック検出部55によりPLL回路23のロック状態が検出されているときに(S6:Yes)、動作制御部56によりPLL回路23の回路部品の電力を減少させる(S7)。その後、PLL回路23のロック状態が検出される場合には(S8:Yes)、電力制御を終了する。そして、これら一連の処理が一定時間おきに行われて、回路部品の電力が段階的に減少することになる。一方、ロック検出部55によりPLL回路23のロック状態が外れたことが検出されたときには(S6:No、S8:No)、動作制御部56によりすぐに回路部品の電力を増加させ(S9)、PLL回路23をロック状態に復帰させて、電力制御を終了する。
また、チューナ2の起動時やチャンネルの設定変更時といった、PLL回路23の電力増加制御及び電力減少制御の禁止条件に当てはまる場合(S1:Yes)には、禁止信号出力部94から動作制御部56へ電力増加制御及び電力減少制御の禁止信号が出力され(S10)、動作制御部56による電力制御が禁止される。あるいは、訂正可否判断部93において、信号Siに含まれることになる誤りの訂正が不可能であると判断された場合には(S5:No)、禁止信号出力部94から動作制御部56へ電力減少制御の禁止信号が出力され(S11)、動作制御部56による電力減少制御が禁止される。
尚、以上の説明においては、PLL回路23がロック状態から外れたときに発生するノイズが、信号SiのシンボルSbのうち1つのシンボル73の範囲内に収まっている場合(図8参照)を例に挙げて説明したが、連続する複数のシンボル73に亙ってノイズが発生する場合であっても同様の制御を行うことができる。例えば、図11においては、1回の制御による影響が2つのシンボル103a,103bに跨って信号Siに及んでいる。ここで、曲線102aは、ノイズ84による影響を受けたシンボル103a及び103bにおけるCN比を示している。この場合、PLL回路23がロック状態から外れたことに起因して生じるシンボル103aの範囲のノイズの影響とシンボル103bの範囲のノイズの影響とが、時間デインターリーブ後に曲線102bのように重複して現れる。このような場合においても、制御部4は、曲線102bが示す等価CN比を算出して、誤り訂正部36において訂正可能かどうかの判断を行い、訂正不可能な場合には動作制御部56へ禁止信号を出力する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態におけるPLL回路23に関する一連の制御(図10参照)においては、訂正可否判断部93において、誤り訂正部36により信号Siに含まれることになる誤りの訂正が不可能であると判断された場合に(S5:Yes)、電力減少制御を禁止することによって、PLL回路23がロック状態から外れた影響によって誤りが増加することを回避している。しかし、伝送時に発生するノイズの増大や、周囲温度の上昇、あるいは、電源電圧の低下など、受信信号の状態が悪化する条件が生じている場合には、PLL回路がロック状態から外れることによって、デジタル復調装置が信号を正しく受信できなくなる虞がある。そこで、このような場合には、電力減少制御を禁止するのみでなく、PLL回路の電力を増加させる制御も合わせて行うことが好ましい。その構成について以下説明する。
図12に示すように、この変更形態においては、制御部4は、誤り推定部91、推定値算出部92、訂正可否判断部93、及び、禁止信号出力部94に加えて、さらに、受信状態判断部97を備えている。
受信可否判断部97(受信可否判断手段)は、PLL回路23がロック状態から外れたと仮定したときに、信号Srを正常に受信できるか否かを判断する。具体的には、受信可否判断部97は、CN比に関する所定の閾値を保持しており、推定値算出部92で推定された、受信に係る状態量の1つである等価CN比をこの閾値と比較する。そして、推定された等価CN比が閾値を超える(下回る)場合には、PLL回路23がロック状態から外れてしまったときに、受信状態が悪化して信号Srに含まれるデータを正常に取得できない状態と判定する。この状態は、言い換えれば、何らかの原因(動作制御部56による電力制御以外の要因も含む)により、PLL回路23がロック状態から外れてしまうと、信号Siに含まれることとなる誤りを誤り訂正部36で訂正できなくなる状態である。
尚、この受信可否判断部97による判断においては、前述した動作制御部56による回路部品の電力制御だけでなく、伝送時に発生するノイズの増大(CN比の低下)や、周囲の温度上昇、あるいは、電源電圧低下等の他の要因によってPLL回路23がロック状態から外れてしまうことも考慮される必要がある。そのため、ここで用いられるCN比に関する閾値は、前述の訂正可否判断部93による訂正可否の判断において用いられるCN比に関する閾値と同じ値、または、より大きな値(より厳しい条件)に設定される。
そして、受信可否判断部97により、PLL回路23がロック状態から外れることによって、信号Srを正しく受信できない程度まで状態が悪化すると判定された場合には、動作制御部56は、PLL回路23がロック状態から外れないように回路部品への電力を増加させる。これにより、PLL回路23が、受信信号Srの状態悪化や、周囲の温度上昇、あるいは、電源電圧低下等の影響を受けてロック状態から外れることをより確実に防ぐことが可能となる。
尚、受信可否判断部97による受信状態の判断基準としては、前述したCN比の他にも、温度や電源電圧等の状態量を用いることもできる。また、判断基準の閾値、又は、電力の増加量は、デジタル復調装置1の動作状態に応じて可変となるよう構成しても良い。例えば、温度が高くなり、PLL回路23の動作が不安定になっているような場合は、そのような特殊条件に応じて設定された適切な電力となるように制御を行う。
この変更形態における一連の制御について、図13のフローチャートを参照して説明する。まず、PLL回路23の電力増加制御及び電力減少制御の禁止条件が当てはまらない場合には(S21:No)、制御部4によりTMCC情報が取得される(S22)。次に、制御部4の誤り推定部91により、動作制御部56によるPLL回路23の回路部品の電力制御が行われることによってPLL回路23のロック状態が外れたときに、信号Siに含まれることになる誤りの総量が推定される(S23)。さらに、推定値算出部92により、誤り推定部91で推定された誤りの量から等価CN比が算出される(S24)。そして、訂正可否判断部93により、信号Siに含まれることになる誤りの総量を誤り訂正部36が訂正可能か否かが判断される(S25)。
訂正可否判断部93において、誤り訂正部36により信号Siに含まれることになる誤りの訂正が可能であると判断された場合には(S25:Yes)、動作制御部56によりPLL回路23の電力減少制御が実行される。即ち、ロック検出部55によりPLL回路23のロック状態が検出されているときに(S26:Yes)、動作制御部56によりPLL回路23の回路部品の電力を減少させる(S27)。その後、PLL回路23のロック状態が検出される場合には(S28:Yes)、電力制御を終了する。これら一連の処理が一定時間おきに行われて、回路部品の電力が段階的に減少することになる。一方、ロック検出部55によりPLL回路23のロック状態が外れたことが検出されたときには(S26:No、S28:No)、動作制御部56によりすぐに回路部品の電力を増加させ(S29)、PLL回路23をロック状態に復帰させて、電力制御を終了する。
また、電力増加制御及び電力減少制御の禁止条件に当てはまる場合(S21:Yes)には、禁止信号出力部94から動作制御部56へ電力増加制御及び電力減少制御の禁止信号が出力され(S30)、動作制御部56による電力制御が禁止される。
また、訂正可否判断部93において、信号Siに含まれることになる誤りの訂正が不可能であると判断された場合には(S25:No)、禁止信号出力部94から動作制御部56へ電力減少制御の禁止信号が出力され(S31)、動作制御部56による電力減少制御が禁止される。
さらに、推定値算出部92により推定されたCN比が所定の閾値よりも低く、受信可否判断部97により信号を正しく受信できないと判断されたときには(S 32:Yes)、PLL回路がロック状態から外れたときには、信号を正しく受信できなくなる虞があることから、動作制御部56によりPLL回路23を構成する回路部品への電力が増加される(S33)。ここで、このS33の電力増加後において、本来設定されるべき電力設定値よりも高い値が設定されることによる、過剰な電力増加を防止するため、その後の電力増加制御を禁止するように構成されていてもよい。また、S33における電力の増加量は、PLL回路23のロック外れが検出された場合の電力増加量(S29)とは異なる値に設定されてもよい。
2]ロック検出部55により、PLL回路23がロック状態から外れたことが検出されたときに、動作制御部56による1回の電力増加制御によりPLL回路23がロック状態に復帰しない場合には、図14に示すように、PLL回路23がロック状態に復帰するまで、回路部品への電力を繰り返し増加させるように構成されていてもよい。
3]図15に示すように、制御部4が、動作制御部56に対して、PLL回路23の電力減少制御を実行させる外部制御信号を出力する制御信号出力部95(制御信号出力部)を備えていてもよい。この構成では、図16(a)に示すように、外部制御信号が入力されたタイミングで、動作制御部56は回路部品の電力を減少させる制御を実行する。また、図16(b)に示すように、この制御が実行されたことにより、PLL回路23のロック状態が外れた場合には、動作制御部56は、回路部品の電力を増加させて、PLL回路23をロック状態に復帰させる。
あるいは、図17に示すように、制御部4は、動作制御部56が回路部品への電力を制御したときに、その電力制御に関する情報を動作制御部56から取得する情報取得部96(情報取得手段)を備えていてもよい。この情報取得部96が動作制御部56から取得する情報としては、回路部品への供給電力量、PLL回路23のロック状態、あるいは、PLL回路23が非ロック状態となったときの電力増加制御が行われたことを示す信号などがある。この構成によれば、制御部4が、動作制御部56によるPLL回路23の電力制御の状態を把握することができることから、例えば、その電力制御の情報に基づいて、チューナ2や復調器3等における他の制御を適切なタイミングで行うことが可能になる。
尚、制御部4は、前述した制御信号出力部95と情報取得部96の両方を備えていてもよい。この構成では、例えば、制御部4が、チューナ2や復調器3を構成する他の回路部品の動作をも制御する場合に、これらの他の回路部品の動作制御とPLL回路23の動作制御とを、これらの制御の結果、信号Siに含まれることになる誤りの総量が極力小さくなるような適切なタイミングで行うことなどが可能になる。
4]前記実施形態では、制御部4がチューナ2及び復調器3の外部に構築されているが、制御部4の機能を有する各部がチューナ2や復調器3の内部に構築されていてもよい。あるいは、前述した実施形態のデジタル復調装置を備えた携帯電話等のデジタル受信装置を制御するホストCPUとこのCPUを機能させるプログラムとによって、制御部4が構築されていてもよい。さらに、PLL回路23の回路部品を制御する動作制御部56が、チューナ2の外部に構築されていてもよい。
本発明の実施形態に係るデジタル受信装置の一例である携帯電話を示す図である。 デジタル復調装置の概略構成を示すブロック図である。 チューナのブロック図である。 PLL回路のブロック図である。 PLL回路の回路部品の電力制御のタイミングチャートであり、(a)はロック状態が維持されている場合、(b)はロック状態が一旦外れて再度復帰する場合をそれぞれ示す。 復調器のブロック図である。 時間インターリーブ及び時間デインターリーブの説明図である。 PLL回路がロック状態から外れたときの、受信信号に与える影響を示すタイミングチャートである。 制御部のブロック図である。 PLL回路を構成する回路部品の電力制御を含む一連の制御のフローチャートである。 PLL回路がロック状態から外れたときの、複数のシンボルに跨って受信信号に与える影響を示すタイミングチャートである。 変更形態に係る制御部のブロック図である。 図12に係る一連の制御のフローチャートである。 別の変更形態に係るPLL回路の回路部品の電力制御のタイミングチャートである。 さらに別の変更形態に係るPLL回路のブロック図である。 図13のPLL回路の回路部品の電力制御のタイミングチャートである。 さらに別の変更形態に係るPLL回路のブロック図である。
符号の説明
Sr 受信信号
1 デジタル復調装置
2 チューナ
3 復調器
4 制御部
23 PLL回路
26 周波数変換部
36 誤り訂正部
55 ロック検出部
56 動作制御部
91 誤り推定部
93 訂正可否判断部
94 禁止信号出力部
95 制御信号出力部
96 情報取得部
97 受信可否判断部
201 携帯電話(デジタル受信装置)

Claims (16)

  1. 受信信号に選局処理を施すチューナと、このチューナからの受信信号に含まれる誤りを訂正する誤り訂正手段を有し、前記受信信号に復調処理を施す復調器とを備え、
    前記チューナは、前記受信信号の周波数を変換する周波数変換部と、この周波数変換部へ一定周波数の信号を出力可能なPLL回路と、このPLL回路が安定して前記一定周波数の信号を出力するロック状態にあるか否かを検出するロック検出手段とを有し、
    前記PLL回路を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの動作を制御する動作制御手段を備え、
    前記ロック検出手段により前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御手段により前記回路部品の動作を制御して、PLL回路がロック状態から外れたことによって前記受信信号に含まれることになる誤りの総量が前記誤り訂正手段で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、前記PLL回路をロック状態に復帰させるように構成されていることを特徴とするデジタル復調装置。
  2. 前記動作制御手段は、前記回路部品へ供給される電力を制御することにより、前記回路部品の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のデジタル復調装置。
  3. 前記動作制御手段により制御される電力の量は、可変であることを特徴とする請求項2に記載のデジタル復調装置。
  4. 前記ロック検出手段により前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御手段は、前記回路部品の電力を増加させることにより、前記PLL回路をロック状態に復帰させることを特徴とする請求項2又は3に記載のデジタル復調装置。
  5. 前記PLL回路がロック状態から外れたと仮定したときの、このデジタル復調装置による受信に係る所定の状態量を、この状態量に関する所定の閾値と比較することにより、前記PLL回路がロック状態から外れたときに前記受信信号を受信可能か否かを判断する受信可否判断手段をさらに備え、
    前記受信可否判断手段により、前記PLL回路がロック状態から外れることによって前記受信信号を受信できなくなると判断されたときには、前記動作制御手段は、PLL回路がロック状態から外れないように前記回路部品への電力を増加させることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のデジタル復調装置。
  6. 前記閾値は、可変であることを特徴とする請求項5に記載のデジタル復調装置。
  7. 前記ロック検出手段により前記PLL回路がロック状態にあることが検出されているときに、前記動作制御手段は、前記回路部品への電力を減少させることを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載のデジタル復調装置。
  8. 前記動作制御手段は、一定時間おきに前記回路部品への電力を段階的に減少させることを特徴とする請求項7に記載のデジタル復調装置。
  9. 前記動作制御手段に、その電力減少制御を実行させる制御信号を出力する制御信号出力手段を有することを特徴とする請求項7又は8に記載のデジタル復調装置。
  10. 前記動作制御手段に、その電力制御を禁止する禁止信号を出力する禁止信号出力手段を有することを特徴とする請求項2〜9の何れかに記載のデジタル復調装置。
  11. 前記PLL回路がロック状態から外れたときに、前記受信信号に含まれることとなる誤りの総量を推定する誤り推定手段と、
    前記誤り推定手段が推定した前記誤りの総量から、前記誤り訂正手段により前記受信信号の誤りを訂正できるか否かを判断する訂正可否判断手段をさらに備え、
    前記訂正可否判断手段により、前記受信信号の誤りが訂正不可能であると判断されたときに、前記禁止信号出力手段は前記動作制御手段に対して前記禁止信号を出力することを特徴とする請求項10に記載のデジタル復調装置。
  12. 前記動作制御手段が前記回路部品への電力を制御したときに、その電力制御に関する情報を前記動作制御手段から取得する情報取得手段を有することを特徴とする請求項1〜11に記載のデジタル復調装置。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載のデジタル復調装置を備えており、
    前記デジタル復調装置が復調した受信信号に基づいて、文字、画像、音声及びデータの少なくともいずれか1つの再現処理を行うことを特徴とするデジタル受信装置。
  14. 受信信号の周波数を変換する周波数変換部とこの周波数変換部へ一定周波数の信号を出力可能なPLL回路とを有するチューナと、このチューナからの受信信号に含まれる誤りを訂正する誤り訂正手段を有し、前記受信信号に復調処理を施す復調器とを備えたデジタル復調装置の制御方法であって、
    前記PLL回路が安定して前記一定周波数の信号を出力するロック状態にあるか否かを検出するロック検出ステップと、
    前記PLL回路を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの動作を制御する動作制御ステップとを有し、
    前記ロック検出ステップにおいて前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御ステップにおいて前記回路部品の動作を制御して、PLL回路がロック状態から外れたことによって前記受信信号に含まれることになる誤りの総量が前記誤り訂正手段で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、前記PLL回路をロック状態に復帰させることを特徴とするデジタル復調装置の制御方法。
  15. 受信信号の周波数を変換する周波数変換部とこの周波数変換部へ一定周波数の信号を出力可能なPLL回路とを有するチューナと、このチューナからの受信信号に含まれる誤りを訂正する誤り訂正手段を有し、前記受信信号に復調処理を施す復調器とを備えたデジタル復調装置の制御プログラムであって、
    前記PLL回路が安定して前記一定周波数の信号を出力するロック状態にあるか否かを検出するロック検出ステップと、
    前記PLL回路を構成する回路部品のうちの少なくとも1つの動作を制御する動作制御ステップとを有し、
    前記ロック検出ステップにおいて前記PLL回路がロック状態から外れたことが検出されたときには、前記動作制御ステップにおいて前記回路部品の動作を制御して、PLL回路がロック状態から外れたことによって前記受信信号に含まれることになる誤りの総量が前記誤り訂正手段で訂正可能な範囲内の誤りとなるように、前記PLL回路をロック状態に復帰させることを特徴とするデジタル復調装置の制御プログラム。
  16. 請求項15に記載のデジタル復調装置の制御プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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