JP2007148231A - 照明装置および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型かつ安価な構成でありながら、面発光体からの光を必要照射範囲に効率良く集光でき、かつ所望の配光特性を得られる照明装置を実現する。
【解決手段】照明装置10は、面発光体1と、該面発光体からの光に対する集光作用を有する光学部材2とを有する。第1の方向および該第1の方向に直交する第2の方向での集光を行うための複数の屈折部2aが、該光学部材の射出面2B上に連続して形成されている。各屈折部は、複数の屈折面2b,2cにより構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】照明装置10は、面発光体1と、該面発光体からの光に対する集光作用を有する光学部材2とを有する。第1の方向および該第1の方向に直交する第2の方向での集光を行うための複数の屈折部2aが、該光学部材の射出面2B上に連続して形成されている。各屈折部は、複数の屈折面2b,2cにより構成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、面発光体を光源として用いた照明装置に関し、特にスチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に好適な照明装置に関する。
従来の撮影用照明装置には、光源として、ランプやLEDのような点光源、若しくはキセノンランプや冷陰極管のような線状(管状)の光源が用いられてきた。これに対し、最近では、有機又は無機エレクトロルミネセンス(EL)素子等の面発光体を撮影用照明装置の光源として使用することが考えられている。
撮影用照明装置には、光源から発せられた光を撮影に必要な照射角度範囲に効率良く集光する機能が必要である。点光源や線光源を用いる場合の集光機能を担う光学系については、従来数多く提案されている。
一方、面発光体を光源とする撮影用照明装置としては、面発光体からの光を直接被写体に照射するものが提案されている(特許文献1参照)。また、面発光体を光源とする信号機用の照明装置として、面発光体からの光を、光の回折作用を利用するホログラム光学素子によって一定方向に指向させる光学系を有するものがある(特許文献2参照)。
特開2003−43558号公報(段落0019,0037、図1,図2等)
米国特許第5,917,622号公報(コラム2〜5、FIG.3等)
しかしながら、特許文献1にて提案されている照明装置は、集光光学系を持たないため、面発光体からの光が必要照射範囲外の範囲にまで照射されてしまう場合が多く、効率の良い照明装置になっていない。
また、特許文献2にて提案されている照明装置では、一般に高価なホログラム光学素子を使用するため、撮影装置に搭載する照明装置としては実用的ではない。また、撮影用の照明光として一般的な白色光のように広い波長領域の光に対して波長依存性の高いホログラム光学素子を用いると、光の利用効率が低くなったり、所望の配光特性が得られなかったりする可能性が高い。
このように、点光源や線光源に比べて広い発光面から均一に光を発する面発光体に対して、コンパクト化が進んでいる撮像装置における限られたスペースの中で、所定の照射角度範囲に集光しつつ、所望の配光特性を得ることは極めて困難であった。
本発明は、小型かつ安価な構成でありながらも、面発光体からの光を必要照射範囲に効率良く集光でき、かつ所望の配光特性を得られるようにした照明装置を提供することを目的の1つとしている。
本発明の一側面としての照明装置は、面発光体と、該面発光体からの光に対する集光作用を有する光学部材とを有する。そして、それぞれ複数の屈折面によって構成される複数の屈折部であって、第1の方向および該第1の方向に直交する第2の方向での集光を行うための複数の屈折部が、該光学部材の射出面上に連続して形成されていることを特徴とする。
なお、上記照明装置を搭載した撮像装置も、本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、射出面上に連続して形成された複数の屈折部により、面発光体のいずれの位置から発せられた光も第1の方向および第2の方向において必要照射角度範囲内に集光することができる。しかも、該屈折部の連続した配置と面発光体の均一な面発光特性とが相まって、配光特性の制御を容易に行うことができる。さらに、光学部材は光の屈折作用を利用する部材であるので、ホログラム光学素子に比べて安価に製作し易い。また、集光光学系を単一の光学部材による簡易な構成としているので、小型化もし易い。したがって、小型かつ安価な構成でありながらも、面発光体からの光を必要照射範囲に効率良く集光でき、かつ所望の配光特性を得られる照明装置を実現できる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
各実施例の照明装置は、各発光点から均一な明るさ(光量)で広い発光角度範囲を持った光を発する面発光体と、この面発光体の前面(発光面)に近接して配置された光学部材とにより構成される。光学部材の射出面上には、屈折部としての多数の微小プリズム部又はリング(円形、楕円形又は矩形リング)状のプリズム部が、射出面の全体若しくは大部分に、連続して、言い換えれば相互に隣接して、一定の形状パターンを構成するように形成されている。これらプリズム部によって、面発光体からの光を上下方向および左右方向において必要とされる照射角度範囲に効率良く集光させる。
図1には、本発明の実施例1である照明装置を搭載した撮像装置としてのコンパクトデジタルカメラの概略構成を示している。
図1において、11はカメラ本体であり、該カメラ本体11の前面には、撮影レンズ鏡筒12が設けられている。撮影レンズにより形成された被写体像は、不図示の撮像素子(CCDセンサやCMOSセンサ等)により光電変換される。そして、撮像素子からの出力に基づいて画像信号が生成され、不図示の記録媒体(半導体メモリや光ディスク等)に記録されたり、不図示の背面ディスプレイに表示されたりする。
13は被写体の明るさを測定する測光ユニットの受光窓、14はファインダの被写体側の覗き窓である。
10は本実施例の照明装置であり、カメラ本体11の前部に内蔵されている。該照明装置10は、適正な撮像を行うために被写体の明るさが不足しているような場合に、被写体に照明光を照射する。
なお、本発明の照明装置は、このようなコンパクトデジタルカメラに限らず、銀塩カメラやビデオカメラや一眼レフカメラ等の各種撮像装置に搭載することができる。このことは、後述する他の実施例でも同様である。
図2には、照明装置10を正面から見た図を示している。この図に示す状態がカメラを通常の横位置にセットした状態であり、以下、この状態での上下方向を上下方向と言い、左右方向を左右方向という。また、図3には、該照明装置10を分解して示している。また、図4は、照明装置10を左右方向の中央近傍にて切断したときの側面断面図であり、図5では、図4の断面図に、面発光体上の代表点(中央近傍点)から発せられた光線のトレース図を付記している。また、図6は、照明装置10を上下方向の中央近傍にて切断したときの上面断面図であり、図7では、図6の断面図に、該代表点から発せられた光線のトレース図を付記している。
図2〜7において、1は白色無機EL素子や白色有機EL素子等からなる面発光体であり、横長の長方形の平板形状を有する。面発光体1は、平板内において多数の微小発光点が分散したものとも考えることができる。各発光点からは、広い発光角度範囲に均一に光が発せられる。
面発光体1は、不図示の電気制御回路によって、静止画撮影に適した閃光や動画撮影に適した定常光を発することが可能である。面発光体1における発光面(前面)とは反対側の面(後面)には、電極が形成されており、該面自体が反射面となっている。このため、本来の発光方向と逆方向である後方に向かった光は、発光面側である前方に反射される。このように、面発光体と一体的に反射面が形成されていることによって、発光効率を向上させることができるとともに、光学部材2から面発光体1に戻ってきた光を再び光学部材2側に反射することができる。これにより、小型で効率の良い光学系を構成するため都合が良い。
また、面発光体1の裏面の電極部に反射面を形成することによって、光を後方に射出させることなく全て面発光体1の内部で反射させることが可能である。これにより、面発光体1と外界との界面での表面反射による光量ロスがなく、小さなスペースの中で効率良く発光可能な光源を実現することができる。
なお、以下の説明において、面発光体1の発光面の中心を通り、該発光面に直交する軸を照射光軸AXLといい、該照射光軸AXLに平行な方向を照射光軸方向という。
2は面発光体1から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材2は、面発光体1の発光面に近接して配置されている。
この光学部材2は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材2の入射面2Aおよび射出面2Bは、正面視において、面発光体1の発光面と同一の長方形状を有する。このように面発光体1と光学部材2とを同一形状とすることによって、照明装置10を最もコンパクトな構成とし、かつ最も効率良く面発光体1からの光を光学部材2に入射させることができる。
光学部材2の入射面2Aは、面発光体1から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
一方、射出面2Bは、その全体に同一形状の複数のプリズム部(屈折部)2aが格子状パターンを構成するように上下および左右方向に連続して(互いに隣接して)並んだ形状を有する。すなわち、面発光体1の各発光点に対して、同一形状のプリズム部2aを対応させている。
なお、本実施例の説明中の「同一形状」とは、完全に同一の形状だけでなく、製造誤差等に起因して光学的に同一とみなせる範囲で異なる形状も含む。すなわち、実質的に同一形状の意味である。なお、同一形状とは、その大きさ(面積)も同一であることを意味する。また、プリズム部2aが射出面2Bの全体に形成されているとは、完全に全体である場合だけでなく、光学的に全体がカバーされているとみなせるようなほとんど全体という意味も含む。すなわち、実質的に全体という意味である。これらのことは、後述する他の実施例でも同様である。
図2および図3中に二点鎖線で囲んで示す各プリズム部2aは、図2に示す正面視において横長の矩形形状を有し、立体的に見ると、図3に示すように、光照射側に向かって凹となる四角錐形状を有する。そして、該四角錐を構成する4つの三角形の面のうち上下の2つの面(第1の屈折面)2bは、発光体1からの光を屈折作用によって上下方向に偏向し、同方向での集光を行うために用いられる。また、左右の2つの面(第2の屈折面)2cは、発光体1からの光を屈折作用によって左右方向に偏向し、同方向での集光を行うために用いられる。
各プリズム部2aにおいて上下左右の4つの面2b,2cは上下および左右方向において相互に隣接している。なお、面2b,2cは、本実施例では平面として形成されている。
なお、本実施例の説明中の「連続して(互いに隣接して)」形成されているとは、全く隙間なく接している場合だけでなく、製造上の必要性や誤差等の理由で、光学特性に実質的な影響を与えない程度に離れている場合も含む。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
また、各プリズム部2aを四角錐形状とすることで、図4および図6に示すように、上下の面2bの照射光軸AXL(照射光軸方向)に対する傾斜角度αと、左右の面2cの照射光軸AXLに対する傾斜角度βとを異ならせることができる。これにより、上下方向と左右方向の集光度合いを異ならせ、所望の配光特性を得ることができる。本実施例のように、左右の面2cの傾斜角度βより上下の面の傾斜角度αを小さくすることによって、左右方向の照射角度範囲を上下方向のそれに比べて広くすることができる。この詳細については後述する。
前述したように、すべてのプリズム部2aは同一形状である。すなわち、プリズム部2aの大きさおよび面2b,2cの傾斜角度は、射出面2B上のいずれの位置でも同じである。このため、複数のプリズム部2aは、面発光体1上のいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、同等の光学作用(屈折による集光方向)を及ぼす。しかも、図2に示すように、すべてのプリズム部2a(面2b,2c)が、射出面2Bの中心を通る垂直面および水平面(図には、線A,Bとして示す)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体1から発せられた光の全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
一方、本実施例では、光学部材2の射出面2Bの表面には、小さな複数の長方形で構成される稜線(四角錐の底辺)が露出するのみであり、該射出面2Bをそのままカメラの外表面とすることができる。つまり、該射出面2Bに使用者の指等が触れたとしても、四角錐の頂点に触れた場合のような痛みを感じる可能性はきわめて低い。したがって、光学部材2の射出面2Bを他の透明部材で覆う必要がなく、光学系の効率を高めることができる。しかも、面2b,2cの傾斜角度がどのようであっても露出する稜線の形状は変わらず、この結果、面2b,2cの傾斜角度を任意に設定することができる。すなわち、光学設計的にも自由度の高い形状である。
次に、図4〜図9を用いて、光学部材2の形状および光学作用についてさらに詳しく説明する。
図4の側面断面図には、光学部材2において上下に隣接した2つプリズム部2aの面2bがなす角度(以下、頂角という)2・αが90°である場合を示している。ここで、90°という頂角は、比較的小さな角度であり、面発光体1の各発光点からの光を上下方向において比較的狭い角度範囲に照射するのに有効な角度である。
このような頂角設定において、図5の光線トレース図に示すように、光学部材2の入射面2Aに比較的小さな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方にて該頂角を形成する2つの面2bの屈折作用によって所定の角度範囲内の成分に変換(集光)される。
一方、入射面2Aに比較的大きな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方位置から上下に離れたプリズム部2aの面2bから射出する。この場合、該光束は面2bに対してほぼ垂直に入射し、屈折による角度変化を受けずに射出される。
これらのことから、面発光体1に近接した位置に配置された光学部材2によって、面発光体1からの光束を狭い角度範囲に効率良く集光するためには、以下のようにすることが有効であることが分かる。すなわち、射出面2Bに微小なプリズム部2aを形成し、かつプリズム部2aを構成する面2bの照射光軸AXLに対する傾斜角度α(言い換えれば、頂角2・α)を小さく設定することである。
頂角2・αとしては、光学部材2の材料の屈折率にもよるが、屈折率1.5前後の樹脂材料である場合には、80°≦2・α≦100°で最も狭い角度範囲に集光させることができる。また、照射角度範囲の中心領域(照射光軸AXLを含む狭い領域)の光強度も強くすることができる。頂角2・αを80°より小さくすると、照射角度範囲をより狭めることができるが、面2bで屈折して射出する成分よりも、全反射して射出しない成分が増加するので、光学系として好ましくない。
図6の上面断面図には、光学部材2において左右に隣接した2つプリズム部2aの面2cがなす頂角2・βが120°である場合を示している。ここで、120°という頂角は、比較的大きな角度であり、面発光体1の各発光点からの光を左右方向において比較的広い角度範囲に照射するのに有効な角度である。
このような頂角設定において、図7の光線トレース図に示すように、光学部材2の入射面2Aに比較的小さな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方にて該頂角を形成する2つの面2cの屈折作用によって所定の角度範囲内の成分に変換(集光)される。このとき、図5に示した上下方向に比べて、頂角2・βが広いため、該光束は大きな屈折作用を受けず、比較的広い角度範囲に射出される。
一方、入射面2Aに比較的大きな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方位置から左右に離れたプリズム部2aの面2cから、ほとんど屈折による角度変化を受けずに射出される。但し、このように入射位置の前方位置から離れた面2cから射出する光束は、図5の場合に比べて少なく、実質的な照射角度範囲は必要以上に広がらない。
これらのことから、面発光体1に近接した位置に配置された光学部材2によって、面発光体1からの光束を比較的広い角度範囲に効率良く集光するためには、以下のようにすることが有効であることが分かる。すなわち、射出面2Bに微小なプリズム部2aを形成し、かつプリズム部2aを構成する面2cの照射光軸AXLに対する傾斜角度β(言い換えれば、頂角2・β)を大きく設定することである。
頂角2・βとしては、光学部材2の材料の屈折率にもよるが、屈折率1.5前後の樹脂材料である場合には、110°≦2・β≦150°で比較的広い角度範囲に集光させることができる。また、照射角度範囲の中心領域の光強度を全体的に均一に強くすることができる。頂角2・βを150°より大きくしても、照射角度範囲の広がりはわずかであり、中心領域の強度も上がらないので、好ましくない。
次に、本実施例の照明装置の配光特性について図8を用いて説明する。図8において、法線方向の軸は照射光軸方向に対する照射角度を示し、周方向の軸は照射角度範囲の中心領域に向かう光束の強度に対する光束の強度を示す。実線は上下方向の配光特性を、点線は左右方向の配光特性を示す。
この図から、上下方向の照射角度範囲は、左右方向の照射角度範囲より狭く、上下方向において大幅に集光されていることが分かる。特に、中心領域の強度に対して50%の強度で示す照射角度範囲は、左右方向が98°であるのに対し、上下方向が76°である。このことから、上下方向においては、狭い角度範囲に効率良く集光させていることが分かる。
また、隣接したプリズム部2aの面がなす頂角(図では、プリズムの頂角として示す)と中心領域での照射強度および照射角度との関係をまとめて示してグラフ化したのが、図9である。頂角と照射強度との関係をx印を繋いだ曲線により、また、頂角と照射角度との関係を丸印を繋いだ曲線により示している。
図示のように、頂角を90°前後としたときに最も大きな中心領域照射強度が得られる。また、照射角度は、頂角を小さくするほど狭まる。図9に示したいずれの頂角を形成した場合でも、光学部材2の射出面2Bにプリズム部2aを形成することによって、集光効果を得ることができるが、90°前後の頂角を形成した場合が最も効率の良い集光光学系を構成することができる。
また、図9のグラフに基づいて、照明装置10に対して必要とされる照射角度範囲に応じて、最大の照射強度を得られるプリズム部2aの形状を決定することができる。
従来では、発光面全体から均一な明るさの光を発光し、かつ各発光点で広い発光角度分布を持つような面発光体から発せられた光を、コンパクトな構成で所定の照射角度範囲に集光することは困難であった。特に、単一の光学部材のみでこのような集光機能を得ることは極めて困難であった。
本実施例では、面発光体1から発せられた直後の光を取り込む光学部材2の射出面2Bに、一定のパターンを形成するような規則(ルール)に従って屈折面2b,2c(又はプリズム部2a)を連続して形成することにより、光に指向性を持たせる。これにより、効率の良い集光を可能にしている。このように、全体がコンパクトでありながら、所定の規則に従って一体の形状パターンを構成するように屈折面を形成したことで、効率の良い集光機能を実現した点が、本実施例の最大の特徴である。
つまり、本実施例では、隣接するプリズム部の屈折面同士が接する側に光束を偏向する光学部材を1つだけ、面発光体に近接して配置するという簡単な構成により、レンズを用いる場合とは全く異なる集光原理に基づいて、必要照射角度範囲に効率良く集光する。
なお、本実施例では、面発光体1と光学部材2の外形を同一の長方形に形成した場合について説明したが、本発明の照明装置では必ずしも長方形に限定されず、どのような形状であってもよい。
また、本実施例では、プリズム部2aを構成する面2b,2cを平面で構成した場合について説明したが、これを曲面としても構成してもよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。この場合、各面が照射光軸AXL(照射光軸方向)に対してなす傾斜角度は、例えば該曲面に近似される平面若しくは該曲面の中心(重心)位置での接線の傾斜角度として扱えばよい。
図10には、本発明の実施例2である照明装置を搭載したコンパクトデジタルカメラを示している。図10において、実施例1の図1で示したカメラと共通する部分については、実施例1と同符号を付す。20は本実施例の照明装置であり、カメラ本体11の前部に内蔵されている。
図11には、照明装置20を正面から見た図を示している。また、図12には、該照明装置20を分解して示している。また、図13は、照明装置20を左右方向の中央近傍にて切断したときの側面断面図であり、図14では、図13の断面図に、面発光体上の代表点から発せられた光線のトレース図を付記している。また、図15は、照明装置20を上下方向の中央近傍にて切断したときの上面断面図であり、図16では、図15の断面図に、該代表点から発せられた光線のトレース図を付記している。
図11〜16において、21,22は無機EL素子や有機EL素子等からなる面発光体であり、それぞれ横長の長方形の平板形状を有する。各面発光体の各発光点からは、広い発光角度範囲に均一に光が発せられる。
面発光体21,22は、不図示の電気制御回路によって、静止画撮影に適した閃光や動画撮影に適した定常光を発することが可能である。本実施例では、2つの面発光体21,22を重ね合わせるように配置している。また、面発光体21,22はそれぞれ、実施例1の面発光体とは異なり、前側の発光面21a,22aが透過性の透明電極で構成されるとともに、反対側の面21b,22bも透過面として構成されている。このため、後側に配置された面発光体22から発せられた光もその前側に配置された面発光体21を介して前方に射出される。
このように2つの面発光体21,22を重ね合わせて配置することにより、大きな光量の光を射出しつつも、1つの面発光体を用いる場合と同様に狭い面積の開口から光を射出させることができる。また、1つの面発光体を用いる場合に比べて、同等の光量を維持したまま、開口面積をより小さくすることも可能になる。
なお、本実施例では、面発光体を2つ重ね合わせる場合について説明するが、本発明の面発光体として、3つ以上の面発光体を重ね合わせて用いてもよい。
23は面発光体21,22の発光面側とは反対側に配置された反射板であり、面発光体21,22から後方に発せられた光を前方に反射させるための部材である。
24は面発光体21,22から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材24は、前側の面発光体21の発光面に近接して配置されている。
この光学部材24は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材24の入射面24Aおよび射出面24Bは、正面視において、面発光体21,22の発光面および反射板23の反射面と同一の長方形状を有する。このように面発光体21,22、反射板23および光学部材24を同一形状とすることによって、照明装置20を最もコンパクトな構成とし、かつ最も効率良く面発光体21,22からの光を光学部材24に入射させることができる。
光学部材24の入射面24Aは、面発光体21,22から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
一方、射出面24Bは、その全体に同一形状の複数のプリズム部(屈折部)24aが斜めの格子状パターンを構成するように上下および左右方向に連続して(互いに隣接して)並んだ形状を有する。すなわち、面発光体21,22の各発光点に対して、同一形状のプリズム部24aを対応させている。
なお、射出面24Bの最も周辺部のプリズム部24aは、他のプリズム部24aを半分にカットした形状を有するが、光学作用的には同一とみなせるので、ここでは、すべてのプリズム部24aが同一形状であるものとして説明する。
図11中に二点鎖線で囲んで示す各プリズム部24aは、正面視において横長の菱形形状を有し、立体的に見ると、底面が横長の菱形であり、光照射側に向かって凸となる四角錐(菱形錐)形状を有する。そして、該四角錐を構成する4つの三角形の面(屈折面)24bは、発光体21からの光を屈折作用によって上下方向および左右方向に偏向し、これらの方向での集光を行うために用いられる。
各プリズム部24aにおいて、4つの面24bは上下および左右方向において相互に隣接している。さらに、面24bは、本実施例では平面として形成されている。
各プリズム部24aを四角錐形状とすることで、図13および図15に示すように、上下方向での面24bの照射光軸AXL(照射光軸方向)に対する傾斜角度αと、左右方向での面24bの照射光軸AXLに対する傾斜角度βとを異ならせることができる。これにより、上下方向と左右方向の集光度合いを異ならせ、所望の配光特性を得ることができる。本実施例のように、左右方向での傾斜角度βより上下方向での傾斜角度αを小さくすることによって、左右方向の照射角度範囲を上下方向のそれに比べて広くすることができる。
前述したように、すべてのプリズム部24aは同一形状である。すなわち、プリズム部24aの大きさおよび面24bの傾斜角度は、射出面24B上のいずれの位置でも同じである。このため、複数のプリズム部24aは、面発光体21,22上のいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、同等の光学作用(屈折による集光方向)を及ぼす。しかも、図11に示すように、すべてのプリズム部24a(面24b)が、射出面24Bの中心を通る垂直面および水平面(図には、線A,Bとして示す)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体21,22から発せられた光の全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
次に、図13〜図16を用いて、光学部材24の形状および光学作用についてさらに詳しく説明する。
図13の側面断面図には、プリズム部24aの上下の面24bがなす頂角2・αが90°である場合を示している。ここで、90°という頂角は、比較的小さな角度であり、面発光体21,22の各発光点からの光を上下方向において比較的狭い角度範囲に照射するのに有効な角度である。
このような頂角設定において、図14の光線トレース図に示すように、光学部材24の入射面24Aに比較的小さな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方に配置された2つの面24bの屈折作用によって所定の角度範囲内の成分に変換(集光)される。
一方、入射面24Aに比較的大きな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方位置から上下に離れたプリズム部24aの面24bから射出する。この場合、該光束は面24bに対してほぼ垂直に入射し、屈折による角度変化を受けずに射出される。
これらのことから、前側の面発光体21に近接した位置に配置された光学部材24によって、面発光体21,22からの光束を狭い角度範囲に効率良く集光するためには、以下のようにすることが有効であることが分かる。すなわち、射出面24Bに微小なプリズム部24aを形成し、かつプリズム部24aを構成する面24bの照射光軸AXLに対する傾斜角度α(言い換えれば、プリズム部24aの頂角2・α)を小さく設定することである。
頂角2・αとしては、光学部材24の材料の屈折率にもよるが、屈折率1.5前後の樹脂材料である場合には、80°≦2・α≦100°で最も狭い角度範囲に集光させることができる。また、照射角度範囲の中心領域(照射光軸AXLを含む狭い領域)の光強度も強くすることができる。頂角2・αを80°より小さくすると、照射角度範囲をより狭めることができるが、面24bで屈折して射出する成分よりも、全反射して射出しない成分が増加するので、光学系として好ましくない。
図15の上面断面図には、プリズム部24aの左右の面24bがなす頂角2・βが120°である場合を示している。ここで、120°という頂角は、比較的大きな角度であり、面発光体21,22の各発光点からの光を左右方向において比較的広い角度範囲に照射するのに有効な角度である。
このような頂角設定において、図16の光線トレース図に示すように、光学部材24の入射面24Aに比較的小さな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方に配置された2つの面24bの屈折作用によって所定の角度範囲内の成分に変換(集光)される。このとき、図14に示した上下方向に比べて、頂角2・βが広いため、該光束は大きな屈折作用を受けず、比較的広い角度範囲に射出される。
一方、入射面24Aに比較的大きな入射角で入射した光束は、その入射位置の前方位置から上下に離れたプリズム部24aの面24bから、ほとんど屈折による角度変化を受けずに射出される。但し、このように入射位置の前方位置から離れた面24bから射出する光束は、図14の場合に比べて少なく、実質的な照射角度範囲は必要以上に広がらない。
これらのことから、面発光体21に近接した位置に配置された光学部材24によって、面発光体21,22からの光束を比較的広い角度範囲に効率良く集光するためには、以下のようにすることが有効であることが分かる。すなわち、射出面24Bに微小なプリズム部24aを形成し、かつプリズム部24aを構成する面24bの照射光軸AXLに対する傾斜角度β(言い換えれば、プリズム部24aの頂角2・β)を大きく設定することである。
頂角2・βとしては、光学部材24の材料の屈折率にもよるが、屈折率1.5前後の樹脂材料である場合には、110°≦2・β≦150°で比較的広い角度範囲に集光させることができる。また、照射角度範囲の中心領域の光強度を全体的に均一に強くすることができる。頂角2・βを150°より大きくしても、照射角度範囲の広がりはわずかであり、中心領域の強度も上がらないので、好ましくない。
なお、図14から図16には、各プリズム部24aを構成する面24bの照射光軸AXLに対する最小傾斜角度と最大傾斜角度を示している。実際の該面24bの傾斜角度は、これら最小傾斜角度と最大傾斜角度の間で徐々に変化する。そして、各方向への照射角度も該傾斜角度の変化に伴って連続的に変化する。
本実施例によれば、2つの面発光体21,22を重ねて使用し、面発光体21に近接配置した光学部材24を用いて集光制御することにより、狭い面積の開口から大きな光量の光を必要照射角度範囲に効率良く集光し、所望の配光特性を得ることができる。配光特性は、実施例1と同様である。
なお、本実施例では、光学部材24に光照射側に凸の菱形錐形状を有するプリズム部24aを形成した場合について説明したが、プリズム部の形状はこれに限らない。実施例1と同様の凹四角錐のプリズム部を形成してもよい。また、本実施例では、プリズム部24aを横長の菱形錐形状に形成した場合について説明したが、カメラの撮影に要求される上下および左右方向の照射角度範囲に応じて、縦長の菱形錐形状や上下左右で対称となる四角錐形状としてもよい。
また、上記実施例1,2では、プリズム部を四角錐形状とした場合について説明したが、六角錐や三角錐等の他の形状に形成してもよい。また、多少の隙間が生じるが、円錐形状等、多角形断面を有さない錐形状としてもよい。
また、実施例1,2において説明した各プリズム部を構成する面の角度設定は例にすぎず、カメラの撮像に要求される照射角度範囲に応じて変更可能である。
次に、実施例1,2で説明した各プリズム部の大きさに関して説明する。基本的には、各プリズム部の大きさによって光学部材の定性的な特性はほとんど変化しない。しかし、照明装置を小型化する上では、各プリズム部をできるだけ小さくした方が、光学部材を薄型化できるため都合がよい。一方、各プリズム部を小さくしすぎると、光学部材の製作が困難となり、高価なものになってしまう。また、精度面でも所望の形状のプリズム部を作りにくくなり、好ましくない。これらの観点から、各プリズム部の大きさは、0.1〜2.0mmの大きさであることが望ましい。
図17および図18には、本発明の実施例3である照明装置を示している。なお、本実施例の照明装置が搭載されるカメラの構成は、実施例1と同様である。図17には照明装置30の正面図を、図18には照明装置30の斜視図を示している。
これらの図において、31は無機EL素子や有機EL素子等からなる面発光体であり、正面視において横長の長方形状を有する。面発光体31の各発光点からは、広い発光角度範囲に均一に光が発せられる。
面発光体31は、不図示の電気制御回路によって、静止画撮影に適した閃光や動画撮影に適した定常光を発することが可能である。本実施例の面発光体31は、実施例1にて説明した面発光体と光学部材とを一体化したものである。これにより、実施例1に比べて、より薄く、光学的に効率の良い照明装置を実現できる。
面発光体31は、図18に二点鎖線で示す発光部31aにEL素子を配置し、その前後に以下に説明する光学特性を持たせたものである。
すなわち、本実施例では、面発光体31における光射出側に、集光作用を有する光学部材としての光学機能部31cを一体形成している。また、この射出側とは反対側の電極部に反射面31bを一体形成している。このように、面発光体自体に光学作用を持たせることで、最小の体積で、光学的なロスがほとんどない照明装置を実現することができる。光学機能部31cの入射面および射出面と反射面31bは、正面視において発光部31aと同一形状を有する。
光学機能部31cは、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料で形成されている。
また、光学機能部31cの射出面は、その全体に光照射側に凹となる正三角錐形状の複数のプリズム部(屈折部)31dが正三角形の網目状パターンを構成するように上下および左右方向に連続して(互いに隣接して)並んだ形状を有する。すなわち、面発光体31の各発光点に対して、同一形状のプリズム部31dを対応させている。
図17に二点鎖線で囲んで示した各プリズム部31dの正三角錐を構成する3つの三角形の面31eは、相互に隣接し、発光体1からの光を屈折作用によって偏向して上下方向および左右方向を含む全方向での集光を行うために用いられる。なお、面31eは、平面として形成されている。
前述したように、すべてのプリズム部31dは同一形状である。すなわち、プリズム部31dの大きさおよび面31eの傾斜角度は、射出面上のいずれの位置でも同じである。このため、複数のプリズム部31dは、いずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、同等の光学作用(屈折による集光方向)を及ぼす。しかも、図17に示すように、すべてのプリズム部31d(面31e)が、射出面の中心を通る垂直面および水平面(図には、線A,Bとして示す)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体1から発せられた光の全体に対して容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
なお、プリズム部31dを正三角錐形状に形成することにより、実施例1,2とは異なり、特定の方向に偏った配光特性を示さない。このため、全方向において同等な配光分布を得ることができる。
一方、本実施例では、光学機能部31cの射出面の表面には、小さな複数の正三角形で構成される稜線(三角錐の底辺)が露出するのみであり、該射出面をそのままカメラの外表面とすることができる。つまり、該射出面に使用者の指等が触れたとしても、三角錐の頂点に触れた場合のような痛みを感じる可能性はきわめて低い。したがって、光学機能部31cの射出面を他の透明部材で覆う必要がなく、光学系の効率を高めることができる。しかも、面31eの傾斜角度がどのようであっても露出する稜線の形状は変わらず、この結果、面31eの傾斜角度を任意に設定することができる。すなわち、光学設計的にも自由度の高い形状である。
光学機能部31cによる配光特性は、プリズム部31dを構成する面31eの照射光軸AXL(照射光軸方向)に対する傾斜角度に依存する。具体的には、傾斜角度が大きい場合よりも小さい場合の方が、光束の指向性を高めることができる。このため、必要とされる配光特性に応じて、正三角錐の傾斜面の角度を設定することが望ましい。
また、配光特性は、プリズム部31dのピッチには基本的に依存しない。このため、各プリズム部31dのピッチを小さくして微細化した方が、光学機能部31cの厚みを抑えることができる。
但し、プリズム部31dを微細化しすぎると、型製作が複雑となり、またプリズム部31dの形状を正確に出すためには加工精度も上げなくてはならないため、高価なものになってしまう。
これらの観点から、このプリズム部31dのピッチとしては、0.1〜2.0mmの間にあることが望ましい。
次に、光学機能部31cとは反対側に設けられた電極部について説明する。該電極部には、実施例1と同様に反射面31bが形成され、発光部31aから後方に発せられた光を光学機能部31cの方向に反射する。これにより、発光部31aから後方に発せられた光を、必要最小限の厚みと大きさの中で本来の照射方向に射出させることができる。
このように、本実施例では、光学機能部31cの射出面の全体に凹正三角錐形状のプリズム部31dを多数形成することにより、全方向において均一な配光分布が得られる指向性の高い照明装置を実現することができる。
なお、本実施例では、正三角錐形状のプリズム部を形成した場合について説明したが、プリズム部の形状は、正三角錐形状に限らない。正四角錐、正六角錐、円錐等のいずれでもよい。また、本実施例では、プリズム部を凹形状に形成した場合について説明したが、プリズム部の形状はこれに限定されない。実施例2のように全てのプリズム部を光照射側に凸となる形成としてもよいし、凹形状のプリズム部と凸形状のプリズム部とを組み合わせてもよい。
図19には、本発明の実施例4である照明装置を備えたデジタルカメラを示している。図19において、実施例1の図1で示したカメラと共通する部分については、実施例1と同符号を付す。40は本実施例の照明装置であり、カメラ本体11の前部に内蔵されている。
図20は照明装置40の正面図、図21は照明装置40の分解斜視図である。これらの図において、41は無機ELや有機EL等からなる面発光体であり、横長の楕円形状を有する。該面発光体41の各発光点からは、広い角度範囲に均一に光が発せられる。
面発光体41は、不図示の電気制御回路によって、静止画撮影に適した閃光や動画撮影に適した定常光を発することが可能である。面発光体41における発光面(前面)とは反対側の面(後面)には、電極が形成されており、該面自体が反射面となっている。このため、本来の発光方向と逆方向である後方に向かった光は、発光面側である前方に反射される。
42は面発光体41から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材42は、面発光体41の発光面に近接して配置されている。
この光学部材42は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材42の入射面42Aおよび射出面42Bは、正面視において、面発光体41の発光面と同一形状の楕円形である。このように面発光体41と光学部材42を同一形状とすることによって、照明装置40を最もコンパクトな構成とし、かつ最も効率良く面発光体41からの光を光学部材42に入射させることができる。
光学部材42の入射面42Aは、面発光体41から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
一方、射出面42Bは、その全体に、稜線が楕円リング形状を有する複数のプリズム部(屈折部)42aが同心相似楕円パターンを構成するように上下および左右方向に連続して(互いに隣接して)並んだ形状を有する。すなわち、面発光体41の各発光点に対して相似形状のプリズム部42aを対応させている。
各プリズム部42aは内外周面(屈折面)42bを有する。該プリズム部42aのうち上下の領域の内外周面(第1の屈折面)42bは、主として上下方向の集光を行うために用いられ、左右の領域の内外周面(第2の屈折面)42bは、主として左右方向の集光を行うために用いられる。
プリズム部42aは、光学部材42の中心を通る垂直面および水平面(図には、線A,Bで示す)で切断した断面が、実施例1に図4から図7に示した形状と同様になるように形成されている。すなわち、各プリズム部42aの内外周面42bの照射光軸AXL(照射光軸方向)に対する上下方向での傾斜角度と左右方向での傾斜角度とを異ならせている。これにより、上下方向と左右方向の集光度合いを異ならせ、所望の配光特性を得ることができる。左右方向での傾斜角度より上下方向での傾斜角度を小さくすることによって、左右方向の照射角度範囲を上下方向のそれに比べて広くすることができる。
但し、内外周面42bの傾斜角度は、カメラの撮像に要求される光照射角度範囲に応じて任意に設定することができる。
なお、各プリズム部42aは、上記垂直面および水平面(A,B)で切断した位置以外の位置では上下方向と左右方向の双方での集光のために用いられる。
このように、複数のプリズム部42aは、面発光体41上でのいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、上下方向および左右方向での集光に寄与する。また、図20に示すように、すべてのプリズム部42a(面42b)が、射出面42Bの中心を通る垂直面および水平面(A,B)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体41から発せられた光の全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
本実施例では、光学部材42の射出面42Bに楕円リング形状の複数のプリズム部42aを形成することによって所望の配光特性が得られる照明装置について説明した。つまり、実施例1〜3に示したような微細なプリズム部を形成しなくても、上下方向と左右方向とで配光特性の異なる照明装置を容易に実現できる。プリズム部42aの形状が簡易であるため、光学部材42を安価に製作することができる。
なお、本実施例では、内外周面42bの上下方向と左右方向での傾斜角度が異なる楕円リング状の稜線形状を有するプリズム部42aを形成した場合について説明したが、本発明において、プリズム部42aの稜線の形状が楕円に限定されるわけではない。すなわち、各プリズム部42aの稜線形状を円形状とし、上下方向と左右方向で傾斜角度が異なるようにするため、プリズム部の深さ(谷の稜線の深さ)を上下方向と左右方向で異なるようにしてもよい。
また、上下方向と左右方向の配光特性を同等とするため、プリズム部を同心円形状とし、該プリズム部の構成面の傾斜角度も上下方向と左右方向とで同じにしてもよい。この場合には、製作がきわめて容易であり、より安価な照明装置を実現できる。
さらに、本実施例では、光学部材42上に、同心相似形状の一組の楕円形状プリズム部42aを形成した場合について説明したが、同様の楕円形状プリズム部の組を複数、横に並ぶように形成してもよい。
なお、本実施例の照明装置において、プリズム部42aの大きさ(径方向の幅)によって定性的な特性は変化しないが、照明装置を小型化する上では、各プリズム部42aをできるだけ小さくした方が光学部材42を薄型化できるため都合がよい。一方、プリズム部42aを小さくしすぎると、製作が困難となり、高価なものになってしまう。また、形状の精度面でも所望の形状のプリズム部42aが作りにくくなり、好ましくない。これらの観点から、各プリズム部42aの大きさは、0.1〜2.0mmの間であることが望ましい。
図22および図23には、本発明の実施例5である照明装置を示している。なお、本実施例の照明装置が搭載されるカメラの構成は、実施例1と同様である。図22には照明装置50の正面図を、図23には照明装置50の分解斜視図を示している。
これらの図において、51は無機ELや有機EL等からなる面発光体であり、横長の長方形状を有する。該面発光体51の各発光点からは、広い角度範囲に均一に光が発せられる。
面発光体51は、不図示の電気制御回路によって、静止画撮影に適した閃光や動画撮影に適した定常光を発することが可能である。面発光体51における発光面(前面)とは反対側の面(後面)には、電極が形成されており、該面自体が反射面となっている。このため、本来の発光方向と逆方向である後方に向かった光は、発光面側である前方に反射される。
52は面発光体51から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材52は、面発光体51の発光面に近接して配置されている。
この光学部材52は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材52の入射面52Aおよび射出面52Bは、正面視において、面発光体51の発光面と同一形状を有する。
また、光学部材52の入射面52Aは、面発光体51から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
一方、射出面52Bは、その全体に、稜線が矩形形状を有する複数のプリズム部(屈折部)52aが同心相似矩形パターンを構成するように上下および左右方向に連続して(互いに隣接して)並んだ形状を有する。すなわち、面発光体51の各発光点に対して相似形状のプリズム部52aを対応させている。
各プリズム部52aは、左右方向に延びる2つの面(第1の屈折面)52bと、上下方向に延びる2つの面(第2の屈折面)52cとを有する。面52bは上下方向の集光を行うために用いられ、面52cは左右方向の集光を行うために用いられる。
光学部材52の中心を通る垂直面および水平面(図には、線A,Bで示す)で切断した断面は、実施例1に図4から図7に示した形状と同様である。すなわち、左右方向に延びる2つの面52bの照射光軸AXL(照射光軸方向)に対する上下方向での傾斜角度と、上下方向に延びる2つの面52cの傾斜角度とを異ならせている。これにより、上下方向と左右方向の集光度合いを異ならせ、所望の配光特性を得ることができる。左右方向での傾斜角度より上下方向での傾斜角度を小さくすることによって、左右方向の照射角度範囲を上下方向のそれに比べて広くすることができる。
但し、各面52b,52cの傾斜角度は、カメラの撮像に要求される光照射角度範囲に応じて任意に設定することができる。
このように、複数のプリズム部52aは、面発光体51上でのいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、上下方向および左右方向での集光に寄与する。また、図22に示すように、すべてのプリズム部52a(面52b,52c)が、射出面52Bの中心を通る垂直面および水平面(A,B)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体51から発せられた光の全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
本実施例では、光学部材52の射出面52Bに矩形形状の複数のプリズム部52aを形成することによって所望の配光特性が得られる照明装置について説明した。つまり、実施例1〜3に示したような微細なプリズム部を形成しなくても、上下方向と左右方向とで配光特性の異なる照明装置を容易に実現できる。プリズム部52aの形状が簡易であるため、光学部材52を安価に製作することができる
なお、本実施例では、面52bの上下方向での傾斜角度と面52cの左右方向での傾斜角度とが異なる矩形稜線形状を有するプリズム部52aを形成した場合について説明した。しかし、本発明において、プリズム部52aの稜線の形状が矩形に限定されるわけではない。すなわち、各プリズム部52aの稜線形状を正方形とし、上下方向と左右方向で傾斜角度が異なるようにするため、プリズム部の深さ(谷の稜線の深さ)を上下方向と左右方向で異なるようにしてもよい。
なお、本実施例では、面52bの上下方向での傾斜角度と面52cの左右方向での傾斜角度とが異なる矩形稜線形状を有するプリズム部52aを形成した場合について説明した。しかし、本発明において、プリズム部52aの稜線の形状が矩形に限定されるわけではない。すなわち、各プリズム部52aの稜線形状を正方形とし、上下方向と左右方向で傾斜角度が異なるようにするため、プリズム部の深さ(谷の稜線の深さ)を上下方向と左右方向で異なるようにしてもよい。
また、上下方向と左右方向の配光特性を同等とするため、プリズム部を正方形状とし、該プリズム部の構成面の傾斜角度も上下方向と左右方向とで同じにしてもよい。この場合には、製作がきわめて容易であり、より安価な照明装置を実現できる。
さらに、本実施例では、光学部材52上に、同心相似形状の一組の矩形形状プリズム部52aを形成した場合について説明したが、同様の矩形形状プリズム部の組を複数、横に並ぶように形成してもよい。
なお、本実施例の照明装置において、プリズム部52aの大きさ(上下および左右方向の幅)によって定性的な特性は変化しないが、照明装置を小型化する上では、各プリズム部52aをできるだけ小さくした方が光学部材52を薄型化できるため都合がよい。一方、プリズム部52aを小さくしすぎると、製作が困難となり、高価なものになってしまう。また、形状の精度面でも所望の形状のプリズム部52aが作りにくくなり、好ましくない。これらの観点から、各プリズム部52aの大きさは、0.1〜2.0mmの間であることが望ましい。
図24には、本発明の実施例6である照明装置を正面から見て示している。なお、本実施例では、照明装置を構成する光学部材の正面図のみを示し、面発光体は図示しない。面発光体は実施例1と基本的には同様のものである。但し、本実施例で用いられる面発光体は、実施例1に比べて左右方向により長く延びた長方形状を有する。また、本実施例の照明装置が搭載されるカメラは、実施例1で図1に示したものと同様である。
図において、61は面発光体から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材61は、面発光体の発光面に近接して配置されている。
この光学部材61は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材61の入射面および射出面61Bは、正面視において、面発光体の発光面と同一形状を有する。
また、図示しないが、光学部材61の入射面は、面発光体から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
一方、射出面61Bには、稜線が円形状を有する複数のプリズム部(屈折部)61aが同心相似矩形パターンを構成するように上下および左右方向に互いに連続して(互いに隣接して)並んでいる。さらに、本実施例では、これら複数の同心円形状プリズム部61aからなる組が、射出面61Bの大部分を覆うように三組、左右方向に互いに隣接して並んでいる。これにより、不図示の面発光体の発光点のほぼすべてに対して同一又は相似形状のプリズム部61aを対応させている。
各プリズム部61aのうち上下の領域の内外周面(第1の屈折面)は、主として上下方向の集光を行うために用いられ、左右の領域の内外周面(第2の屈折面)は、主として左右方向の集光を行うために用いられる。
なお、隣接する2つの同心円形状プリズム部61aの間の上下部分にはプリズム部が形成されない領域61bが残るが、この領域61bの射出面61B全体に対する面積比率はわずかであり、この照明装置60の配光特性にはほとんど影響しない。
このように構成することで、横に長い面発光体に適した集光光学系を構成することができる。
光学部材61の中心を通る垂直面および水平面(図には、線A,Bで示す)で切断した断面において、プリズム部61aの構成面の照射光軸(照射光軸方向)に対する上下方向での傾斜角度と左右方向での傾斜角度とは同じである。また、上下方向および左右方向の光の照射角度範囲は同じである。
但し、各プリズム部61aの構成面の傾斜角度は、カメラの撮像に要求される光照射角度範囲に応じて任意に設定することができる。
このように、複数のプリズム部61aは、面発光体上でのほとんどすべての位置の発光点から発せられた光に対して、上下方向および左右方向での集光に寄与する。また、図に示すように、すべてのプリズム部61aが、射出面61Bの中心を通る垂直面および水平面(A,B)に対して対称となるように形成されている。
これにより、不図示の面発光体から発せられた光のほぼ全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
なお、本実施例では、各プリズム部61aの構成面の傾斜角度を上下方向および左右方向で同じとした場合について説明したが、これらの傾斜角度を異なせて、本実施例とは異なる配光特性を得るようにしてもよい。
また、本実施例では、横長の長方形状の面発光体および光学部材を用いる場合について説明したが、面発光体や光学部材の形状はこれに限定されない。例えば、縦長の長方形状やカメラの曲面外形に沿わせた曲面形状としてもよい。さらに、直角に曲がった形状としてもよい。本実施例のように同心円形状プリズム部の組を複数設けることで、様々な形状の面発光体に対応することができる。
図25には、本発明の実施例7である照明装置を備えたデジタルカメラを示している。図25において、実施例1の図1で示したカメラと共通する部分については、実施例1と同符号を付す。70は本実施例の照明装置であり、リング形状に形成されている。この照明装置70は、カメラ本体11における撮影レンズ鏡筒12の周囲に配置(内蔵)されている。
71は不図示のリング形状の面発光体から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材71は、面発光体の発光面に近接して配置されている。
光学部材71は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材71の入射面および射出面は、正面視において、面発光体の発光面と同一形状を有する。
図示しないが、光学部材71の入射面は、面発光体から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
また、光学部材71の射出面には、撮影レンズの光軸位置を中心とする同心相似円形状の複数のプリズム部71aが径方向(上下および左右方向)に互いに連続して(互いに隣接して)形成されている。各プリズム部71aのうち上下の領域の面(第1の屈折面)は、主として上下方向の集光を行うために用いられ、左右の領域の面(第2の屈折面)は、主として左右方向の集光を行うために用いられる。
このように複数のプリズム部71aは、面発光体上のいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、上下方向および左右方向での集光に寄与する。また、図に示すように、すべてのプリズム部71aが、射出面の中心を通る垂直面および水平面(A,B)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体から発せられた光のほぼ全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
図26には、本発明の実施例8である照明装置を備えたデジタルカメラを示している。図26において、実施例1の図1で示したカメラと共通する部分については、実施例1と同符号を付す。80は本実施例の照明装置であり、リング形状に形成されている。この照明装置80は、カメラ本体11における撮影レンズ鏡筒12の周囲に配置(内蔵)されている。
81は不図示のリング形状の面発光体から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材81は、面発光体の発光面に近接して配置されている。
光学部材81は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材81の入射面および射出面は、正面視において、面発光体の発光面と同一形状を有する。
図示しないが、光学部材81の入射面は、面発光体から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
また、光学部材81の射出面には、撮影レンズの光軸位置を中心として放射状に複数のプリズム部81aが形成されている。これら複数のプリズム部81aは、光学部材81の周方向に連続して(互いに隣接して)形成されている。
光学部材81の上下の領域に形成されたプリズム部81aは、主として左右方向の集光を行うために用いられ、左右の領域に形成されたプリズム部81aは、主として上下方向の集光を行うために用いられる。なお、撮影レンズの光軸位置から見て斜め方向に形成されたプリズム部81は、上下方向および左右方向の集光を行うために用いられる。
このように複数のプリズム部81aは、面発光体上のいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、上下方向および左右方向での集光に寄与する。また、図に示すように、すべてのプリズム部81aが、射出面の中心を通る垂直面および水平面(A,B)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体から発せられた光のほぼ全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
図27には、本発明の実施例9である照明装置を備えたデジタルカメラを示している。図27において、実施例1の図1で示したカメラと共通する部分については、実施例1と同符号を付す。90は本実施例の照明装置であり、リング形状に形成されている。この照明装置90は、カメラ本体11における撮影レンズ鏡筒12の周囲に配置(内蔵)されている。
91は不図示のリング形状の面発光体から発せられた光に対する集光作用を有し、光の照射角度範囲を制限するための光学部材である。該光学部材91は、面発光体の発光面に近接して配置されている。
光学部材91は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような成形性と光学特性に優れた無色透明の樹脂材料により形成されている。光学部材91の入射面および射出面は、正面視において、面発光体の発光面と同一形状を有する。
図示しないが、光学部材91の入射面は、面発光体から発せられた光を最もロスが少なく取り込み易い平面で構成されている。
また、光学部材91の射出面には、複数のプリズム部91aが、撮影レンズの光軸位置を中心として放射状に広がる格子状に形成されている。これら複数のプリズム部91aは、光学部材91の周方向および径方向に連続して(互いに隣接して)形成されている。
図には表れていないが、各プリズム部91aは、例えば実施例2のような菱形錘に近い形状に形成され、その複数の屈折面によって上下方向および左右方向の集光を行うために用いられる。各屈折部の上下方向および左右方向での集光度合いは同じである。このように複数のプリズム部91aは、面発光体上のいずれの位置の発光点から発せられた光に対しても、上下方向および左右方向での集光に寄与する。また、図に示すように、すべてのプリズム部91aが、射出面の中心を通る垂直面および水平面(A,B)に対して対称となるように形成されている。
これにより、面発光体から発せられた光のほぼ全体に対して、左右方向と上下方向のそれぞれで容易に良好な集光制御を行うことができ、この結果、必要照射範囲に効率良く光を照射し、かつ所望の(例えば、均一な)配光特性を得ることができる。
以上説明したように、上記各実施例によれば、面発光体を光源とする照明装置において、該光源から射出された光束を効率良く、必要とされる照射角度範囲に集光照射することができる。
また、面発光体の形状や大きさによらず、所望の配光特性を満たす照明装置を構成することができる。
さらに、照射角度範囲にかかわらず極めて小型および薄型の照明装置を構成することができ、これを搭載する撮像装置の小型化に有効に寄与することができる。
なお、上記各実施例は、以下の事項も開示する。
(1)光学部材の射出面に形成された複数の屈折部は、該射出面上に隙間なく配列されている。
(2)各屈折部は、凸部として構成されている。
(3)各屈折部は、凹部として構成されている。
(4)各屈折部は、照射光軸に対する傾斜角度が等しい複数の屈折面で構成されている。
(5)各屈折部は、内周側の屈折面と外周側の屈折面とが接する稜線が周方向にて閉じた形状を有する。
(6)(5)において、各屈折部が、円形、楕円形又は多角形状の稜線を有する形状に形成されている。
(7)(5)において、照射光軸に対する内周側の屈折面と外周側の屈折面の傾斜角度が等しい。
(8)(5)において、複数の屈折部は、面発光体の少なくとも一点に対応する位置を中心として、該中心の周りを囲む同心相似形状に形成されている。
なお、(4),(7)において、「等しい」とは、完全に同じ場合だけでなく、光学特性上、同じとみなせる範囲で異なる場合も含む意味である。
1,21,22,31,41,51 面発光体
2,24,42,52,61,71,81,91 光学部材
2a,24a,42a,52a,61a,71a,81a,91a プリズム部
11 カメラ本体
12 撮影レンズ鏡筒
10,20,30,40,50,60,70,80,90 照明装置
23 反射部材
2,24,42,52,61,71,81,91 光学部材
2a,24a,42a,52a,61a,71a,81a,91a プリズム部
11 カメラ本体
12 撮影レンズ鏡筒
10,20,30,40,50,60,70,80,90 照明装置
23 反射部材
Claims (16)
- 面発光体と、
該面発光体からの光に対する集光作用を有する光学部材とを有し、
それぞれ複数の屈折面によって構成される複数の屈折部であって、第1の方向および該第1の方向に直交する第2の方向での集光を行うための複数の屈折部が、前記光学部材の射出面上に連続して形成されていることを特徴とする照明装置。 - 前記複数の屈折部は、前記射出面の全体にわたって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記複数の屈折部は、前記射出面の中心を通る面に対して対称となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
- 前記複数の屈折部は、前記第1および第2の方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記複数の屈折部は、同一形状又は相似形状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記各屈折部は、前記第1の方向での集光を行うための第1の屈折面と、前記第2の方向における集光を行うための第2の屈折面とにより構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の照明装置。
- 該照明装置の照射光軸方向に対する前記各屈折部を構成する屈折面の傾きが、前記第1の方向と前記第2の方向とで異なることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記各屈折部が角錐形状に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記各屈折部がリング形状に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記面発光体および前記光学部材が、リング形状に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記光学部材の入射面が平面形状を有し、
該光学部材は、前記面発光体に対して近接した位置に配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の照明装置。 - 前記光学部材の入射面および射出面は、前記面発光体の発光面と同一形状を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記光学部材を前記面発光体に一体に形成したことを特徴とする請求項1から12のいずれか1つに記載の照明装置。
- 前記面発光体は、有機又は無機エレクトロルミネセンス素子であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の照明装置。
- 請求項1から14のいずれか1つに記載の照明装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
- 請求項10に記載の照明装置を、撮影レンズの周囲に備えたことを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005345505A JP2007148231A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | 照明装置および撮像装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005345505A patent/JP2007148231A/ja active Pending
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