JP2007148126A - 横断溝を有する個片部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに近接した横断溝を有する光デバイスをウエハから歩留まりよく製造する方法、及び歩留まりよく製造される光デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の、互いに近接して横断方向(6b)に延びる横断溝(8)を有する光デバイス(1)を製造する方法は、ウエハ(6)に光デバイス(1)の要素(4)を配列し、光デバイス(1)に形成される横断溝(8)が終端すべきウエハ(6)の上面(10)の箇所に、横断溝(8)よりも深いハーフカット溝(26)を形成し、互いに近接して横断方向(6b)に延びる横断溝(8)を、ハーフカット溝(26)を横切るように形成し、近接した横断溝(8)の間に直立部分(24)を形成し、ハーフカット溝(26)の横断方向(6b)の長さよりも短い幅のブレードを用いて、ハーフカット溝(26)を、横断溝(8)と交差する方向(6a)に横切ってウエハ(6)を切断する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の、互いに近接して横断方向(6b)に延びる横断溝(8)を有する光デバイス(1)を製造する方法は、ウエハ(6)に光デバイス(1)の要素(4)を配列し、光デバイス(1)に形成される横断溝(8)が終端すべきウエハ(6)の上面(10)の箇所に、横断溝(8)よりも深いハーフカット溝(26)を形成し、互いに近接して横断方向(6b)に延びる横断溝(8)を、ハーフカット溝(26)を横切るように形成し、近接した横断溝(8)の間に直立部分(24)を形成し、ハーフカット溝(26)の横断方向(6b)の長さよりも短い幅のブレードを用いて、ハーフカット溝(26)を、横断溝(8)と交差する方向(6a)に横切ってウエハ(6)を切断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウエハから製造される個片部品及びその製造方法に関し、更に詳細には、ウエハから製造され且つ横断溝を有する個片部品及びその製造方法に関する。
従来の光導波路部品等の光デバイスは、一般的には、基板の上に光導波路層を積層させることによって、光導波路等の光デバイス要素を多数配列したウエハを、ダイシング法等により切断して個々の光デバイスに切り出されて製造される(例えば、特許文献1)。ウエハの切断には、典型的には、円盤状のブレードが使用される。
以下、光デバイスが光フィルタを設置するための溝を有する場合を例に挙げて、光デバイスを製造するための従来方法を説明する。図7は、光デバイスの斜視図である。図8〜図10は、光デバイスの製造工程を示すウエハの部分的な平面図である。
図7に示すように、光デバイス50は、シリコン基板52と、その上にポリマを積層させることにより形成した光導波路層54と、を有するウエハ56(図8参照)から切り出されて製造されたものである。光導波路層54は、横断方向56bに延びる2本の横断溝58が形成された上面60と、横断溝58が終端する側面62と、光ファイバー(図示せず)が接合される2つの端面64a、64bとを有している。また、光導波路層54は、コア54a及びクラッド54bを有し、コア54a及びクラッド54bによって、光デバイス要素である光導波路が形成されている。コア54aは、一方の端面64aに設けられたポート54cと、他方の端面64bに設けられたポート54dとを有し、ポート54cとポート54dとの間を光が伝搬方向56aに伝搬するように構成されている。
シリコン基板52は、光導波路層54の伝搬方向両側に延長された延長部52aを有し、延長部52aは、光ファイバー(図示せず)をポート54c、54dと整列するように位置決めするためのV字形断面のV溝66aと、V溝66aと光導波路層54との間に設けられ且つ横断方向56bに延びる光ファイバー結合用溝66bとが設けられている。また、シリコン基板52は、光導波路層54の側面62と面一の側面68を有している。光導波路層54の側面62及び光導波路層54の68は、光デバイス1をウエハ56(図8参照)からダイシングブレードによって切断方向56aに切断したときに形成された切断面である。
2本の横断溝58は、光フィルタ(図示せず)を設置するための光フィルタ設置用溝である。2本の横断溝58は、互いに近接しており、2本の横断溝58の間に直立部分70が形成されている。
シリコン基板52は、光導波路層54の伝搬方向両側に延長された延長部52aを有し、延長部52aは、光ファイバー(図示せず)をポート54c、54dと整列するように位置決めするためのV字形断面のV溝66aと、V溝66aと光導波路層54との間に設けられ且つ横断方向56bに延びる光ファイバー結合用溝66bとが設けられている。また、シリコン基板52は、光導波路層54の側面62と面一の側面68を有している。光導波路層54の側面62及び光導波路層54の68は、光デバイス1をウエハ56(図8参照)からダイシングブレードによって切断方向56aに切断したときに形成された切断面である。
2本の横断溝58は、光フィルタ(図示せず)を設置するための光フィルタ設置用溝である。2本の横断溝58は、互いに近接しており、2本の横断溝58の間に直立部分70が形成されている。
次に、上述した光デバイス50を製造する方法を説明する。最初、図8に示すように、シリコン基板52に、複数の光デバイス50のためのV溝66a及び光ファイバー結合用溝66bを形成する。次いで、シリコン基板52の全面にクラッド54b及びコア54aを積層させたあと、必要な部分だけを残してコア54aを除去し、その上に更にクラッド54bを更に積層させる。次いで、光導波路層54を残すように、クラッド54bを除去する。シリコン基板52と光導波路層54は、ウエハ56を構成する。図8では、光導波路層54を形成する部分が、横断方向56bに整列している状態を示しており、横断方向56bと垂直な伝搬方向56aに整列している光導波路層54を省略している。
次いで、図9に示すように、ウエハ56を横断方向56bに横切る2本の横断溝58を形成する。典型的には、円盤状のダイシングブレードを用いて横断溝58を形成する。
最後に、図10に示すように、別の円盤状のダイシングブレードを用いて、横断方向56b及び伝搬方向56aにウエハ56を切断することによって、個々の光デバイス50を製造する。
次いで、図9に示すように、ウエハ56を横断方向56bに横切る2本の横断溝58を形成する。典型的には、円盤状のダイシングブレードを用いて横断溝58を形成する。
最後に、図10に示すように、別の円盤状のダイシングブレードを用いて、横断方向56b及び伝搬方向56aにウエハ56を切断することによって、個々の光デバイス50を製造する。
ダイシングブレードを用いて横断溝58を形成するとき、2本の横断溝58が近接しているため、2本の横断溝58の間の直立部分70が割れてしまうことがある。また、ウエハ56を横断方向56bに横切る横断溝58を形成するので、いったん直立部分70の割れが生じると、その割れが横断方向56bに拡がって、横断方向56bに隣接した複数の光デバイス50にまたがることがある。直立部分70に割れが生じた光デバイス50は、不良品になる。
また、横断方向56bに隣接した光デバイス50を個々の光デバイス50にするために、ウエハ56を伝搬方向56aに切断するとき、ダイシングブレードが光デバイス50間の直立部分70を押し倒して、光デバイス50の直立部分70も同時に押し倒してしまうことがある。直立部分70が押し倒された光デバイス50は、不良品になる。
その結果、1つのウエハ56から製造される光デバイス50の数が減り、ウエハ56における歩留まりを低下させていた。
また、横断方向56bに隣接した光デバイス50を個々の光デバイス50にするために、ウエハ56を伝搬方向56aに切断するとき、ダイシングブレードが光デバイス50間の直立部分70を押し倒して、光デバイス50の直立部分70も同時に押し倒してしまうことがある。直立部分70が押し倒された光デバイス50は、不良品になる。
その結果、1つのウエハ56から製造される光デバイス50の数が減り、ウエハ56における歩留まりを低下させていた。
そこで、本発明は、互いに近接した横断溝を有する個片部品をウエハから歩留まりよく製造する方法、及び、歩留まりよく製造され且つ互いに近接した横断溝を有する個片部品を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、互いに近接して横断方向に延びる横断溝を有する個片部品を製造する方法であって、ウエハに複数の個片部品の要素を配列する配列工程と、個片部品に形成される横断溝が終端すべきウエハの上面の箇所に、前記横断溝よりも深い凹部を形成する凹部形成工程と、互いに近接して横断方向に延びる横断溝を、凹部を横切るように形成して、近接した横断溝の間に直立部分を形成する横断溝形成工程と、凹部の横断方向の長さよりも短い幅のブレードを用いて、凹部を、横断溝と交差する方向に横切ってウエハを切断する切断工程と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明による方法では、横断溝形成工程の前に設けられた凹部形成工程により、横断方向に隣接した個片部品間に凹部が形成される。従って、横断溝形成工程の際、従来技術の製造方法と異なり、横断方向に隣接した個片部品間に直立部分が形成されない。かくして、切断工程の際、従来技術の製造方法においてブレードが押し倒していた個片部品間の直立部分が存在しない。また、切断工程の時に使用されるブレードの幅が凹部の横断方向の長さよりも短いので、切断工程の際、ブレードが個片部品の直立部分に接触しない。その結果、直立部分が押し倒された不良品が減少し、ウエハにおける歩留まりを向上させることができる。
本発明の方法の実施形態において、好ましくは、横断溝形成工程は、ブレードによって行われる。
このように構成された本発明による方法では、横断溝形成工程の前に設けられた凹部形成工程により、横断方向に隣接した個片部品間に凹部が形成される。従って、ブレードによって行われる横断溝形成工程の際、ブレードは凹部を横切る。かくして、横断溝形成工程の際、従来技術の製造方法において隣接した複数の個片部品にまたがって生じていた割れが、凹部で途切れる。その結果、直立部分に割れが生じた不良品が減少し、ウエハにおける歩留まりを更に向上させることができる。
本発明の方法の実施形態において、好ましくは、凹部は、横断溝と交差する方向に連続して延びる溝であり、更に好ましくは、凹部は、ブレードによって形成される。
また、本発明の方法の実施形態において、好ましくは、個片部品は、光デバイスであり、横断溝は、光フィルタを設置するための溝である。
また、上記目的を達成するために、本発明は、ウエハから切断された個片部品であって、互いに近接して横断方向に延びる横断溝が形成された上面と、横断溝が終端する上部側面と、上部側面の下側に形成され且つ横断溝と横断方向に間隔をおいた平面内に位置する下部側面と、を有することを特徴としている。
このように構成された個片部品によれば、個片部品がウエハから切断されていない状態で、上部側面を形成しておき、個片部品をウエハからブレードによって切断するとき、下部側面を形成することが可能である。そのようにすれば、従来技術の製造方法と異なり、互いに近接した横断溝の間に形成される部分、即ち、直立部分が、横断方向に隣接した個片部品間にない状態で、個片部品をウエハから切断することができる。また、個片部品をウエハからブレードによって切断するとき、ブレードは、横断溝が終端する上部側面に接触しない。その結果、直立部分が押し倒された不良品が減少し、ウエハにおける歩留まりを向上させることができる。
本発明による個片部品の実施形態において、好ましくは、横断溝がブレードによって形成される。
このように構成された個片部品では、ブレードによって横断溝が形成される前に、上部側面を形成し、横断方向に隣接した個片部品の隣接した上部側面の間に隙間を設けることが可能である。そのようにすれば、ブレードによって横断溝を形成する際、互いに近接した横断溝の間に形成される部分、即ち、直立部分に割れが生じても、割れが拡がらずに上部側面の間の隙間で途切れる。その結果、直立部分に割れが生じた不良品が減少し、ウエハにおける歩留まりを更に向上させることができる。
本発明による個片部品の実施形態において、好ましくは、個片部品は、光デバイスであり、横断溝は、光フィルタを設置するための溝である。
以上説明した通り、本発明により、互いに近接した横断溝を有する個片部品をウエハから歩留まりよく製造する方法、及び、歩留まりよく製造され且つ互いに近接した横断溝を有する個片部品を提供することができる。
以下、図1〜図6を参照して、本発明による、横断溝を有する個片部品及びその製造方法の実施形態を説明する。本実施形態では、個片部品は、ウエハから切断される光デバイスであり、横断溝は、光フィルタを設置するための溝である。
図1は、本発明による製造方法によって形成された光デバイスの斜視図である。図2は、光デバイスの横断溝の断面図である。図3〜図6は、光デバイスの製造工程を示すウエハの部分的な平面図である。
図1は、本発明による製造方法によって形成された光デバイスの斜視図である。図2は、光デバイスの横断溝の断面図である。図3〜図6は、光デバイスの製造工程を示すウエハの部分的な平面図である。
まず、本発明による個片部品の実施形態である光デバイスを説明する。図1に示すように、光デバイス1は、基板2とその上に積層された光導波路層4を有するウエハ6(図3参照)から切り出して製造されたものである。
光導波路層4は、基板2の一部に形成され、概ね矩形形状をなし、横断方向6bに延びる2本の横断溝8が形成された上面10と、横断溝8が終端する側面12と、光ファイバー(図示せず)が接合される2つの端面14a、14bとを有している。端面14a、14bは、光の伝搬方向6aに間隔をおいて横断方向6bに延びており、側面12は、伝搬方向6aに延びている。本実施形態では、横断溝8は、光フィルタ(図示せず)を設置するための光フィルタ設置用溝である。横断溝8については、後で詳細に説明する。
また、光導波路層4は、コア4a及びクラッド4bを有し、コア4a及びクラッド4bによって、光デバイス要素である光導波路が形成されている。コア4aは、一方の端面14aに設けられたポート4cと、他方の端面6bに設けられたポート4dとを有し、ポート4cとポート4dとの間を光が伝搬するように構成されている。本実施形態では、端面14aのポート4cは1つであり、端面14bのポート4dは2つであり、光導波路は、合分波部を構成している。光導波路層4は、ポリマで形成されることが好ましい。
基板2は、光導波路層4の伝搬方向両側に延長された延長部2aを有し、延長部2aは、光ファイバー(図示せず)をポート4c、4dと整列するように位置決めするためのV字形断面のV溝16aと、V溝16aと光導波路層4との間に設けられ且つ横断方向6bに延びる光ファイバー結合用溝16bとが設けられている。光ファイバー結合用溝16bには、光ファイバー(図示せず)を基板2に固定するための接着剤が充填される。基板2は、シリコンで形成されることが好ましい。
また、基板2は、光導波路層4の側面12と面一の上部側面18と、上部側面18の下側に形成され且つ上部側面18と異なる面内に位置する下部側面20とを有している。かくして、下部側面20は、横断溝8と横断方向6bに間隔をおいた平面内に位置しており、上部側面18と下部側面20との間に段部22が形成されている。下部側面20は、光デバイス1をウエハ6(図3参照)からダイシングブレードによって切断方向6aに切断したときに形成された切断面である。
2本の横断溝8は、互いに近接しており、2本の横断溝8の間に直立部分24が形成されている。横断溝8は、導波路層4を貫き、基板2の中まで延びている。2本の横断溝8の間隔が、仮に2本の横断溝8を横切るようにダイシングブレードを移動させることによって横断溝8の間の直立部分24が押し倒されることがある程度の間隔である場合に、本発明を適用することが好ましい。2本の横断溝8の間隔は、好ましくは、溝8に設置された光フィルタで反射する光の、波長に応じた損失特性に基づいて決定される。これは、導波路内を通過し、光フィルタによって反射される光の損失特性が、波長によって異なるためである。また、シリコン基板2の上にポリマ導波路層4が形成されている場合、2本の横断溝8の好ましい間隔W2を、それと横断溝8の深さD1との関係を用いて設定することができる。たとえば、図2に示す横断溝8の間隔W2と深さD1の関係が、D1÷W2>1であることが好ましい。図2に示すように、好ましくは、横断溝8の幅W1は、18〜22μmであり、深さD1は、100〜300μmであり、2本の横断溝8の間隔、即ち、直立部分24の幅W2は、30〜34μmである。
次に、本発明による、横断溝を有する光デバイスの製造方法の一例を説明する。
最初、図3に示すように、ウエハ6に、光デバイス1の要素である光導波路層4を配列する配列工程を行う。具体的には、基板2にV溝16a、光ファイバー結合用溝16bを形成する。次いで、基板2の全面にクラッド4b及びコア4aを積層させたあと、必要な部分だけを残してコア4aを除去し、その上に更にクラッド4bを積層させる。次いで、光導波路層4を残すように、クラッド4bを除去する。基板2と光導波路層4は、ウエハ6を構成し、更に積層させたクラッド4bは、ウエハ6及び光導波路層4の上面10を構成する。図3では、光導波路層4を構成する部分が横断方向6bに整列している状態を示しており、横断方向6bと垂直な伝搬方向6aに整列している光導波路層4を省略している。以上の工程は、従来から行われている方法を用いればよいので、その詳細な説明を省略する。
最初、図3に示すように、ウエハ6に、光デバイス1の要素である光導波路層4を配列する配列工程を行う。具体的には、基板2にV溝16a、光ファイバー結合用溝16bを形成する。次いで、基板2の全面にクラッド4b及びコア4aを積層させたあと、必要な部分だけを残してコア4aを除去し、その上に更にクラッド4bを積層させる。次いで、光導波路層4を残すように、クラッド4bを除去する。基板2と光導波路層4は、ウエハ6を構成し、更に積層させたクラッド4bは、ウエハ6及び光導波路層4の上面10を構成する。図3では、光導波路層4を構成する部分が横断方向6bに整列している状態を示しており、横断方向6bと垂直な伝搬方向6aに整列している光導波路層4を省略している。以上の工程は、従来から行われている方法を用いればよいので、その詳細な説明を省略する。
次に、図4に示すように、個片部品である光デバイス1に形成される横断溝8が終端すべきウエハ6の上面10の箇所に、横断溝8よりも深い凹部26を形成する凹部形成工程を行う。具体的には、凹部26は、横断溝8と交差する方向に延びるハーフカット溝26である。このハーフカット溝26は、横断方向6bに隣接した光デバイス1の隣接した上部側面である、光導波路層4の側面12及び基板の上部側面18を構成する(図1参照)。ハーフカット溝26をダイシングブレードによって形成することが好ましい。ハーフカット溝26の深さ及び幅は、ウエハ6が割れたり、曲がったりすることを防止するように選択される。好ましくは、ハーフカット溝26の深さは、図2に示す溝深さD1より10〜50μm大きい110〜350μmであり、その横断方向6bの幅は、130〜170μmである。
次に、図5に示すように、互いに近接して横断方向6bに延びる横断溝8を、凹部26を横切るように形成して、近接した横断溝8の間に直立部分24を形成する横断溝形成工程を行う。典型的には、円盤状のダイシングブレードを用いて横断溝8を形成する。横断溝8は、ハーフカット溝26によって、横断方向6bに途切れており、ハーフカット溝26内に、直立部分24は存在しない。従って、直立部分24に割れが生じても、その割れが隣接した横断溝8に拡がることが防止される。
最後に、図6に示すように、ハーフカット溝26の横断方向6bの長さよりも短い幅のダイシングブレードを用いて、横断溝8と交差する伝搬方向6aにハーフカット溝26を横切ってウエハ6を切断する切断工程を行う。更に、横断方向6bにも切断して、個々の光デバイス1にすることが好ましい。上述したように、ハーフカット溝26内に直立部分24は存在せず、しかも、ダイシングブレードの幅がハーフカット溝26の幅よりも狭いので、ダイシングブレードは、光導波路層4の直立部分24に接触しないで、ウエハ6を光デバイス1に切断する。
次に、光デバイスの製造における本願発明の製造方法と従来技術の製造方法を比較した実験例を説明する。
実験例において、ウエハ6の半分の部分に本願発明の製造方法を適用し、残りの半分の部分に従来技術の製造方法を適用した。具体的には、ウエハ6の半分の部分に、ハーフカット溝26を加工した。
凹部形成工程において、ディスコ社のブレードP1A851SD1700R10MB01を使用した。ブレードは、厚さ0.14mm、外径53mmであった。ブレードの送り速度を5mm/sとし、回転数を30,000rpmとした。ハーフカット溝26の深さを300μmとした。
横断溝形成工程において、ディスコ社のブレードNBC−ZB−227Jを使用した。ブレードは、厚さ0.02mm、外径50.3mmであった。ブレードの送り速度を1mm/sとし、回転数を30,000rpmとした。横断溝8の深さを200μmとした。
切断工程において、凹部形成工程と同様、ディスコ社のブレードP1A851SD1700R10MB01を使用した。ブレードは、厚さ0.08〜0.12mm、外径53mmであった。ブレードの送り速度を5mm/sとし、回転数を30,000rpmとした。
実験例において、ウエハ6の半分の部分に本願発明の製造方法を適用し、残りの半分の部分に従来技術の製造方法を適用した。具体的には、ウエハ6の半分の部分に、ハーフカット溝26を加工した。
凹部形成工程において、ディスコ社のブレードP1A851SD1700R10MB01を使用した。ブレードは、厚さ0.14mm、外径53mmであった。ブレードの送り速度を5mm/sとし、回転数を30,000rpmとした。ハーフカット溝26の深さを300μmとした。
横断溝形成工程において、ディスコ社のブレードNBC−ZB−227Jを使用した。ブレードは、厚さ0.02mm、外径50.3mmであった。ブレードの送り速度を1mm/sとし、回転数を30,000rpmとした。横断溝8の深さを200μmとした。
切断工程において、凹部形成工程と同様、ディスコ社のブレードP1A851SD1700R10MB01を使用した。ブレードは、厚さ0.08〜0.12mm、外径53mmであった。ブレードの送り速度を5mm/sとし、回転数を30,000rpmとした。
表1は、切断工程の前後において、直立部分24に割れや倒れがある不良品の数を示す表である。表1から分かるように、切断工程前の不良品の数は、ハーフカット溝26があるほうが少ない。即ち、ハーフカット溝26を設けたことにより、横断溝形成工程における直立部分24の割れが拡がらず、不良品の数が少なくなったことが分かる。また、切断工程前から切断工程後に増加した不良品の数は、ハーフカット溝26が有る場合、2つしかないのに対し、ハーフカット溝26が無い場合、74個もある。即ち、ハーフカット溝26を設けたことにより、切断工程において直立部分24を押し倒すことが少なくなったことが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
上記実施形態では、本発明の個片部品を、光デバイスを例に挙げて説明したが、互いに近接して横断方向に延びる横断溝があれば、本発明の個片部品は、光デバイスに限らない。
また、上記実施形態では、凹部をハーフカット溝26によって構成したが、凹部は、横断溝8が終端する箇所に横断溝8の深さD1よりも深く設けられればその形状は任意である。例えば、凹部は、異方性エッチング又はRIE等を利用して形成された凹部又は溝であってもよい。
上記実施形態では、本発明の個片部品を、光デバイスを例に挙げて説明したが、互いに近接して横断方向に延びる横断溝があれば、本発明の個片部品は、光デバイスに限らない。
また、上記実施形態では、凹部をハーフカット溝26によって構成したが、凹部は、横断溝8が終端する箇所に横断溝8の深さD1よりも深く設けられればその形状は任意である。例えば、凹部は、異方性エッチング又はRIE等を利用して形成された凹部又は溝であってもよい。
1 光デバイス(個片部品)
2 基板
4 光導波路層
6 ウエハ
6a 伝搬方向
6b 横断方向
8 横断溝
10 上面
12 側面
18 上部側面
20 下部側面
24 直立部分
26 ハーフカット溝(凹部)
2 基板
4 光導波路層
6 ウエハ
6a 伝搬方向
6b 横断方向
8 横断溝
10 上面
12 側面
18 上部側面
20 下部側面
24 直立部分
26 ハーフカット溝(凹部)
Claims (8)
- 互いに近接して横断方向に延びる横断溝を有する個片部品を製造する方法であって、
ウエハに複数の個片部品の要素を配列する配列工程と、
個片部品に形成される横断溝が終端すべきウエハの上面の箇所に、前記横断溝よりも深い凹部を形成する凹部形成工程と、
互いに近接して横断方向に延びる横断溝を、前記凹部を横切るように形成して、近接した横断溝の間に直立部分を形成する横断溝形成工程と、
前記凹部の横断方向の長さよりも短い幅のブレードを用いて、前記凹部を、前記横断溝と交差する方向に横切ってウエハを切断する切断工程と、を有することを特徴とする方法。 - 前記横断溝形成工程は、ブレードによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記凹部は、前記横断溝と交差する方向に連続して延びる溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記凹部は、ブレードによって形成されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記個片部品は、光デバイスであり、前記横断溝は、光フィルタを設置するための溝であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- ウエハから切断された個片部品であって、
互いに近接して横断方向に延びる横断溝が形成された上面と、
前記横断溝が終端する上部側面と、
前記上部側面の下側に形成され且つ前記横断溝と前記横断方向に間隔をおいた平面内に位置する下部側面と、を有することを特徴とする個片部品。 - 前記横断溝がブレードによって形成されることを特徴とする請求項6に記載の個片部品。
- 前記個片部品は、光デバイスであり、前記横断溝は、光フィルタを設置するための溝であることを特徴とする請求項6又は7に記載の個片部品。
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JP2005344156A JP2007148126A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 横断溝を有する個片部品及びその製造方法 |
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-
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- 2005-11-29 JP JP2005344156A patent/JP2007148126A/ja active Pending
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