JP2007147735A - ベルト駆動制御装置、ベルト装置及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト駆動制御装置、ベルト装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ベルト移動速度に影響を及ぼすピッチ線距離(PLD)を高い精度で特定し、高精度なベルト駆動を実現する。
【解決手段】ベルトが掛け渡された互いに径が異なる2つの支持ローラの回転情報に基づいて位相の異なる2つの回転変動情報から一方の値を算出する処理を行い、その処理結果を用いて駆動制御を行う。これらの支持ローラは、これらの間のベルト移動経路長とベルト全周長との比が2Nb+1(Nbは自然数)となるように配置する。上記処理では、2つの回転変動情報に対し、これらの支持ローラ間におけるベルト移動時間である遅延時間と所定のゲインとを与えた1個目から(2Nb+1)個目までの各情報を加算する。第n個目の情報のゲインとして第1個目の情報のゲインGを(n−1)乗したものを用い、第n個目の情報の遅延時間としてベルト通過時間を(n−1)倍したものを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の支持回転体に掛け渡されたベルトの駆動制御を行うベルト駆動制御装置、このベルト駆動制御装置を用いたベルト装置、及び、このベルト装置を利用した画像形成装置に関するものである。
従来、このようなベルトを利用する装置として、感光体ベルト、中間転写ベルト、紙搬送ベルト等のベルトを用いる画像形成装置がある。このような画像形成装置においては、そのベルトの高精度な駆動制御が高品位な画像を得るために必須である。特に画像形成速度に優れ且つ小型化に適した直接転写方式のタンデム型画像形成装置では、記録材である記録用紙を搬送する搬送ベルトの高精度な駆動制御が要求される。この画像形成装置では、搬送ベルトを用いて記録用紙を搬送し、その搬送方向に沿って配置された互いに異なる単色の画像を形成する複数の画像形成ユニットを順次通過させる。これにより、記録用紙上に各単色画像を重ね合わせて形成しカラー画像を得ることができる。
ここで、電子写真方式による直接転写方式のタンデム型画像形成装置の一例について、図13を用いて具体的に説明する。この画像形成装置では、例えばイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の各単色画像を形成する画像形成ユニット18Y,18M,18C,18Kが記録用紙の搬送方向に順次配置される。そして、図示しないレーザ露光ユニットにより各感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kの表面に形成された静電潜像が各画像形成ユニット18Y,18M,18C,18Kで現像されることによりトナー像(顕像)が形成される。そして、静電力により搬送ベルト210に付着されて搬送される図示しない記録用紙上に順次重ね合わられて転写された後、定着装置25によってトナーが溶融圧着されることにより、記録用紙上にカラー画像が形成される。搬送ベルト210は、互いに平行に配置された駆動ローラ215及び従動ローラ214に適当なテンションで掛け渡される。駆動ローラ215は、図示しない駆動モータによって所定の回転速度で回転駆動され、それに伴い搬送ベルト210も所定の速度で無端移動する。記録用紙は給紙機構によって所定のタイミングで搬送ベルト210の画像形成ユニット18Y,18M,18C,18K側に供給され、搬送ベルト210の移動速度と同一速度で移動して搬送されることにより、各画像形成ユニットを順次通過する。
このような画像形成装置では、記録用紙の移動速度、つまり搬送ベルト210の移動速度が一定速度に維持されないと、色ズレが発生する。この色ズレは、記録用紙上で重ね合わせられる各単色画像の転写位置が相対的にズレることによって発生する。色ズレが発生すると、例えば、複数色の画像が重なって形成された細線画像がにじんで見えたり、複数色の画像が重なって形成された背景画像中に形成される黒の文字画像の輪郭周辺に白抜けが発生したりする。
なお、図14に示すように、各画像形成ユニット18Y,18M,18C,18Kの感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kの表面に形成された各単色画像を、一旦中間転写ベルト10上に順次重なり合うように転写した後、これを記録用紙上に一括転写する中間転写方式を採用したタンデム型画像形成装置もある。この装置においても、中間転写ベルト10の移動速度が一定速度に維持されないと、同様に色ズレが発生する。
また、上述したタンデム型の画像形成装置に限らず、記録材を搬送する記録材搬送部材や、その記録材に転写される画像を担持する感光体や中間転写体等の像担持体として、ベルトを用いた画像形成装置においては、そのベルトの移動速度が一定速度に維持されないとバンディングが発生する。このバンディングは、画像転写中にベルト移動速度が速くなったり遅くなったりすることにより発生する画像濃度ムラである。すなわち、ベルト移動速度が相対的に速い時に転写された画像部分は本来の形状よりもベルト周方向に引き延ばされた形状となり、逆に、ベルト移動速度が相対的に遅い時に転写された画像部分は本来の形状よりもベルト周方向に縮小された形状となる。これにより、引き延ばされた画像部分は濃度が薄くなり、縮小された画像部分は濃度が濃くなる。その結果、ベルト周方向に画像濃度ムラが発生し、バンディングが生じる。このバンディングは、淡い単色画像を形成する場合には人間の目に顕著に感じ取られる。
ベルトの移動速度は、様々な原因によって変動するが、その原因の中に、単層ベルトの場合にはベルト周方向におけるベルト厚みムラがある。このベルト厚みムラは、例えば、円筒金型を用いて遠心焼成方式で作成されたベルトにみられるベルト周方向にわたる肉厚の偏りによって生じる。このようなベルト厚みムラがベルトに存在すると、ベルトを駆動する駆動ローラ上にベルト厚の厚い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が速くなり、反対にベルト厚の薄い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が遅くなる。そのため、ベルト移動速度に変動が生じる。以下、その理由について、具体的に説明する。
図15は、図14に示したような画像形成装置に用いられる中間転写ベルト10の周方向におけるベルト厚みムラ(ベルト厚み偏差分布)の一例を示すグラフである。このグラフの横軸は、ベルト1周分の長さ(ベルト周長)を2π[rad]の角度に置き換えたものである。縦軸は、ベルト周方向におけるベルト平均厚み(100[μm])を基準(基準値0)としたベルト厚みの偏差値である。以下、このようなベルト厚みムラをもつベルトにおいて、本発明で課題としているベルト周方向1周分の偏差分布をベルト厚み変動という。ここで、本明細書において用いる用語「ベルト厚みムラ」と「ベルト厚み変動」について説明する。まず、「ベルト厚みムラ」とは、膜厚計測器等で測定されたベルトの厚み偏差分布を示し、ベルトの周方向(搬送経路方向)や奥行き方向(ローラ軸方向)にベルト厚みムラは存在する。一方「ベルト厚み変動」とは、ベルト駆動制御装置に搭載された状態で、駆動ローラの回転角速度に対するベルト搬送速度やベルト搬送速度に対する従動ローラの回転角速度に影響を与え、ベルト回転周期の変動発生に起因するベルト厚み偏差分布を示すものである。
図16は、駆動ローラに巻き付いたベルト部分を、その駆動ローラの軸方向から見たときの拡大図である。
ベルト103の移動速度は、ローラ表面からベルトピッチ線までの距離すなわちピッチ線距離(以下、「PLD(Pitch Line Distance)」という。)によって決定される。このPLDは、ベルト103が均一なベルト材質の単層ベルトであり、かつ、ベルト103の内周面側と外周面側との伸縮度の絶対値がほぼ一致する場合、そのベルト厚み方向の中央とベルト内周面すなわちローラ表面との距離に相当する。したがって、単層ベルトの場合、PLDとベルト厚みとの関係がほぼ一定となるので、ベルト103の移動速度はベルト厚み変動によって決定することもできる。しかし、複数層からなるのベルトなどにおいては、硬質な層と軟質な層との間で互いに伸縮性が異なる結果、ベルト厚み方向の中央からズレた位置とローラ表面との距離がPLDとなる。また、PLDは、駆動ローラ105に対するベルト巻付角によっても変化することがある。
Figure 2007147735
上記数1に示す式中の「PLDave」は、ベルト1周にわたるPLDの平均値であり、例えば平均厚みが100[μm]の単層ベルトの場合、PLDaveは50[μm]となる。また、「f(d)」は、ベルト1周にわたるPLDの変動を示す関数である。ここでの「d」とは、ベルト周上の基準となる地点からの位置(ベルト1周を2πとしたときの位相)を示す。f(d)は、図15に示したベルト厚み偏差値と高い相関を持ち、ベルト1周を周期とする周期関数である。ベルト周方向においてPLDが変動していると、駆動ローラの回転角速度又は回転角変位に対するベルト移動速度又はベルト移動距離、あるいは、ベルト移動速度又はベルト移動距離に対する従動ローラの回転角速度又は回転角変位が変動することになる。
ベルト移動速度Vと駆動ローラ105の回転角速度ωとの関係は、下記の数2に示す式で表される。この式中の「r」は、駆動ローラ105の半径である。また、PLDの変動を示すf(d)がベルトの移動速度又はベルト移動距離とローラの回転角速度又は回転角変位との関係に影響する度合いは、ローラに対するベルトの接触状態や巻付き量によって変化する場合がある。この影響度をPLD変動実効係数κで表す。
Figure 2007147735
以下、本明細書において、上記数2に示す式中{ }内をローラ実効半径といい、その定常部分(r+PLDave)をローラ実効半径Rとする。そして、f(d)をPLD変動という。
上記数2に示した式から、PLD変動f(d)が存在することにより、ベルト移動速度Vと駆動ローラ105の回転角速度ωとの関係が変化することが分かる。すなわち、駆動ローラ105が一定の回転角速度(ω=一定)で回転していても、ベルト103の移動速度VはPLD変動f(d)により変化する。ここで、例えば単層ベルトの場合、ベルト平均厚みよりも厚いベルト部分が駆動ローラ105に巻き付いている時には、ベルト103の厚み偏差と相関の高いPLD変動f(d)が正の値をとり、ローラ実効半径が増加する。そのため、その駆動ローラ105が一定の回転角速度(ω=一定)で回転していても、ベルト移動速度Vは増加する。逆に、ベルト平均厚みよりも薄いベルト部分が駆動ローラ105に巻き付いている時には、ベルト厚み変動f(d)が負の値をとり、ローラ実効半径が減少する。そのため、その駆動ローラ105が一定の回転角速度(ω=一定)で回転していても、ベルト移動速度Vは減少する。
したがって、駆動ローラ105の回転角速度ωを一定にしても、PLD変動f(d)によりベルト103の移動速度は一定にならない。そのため、駆動ローラ105の回転角速度ωだけからベルト103の駆動を制御しようとしても、ベルト103を所望の移動速度で駆動させることはできない。
また、ベルト移動速度Vと従動ローラの回転角速度との関係も、上述したベルト移動速度Vと駆動ローラ105の回転角速度ωとの関係と同様である。すなわち、従動ローラの回転角速度を回転型エンコーダ等により検出し、その検出した回転角速度からベルト移動速度Vを求める場合も、上記数2に示す式を用いることができる。よって、例えば単層ベルトの場合、ベルト平均厚みよりも厚いベルト部分が従動ローラに巻き付いている時には、上記駆動ローラ105の場合と同様に、ベルト103の厚み偏差と相関の高いPLD変動f(d)が正の値をとり、ローラ実効半径が増加する。そのため、ベルト103が一定の移動速度(V=一定)で移動していても、従動ローラの回転角速度は減少する。逆に、ベルト平均厚みよりも薄いベルト部分が従動ローラに巻き付いている時には、PLD変動f(d)が負の値をとり、ローラ実効半径が減少する。そのため、ベルト103が一定の移動速度で移動していても、従動ローラの回転角速度は増加する。
したがって、ベルト103の移動速度が一定であっても、PLD変動f(d)により従動ローラの回転角速度は一定とならない。そのため、従動ローラの回転角速度だけからベルト103の駆動を制御しようとしても、ベルト103を所望の移動速度で駆動させることはできない。
このようなPLD変動f(d)を考慮してベルトの駆動制御を行うことが可能なものとしては、特許文献1や特許文献2に記載された画像形成装置がある。
特許文献1には、PLD変動がベルト1周にわたりサイン波で発生しやすい遠心成形法で形成されたベルトを装置本体へ組込む前に、製造工程で予めベルト全周における厚みプロファイル(ベルト厚みムラ)を測定し、そのデータをフラッシュROMに記憶させる画像形成装置が開示されている。この画像形成装置においては、その全周の厚みプロファイルデータと実際のベルト厚みムラとの位相を合わせるための基準位置であるホームポジションとなる基準マークを付し、その位置を基準に検出することによって、ベルト厚み変動によるベルト移動速度の変動をキャンセルするようにベルト駆動制御を行う。
また、特許文献2には、検出用パターンをベルト上に形成して、これを検出センサで検出することにより、周期的なベルト移動速度の変動を検出する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置においては、検出した周期的なベルト移動速度の変動を打ち消すように駆動ローラの回転速度を制御する。
特開2000−310897号公報 特許第3186610号公報
ところが、上記特許文献1に記載された画像形成装置においては、ベルト製造段階においてベルト厚みムラを計測する計測工程が必要となり、またその計測工程において高精度なベルト厚み計測器が必要となる。そのため、製造コストが大幅に増大してしまうという問題がある。また、ベルトを新しいものに交換する際には、その新しいベルト固有の厚みプロファイルデータを装置へ入力する作業が必要となるという問題もある。さらに、この画像形成装置は、PLD変動f(d)を用いずにベルト厚みムラを用いるため、単層ベルトの場合には正確なベルト駆動制御が可能であるが、複数層ベルトの場合には正確なベルト駆動制御はできない。
また、上記特許文献2に記載された画像形成装置においては、ベルト移動速度の変動を検出するのに、少なくともベルト1周分の検出用パターンをベルト上に形成する必要がある。そのため、この検出用パターンの形成のために多くのトナーを消費してしまうという問題がある。特に、ベルト移動速度の変動をより高い精度で検出するために、ベルト複数周分のベルト移動速度の変動情報の平均値をベルト移動速度の変動として把握する場合には、ベルト複数周分の検出用パターンを形成する必要があり、トナー消費の問題はより深刻なものとなる。
また、本出願人は、特願2005−230537号(以下、「先願」という。)において、これらの問題を解決し得るベルト駆動制御装置を提案した。
詳しく説明すると、本発明者らは、支持回転体の径の大きさ、支持回転体に対するベルトの巻付角、ベルトの材質、ベルトの層構造等の違いによって、ベルトを無端移動させた時に、支持回転体の回転角速度に発生するPLD変動成分が占める割合が異なることを見出した。つまり、同一のベルトについて2つの回転支持体が回転しているとき、それぞれの回転支持体の回転角速度変動として検出されるPLD変動分の大きさが異なることを見いだした。これを利用すれば、2つの支持回転体の回転角変位又は回転角速度から、PLD変動を特定することができる。したがって、これらの2つの支持回転体の回転角変位又は回転角速度の検出結果に基づいて、ベルトの周方向におけるPLD変動により生じるベルト移動速度の変動が小さくなるように、駆動支持回転体の回転制御を行うことができる。
そして、上記先願に係る発明においては、上記2つの支持回転体の回転角変位又は回転角速度の検出結果からPLD変動を特定する。これにより、ベルト製造段階においてベルト厚みムラを計測する計測工程が必要ないので製造コストが増大することがない。また、ベルトを新しいものに交換する際にベルト厚みムラに関するデータを装置へ入力する作業も必要ない。また、検出用パターンを形成する必要がないため、ベルト駆動制御のためにトナーを消費することもない。また、PLD変動又はベルト厚み変動がベルト1周にわたってどのように発生しているかということを予め知っておく必要もない。
更に、上記先願に係る発明において、上記2つの支持回転体の回転角変位又は回転角速度から特定されるPLD変動は、その支持回転体が従動支持回転体であれば、これらの2つの支持回転体とベルトとの接触状態の影響が考慮されたものとなる。これに対し、上記特許文献1に記載された装置のようにベルト厚み計測器により計測したベルト厚みムラは、支持回転体とベルトとの接触状態の影響が全く考慮されていないものである。ベルト厚みムラは、実際にはベルト周方向だけでなく、これに直交するベルト幅方向においても存在する。ここで、ベルト幅方向にもベルト厚みムラが存在するベルトが支持回転体に掛け渡された場合、その支持回転体に巻き付いたベルト部分の移動速度とその支持回転体の回転角速度との関係は、そのベルト部分におけるベルト幅方向で最も厚い箇所に大きく依存する。すなわち、支持回転体に巻き付いたベルト部分のベルト幅方向におけるベルト厚みムラによって、そのベルト部分の移動速度とその支持回転体の回転角速度との関係が変わってくる。これは、ベルト幅方向において最も厚い箇所が、支持回転体との摩擦力が最も大きい状態で支持回転体に接触するからである。したがって、支持回転体とベルトとの接触状態の影響が全く考慮されないベルト厚み計測器により計測したベルト厚みムラに基づいてベルト駆動制御を行うと、ベルト幅方向におけるベルト厚みムラによる制御誤差が発生する。これに対し、上記先願に係る発明では、支持回転体とベルトとの接触状態の影響が考慮されたPLD変動又はベルト厚み変動に基づいてベルト駆動制御を行うことができるので、ベルト幅方向におけるベルト厚みムラによる制御誤差を発生させないことができる。したがって、上記先願に係る発明によれば、より高い精度でベルト駆動制御を行うことが可能である。
上記先願では、PLD変動を認識する方法として3つの方法を提案した。第1の方法は、上記2つの支持回転体を近接配置し、これらの支持回転体の回転角変位又は回転角速度の位相を同位相とみなしてPLD変動を認識する方法である。第2の方法は、上記2つの支持回転体の配置は関係なく、FIRフィルタ処理やIIRフィルタ処理を利用してPLD変動を認識する方法である。第3の方法は、上記2つの支持回転体間の距離とベルト全周長との比が2Nb(偶数比)となるように構成した上でFIRフィルタ処理を利用してPLD変動を認識する方法である。
本発明は、上記先願で提案したPLD変動認識方法とは異なる新たな方法でPLD変動を認識して駆動制御を行うことができるベルト駆動制御装置、このベルト駆動制御装置を用いたベルト装置、及び、このベルト装置を利用した画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ベルトの移動に伴って連れ回り回転する従動支持回転体と該ベルトに駆動力を伝達する駆動支持回転体とを含む複数の支持回転体に掛け渡された該ベルトの駆動制御を行うベルト駆動制御装置において、上記複数の支持回転体のうち、径が異なるか、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分のピッチ線距離が該ベルトの移動速度と自己の回転角速度との関係に影響する度合いが互いに異なる2つの支持回転体における回転角変位又は回転角速度の回転情報に基づいて、該2つの支持回転体の一方あるいは両方の回転情報に含まれる位相の異なる2つの回転変動情報から一方の値を算出する処理を行い、その処理結果を用いて上記ベルトの周方向におけるピッチ線距離の変動により生じる該ベルトの移動速度変動が小さくなるように上記駆動制御を行う制御手段を有し、該2つの支持回転体は、該2つの支持回転体間のベルト移動経路長とベルト全周長との比が2Nb+1(Nbは自然数)となるように配置されており、上記処理は、該2つの回転変動情報に対し、ベルト移動経路上における該2つの支持回転体間の距離をベルトが移動するのに要するベルト通過時間である遅延時間と、該2つの支持回転体の上記度合いに基づいたゲインとを与えた1個目から(2Nb+1)個目までの各情報を加算する加算処理するものであって、第n個目の情報の該ゲインとして第1個目の情報のゲインGを(n−1)乗したものを用い、第n個目の情報の該遅延時間として該ベルト通過時間を(n−1)倍したものを用いて行うものであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のベルト駆動制御装置において、上記ベルトが1周するのに要する時間に相当する期間についての回転変動情報を記憶する変動情報記憶手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項4のベルト駆動制御装置において、上記制御手段は、上記変動情報記憶手段に記憶された回転変動情報と新たに求めた回転変動情報との差が許容範囲を超えたタイミングで、上記回転変動情報を再び求める処理を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のベルト駆動制御装置において、上記制御手段は、上記回転変動情報を所定のタイミングで再び求める処理を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2又は3ベルト駆動制御装置において、上記制御手段は、上記回転変動情報を求める処理を行いながら、上記駆動制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5ベルト駆動制御装置において、過去の回転変動情報を記憶する少なくともベルト一周分の過去情報記憶手段を有し、上記制御手段は、該過去情報記憶手段に記憶された過去の回転変動情報と新たに求めた回転変動情報とから得られたものを用いて、上記駆動制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、ベルトの移動に伴って連れ回り回転する従動支持回転体と該ベルトに駆動力を伝達する駆動支持回転体とを含む複数の支持回転体に掛け渡されたベルトと、該ベルトを駆動するための回転駆動力を発生する駆動源と、該ベルトの駆動制御を行うベルト駆動制御装置とを備えたベルト装置において、上記複数の支持回転体のうち、径が異なるか、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分の厚み又はピッチ線距離が該ベルトの移動速度と自己の回転角速度との関係に影響する度合いが互いに異なり、かつ、互いの支持回転体間のベルト移動経路長とベルト全周長との比が2Nb+1(Nbは自然数)となるように配置された2つの支持回転体における回転角変位又は回転角速度の少なくとも一方を検出する検出手段を有し、上記ベルト駆動制御装置として、請求項1、2、3、4、5又は6のベルト駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のベルト装置において、上記2つの支持回転体は、すべて、上記ベルトの移動に伴って連れ回り回転する従動支持回転体であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8のベルト装置において、
上記駆動源は、自己の回転角変位又は回転角速度を検出し、該回転角変位又は回転角速度をフィードバックするフィードバック制御手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項7のベルト装置において、上記2つの支持回転体には、上記駆動支持回転体が含まれていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項7、8、9又は10のベルト装置において、上記ベルトの基準ベルト移動位置を把握するために、該ベルト上の基準位置を示すマークを検知するマーク検知手段を有し、上記ベルト駆動制御装置の制御手段は、該マーク検知手段による検知タイミングを基準に上記回転変動情報を取得し、かつ、上記駆動制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項7、8、9又は10のベルト装置において、上記ベルト駆動制御装置の制御手段は、ピッチ線距離の変動とベルト移動位置との関係情報を、予め把握している上記ベルトが1周するのに要する平均時間又は予め把握しているベルト周長に基づいて把握した上で、上記駆動制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項7、8、9、10、11又は12のベルト装置において、上記ベルトは、ベルト周方向の少なくとも1箇所につなぎ目を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項7、8、9、10、11、12又は13のベルト装置において、上記ベルトは、ベルト厚さ方向に複数の層を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、複数の支持回転体に掛け渡されたベルトからなる潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を記録材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、上記潜像担持体を駆動させるベルト装置として、請求項7、8、9、10、11、12、13又は14のベルト装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、複数の支持回転体に掛け渡されたベルトからなる中間転写体と、該潜像担持体上の顕像を該中間転写体に転写する第1の転写手段と、該中間転写体上の顕像を記録材に転写する第2の転写手段とを備えた画像形成装置であって、上記中間転写体を駆動させるベルト装置として、請求項7、8、9、10、11、12、13又は14のベルト装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、複数の支持回転体に掛け渡されたベルトからなる記録材搬送部材と、該潜像担持体上の顕像を中間転写体を介して又は中間転写体を介しないで直接に、該記録材搬送部材で搬送されている記録材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、上記記録材搬送部材を駆動させるベルト装置として、請求項7、8、9、10、11、12、13又は14のベルト装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、駆動制御に用いる回転情報が、互いの支持回転体間のベルト移動経路長とベルト全周長との比が2Nb+1(Nbは自然数)となるように配置されている2つの支持回転体の回転情報であっても、詳しくは後述するが、その回転情報に基づいてPLD変動を認識することができる。
以上のように、本発明によれば、上記先願で提案したPLD変動認識方法とは異なる新たな方法でPLD変動を認識して駆動制御を行うことができるという優れた効果も奏される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明を適用する画像形成装置としての複写機の一例を示す概略構成図である。図2において、符号100は複写機本体であり、符号200はそれを載せる給紙テーブルであり、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナであり、符号400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。この複写機は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真複写機である。
複写機本体100には、その中央に、像担持体としての中間転写体であるベルトからなる中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持回転体としての支持ローラ14,15,16に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。これらの3つの支持ローラのうちの第2支持ローラ15の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17が設けられている。また、3つの支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間に張り渡したベルト部分には、そのベルト移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成部18が並べて配置されたタンデム画像形成部20が対向配置されている。本実施形態においては、第3支持ローラ16を駆動ローラとしている。また、タンデム画像形成部20の上方には、潜像形成手段としての露光装置21が設けられている。
また、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成部20の反対側には、第2の転写手段としての2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22においては、2つのローラ23間に記録材搬送部材としてのベルトである2次転写ベルト24が掛け渡されている。この2次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を介して第3支持ローラ16に押し当てられるように設けられている。この2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートに転写する。また、この2次転写装置22の図中左方には、シート上に転写された画像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備わっている。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて持たせることが難しくなる。また、本実施形態では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28も設けられている。
上記複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動する。他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動する。次いで、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
この原稿読取りに並行して、図示しない駆動源である駆動モータで駆動ローラ16を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図中時計回り方向に移動するとともに、この移動に伴って残り2つの支持ローラ(従動ローラ)14,15が連れ回り回転する。また、これと同時に、個々の画像形成部18において潜像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを回転させ、各感光体ドラム上に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー画像(顕像)を形成する。そして、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上のトナー画像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
このような画像形成に並行して、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を転写する。画像転写後のシートは、2次転写ベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
なお、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
この複写機を用いて、黒のモノクロコピーをとることもできる。その場合には、図示しない手段により、中間転写ベルト10を感光体ドラム40Y,40M,40Cから離れるようにする。これらの感光体ドラム40Y,40M,40Cは、一時的に駆動を止めておく。黒用の感光体ドラム40Kのみが中間転写ベルト10に接触させ、画像の形成と転写を行う。
次に、本実施形態の中間転写ベルト10の構成について説明する。なお、以下の説明は、中間転写ベルトに限られるものではなく、広く、駆動制御がなされるベルトについて同様である。
中間転写ベルトとしては、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を主材料とした単層ベルトや、ベルトの全層又はベルトの一部を弾性部材とした複数層弾性ベルトなどが使用される。中間転写ベルトに限らず、一般に、画像形成装置に用いられるベルトには複数の機能が要求される。近年、要求される複数の機能を同時に達成するために、ベルト厚さ方向に複数の層を有する複数層ベルトが多く用いられる。例えば、中間転写ベルト10については、トナー離型性、感光体ニップ性、耐久性、抗張性、対駆動ローラ高摩擦性、対感光体低摩擦性などの複数の機能が要求される。
トナー離型性は、中間転写ベルト10から記録用紙への転写性の向上や当該中間転写ベルト上に残った転写残トナーに対するクリーニング性の向上を図る上で必要な機能である。
感光体ニップ性は、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kに密着して中間転写ベルト10への転写性を向上させる上で必要な機能である。
耐久性は、経時使用によって亀裂や磨耗が少なく長期的な使用を可能にし、ランニングコストを低減する上で必要な機能である。
抗張性は、ベルト駆動時のベルト周方向における伸縮を防止して高精度なベルト移動速度やベルト移動位置の制御を行う上で必要な機能である。
対駆動ローラ高摩擦性は、駆動ローラ16と中間転写ベルト10との間の滑りを防止して安定かつ高精度な駆動を実現する上で必要な機能である。
対感光体低摩擦性は、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kと中間転写ベルト10との間に速度差が生じてもこれらの間で滑りを発生させて負荷変動を抑制する上で必要な機能である。
これらの機能を高い水準で同時に実現するためには、例えば、以下に説明するような複数層ベルトからなる中間転写ベルトを用いる。
図3は、上記中間転写ベルト10の層構造の一例を示す説明図である。
本例の中間転写ベルト10は、互いに異なる材質が異なる5層構造の無端状ベルトで、ベルトの厚みは500〜700[μm]以下となるように形成されたものである。なお、ベルト表面側(感光体ドラムと接触する面側)から順に、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層とする。
第1層は、フッ素が充填されたポリウレタン樹脂のコート層である。この層により、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kと中間転写ベルト10との間の低摩擦性(対感光体低摩擦性)と、トナー離型性とが実現される。
第2層は、シリコン−アクリル共重合体のコート層で、第1層の耐久性の向上と第3層の経時劣化を防止する役割を果たしている。
第3層は、厚みが約400〜500[μm]のクロロプレンからなるゴム層(弾性層)で、ヤング率が1〜20[Mpa]である。第3層は、2次転写部においてトナー像や平滑性の悪い記録用紙などによる局部的な凹凸に応じて変形するので、トナー像に対して過度に転写圧を高めることがなく、文字の中抜けの発生が抑制される。また、平滑性の悪い記録用紙に対して良好な密着性が得られので、均一性の優れた転写画像を得ることができる。
第4層は、厚みが約100[μm]のポリフッ化ビニリデンの層でベルト周方向の伸縮を防止する役割を果たしている。ヤング率は、500〜1000[Mpa]である。
第5層は、ポリウレタンのコート層があり、駆動ローラ16との高摩擦性係数を実現している。
この他の材料例としては、次のものが挙げられる。
第1層及び第2層では、弾性材料による感光体への汚染防止と、中間転写ベルト10の表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくすることによるクリーニング性の向上と、記録用紙への2次転写性の向上と図るために、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等を1種類あるいは2種類以上使用してもよい。また、表面エネルギーを小さくして潤滑性を高めるために、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体若しくは粒子を1種類あるいは2種類以上、又は、互いに粒径が異なる同種のものを分散させてもよい。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成し、表面エネルギーを小さくしたものを使用してもよい。
第3層の弾性層では、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。
第4層としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。
弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、上記第4層のように伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い、これらを織布状あるいは糸状にしたものを用いることができる。もちろん、上記材料に限定されるものではない。糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん、糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方、織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない。例えば筒状に織った織布を金型等に被せてその上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付けてその上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
また、層によっては、抵抗値調節用導電剤が含まれる、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。ただし、これら上記材料に限定されるものではないことは当然である。
ところで、ベルト材質が均一の単層ベルトの場合、ベルトの内周面と外周面の伸縮度が一致するため、図16に示したように、ベルトの移動速度を決定するベルトピッチ線は、ベルト厚み方向の中央となる。しかし、上記のような複数層ベルトの場合、ベルトピッチ線は、ベルト厚み方向の中央部にはならない。複数層ベルトにおいては、ベルトを構成する複数の層の中にヤング率が突出して大きい層がある場合には、ベルトピッチ線は、当該層のほぼ中央部に存在する。これは、ベルト周方向の伸縮防止のために高いヤング率をもつ層(以下、「抗張層」という。)が芯線となり、他の層が伸縮して支持ローラに巻き付くことによる。上記中間転写ベルト10の場合、抗張層である第4層が突出して大きいヤング率をもつので、この第4層の内部にベルトピッチ線が存在することになる。そして、このようにヤング率が突出して大きい抗張層がある場合、その抗張層のベルト周方向における厚みムラが、PLDの変動に大きく影響することになる。要するに、複数層ベルトにおいて、PLDは、主に、ベルトを構成する複数の層のうちのヤング率が大きい層の影響を受けて決定される。
このほか、第4層(抗張層)の位置がベルト1周にわたってベルト厚み方向に変位している場合も、PLDが変動する。例えば、第4層(抗張層)と支持ローラとの間に存在する第5層に厚みムラがあると、その厚みムラに応じて第4層(抗張層)のベルト厚み方向の位置が変化し、PLDが変動する。
また、つなぎ目のある無端状ベルト(シームベルト)の場合、その製造方法は、第4層のポリフッ化ビニリデンのシートを作成して、そのシート端部を約2[mm]ほど重ね合わせて溶融接着し、無端状にした後、他の各層を順次形成することが多い。この場合、溶融接着した部分(つなぎ目部分)は、溶融によって物性が変化して他の部分と伸縮性が異なるため、他の部分と同じ厚みであっても、つなぎ目部分のPLDは他の部分のPLDから大きく外れる。このような部分では、ベルト厚み変動が無くても、PLD変動が発生して、この部分が駆動ローラに巻き付いた時にベルト速度変動が発生する。なお、つなぎ目のあるシームベルトは、ベルト周長が互いに異なる製品ごとに固有の金型が必要となるつなぎ目のないシームレスベルトに比べて、このような金型が必要なく、ベルト周長の調整が自由である点で、製造コストが抑えられるという利点がある。
次に、中間転写ベルト10の駆動制御について説明する。
本実施形態の複写機では、中間転写ベルト10を一定速度で移動させる必要がある。しかし、実際には、部品誤差、環境、経時変化により、そのベルト移動速度に変動が生じる。中間転写ベルト10のベルト移動速度が変動すると、実際のベルト移動位置が目標とするベルト移動位置からズレてしまい、感光体ドラム40Y,40M,40C上の各トナー画像の先端位置が中間転写ベルト10上でズレて色ズレが発生する。また、ベルト移動速度が相対的に速い時に中間転写ベルト10上に転写されたトナー画像部分は本来の形状よりもベルト周方向に引き延ばされた形状となり、逆に、ベルト移動速度が相対的に遅い時に中間転写ベルト10上に転写されたトナー画像部分は本来の形状よりもベルト周方向に縮小された形状となる。この場合、最終的にシート上に形成された画像には、そのベルト周方向に対応する方向に周期的な画像濃度の変化(バンディング)が表れる。
そこで、以下、中間転写ベルト10を高い精度で一定速度に維持する構成及び動作について説明する。なお、以下の説明は、中間転写ベルト10に限られるものではなく、広く、駆動制御がなされるベルトについて同様である。
本実施形態は、ローラ径の異なる、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分のPLDがそのベルトの移動速度と自己の回転角速度との関係に影響する度合いが互いに異なる2つのローラの回転角速度ω1,ω2を連続的に検出し、この2種類の回転角速度ω1,ω2からPLD変動f(t)を求める。なお、単層ベルトの場合、上記PLDはベルト厚みと一定の関係となり、かつ、PLD変動はベルト厚み変動と一定の関係となることから、ローラ径の異なる、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分の厚みがそのベルトの移動速度と自己の回転角速度との関係に影響する度合いが互いに異なる2つのローラの回転角速を連続的に検出し、この2種類の回転角速度からベルト厚み変動を求めるようにしてもよい。このPLD変動f(t)は、ベルトが1周する間に、ベルト移動経路上の特定地点を通過するベルト部分のPLDの時間変化を示す周期関数である。このPLD変動f(t)は、上述したようにベルトの移動速度Vに大きく影響するので、このPLD変動f(t)を2つの支持ローラの回転角速度ω1,ω2から高精度で求め、そのPLD変動f(t)に基づいてベルト駆動制御を行えば、ベルトの移動速度Vを高い精度で制御することができる。
本実施形態では、PLD変動f(t)を高精度で求める方法として、上記2つのローラの配置関係(2つのローラ間のベルト搬送距離)をベルト1周期に対して奇数分の1にして、フィルタ処理を行う方法を用いる。
〔PLD変動の認識方法〕
図4は、ベルト装置の主要部を示す模式図である。このベルト装置は、ベルト103と、このベルト103が掛け渡された支持回転体としての第1ローラ101及び第2ローラ102とを備えている。ベルト103は、第1ローラ101に対してベルト巻付角θ1で巻き付いており、第2ローラ102に対してベルト巻付角θ2で巻き付いている。ベルト103は、図中矢印Aの方向に無端移動する。第1ローラ101及び第2ローラ102には、検出手段としての回転型エンコーダがそれぞれ設けられている。これらの回転型エンコーダとしては、各ローラ101,102の回転角変位又は回転角速度が検知できるものであればよい。本実施形態においては、各ローラ101,102の回転角速度ω1,ω2を検知できるものを用いる。この回転型エンコーダとしては、例えば、透明のガラス又はプラスチック等の透明部材で作られた円盤上の同心円上に一定間隔のタイミングマークを形成し、これを各ローラ101,102に対して同軸に固定し、そのタイミングマークを光学的に検知するような公知の光学エンコーダを用いることができる。また、例えば、磁性体からなる円盤上の同心円上に磁気的にタイミングマークを記録し、これを各ローラ101,102に対して同軸に固定し、そのタイミングマークを磁気ヘッドで検出するような磁気エンコーダを用いることもできる。また、公知のタコジェネレータを用いることもできる。本実施形態において、回転角速度は、例えば、回転型エンコーダから連続的に出力されるパルスの時間間隔を計測し、その逆数から得ることができる。なお、回転角変位は、回転型エンコーダから連続的に出力されるパルスの数をカウントすることで得ることができる。
第1ローラ101及び第2ローラ102の回転角速度とベルト移動速度Vとの関係は、それぞれ、下記の数3及び数4に示す式で表される。
Figure 2007147735
Figure 2007147735
ここで、「ω1」は第1ローラ101の回転角速度であり、「ω2」は第2ローラ102の回転角速度であり、「V」はベルト移動速度であり、「R1」は第1ローラ101のローラ実効半径であり、「R2」は第2ローラ102のローラ実効半径である。
また、「κ1」は、第1ローラ101のベルト巻付角θ1、ベルト材質、ベルト層構造等によって決まる第1ローラ101のPLD変動実効係数であり、PLDがベルト移動速度Vに影響する度合いを決定するパラメータである。同様に、「κ2」は、第2ローラ102のPLD変動実効係数である。ローラ101,102それぞれの関係式である上記数3及び上記数4において互いに異なるPLD変動実効係数を設定しているのは、ベルト巻付状態(変形曲率)が異なることや、各ローラに対するベルト巻付量が異なることなどが原因で、PLD変動が、ベルト移動速度(ベルト移動量)とローラの回転角速度(回転角変位)との関係に影響する度合いが異なる場合があるためである。なお、これらのPLD変動実効係数κ1,κ2は、一般に、ベルト材質が均一で一層構造のベルトを用い、かつ、ベルト巻付角θ1,θ2が十分に大きいとき、いずれも同じ値となる。
また、「f(t)」は、ベルト移動経路上の特定地点を通過するベルト部分のPLDの時間変化を示すベルトが1周する周期と同じ周期をもった周期関数であり、ベルト1周にわたるベルト周方向のPLDの平均値PLDaveからの偏差を示すものである。ここでは、上記特定地点を、第1ローラ101に巻き付いた箇所とする。したがって、時間t=0のとき、第1ローラ101に巻き付いたベルト部分のPLD変動量はf(0)となる。なお、PLD変動の関数としては、時間関数f(t)ではなく、上述した関数f(d)を用いてもよい。f(t)とf(d)は相互に変換することができる。
また、「τ」は、第1ローラ101から第2ローラ102までベルト103が移動するのに要する平均時間であり、以下、「遅れ時間」という。この遅れ時間τは、第1ローラ101に巻き付いたベルト部分におけるPLD変動f(t)と、第2ローラ102に巻き付いたベルト部分におけるPLD変動f(t−τ)との位相差としての意味をもつ。
PLDの平均値PLDaveは、ベルトの層構造及び各層の材質や物性だけから求めることは困難であるが、例えば当該ベルトについて簡単な試験駆動を行ってそのベルト移動速度の平均値を得ることにより求めることができる。すなわち、駆動ローラを一定の回転角速度で駆動したときのベルト移動速度の平均値は、{(駆動ローラの半径r+PLDave)×駆動ローラの一定の回転角速度ω01}である。そして、駆動ローラを一定の回転角速度で駆動したときのベルト移動速度の平均値は、(ベルト周長)/(ベルト1周に要する時間)から求められる。ベルト周長及びベルト1周に要する時間は正確に計測することができる。したがって、駆動ローラを一定の回転角速度で駆動したときのベルト移動速度の平均値も正確に算出できる。また、駆動ローラの半径r及び駆動ローラの一定の回転角速度ω01も正確に把握できるので、PLDaveを正確に算出することができる。なお、PLDaveの算出方法は、これに限られるものではない。
第2ローラ102に巻き付いたベルト部分の時刻tにおけるベルト移動速度Vは、第1ローラ101に巻き付いたベルト部分の時刻tにおけるベルト移動速度Vと同じであるので、上記数3及び上記数4の式から、下記の数5に示す式を導くことができる。
Figure 2007147735
そして、ローラ実効半径R1,R2に対し、PLD変動f(t)は十分小さいことから、上記数5に示す式を下記数6に示す式に近似することができる。
Figure 2007147735
本認識方法においては、上記2つのローラ101,102の回転角速度ω1,ω2からPLD変動f(t)を高精度で求める。なお、以下の例では、これらのローラ101,102の径が、第1ローラ101よりも第2ローラ102の方が大きい場合を例に挙げるが、その逆でも同様の原理が利用できる。厳密には、以下に述べるようにローラ実効半径RをPLD変動実効係数κで除算した値を比較すると、ローラ102の方がローラ101より大きい場合である。
第1ローラ101と第2ローラ102との間における回転角速度ω1,ω2の関係は、上記数6に示した式で表現され、この式を変形すると下記の数7に示す式となる。
Figure 2007147735
このようにf(t)の係数が1となるように規格化された上記数7の式の右辺をgf(t)と定義すると、下記の数8に示す式が得られる。ただし、この数8の式中の「G」は、下記の数9に示すものである。
Figure 2007147735
Figure 2007147735
各ローラ101,102間におけるローラ実効半径RとPLD変動実効係数κとの関係から、Gは1より小さい値をとる。また、上記数7の式からわかるように、gf(t)は、ローラ実効半径R1,R2及びPLD変動実効係数κ1,κ2を用い、各ローラ101,102の回転角速度ω1,ω2から得られるものである。このgf(t)からPLD変動f(t)を求める。
以下に説明するPLD変動認識方法においては、上記2つのローラ101,102の配置をローラ間のベルト搬送区間(距離)とベルト全搬送区間(周長)との比が1:(2Nb+1)の関係となるようにし、上記2つのローラ101,102の回転角速度ω1,ω2から短時間でPLD変動f(t)を高精度に求める。ただし、「Nb」は自然数である。
本認識手法では、まず、上記2つのローラ配置をローラ間のベルト搬送区間(距離)とベルト全搬送区間(周長)との比が1:(2Nb+1)の関係となるように設定する。つまり、Nb=1の場合、上記搬送区間の比が1:3であるから、2つのローラ101,102の配置は、ベルト全周を1500[mm]とすると、これら2つのローラ間のベルト搬送区間(距離)は500[mm]となる。同様に、Nb=2の場合は、2つのローラ間のベルト搬送区間(距離)は300[mm]となる。このようにローラ配置のレイアウトに条件を加えることで、以下に説明する演算処理によって、ベルトPLD変動f(t)を高精度に求めることができる。
以下、本認識方法の処理について説明する。
まず、Nb=1の場合について説明すると、この場合、第1ローラ101及び第2ローラ102は、ベルト全搬送経路の1/3だけ離れた距離に設置される。そして、それぞれの回転角速度ω1,ω2から上記数8に示したgf(t)を求める。
図5は、本認識方法を説明するための演算ブロック図である。なお、この図では、時間関数であるf(t)をラプラス変換したF(s)を用いており、図中「s」はラプラス演算子である。F(s)=L{f(t)}(ここで、L{x}はxのラプラス変換を示す。)。また、図5において、図中最上部に示すF(s)からgF(s)までの演算は、便宜的に、上記数8に示した式を表したものであり、図中破線で囲んだ部分がフィルタ部である。
フィルタ部には、上記数9に示した「G」に基づく係数と2つのローラ間距離に基づく「τ」の時間遅れ要素を有している。このフィルタ部に、gF(s)すなわち上記数7に示した式の左辺(検出した回転角速度ω1,ω2から得られるデータ)を入力すると、フィルタ部の出力M(s)の時間関数m(t)、すなわち、L-1{M(s)}(ここで、L-1{y}はyの逆ラプラス変換を示す。)は、下記の数10に示すとおりである。
Figure 2007147735
図中破線で囲んだ部分のFIRフィルタ処理(不帰還型処理)でPLD変動f(t)の算出処理を行う。ただし、必要とするフィルタ長は、2Nb+1である。つまり、Nb=1の場合、フィルタ長が3の処理であるから、図5に示すように、3個の演算値の加算結果M(s)を算出する処理となる。この処理結果は、先に説明したように上記数10に示したものである。ここで、ベルト1周を回転角2π[rad]とすると、2つのローラの位置関係は2π/3[rad]となる。また、τ時間は、ベルトを所定の規定速度で搬送している時における2つのローラ間のベルト搬送時間を示すものである。よって、3τ時間とは、ベルト回転角に変換すると2π[rad]となる。PLD変動f(t)は、ベルト1回転毎に繰返す周期関数であるから、上記数10に示す最終式において、右辺第2項に含まれるf(t−3τ)はf(t)とすることができる。したがって、本認識方法においては、Nb=1の場合、上記数10に示す式は、下記の数11に示す式に変形することができる。
Figure 2007147735
したがって、上記FIRフィルタの出力データm(t)に対して(10−G3)で除算することで、誤差なくPLD変動f(t)を求めることができる。この演算処理を実行するのに要する時間は、2τ時間過去のデータを用いるので、2τ時間となる。
同様に、Nb=2の場合、フィルタ長が5のFIR処理であるから、図6のFIRフィルタ処理となる。この処理結果は、下記の数12に示すものとなる。
Figure 2007147735

ここで、5τ時間は、ベルト回転角に変換すると2π[rad]となる。よって、上記数12に示す式において、右辺第2項に含まれるf(t−5τ)はf(t)とすることができる。よって、上記数12に示す式は、下記の数13に示す式に変形することができる。
Figure 2007147735
したがって、上記FIRフィルタの出力データn(t)に対して(1‐G5)で除算することで、誤差なくPLD変動f(t)を求めることができる。この演算処理を実行するのに要する時間は、4τ時間となる。このように、本認識方法によれば、Nb=2の場合、3τ時間という処理時間で、認識誤差なく高精度なPLD変動f(t)を求めることができる。
以上のように、本認識方法では、上記2つのローラ配置をローラ間のベルト搬送区間(距離)とベルト全搬送区間(周長)との比が1:(2Nb+1)の関係となるように設定することで、フィルタ長が(2Nb+1)であるFIRフィルタ処理のデータから認識誤差なく高精度にPLD変動f(t)が求められる。
以上の結果を一般化した以下の演算手順に従い、検出した回転角速度ω1,ω2から得られるデータである上記数7に示した式の左辺のデータを用いて、PLD変動f(t)を求めれば、検出した回転角速度ω1,ω2からPLD変動f(t)を高精度で求めることができる。
(第1ライン)
gf(t)。
(第2ライン)
gf(t)をG倍して遅れ時間τだけ遅延したデータを求める。
(第3ライン)
gf(t)をG2倍して遅れ時間2τだけ遅延したデータを求める。



(第nライン)
gf(t)をGn-1倍して遅れ時間(n−1)τだけ遅延したデータを求める。
このようにして各ラインのデータを求めたら、第1ラインから第(2Nb+1)ラインまでの演算データを加算する。加算結果n(t)に対して(10−G2Nb+1)で除算することで、誤差なくPLD変動f(t)を求めることができる。
図7は、図5の演算ブロック図をZ変換して表した演算ブロック図である。なお、図7では、gf(n)をgfnと表現し、f(n)をfnと表現している。
図7に示した破線で囲まれたフィルタ部(FIRフィルタ)に入力する入力データのサンプリング時間をTsとし、遅れ時間τをM×Ts(Mは自然数である)とし、ベルト103が1周するのに要する時間TbをN×Ts(Nは自然数である)とする。この場合、ベルト103が1周する間のサンプリング数はN個となる。この図7に示す制御ブロック図に従って求まるPLD変動f(t)は、サンプリング時間Tsごとに得られるN個のPLD変動値f(n)のデータ列からなる。このときのフィルタ部での処理はデジタル処理となるので、DSP(Digital Signal Processor)やμCPU等を用いてフィルタ処理を実行することができる。
以上のように、上記2つのローラ101,102の各回転角速度ω1,ω2は、それぞれ位相の異なるPLD変動f(t)とf(t−τ)の影響を受けて回転するが、これらのローラの実効半径RあるいはまたPLD変動実効係数κは互いに異なるために、ローラ実効半径において、PLD変動成分が占める割合がそれぞれ異なる。そのために、検出されるPLD変動による回転角速度変動の大きさが互いに異なる。本発明者らは、この点に着目し、上述したFIRフィルタ及びこれらのフィルタと同様のアルゴリズム処理を用いて、PLD変動f(t)を周波数特性に依存ぜず高い精度で導出できることを見いだした。ここでは、PLD変動f(t)を導出するためにf(t)の係数が1となるように規格化を行ったが、PLD変動f(t−τ)の係数が1となるように規格化を行い、PLD変動f(t−τ)の導出を同様のアルゴリズム処理で行っても良い。このとき、PLD変動f(t)側の係数は、Gの逆数となる。つまり、t’=t−τ、τ'=Tb−τ(Tbはベルト一周の時間)とおき、上記数7の式の左辺に(−1/G)を乗じれば右辺をf(t')−(1/G)f(t'−τ')と表せるので、上述したことと同様にFIRフィルタを用いてPLD変動を検出できる。
本認識方法では、上記数10において、f(t−3τ)=f(t)としてベルトPLD変動f(t)を導出しているため、3τがちょうどベルト1周とならないと、ベルト移動速度に制御誤差が発生する。よって、本認識方法によりPLD変動によるベルト移動速度変動を抑制しようとしても、多少のベルト移動速度変動は残ってしまう。このような(2Nb+1)τがちょうどベルト1周とならない要因としては、上記2つのローラ配置をローラ間のベルト搬送区間(距離)とベルト全搬送区間(周長)との比が1:(2Nb+1)となる位置関係がらずれていることや、ベルト周長の経時、環境変化、ベルト周長の製造誤差などがあげられる。上記2つのローラの位置関係の誤差はベルト全周に対して10%程度に抑えることが望ましい。ローラ設置位置は、以下に説明するベルト速度変動の許容範囲となるようにすればよい。
一般に、ベルト103に生じるベルト移動速度変動は、上記PLD変動だけでなく、駆動伝達系における歯車の偏芯や累積ピッチ誤差なども原因となる。したがって、PLD変動によるベルト移動速度変動の許容範囲は、設計上でPLD変動に対して割付けられる許容範囲となる。ここで、本実施形態の複写機における中間転写ベルト10の駆動制御においては、上述したように、ベルト移動速度変動によって色ズレやバンディングが発生する。このような色ズレやバンディングは、ベルト移動速度変動によって、実際のベルト移動位置が目標とするベルト移動位置からズレることに起因して発生するものであり、そのベルト移動位置のズレ量が大きいほど悪化する。そして、この色ズレやバンディングは、シート上の画像を見た人間に知覚されるものであり、実際上問題ないレベルに抑えるための許容範囲は、例えばバンディングについては、画像濃度の変化の間隔(距離)を示す空間周波数fsにより定義することができる。この空間周波数fsは、時間周波数fとの間に一定の関係{f=F×fs(F:定数)}を有するので、バンディングの許容範囲として決められた空間周波数fsの許容範囲内に収まるような、ベルト移動位置のズレ量の許容範囲も定義することができる。その結果、ベルト移動速度変動の許容範囲も定義することができる。
次に、上記認識方法により求めたPLD変動f(t)を用いて、PLD変動によるベルト移動速度の変動を抑制する具体的なベルト駆動制御について説明する。
PLD変動f(t)を用いた具体的なベルト駆動制御については、装置構成に応じて複数の制御方法が考えられる。ここでは、ベルト103のホームポジションを検出する機構を有する装置構成についての制御例(ベルト駆動制御例1)と、このような機構を有しない装置構成についての制御例(ベルト駆動制御例2)の2つを例に挙げる。
〔ベルト駆動制御例1〕
上記PLD変動f(t)を用いて、PLD変動に応じた適切なベルト駆動制御を行うには、ベルト103上におけるPLD変動の位相(ベルト1周を2πとしたときの位相)を把握する必要がある。この位相を把握する方法としては、まず、本ベルト駆動制御例1のように、ベルト103のホームポジションマークを予め決めておき、それを検知し、タイマーによる時間計測情報、駆動モータ回転角情報、回転型エンコーダ出力による回転角情報のいずれかを用いて、この位相を把握する方法が挙げられる。
図8は、本ベルト駆動制御例1におけるベルト103のホームポジションマークを検知するための装置構成を示す模式図である。
本制御例1では、ベルト103上にホームポジションマーク103aを設け、これをマーク検知手段としてのマーク検知センサ104により検知することで、ベルト1周の基準となる位相を把握する。本例においては、ホームポジションマーク103aとしてベルト103上に所定位置に貼り付けられた金属膜を用い、マーク検知センサ104として固定部材に設けられた反射型のフォトセンサを用いている。このマーク検知センサ104は、ホームポジションマーク103aが検知領域を通過するときにパルス信号を出力する。ホームポジションマーク103aを設ける位置は、画像形成に影響を与えないように、ベルト内周面又はベルト外周面のベルト幅方向端部とする。ホームポジションマーク103aや、マーク検知センサ104のセンサ面には、トナーやインクなどの像形成物質が付着することがある。この場合、ベルト103のホームポジションを誤認識してしまうおそれがある。よって、マーク検知センサ104には、このような誤認識を排除するために、センサ出力振幅、パルス幅やパルス間隔を管理しながら正確なベルトホームポジションを認識するための機能を付加するのが望ましい。なお、ホームポジションマーク103aは少なくとも1個は必要であるが、誤認識を排除しやすいように複数設けてパターン化してもよい。
図9は、本ベルト駆動制御例1の制御動作を説明するための説明図である。なお、図示の例では、説明の便宜上、マーク検知センサ104の位置が図8に示した位置と異なっている。
駆動モータ106により発生した回転駆動力は、駆動ギヤ106a及び被駆動ギヤ105aからなる減速機構を介して駆動ローラ105に伝達される。これにより駆動ローラ105が回転し、ベルト103が図中矢印Aの方向に移動する。このベルト103の移動により、第1ローラ101及び第2ローラ102が連れ回り回転する。これらのローラ101,102には、それぞれ回転型エンコーダ101a,102aが設けられており、その出力信号はデジタル信号処理部の角速度検出部111,112に入力される。この回転型エンコーダは、歯車等の減速器を介して接続しても良い。第1ローラ101及び第2ローラ102においては、ベルト103の内周面との間ですべりが生じないように、表面処理を施し、かつ、ベルト巻付角等を設定してある。本例では、第1ローラ101よりも第2ローラ102の方が径が大きい。デジタル信号処理部で計算されて出力されるモータ制御信号は、DA変換器116を介してサーボアンプ117に入力され、サーボアンプ117はその制御信号に応じて駆動モータ106の駆動させる。
デジタル信号処理部において、第1角速度検出部111は、第1回転型エンコーダ101aの出力信号から、第1ローラ101の回転角速度ω1を検出する。同様に、第2角速度検出部112は、第2回転型エンコーダ102aの出力信号から、第2ローラ102の回転角速度ω2を検出する。コントローラ110は、複写機本体からの目標ベルト速度指令に応じて、ベルト103のPLD変動データに応じた制御目標値ωref1を算出する。具体的には、まず、第1ローラ101の回転角速度ω1が複写機本体からの目標ベルト速度指令に基づく指令制御目標値ωref1に維持されるように、ベルト103を駆動させる。すなわち、第1ローラ101の回転角速度ω1が一定になるように、ベルト103を駆動させる。したがって、このときの指令制御目標値ωref1は上述した一定の回転角速度ω01となる。第1ローラ101の回転角速度ω1が一定になったら、マーク検知センサ104からのパルス信号を基準として、上記認識方法により、第2ローラ102の回転角速度ω2からPLD変動f(t)のデータを取得する。そして、このPLD変動f(t)のデータに応じた適切な補正制御目標値ωref1を生成し、出力する。
このようにしてコントローラ110から出力された補正制御目標値ωref1は、比較器113により第1ローラ101の回転角速度ω1と比較され、その偏差が比較器113から出力される。この偏差は、ゲイン(K)114及び位相補償器115に入力され、その位相補償器115からモータ制御信号が出力される。ゲイン(K)114に入力される偏差は、ベルト103のPLD変動を補正した制御目標値ωref1と、検出された第1ローラ101の回転角速度ω1との偏差である。本実施形態において、この偏差は、駆動ローラ105とベルト103との間におけるすべりや駆動ギヤ106a及び被駆動ギヤ105aの偏心などによる駆動伝達誤差、駆動ローラ105の偏心によるベルト移動速度変動などによって生まれる。モータ制御信号により、この偏差を小さくし、ベルト103が等速移動するように、駆動モータ106を駆動させる。そのために例えば、PID制御器を使い、制御対象のベルト103が目標速度に対しての偏差が減るようにし、かつ、オーバーシュート、発振が無く安定するように、調整されてモータ制御信号が出力される。
ベルト移動速度Vを一定の速度V0に維持するためには、第1ローラ101の回転角速度ω1を、下記の数14に示すように導出される式になるように制御すればよい。なお、第2ローラ102の回転角速度ω2を制御するとすれば、下記の数15に示す式になるように制御することになる。
Figure 2007147735

Figure 2007147735
本ベルト駆動制御例1では、ベルト103にベルト周方向におけるPLDの変動があっても、上述したように、第1ローラ101の回転角速度ω1がPLD変動f(t)により補正された補正制御目標値ωref1となるように制御される。よって、PLD変動によるベルト移動速度の変動を抑制することができる。
〔ベルト駆動制御例2〕
次に、図8に示したようなホームポジションを検知する機構を無くし、コスト低減を図ったベルト駆動制御例2について説明する。
基本的な処理は、上記ベルト駆動制御例1と同様であるが、本ベルト駆動制御例2では、マーク検知センサ104のパルス信号の代わりに、ベルト103のホームポジションを仮想的に特定するための仮想ホームポジション信号を用いてベルト103のホームポジションを把握する。例えば、仮想ホームポジション信号として、回転型エンコーダ101a,102a等により得られるローラの累積回転角を用いて、ベルト103が任意の位置から1周したことを予測する。この場合、ベルト103が1周する間にローラが回転するときの累積回転角は予め把握することができるので、その累積回転角からベルト103が1周したことを予測することができる。このとき、累積回転角のカウントを開始した時点がPLD変動f(t)のt=0となる。そして、この時点が、上記ベルト駆動制御例1におけるマーク検知センサからのパルス信号を受信した時に相当する。
上記仮想ホームポジション信号は、ベルト103の回転周期ごとに発生するように設定される。この設定の方法は、上述したローラの累積回転角のほかにも、種々考えられる。例えば、駆動モータ106の累積回転角を用いてベルト103が任意の位置から1周したことを予測し、ベルト1周に相当する累積回転角に達したときに、仮想ホームポジション信号を発生させるように設定する方法が考えられる。また、ベルト103が予め決められている平均移動速度で移動するのであれば、その平均移動速度からベルト1周するのに要する時間を予測し、ベルト1周に相当する時間に達したときに、仮想ホームポジション信号を発生させるように設定する方法が考えられる。
なお、本ベルト駆動制御例2において、ベルト103が1周したことの予測は、ベルトのPLD平均値であるPLDaveやローラ径などの部品精度、環境変化、部品の経時変化などにより、実際のものとの誤差が生じる。
仮想ホームポジション信号による予測したベルト1周と実際のベルト1周との間に誤差があると、PLD変動f(t)の位相が累積的にズレることになる。そのため、PLD変動f(t)のデータにより上述したベルト駆動制御を行うと、ベルト移動速度の変動が発生し、大きくなってしまう。
この点について詳しく説明すると、仮想ホームポジション信号を基準にPLD変動f(t)を求めた場合でも、第1ローラ101の目標回転角速度を上記数14の式に示したωref1で制御したときには、第2ローラ102で検出される回転角速度ω2は、上記数15の式に示したωref2とならなければならない。ここで、仮想ホームポジション信号から得られる仮想ホームポジションが実際のホームポジションと時間dだけズレているとすると、このときのベルト移動速度Vdは、下記の数16に示す式となる。
Figure 2007147735
この式に、上記数14に示した式を代入して変形すると、下記の数17に示す式となる。
Figure 2007147735

このときの第2ローラ102の回転角速度ω2dは、下記の数18に示すとおりである。
Figure 2007147735

そして、この式に、上記数17に示した式を代入して変形すると、下記の数19に示す式となる。
Figure 2007147735
したがって、仮想ホームポジション信号から得られる仮想ホームポジションが実際のホームポジションと時間dだけズレていることによる、第2ローラ102の回転角速度のズレ量ωは、下記の数20に示す式のとおりである。第2ローラの回転角速度のズレ量ωは、第2ローラの回転角速度検出データω2dと第2ローラのあるべき基準データωref2との差として求められる。
Figure 2007147735
この式に、上記数16に示した式及び上記数19に示した式を代入して変形すると、下記の数21に示す式が得られる。
Figure 2007147735
上記数21に示す式で表現されたズレ量ωは、第1ローラ101において仮想ホームポジションが実際のホームポジションから時間dだけズレたことによって発生する変動成分(第1項)と、第2ローラ102でも同様に仮想ホームポジションが実際のホームポジションから時間dだけズレたことによって発生する変動成分(第2項)とが重畳した結果であることがわかる。
このズレ量ωの絶対値が一定の値を超えたとき、あるいはズレ量ωのベルト1周での絶対値の平均、2乗平均あるいは2乗平均の平方根が一定の値を超えたときに、現在認識しているPLD変動f(t)を補正する。この補正は、第1ローラ101の回転角速度ω1を一定の回転角速度ω01に制御した状態で第2ローラ102の回転角速度ω2を検出し、これにより新たなPLD変動f(t)を求めることで、その後、このf(t)のデータを用いて第1ローラ101の回転角速度ω1が基準の回転角速度ωref1と一致するように制御する。
〔PLD変動の更新〕
次に、一度求めたPLD変動f(t)を更新する処理について説明する。
ベルト材質によっては、環境(温湿度)の変化や経時使用による摩耗によってベルト厚みが変わったり、繰り返しの曲げ伸ばしによってヤング率が変わったりして、ベルト103のPLDが経時的に変化し、これによりベルト103のPLD変動が変わる場合がある。また、ベルト103を交換したことにより、そのPLD変動が交換前のPLD変動から変化する場合もある。また、上記ベルト駆動制御例2で述べたように仮想ホームポジションが実際のホームポジションからズレる場合もある。このような場合には、PLD変動f(t)を更新する必要がある。
PLD変動f(t)を更新する方法に関しては、大きく分けて、間欠的に更新する方法と連続的に更新する方法の2通りが考えられる。前者の方法としては、PLD変動f(t)によるベルト駆動制御が適切になされているかを監視し、適切になされていないと判断したときにだけPLD変動f(t)を更新する方法が挙げられる。また、このような監視を行わずに、定期的にPLD変動f(t)を更新する方法も挙げられる。後者の方法としては、常にPLD変動f(t)を求めて、PLD変動f(t)を連続的に更新する方法が挙げられる。
ここで、まず、一度求めたPLD変動f(t)に対して更新を行う原理について説明する。
一度正確にPLD変動f(t)を求めたとすると、第1ローラ101の回転角速度ω1は上記数14の式に示されたωref1に維持される。ここで、実際のPLD変動がf(t)からg(t)に変化したとき、第2ローラ102の回転角速度の変化ωは、下記の数22に示す式のようになる。
Figure 2007147735
これは、上記数21に示した式と同様に、第1ローラ101においてPLD変動f(t)がg(t)へ変化したことによって発生する変動成分(第1項)と、第2ローラ102においてPLD変動f(t)がg(t)へ変化したことによって発生する変動成分(第2項)とが重畳した結果であると言える。したがって、以下に示すPLD変動f(t)がg(t)へ変化したときの更新方法は、上記ベルト駆動制御例2のように仮想ホームポジションがズレることによる誤差も含めて、補正することができる。
上記数22に示した式を、下記の数23に示す式を用いて変形すると、下記の数24に示す式となる。この数24の式中の「G」は、上記数9に示したものと同じである。
Figure 2007147735

Figure 2007147735
上記ε(t)は、上述したズレ量ωに基づいて、上記認識方法のようにフィルタ処理によって検出したりして求めることができる。そして、このε(t)を求めたら、変化前のPLD変動f(t)にε(t)を加えた新たなPLD変動f'(t)を求める。新たなPLD変動f'(t)は、下記の数25に示す式のとおり、変化後のPLD変動g(t)に等しい。
Figure 2007147735
したがって、PLD変動f(t)に代えて新たに求めたPLD変動f'(t)を用いてベルト駆動制御を行えば、変化後のPLD変動g(t)に応じた適切なベルト駆動制御を行うことができる。
なお、ここでは、上記ωから上記ε(t)を求め、このε(t)を用いてPLD変動f(t)をg(t)に修正して更新する方法について説明したが、このg(t)を直接求めて更新する方法であってもよい。
次に、上述したベルト駆動制御を行うために必要となる上記2つのローラ101,102の回転角速度ω1,ω2を検出するための回転型エンコーダの設置箇所について説明する。
上述したベルト駆動制御においては、互いに径が異なる(厳密には、上記数9に示したGが1でない)2つのローラの回転角速度を検出することができれば、ベルト103のPLD変動によるベルト移動速度変動を抑制することができる。この回転角速度を検出するための回転型エンコーダの設置箇所としては、例えば次の3通りが考えられる。第1は、図9に示したように、駆動ローラ105以外の互いに径が異なる2つの従動ローラに回転型エンコーダを設置する場合である(回転型エンコーダの設置例1)。第2は、駆動ローラ105と、この駆動ローラとは互いに径が異なる1つの従動ローラとに、回転型エンコーダを設置する場合である(回転型エンコーダの設置例2)。第3は、駆動ローラ105と、2つの径が異なる従動ローラ101,102とに、回転型エンコーダを設置するか、あるいはさらに駆動ローラ105と、この駆動ローラとは互いに径が異なる従動ローラ101,102に回転型エンコーダを設置する場合である(回転型エンコーダの設置例3)。なお、駆動ローラ105に回転型エンコーダを設置する場合には、回転型エンコーダを駆動ローラ105のローラ軸に設けるだけでなく、駆動モータ106のモータ軸に設ける場合も含まれる。
〔回転型エンコーダの設置例1〕
本設置例1においては、図9に示したように、回転型エンコーダを互いに径が異なる2つの従動ローラ101,102に設置する。この場合、上述したように、第1ローラ101の回転角速度ω1がコントローラ110にて決定される制御目標値ωref1となるようにフィードバック制御できる機能を有している。そのため、駆動伝達系の伝達誤差や駆動ローラとベルトとの間のすべりを補正した状態で、高精度にPLD変動f(t)を得ることができる。例えば、このように駆動ローラをフィードバック制御した状態において、第2ローラ101の回転角速度ω2の検出結果からPLD変動f(t)を求めることにより、駆動伝達系の伝達誤差、駆動ローラ105とベルト103とのすべりに依存しない精度の高いPLD変動f(t)を得ることができる。
〔回転型エンコーダの設置例2〕
図10は、本設置例2における制御動作を説明するための説明図である。
本設置例2においては、歯車を介してモータと駆動ローラが接続されているが、駆動モータ106として、DCサーボモータを用い、エンコーダの取り付けをモータ軸にするか、駆動ローラ軸にして回転角速度を検出し、フィードバック制御できる機能を有している。DCサーボモータのほかに入力駆動パルス周波数で回転角速度制御が可能なステッピングモータを用いてもよい。この場合は、エンコーダによるフィードバックがなくてもステッピングモータへの入力駆動パルス周波数で回転角速度を制御できるのでモータ軸あるいは駆動ローラには、エンコーダの設置は不要となる。本設置例2でも、駆動ローラ105及び従動ローラ102の回転角速度ωm,ω2を検出することができる。また、モータ軸の回転角速度ωmと駆動ローラ105の回転角速度とは一定の関係で回転する。したがって、このモータ軸の回転角速度ωmは、上記設置例1における第1ローラ101の回転角速度ω1に相当するものとなる。ただし、減速機構を備える場合は、その減速比を考慮した状態において回転角速度ω1に相当を求める。その結果、本設置例2においても、上記設置例1と同様に、高い精度でPLD変動f(t)を得ることができる。ただし、本設置例2においては、角速度検出部112において検出される第2ローラ102の回転角速度ω2には、駆動伝達系誤差や駆動ローラ105とベルト103間のすべりによる変動が含まれているため、これらの変動を軽減してPLD変動f(t)を求める必要がある。特に駆動ローラ105とベルト103間のすべりが発生しないようにローラの表面をあらすなどして摩擦係数が増えるようにする。しかし、本設置例2においては、従動ローラ101に回転型エンコーダ101aを設ける必要がないことから、その分だけ部品点数が少なくて済み、上記設置例1に比べて低コスト化を図ることができる。
〔回転型エンコーダの設置例3〕
図11は、本設置例3における制御動作を説明するための説明図である。
本設置例3においても、上記設置例2と同様に、駆動モータ106として、DCサーボモータやステッピングモータのように回転角速度を駆動制御できるものを採用する。また、本設置例3においては、上記設置例1と同様に、互いに径が異なる2つの従動ローラ101,102のそれぞれに回転型エンコーダ101a,102aを設置する。よって、本設置例3においては、上記設置例1と同様に、上記設置例1と同程度の高い精度でPLD変動f(t)を得ることができる。加えて、本設置例3においては、モータ軸の回転角速度ωm情報を取得する構成つまりマイナーループを取る構成であり、より安定した制御系の設計が可能となる。
また、モータ軸が一定の回転角速度で回転する、すなわち、駆動ローラ105が一定の回転角速度で駆動して、第1ローラ101及び第2ローラ102の平均回転角速度を求めることで、第1ローラ101及び第2ローラ102の径比を正確に求めることができる。その結果、例えば、第1ローラ101や第2ローラ102の径が製造ばらつき、環境変化や経時等により変化して、PLD変動f(t)を求める際に用いる各ローラのローラ実効半径R1,R2が実際のものからズレたとしても、これの径比を補正することができる。
ここでのローラ実効半径Rは、先述したように(r+PLDave)を示しており、ローラ半径、ベルトのPLDaveのばらつきにより変動する。上記数7において、ローラ実効半径Rは重要なパラメータであり、この比の精度が上がるとPLD変動の検出精度が上がる。このことは、認識方法1や認識方法3を用いた場合も同様である。第1ローラ101と第2ローラ102のローラ実効半径Rの比は第1ローラ101を一定回転角速度に制御して、第1ローラ101と第2ローラ102の回転角速度比、あるいは回転角比を求めることによっても得られるので、上記回転型エンコーダ設置例1,2にも同様なことが言える。また、回転型エンコーダ設置例3おいては、各ローラ101,102のPLD変動実効係数κ1,κ2の補正を行うこともできる。すなわち、駆動ローラ105及び第2ローラ102の回転角速度ωd,ω2を用いて、PLD変動f2(t)を求める。さらに駆動ローラ105及び第1ローラ101の回転角速度ωd,ω1を用いて、PLD変動f1(t)を求める。このようにして求めた2つのPLD変動f1(t)、f2(t)は、同じベルト103についてのものであるので、本来であれば互いに等しくなるはずである。しかし、各ローラ101,102のローラ実効半径R1、R2が正確であるとすると、PLD変動実効係数κ1,κ2の設定値誤差により、互いに等しくならないことがある。このような場合、上記2つのPLD変動f1(t)、f2(t)が互いに一致するようなPLD変動実効係数の比pκ1=κ1/κd、pκ2=κ2/κdd:駆動ローラ部でのPLD変動実効係数)を求め、PLD変動実効係数の比κ2/κ1を補正すれば、上に述べたようにローラ実効半径の比R1/R2は精度高く得られるので、上記数7の式より高精度なPLD変動f(t)の認識が可能となることがわかる。このことは、第1ローラ101か第2ローラのどちらかのローラ実効半径とPLD変動実効係数が変動し易いときに有効である。
ここで、第1ローラ101と第2ローラ102のPLD変動実効係数κの比を求める方法について説明する。上記数7に式より容易に推定できるように駆動ローラ105と第1ローラ101の関係は、下記の数26及び数27に示す式で表現できる。また、駆動ローラ105と第2ローラ102の関係は、下記の数28及び数29に示す式で表現できる。
Figure 2007147735


Figure 2007147735

ただし、ωdは駆動ローラの回転角速度、Rdは駆動ローラ実効半径、τ1は駆動ローラ105と第1ローラ101間をベルトが通過することによって決まる遅延時間である。
Figure 2007147735

Figure 2007147735

ただし、τ2は駆動ローラ105と第2ローラ102間をベルトが通過することによって決まる遅延時間である。
ここで、上で述べた方法でローラ実効半径の比pR1、pR2を求め、上記数28の式の左辺のR2をR2=(pR1/pR2)R1と置き換え、そして、PLD変動実効係数κ1,κ2の変動し易い方に対応するPLD変動実効係数比pκ1=κ1/κdあるいはpκ2=κ2/κd、を変更して、PLD変動導出結果がf1(t)=f2(t)となるようにする。そして、それぞれ求められた実効係数比から、第1ローラと第2ローラとのPLD変動実効係数比κ2/κ1を求める(pκ2/pκ1=(κ2/κd)/(κ1/κd)=κ2/κ1)。これにより、さらに高精度なPLD変動f(t)の認識が可能となる。上記数26の式の左辺にあるローラ実効半径R1の変動が少なく予め得られていれば、より精度が高くなる。あるいは、上記数28の式の左辺にあるローラ実効半径R2の変動が少なく予め得られていれば、同様に、より精度が高くなる。ただし、このローラ実効半径比、PLD変動実効係数比の導出のために回転情報検出の際には、駆動ローラ部でのベルトとのすべりが無いように、低速駆動を行うのがよい。
〔実施例1〕
次に、PLD変動f(t)の更新についての具体的な実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。なお、本実施例1は、上述したPLD変動f(t)の認識方法2を用いる。また、上記ベルト駆動制御例2のようにベルト103のホームポジションを検知する機構が無く、かつ、上記回転型エンコーダの設置例3のように駆動モータ106のモータ軸に回転型エンコーダも設けて駆動制御できるものを採用し、互いに径が異なる2つの従動ローラ101,102のそれぞれに回転型エンコーダ101a,102aを設置した場合の例である。もちろん、モータ軸上に回転型エンコーダを設けない構成でも実施可能であることは上述したとおりである。
図1は、本実施例1における更新処理を説明するための説明図である。なお、この図において、駆動モータ106に設置された回転型エンコーダ106bは、駆動モータ106として採用したDCサーボモータに備わっているものである。また、図中破線で囲んだ制御手段としてのデジタル信号処理部は、デジタル回路、DSP、μCPU、RAM、ROM、FIFO(Fast In Fast Out)等で構成される。もちろん、具体的なハードウェア構成はこの構成に限られない。図中の制御ブロックによっては、ファームウェアでの演算によって処理されるものもある。
本実施例1では、ベルト103のホームポジションを検知する機構が無いため、上記ベルト駆動制御例2で述べたように、仮想ホームポジションがずれて位相誤差が発生する。また、実際のベルト103のPLD変動が環境変化、経時変化によって変化するおそれもある。そのため、過去に求めたPLD変動f(t)を更新する必要が生じる。本実施例1においては、間欠的に更新を行うか又は連続的に更新を行うかは、CPUなどの演算処理部の負荷等に応じて任意に決めることができる。
間欠的に更新を行う場合、本実施例1においては、ベルト移動速度の変動を確認することにより、PLD変動f(t)の精度が一定の許容範囲内であるかを監視し、許容範囲を超えたときにPLD変動f(t)を更新する処理を行う。具体的には、上述したように、上記数23の式に示したε(t)の値の絶対値、絶対値の平均、2乗平均あるいは2乗平均の平方根が、予め決められた許容範囲内となっているかどうかを判断し、これが許容範囲を超えたときにPLD変動f(t)を更新する処理を行う。もちろん、本複写機の稼働時間や稼働量などに応じて、定期的に更新する処理を行ってもよい。なお、更新処理を行っても、ε(t)値の絶対値、絶対値の平均、2乗平均あるいは2乗平均の平方根が上記許容範囲内とならない場合は、前提となる各種初期値に間違いがあるので、エラーを報知するようにする。
詳しく説明すると、まず、コントローラ410は、スイッチSW1とSW2をオフにし、回転角速度の基準信号データω01(=V0/R1)と角速度検出部111で求めた第1ローラ101の回転角速度ω1とを比較し、第1ローラ101が一定の回転角速度ω01になるようにベルト103を駆動させる。2つの位相補償器115a,115bは、定常誤差をなくし、安定してフィードバック制御をするために機能するものである。第1ローラ101の回転角速度ω1が一定の回転角速度ω01になると、角速度検出部112で求めた第2ローラ102の回転角速度ω2は、上記数7に示した式より、下記の数30に示す式のようになる。この数30の式中の「G」は、上記数9に示したものと同じである。また、本実施例1では、デジタル処理を前提としているので、時間tの代わりにこれを時間離散的に表したtnを用いる。したがって、上述したPLD変動f(t)はf(tn)に置き換えられる。
Figure 2007147735
この第2ローラ102の回転角速度ω2からPLD変動f(tn)を求め、そのベルト1周分のデータを変動情報記憶手段としてのFIFO419に格納する処理を行う。この処理においては、まず、スイッチSW1とSW2がオフの状態において、検出された第2ローラ102の回転角速度ω2から、ブロック1302で演算された固定データ(R1・ω01)/R2が、減算器1313で差し引かれる。そして、この減算器1313から出力される値は、ブロック1304において固定データR2/(κ1・ω01)が乗じられ、その出力データは、ブロック1315のFIRフィルタに入力される。つまり、ブロック1304の出力データは、f(tn)−Gf(tn−τ)であり、このデータがFIRフィルタ1315に入力されることになる。このフィルタの出力は、PLD変動f(tn)のデータ列を構成する各データ(n番目時間離散PLD変動データ)fnとなる。コントローラ410は、第1ローラ101の回転角速度ω1を観測し、この回転角速度ω1が等速であり、かつ、FIRフィルタ1315から正確なPLD変動データfnが出力される時間経過後に、スイッチSW1をオンにする。これは、FIRフィルタ1315には、遅延要素が含まれているため、フィルタ実行初期においては、正確なPLD変動データfnの出力がなされないためである。そして、コントローラ410は、第1ローラ101のエンコーダ出力のパルス数をカウントしてベルト103が1周移動したことを確認したら、スイッチSW1をオフにする。FIRフィルタ1315から出力されるPLD変動データfnは、ちょうどベルト1周分のPLD変動データfnを記憶できる容量を持ったPLD変動データFIFO419内に蓄積される。本実施例1においては、このFIFO419内のデータが空の場合、スイッチSW1をオンすることにより、PLD変動データfnが格納される。
このように、PLD変動データfnは、ベルト103の回転に対応してFIFO419内に蓄積されることになる。このPLD変動データfnを使い、第1ローラ101の基準データωref1を下記の数31に示す式に従って発生させれば、PLD変動f(tn)に対応した駆動制御がされることになる。
Figure 2007147735

この数31に示す式の中かっこ内の演算処理は、ブロック1309で行われる。そして、図1に示す2つのスイッチSW2をオンにすることで、第1ローラ101の基準データωref1が減算部1310から出力されることになる。
また、スイッチSW2をオンにすることで、上記数24に示した式で表される制御誤差ωを検出する処理が行われる。この処理においては、まず、FIFO419に蓄積されているPLD変動データfnから予測される第2ローラ102の回転角速度変動がブロック1307,1308で演算され、ブロック1301の一定の回転角速度ω01が加算された後、ブロック1302で演算されて、各速度検出部112で検出された回転角速度ω2から減算器1313で差し引かれる。この減算器1313からの出力は、上記数24に示した式のωとなる。これがブロック1304に入力される。これにより、FIRフィルタ1315の出力は、PLD変動誤差データεnとしてコントローラ410に入力される。そして、コントローラ410は、このPLD変動誤差データεnが所定値を超えたとき、スイッチSW1をベルト1周分に相当する時間だけオンにし、新しいPLD変動データfnを求め、これをFIFO419に格納して更新する。なお、FIFO419に既に更新前のPLD変動データfnが格納されている状態で、スイッチSW1,SW2が両方ともオンになると、加算器1306において上記数25の式で示したPLD変動の修正が行われ、修正されたPLD変動データがFIFO419に再格納される。
なお、FIFO419にPLD変動データfnを蓄積する場合、ベルト複数周分のデータfnを取り、それを平均化したものをFIFO419に格納してもよい。この場合、FIFO419は、過去情報記憶手段としても機能する。また、PLD変動誤差データεnも、同様に、ベルト複数周分のデータεnを取り、それを平均化したものを使うようにして歯車のバックラッシュやノイズ等で発生するランダムな変動による誤差を低減するようにしてもよい。
次に、連続的に更新を行う場合について説明する。この場合、常に上記数25の式に示したPLD変動の修正を実行する。つまり、図1において、スイッチSW1,SW2の両方をオンの状態にする。
具体的には、まず、PLD変動データFIFO419が空の場合、コントローラ410は、スイッチSW1をオフにし、基準信号ω01と角速度検出部111で求めた第1ローラ101の回転角速度ω1とを比較し、第1ローラ101が一定の回転角速度ω01になるようにベルト103を駆動させる。そして、FIRフィルタ1315の出力が安定したら、スイッチSW1をオンして、PLD変動データfnをベルト1周分だけFIFO419に蓄積する。その後、両スイッチSW1,SW2を両方ともオンの状態にすると、FIRフィルタ1315の出力データεnとFIFO419の出力データとを加算したものが、再度FIFO419へ入力される新しいPLD変動データfnとなる。このデータεnは、上記数22及び上記数24に示した式の関係より、FIRフィルタの出力より得られるPLD変動誤差データである。この場合、誤差が修正されたPLD変動データfnがFIFO内でベルト1周期に対応して回転している。このPLD変動データfnを使い、第1ローラ101の基準信号ωref1を上記数31に示す式に従って発生させれば、PLD変動f(tn)の対応した駆動制御がされることになる。このとき、コントローラ410がPLD変動誤差データεnが所定値を超えたと判断したら、複写機本体に異常を知らせる。
なお、本実施例1においては、PLD変動データfnの記憶入力データがクロック信号によってシフトするFIFO419や入力データを一定時間遅延して出力するブロック1307のメモリ機能を用いて実現したが、アドレス管理されたメモリ機能により実現してもよい。
〔実施例2〕
次に、PLD変動f(t)の更新についての他の実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。なお、本実施例2においては、上記実施例1のようにPLD変動データfnを修正するのではなく、FIFO419へ新たに求めたPLD変動データfnを逐次蓄積して制御する場合について説明する。また、以下の説明では、FIFO419へ新たに求めたPLD変動データfnを逐次蓄積し、ベルト一周前のPLD変動データfnを使って連続的に更新を行う場合の例について説明する。
まず、第2ローラ102の回転各速度ω2を検知し、それからFIFO419内に格納されているPLD変動データfnから算出される基準データωref1を除いたデータから新たにPLD変動データgnを求める。つまり、現在FIFO419内に格納されているPLD変動データfnに基づいてベルトを駆動制御している状態で、仮想ホームポジションを基準に第2ローラ102の回転角速度ω2'を検出する。そして、このときの基準データωref1を(R1/R2)倍し、これをその回転角速度ω2'から差し引き、これより得られた信号ω2''を用いて新たな基準データを求め、これを基準に駆動制御を行う。
仮想ホームポジションを基準にして検出される第2ローラ102の回転角速度ω2'は、下記の数32に示す式となる。
Figure 2007147735

ここで、上記信号ω2''は下記の数33に示す式から求まる。
Figure 2007147735

したがって、上記数31及び上記数32に示した式から、下記の数34に示す式が得られる。この数34の式中の「G」は、上記数29に示したものと同じであり、本実施例2における第1ローラ101及び第2ローラ102のローラ径比の関係から1よりも小さい値をとる。
Figure 2007147735

この数34に示す式から、PLD変動データg(tn)を求めることができる。具体的には、例えば上述したFIRフィルタやにより、新たなPLD変動データgnのデータ列として得ることができる。
図12は、本実施例2における更新処理を説明するための説明図である。なお、この図において、駆動モータ106に設置された回転型エンコーダ106bは、上記実施例1と同様に、駆動モータ106として採用したDCサーボモータに備わっているものである。また、図中破線で囲んだデジタル信号処理部は、デジタル回路、DSP、μCPU、RAM、ROM、FIFO(Fast In Fast Out)等で構成される。もちろん、具体的なハードウェア構成はこの構成に限られない。図中の制御ブロックによっては、ファームウェアでの演算によって処理されるものもある。
本実施例2では、まず、コントローラ510は、スイッチSW1をオフにし、基準データω01(=V0/R1)と角速度検出部111で求めた第1ローラ101の回転角速度ω1とを比較し、第1ローラ101が一定の回転角速度ω01になるようにベルト103を駆動させる。第1ローラ101の回転角速度ω1が一定の回転角速度ω01になると、角速度検出部112で求めた第2ローラ102の回転角速度ω2は、下記の数35に示す式のようになる。
Figure 2007147735
ここで、減算器1310から出力されるω01は、ブロック1302で(R1/R2)倍され、その固定データ(R1・ω01)/R2が減算器1313に入力される。そして、この減算器1313から出力される値は、ブロック1304において固定データR2/(κ1・ω01)が乗じられる。この出力データは、ブロック1315のFIRフィルタあるいはIIRフィルタに入力される。つまり、ブロック1304の出力データは、f(tn)−Gf(tn−τ)であり、このデータがFIRフィルタに入力されることになる。このフィルタの出力は、PLD変動f(tn)のデータ列を構成する各PLD変動データfnとなる。コントローラ510は、第1ローラ101の回転角速度ω1を観測し、この回転角速度ω1が等速であり、かつ、FIRフィルタから正確なPLD変動データfnが出力される時間経過後に、スイッチSW1をオンにする。これは、FIRフィルタに遅延要素が含まれているため、フィルタ実行初期においては、正確なPLD変動データfnの出力がなされないためである。このPLD変動データfnを使い、第1ローラ101の基準データωref1を上記数31に示した式に従ってブロック1309にて演算すれば、PLD変動f(tn)の対応した駆動制御がされることになる。
なお、本実施例2において、上記FIFO419は、PLD変動データfnの導出演算あるいはブロック1309の乗算を含むデジタル信号処理に時間を要する構成を採ったときに挿入される。つまり、ベルト1周分前のPLD変動データfnにより上記基準信号ωref1が生成される。また、第1ローラ101の回転角速度ω1は、上記基準データωref1で制御されているので、図中1点鎖線でしめしたように、第1ローラ101の回転角速度検出データω1を直接ブロック1302に入力する構成としてもよい。
また、本実施例2において、上記信号ω2''に、第1ローラ101と第2ローラ102のローラ径の製作バラツキや温度による変化、あるいは演算誤差によるDC成分誤差などが含まれていると、その後のFIRフィルタのフィルタ処理において誤差が発生する。この誤差が問題となるときには、上記信号ω2''のDC成分を取り除く高域通過型フィルタをFIRフィルタのフィルタ処理前に挿入する。
また、上述した実施例1、2において、FIRフィルタであるブロック1315の内部又はその後段に、1/(1‐G2Nb+1)の乗算ブロックを設ける。これは、上記認識方法では、Nb=1のとき、ブロック1315の出力データであるf(tn)−G3f(tn−3τ)を、f(tn)=f(tn−τ)と近似し、(1−G3)f(tn)としてPLD変動データfnを算出するからである。
また、上述した実施例1、2において、角速度検出部112で検出される第2ローラ102の回転角速度ω2に基づいて、第1ローラ101、第2ローラ102の回転周期、その他の周期変動、さらにはノイズを含む高域の周波数領域の変動を除去するために、低域通過型フィルタを挿入してもよい。これにより、PLD変動によるベルト移動速度変動の補正制御を、より高い精度で安定して抑制することができる。この低域通過型フィルタは、FIRフィルタの前、あるいは、角速度検出部112の後に設ければよい。また、上述した実施例1、2において、歯車のバックラッシュあるいはノイズ等に発生するランダムな検出誤差を減らすために平均化処理してもよい。つまり、ベルトN(自然数)周分のデータfnをRAM(ランダムアクセスメモリ)へ先入れ先出し(FIFO:First In First Out)の形で取り込み、RAM上にあるベルトN回分あるいはそれ以下のデータを平均化処理し、これをPLD変動データとして使う。連続的にPLD変動データを更新しているときは、ベルト1回転前から多くてもN回転前までのPLD変動データを平均化したデータで基準データが生成される。
また、上述した実施例1、2において、回転角速度を示す上記基準データωref1を回転角変位を示すものに変換し、これを第1ローラ101に設けられた回転型エンコーダ101aの出力から得られる回転角変位と比較して制御を行うことも可能である。
また、上述した実施例1、2において、第1ローラ101に設けられた回転型エンコーダ101aの出力に基づいて連続的に出力されるパルス位相を制御するように、上記基準データωref1をパルス列に変換してPLL制御をしてもよい。
以上、実施形態におけるベルト駆動制御装置は、ベルト103が掛け渡された複数の支持回転体としての支持ローラ101,102,105のうち回転駆動力が伝達される駆動支持回転体である駆動ローラ105の回転を制御することにより、該ベルト103の駆動を制御するものである。このベルト駆動制御装置は、上記複数の支持ローラのうち、ローラ実効半径が異なるか、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分のPLDが該ベルトの移動速度Vと自己の回転角速度ω1,ω2との関係に影響する度合いが互いに異なる2つの第1ローラ101及び第2ローラ102における回転角変位又は回転角速度の検出結果に基づいて、ベルト103の周方向におけるPLD変動により生じるベルト移動速度Vの変動が小さくなるように、駆動ローラ105の回転制御を行う制御手段としてのデジタル信号処理部を有する。本実施形態において、このデジタル信号処理部は、ベルト103の移動経路上における任意の地点を仮想のホーム位置として、PLD変動情報f(t)を求め、このPLD変動情報f(t)を用いて上記回転制御を行う。この装置によれば、上述のように、ローラ実効半径R1,R2の大きさ、ベルトの巻付角θ1,θ2、ベルトの材質、ベルトの層構造等によって、2つの従動ローラ101,102の回転角速度ω1,ω2から検出されるベルト周方向におけるPLD変動分の大きさが異なることを利用し、これらのローラ101,102の回転角変位又は回転角速度ω1,ω2から、ベルト移動速度Vとローラ101,102の回転角速度ω1,ω2との関係に与えるPLD変動を、その変動が複雑なものであっても、高い精度で特定することができる。これにより、PLD変動によるベルト移動速度の変動が小さくなるように、ベルト103を高精度で駆動制御することができる。
そして、本実施形態においては、PLD変動の認識方法において説明したように、2つのローラ101,102間のベルト搬送区間(距離)とベルト全搬送区間(周長)との比が1:(2Nb+1)の関係となるようにローラ配置し(ただし、「Nb」は自然数である。)、同一時刻にそれぞれ検出した2つのローラ101,102の回転角変位又は回転角速度ω1,ω2の検出結果に基づいて得られるデータ(上記数7に示した式の左辺のデータ)、又は、これらのローラ101,102の一方を等角速度ω01に維持した状態で他方の回転角変位又は回転角速度ω2に基づいて得られるデータは、2つのPLD変動情報f(t),f(t−τ)が含まれた検出情報であることから、上記数7に示す式に従い、一方のPLD変動情報の係数が1となる規格化を行い、フィルタ長が(2Nb+1)のFIRフィルタ処理を行い、1/(1−G2Nb+1)を乗算した処理結果をPLD変動情報として用いて上記回転制御を行う。FIRフィルタ処理とは、入力された時間関数に対して、それぞれ2Nb個の異なるゲインを与えるとともに、上記2つのローラ101,102間をベルト103が移動するのに要する移動時間である遅れ時間τに基づき、該入力された時間関数の位相を遅らせ又は進ませたものに対し、該入力された時間関数を含む(2Nb+1)個のデータを加算する加算処理を行うものであって、第n個目の加算処理前における該ゲインとして第n個目のゲインは、Gをn乗したものを用い、該所定時間τとして第n個目の位相遅れ(進み)量は、τをn倍したものを用いて行うものである。このとき、上記数9に示す式で示されるゲインGが1とは異なるように、上記2つの支持回転体のPLD変動実効係数κ1,κ2及び該2つの支持回転体における実効半径R1,R2を設定する。このような処理は、FIRフィルタを利用して行うことができるので、安定した処理が可能となる。
また、本実施形態においては、ベルト103が1周するのに要する時間Tbに相当する期間についてのPLD変動情報f(t)を記憶する変動情報記憶手段としてのPLD変動データFIFO419が設けられている。これにより、PLD変動情報f(t)の認識と補正の演算時間と演算装置の他処理ための演算時間を確保することができるようになる。
また、本実施形態においては、PLD変動情報f(t)を所定のタイミングで再び求める処理を行う。これにより、ベルト103のPLD変動が環境や経時使用によって許容範囲を超えて変化するタイミングで、PLD変動f(t)を再び求めることができる。その結果、ベルト103のPLD変動が変化しても、高精度なベルト駆動制御を維持することができる。特に、上記実施例1で説明したように、上記所定のタイミングを、ベルト103のベルト移動位置とPLD変動情報f(t)に基づいて予測されるPLD変動データと実際のPLD変動データとの差が許容範囲を超えたタイミングとすれば、より安定して高精度なベルト駆動制御を維持することができる。
また、本実施形態においては、上記実施例2で説明したように、PLD変動情報f(t)を求める処理を行いながら、上記回転制御を行うようにしてもよい。この場合、更に安定して高精度なベルト駆動制御を維持することができる。また、この場合、ベルト1周分のPLD変動情報f(t)を記憶しておく必要がなくなるので、そのような記憶手段が不要となる。
また、本実施形態においては、上述したように、少なくともベルト1周分の過去のPLD変動情報を記憶する過去情報記憶手段としてのPLD変動データFIFO419を設け、これに記憶された過去のPLD変動情報と新たに求めたPLD変動情報とから平均化処理等をして得られたものを上記PLD変動情報f(t)として用いて上記回転制御を行うようにしてもよい。この場合、過去に求めたPLD変動情報と新たに求めたPLD変動情報とを平均化処理等することが可能となるので、より高い精度でPLD変動情報f(t)を求められる。これによって、歯車のバックラッシュあるいはノイズ等によって発生するランダムな変動による検出誤差の影響を減らすことができる。
また、本実施形態におけるベルト装置は、支持ローラ101,102,105を含む複数のローラに掛け渡されたベルト103と、これを駆動するための回転駆動力を発生する駆動源としての駆動モータ106と、これらのローラのうち、ローラ半径が異なるか、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分のPLDが該ベルトの移動速度Vと自己の回転角速度ω1,ω2との関係に影響する度合いが互いに異なる2つの第1ローラ101及び第2ローラ102における回転角変位又は回転角速度ω1,ω2を検出する検出手段としての回転型エンコーダ101a,102a及び角速度検出部111,112とを有し、これらのローラのうち回転駆動力が伝達される駆動ローラ105の回転を制御することによりベルト103の駆動を制御するベルト駆動制御装置として、上述したベルト駆動制御装置を用いている。これにより、上述したように、高い精度でベルト103の駆動制御をすることができるベルト装置が実現される。
また、本実施形態の回転型エンコーダの設置例1では、上記2つのローラ101,102が、すべて、ベルト103の移動に伴って連れ回り回転する従動ローラである。この場合、PLD変動f(t)を求めるにあたり、その認識誤差要因となる変動成分(駆動ローラ105とベルト103との間のすべり等)に依存しない。よって、より高い精度でPLD変動f(t)を求めることができる。
特に、本実施形態の回転型エンコーダの設置例3で説明したように、上記駆動モータ106として、自己の回転角変位又は回転角速度ωmを検出し、その回転角変位又は回転角速度ωmが目標とする回転角変位又は回転角速度となるようにフィードバック制御するフィードバック制御手段を有するものを用いれば、より安定した制御系の設計が可能となる。また、上述した従動ローラ101,102のPLD変動実効係数κ1,κ2の補正を行うことも可能となるので、更に高い精度でPLD変動f(t)を求めることが可能となる。
また、本実施形態の回転型エンコーダの設置例2では、PLD変動情報f(t)を求めるための回転角変位又は回転角速度に係る2つのローラに、駆動ローラ105を含ませている。そして、この駆動ローラ105の回転角変位又は回転角速度を検出する検出手段として、駆動モータ106の回転角変位若しくは回転角速度ωmを検出するものか、又は、駆動モータ106に入力される目標回転角変位若しくは目標回転角速度を検出するものを用いる。これにより、たとえば駆動モータとしてパルスモータを用いれば、回転型エンコーダが少なくとも1つあればよいので、低コスト化を図ることができる。つまり、PLD変動情報f(t)を求めるための回転角変位又は回転角速度の一方が、回転角変位又は回転角速度が一定に保証できる駆動ローラ105の回転角変位又は回転角速度であることから、他のローラ102の回転角変位又は回転角速度ω2だけ上記PLD変動情報f(t)を求めることができ、その認識処理を簡単化することもできる。
また、本実施形態においては、上記ベルト駆動制御例1で説明したように、ベルト103の基準ベルト移動位置を把握するために、そのベルト103上の基準位置を示すマークであるホームポジションマーク103aを検知するマーク検知手段としてのマーク検知センサ104を設けている。そして、求めたPLD変動情報f(t)に対応するベルト移動位置と実際のベルト移動位置との関係を、そのマーク検知センサ104による検知タイミングに基づいて把握した上で、上記回転制御を行う。これにより、ベルト1周における基準位置が確定できるので、求めたPLD変動情報f(t)を、ベルト103のPLD変動に適合した状態でベルト駆動制御に用いることができ、適切にベルト駆動制御を行うことができる。
また、本実施形態においては、上記ベルト駆動制御例2で説明したように、求めたPLD変動情報f(t)に対応するベルト移動位置と実際のベルト移動位置との関係を、予め把握しているベルト103が1周するのに要する平均時間又は予め把握しているベルト周長に基づいて把握した上で、上記回転制御を行う。これにより、上記ホームポジションマーク103aをベルト103上に設けたり、上記マーク検知センサ104を設けたりしなくても、ベルト1周における基準位置(仮想ホームポジション)が確定することができる。よって、低コスト化を図ることができる。
また、上記ベルト103が、ベルト周方向の少なくとも1箇所につなぎ目を有するシームベルトである場合、当該つなぎ目部分が、他の部分に比べて厚くなっていたり、物性が変化していて他の部分と伸縮性が異なっていたりすることがある。このような場合、そのつなぎ目部分が他の部分と同じ厚みであっても、つなぎ目部分のPLDは当該他の部分のPLDから大きく外れることとなる。本実施形態のベルト駆動制御装置によれば、上述したように、突出したPLD変動をもつベルトについても、そのPLD変動を高い精度で特定することができる。したがって、このようなシームベルトについても、つなぎ目部分が駆動ローラに巻き付いた時に生じ得る突発的なベルト速度変動を抑制して、高精度で駆動制御することができる。
また、上記ベルト103が、ベルト厚さ方向に複数の層を有する複数層ベルトである場合、ベルト厚みが同じであっても、その層構造等によってPLDが変動し、ベルト速度変動が発生する。本実施形態のベルト駆動制御装置によれば、上述したように、PLD変動を特定してそのPLD変動に基づいて駆動制御を行うので、複数層ベルトについても高精度で駆動制御することができる。
なお、上述した説明は、回転角速度を回転角変位に変換しても同様である。これは、回転角速度を積分したものが回転角変位であり、PLD変動f(t)とローラの回転角変位との関係が同様に求まるためである。具体的には、検出した回転角変位から平均増加分(回転角変位の傾き成分)を除去することにより回転角変位変動を求め、この回転角変位変動から、回転角速度変動について上述した認識方法と同様の方法によって、PLD変動f(t)を取得する。
また、上述した実施形態において、ベルト103が逆に移動する場合、ベルトが回転していることを考慮すれば、上述した説明は、遅れ時間τをTb−τ(Tb:ベルト一回転時間)と置き換えればよい。このとき、2(Tb−τ)=2Tb−2τ=Tb−2τとし、N(Tb−τ)(N:自然数)の場合は、N(Tb−τ)=Tb−Nτとする。つまり、本認識手法2で説明したFIRフィルタを用いてPLD変動f(t)を検出しようとするとき、N(Tb−τ)時間のまま遅延時間として処理すると遅延時間処理が長くなるが、実際には、Tb−Nτ時間の遅延時間処理としても同じである。
また、上述した実施形態は、タンデム型画像形成装置の中間転写ベルトの駆動制御についての例である。本発明は、電子写真技術、インクジェット技術、印刷技術を用いた画像形成装置で用いられるベルト(紙搬送ベルト、感光体ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト等)の駆動制御において有用であることは上述したとおりである。これは、このような画像形成装置のベルトの駆動制御について非常に高い精度が要求されるからである。したがって、本発明は、ベルトの駆動制御について非常に高い精度が要求されるものについては、タンデム型画像形成装置以外の画像形成装置、あるいは、画像形成装置以外の装置についても有用である。
実施形態に係る複写機の駆動制御を行う部分のブロック図である。 同複写機全体の概略構成図。 同複写機に設けられる中間転写ベルトの層構造の一例を示す説明図。 同複写機に設けられるベルト装置の主要部を示す模式図。 実施形態におけるPLD変動の認識方法を説明するための制御ブロック図。 実施形態におけるPLD変動の認識方法を説明するための他の制御ブロック図。 図5の制御ブロック図をZ変換して表した制御ブロック図。 ベルト駆動制御例1におけるベルトのホームポジションを検知するための装置構成を示す模式図。 同ベルト駆動制御例1の制御動作を説明するための説明図。 回転型エンコーダの設置例2における制御動作を説明するための説明図。 回転型エンコーダの設置例3における制御動作を説明するための説明図。 実施例2における更新処理を説明するための説明図。 直接転写方式のタンデム型画像形成装置一例を示す概略構成図。 中間転写方式のタンデム型画像形成装置一例を示す概略構成図。 中間転写方式のタンデム型画像形成装置の中間転写ベルトの周方向におけるベルト厚みムラ(ベルト厚み偏差分布)の一例を示すグラフ。 駆動ローラに巻き付いたベルト部分をその駆動ローラの軸方向から見たときの拡大図。
符号の説明
10 中間転写ベルト
14,15,16 支持ローラ
18 画像形成部
40Y,40M,40C,40K 感光体ドラム
101 第1ローラ
102 第2ローラ
101a,102a,106b 回転型エンコーダ
103 ベルト
103a ホームポジションマーク
104 マーク検知センサ
105 駆動ローラ
106 駆動モータ
110,410,510 コントローラ
111,112 角速度検出部
210 搬送ベルト
214 従動ローラ
215 駆動ローラ
419 PLD変動データFIFO
610 キャリッジ
611 記録ヘッド
617 駆動プーリ
618 従動プーリ
619 タイミングベルト
1315 FIRフィルタ

Claims (17)

  1. ベルトの移動に伴って連れ回り回転する従動支持回転体と該ベルトに駆動力を伝達する駆動支持回転体とを含む複数の支持回転体に掛け渡された該ベルトの駆動制御を行うベルト駆動制御装置において、
    上記複数の支持回転体のうち、径が異なるか、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分のピッチ線距離が該ベルトの移動速度と自己の回転角速度との関係に影響する度合いが互いに異なる2つの支持回転体における回転角変位又は回転角速度の回転情報に基づいて、該2つの支持回転体の一方あるいは両方の回転情報に含まれる位相の異なる2つの回転変動情報から一方の値を算出する処理を行い、その処理結果を用いて上記ベルトの周方向におけるピッチ線距離の変動により生じる該ベルトの移動速度変動が小さくなるように上記駆動制御を行う制御手段を有し、
    該2つの支持回転体は、該2つの支持回転体間のベルト移動経路長とベルト全周長との比が2Nb+1(Nbは自然数)となるように配置されており、
    上記処理は、該2つの回転変動情報に対し、ベルト移動経路上における該2つの支持回転体間の距離をベルトが移動するのに要するベルト通過時間である遅延時間と、該2つの支持回転体の上記度合いに基づいたゲインとを与えた1個目から(2Nb+1)個目までの各情報を加算する加算処理するものであって、第n個目の情報の該ゲインとして第1個目の情報のゲインGを(n−1)乗したものを用い、第n個目の情報の該遅延時間として該ベルト通過時間を(n−1)倍したものを用いて行うものであることを特徴とするベルト駆動制御装置。
  2. 請求項1のベルト駆動制御装置において、
    上記ベルトが1周するのに要する時間に相当する期間についての回転変動情報を記憶する変動情報記憶手段を有することを特徴とするベルト駆動制御装置。
  3. 請求項4のベルト駆動制御装置において、
    上記制御手段は、上記変動情報記憶手段に記憶された回転変動情報と新たに求めた回転変動情報との差が許容範囲を超えたタイミングで、上記回転変動情報を再び求める処理を行うことを特徴とするベルト駆動制御装置。
  4. 請求項1、2又は3のベルト駆動制御装置において、
    上記制御手段は、上記回転変動情報を所定のタイミングで再び求める処理を行うことを特徴とするベルト駆動制御装置。
  5. 請求項1、2又は3ベルト駆動制御装置において、
    上記制御手段は、上記回転変動情報を求める処理を行いながら、上記駆動制御を行うことを特徴とするベルト駆動制御装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5ベルト駆動制御装置において、
    過去の回転変動情報を記憶する少なくともベルト一周分の過去情報記憶手段を有し、
    上記制御手段は、該過去情報記憶手段に記憶された過去の回転変動情報と新たに求めた回転変動情報とから得られたものを用いて、上記駆動制御を行うことを特徴とするベルト駆動制御装置。
  7. ベルトの移動に伴って連れ回り回転する従動支持回転体と該ベルトに駆動力を伝達する駆動支持回転体とを含む複数の支持回転体に掛け渡されたベルトと、該ベルトを駆動するための回転駆動力を発生する駆動源と、該ベルトの駆動制御を行うベルト駆動制御装置とを備えたベルト装置において、
    上記複数の支持回転体のうち、径が異なるか、あるいはまた、自己に巻き付いたベルト部分の厚み又はピッチ線距離が該ベルトの移動速度と自己の回転角速度との関係に影響する度合いが互いに異なり、かつ、互いの支持回転体間のベルト移動経路長とベルト全周長との比が2Nb+1(Nbは自然数)となるように配置された2つの支持回転体における回転角変位又は回転角速度の少なくとも一方を検出する検出手段を有し、
    上記ベルト駆動制御装置として、請求項1、2、3、4、5又は6のベルト駆動制御装置を用いたことを特徴とするベルト装置。
  8. 請求項7のベルト装置において、
    上記2つの支持回転体は、すべて、上記ベルトの移動に伴って連れ回り回転する従動支持回転体であることを特徴とするベルト装置。
  9. 請求項8のベルト装置において、
    上記駆動源は、自己の回転角変位又は回転角速度を検出し、該回転角変位又は回転角速度をフィードバックするフィードバック制御手段を有することを特徴とするベルト装置。
  10. 請求項7のベルト装置において、
    上記2つの支持回転体には、上記駆動支持回転体が含まれていることを特徴とするベルト装置。
  11. 請求項7、8、9又は10のベルト装置において、
    上記ベルトの基準ベルト移動位置を把握するために、該ベルト上の基準位置を示すマークを検知するマーク検知手段を有し、
    上記ベルト駆動制御装置の制御手段は、該マーク検知手段による検知タイミングを基準に上記回転変動情報を取得し、かつ、上記駆動制御を行うことを特徴とするベルト装置。
  12. 請求項7、8、9又は10のベルト装置において、
    上記ベルト駆動制御装置の制御手段は、ピッチ線距離の変動とベルト移動位置との関係情報を、予め把握している上記ベルトが1周するのに要する平均時間又は予め把握しているベルト周長に基づいて把握した上で、上記駆動制御を行うことを特徴とするベルト装置。
  13. 請求項7、8、9、10、11又は12のベルト装置において、
    上記ベルトは、ベルト周方向の少なくとも1箇所につなぎ目を有するものであることを特徴とするベルト装置。
  14. 請求項7、8、9、10、11、12又は13のベルト装置において、
    上記ベルトは、ベルト厚さ方向に複数の層を有するものであることを特徴とするベルト装置。
  15. 複数の支持回転体に掛け渡されたベルトからなる潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を記録材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
    上記潜像担持体を駆動させるベルト装置として、請求項7、8、9、10、11、12、13又は14のベルト装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  16. 潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、複数の支持回転体に掛け渡されたベルトからなる中間転写体と、該潜像担持体上の顕像を該中間転写体に転写する第1の転写手段と、該中間転写体上の顕像を記録材に転写する第2の転写手段とを備えた画像形成装置であって、
    上記中間転写体を駆動させるベルト装置として、請求項7、8、9、10、11、12、13又は14のベルト装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  17. 潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、複数の支持回転体に掛け渡されたベルトからなる記録材搬送部材と、該潜像担持体上の顕像を中間転写体を介して又は中間転写体を介しないで直接に、該記録材搬送部材で搬送されている記録材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、
    上記記録材搬送部材を駆動させるベルト装置として、請求項7、8、9、10、11、12、13又は14のベルト装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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