JP2007147655A - ガスセンサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】感応層の微細構造を最適化することにより高い選択性示すことができるガスセンサ素子を提供することを目的とする。
【解決手段】ガスセンサ素子1は、基板2の表面に形成された絶縁層3と該絶縁層3表面に形成された感応部4とを備え、感応部4は感応層41と電極42とを備え、感応層41は、酸化スズを主成分とし柱状の酸化スズ結晶集合体を主体とする下層411と下層411上に位置しRu、Rh、Pd、Ag、Os、Ir及びPtのうちの少なくとも1種含み、好ましくはPt及び/又はPdを主成分とする上層412とを備える。上記下層の層厚をx、上記上層の層厚をyとすると、11≦x/y≦63であることが好ましい。感応部4は、感応層41として無定形な酸化スズ結晶集合体を主体とする酸化スズを主成分とする層を備えても良い。
【選択図】図9

Description

本発明は、ガスセンサ素子に関する。更に詳しくは、被測定雰囲気に含まれる被検知ガスの検知を行うことができ、感応層における微細構造を最適化することにより高い選択性を示すことができるガスセンサ素子に関する。
本発明のガスセンサ素子は、各種のガスの検知及び濃度測定に利用することができる。特に、一酸化炭素ガス、炭化水素系ガス(LPG、都市ガス、天然ガス、メタンガス、ハロゲン化炭化水素系ガス等)、アルコール系ガス、アルデヒド系ガス、水素ガス、硫化水素ガス等の還元性ガス、及び/又は、窒素酸化物ガス、アンモニアガス及び塩素ガスやフッ素ガス等のハロゲン系ガス等の酸化性ガスの検知及び濃度測定に好適である。
従来より、マイクロマシニング技術を用い、基板に空間部を設け、少なくともその空間部上に絶縁層を配し、この絶縁層上に酸化スズを主成分とする感応層を設け、基板と感応層とを熱的及び電気的に隔離したガスセンサ素子が知られている。例えば、特開昭62−15449号公報、特開平3−20658号公報、特開平4−65662号公報及び特開平6−3308号公報等に開示されている。
しかし、これらのガスセンサ素子では、これまでに感応層の微細構造を最適化しようとする検討はなされていない。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、感応層の微細構造を最適化することにより高い選択性示すことができるガスセンサ素子を提供することを目的とする。
本発明のガスセンサ素子は、基板と、該基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、該絶縁層表面の少なくとも一部に形成された感応部とを備えるガスセンサ素子であって、上記感応部は、感応層と該感応層に接する電極とを備え、上記感応層は、上記絶縁層表面に位置し酸化スズを主成分とする下層と、該下層上に位置しRu、Rh、Pd、Ag、Os、Ir及びPtのうちの少なくとも1種を含有する上層とからなり、上記下層の主構造が、柱状の酸化スズ結晶集合体であることを特徴とする。
他の本発明のガスセンサ素子は、基板と、該基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、該絶縁層表面の少なくとも一部に形成された感応部とを備えるガスセンサ素子であって、上記感応部は、感応層と該感応層に接する電極とを備え、上記感応層は酸化スズを主成分とする層からなり、該酸化スズを主成分とする層の主構造が、微結晶の酸化スズ結晶集合体であることを特徴とする。
更に他の本発明のガスセンサ素子は、基板と、該基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、該絶縁層表面の少なくとも一部に形成された複数の感応部とを備え、上記複数の感応部は、感応層と該感応層に接する電極とを各々備えるガスセンサ素子であって、上記複数の感応部のうちの少なくとも1つの感応部に備えられた感応層は、上記絶縁層表面に位置し酸化スズを主成分とする下層と、該下層上に位置しRu、Rh、Pd、Ag、Os、Ir及びPtのうちの少なくとも1種を含有する上層とからなり、上記下層の主構造が、柱状の酸化スズ結晶集合体であり、上記複数の感応部のうちの他の少なくとも1つの感応部に備えられた感応層は、酸化スズを主成分とする層からなり、該酸化スズを主成分とする層の主構造が、微結晶の酸化スズ結晶集合体であることを特徴とする。
また、本発明及び更に他の本発明のガスセンサ素子は、上記下層の層厚をxとし、上記上層の層厚をyとすると、11≦x/y≦63とすることができる。
更に、上記上層は、Pt及びPdのうちの少なくとも一方を主成分とすることができる。
また、上記上層及び上記下層からなる上記感応層を備える上記感応部は、還元性ガスの検知に使用される還元性ガス感応部とすることができる。
更に、他の本発明及び更に他の本発明のガスセンサ素子は、上記酸化スズを主成分とする層からなる感応層を備える上記感応部は、酸化性ガスの検知に使用される酸化性ガス感応部とすることができる。
また、本発明、他の本発明及び更に他の本発明のガスセンサ素子は、少なくとも1つの空間部を有する上記基板と、該空間部上に位置し上記基板により支持された上記絶縁層と、上記絶縁層の内部であって上記空間部上に形成された発熱体と、該発熱体上に形成された上記感応部とを備えることができる。
本発明のガスセンサ素子によると、還元性ガスに対する選択性が著しく高いガスセンサ素子を得ることができる。一方、他の本発明のガスセンサ素子によると、酸化性ガスに対する選択性が著しく高いガスセンサ素子を得ることができる。
更に他の本発明のガスセンサ素子によると、酸化性ガスと還元性ガスとを同時に検知することができると共に、酸化性ガス及び還元性ガスに対する選択性が高いガスセンサ素子を得ることができる。
また、下層の層厚xと上層の層厚yとが所定の関係を満たすことにより、特に還元性ガスの感度が優れたガスセンサ素子を得ることができる。更に、上層がPt及びPdのうちの少なくとも一方を主成分とすることにより、特に還元性ガスの感度が高いガスセンサ素子を得ることができる。
また、所定の位置に空間部及び発熱体を設けた構造とすることにより感応層を効率よく昇温させることができ、従って、感応層の温度制御をより正確に行うことができるガスセンサ素子とすることができる。
以下、本発明のガスセンサ素子、他の本発明のガスセンサ素子及び更に他の本発明のガスセンサ素子(以下、「本ガスセンサ素子」ともいう。)について詳しく説明する。
〔1〕本ガスセンサ素子の共通の構成
本ガスセンサ素子は、基板と、この基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、この絶縁層表面に形成され且つ被検知ガスとの接触により出力信号に変化を生じる感応部とを備えるものである。
上記「基板」は、本発明の素子の基体となる部分である。基板を構成する材料は特に限定されないが、通常、半導体材料が用いられる。中でも、シリコンが多用される。基板の平面形状は特に限定されないが、例えば、矩形又は円形等とすることができる。また、その大きさも限定はされないが、縦0.1〜10mm、横0.1〜10mmであることが好ましい。また、基板の厚さも特に限定されないが、400〜500μmであることが好ましい。
また、上記基板は、空間部を備えることができる。上記「空間部」は、基板の一部が欠損した部分である。この欠損として、例えば、基板の表裏両面に開口して貫通する空洞、基板の表裏面の一方にのみ開口している凹部等を挙げることができる。
基板に形成された開口部の開口形状及び内部形状等は特に限定されない。但し、通常、開口形状は単純な形状であり、例えば、矩形、円形等であることが好ましい。また、空間部の大きさも特に限定されないが、空間部が基板の表裏両面に開口している空洞の場合、2つの基板開口部のうち大きい方の開口部の開口面積が、通常、0.01〜4mmであり、特に0.25〜2mmが好ましい。また、空間部が凹部の場合も空洞の場合と同様に、基板開口部の開口面積が、通常、0.01〜4mmであり、特に0.25〜2mmが好ましい。空間部は基板上に幾つ備えてもよく、その数は特に限定されない。
また、空間部の形成方法は特に限定されないが、基板の一部をエッチングにより除去することで形成することができる。この際に用いるエッチングの方法は特に限定されず、ウェットエッチング法及びドライエッチング法(各々、異方性エッチング及び等方性エッチングを含む)等いずれを用いても良い。なかでも、上記の空洞を形成する場合には、異方性エッチング液を用いたウェットエッチング法が一般的に用いられる。
上記「絶縁層」は、後述する感応部の電極を基板から電気的に絶縁する層である。この絶縁層を形成する場所は、基板の表面であれば特に限定されず、用途、設計に合わせて必要な場所に形成する。但し、基板に空間部を有するときは、通常、少なくとも空間部上に位置し、且つ、基板により支持されるように絶縁層を形成する。
尚、本明細書において、上記「空間部上」とは、空間部が、基板の表裏両面に開口して貫通する空洞の場合、少なくともそのうちの一方の基板開口部の真上の部分であり、基板の表裏面の一方のみに開口する凹部等の場合、基板開口部の真上の部分である。上記空間部上の面積は、通常、約0.01〜4mm、好ましくは0.25〜2mmであり、その部分における絶縁層の厚さは約0.5〜2μmであることが好ましい。
絶縁層は、絶縁性を有すればどのような材料から構成されても良く、特に限定はされないが、例えば、SiO2、Si34及びSiOxy等のケイ素化合物等から構成することができる。また、絶縁層の形状及び厚さ等は特に限定されず、単層であっても複層であっても良い。
絶縁層の形成方法は特に限定されないが、例えば、熱酸化法等により基板の表面を改質して得ることができる。また、基板の表面に絶縁層となる成分を付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)させて得ることができる。その他、基板の表面に予め形成した絶縁層を貼り付けて得ることも可能である。
上記「感応部」は、被検知ガスとの接触により出力信号に変化を生じるものである。この感応部は、「感応層」と、この感応層に接して形成された「電極」とを備える。感応部の形成位置は上記絶縁層表面であれば特に限定されないが、絶縁層内部に後述する発熱体が形成されている場合、この発熱体上に形成されていることが好ましい。
上記「発熱体上」とは、発熱体の真上に位置する部分に、少なくとも感応層の一部が設けられているという意味である。特に、感応部の全体が発熱体の真上に位置していることが好ましい。
また、上記「電極」は、上記感応層に電圧を印加し、また、出力信号を取り出すためのものであり、上記感応層に対して各々一対の電極が上記感応層に接して形成されている。電極の膜厚としては、感応層の膜厚に対して同等以下の膜厚であることが好ましい。なぜなら、感応層の膜厚より電極の膜厚が厚いと、感応層が連続層として形成されない可能性があるからである。
また、電極の材質は、導電性が高いものであれば特に限定されないが、Pt、Au、Al等とすることができ、これらのうちPtが最も好ましい。また、これらは1種のみを用いても良いし2種以上を併用しても良い。また、電極の構造は単層に限定されず複層のものを用いても良い。複層の電極としては、例えば、Ti層(膜厚は、例えば10〜40nm)を形成後、Pt層(膜厚は例えば10〜70nm)を形成したものを用いることができる。電極の形成方法は特に限定されないが、所定の材料を絶縁層上に付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)させて得ることができる。
また、本ガスセンサ素子は、絶縁層内部に発熱体を備えることができる。上記「発熱体」は、電圧の印加により発熱し、昇温するものであり、この発熱体が発熱することにより、上記感応部を活性化させ、測定を可能としている。
また、通常、発熱体には、外部回路からの電圧を伝えるためのリード部が接続されている。
更に、発熱体の形成位置は、上記絶縁層内部であれば特に限定されないが、基板に空間部が形成されている場合、空間部上に形成されていることが好ましい。発熱体が空間部上に位置することにより、発熱体からの熱が基板を介して逃げることを防止し、感応部の温度をより精度良くコントロールでき、ガスセンサ素子の感度を向上させることができるからである。
発熱体を構成する材料は導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、白金単体、白金合金、ニッケル合金、クロム合金等を用いることができる。中でも、抵抗温度係数が大きく、長期の繰り返し使用においても抵抗値及び抵抗温度係数が変化し難いことから、白金単体及びニッケルクロム合金を用いることが好ましい。
発熱体の形成方法は特に限定されないが、所定の材料を絶縁層表面に付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)させ、その後、前述の空間部の形成方法にて例示した方法と同様な各種のエッチング方法により、不必要な部位を除去し、その後更にその表面を付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)によって他の絶縁層で覆うことによって、絶縁層内部に発熱体を形成することができる。
〔2〕感応層の詳細について
本発明のガスセンサ素子では、上記「感応層」は酸化スズを主成分とし、主として柱状の酸化スズ結晶集合体からなる「下層」と、上記元素等を含有する「上層」とを備える。
また、他の本発明のガスセンサ素子では、上記「感応層」は酸化スズを主成分とし、微結晶の酸化スズ結晶集合体を主構造とする層(以下、「微結晶酸化スズ層」と言う。)を備える。
更に他の本発明のガスセンサ素子では、複数の感応部を備え、これらのうちの少なくとも1つは上記上層及び下層を備え、他の少なくとも1つは上記微結晶酸化スズ層を備える。以下、これらの本ガスセンサ素子の感応層について詳細に説明する。
(1)感応層として上層及び下層を備える本発明のガスセンサ素子
上記「下層」は、被検知ガスの接触時と非接触時との間で抵抗値に変化を生じる層であり、感応部の出力信号の変化の原因となるものである。この下層は単層であっても、複層であっても良いが、通常は、単層である。また、下層にはその全体を100質量%とした場合に、酸化スズが90質量%以上(即ち、主成分とする)含有される。尚、本明細書において、上記「酸化スズ」とは、SnO2−X(0≦X<2)のことをいう。下層中の酸化スズの含有量が90質量%未満となると、ガスセンサ素子の感度が十分に得られ難くなる傾向にあり好ましくない。
下層を構成する酸化スズの形態は、主として柱状の結晶集合体からなるものである。これにより、還元性ガスに対する感度を向上させることができる。
上記「柱状」とは、結晶集合体におけるアスペクト比が4〜40、好ましくは10〜40であり、絶縁層表面と結晶集合体によって構成される角度c(図7参照)が60〜90°であるものをいう。このような構造として、例えば、図6乃至図10に示されるような棒状の結晶集合体が絶縁層表面に形成されているものが挙げられる。この柱状結晶集合体は、下層の断面を透過型電子顕微鏡において20万倍の倍率で観察したときに確認することができる。
上記「主構造」とは、下層に含有される酸化スズの全質量を100質量%とした場合、柱状の酸化スズ結晶集合体の含有量が95質量%以上という意味である。
上記「上層」は、還元性ガスの酸化を促進するための触媒層として機能するものであり、上層の材質としてRu、Rh、Pd、Ag、Os、Ir及びPt等が挙げられる。これらは1種類のみを用いても良いし2種類以上併用しても良い。また、上層は単層であっても複層であっても良いが、単層であることが好ましい。また、上層が単層の場合、上層の材質はPt及び/又はPdが好ましい。また、2種類以上含有する場合、Pt及びPdのうちの少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。
上記「Pt及びPdのうちの少なくとも1種を主成分とする」とは、上層の全質量を100質量%とした場合、Pt及びPdのうちのいずれか一方が含有されているとき、そのPt又はPdが90質量%以上、好ましくは99質量%以上含有されているという意味であり、Pt及びPdの両方が含有されている場合、このPt及びPdの含有量の合計が90質量%以上、好ましくは99質量%以上という意味である。
また、上記上層及び上記下層を備える感応層としては、図8及び図9に示されるように連続した膜を使用しても良いし、図5及び図6のように不連続の膜を用いても良い。感応層が不連続である場合、通常、図7に示されるように一つの島413に形成されている上層412が不連続になっている。
また、下層411が連続した膜の場合、図9及び図10に示されるように、上層412は連続した膜になっている。更に、上層及び下層が連続した膜の場合、感応層の平面形状は、図4に示されるような四角形ではなく、角部が面取りされた四辺形(図8参照)、略円形又は略楕円形等であることが好ましい。
また、上記構成を有する感応部は、還元性ガスを検知するものとして用いる。
上記上層の層厚をxとし上記下層の層厚をyとした場合、xとyとの比(x/y)は11〜63、好ましくは12〜60、より好ましくは16〜56、更に好ましくは25〜52、特に好ましくは34〜48とすることができる。
この(x/y)が11未満の場合、又は、63を超える場合、ガスを検知する感度が低下するため好ましくない。更に、上層、下層の層厚の測定方法は特に限定されないが、形状膜厚測定法、質量膜厚測定法等により測定することができる。
上層及び下層を備える感応層は、絶縁層表面に下層となる成分を付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)させ、その後、この下層の表面に上層となる成分を付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)させ、次いで、不要な部分をエッチングすることにより得ることができる。
また、スパッタ法により下層を形成する場合、基板を200℃以上に加熱した状態でスパッタすることが好ましい。
(2)感応層として微結晶酸化スズ層を備える他の本発明のガスセンサ素子
上記「感応層」として、微結晶酸化スズ層を備えたものを使用する場合、上記「酸化スズを主成分とする」とは、通常、感応層の全体を100質量%とした場合、酸化スズの含有量が98質量%以上、好ましくは99質量%以上であるという意味である。更に、この層は、主として微結晶の酸化スズ結晶集合体からなる。
上記「主構造」とは、上記微結晶酸化スズ層に含有される酸化スズの全質量を100質量%とした場合、微結晶の酸化スズ結晶集合体が95質量%以上存在するという意味である。
また、上記「微結晶」とは、下記XRD装置により以下の測定条件で測定を行った場合、2θ≧1°となる結晶構造のことを意味する。
XRD装置
(a)製造メーカー:理学電機株式会社
(b)型番:RINT2500V
(c)測定条件
X線 : Cu K−ALPHA1/50kV/100mA
カウンタ : PSPC(湾曲型)
フィルタ : Kβフィルタ
走査モード : FT
サンプリング時間 : 1176.00秒
ステップ幅 : 0.020
走査軸 : 2θ
走査範囲 : 20.000〜80.000°
θ : 20.000°
固定角 : 0.000°
また、この微結晶酸化スズ層は、その断面を透過型電子顕微鏡で20万倍の倍率で観察したとき、結晶集合体が確認できない程度の微細な結晶構造である。
更に、微結晶酸化スズ層として、図11のように連続した膜を用いることが好ましい。
上記微結晶酸化スズ層を有する感応部は、酸化性ガスを検知するものとして用いる。
このとき、微結晶酸化スズ層の層厚は、26〜100nm、好ましくは27〜100nm、より好ましくは27〜95nm、更に好ましくは30〜80nmとすることができる。層厚が26nm未満の場合、微結晶酸化スズ層として連続した薄膜を形成することが困難であり、一方、100nmを越える場合、酸化性ガスに対する応答性が悪くなるので、好ましくない。
更に、微結晶酸化スズ層の層厚の測定方法は特に限定されないが、形状膜厚測定法、質量膜厚測定法等により測定することができる。
微結晶酸化スズ層は、絶縁層表面に感応層となる成分を付着堆積(蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、気相成長法等により行うことができる)させ、不要な部分をエッチングすることにより得ることができる。また、スパッタ法により微結晶酸化スズ層を形成する場合、基板温度を室温にてスパッタすることが好ましい。
(3)複数の感応部を備える更に他の本発明のガスセンサ素子
更に他の本発明では絶縁層表面に複数の感応部が設けられている。ここで、1つの絶縁層表面に複数の感応部を設ける場合、感応部の数は特に限定されないが、2〜10個、好ましくは2〜8個、より好ましくは2〜6個であることが好ましい。
複数の感応部のうちの少なくとも1つの感応部は、上記上層及び下層を有する感応層を備えるものであり、他の少なくとも1つの感応部は、上記微結晶酸化スズ層を有する感応層を備えるものであることが好ましい。これにより、還元性ガスと酸化性ガスとを同時に測定することができる。
更に、基板が複数の空間部を有する場合、各空間部上に各々の感応部を設けることが好ましい。また、上記発熱体は各々の空間部上に設けられていることが好ましい。
〔3〕本ガスセンサ素子の性能について
本発明のガスセンサ素子は、上層及び下層を有する感応層におけるCOの感度が2以上、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であることが好ましい。尚、このCOの感度は、CO濃度が0ppmの場合の抵抗値aとCO濃度が150ppmの場合の抵抗値a150との比(a/a150)である。
他の本発明のガスセンサ素子は、微結晶酸化スズ層を有する感応層におけるNO感度が34以上、好ましくは96以上、より好ましくは150以上であることが好ましい。尚、このNO感度は、NO濃度が2ppmの場合の抵抗値bと、NO濃度が0ppmの場合の抵抗値bとの比(b/b)である。
更に他の本発明のガスセンサ素子は、上記上層及び下層を有する感応層におけるCOの感度が2以上、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、且つ、上記微結晶酸化スズ層を有する感応層におけるNO感度が34.8以上、好ましくは96以上、より好ましくは150以上であることが好ましい。
以下、本発明を具体化した実施例について説明する。
〔1〕構成
実施例のガスセンサ素子の構成について説明する。
本実施例のガスセンサ素子は、図1、図2及び図3に示されるように、シリコン基板2(以下、単に「基板2」とも言う。)の全面に絶縁層3が形成されている。絶縁層3は、基板2の全面に形成され、酸化ケイ素で構成されている絶縁層31と、絶縁層31の外面に積層され、窒化ケイ素で構成された絶縁層32、33とからなる。
また、基板2には、絶縁層32が形成されている側の面で開口するように空間部21,21が形成されている。また、この空間部21における開口部の面積は1.0mmである。絶縁層33の内部には、空間部21上に発熱体51,51(以下、単に「発熱体51」と言う。)が形成されている。この発熱体51は、給電するための発熱体用リード部52,52,52,52(以下、単に「発熱体用リード部52」と言う。)に接続され、この発熱体用リード部52のうちの一方の発熱体用リード部522は、外部回路と接続するための発熱体用コンタクト部523を有している。ここで、発熱体用リード部522は互いに独立したものであり、互いに一方の発熱体51のみに接続されている。
他方の発熱体用リード部521は、両方の発熱体51に電気的に接続するように形成されている。この発熱体用リード部521は発熱体用コンタクト部5211を有している。この発熱体51及び発熱体用リード部521、522、発熱体用コンタクト部523、5211(以下、これらをまとめて「給熱手段5」と言う。)は、Pt層とTi層によって構成されている。
絶縁層33の表面には、感応層41が各々の発熱体51上に位置するように形成されている。また、この感応層41には、一対の電極42が接して形成されている。尚、本実施例では、この感応層41及び電極42が感応部4として機能する。また、本実施例では、感応部4のうちの一方は、NO等の酸化性ガスを測定するためのものであり、他方は、CO等の還元性ガスを測定するためのものである(本実施例では、便宜上同符号とする。)。一対の電極42は、電極用リード部6に接続され、この電極用リード部6のうちの一方の電極用リード部62は外部回路を接続するための電極用コンタクト部63を有している。
他方の電極用リード部61は、導電体91が充填された孔部9のうちの導電体91により発熱体用リード部521に電気的に接続されている。尚、本発明のガスセンサ素子の寸法(縦×横)は5mm×3mmである。
また、発熱体用コンタクト部523、5211及び電極用コンタクト部63の表面には、発熱体用コンタクトパッド8及び電極用コンタクトパッド7が形成されている。
上記感応部4のうち、CO等の還元性ガスを測定するための感応部4(以下、「還元性ガス感応部4」とも言う。)に備えられた感応層41(以下、「還元性ガス感応層41」とも言う。)は、酸化スズを主成分とする下層411(下層の全質量を100質量%とした場合、酸化スズの含有量が99質量%以上)とPdを主成分とする上層412(上層の全質量を100質量%とした場合、Pdの含有量が99質量%以上)からなる。この下層411は、図9及び図10に示されるように、柱状の酸化スズ結晶集合体4111が連続的に形成された薄膜であり、また、下層411の表面には、Pdからなる連続した上層412が形成されている。尚、この柱状の酸化スズ結晶集合体4111の存在は、還元性ガス感応層41の断面を透過型電子顕微鏡で20万倍の倍率で観察したときに確認される(図12参照)。また、この柱状結晶集合体のアスペクト比及び絶縁層表面と柱状結晶集合体とにより構成される角度cは下記表1に示された値である。更に、本実施例の還元性ガス感応層41の平面形状は、図8に示されるような角部がR形状である四辺形である。また、本実施例では、形状膜厚測定法で測定した場合における下層411の層厚x、上層412の層厚y及び層厚比(x/y)が以下の表1となるガスセンサ素子をそれぞれ形成した。また、表1において、実施例1、2は、層厚比(x/y)が11未満のものであり、実施例7,8は層厚比(x/y)が63を超えるものである。
Figure 2007147655
上記感応部4のうち、NO等の酸化性ガスを測定するための感応部4(以下、「酸化性ガス感応部4」とも言う。)に備えられた感応層41(以下、「酸化性ガス感応層41」とも言う。)は、酸化スズを主成分(99質量%以上)とするものである。また、この酸化性ガス感応層41の断面を透過型電子顕微鏡で20万倍の倍率で観察したときに、柱状の結晶集合体は確認されず、図11に模式的に示されるような層構造が確認される(図13参照)。また、本実施例の酸化性ガス感応層41の平面形状は、図8に示されるように、角部がR形状である四辺形である。尚、本実施例では、形状膜厚測定法で測定した場合における酸化性ガス感応層41の層厚が下記表2となるガスセンサ素子をそれぞれ形成した。
Figure 2007147655
〔2〕製造方法
以下の工程により本実施例のガスセンサ素子を製造した。尚、本実施例では、1つのガスセンサ素子を製造することとして説明するが、実際は、大きな基板に複数のセンサ素子を製造し、その基板を切断して複数のガスセンサ素子を得ている。
(1)シリコン板の洗浄
まず、洗浄液中に、基板2となるシリコン板を浸し、洗浄処理を行った。
(2)絶縁層31の形成
上記シリコン板を熱処理炉に入れ、熱酸化処理にて膜厚が100nmの絶縁層31となる酸化ケイ素膜を上記シリコン板(以下、「基板2」とも言う。)の全面に形成した。
(3)絶縁層32、33及び給熱手段5の形成
一方の面に絶縁層32となる窒化ケイ素膜、及び、他方の面に絶縁層33のうちの下半分の部分である下部絶縁層332(図2参照)となる窒化ケイ素膜(膜厚200nm)をプラズマCVDにて、SiH,NHをソースガスとして形成した。その後、この下部絶縁層332表面にDCスパッタ装置を用いて、Ti層(膜厚25nm)を形成後、Pt層(膜厚250nm)を形成することにより給熱手段5を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、エッチング処理で給熱手段5のパターンを形成した。次いで、絶縁層33のうちの上半分の部分である上部絶縁層331(図2参照)を前述した方法と同様にして形成した。かくして絶縁層32、33及び絶縁層33内部に配置されている給熱手段5を形成した。
(4)発熱体用コンタクト部523、5211の形成
次いで、ドライエッチング法で絶縁層33のエッチングを行い、発熱体用コンタクト部523、5211となる部分に穴をあけてこれらのコンタクト部となる部分を露出させた。その後、DCスパッタ装置を用いて、Ti層(膜厚20nm)を形成後、Pt層(膜厚40nm)を形成し、スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行うことによって、発熱体用コンタクト部523、5211を形成した。
(5)電極42、電極用リード部6(電極用コンタクト部63を含む。)の形成
DCスパッタ装置を用いて、Ti層(膜厚20nm)を形成後、Pt層(膜厚40nm)を形成し、スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行うことによって、電極42、電極用リード部6を形成した。
(6)孔部9の形成
ドライエッチング法で絶縁層33(331)のエッチングを行うことにより、孔部9が位置することとなる箇所に穴部を形成した。
(7)コンタクトパッド及び導電部の形成
その後、上記工程を終えた基板にDCスパッタ装置を用いて、Cr層(膜厚50nm)を形成後、その表面にAu層(膜厚1μm)を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、エッチング処理により、各コンタクトパッド及7,8び導電部(導電体)91を形成した。
(8)空間部21,21の形成
次いで、TMAH溶液中に上記工程を終えた基板を浸し、シリコンの異方性エッチングを行い、発熱体と対向するように、且つ絶縁層32が形成されている面が開口するように空間部21,21を形成した。
(9)感応層41,41の形成
その後、絶縁層33表面に、還元性ガス感応層41を次の方法で形成した。即ち、RFスパッタ装置を用いて一方の発熱体51及び空間部21と対向するように酸化スズ層(膜厚は表1参照。)を形成後、酸化スズ層表面にPd層(膜厚は表1参照)を形成した。酸化スズ層及びPd層の層厚及びその層厚比(酸化スズ層/Pd層)比は上記表1に示すとおりである。
次いで、絶縁層33表面に酸化性ガス感応層41を次の方法で形成した。即ち、RFスパッタ装置を用い、絶縁層33表面であって他方の発熱体51及び空間部21と対向するように、酸化スズ層(層厚は表2参照)を形成した。
(10)基板の切断
その後、ダイシングソーを用いて上記工程を終えた基板2を、5mm×3mmの長方形に切断した。かくして本実施例のガスセンサを得た。
〔3〕感応層41の断面の観察
上記の方法で作製されたガスセンサ素子において、還元性ガス感応層41の断面形状を透過型電子顕微鏡で20万倍の倍率で観察し、その撮影を行った。その結果、下層411は、全て酸化スズの柱状結晶集合体の連続膜であり、また上層も連続的なPd層であることが確認された。実施例3の還元性ガス感応層の電子顕微鏡像を図12に示す。
また、撮影した写真に基づいて柱状結晶集合体の最大寸法におけるアスペクト比及び絶縁層と柱状結晶集合体により構成される角度cを測定した。この結果を上記表1に示す。また、酸化性ガス感応層41の断面形状も透過型電子顕微鏡で39万倍の倍率で観察し、撮影した。その結果、酸化性ガス感応層41は、図11に模式的に示されるような層構造であることが確認された。実施例11の酸化性ガス感応層の電子顕微鏡像を図13に示す。
〔4〕性能評価
ベースガスとしては、20.9%のOと残部がNからなるガスに、相対湿度が40%になるように水蒸気を含有させたものを使用した。また、還元性ガスとしてCO、酸化性ガスとしてNOを選択し、以下の表3のガス評価条件のもとで、CO、NO両者のガス感度を測定した。尚、本実施例では、CO濃度が0ppmの場合(即ち、表3の実験例1の場合)の抵抗値aとCO濃度が150ppmの場合(即ち、表3の実験例2の場合)の抵抗値a150との比(a/a150)により評価した。その結果を上記表1に示す。更に、NO濃度が2ppmの場合(即ち、表2の実験例3の場合)の抵抗値bと、NO濃度が0ppmの場合(即ち、表2の実験例1の場合)の抵抗値bとの比(b/b)によってNOの感度を評価した。その結果を上記表2に示す。また、層厚比(x/y)とCOの感度の関係を示したグラフを図14に示す。更に、酸化性ガス感応層の層厚とNOの感度との関係のグラフを図15に示す。
Figure 2007147655
〔5〕実施例の効果
本実施例のガスセンサ素子では、還元性ガス感応層41が、図8〜図10及び図12に示されるような酸化スズの柱状結晶集合体の連続膜からなる下層及び連続膜からなる上層により構成される。その結果、表1に示されるように、COの感度が1.07〜11.6である高感度なガスセンサ素子を得ることができた。
また、表1及び図14に示されるように、COの感度は、層厚比(x/y)が40においてピークを示す予期せぬ挙動を示した。
更に、層厚比(x/y)が11.4〜62.7の場合では、COの感度が2.0〜11.6(図14参照)となり、更に高感度となることが判る。この結果から、上記還元性ガス感応膜の層厚比(x/y)を11〜63とすることにより、更に高感度な還元性ガス用ガスセンサ素子とすることができる。
また、表1及び図14によれば、層厚比が12〜60の場合(実施例3〜6)、COの感度が2.2〜11.6である。更に、図14によれば、層厚比が17.5〜56.2の場合、COの感度が4.0〜11.6である。また、層厚比が25.2〜51.9の場合、COの感度が6.0〜11.6である。更に、層厚比が29.4〜47.7の場合、COの感度が8.0〜11.6であり、CO等の還元性ガスを測定するのに極めて優れた性能を有する。
また、本実施例のガスセンサ素子において、酸化性ガス感応層41は、図11や図13に示されるような微結晶の酸化スズ結晶集合体から構成される。その結果、表2及び図15に示されるようにNOの感度が3〜211である高感度な酸化性ガス用ガスセンサ素子を得ることができた。
また、表2及び図15に示されるように、酸化性ガス感応層41の層厚が50nmにおいてピークを示す予期せぬ挙動を示した。
図15及び表2によれば、酸化性ガス感応層41の層厚が26nm未満、或いは、100nmを超える場合(実施例9、10、15、16)、NOの感度が34.8未満となり、NO等の酸化性ガスの感度が比較的小さいことが判る。これに対し、表2に示されるように、酸化性ガス感応層41の層厚が30〜100nmの場合、NOの感度が34.8〜211.0であり、NO等の酸化性ガスの感度が大きいことが判る。また、図15及び表2に示されるように、酸化性ガス感応層41の層厚が27.3〜94.1nmの場合、NOの感度が50.0〜211.0である。更に、酸化性ガス感応層41の層厚が30〜78.6nmの場合、NOの感度が96.0〜211.0であり、NO等の酸化性ガスを測定するのに極めて優れた性能を有する。
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に記載されたものに限らず、目的及び用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、本発明のガスセンサ素子を図16及び図17に示されるように、導電部91を有する孔9を設けずに電極42、発熱体51のリード部に各々コンタクト部を有する素子構造としても良い。
また、本実施例のガスセンサ素子は、感応部4を2つ設け、一方を還元性ガス感応部4とし、他方を酸化性ガス感応部4としているが、絶縁層3の表面に還元性ガス感応部4のみ、或いは酸化性ガス感応部4のみを設けた構成にしても良い。また、感応部を複数設ける場合、設ける感応部の数は2個に限定されず、例えば、2〜8個の範囲内であれば良い。
更に、本実施例において、上記感応層41の平面形状は、角部がアール形状で形成されたものであるが、応力が集中しない形状であれば、他の形状、例えば、角部がテーパー形状の四辺形、又は略円形、略楕円形、略卵形、略ひょうたん形、五角形以上の多角形等とすることができる。
また、本実施例のガスセンサ素子は、還元性ガスの性能評価としてCOを用いたが、他の還元性ガス(例えば、炭化水素系ガス(LPG、都市ガス、天然ガス、メタン、ハロゲン化炭化水素等)、アルコールガス、アルデヒドガス、水素ガス、硫化水素ガス等)を検知する場合であっても同様の効果を奏する。更に、本実施例では、酸化性ガスとしてNOを用いたが、他の酸化性ガス(例えば、他の窒素酸化物ガス、アンモニアガス及び塩素ガスやフッ素ガス等のハロゲン系ガス等)を検知する場合であっても同様の効果を奏する。
実施例1〜8のガスセンサ素子を上面から見たものを示す説明図である。 図1のガスセンサ素子をA−A´断面で見た模式図である。 図1のガスセンサ素子をB−B´断面で見た模式図である。 従来の感応層の平面形状を示す説明図である。 本発明における還元性ガス感応層の平面形状の一例を示す模式図である。 図5をA−A´断面で見た還元性ガス感応層の模式図である。 図6の領域Bを拡大したものを示す模式図である。 本実施例の還元性ガス感応層の平面形状を示す模式図である。 図8をA−A´断面から見た模式図である。 図9の領域Bを拡大したものを示す模式図である。 本実施例の酸化性ガス感応層の断面形状を示す模式図である。 本実施例の還元性ガス感応層の断面を透過型電子顕微鏡にて20万倍の倍率にて撮影した写真による説明図である。 本実施例の酸化性ガス感応層の断面を透過型電子顕微鏡で39万倍の倍率にて撮影した写真による説明図である。 本実施例のガスセンサ素子において、還元性ガス感応層の層厚比に対するCO感度を示すグラフである。 本実施例のガスセンサ素子において、酸化性ガス感応層の層厚に対するNO感度を示すグラフである。 本発明の他の実施例のガスセンサ素子を上から見た説明図である。 図16のガスセンサ素子をA−A´断面で切断して見た説明図である。
符号の説明
1;ガスセンサ素子、2;基板、3,31,32,33;絶縁層、4;感応部、41;感応層、411;下層、4111;酸化スズ結集合体、412上層、413;島、414;酸化スズ結晶集合体、42;電極、5;給熱手段、51;発熱体、52,521,522;発熱体用リード部、5211,523;発熱体用コンタクト部、6,61,62;電極用リード部、63;電極用コンタクト部、7;電極用コンタクトパッド、8;発熱体用コンタクトパッド、9;孔部、91;導電部。

Claims (8)

  1. 基板と、該基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、該絶縁層表面の少なくとも一部に形成された感応部とを備えるガスセンサ素子であって、
    上記感応部は、感応層と該感応層に接する電極とを備え、
    上記感応層は、上記絶縁層表面に位置し酸化スズを主成分とする下層と、該下層上に位置しRu、Rh、Pd、Ag、Os、Ir及びPtのうちの少なくとも1種を含有する上層とからなり、
    上記下層の主構造が、柱状の酸化スズ結晶集合体であることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 基板と、該基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、該絶縁層表面の少なくとも一部に形成された感応部とを備えるガスセンサ素子であって、
    上記感応部は、感応層と該感応層に接する電極とを備え、
    上記感応層は酸化スズを主成分とする層からなり、
    該酸化スズを主成分とする層の主構造が、微結晶の酸化スズ結晶集合体であることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 基板と、該基板の表面の少なくとも一部に形成された絶縁層と、該絶縁層表面の少なくとも一部に形成された複数の感応部とを備え、上記複数の感応部は、感応層と該感応層に接する電極とを各々備えるガスセンサ素子であって、
    上記複数の感応部のうちの少なくとも1つの感応部に備えられた感応層は、上記絶縁層表面に位置し酸化スズを主成分とする下層と、該下層上に位置しRu、Rh、Pd、Ag、Os、Ir及びPtのうちの少なくとも1種を含有する上層とからなり、上記下層の主構造が、柱状の酸化スズ結晶集合体であり、
    上記複数の感応部のうちの他の少なくとも1つの感応部に備えられた感応層は、酸化スズを主成分とする層からなり、該酸化スズを主成分とする層の主構造が、微結晶の酸化スズ結晶集合体であることを特徴とするガスセンサ素子。
  4. 上記下層の層厚をxとし、上記上層の層厚をyとすると、11≦x/y≦63である請求項1又は3に記載のガスセンサ素子。
  5. 上記上層は、Pt及びPdのうちの少なくとも一方を主成分とする請求項1、3又は4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  6. 上記上層及び上記下層からなる上記感応層を備える上記感応部は、還元性ガスの検知に使用される還元性ガス感応部である請求項1及び3乃至5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  7. 上記酸化スズを主成分とする層からなる上記感応層を備える上記感応部は、酸化性ガスの検知に使用される酸化性ガス感応部である請求項2又は3に記載のガスセンサ素子。
  8. 上記ガスセンサ素子は、少なくとも1つの空間部を有する上記基板と、該空間部上に位置し上記基板により支持された上記絶縁層と、上記絶縁層の内部であって上記空間部上に形成された発熱体と、該発熱体上に形成された上記感応部とを備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
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