JP2005031090A - 湿度センサおよびその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 計測範囲が広く、かつ耐結露性を含む耐環境ストレスも良好な湿度センサおよびその製法を提供する。
【解決手段】 本発明の湿度センサは、上部電極4と下部電極2とを備え、感湿膜3がペロブスカイト型構造を有する強誘電体からなる静電容量式湿度センサSであって、前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の湿度センサは、上部電極4と下部電極2とを備え、感湿膜3がペロブスカイト型構造を有する強誘電体からなる静電容量式湿度センサSであって、前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなるものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は湿度センサおよびその製法に関する。さらに詳しくは、空調機、環境試験機、植物育成室などの湿度制御、湿度モニターを行う乾燥機、調理器、掃除機の湿度検知、あるいは湿度変化の測定記録、認証を行う気象観測器、ラジオゾンデ、輸送機器などの湿度計測などに利用される湿度センサおよびその製法に関する。なお、ここで計測とは、測定などを包含する概念である。
従来より、雰囲気中の湿度を計測するセンサ、いわゆる湿度センサとして種々のものが提案されている。この湿度センサの計測方式は、抵抗変化により湿度を計測するものと静電容量変化により湿度を計測するものとに大別される。また、感湿部に使用される感湿材料は、ポリマーとセラミックスとに大別される。
ポリマーを使用して抵抗変化により湿度を計測する湿度センサとして、例えば特開昭60−177254号公報に、テトラフルオロエチレンに親水性ポリマーをグラフト重合させたものに電極を取り付けたものが提案されている。
セラミックスを使用して抵抗変化により湿度を計測あるいは測定する湿度センサとして、例えば特開平4−359141号公報に、Zn,Cr,Li,V,Ti,Zr,Hf,Mn,Si,Ge,Sn,Pb,Se,Te,Ru,Ir,Ni,Ce複合酸化物に電極を取り付けたものが提案されている。
しかしながら、抵抗変化で湿度を計測あるいは測定する湿度センサは、低湿度側の測定が困難であるという問題があるとともに、静電容量変化により湿度を計測あるいは測定する湿度センサに比して結露に弱いという問題がある。その上、感湿材料としてポリマーを用いたものにあっては、それに加えて耐熱性をはじめとする耐環境性に劣るため、使用可能温度は200℃に制限されるという問題もある。
ポリマーを使用して静電容量変化により湿度を計測あるいは測定する湿度センサとして、例えば特開平4−265850号公報には、アセチレン末端付加型ポリイミドオリゴマーを重合させることによって得られるポリマーを感湿膜とする湿度センサが提案されている。また、セラミックスを使用して静電容量変化により湿度を計測する湿度センサとして、例えば英国ミッシェル社のCERMET(商品名)がある。
静電容量変化により湿度を計測する湿度センサは、抵抗変化により湿度を計測する湿度センサに比して計測範囲が広くて計測精度がよく、しかも応答性に優れている。ただし、感湿材料としてポリマーを用いたものにあっては、前記と同様に耐環境性の制約がある。また、その静電容量は0%R.H近くで100〜数100pFであるにもかかわらず、100%R.H近くになっても数10pFしか変化しない。そのため、ケーブルなどにおいて発生する浮遊静電容量の影響を受けやすく、ケーブルの長さは2m程度が限界とされている。
英国ミッシェル社のCERMETは、極低湿度用のもので露点温度は−100〜20℃程度の範囲における計測に限られ、広く一般に計測が必要とされる湿度範囲を計測することができない。なお、市販されている湿度センサで、広く一般湿度を計測するものであって感湿材料としてセラミックスを用いて静電容量変化により湿度を計測するものは知られていない。
ただし、大学の研究室レベルでは、以下のものが知られている。
豊橋科学技術大学の藤井らによって、感湿部にFeBO3薄膜を用いた静電容量式湿度センサが報告されている。しかしながら、藤井らの報告に係る湿度センサは高湿度側での特性が悪く実用レベルには達していない。
愛媛大学の定岡らによって、感湿部に(Pb9.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)0.8375O3を用いた静電容量式湿度センサが報告されている。しかしながら、定岡らの報告に係る湿度センサは、本発明者の追試によれば感湿材料自体が潮解性があることが認められており、それがため耐水性が非常に劣るという致命的な欠点を有しているという問題がある。
特開平4−265850号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、計測範囲が広く、かつ耐結露性を含む耐環境ストレスも良好な湿度センサおよびその製法を提供することを目的としている。
本発明の湿度センサは、上部電極と下部電極とを備え、感湿膜がペロブスカイト型構造を有する強誘電体からなる静電容量式湿度センサであって、前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなることを特徴とする。
本発明の湿度センサにおいては、感湿膜が薄膜とされてなるのが好ましい。その場合、感湿膜の膜厚が1μm以下とされてなるのが好ましく、感湿膜の膜厚が150nm〜700nmの範囲とされてなるのがより好ましく、感湿膜の膜厚が250nm〜600nmの範囲とされてなるのがさらに好ましい。
また、本発明の湿度センサにおいては、感湿膜表面が−OH基,−CO基,−SO基などの官能基により修飾されてなるのが好ましい。その場合、前記官能基が−OH基とされてなるのがさらに好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、拡散防止膜の上に感湿膜が形成されてなるのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、所定膜厚の稠密な絶縁膜上に感湿膜が形成されてなるのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、前記稠密な絶縁膜が強誘電体とされてなるのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、前記稠密な絶縁膜の強誘電体がペロブスカイト型構造を有してなるのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、前記稠密な絶縁膜の強誘電体を構成するペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなるのが好ましい。
あるいは、前記稠密な絶縁膜の強誘電体を構成するペロブスカイト型構造はPb(Zrx,Ti1-x)Oyで表され、xが0≦x≦1とされてなるのが好ましい。その場合、xが0.5≦x≦0.7とされてなるのが好ましく、xが0.65とされてなるのがさらに好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、感湿膜が吸着可能量増加処理膜とされてなるのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、感湿膜が強制的に分極させられてなるのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサにおいては、上部電極が、該上部電極形成後に加熱されて多孔化されてなるのが好ましい。
本発明の湿度センサの製法の第1形態は、基板の上に下部電極膜を形成し、該下部電極膜の上にペロブスカイト型構造を有する強誘電体の感湿膜を形成し、該感湿膜の上に上部電極膜を形成する静電容量式湿度センサの製法であって、 前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなることを特徴とする。
本発明の湿度センサの製法の第2形態は、基板の上に下部電極膜を形成し、該下部電極膜の上に拡散防止膜を形成し、該拡散防止膜の上にペロブスカイト型構造を有する強誘電体の感湿膜を形成し、該感湿膜の上に上部電極膜を形成する静電容量式湿度センサの製法であって、前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなることを特徴とする。
本発明の湿度センサの製法の第3形態は、基板の上に下部電極膜を形成し、該下部電極膜の上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜の上にペロブスカイト型構造を有する強誘電体の感湿膜を形成し、該感湿膜の上に上部電極膜を形成する静電容量式湿度センサの製法であって、前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなることを特徴とする。
本発明の湿度センサの製法においては、感湿膜に対して吸着可能量増加処理をなすのが好ましい。その場合、前記吸着可能量増加処理を逆スパッタリング法またはエッチング法によりなすのが好ましい。
また、本発明の湿度センサの製法においては、感湿膜表面を官能基により修飾する修飾処理をなすのが好ましい。その場合、前記修飾処理を反応性スパッタリング法またはイオンプレーティング法によりなしたり、前記修飾処理を感湿膜成膜後、該感湿膜をただちに水、硫酸、カルボン酸などの官能基含有溶液と接触させることによりなしたりするのが好ましい。
さらに、本発明の湿度センサの製法においては、感湿膜に対して強制分極処理をなすのが好ましい。その場合、前記強制分極処理を直流電圧を印加することによりなすのが好ましい。
しかして、本発明の湿度センサを用いて湿度を計測する湿度計測装置、湿度および温度の両方を計測する計測装置、湿度センサ素子表面の結露が検知できるように構成されてなる計測装置、上部電極、下部電極またはリード線の断線が検知できるように構成されてなることを特徴とする計測装置などが得られる。なお、結露が検知できるようにされている計測装置においては、湿度センサを加熱する加熱機構が備えられているのが好ましい。
本発明の湿度センサは、前記の如く構成されているので、計測範囲が広くてしかも耐結露性を含む耐環境性に優れているという効果を奏する。
また、本発明の湿度センサの好ましい形態は耐温度依存性が優れているので、その湿度センサを用いれば湿度の計測と同時に温度計測もなし得るという効果も奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
実施形態1
本発明の実施形態1に係る湿度センサを図1および図2に示す。
本発明の実施形態1に係る湿度センサを図1および図2に示す。
湿度センサSは、図1および図2に示すように、長方形状の基板1と、基板1表面に形成される下部電極膜(以下、単に下部電極ということもある。)2と、下部電極膜2の表面に形成される感湿膜3と、感湿膜3表面に形成される多孔質上部電極膜(以下、単に上部電極ということもある。)4と、下部電極膜2に電気的に接続される下部電極リード線5と、多孔質上部電極膜4に電気的に接続される上部電極リード線6とを主要構成要素として備えてなる静電容量式湿度センサとされる。
基板1は、例えばアルミナ基板、サファイア基板、シリコン基板などの各種基板とされるが、高温環境下で使用される場合には耐熱性基板とされる。
下部電極膜2は電極膜本体2aとリード部2bとを有するものとされ、例えばNi、Ptなどの金属、レニウム酸化物などの導電性酸化物などの導電性を有する材質の薄膜とされる。この下部電極膜2は、スパッタリング法、真空蒸着法などの公知の方法により基板1表面にリード部2bを基板1の一方の側部に位置させて形成される。
感湿膜3は強誘電体からなる膜とされ、前記電極膜本体2aとリード部2bの前記電極膜本体2aとの接続部とを覆うように形成される。この感湿膜3は、スパッタリング法などの公知の膜形成法により下部電極膜本体2aとリード部2bの前記電極膜本体2aとの接続部とを覆うように形成される。この場合、感湿膜3は薄膜とされるのが、応答速度の高速性を確保する点、およびヒステリシスの減少を図る点から好ましい。具体的には、膜厚は1μm以下であればよいが、あまり薄いと下部電極2と上部電極4との短絡を生ずるおそれがあるので、150nm〜700nmとされるのが好ましく、250nm〜600nmとされるのがより好ましい。
また、感湿膜3の表面は−OH基,−CO基,−SO基などの官能基により修飾する修飾処理がなされているのが好ましい。この修飾処理は、感湿膜3に反応性スパッタリング処理、イオンプレーティング処理を施すことにより、または成膜後ただちに水、硫酸、カルボン酸等の官能基含有溶液に接触させる、例えば官能基含有溶液に浸漬させることによりなされる。感湿膜3表面に対してこのような修飾処理を行うのは、適度な吸着水分量を確保するためである。つまり、検出される信号レベルを高くするためである。この場合、生産の容易性および結合エネルギーが強固である点から官能基は−OH基とされるのが好ましい。
さらに、感湿膜3は成膜後に逆スパッタリング法(またはエッチング法)により、人為的に感湿膜3表面の平滑度を下げて感湿膜3の表面積が増加させられてもよい。つまり、吸着できる水分量(以下、吸着可能量という)の増加を図る吸着可能量増加処理をなしてもよい。なお、このようにして得られた感湿膜3を「吸着可能量増加処理膜」と定義することにする。
ここで、前記強誘電体は次の特性を有するものとされる。
(1)比誘電率は150以上であること。比誘電率をこのようにするのは、低誘電率層の生成を防止するとともに、吸着水による容量変化を精度よく計測するためである。
(2)ペロブスカイト型構造を有するものであること。ペロブスカイト型構造を有するものとするのは、強誘電体とするためである。
(3)ペロブスカイト型構造の格子定数は2.5Å以上であること。格子定数をこのようにするのは、ペロブスカイト型構造において−OH基が形成されるのは格子頂点であるので、格子定数を2.5Å以上とすることにより格子点間の距離を水素結合の平均距離+3δ(δ:水素結合距離の標準偏差)とすることができ、感湿膜3表面に吸着される水分子相互の水素結合を妨げて、応答速度の高速性および低ヒステリシスが確保されるからである。
(4)ペロブスカイト型構造が、次のいずれかの式により表されるものであること。
ペロブスカイト型構造がABOxで表されること。
ここに、AはMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BはTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xはほぼ3とされる。
ペロブスカイト型構造がPb(Zrx,Ti1-x)Oyで表されること。
ここに、xは0≦x≦1とされればよいが、0.5≦x≦0.7とされるのが好ましく、0.65とされるのがより好ましく、またyはほぼ3とされる。ペロブスカイト型構造を前記のもの、つまりPZTとするのは、繰返し疲労に強く、かつキュリー温度が高いことによる。また、xを0.65とするのは、このときに比誘電率が最大となるからである。
多孔質上部電極膜4はAu,Ni,Wなどからなるものであって、電極膜本体4aとリード部4bとを有しかつ所望の水分子透過性および導電性を有するものとされる。かかる特性を有する多孔質薄膜は、例えば多孔質上部電極膜4としてAuを用いた場合には、スパッタリング法、真空蒸着法、レーザアブレーション法などにより極薄い膜として形成することにより得られる。あるいは、やや厚めの膜を前述の手法にて形成した後に加熱することによっても得られる。また、NiおよびWを用いた場合にも同様にして形成することができる。図3および図4に、多孔質上部電極膜4の電子顕微鏡写真をそれぞれ示す。ここで、図3は倍率が3,000倍のものを示し、図4は倍率が50,000倍のものを示す。
しかして、この多孔質上部電極膜4と下部電極膜2との導通を生じさせないようにするため、電極膜本体4aは前記感湿膜3からはみ出すことのないように、またそのリード部4bは基板1の他方の側部に位置させて形成される。
下部電極膜2のリード部2bの端部と、下部電極リード線5の先端部との接続は、例えばリード線5の先端部に導電性クリップを設け、そのクリップによりリード部2bの端部を基板1ごと挾み込むようにしてなしてもよく、下部電極リード線5の先端部をリード部2bの端部に導電性の接着剤、ハンダ付け、ロー付けなどによりなしてもよく、また両者を併用してなしてもよい。また、上部電極膜4のリード部4bの端部と、上部電極リード線6の先端部との接続も同様にしてなされる。なお、接続部の機械的強度および美観を向上させるため、接続部をセラミックペーストにより固めてもよい。
次に、かかる構成とされている湿度センサSの製法について説明する。
(1)アルミナ基板1を所定サイズに調整する。
(2)アルミナ基板1表面に下部電極膜2を所定パターンにて形成する。
(3)感湿膜3をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法などによりアルミナ基板1表面に下部電極膜2の電極膜本体2bを覆うように形成する。
(4)必要に応じて感湿膜3の成膜後に、逆スパッタリング、ケミカルエッチングなどにより吸着可能量増加処理をなしてもよい。
(5)必要に応じて反応性スパッタリング法により感湿膜3表面を−OH基,−CO基,−SO基などの官能基により修飾する。この場合、反応性スパッタリングに代えてイオンプレーティングを用いてもよい。あるいは、成膜後ただちに水、硫酸、カルボン酸などに接触させることにより、感湿膜3表面を−OH基,−CO基,−SO基などの官能基により修飾してもよい。
(6)感湿膜3の表面に多孔質上部電極膜4を所定パターンにて形成する。
(7)後熱処理を所定温度にて所定時間行う。
(8)下部電極膜2のリード部2bに下部電極側リード線5および多孔質上部電極膜4のリード部4bに上部電極側リード線6を接続する。これにより、湿度センサSの製造が完了する。
この場合、(1)において大面積のアルミナ基板1を用いて(2)〜(7)の工程を行った後、大面積のアルミナ基板1をレーザカットなどにより所定サイズに分割してもよい。また、後熱処理および煮沸処理はリード線5,6を接続した後になしてもよく、熱処理は(5)および(7)の工程の後にそれぞれなしてもよい。さらに、(6)では感湿膜3上にDCスパッタリングによりAuの上部電極膜を形成し、(7)の後熱処理により上部電極膜を多孔質化して多孔質電極膜4としてもよい。図5および図6にDCスパッタリングにより得られた電極膜の顕微鏡写真を示す。図5および図6より感湿膜3上に均質な電極膜が形成されているのが認められる。なお、図3および図4は、図5および図6に示す電極膜に対して大気中で600℃で20時間加熱した状態、つまり後熱処理した状態の電極膜の顕微鏡写真である。図3および図4より、金が凝集して多孔質化して多孔質電極膜4なっているのがわかる。
しかして、得られた湿度センサSの特性を調べたところ、所定温度範囲において所望の特性が得られた。また、ヒステリシスも実用上問題となるものではなかった。その上、前述したように、上部電極膜が多孔質上部電許膜4とされているので、感湿膜3における水分の速やかな吸脱着がなし得るのが理解される。
なお、実施形態1においては、下部電極2と上部電極4は長方形状の平板とされているが、上部電極4および下部電極2の形状ならびに電極2,4とリード線5,6との接続は各種とすることができ、例えば図7(a)〜図7(d)に示すような形状とすることもできる。ここで、図7(a)は下部電極2を対向電極2A,2Bとしてその上に感湿膜3および上部電極4をこの順で形成してなるものであり、図7(b)は下部電極2を櫛の歯電極2C,2Dとしてその上に感湿膜3および上部電極4をこの順で形成してなるものであり、図7(c)は上部電極4と下部電極2のそれぞれのリード線5,6をワイヤボンディングにより接続してなるものであり、図7(d)は中央に透孔7を形成するとともに、上部電極4と下部電極2のそれぞれのリード線5,6をワイヤボンディングにより接続してなるものである。
実施形態2
本発明の実施形態2に係る湿度センサS1を図8(a)および(b)に示す。
この実施形態2は実施形態1を改変してなるものであって、図8に示すように、下部電極膜2の上に拡散防止膜8を形成し、その上に感湿膜3および多孔質上部電極膜4をこの順で形成した後、下部電極膜2および上部電極膜4をそれぞれリード線5,6と接続してなるものである。
本発明の実施形態2に係る湿度センサS1を図8(a)および(b)に示す。
この実施形態2は実施形態1を改変してなるものであって、図8に示すように、下部電極膜2の上に拡散防止膜8を形成し、その上に感湿膜3および多孔質上部電極膜4をこの順で形成した後、下部電極膜2および上部電極膜4をそれぞれリード線5,6と接続してなるものである。
拡散防止膜8は例えばTiO2の薄膜とされ、例えばスパッタリング法や真空蒸着法により形成される。拡散防止膜8はTiO2薄膜に限定されるものではなく、ルテニウム酸化物などの一般にコンデンサに用いられている各種の拡散防止膜8とされてもよい。この拡散防止膜8を設けるのは、下部電極膜2を構成している材料が感湿膜3中に拡散し、それにより感湿膜3および下部電極膜2が劣化するのを防止するためである。
また、この実施形態2においては、実施形態1と同様に逆スパッタリング法により吸着可能量増加処理をなしてもよく、感湿膜3表面を官能基により修飾してもよい。
実施形態2の湿度センサS1は、下部電極2と感湿膜3との間に拡散防止膜8を設けているので、下部電極2を構成している材料が感湿膜3中に拡散して下部電極2が劣化されるのが防止されるとともに、下部電極2と上部電極4との短絡が防止されて製品の歩留まりが向上されるという実施形態1の湿度センサSでは得られない効果も得られる。
実施形態3
本発明の実施形態3に係る湿度センサS2を図9(a)および(b)に示す。
この実施形態3は実施形態1を改変してなるものであって、図9に示すように、下部電極膜2の上に絶縁膜9を形成し、その上に感湿膜3および多孔質上部電極膜4をこの順で形成した後、下部電極膜2および上部電極膜4をそれぞれリード線5,6と接続してなるものである。
本発明の実施形態3に係る湿度センサS2を図9(a)および(b)に示す。
この実施形態3は実施形態1を改変してなるものであって、図9に示すように、下部電極膜2の上に絶縁膜9を形成し、その上に感湿膜3および多孔質上部電極膜4をこの順で形成した後、下部電極膜2および上部電極膜4をそれぞれリード線5,6と接続してなるものである。
この絶縁膜9を設けるのは次のような理由による。すなわち、用いる基板1の表面が粗い場合に通常どおりに感湿膜3を形成すると、図10に示すように、下部電極膜2が形成されている基板1表面に感湿膜3による被覆がなされない箇所が発生し、そのような状態で上部電極膜4を形成すると、上部電極膜4と下部電極膜2との短絡が起こり湿度センサS2として機能しなくなるからである。
そのため、絶縁膜9は緻密で相当の厚さを有する強誘電体膜、例えばPZT膜とされて、例えばスパッタリング法により形成される。絶縁膜9はPZT膜に限定されるものではなく、前述した各種ペロブスカイト型構造を有するものを好適に用いることができる。この絶縁膜9の成膜は、前記絶縁膜9の特質から、成膜温度は高くし、例えば400℃以上とし、ガス圧は比較的低くし、例えば0.4Pa以下とされる。
感湿膜3は下部に絶縁膜9が形成されているので、計測のみに必要な膜、つまり粗くて薄い膜とすることができる。そのため、成膜温度は低くてよく例えば15℃〜65℃の範囲とされ、ガス圧は高くてよく、例えば1Pa以下とされる。
また、この実施形態3では実施形態1と同様に、吸着可能量増加処理をなしてもよく、また感湿膜3表面を官能基により修飾してもよい。
さらに、この実施形態3では湿度センサS2としての感度を向上させるため、絶縁膜9および感湿膜3が分極処理(強制分極処理)がなされてもよい。すなわち、上部電極膜4の成膜後に絶縁膜9と感湿膜3に対して所定電圧の直流電圧を印加する処理がなされてもよい。印加する電界強度は40V/m〜4x108V/mとされる。
なお、この分極処理は実施形態1および実施形態2においてなされてもよい。
実施形態3の湿度センサS2は、下部電極2と感湿膜3との間に絶縁膜9を設けているので、表面粗さの粗い基板1を用いることができるとともに、下部電極2を形成している金属粒子による悪影響を緩和することができる。例えば、下部電極2をミクロンオーダの粗い金属粒子により形成しても、下部電極2と上部電極4との短絡を防止できる。また、感湿膜3成膜時に基板1表面にチリなどが付着していて、そのチリが上部電極膜4の成膜時に脱落しても上部電極4と下部電極2とが短絡するのが防止されて製品の歩留まりが向上する。
さらに、絶縁膜9と感湿膜3とに直流電圧を印加して分極させている実施形態3の好ましい態様によれば、湿度センサS2の感度を著しく向上できるという実施形態1の湿度センサSでは得られない効果が得られる。例えば、静電容量のオーダを1ランク上昇させることができる。また、上部電極4と下部電極2との間に直流電圧を印加することにより、上部電極4と下部電極2との間に短絡箇所があればその短絡箇所を消失させることもできる。そのため、製品の歩留まりも向上する。
次に、本発明の湿度センサSによる温度計測について説明する。この温度計測は本発明の湿度センサSの抵抗値と温度との間には一定の関係があるという知見に基づくものである。なお、以下の説明においては、便宜的に実施形態1の湿度センサSを用いた温度計測について説明するが、温度計測が可能なものは実施形態1の湿度センサSに限定されるものではなく、その他の実施形態の湿度センサSによっても計測可能である。
図11に、実施形態1の湿度センサSを用いた温度計測装置Aのブロック図を示す。
図11(a)に示す温度計測装置A1は、湿度センサSと、湿度センサSからの計測値に基づいて湿度センサSの抵抗を計測する抵抗計測部20と、抵抗計測部20により計測された抵抗値により温度を算出する抵抗・温度テーブル31を有する演算処理部30とを主要構成要素として備えてなる。
温度計測装置A1は前記の如く構成されているので、実施形態1の湿度センサSを用いて温度計測がなし得る。
図11(b)に示す温度計測装置A2は、湿度センサSと、湿度センサSからの計測値に基づいて湿度センサSの静電容量および抵抗を計測する静電容量・抵抗計測部22と、静電容量・抵抗計測部22により計測された静電容量値および抵抗値により温度を算出する、静電容量・抵抗・温度テーブル32を有する演算処理部30とを主要構成要素として備えてなる。この静電容量・抵抗・温度テーブル32は、湿度センサSの抵抗値が湿度により若干変動するため、計測された静電容量値により湿度による抵抗値の変動を補償して温度を算出するように構成されている。そのため、温度計測装置A2によれば、温度計測装置A1より精度よく温度計測がなし得る。
しかして、かかる機能を有する温度計測装置A1,A2は、マイクロコンピュータを用いて容易に実現することができる。
このように、実施形態1の湿度センサSによれば、湿度計測ばかりでなく、温度計測も同時になし得るのが理解される。
なお、図示例においては、演算処理部30にテーブルを設けて湿度センサSの計測値から温度を算出するようにされているが、関数により温度を算出するようにされてもよい。また、図示例ではソフトウエアにより温度を計測するようにされているが、温度計測専用の回路を設けて温度を計測するようにしてもよい。
以下、より具体的な実施例により、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で逆スパッタリング処理、後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で逆スパッタリング処理、後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.29Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
逆スパッタリング条件
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.29Pa
RF出力:100W
時間:25分
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:2時間
得られた実施例1の湿度センサの各特性を調査し、その結果を図12、13、15、16、17、18に示す。
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.29Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
逆スパッタリング条件
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.29Pa
RF出力:100W
時間:25分
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:2時間
得られた実施例1の湿度センサの各特性を調査し、その結果を図12、13、15、16、17、18に示す。
図12は、温度をパラメータとして相対湿度と静電容量との関係を示したグラフで、図12より実施例1の湿度センサは、温度依存性は有するものの、相対湿度と静電容量とは一定の関係を有しているのが認められる。また、相対湿度と静電容量との関係は再現性を有していことも認められる。なお、この温度依存性は測定器側の演算処理部により補正できるので、実用上問題はない。
図13は、温度30℃における相対湿度と湿度センサの静電容量との関係を示すグラフに、センサ素子表面に結露が生じたときの静電容量、および電極(電極膜)またはリード線が開放されたときの静電容量を併せて示したグラフである。
図13より、センサ素子表面に結露が生じたときには静電容量値が相対湿度が100%時における静電容量値よりも大きくなる一方、電極またはリード線が開放されたときには静電容量値が極端に小さくなるのがわかる。したがって、結露あるいは断線が生じたときには静電容量値が極端に変動すると理解できる。そのため、静電容量値の変動を監視することにより、センサ素子表面の結露あるいは電極やリード線の断線を検知できる。その検知は具体的には次のようにしてなし得る。
例えば、湿度計測装置における湿度センサの静電容量の検出値が1.0x10-11F以下であれば断線として断線アラームを出力するようにする一方、静電容量の検出値が1.5x10-9F以上であればアラームを出力するようにする。後者の場合、結露アラームとしないのは、短絡の場合にも静電容量の検出値が異常に上昇するためである。なお、後者の場合、湿度センサにヒータ等の加熱機構が付加されていて昇温可能であれば、まず結露の可能性を考えてセンサ素子の温度を上昇させて、所定時間経過後に静電容量の検出値が所定値に復帰すれば、結露が解消されたと判断して測定を継続する。その逆に、所定時間が経過しても静電容量の検出値が所定値に復帰しなければ、アラームを出力する。
この場合、出力されるアラームは、例えば結露表示、断線表示、接点信号、ブザーなど種々のものとすることができ、その出力も例えば静電容量の検出値が閾値を超えるとただちになしたり、所定時間内における静電容量の検出値が閾値を超える回数が所定回を超えてからなすようにしてもよい。また、要アラームの判定に用いられる閾値も湿度センサに応じて適宜設定される。なお、結露の解消判断も同様とすることができる。
図14に、かかる機能を有する計測装置をブロック図で示す。図14に示す計測装置A3においては、湿度センサSの検出値が静電容量計測部24に送出され、静電容量計測部24は入力された検出値から静電容量を計測してその計測値を演算処理部30に送出する。演算処理部30の加熱指示部35は静電容量の計測値が閾値を超えている場合、湿度センサSに付加されているヒータHに加熱を指示する。アラーム判定部36は、静電容量の計測値に応じて断線アラーム、結露アラーム、短絡アラームを出力する。短絡アラームは、例えばヒータHによる加熱を所定時間行なっても静電容量の計測値が所定値に復帰しない場合になされる。
このように、図14に示す計測装置A3によれば、湿度センサSの異常に対して自動対応がなし得る。また、湿度センサSの故障や結露などにより正常な計測がなし得ない状態を検知できることにより、湿度センサSの不具合による異常値の記録、意図しない制御がなされるのが防止される。
図15(a)は、塩化ナトリウム飽和塩によって充分な安定時間をおき、一定湿度雰囲気にされたデシケータに実施例1の湿度センサをすばやく挿入して湿度指示値(静電容量)の時間変化を記録したグラフである。なお、デシケータ内は無風とされ、またキャップは用いていない。
図15(b)は、比較のために感湿膜にポリマーを用いた市販の静電容量式湿度センサ(以下、比較例1の湿度センサという)の湿度指示値の時間変化を実施例1の湿度センサの場合と同一条件下で記録したグラフである。
図15(a)および図15(b)より、実施例1の湿度センサは100秒程度で指示値が完全に安定するのが認められるのに対し、比較例1の湿度センサは300秒が経過しても指示値が安定していないのが認められる。したがって、実施例1の湿度センサは、比較例1の湿度センサに対して応答性が優れているといえる。
図16(a)は、実施例1の湿度センサの結露サイクル試験の結果を示すグラフであり、図16(b)は比較例1の湿度センサの結露サイクル試験の結果を示すグラフである。結露サイクル試験は、沸騰した純水でセンサ素子部分を3時間煮沸した後、常温・常湿で乾燥するという方法で行い、実施例1の湿度センサについては各基準湿度における静電容量を計測し、比較例1の湿度センサについては各基準湿度における湿度指示値を計測した。
図16(a)および図16(b)より、実施例1の湿度センサは試験を行った各相対湿度において、静電容量変化を湿度指示値変化に換算した状態で、数%の変化しか認められず再現性を有しているのに対し、比較例1の湿度センサは試験を行った各相対湿度において、基準湿度に対する偏差が試験前の5%未満から15%を超えるようになり再現性を有していないのが認められる。したがって、実施例1の湿度センサは比較例1の湿度センサに対して耐結露性に優れているといえる。
図17は、実施例1の湿度センサの温度をパラメータとして相対湿度と抵抗との関係を示すグラフである。図17より、抵抗値の湿度依存性はほとんどないことが認められる。
図18は、実施例1の湿度センサの相対湿度0%における温度と抵抗との関係示したグラフである。図18より、温度と抵抗との間には一定の関係があるのが認められる。
図12、図17および図18より、実施例1の湿度センサにより抵抗値のみで概略の温度を検出することもできるのが理解される。また、抵抗値と静電容量値を用いれば、精密に温度計測がなし得るのが理解される。つまり、実施例1の湿度センサにより湿度と温度の両方が同時に計測あるいは検出することができるのが理解される。さらに、図13および図14より湿度センサSの断線や結露なども検知できるのも理解される。
実施例2
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
拡散防止膜成膜条件
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.24Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.24Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:4時間
得られた実施例2の湿度センサについて高温さらし試験を行った。また、比較のために感湿膜にポリマーを用いた市販の静電容量式湿度センサ(以下、比較例2の湿度センサという)について高温さらし試験を行った。高温さらし試験は、実施例2の湿度センサについては250℃の温度雰囲気に24時間さらすことにより行い、比較例2の湿度センサについては200℃の温度雰囲気に24時間さらすことにより行った。
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.24Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.24Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:4時間
得られた実施例2の湿度センサについて高温さらし試験を行った。また、比較のために感湿膜にポリマーを用いた市販の静電容量式湿度センサ(以下、比較例2の湿度センサという)について高温さらし試験を行った。高温さらし試験は、実施例2の湿度センサについては250℃の温度雰囲気に24時間さらすことにより行い、比較例2の湿度センサについては200℃の温度雰囲気に24時間さらすことにより行った。
図19(a)に実施例2の湿度センサの各基準湿度に対する静電容量の試験前後の変化を示し、図19(b)に比較例2の湿度センサの各基準湿度に対する湿度指示値の試験前後の変化を示す。
図19(a)および図19(b)より、実施例2の湿度センサは試験を行った各基準湿度において、静電容量変化を湿度指示値変化に換算した状態で、数%の変化しか認められず再現性を有しているのに対し、比較例2の湿度センサは試験を行った各基準湿度において、基準湿度に対する偏差が試験前の5%程度から25%近くにまでなり再現性を有していないのが認められる。したがって、実施例2の湿度センサは比較例2の湿度センサに対して耐高温さらし性に優れているといえる。
実施例3および比較例3
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た(実施例3)。後処理をしなかった他は実施例3と同様にして湿度センサを得た(比較例3)。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た(実施例3)。後処理をしなかった他は実施例3と同様にして湿度センサを得た(比較例3)。
拡散防止膜成膜条件
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:300W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:300W
スパッタリング時間:5時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:2時間
実施例3および比較例3の湿度センサのそれぞれについて、相対湿度に対する静電容量の変化を温度をパラメータとして計測した。図20にその結果を示す。
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:300W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:300W
スパッタリング時間:5時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:2時間
実施例3および比較例3の湿度センサのそれぞれについて、相対湿度に対する静電容量の変化を温度をパラメータとして計測した。図20にその結果を示す。
図20より、実施例3の湿度センサは、温度の違いによる静電容量計測値のずれが小さく、比較例3の湿度センサは、温度の違いによる静電容量計測値のずれが大きいのがわかる。したがって、実施例3の湿度センサの方が比較例3の湿度センサより特性が改善されているといえる。
実施例4
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
拡散防止膜成膜条件
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:MgTiO3
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:2時間
実施例4の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図21にその結果を示す。図21より、実施例4の湿度センサは、温度の違いによる静電容量計測値のずれが小さいのがわかる。したがって、実施例4の湿度センサは耐温度依存性が優れているといえる。
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:MgTiO3
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:煮沸
時間:2時間
実施例4の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図21にその結果を示す。図21より、実施例4の湿度センサは、温度の違いによる静電容量計測値のずれが小さいのがわかる。したがって、実施例4の湿度センサは耐温度依存性が優れているといえる。
実施例5
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成して湿度センサを得た。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に拡散防止膜および感湿膜を以下の条件で形成して湿度センサを得た。
拡散防止膜成膜条件
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:BaTiO3
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
実施例5の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図22にその結果を示す。図22より、実施例5の湿度センサは、温度の違いによる静電容量計測値のずれが小さいのがわかる。 したがって、実施例5の湿度センサは耐温度依存性が優れているといえる。
膜質:TiO2
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:30分
感湿膜成膜条件
膜質:BaTiO3
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=1sccm/0.5sccm
使用ガス総圧力:0.28Pa
RF出力:100W
スパッタリング時間:2時間
実施例5の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図22にその結果を示す。図22より、実施例5の湿度センサは、温度の違いによる静電容量計測値のずれが小さいのがわかる。 したがって、実施例5の湿度センサは耐温度依存性が優れているといえる。
実施例6
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に絶縁膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に絶縁膜および感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
絶縁膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=3sccm/0.34sccm
使用ガス総圧力:0.32Pa
RF出力:200W
スパッタリング時間:8時間
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:15〜62℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=10sccm/1.31sccm
使用ガス総圧力:0.92Pa
RF出力:200W
スパッタリング時間:8時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:DC120V印加
実施例6の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図23(a)にその結果を示す。図23(a)より、実施例6の湿度センサは、初期静電容量および静電容量変化量が大きいのがわかる。また、実施例6の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する抵抗の変化を計測した。図23(b)にその結果を示す。図23(b)より、実施例6の湿度センサは、実施例1の湿度センサに比較して抵抗値が高いのが理解される(図17参照)。これにより、計測回路の実現が容易となりので、信頼性の高い計測がなし得る。
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=3sccm/0.34sccm
使用ガス総圧力:0.32Pa
RF出力:200W
スパッタリング時間:8時間
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:15〜62℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=10sccm/1.31sccm
使用ガス総圧力:0.92Pa
RF出力:200W
スパッタリング時間:8時間
後熱処理条件
温度:600℃
時間:20時間
後処理条件
処理:DC120V印加
実施例6の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図23(a)にその結果を示す。図23(a)より、実施例6の湿度センサは、初期静電容量および静電容量変化量が大きいのがわかる。また、実施例6の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する抵抗の変化を計測した。図23(b)にその結果を示す。図23(b)より、実施例6の湿度センサは、実施例1の湿度センサに比較して抵抗値が高いのが理解される(図17参照)。これにより、計測回路の実現が容易となりので、信頼性の高い計測がなし得る。
実施例7
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
下部電極膜が形成されたアルミナ基板に感湿膜を以下の条件で形成し、ついで得られた感湿膜を以下の条件で後熱処理および後処理をした後、多孔質上部電極を形成して湿度センサを得た。
感湿膜成膜条件
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=3sccm/0.34sccm
使用ガス総圧力:0.32Pa
RF出力:200W
スパッタリング時間:8時間
後処理条件
処理:DC3.5V印加
実施例7の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図24にその結果を示す。図24より、実施例7の湿度センサは他の実施例の湿度センサより静電容量が一桁程度大きいことがわかる。したがって、実施例7の湿度センサは、他の実施例の湿度センサよりより精度の高い計測がなし得る。
膜質:PZT(Zr=0.65)
基板温度:500℃
使用ガス:Ar,O2
使用ガス組成比:Ar/O2=3sccm/0.34sccm
使用ガス総圧力:0.32Pa
RF出力:200W
スパッタリング時間:8時間
後処理条件
処理:DC3.5V印加
実施例7の湿度センサについて、温度をパラメータとして相対湿度に対する静電容量の変化を計測した。図24にその結果を示す。図24より、実施例7の湿度センサは他の実施例の湿度センサより静電容量が一桁程度大きいことがわかる。したがって、実施例7の湿度センサは、他の実施例の湿度センサよりより精度の高い計測がなし得る。
本発明の湿度センサは湿度を計測する各種計測装置に適用できる。
1 基板
2 下部電極膜、下部電極
3 感湿膜
4 上部電極膜、上部電極
5 下部電極リード線
6 上部電極リード線
7 透孔
8 拡散防止膜
9 絶縁膜
20 抵抗計測部
22 静電容量・抵抗計測部
24 静電容量計測部
30 演算処理部
31 抵抗・温度テーブル
32 静電容量・抵抗・温度テーブル
35 加熱指示部
36 アラーム判定部
A 温度計測装置
S 湿度センサ
H ヒータ
2 下部電極膜、下部電極
3 感湿膜
4 上部電極膜、上部電極
5 下部電極リード線
6 上部電極リード線
7 透孔
8 拡散防止膜
9 絶縁膜
20 抵抗計測部
22 静電容量・抵抗計測部
24 静電容量計測部
30 演算処理部
31 抵抗・温度テーブル
32 静電容量・抵抗・温度テーブル
35 加熱指示部
36 アラーム判定部
A 温度計測装置
S 湿度センサ
H ヒータ
Claims (33)
- 上部電極と下部電極とを備え、感湿膜がペロブスカイト型構造を有する強誘電体からなる静電容量式湿度センサであって、
前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、
AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなる
ことを特徴とする湿度センサ。 - 感湿膜が薄膜とされてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 感湿膜の膜厚が1μm以下とされてなることを特徴とする請求項2記載の湿度センサ。
- 感湿膜の膜厚が150nm〜700nmの範囲とされてなることを特徴とする請求項3載の湿度センサ。
- 感湿膜の膜厚が250nm〜600nmの範囲とされてなることを特徴とする請求項4記載の湿度センサ。
- 感湿膜表面が−OH基,−CO基,−SO基などの官能基により修飾されてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 前記官能基が−OH基とされてなることを特徴とする請求項6記載の湿度センサ。
- 拡散防止膜の上に感湿膜が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 所定膜厚の稠密な絶縁膜上に感湿膜が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 前記稠密な絶縁膜が強誘電体とされてなることを特徴とする請求項9記載の湿度センサ。
- 前記稠密な絶縁膜の強誘電体がペロブスカイト型構造を有してなることを特徴とする請求項10記載の湿度センサ。
- 前記稠密な絶縁膜の強誘電体を構成するペロブスカイト型構造はABOxで表され、
AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなる
ことを特徴とする請求項11記載の湿度センサ。 - 前記稠密な絶縁膜の強誘電体を構成するペロブスカイト型構造はPb(Zrx,Ti1-x)Oyで表され、xが0≦x≦1とされてなることを特徴とする請求項11記載の湿度センサ。
- xが0.5≦x≦0.7とされてなることを特徴とする請求項13記載の湿度センサ。
- xが0.65とされてなることを特徴とする請求項14記載の湿度センサ。
- 感湿膜が吸着可能量増加処理膜とされてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 感湿膜が強制的に分極させられてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 上部電極が、該上部電極形成後に加熱されて多孔化されてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
- 請求項1ないし請求項18のいずれか一項に記載の湿度センサを用いて構成されてなることを特徴とする湿度計測装置。
- 請求項1ないし請求項18のいずれか一項に記載の湿度センサを用いて湿度および温度の計測がなし得るよう構成されてなることを特徴とする計測装置。
- 請求項1ないし請求項18のいずれか一項に記載の湿度センサを用いて該湿度センサ素子表面の結露が検知できるように構成されてなることを特徴とする計測装置。
- 湿度センサを加熱する加熱機構が備えられてなることを特徴とする請求項21記載の計測装置。
- 請求項1ないし請求項18のいずれか一項に記載の湿度センサを用いて上部電極、下部電極または前記各電極に接続されているリード線の断線が検知できるように構成されてなることを特徴とする計測装置。
- 基板の上に下部電極膜を形成し、該下部電極膜の上にペロブスカイト型構造を有する強誘電体の感湿膜を形成し、該感湿膜の上に上部電極膜を形成する静電容量式湿度センサの製法であって、
前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、
AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなる
ことを特徴とする湿度センサの製法。 - 基板の上に下部電極膜を形成し、該下部電極膜の上に拡散防止膜を形成し、該拡散防止膜の上にペロブスカイト型構造を有する強誘電体の感湿膜を形成し、該感湿膜の上に上部電極膜を形成する静電容量式湿度センサの製法であって、
前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、
AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなる
ことを特徴とする湿度センサの製法。 - 基板の上に下部電極膜を形成し、該下部電極膜の上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜の上にペロブスカイト型構造を有する強誘電体の感湿膜を形成し、該感湿膜の上に上部電極膜を形成する静電容量式湿度センサの製法であって、
前記ペロブスカイト型構造はABOxで表され、
AがMg,Ca,Sr,Baからなる群の中から選択された一つまたは二以上のものとされ、BがTi,Zrからなる群の中から選択された一つまたは二つのものとされ、xがほぼ3とされてなる
ことを特徴とする湿度センサの製法。 - 感湿膜に対して吸着可能量増加処理をなすことを特徴とする請求項24、25または26記載の湿度センサの製法。
- 前記吸着可能量増加処理を逆スパッタリング法またはエッチング法によりなすことを特徴とする請求項27記載の湿度センサの製法。
- 感湿膜表面を官能基により修飾する修飾処理をなすことを特徴とする請求項24、25または26記載の湿度センサの製法。
- 前記修飾処理を反応性スパッタリング法またはイオンプレーティング法によりなすことを特徴とする請求項29記載の湿度センサの製法。
- 前記修飾処理を感湿膜成膜後、該感湿膜をただちに水、硫酸、カルボン酸などの官能基含有溶液と接触させることによりなすことを特徴とする請求項29記載の湿度センサの製法。
- 感湿膜に対して強制分極処理をなすことを特徴とする請求項24、25または26記載の湿度センサの製法。
- 前記強制分極処理を直流電圧を印加することによりなすことを特徴とする請求項32記載の湿度センサの製法。
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