JP2007146334A - ポリエステル繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた吸湿性と放湿性を有し、かつ、色調、紫外線遮蔽効果、ドライ感(接触冷感性)にも優れており、製編織することにより、特に直接的に肌に触れた状態や、肌に近い状態で使用する衣料用途に好適であるポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】ポリアルキレンテレフタレートを主成分とし、第二成分として下記(A)と(B)を含有するポリマーで構成されたポリエステル繊維であって、繊維中の(A)と(B) の合計含有量が1〜20質量%であり、かつ繊維中にセラミック微粒子を1.0〜8.0質量%含有し、繊維横断面形状が扁平度3.0〜6.0を満足する楕円もしくは多角形状である。
(A)スルホン酸基含有芳香族カルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、ポリアルキレングリコールからなるエステル化反応物
(B)ポリアルキレングリコール
【選択図】図1

Description

本発明は、吸放湿性能を有し、かつセラミックス微粒子を含有し、扁平断面形状を呈する繊維であって、快適性に優れているため、インナー、スポーツ衣料、ブラウスなどの衣料用素材に特に好適に使用することができるポリエステル繊維に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルは、優れた機械的特性及び化学的特性を有しており、広範な分野において使用され、特に合成繊維として極めて広い用途を有している。
しかしながら、ポリエステル繊維は疎水性であるために極めて吸湿性が低く、インナー、中衣、スポーツ衣料等のように直接的に肌に触れて、あるいは肌側に近い状態で着用される分野に使用する場合は、肌からの発汗によるムレやベタつき等を生じ、快適性の点で天然繊維と比較して著しく劣り、このような衣料分野での利用が大きく制限されている。
従来、ポリエステル繊維に親水性又は吸湿性を付与しようとする試みが種々なされてきた。例えば、特許文献1には、ポリアルキレングリコール類を50〜70質量%含有したポリエステル組成物からなる吸湿性ポリエステル繊維が提案されている。しかしながら、この繊維はポリアルキレングリコールを多く含有しているために、色調が悪く、また耐光堅牢度も著しく劣ったものであった。
このような問題点を解決するものとして、特許文献2には、常温下で吸湿率が10質量%以上の吸湿性ポリマーを芯部とし、鞘部を通常のポリエステルで覆った芯鞘型複合繊維が提案されている。この複合繊維は外側が通常のポリエステルで覆われているため、色調、耐光堅牢度とも良好であるが、染色加工時の熱水により芯部の吸湿性ポリマーが大きく膨潤するため、複合繊維の表面にひび割れが生じ、水に対する親和性が高い芯部のポリマーが外部に流出してしまうという問題点があった。
また、特許文献3には、アルキルスルホン酸塩及び/又はアルキルベンゼンスルホン酸塩と、ポリアルキレングリコールを含有するポリエステル繊維が提案されている。この繊維は、吸湿性能を有し、かつ色調及び耐光堅ろう度も優れた繊維であった。しかしながらこの繊維では、吸湿成分とポリエステルの相溶性が十分に優れていないため、溶融紡糸時に吸湿成分がブリードアウトしたり、さらには染色加工によってもブリードアウトしたりすることがあり、吸湿性能が低下するという問題点があった。
さらに、衣料用途においては、ゴルフ、テニスなどの紫外線に肌が曝露されるスポーツに使用するウェアには紫外線遮蔽性が、あるいはブラウス、白衣などの淡色が好まれるウェアにおいては透け防止性が要求される。これらを解決する方法として生地の濃色化、生地を厚くするなどの方法が従来行われているが、この方法では直射日光によって濃色化した衣服の温度が上昇し快適性が損なわれたり、生地を厚くすることによる審美性の低下、快適性の低下が発生したりする。このように、ニーズの多様化及び個性化によって、高い防透性、紫外線遮蔽効果、ドライ感を同時に満足するような製品も望まれている。
上記した機能を満足するものとして、例えば特許文献4には、繊維の芯部に二酸化チタンを含有させたものが提案されている。この繊維は、通常糸と比較して防透性、紫外線遮蔽効果及びドライ感(接触冷感性)のある製品は得られるものの、鞘部に入射する紫外線、可視光は大部分が通過してしまうため、その効果は十分ではないという問題点があった。
特開昭62−267352号公報 特開平2−99612号公報 特開2004−353140号公報 特開平10−110328号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するものであって、優れた吸湿性と放湿性を有し、かつ、色調、紫外線遮蔽効果、ドライ感(接触冷感性)にも優れており、製編織することにより、特に直接的に肌に触れた状態や、肌に近い状態で使用する衣料用途に好適であるポリエステル繊維を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリアルキレンテレフタレートを主成分とし、第二成分として下記(A)と(B)を含有するポリマーで構成されたポリエステル繊維であって、繊維中の(A)と(B) の合計含有量が1〜20質量%であり、かつ繊維中にセラミック微粒子を1.0〜8.0質量%含有し、繊維横断面形状が扁平度3.0〜6.0を満足する楕円もしくは多角形状であることを特徴とするポリエステル繊維を要旨とするものである。
(A)スルホン酸基含有芳香族カルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、ポリアルキレングリコールからなるエステル化反応物
(B)ポリアルキレングリコール
本発明のポリエステル繊維は、特定の成分を含有してなるポリエステルからなる繊維であるため、優れた吸湿性と放湿性を有し、色調も良好である。そして、セラミック微粒子を含有し、繊維横断面形状が扁平断面形状を呈するものであるため、紫外線遮蔽効果とドライ感(接触冷感性)にも優れている。このため、本発明のポリエステル繊維を使用した織編物等の布帛(製品)は、インナー、中衣、スポーツ衣料等のように直接的に肌に触れて、あるいは肌側に近い状態で着用される分野をはじめ、種々の衣料用途に好適に使用することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステル繊維は、ポリアルキレンテレフタレートを主成分とし、第二成分として成分(A)と成分(B)を含有させてなるポリマー(ポリマー(M))で構成されているものである。中でも、本発明のポリエステル繊維は、ポリマー(M)のみで構成されていることが好ましい。つまり、ポリマー(M)が繊維の一部にのみ使用された形状(芯鞘型や海島型)のものではなく、繊維全体がポリマー(M)で構成された単一成分型のものである。単一成分型とすることによって、芯鞘型、海島型で問題となる溶融紡糸時や染色加工時、さらには使用時における吸湿成分のブリードアウトや流出、剥落を防ぐことができるので、吸放湿性能が長期間持続する吸放湿性に優れた繊維とすることができる。
本発明におけるポリアルキレンテレフタレートを主成分とするポリエステル成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を主成分とするものが挙げられる。なお、これらのポリエステル成分には、目的や効果を損なわない範囲であれば、イソフタル酸、スルホイソフタル酸塩、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物等が共重合されていてもよい。
次に、成分(A)、(B)について説明する。成分(A)、(B)は吸放湿成分となるものである。
成分(A)は、スルホン酸基含有芳香族カルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体(A-1)、スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体(A-2)、ポリアルキレングリコール(A-3)からなるエステル化反応物であり、成分(A)として、(A-1)〜(A-3)の全てを含有してなるエステル化反応物である。そして、成分(B)はポリアルキレングリコールである。
まず、成分(A)について説明する。ポリアルキレングリコールはエーテル結合部および末端水酸基の水和力により大きな吸湿性をもつが、単純にポリエステルにブレンドしても紡糸性、耐光性に劣るものとなる。また、スルホン酸基含有芳香族カルボン酸やそのエステル形成性誘導体に含有されるスルホン酸基も水和力による大きな吸湿性を持つが、それのみでは低分子量化合物であるために溶融紡糸時や染色加工等の後加工時等にブリードアウトが発生する。
このため、エステル化反応物とし、スルホン酸基含有芳香族カルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体とポリアルキレングリコールを重縮合させることによって、ブリードアウトを抑制することができ、スルホン酸基とエーテル結合部が近接するために吸放湿性がより向上するという相乗効果が得られる。
さらに、繊維を構成する主成分であるポリアルキレンテレフタレートとの相溶性に優れるポリカルボン酸を、ポリアルキレングリコールやスルホン酸基含有芳香族カルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体と重縮合させることによって、主成分のポリアルキレンテレフタレートとの相溶性が向上し、溶融紡糸時や染色加工等の後加工時等にブリードアウトが発生しにくくなり、使用時における吸湿成分の流出や剥落も防ぐことができる。
成分(A)を構成するスルホン酸基含有芳香族カルボン酸やそのエステル形成性誘導体(A-1)としては、5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、これらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)や、これらの芳香族ジカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4程度のもの)エステル、その塩、酸無水物等が挙げられる。中でも5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩ジエチレングリコールエステル(以下SIPG)が好ましい。スルホン酸基含有芳香族カルボン酸とそのエステル形成性誘導体は、どちらか一方のみ用いても、両者を併用してもよい。また、1種類の成分のみを用いても、複数種類を併用してもよい。
成分(A)を構成するスルホン酸基を含有しないポリカルボン酸やそのエステル形成性誘導体(A-2)としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸やイソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、これらのポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4程度のもの)エステル、酸無水物等が挙げられる。スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸とそのエステル形成性誘導体は、どちらか一方のみ用いても、両者を併用してもよい。また、1種類の成分のみを用いても、複数種類を併用してもよい。
成分(A)を構成するポリアルキレングリコール(A-3)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーなどが挙げられるが、中でも吸湿性の観点からポリエチレングリコール(以下PEG)が好ましい。ポリアルキレングリコールの数平均分子量は1000〜30000のものが好ましく、数平均分子量2000〜22000のものがより好ましい。また異なる数平均分子量のものを複数種類併用してもよい。数平均分子量が1000より低いと熱安定性、耐ブリードアウト性に劣るものとなり、数平均分子量が30000を超えるとエステル化反応が進みにくくなるため好ましくない。
なお、数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC )法により測定するものである。
成分(A)は、上記した3つの成分〔(A-1)〜(A-3)〕を、通常のポリエステルの製造方法と同様にしてエステル化反応させて得ることができる。重合反応に用いる重合触媒としては、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、ジブチル錫オキシド、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用することができ、中でもテトラブチルチタネートが好ましい。
成分(A)中のそれぞれの含有量としては、(A-1)は5〜35モル%、(A-2)は5〜45モル%、(A-3)は50〜90質量%であることが好ましい。
そして、成分(A)の数平均分子量は、1000〜30000が好ましく、中でも4000〜20000が好ましい。数平均分子量が1000未満であると、熱安定性、耐ブリードアウト性に劣るものとなり好ましくない。30000を超えると溶融粘度が高くなり、主成分中に均一に分散させて含有させることが困難となりやすい。
成分(B)としては、PEG、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーなどが挙げられるが、中でもPEGが好ましい。ポリアルキレングリコールの数平均分子量は1000〜30000のものが好ましく、数平均分子量4000〜20000のものがより好ましい。数平均分子量が1000未満であると、熱安定性に乏しいものとなりやすく、数平均分子量が30000を超えると、溶融粘度が高くなり、成分(A)と成分(B)を均一に混合することが困難となりやすい。
成分(A)と成分(B)の質量比は5:95〜95:5が好ましく、10:90〜90:10がより好ましい。成分(A)の質量比が5未満であると、主成分との相溶性に劣るものとなりやすく、一方、成分(A)の質量比が95を超えると、成分(B)が少なくなり水酸基が少なくなるため、得られる繊維の吸放湿性能が乏しくなりやすい。
さらに、本発明のポリエステル繊維中の成分(A)と成分(B)の合計の含有量は、1〜20質量%であり、中でも5〜15質量%であることが好ましい。これらの含有量が1質量%未満であると、十分な吸放湿性能を有していない繊維となる。一方、20質量%を超えると、ポリマー(M)の溶融粘度が著しく低下し、製糸操業性が悪化するため好ましくない。
本発明のポリエステル繊維において、主成分と第二成分である成分(A)と(B)とが含有されている状態としては、主成分と成分(A)、(B)が共重合されている状態と、主成分と成分(A)、(B)が混合(ブレンド)されている状態の両方が含まれる。中でも予め成分(A)と(B)を混合して混合物(C)とすることが好ましい。そして、主成分中に混合物(C)が混合又は共重合されている状態とすることが好ましく、中でも主成分中に混合物(C)が混合されている状態とすることが好ましい。
成分(A)と(B)からなる混合物(C)を得る方法としては、特に限定されるものではないが、ミキサー等の混合装置を用いて、80〜120℃で1〜4時間混合することにより製造することができる。
また、本発明のポリエステル繊維は、セラミック微粒子を1.0〜8.0質量%含有するものであり、中でも、1.5〜6.0質量%含有することが好ましい。セラミック微粒子を含有することにより、繊維の重量感を増すと同時に、優れた防透性、紫外線遮蔽効果を付与することができる。
さらに、セラミック微粒子および水の比熱容量はポリエステルより高く(例えば二酸化チタンは520J/(kg・K)、ポリエステルは270J/(kg・K)、水は4184J/(kg・K)である)、ポリエステルと比較してセラミック微粒子および水の熱伝導率は高い(例えば二酸化チタンは21.9W/(m・K)、ポリエステルは1.47×10-5W/(m・K)、水は0.59W/(m・K))。このことにより、通常の環境下(25℃、60%RH)では繊維がセラミック微粒子を多量に含有することによって熱伝導率が高くなり、ドライ感が発現する。高温多湿の環境下(例えば34℃、90%RH)ではセラミック微粒子のドライ感に加えて、発汗によって放出された水分を繊維中の吸湿成分が取り込み、水の高い比熱容量の効果で人体の温度上昇を抑え、水の蒸発熱によって衣服の温度を更に下げるため、ドライ感が飛躍的に向上する効果が現れる。
セラミック微粒子の含有量が1.0質量%未満になると、防透性や紫外線遮蔽効果、ドライ感に劣ったものとなる。一方、含有量が8.0質量%を超えると、糸切れ、毛羽等が発生する操業上の問題があり、好ましくない。セラミック微粒子は、ポリエステルの重合時あるいは紡糸時の溶融段階で添加することが可能であるが、凝集を防ぎ、より均一に分散させることを考慮すると、重合時に添加することが好ましい。
セラミックス微粒子の平均粒径は、0.1〜2.0μmであることが好ましく、中でも0.2〜1.8μmであることが好ましい。セラミック微粒子の平均粒径が0.1μm以下になると、セラミック微粒子の二次凝集が進行し、操業性が悪くなるばかりでなく、得られる繊維の染色品位も悪くなりやすい。さらに、二次凝集を抑えられたとしても粒径が小さすぎると可視光が通過してしまうため、隠蔽性に劣るものとなりやすい。
一方、2.0μmを超えると、粒子が局部的に大きく露出してしまうため摩擦抵抗が大きくなってしまい、極端な場合は粒子が局在するために、紡糸時に応力の偏りによる糸切れの発生、延伸時に毛羽が発生する等、操業的な問題が発生するため好ましくない。
また、セラミック微粒子の密度は3.5g/cm3 以上であることが好ましい。密度が3.5g/cm3 より低いと繊維の密度を増す効果が乏しく、密度を増すために多量に含有させた場合は紡糸時に糸切れが発生したり、延伸、加工時に毛羽が発生したりする等、操業性に問題を生じることがある。
本発明において使用するセラミック微粒子は、特に限定されるものではなく、二酸化チタン、アルミナ、シリカ等を使用することができるが、中でも防透性、紫外線遮蔽効果に特に優れるものとして二酸化チタンが好ましい。
さらに、本発明のポリエステル繊維は、繊維横断面形状が扁平度3.0〜6.0を満足する楕円もしくは多角形状であることが必要である。このような扁平断面形状とすることによって、織物とした際に肌と接触する面積が丸断面糸より大きくなり、接触冷感効果を向上させることができる。また、高密度の織編物となるため、同量のセラミック微粒子を含有した丸断面糸よりも紫外線遮蔽効果に優れるものとなる。
なお、扁平度3.0〜6.0を満足する多角形状としては、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等のものが挙げられる。
そして、本発明においては、繊維の長さ方向に対して垂直に切断した単糸の断面の形状を繊維横断面形状という。繊維横断面形状が楕円、多角形状ともに、繊維横断面形状において最長となる長さをL1とし、L1と直交する直線のうち最長となる長さをL2とし、扁平度=(L1/L2)で算出するものである。
ここで、図面を用いて本発明のポリエステル繊維の横断面形状について説明する。図1〜3は、本発明のポリエステル繊維の繊維横断面形状の一例を示す模式図である。
図1は繊維横断面形状が楕円のもの、図2は繊維横断面形状が三角形のもの、図3は繊維横断面形状が四角形のものである。
扁平度は3.0〜6.0、中でも3.5〜5.0であることが好ましい。扁平度が3.0より低くなると、丸断面形状に近くなり、接触冷感効果が低下し、紫外線遮蔽性にも劣るものとなる。扁平度が6.0より高くなると、紡糸、延伸性が悪化し、操業性よく得ることが困難になるとともに、得られる布帛の風合いもペーパーライクになりすぎるものとなる。
なお、本発明のポリエステル繊維の扁平度は、紡糸口金の紡糸孔のスリット形状を変更したり、ポリマーの溶融粘度やセラミック微粒子の含有量を変更することにより調整することが可能である。また、紡糸、延伸工程等での冷却や熱処理条件等によっても調整することができる。
そして、本発明のポリエステル繊維は、吸放湿性を示す指数として、水分率を示す下記式(1)〜(4)を同時に満足することが好ましい。
水分率(W1)(%):〔(P−R)/R〕×100=1.5〜10.0 (1)
水分率(W2)(%):〔(Q−R)/R〕×100=0.6〜4.0 (2)
W1−W2≧0.9 (3)
W1/W2≧2.4 (4)
なお、繊維5gを筒編み又は繊維のまま、130℃の熱水中で30分間浸漬させた後、熱風乾燥機にて105℃、24時間乾燥した後の質量を(R)とする。次に恒温恒湿槽(ヤマト科学社製humidity chamber、型番IG420)を用いて、34℃、90%RHの条件で24時間処理した後の質量を(P)とする。続いて25℃、60%RHの条件で2時間処理した後の質量を(Q)とする。
(1)式は、主に繊維の吸湿性を示す指数であり、絶乾状態から34℃、90%RHの条件とした際にどれくらいの水分を吸湿できるかを示すものである。なお、34℃、90%RHの条件とは、衣服を着用した人が運動して汗をかいた際の皮膚に近い部分の条件と類似するものである。
本発明のポリエステル繊維は、成分(A)と成分(B)を含有していることによって吸湿性が向上し、(1)式の値は1.5〜10.0であることが好ましく、中でも2.0〜8.0であることが好ましい。(1)式の値が1.5未満であると、十分な吸湿性能を有していないものとなりやすい。一方、この値が10.0を超えると、成分(A)と成分(B)の合計含有量が20質量%を超えるものとする必要があり、ポリマー(M)の溶融粘度が著しく低下し、製糸操業性が悪化するため好ましくない。
なお、通常のポリエステル繊維は吸湿性を有しておらず、(1)式の値は0.1〜0.6程度である。
(2)式は、主に繊維の放湿性を示す指数であり、絶乾状態から34℃、90%RHの条件とした際に吸湿した水分を放湿する程度を示すものである。なお、25℃、60%RHの条件とは、人が通常の状態で生活している際の外部環境に近い条件と類似するものである。
本発明のポリエステル繊維は、成分(A)と成分(B)を含有していることによって吸湿性とともに放湿性も向上するものであり、(2)式の値は0.6〜4.0であることが好ましく、中でも0.8〜3.2であることが好ましい。つまり、本発明のポリエステル繊維は、衣服を着用した人が運動して汗をかいた際には汗等の水分を多く吸湿し、運動後はその吸湿した水分を速やかに放湿して通常の状態になるものであり、これにより衣服着用時の快適性が向上するものである。
(2)式の値が4.0を超えると、十分な放湿性能を有していないものとなりやすい。一方、この値を0.6未満とするには、成分(A)と成分(B)の合計含有量を1質量%未満とする必要があり、(1)式を満足することができなくなるため好ましくない。
そして、(3)式は、(1)式と(2)式の値の差である、W1−W2が0.9以上であることが好ましい。W1−W2が0.9未満であると、吸湿性もしくは放湿性のいずれかに劣っており、吸放湿性に劣るものとなる傾向がある。W1−W2の上限は、繊維中の成分(A)と成分(B)の含有量等を考慮すると、9.0とすることが好ましく、中でも8.0とすることが好ましい。
さらに、(4)式は、(1)式が(2)式の2.4倍以上であることが好ましいということを示している。W1/W2が2.4未満であると、十分な吸放湿性を有していないものとなる。例えば、綿(25℃、60%RH における水分率8.5%)のような吸湿性を有する繊維であっても、W1/W2は1.5程度である。なお、W1/W2が4.8以上であると、吸湿性が高くなりすぎるために吸湿時に繊維に割れが生じることがあり、好ましくない。
さらに、本発明のポリエステル繊維は、繊維の色調を示すL値が85以上、b値が5.0以下であることが好ましく、中でもL値が91以上、b値が4.0以下であることが好ましい。
本発明のポリエステル繊維においては、特定の成分からなる成分 (A)と成分(B)を吸湿成分として用いているため、ポリマー(M)からなる単一成分型の構造であって、ポリマー(M)が繊維表面に存在していても、耐光性に優れるとともに、色調に優れる繊維とすることができる。
L値は色の白度を示す指標となり、b値は色の黄度を示す指標となるものであり、L値が85未満であると黒味がかった色となり、b値は低いほど青味がかった色となり、5.0を超えると黄味色が強くなりすぎる。したがって、L値が85未満であったり、b値が5.0を超えると、フィラメント糸を原糸の状態、あるいは布帛として使用した場合ともに、外観的な色調に劣り、品位も低いものとなる。
なお、本発明におけるL値、b値は、得られた繊維を筒編したもの(染色せず)を重ねて、MINOLTA社製色彩色差計 CR-300にてL値及びb値を測定したものである。
本発明のポリエステル繊維の単糸繊度は適宜選択することができ、0.1〜20dtexが好ましい。単糸繊度が小さくなっても、本発明の繊維は吸湿性樹脂を均一に分散した繊維であるため紡糸操業性は極端に悪化しないが、0.1dtexを下回ると繊維形成性が悪化するため好ましくない。20dtexを超えると、吸湿性樹脂の溶融粘度がポリエステル樹脂に比べて低いため、繊維形成性が悪化するため好ましくない。
また、本発明の繊維形態としては、フィラメント、ステープル、ステープルを精紡機で紡績した紡績糸など、いずれの方法で製造されたものでもよい。
本発明のポリエステル繊維には、各種顔料、染料、着色剤、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属粒子、無機化合物粒子、結晶核剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添加剤を使用用途に応じて混合することができる。
次に、本発明のポリエステル繊維の製造方法について一例(成分(A)と成分(B)を混合して混合物(C)を作成し、混合物(C)を主成分に混合する場合)を用いて説明する。
まず、混合物(C)を、成分(A)と成分(B)をミキサーなどの混練機を用いて、80〜120℃で1〜4時間混合して製造する。次に主成分と混合物(C)を混合する方法としては、以下のような方法が挙げられる。
1.主成分と混合物(C)を予めドライブレンドして単一の溶融紡糸機に供給する方法。
2.主成分と混合物(C)を溶融混練機でブレンドして目的とする濃度のチップを作製し、引き続いて通常の溶融紡糸機に該チップを供給する方法。
3.主成分と混合物(C)を、混合物(C)が高濃度となるようにマスターチップを作成した後、単一の溶融紡糸機にマスターチップとポリエステル成分をドライブレンドし供給する方法。
4.前記マスターチップ(混合物(C)が高濃度含有)と主成分を別々の溶融紡糸機に供給し、溶融後にポリマーライン又はノズルパック内でブレンドする方法。
5.主成分と混合物(C)を別々の溶融紡糸機に供給し、溶融後にポリマーライン又はノズルパック内でブレンドする方法。
なお、セラミック微粒子は、主成分のポリエステル重合時に、エチレングリコール分散体の形で添加するのが2次凝集を抑えられるため好ましいが、混合物(C)の製造時に添加する方法、またはセラミック微粒子を主成分のポリエステルに高濃度に添加したマスターチップを予め作成しておき、紡糸時に添加する方法等を採用することができる。
前述のようにして、混合物(C)とセラミック微粒子を混合、溶融したポリマーを計量ポンプにて計量し、吐出孔から吐出させる。このとき、紡糸口金の紡糸孔を長方形のスリット形状とすることにより、扁平断面形状を呈する繊維を得ることができる。そして、紡糸糸条を横吹付装置や環状吹付装置などの公知の冷却装置を用いて糸条を冷却した後、油剤を付与し、集束ガイドにて集束し、必要に応じて交絡を付与した後、一旦、捲取機にて巻き取る。次に、この繊維を、通常の延伸装置を用いて延伸を施し、本発明のポリエステル繊維を得る。
なお、本発明のポリエステル繊維は、上記したような2000m/min未満の低速紡糸で溶融紡糸し、巻き取った糸条を延伸熱処理する二工程法のみならず、2000m/min以上の高速紡糸により、半未延伸糸として巻き取るPOY法、あるいは一旦2000m/min以上の高速紡糸し、一旦、巻き取ることなく、続けて延伸するスピンドロー法等により得たものであってもよい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例における特性値等の測定法は次のとおりである。
(1)極限粘度〔η〕
フェノール/四塩化エタンの等質量混合溶液を溶媒とし、ウベローデ粘度計を使用して、温度20℃で測定した。
(2)数平均分子量
前記の方法で測定した。
(3)強伸度
オリエンティック社製テンシロンRTC-1210型を用い、試料長500mm、引張速度500mm/分で応力-伸長曲線を測定し、繊維の最大点強力から強度と伸度を求めた。
(4)製糸操業性
16錘で24時間紡糸を行った時の切れ糸回数で評価し、○と△を合格基準とした。
0回:○、1〜2回:△、3回以上:×
(5)吸放湿性能
得られた繊維を用い、前記の方法でW1、W2を測定、算出した。なお、得られた繊維5gを筒編みし、TerasilNavy Blue SGL(Ciba specialty chemicals製)を用いて1%omf、浴比50:1、130℃の条件で30分間染色を行った後、熱風乾燥機にて105℃、24時間乾燥した後の質量を(R)とした。
(6)L値、b値
前記の方法で測定した。
(7)ドライ感(接触冷感性)の評価
得られた繊維(42dtex/24filの延伸糸)を経糸と緯糸ともに用い、経糸密度217本/2.54cm、緯糸密度130本/2.54cmで平織組織に製織して、10人のパネラーによりそれぞれ3段階で官能評価を行い、最も多かった評価(同数の場合は優れた評価を採用)をサンプルの評価とした。なお、比較する試料として、二酸化チタンを実施例1と同量含有したPETからなる丸断面の繊維(42dtex/24filの延伸糸)を用いて同様に製織したものを用い、これを×とした。
○:ドライ感(接触冷感性)に優れる
△:ドライ感(接触冷感性)にやや優れる。
×:ドライ感(接触冷感性)に劣る
(8)防透性の評価
上記(7)の評価で用いたサンプル(平織物)を、10人のパネラーによりそれぞれ目視で3段階の評価を行った。最も多かった評価(同数の場合は優れた評価を採用)をサンプルの評価とした。
○:良好
△:やや透ける
×:透ける
(9)紫外線遮蔽性
上記(7)の評価で用いたサンプル(平織物)で評価を行った。評価方法は、光源として紫外線ランプ(400W高圧メタルハイランドランプ:フナコシ社製ELC4000)を使用し、波長260〜390nm領域の紫外線を紫外線センサーSUV-T(東レテクノ社製-以下UVセンサー)を使用し、15分間積算測定し、以下の式により算出した。紫外線透過率が低ければ低いほど紫外線遮蔽性に優れている。
紫外線透過率=UV2/UV1×100(%)
UV1:UVセンサー上にサンプルを載せない状態での紫外線量
UV2:UVセンサー上にサンプルを載せ、サンプルを透過する紫外線量
(10)染色品位
上記(7)の評価で用いたサンプル(平織物)を染色し、染色斑を10人のパネラーによりそれぞれ目視で3段階の評価を行い、最も多かった評価(同数の場合は優れた評価を採用)をサンプルの評価とした。
○:良好
△:やや斑がある
×:斑の発生大
実施例1
〔混合物(C)の製造〕
重縮合反応容器に数平均分子量8300のPEG(PEG-6000S 三洋化成工業社製)830部、SIPGの40%エチレングリコール溶液(PIPE-40L 三洋化成工業社製)108部、アジピン酸を29部、イソフタル酸を10部、酸化防止剤として「イルガノックス245」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、ヒンダードフェノール系抗酸化剤)を9部、テトラブチルチタネートを0.2部添加し、5mmHg減圧下で190℃に昇温した。
この条件で、過剰なエチレングリコール、水を除去しながら12時間エステル交換反応を行い、エステル化反応物(成分(A))を得た。次に成分(B)として、数平均分子量20000のPEG(PEG-20000 三洋化成工業社製)を226部添加し、100℃で2時間溶融混合した後、混合物(C)を得た。
〔吸放湿性ポリエステル繊維の製造〕
主成分となるポリアルキレンテレフタレートとして、融点255℃、極限粘度0.68、二酸化チタンを2.0質量%含有したポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、上記方法で得られた混合物(C)を常法により乾燥した後、繊維中の混合物(C)の割合が5.0質量%となるようにドライブレンドして溶融押出機に供給し、285℃で溶融混練した。続いて290℃に加熱された口金からポリマーを吐出させ、3500m/分の速度で半未延伸糸(POY)を捲き取り、61dtex/24filのマルチフィラメント(POY)を得た。紡糸口金には、紡糸孔(長方形のスリット形状で縦と横の長さの比が縦:横=1:10のもの)24個が穿設されているものを使用した。次いで、これを通常の延伸装置を用い、延伸速度700m/min、延伸倍率1.45倍の条件で延伸し、42tex/24filの延伸糸(FDY)を得た。得られた繊維は、繊維横断面形状が扁平度4.0で図1に示すような楕円形状のものであった。
実施例2
主成分となるポリアルキレンテレフタレートとして、融点255℃、極限粘度0.72、二酸化チタンを2.0質量%含有したPETを用い、PETと実施例1で得られた混合物(C)の質量比が80:20となるように計量し、2軸押出機に供給し、溶融混練した後ペレット状に押し出し、混合物(C)を20質量%含むマスターチップを作製した。このマスターチップとPET(融点255℃、極限粘度0.68、二酸化チタン2.0質量%)を25:75の質量比となるようにドライブレンドして溶融押出機に供給した以外は実施例1と同様にして行い、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。
実施例3
実施例2で作製したマスターチップとPET(融点255℃、極限粘度0.68、二酸化チタン2.0質量%)を、それぞれ別の溶融押出機に供給し、285℃で溶融混練されたポリマーをマスターチップとPETが25:75の質量比となるようにギヤポンプで計量した後ノズルパック内で合流させ、ノズルパック内に組み込まれた静止混練子(ノリタケカンパニー製スタティックミキサー、15段)を通過させ、続いて295℃に加熱された口金からポリマーを吐出させた。そして、3500m/分の速度で半未延伸糸(POY)を捲き取り、61dtex/24filのマルチフィラメント(POY)を得た。紡糸口金には、紡糸孔(長方形のスリット形状で縦と横の長さの比が縦:横=1:10のもの)24個が穿設されているものを使用した。次いで、これを通常の延伸装置を用い、700m/minの速度で1.45倍に延伸し、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。
実施例4〜6、比較例1〜2
混合物(C)の含有量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして行い、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。
実施例7〜8、比較例3〜4
主成分となるポリアルキレンテレフタレートとして、融点255℃、極限粘度0.68のPETを用い、二酸化チタンの含有量を変更し、繊維中の二酸化チタンの含有量が表1に示す値となるようにした以外は実施例1と同様にして行い、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。
実施例9〜10、比較例5〜6
紡糸口金の紡糸孔のスリット形状(縦と横の長さの比)を変更し、扁平度が表1の値となるようにした以外は、実施例1と同様にして行い、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。
比較例7
融点255℃、極限粘度0.68のポリエチレンテレフタレート(PET)のみを用い、混合物(C)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして行い、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。
比較例8
紡糸口金の紡糸孔のスリット形状を丸断面形状のものに変更した以外は、実施例1と同様にして行い、42tex/24filのポリエステル繊維を得た。得られた繊維は、繊維横断面形状が扁平度1.0の円形のものであった。
実施例1〜10、比較例1〜8で得られたポリエステル繊維の各種特性値及び製糸操業性の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜10のポリエステル繊維は、吸放湿性、色調、紫外線遮蔽性、隠蔽性、ドライ感ともに優れたものであり、製糸操業性にも優れていた。
一方、比較例1のポリエステル繊維は、混合物(C)の含有量が少なかったため、吸放湿性およびドライ感に劣るものであった。比較例2のポリエステル繊維は、混合物(C)の含有量が多かったため、製糸操業性が著しく悪化し、強伸度等の糸質特性や染色品位に劣るものとなった。比較例3のポリエステル繊維は、二酸化チタンの含有量が少なかったため、ドライ感、防透性、紫外線遮蔽性に劣るものとなった。比較例4のポリエステル繊維は、二酸化チタンの含有量が多すぎたため、製糸操業性、染色品位、色調に劣るものとなった。比較例5のポリエステル繊維は、扁平度が低いため、ドライ感、防透性、紫外線遮蔽性に劣るものとなった。比較例6のポリエステル繊維は扁平度が高すぎるため、製糸操業性に劣るものとなり、紫外線遮蔽性、染色品位も劣るものとなった。比較例7のポリエステル繊維は混合物(C)を含有していないため、吸放湿性、ドライ感に劣るものであった。比較例8のポリエステル繊維は丸断面形状のものであったため、ドライ感、防透性、紫外線遮蔽性に劣るものとなった。
本発明のポリエステル繊維の一実施態様を示す単糸の横断面模式図である。 本発明のポリエステル繊維の他の実施態様を示す単糸の横断面模式図である。 本発明のポリエステル繊維の他の実施態様を示す単糸の横断面模式図である。

Claims (4)

  1. ポリアルキレンテレフタレートを主成分とし、第二成分として下記(A)と(B)を含有するポリマーで構成されたポリエステル繊維であって、繊維中の(A)と(B) の合計含有量が1〜20質量%であり、かつ繊維中にセラミック微粒子を1.0〜8.0質量%含有し、繊維横断面形状が扁平度3.0〜6.0を満足する楕円もしくは多角形状であることを特徴とするポリエステル繊維。
    (A)スルホン酸基含有芳香族カルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、ポリアルキレングリコールからなるエステル化反応物
    (B)ポリアルキレングリコール
  2. 第二成分として(A)と(B)からなる混合物(C)が含有されている請求項1記載のポリエステル繊維。
  3. 水分率を示す下記式(1)〜(4)を同時に満足する請求項1〜2いずれかに記載のポリエステル繊維。
    水分率(W1)(%):〔(P−R)/R〕×100=1.5〜10.0 (1)
    水分率(W2)(%):〔(Q−R)/R〕×100=0.6〜4.0 (2)
    W1−W2≧0.9 (3)
    W1/W2≧2.4 (4)
  4. 繊維の色調を示すL値が85以上、b値が5.0以下である請求項1〜3いずれかに記載のポリエステル繊維。
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