JP2007146227A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬液の回収効率を向上させた成膜装置を提供すること。
【解決手段】本発明の成膜装置は、スプレー熱分解法により被処理体の一面上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を載置する支持手段と、前記被処理体の一面に向けて、前記薄膜の原料溶液からなる薬液ミストを噴霧する吐出手段と、成膜に利用されなかった薬液ミストの熱を奪うための冷却手段と、前記被処理体の近傍に導入部を配してなる排気手段と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スプレー熱分解法による成膜装置に関するものである。
スプレー熱分解法は、加熱された基板に向けて原料溶液を噴霧することにより、反応初期には基板表面に付着した液滴中の溶媒蒸発と、溶質の熱分解に続く加水分解反応、および熱酸化反応することにより結晶が形成する。反応が進むと基板上に形成した結晶(多結晶膜)上に液滴が付着、液滴中の溶媒の蒸発とともに溶質および下部の結晶間で結晶成長が進む、という一連の反応を応用した技術である。
スプレー熱分解法は、成膜装置が簡易で原料も比較的安価なため低コストで透明導電膜等の形成が可能である。透明導電膜の出発原料には、金属無機塩の水溶液またはアルコール溶液、あるいは有機金属化合物や有機酸塩の有機溶剤系溶液等が用いられる。基板温度は出発原料、原料溶液によって異なるが、250〜700℃の範囲で設定される。
スプレー熱分解法による従来の成膜装置を図4に示す。この成膜装置100は、基板110を載置する支持手段120と、原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段130と、排気手段140と、フード150とを具備している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の装置では、薬液を回収する観点からの工夫が欠けていた。
実開平06−012446号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、薬液の回収効率を向上させた成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の成膜装置は、スプレー熱分解法により被処理体の一面上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を載置する支持手段と、前記被処理体の一面に向けて、前記薄膜の原料溶液からなる薬液ミストを噴霧する吐出手段と、成膜に利用されなかった薬液ミストの熱を奪うための冷却手段と、前記被処理体の近傍に導入部を配してなる排気手段と、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の成膜装置は、請求項1において、前記冷却手段は、前記排気手段の導入部近傍に水ミスト吐出口を配してなり、成膜に利用されなかった薬液ミストに対して水ミストを噴霧することにより、該薬液ミストの熱を奪い、噴霧状を保ちつつ、前記排気手段へ導くことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の成膜装置は、請求項1において、前記排気手段の導入部を通して誘導された薬液ミストを処理するミストスクラバを、該排気手段の導出部に備えていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の成膜装置は、請求項1において、前記被処理体と前記吐出手段とを含む空間を包み込むようにフードを備えてなることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の成膜装置は、請求項4において、前記水ミスト吐出口は、前記フード内にあることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の成膜装置は、請求項5において、前記導入部は、前記フード内において、前記被処理体の外周近傍、かつ、上方に配されており、前記水ミスト吐出口は、前記吐出手段の備える吐出口と前記導入部との間に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の成膜装置は、請求項4において、前記水ミスト吐出口は、前記フード外にあることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の成膜装置は、請求項7において、前記導入部は、前記フード外において、前記被処理体の外周近傍、かつ、側方に配されており、前記水ミスト吐出口は、前記導入部と前記フードとの間に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の成膜装置は、請求項7において、前記導入部は、前記フード内において、前記被処理体の外周近傍、かつ、側方に配されており、前記水ミスト吐出口は、前記排気手段の内部に配されていることを特徴とする。
本発明では、成膜後の薬液ミストの熱を水ミストにより奪うことで、薬液ミストを噴霧状のまま排気手段の導入部へと導くことができ、導出部に配されたミストスクラバによる薬液回収効率を飛躍的に向上することができる。
以下、本発明に係る成膜装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の成膜装置を模式的に示す図である。
本発明の成膜装置1は、スプレー熱分解法により被処理体2の一面上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体2を載置する支持手段11と、前記被処理体の一面に向けて、前記薄膜の原料溶液からなる薬液ミスト3を噴霧する吐出手段12と、成膜に利用されなかった薬液ミスト3の熱を奪うための冷却手段15と、前記被処理体の近傍に導入部13aを配してなる排気手段13と、を少なくとも備える。
そして本発明の成膜装置1において、前記冷却手段15は、前記排気手段13の導入部近傍に水ミスト吐出口15aを配してなり、成膜に利用されなかった薬液ミスト3に対して水ミスト4を噴霧することにより、薬液ミスト3の熱を奪い、噴霧状を保ちつつ、前記排気手段へ導く。
成膜後の薬液ミスト3に水ミスト4を混入させることにより、薬液ミスト温度を急激に低下させる。この冷却は、水の蒸発潜熱による冷却であり、薬液ミスト流量にもよるが、薬液ミスト温度を150℃から60℃以下にまで冷却することが可能となる。
本発明では、排気手段13において水ミスト4も積極的に吸い込ませる。従来の水ミストによる排ガス冷却装置では、排ガスの温度を急冷することを主な目的とするが、本発明では、ミスト冷却と共に、薬液ミスト3がスクラバに辿り着くまでに溶媒が気化するのを防ぐことも目的とする。
これにより、薬液ミスト3の気化による薬液の排気手段13の内壁への付着を防止してミストスクラバまで薬液ミスト3を搬送することができる。その結果、スクラバ処理の際に回収できる薬液の回収効率を飛躍的に向上させることができる。
また、薬液ミスト3の排気手段13の内壁への付着が防止されるので、内壁の内径が確保され、誘導される量や速度が安定となり、長期稼働および安定した製造が可能となる。また、薬液ミスト3の排気手段13の内壁への付着が防止されるので、排気手段13の内壁に用いる材質の選択の幅が大きくなり、例えば、塩化ビニル製配管が可能となる。
支持手段11は、被処理体2の被成膜面を所定の温度に保ちながら薄膜を形成するため、被処理体2の加熱・保持・冷却機能を備えた温度制御手段を内蔵している。温度制御手段は、例えばヒータである。
前記吐出手段12は、その吐出口12aを前記被処理体2の一面の中心付近で、その上方近傍に配置される。
吐出手段12は、例えばノズルである。そして吐出手段12から噴霧する原料溶液は、ミスト3(液状微粒子)とされている。
このミスト3は、後述する調整室20において予め原料溶液を噴霧することにより生成されたものであってもよい。
吐出手段12は、ミスト3を、成膜室10の空間に配置された被処理体2上に吹き付けるものである。吐出口12aは、前記被処理体2の一面近傍を漂うミスト空間に含まれない位置(高さ)に配されている。吐出口12aからは、流速100〜100,000cm/分でミスト3が噴霧される。また、吐出口12aと被処理体2表面間の距離は、5〜200mmで制御されている。
また、被処理体2は、上記温度制御手段からの伝熱等により表面が加熱されており、200〜600℃の温度範囲に制御されている。
前記排気手段13は、前記吐出口12aから噴霧されたミスト3を、前記被処理体2の一面近傍を漂うように誘導する。
前記導入部13aは、前記被処理体2の外周近傍にあって、その側方または上方に配されていることが好ましい。導入部13aを、被処理体2の側方または上方に設けることにより、浮遊物を巻き込むことなく除去することができる。
排気手段13は、前記導入部13aを通して誘導された薬液ミスト3を処理するミストスクラバ16を、導出部13bに備えている。
ミストスクラバ16は、例えば、半導体製造で使用する、例えばCVD装置から排出されたガスを、室外に廃棄処理する手前において、水噴霧中を通過させることにより。前記ガスを洗浄処理するような装置を用いることができる。
冷却手段15は、前記排気手段13の導入部13aの近傍に水ミスト吐出口15aを配してなり、成膜に利用されなかった薬液ミスト3に対して水ミスト4を噴霧することにより、薬液ミスト3の熱を奪い、噴霧状を保ちつつ、前記排気手段13へ導く。
水ミスト4の噴霧速度としては、特に限定されるものではないが、例えば、流速は5,000〜30,000cm/分程度が好ましい。
水ミスト4の大きさとしては、特に限定されるものではないが、液ダレをしない程度に小さく、しかしミスト間の吸着が起こりやすいサイズが好ましく、例えば、5〜150μm程度が好ましい。
水ミスト4の温度は、特に限定されるものではないが、液だまりや液ダレが発生しない程度であることが好ましく、例えば、20〜80℃程度が好ましい。
なお、被処理体2と前記吐出手段12とを含む空間は、フード14により包み込まれていることが好ましい。
フード14は、ステンレススチール等の耐食性金属により構成されている。底部近傍の両側に開口部が形成されている。
成膜装置1では、吐出手段12と被処理体2との間を包み込むようにフード14が配置されているので、成膜時に、吐出手段12の吐出口12aからスプレー状に噴射された薬液ミスト3は外気の影響を受けることなく、吐出口12aから被処理体2に向かう放射状空間に噴霧された状態を安定に保つことができる。換言すると、フード14はその内部空間から装置への外部へ薬液ミスト3が飛散し、無駄な使用量が増加するのも防ぐ働きもする、これにより、薬液ミスト3は薄膜の形成に有効に使われるとともに、成膜に使用されなかった薬液ミスト3が隔壁に付着することがなく、効率良く回収することができる。
冷却手段15の水ミスト吐出口15a、および排気手段13の導入部13aの配置は、設計に応じて自由に選択でき、特に限定されるものではないが、使用済みの薬液ミスト3はできるだけ早く冷却することが必要なため、水ミスト吐出口15aは導入部の直近に配されることが好ましい。
また、排気手段13の導入部13aが複数設けられている場合、それに合わせて、複数の水ミスト吐出口15aを、それぞれの導入部13aに対して配することが好ましい。これにより、本発明の効果をより実効あるものとすることができる。
例えば、図1に示す成膜装置では、排気手段13の導入部13aは、フード外において、被処理体2の外周近傍、かつ、側方に配されている。このように、排気手段13の導入部13aを、フード外に設けることにより、排気手段13の取り付けおよび装置構成を簡単なものとすることができるとともに、排気手段の外壁にミストが付着しないので、原料溶液の回収効率をより向上させることができる。
また、冷却手段15の水ミスト吐出口15aは、フード外において、導入部とフードとの間に配されている。このように、水ミスト吐出口15aを、フード外において導入部とフードとの間に配することで、冷却手段15の取り付けおよび装置構成を簡単なものとすることができるとともに、冷却手段15の外壁にミストが付着しないので、原料溶液の回収効率をより向上させることができる。
また、この成膜装置1は、予め原料溶液を噴霧することにより前記ミスト3を生成する調整室20と、前記薬液ミスト3を前記調整室20から前記吐出手段12まで移動させる空間からなる搬送手段とをさらに備えていてもよい。
調整室20では、上記の吐出手段12とは異なる噴霧手段により原料溶液を予備噴霧し、径の小さい(細かな)液滴だけを薬液ミスト3として効率よく取り出してサイズを均一化するよう選別する制御を行う。より細かいミストを吹き付けることができるため、特性のよい膜を形成できる。
この生成される薬液ミスト3は、60.0〜98.8vol%のエアーを含んでいることが好ましい。
搬送手段は、生成された薬液ミスト3を誘導しながら搬送する空間としての搬送路21を有している。
搬送路21は、仕切り部材によって外部と隔離され、内壁の温度がミスト3と同じかあるいは高めで、かつ、原料溶液の溶媒の蒸発速度が極端とならない温度を保つように制御されている。すなわち、薬液ミストの温度>搬送路内壁の温度>溶媒の蒸発温度という関係にある。
そして、搬送路21内の薬液ミスト3には、流速100〜100,000cm/分の流れがある。
また。搬送路21の内壁は、フッ素樹脂等の撥水性を有する材料を採用するか、または表面に撥水性を付与する処理を施すことにより、外部と隔離されている。この際、搬送路21を金属等の熱伝導性の良好な材料を使用したものとすると、外気温度の影響を受けやすく、搬送路内壁へのミスト3の付着に繋がることから、塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂等の熱伝導の低い樹脂材料を採用することが好ましい。なお、金属材料を採用する場合は、搬送路外壁の温度制御を行うことで対応できる。
また、薬液として塩酸や硫酸、硝酸等を使用する場合、ミスト3と直接接触する内壁には、耐薬品性の材料を使用するか、あるいは耐薬品性の材料による表面処理を施すことが必要になる。
さらに、搬送路21の距離は短いほど望ましい。しかしながら、ミスト温度や内壁温度、各手段の配置からの制約などの設計の観点から距離を必要とする場合も考えられることを考慮し、長くする場合は、10m未満とすることが望ましい。
次に、この成膜装置1を用いてスプレー熱分解法により被処理体2上に薄膜を形成する方法について説明する。
なお、以下の説明では、本発明の成膜装置1を用いて、被処理体2である基板上に、透明導電膜としてITO膜を形成する場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な薄膜を形成するのに用いることができる。
まず、表面が清浄面とされた基板を台板上に載置し、この基板を台板ごと所定の位置に保持する。
基板としては、例えば、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラスなどのガラスが好ましく、その厚さは0.3〜5mm程度が好適である。
基板表面温度が所定の温度に到達し、安定したら、ITO膜の成膜を開始する。
調整室20において、噴霧手段によりITO膜の原料溶液を予備噴霧し、薬液ミスト3とする。
ITO膜の原料溶液としては、加熱することによりスズ添加インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物となる成分を含む溶液が好適に用いられる。
ITO膜の原料溶液としては、塩化インジウム・四水和物を0.2mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液に対し、塩化スズ・五水和物を0.01mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液が好適に用いられる。
調整室20において生成された薬液ミスト3は、搬送路21を介して成膜室10に搬送され、成膜室10の上部に配された噴霧ノズル(吐出手段12)から基板上に向かって噴霧される。このミスト3が所定の温度に加熱された基板の表面に付着することにより、ミスト中の溶媒が急速に蒸発するともに残った溶質が急速に化学反応してITO等の導電性金属酸化物に変化する。これにより、基板の表面に導電性金属酸化物からなる結晶が速やかに生成し、短時間の間に透明導電膜(ITO膜)を形成することとなる。
図1に示すように、吐出口12aから基板の中心付近に吹き付けられた薬液ミスト3は、排気手段13により誘導され、導入部13aから排気される。
ITO膜の成膜が終了したら、基板温度が所定の温度になるまで冷却し、基板を取り出す。
以上のようにして、基板上にITO膜からなる透明導電膜が形成される。
そして、この成膜装置1では、成膜に利用されなかった薬液ミスト3に対して、水ミスト4を噴霧することにより、薬液ミスト3の熱を奪い、噴霧状を保ちつつ、前記排気手段13へ導く。これにより、薬液ミスト3の気化による薬液の排気手段13の内壁への付着を防止して、導出部13bに設けられたミストスクラバ16まで薬液ミスト3を搬送することができる。その結果、スクラバ処理の際に回収できる薬液の回収効率を飛躍的に向上させることができる。
<第二の実施形態>
以下、本発明に係る成膜装置の第二の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。なお、図2においては、成膜室の部分のみを示している。
また、以下の説明では、上述した第一の実施形態と相違する部分を中心に説明し、第一の実施形態と同様の部分は、その説明を省略する。
本実施形態に係る成膜装置30は、被処理体2を載置する支持手段31と、原料溶液からなる薬液ミスト3を噴霧する吐出手段32と、成膜に利用されなかった薬液ミスト3の熱を奪うための冷却手段35と、前記被処理体の近傍に導入部33aを配してなる排気手段33と、吐出手段32と被処理体2との間を包み込むように配されたフード34と、を少なくとも備える。
すなわち、本実施形態では、上記構成要素(特に、排気手段33の導入部33aおよび冷却手段35の水ミスト吐出口35a)の配置が第一の実施形態と異なる。
排気手段33の導入部33aは、フード34の内部において、被処理体2の外周近傍、かつ、上方に配されている。このように、排気手段33の導入部33aを、フード内に設けることにより、薬液ミスト3を速やかに、かつ、浮遊物を巻き込むことなく誘導することができる。
また、前記冷却手段35の水ミスト吐出口35aは、フード34の内部において、吐出手段32の備える吐出口32aと導入部33aとの間に配されている。このように、水ミスト吐出口35aを、フード内において吐出口32aと導入部33aとの間に配することで、成膜に使用されなかった薬液ミスト3の熱をより早く奪うことができる。その結果、スクラバ処理における薬液の回収効率をさらに向上させることができる。
<第三の実施形態>
以下、本発明に係る成膜装置の第三の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。なお、図3においては、成膜室の部分のみを示している。
また、以下の説明では、上述した第一の実施形態と相違する部分を中心に説明し、第一の実施形態と同様の部分は、その説明を省略する。
本実施形態に係る成膜装置40は、被処理体2を載置する支持手段41と、原料溶液からなる薬液ミスト3を噴霧する吐出手段42と、成膜に利用されなかった薬液ミスト3の熱を奪うための冷却手段45と、前記被処理体の近傍に導入部43aを配してなる排気手段43と、吐出手段42と被処理体2との間を包み込むように配されたフード44と、を少なくとも備える。
すなわち、本実施形態では、上記構成要素(特に、排気手段43の導入部43aおよび冷却手段45の水ミスト吐出口45a)の配置が第一の実施形態と異なる。
排気手段43の導入部43aは、フード44の内部において、被処理体2の外周近傍、かつ、側方に配されている。このように、排気手段43の導入部43aを、前記フード内に設けることにより、薬液ミスト3を速やかに、かつ、浮遊物を巻き込むことなく誘導することができる。
また、冷却手段45の水ミスト吐出口45aは、前記フード外において、前記排気手段43の内部に配されている。このように、水ミスト吐出口45aを、排気手段43の内部に配することで、薬液ミスト3の気化による薬液の排気手段の内壁への付着をより確実に防止してミストスクラバまで薬液ミスト3を搬送することができる。その結果、スクラバ処理における薬液の回収効率をさらに向上させることができる。
以上、本発明の成膜装置について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
例えば、排気手段の導入口および冷却手段の水ミスト吐出口の数や配置は、上記の例に限定されるものではない。
本発明の成膜装置を用いて、基板上に透明導電膜としてITO膜を形成した。
まず、以下のようにして、原料溶液を調製した。
<ITO原料溶液の調製>
塩化インジウム(III)五水和物(InCl・4HO)5.58g/100mlと塩化スズ(IV)五水和物(SnCl・5HO)0.36g/100mlの比の薬剤を水に溶解させて調製した。
(実施例1)
<ITO成膜>
図1に示したような構造を有する成膜装置を用いて行った。
500mm×500mm×2mmの硼珪酸ガラス基板(TEMPAX#8330)を支持台上に設置し、室温から350〜400℃の表面温度に達するまで加熱した。なお、加熱方法は、ガラス基板の下部に配された加熱基板からの伝熱に加えて、フード上部に配された赤外線ランプからの熱線照射によるものとした。
基板表面温度が安定したことを確認してから、ITO成膜を開始した。
ITO原料溶液は調整室において予備噴霧され、ミスト(液状微粒子)とされている。調整室および搬送路におけるミスト条件を表1に示す。なお、搬送路には、伸縮性を有する塩ビ製蛇腹パイプを採用し、内壁にはテフロン(登録商標)樹脂コートを施して撥水性を確保した。
Figure 2007146227
成膜室においては、スリット型の噴霧ノズル(ノズル出口サイズ:7×270mm)4本を正方形に配置して、調整室から搬送されたITO原料溶液のミストを、基板上に噴霧した。このとき、ノズル出口におけるミスト温度は40℃であり、ノズル出口におけるミスト流速は、22,500cm/分であった。
また、500mm角成膜を実現するため、噴霧ノズルとガラス基板間距離は20mmとし、基板側でX方向に±150mm、ノズル側でY方向に±150mmづつ揺動させることで噴霧濃度の偏りを防いだ。ITO膜の成膜に要した時間は、15分であった。
さらに、成膜室において、90°の間隔で基板の周囲を取り囲むように4本の導入部(排気口)を設け、4方向より排気した。
またさらに、導入部近傍にそれぞれ水ミスト吐出口を配し、該水ミスト吐出口から、成膜に利用されなかった薬液ミストに対して水ミストを噴霧した。このときの水ミストの噴霧速度は、流速20,000cm/分であり、水ミストの大きさは、平均80μmであり、水ミストの温度は、40℃であった。
導入部から排気された薬液ミストおよび水ミストは、排気手段の導出部に設けられたミストスクラバに誘導される。そして薬液ミストおよび水ミストは、ミストスクラバによってスクラバ処理され、成膜に使用されなかった薬液ミスト中から原料溶液を回収した。
(実施例2)
図2に示したような構造を有する成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板上にITO膜を形成した。
(実施例3)
図3に示したような構造を有する成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板上にITO膜を形成した。
(比較例1)
冷却手段を配さずに、図4に示したような構造を有する成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板上にITO膜を形成した。
各実施例および比較例において、以上のようにして成膜を行った際に、スクラバ処理における原料溶液の回収効率を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2007146227
表2から明らかなように、実施例1〜3ではいずれも高い回収効率が得られるのに対して、比較例1では、低い回収効率しか得られなかった。
本発明は、スプレー熱分解法により透明導電膜等の薄膜を形成する成膜装置に適用可能である。
本発明の成膜装置の一例を模式的に示す図である。 本発明の成膜装置の他の一例を模式的に示す図である。 本発明の成膜装置の他の一例を模式的に示す図である。 従来の成膜装置の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 成膜装置、2 被処理体、3 ミスト、4 水ミスト、10 成膜室、11 支持手段、12 吐出手段、12a 吐出口、13 排気手段、13a 導入部、13b 導出部、14 フード、15 冷却手段、15a 水ミスト吐出口、16 ミストスクラバ、20 調整室、21 搬送路。

Claims (9)

  1. スプレー熱分解法により被処理体の一面上に薄膜を形成する成膜装置であって、
    前記被処理体を載置する支持手段と、
    前記被処理体の一面に向けて、前記薄膜の原料溶液からなる薬液ミストを噴霧する吐出手段と、
    成膜に利用されなかった薬液ミストの熱を奪うための冷却手段と、
    前記被処理体の近傍に導入部を配してなる排気手段と、を少なくとも備えることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記冷却手段は、前記排気手段の導入部近傍に水ミスト吐出口を配してなり、成膜に利用されなかった薬液ミストに対して水ミストを噴霧することにより、該薬液ミストの熱を奪い、噴霧状を保ちつつ、前記排気手段へ導くことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記排気手段の導入部を通して誘導された薬液ミストを処理するミストスクラバを、該排気手段の導出部に備えていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記被処理体と前記吐出手段とを含む空間を包み込むようにフードを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  5. 前記水ミスト吐出口は、前記フード内にあることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記導入部は、前記フード内において、前記被処理体の外周近傍、かつ、上方に配されており、
    前記水ミスト吐出口は、前記吐出手段の備える吐出口と前記導入部との間に配されていることを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記水ミスト吐出口は、前記フード外にあることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  8. 前記導入部は、前記フード外において、前記被処理体の外周近傍、かつ、側方に配されており、
    前記水ミスト吐出口は、前記導入部と前記フードとの間に配されていることを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記導入部は、前記フード内において、前記被処理体の外周近傍、かつ、側方に配されており、
    前記水ミスト吐出口は、前記排気手段の内部に配されていることを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
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