JP4354938B2 - 表面処理方法および表面処理用装置 - Google Patents

表面処理方法および表面処理用装置 Download PDF

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Description

本発明は、エネルギー照射に伴う光触媒の作用を利用した表面処理方法、およびその表面処理方法に用いられる表面処理用装置に関するものである。
従来より、樹脂製のフィルム等の基板の表面改質や洗浄等、基板の表面を処理する方法としては、例えば紫外線照射等の方法を挙げることができる。しかしながら、紫外線照射のみでは表面処理が効果的に進まず、効率的でないといった問題が生じる可能性があった。
そこで、本発明者等によって、例えば特許文献1に示されるように、基板と、光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板とを対向させて配置し、水銀ランプやメタルハライドランプ等によって露光を行うことにより、基板の表面を処理する方法が提案されている。この方法によれば、エネルギー照射に伴う光触媒の作用を利用して、短時間で効率的に表面処理を行うことができるという利点を有する。このような光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、エネルギーの照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物と直接反応する、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
しかしながら、上記光触媒含有層側基板を用いて連続的に表面処理を行った場合、基板上で生じた分解物等が、光触媒含有層上に付着してしまい、この付着物が上記活性酸素種の働きを阻害したり、また逆に付着物がラジカルとなって表面処理に寄与してしまうこと等があり、表面処理速度が安定せず、各基板の表面を均一に処理することが難しいという問題があった。
特開2003−103218号公報
そこで、基板に連続して表面処理を行った場合であっても、均一な状態に基板の表面を処理することが可能な表面処理方法、およびその表面処理方法に用いられる表面処理用装置の提供が望まれている。
本発明は、基材、および上記基材上に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板の上記光触媒含有層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面を有する処理用基板の上記被表面処理面とを対向させて配置し、上記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、上記被表面処理面の処理を行う表面処理工程を複数回行って、複数の上記処理用基板の表面を処理する表面処理方法であって、上記複数回行う表面処理工程の間に、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する付着物除去工程を行うことを特徴とする表面処理方法を提供する。
本発明によれば、表面処理工程と表面処理工程との間に、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を除去する付着物除去工程を行うことから、光触媒含有層に付着した付着物によって光触媒含有層の感度が変化してしまうことを防ぐことができる。したがって本発明によれば、上記表面処理工程において、複数の処理用基板の表面を均一な状態に処理することが可能となる。
上記発明においては、上記付着物除去工程が、上記光触媒含有層側基板を放置する時間を決定する放置時間決定工程により定められた時間、上記光触媒含有層側基板を放置し、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する工程とすることができる。上記光触媒含有層側基板を一定時間以上、放置することによって、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を除去することが可能となるからである。
上記発明においては、上記付着物除去工程を、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を、吸引除去する工程としてもよく、また上記付着物除去工程を、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を、液体により洗浄する工程としてもよい。またさらに、上記付着物除去工程を、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を、吸着板により吸着除去する工程としてもよく、上記付着物除去工程を、上記光触媒含有層に熱エネルギーを照射し、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を除去する工程としてもよい。これらの方法によれば、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を効率よく離脱させることが可能となるからである。
またさらに上記発明においては、上記付着物除去工程を、上記光触媒含有層にプラズマを照射し、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を除去する工程としてもよく、また、上記付着物除去工程を、上記光触媒含有層に電子線を照射し、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を除去する工程としてもよい。これらの方法によれば、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を効率よく分解除去することが可能となるからである。
また本発明は、基材、および上記基材上に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板の上記光触媒含有層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面を有する処理用基板の上記被表面処理面とを対向させて配置し、上記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、上記被表面処理面の処理を行う表面処理工程を複数回行って、複数の上記処理用基板の表面を処理する際に用いられる表面処理用装置であって、上記処理用基板を支持する処理用基板支持部と、上記光触媒含有層を上記被表面処理面と対向するように支持する光触媒含有層側基板支持部と、上記光触媒含有層側基板にエネルギーを照射するエネルギー照射部と、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去するための付着物除去手段とを有することを特徴とする表面処理用装置を提供する。
本発明においては、表面処理用装置が、上記付着物除去手段を有することから、表面処理工程と表面処理工程との間に、光触媒含有層側基板の表面に付着した付着物を除去することが可能となる。したがって、本発明の表面処理用装置を用いることにより、上記光触媒含有層側基板を用いて被表面処理面を処理し、連続的に処理用基板の表面を処理した場合であっても、光触媒含有層に付着した付着物等によって感度が変化してしまうことのないものとすることができ、複数の処理用基板の表面を均一な状態に処理することが可能となる。
上記発明においては、上記付着物除去手段が、上記光触媒含有層に付着した付着物を吸引する吸引手段であってもよく、また上記付着物除去手段が、上記光触媒含有層を液体により洗浄する洗浄手段であってもよい。またさらに、上記付着物除去手段は、上記光触媒含有層に吸着板を接触させて付着物を除去する吸着手段であってもよく、上記付着物除去手段が、上記光触媒含有層に熱エネルギーを照射する熱エネルギー照射手段であってもよい。それぞれこのような手段を設けることにより、効率よく光触媒含有層に付着した付着物を除去することが可能となるからである。
本発明によれば、表面に付着した付着物が除去された光触媒含有層側基板を用いて表面処理を行うことができ、複数の処理用基板の表面を均一な状態に処理することができるという効果を奏するものである。
本発明は、エネルギー照射に伴う光触媒の作用を利用した表面処理方法、およびその表面処理方法に用いられる表面処理用装置に関するものである。以下、それぞれについてわけて説明する。
A.表面処理方法
まず、本発明の表面処理方法について説明する。本発明の表面処理方法は、基材、および上記基材上に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板の上記光触媒含有層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面を有する処理用基板の上記被表面処理面とを対向させて配置し、上記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、上記被表面処理面の処理を行う表面処理工程を複数回行って、複数の上記処理用基板の表面を処理する表面処理方法であって、上記複数回行う表面処理工程の間に、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する付着物除去工程を行うことを特徴とするものである。
本発明の表面処理方法は、例えば図1に示すように、基材1、およびその基材1上に形成された光触媒含有層2を有する光触媒含有層側基板3の光触媒含有層2と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面5を有する処理用基板4の被表面処理面5とを対向させて配置し、所定の方向からエネルギー6を照射して、処理用基板4の被表面処理面5を処理する表面処理工程を複数回行うことによって、複数の処理用基板の表面を処理する方法であり、上記表面処理工程と表面処理工程との間に、光触媒含有層に付着した付着物を除去する付着物除去工程が行われるものである。
ここで、上記光触媒含有層側基板を用いて、処理用基板の表面処理を行った場合、処理用基板上で生じた分解物等が気化し、対向して配置されている上記光触媒含有層に付着してしまう場合がある。これにより、続けて他の処理用基板に対して表面処理を行った際、この光触媒含有層に付着した付着物がラジカルとなって処理用基板の表面処理に寄与してしまったり、また上記付着物が光触媒により発生した活性酸素種の働きを阻害する場合がある。そのため、複数回連続して処理用基板の表面処理を行った場合、複数の処理用基板の表面を目的とする均一な表面状態となるように処理することが難しい、という問題があった。
しかしながら、本発明においては、表面処理工程と表面処理工程との間に、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する付着物除去工程を行うことから、上記光触媒含有層側基板を用いて表面処理工程を行った際、光触媒含有層に付着した付着物によって受ける影響を防ぐことができる。したがって、連続して処理用基板の表面処理を行う場合であっても、複数の処理用基板の表面を目的とする均一な表面状態に処理することができるのである。
以下、本発明の表面処理方法の各工程について説明する。
1.付着物除去工程
まず、本発明の付着物除去工程について説明する。本発明の付着物除去工程は、複数回行われる表面処理工程の間に行われる工程であり、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する工程である。ここで複数回行われる表面処理工程の間とは、表面処理工程と表面処理工程との間であれば特に限定されるものではなく、例えば表面処理工程を1回行うごとに本工程が行われてもよく、また表面処理工程を複数回行うごとに本工程が行われてもよい。
以下、本工程において光触媒含有層から付着物を除去する方法、および本工程において付着物が除去される光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板について詳しく説明する。
(光触媒含有層から付着物を除去する方法)
まず、本工程において、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する方法について説明する。本発明において、上記光触媒含有層から付着物を除去する方法としては、上記付着物を除去することが可能な方法であれば、特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば光触媒含有層側基板を所定時間放置する方法や、気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法、液体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法、固体状物質を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法、またはエネルギーを利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法等が挙げられる。本工程は、上記いずれか1種類の方法を行うものであってもよく、また2種類以上の方法を組み合わせて行うものであってもよい。また、上記方法は、光触媒含有層に付着した付着物の種類等に合わせて適宜選択されることとなる。
以下、上記の各方法についてそれぞれ詳しく説明する。
(1)光触媒含有層を所定時間放置する方法
まず、本工程において、光触媒含有層を所定時間、放置することにより光触媒含有層から付着物を除去する方法について説明する。ここで上記放置とは、光触媒含有層を静置しておくことをいい、処理用基板の表面を処理するための表面処理用装置内に、そのまま静置する方法であってもよく、また例えば表面処理用装置から取り外して静置する方法であってもよい。なお光触媒含有層を放置する環境としては、特に限定されるものではなく、温度や湿度、気圧等は付着物の種類により適宜選択される。
また、光触媒含有層から付着物が除去されるまでの時間は、付着物の種類等によって異なるため、本工程の前に行われる放置時間決定工程によって決定される。
上記放置時間決定工程とは、上記付着物除去工程において光触媒含有層側基板を放置する時間を決定するための工程であり、以下の手順により行うことができる。まず、後述する表面処理工程と同様の条件で、未使用の光触媒含有層を用いて、処理用基板の表面の処理を行う。その後、表面処理された処理用基板を表面処理用装置から取り外し、光触媒含有層は表面処理用装置内に所定の時間放置する。続いて別の処理用基板の表面処理を、上記と同様の条件にて表面処理用装置内で行う。
その後、上記光触媒含有層の放置時間を変更して複数回、同様の検査を行い、それぞれ1回目に表面処理された処理用基板と、2回目に表面処理された処理用基板とを比較する。まず、1回目に表面処理された処理用基板の表面状態を各種方法により測定し、得られた値を基準値とする。その後、2回目に表面処理された処理用基板の表面状態についても同様の測定を行い、2回目に表面処理された処理用基板の表面状態が、上記基準値となるかによって判断する。なお、上記測定の種類は、処理用基板の種類等に応じて適宜選択される。例えば、上記処理用基板の表面粗さを測定する方法等であってもよく、また例えば上記処理用基板表面の形状を観察する方法等であってもよい。これにより、2回目に表面処理された処理用基板の表面状態が1回目に表面処理された処理用基板の表面状態の基準値となる光触媒含有層の放置時間を割り出し、上記付着物除去工程において光触媒含有層を放置する時間を決定するのである。なお、上記付着物除去工程において光触媒含有層を放置する時間は、上記方法により割り出された時間と同じ、もしくはそれより長い時間に設定されることとなる。
(2)気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法
次に、気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法について説明する。気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法としては、例えば上記光触媒含有層に不活性のガスを吹き付けて、風圧により付着物を除去する方法や、上記光触媒含有層表面から、付着物を吸引して付着物を除去する方法、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を風圧により離脱させ、その付着物を吸引する方法等とすることができる。これらの方法によれば、特別な装置を必要とすることなく、効率よく付着物を除去することができる。
ここで、風圧により付着物を除去する場合、光触媒含有層に気体を吹きつける方法としては、装置の洗浄等に一般的に用いられるエアーブローノズル等を用いる方法とすることができる。また上記光触媒含有層に吹き付ける不活性ガスとしては、例えば空気、アルゴンガスや窒素ガス等が挙げられる。また本発明においては、一時に光触媒含有層全面に気体を吹き付けてもよく、また光触媒含有層の一部ずつに気体を吹き付けてもよい。なお、上記気体を光触媒含有層に吹きつける時間や風圧等については、光触媒含有層に付着した付着物の種類や量等によって、適宜選択されることとなる。
また、上記光触媒含有層に付着した付着物を吸引する方法としては、例えば光触媒含有層側基板を、真空装置内に入れて付着物を吸引する方法等としてもよいが、本発明においては特に吸気ノズル等により、光触媒含有層表面に付着した付着物を吸引する方法であることが好ましい。これにより、効率よく光触媒含有層から付着物を除去することができるからである。また後述する「B.表面処理用装置」等を用いることにより、表面処理用装置から光触媒含有層側基板を取り外す必要がなく、効率よく付着物除去を行うことができるという利点も有するからである。上記吸気ノズルとしては、例えば一般的なクリーナーに用いられるノズル等と同様とすることができ、その形状としては一時に光触媒含有層全面から付着物を吸引するものであってもよく、また光触媒含有層の一部ずつから付着物を吸引するもの等であってもよい。なお、上記吸引時間や吸引圧力等については、光触媒含有層に付着した付着物の種類等によって、適宜選択されることとなる。
また、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を風圧により離脱させ、その付着物を吸引する方法としては、例えば上記気体を吹き付けるノズルと、上記吸気ノズルとを組み合わせたもの等とすることができる。
(3)液体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法
次に、液体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法について説明する。本発明において液体を利用して上記付着物を除去する方法としては、例えば上記光触媒含有層を液体により洗浄する方法等とすることができる。具体的には、上記光触媒含有層側基板を液体中に浸漬させ、上記付着物の液体に対する溶解性等を利用して除去する方法や、上記光触媒含有層側基板にノズル等により、液体を吹き付けて、上記付着物の液体に対する溶解性、および液体の圧力を利用して付着物を除去する方法等が挙げられる。本発明においては、上記の中でも、ノズル等から液体を吹き付けて付着物を除去する方法であることが好ましい。これにより、効率よく付着物を除去することができるからである。また後述する「B.表面処理用装置」等を用いることにより、表面処理用装置から光触媒含有層側基板を取り外す必要がなく、効率よく付着物除去手段を行うことが可能となるという利点も有している。
上記液体の吹き付けに用いられるノズル等としては、一般的にスプレー洗浄等に用いられるノズル等と同様とすることができる。また上記方法に用いられる液体としては、上記付着物の溶解性が高い液体であることが好ましく、上記溶液の種類は光触媒含有層に付着した付着物の種類等によって適宜選択される。このような溶液としては、例えば水や、各種有機溶剤等を用いることができる。また上記ノズルとしては、一時に光触媒含有層全面に溶液を吹き付け可能なものであってもよく、また光触媒含有層の一部ずつに溶液を吹き付け可能なものであってもよい。また上記溶液の吹き付け時間や吹き付け圧力等については、光触媒含有層に付着した付着物の種類等によって、適宜選択されることとなる。なおこの場合、上記方法により溶液の拭き付けを行った後、光触媒含有層側基板から溶液を拭き取る工程や、光触媒含有層側基板を乾燥させる工程等を適宜行ってもよい。
(4)固体状物質を接触させることにより、上記光触媒含有層から付着物を除去する方法
次に、本工程において固体状物質を接触させることにより、上記光触媒含有層から付着物を除去する方法について説明する。上記光触媒含有層に固体を接触させることにより、上記光触媒含有層から付着物を除去する方法としては、例えば上記光触媒含有層に、吸着性を有する吸着板を接触させて光触媒含有層側基板から付着物を吸着除去する方法や、ブラシを用いて光触媒含有層側基板から付着物を掃きとる方法等が挙げられる。
上記吸着性を有する吸着板としては、例えば粘着性を有する基板やシート等とすることができ、このような吸着板を用いた場合、上記吸着板を光触媒含有層表面と接触させた後、上記吸着板を光触媒含有層から剥離することにより、光触媒含有層に付着した付着物を吸着板側に転写させることができる。なお、吸着板の種類等としては、付着物との接着性を有し、かつ光触媒含有層から剥離することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、付着物の種類等により適宜選択され、例えば一般的な粘着層を基板上に形成したもの等とすることができる。
また、上記ブラシとしては、光触媒含有層を傷つけないものであれば特に限定されるものではなく、一般的な装置の洗浄に用いられているブラシ等と同様とすることができる。
(5)エネルギーを利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法
次に、エネルギーを利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する方法について説明する。このような方法としては、例えば光触媒含有層に熱エネルギーを照射し、光触媒含有層に付着した付着物を揮発させる方法や、上記光触媒含有層に超音波エネルギーを照射して光触媒含有層から付着物を除去する方法、光触媒含有層にプラズマ照射する方法、光触媒含有層に電子線照射する方法、光触媒含有層に光エネルギーを照射する方法等が挙げられる。
上記熱エネルギーを用いる方法としては、例えば上記光触媒含有層に付着した付着物を揮発等させて、光触媒含有層から除去する方法とすることができ、付着物の沸点より高い温度に光触媒含有層側基板を加熱する方法等とすることができる。このような温度としては、付着物の種類等により適宜選択されることとなるが、通常20℃〜300℃程度、中でも50℃〜200℃程度とすることができる。また上記加熱方法としては、例えばホットプレートや赤外線ヒーター、またはオーブン等を用いることができる。なお、加熱時間については、上記付着物の種類や量等に応じて適宜選択されることとなる。
また、上記超音波を照射する方法としては、一般的な超音波洗浄方法と同様とすることができ、例えば洗浄液が注入されている洗浄液保持槽に、上記光触媒含有層を浸漬した後、光触媒含有層に対して超音波を照射する方法等とすることができる。
上記光触媒含有層にプラズマを照射する方法としては、光触媒含有層表面に付着した付着物を除去することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば真空中でプラズマ照射する方法であってもよく、また大気圧下でプラズマ照射する方法であってもよい。通常、上記プラズマの照射方向は、光触媒含有層側基板のうち光触媒含有層側からとされる。
なお本発明においては特に上記プラズマ照射が大気圧下でのプラズマ照射であることが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面から好ましいものとすることができるからである。このような大気圧プラズマの照射条件としては、以下のようなものとすることができる。例えば、電源出力としては、一般的な大気圧プラズマの照射装置に用いられるものと同様とすることができる。また、この際、照射されるプラズマの電極と、上記光触媒含有層との距離は、0.2mm〜20mm程度、中でも1mm〜5mm程度とされることが好ましい。また基板搬送速度は0.1m/min〜10m/min程度、中でも0.5m/min〜5m/min程度が好ましい。
また、上記光触媒含有層に電子線を照射する方法としては、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を、除去可能な電子線を照射することが可能な方法であれば特に限定されるものではない。このような電子線の照射方法として具体的には、線状のフィラメントからカーテン状に均一な電子線を照射できる装置(例えば、エレクトロカーテン型の装置)やフォトマスク作成用の電子線露光器などの公知の装置等を使用することができる。このときの電子線照射線量としては付着物の種類、量によって適宜決定されるものであるが、通常、1〜30MRadの加速エネルギーを持つ電子線が基板表面に照射されると、表面の付着物が分解除去されるため、この範囲とすることが好ましい。電子線線量が低すぎると期待される効果が得られず、一方、電子線線量が高すぎると光触媒層表面を損傷する可能性があるからである。
上記光触媒含有層に光エネルギーを照射する方法としては、光エネルギーの作用によって上記光触媒含有層から上記付着物を除去する方法であってもよいが、本発明においては特に光エネルギーによって上記光触媒含有層中に含有される光触媒を励起させ、この光触媒の作用も利用して、付着物を除去する方法であることが好ましい。このような方法に用いられる光エネルギーとしては、上記光触媒を励起可能な光エネルギーであれば特に限定されるものではなく、可視光に限定されるものではない。このような方法に用いられる光エネルギーの波長は、通常400nm以下の範囲、好ましくは150nm〜380nmの範囲から設定される。これは、後述するように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このような光エネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。また、エキシマ、YAG等のレーザを光源として用いることも可能である。
また、上記光エネルギーの照射方向としては、上記光触媒含有層に付着物が付着した領域に光エネルギーを照射可能な方向であれば、特に限定されるものではなく、例えば後述する光触媒含有層側基板の基材側からエネルギーを照射してもよく、上記光触媒含有層側基板の光触媒含有層側からエネルギーを照射してもよい。
ここで、光エネルギー照射に際しての光エネルギーの照射量は、処理用基板の表面に付着した付着物が除去されるのに必要な照射量とする。またこの際、光触媒含有層を加熱しながら光エネルギー照射することにより、光触媒の感度を上昇させることが可能となり、効率的に付着物を分解除去できる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
(光触媒含有層側基板)
次に、本工程によって付着物が除去される光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板について説明する。本工程に用いられる光触媒含有層側基板は、光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有するものであり、通常、基材と、その基材上に光触媒含有層が形成されているものである。以下、本工程に用いられる光触媒含有層側基板の各構成について説明する。
(1)光触媒含有層
まず、光触媒含有層側基板に用いられる光触媒含有層について説明する。本工程に用いられる光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、対向して配置される処理用基板の表面を処理することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよく、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の特性は特に親液性であっても撥液性であってもよい。
本発明で使用される光触媒としては、半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができる。また半導体以外としては、金属錯体や銀なども用いることができる。本発明においては、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
また、上記酸化チタンとして可視光応答型のものを用いてもよい。可視光応答型の酸化チタンとは、可視光のエネルギーによっても励起されるものであり、このような可視光応答化の方法としては、酸化チタンを窒化処理する方法等が挙げられる。
ここで、本発明でいう酸化チタンの窒化処理とは、酸化チタン(TiO)の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換する処理や、酸化チタン(TiO)結晶の格子間に窒素原子をドーピングする処理、または酸化チタン(TiO)結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配する処理等をいう。
酸化チタン(TiO)の窒化処理方法は、特に限定されるものではなく、例えば、結晶性酸化チタンの微粒子をアンモニア雰囲気下で700℃の熱処理により、窒素をドーピングし、この窒素のドーピングされた微粒子と、無機バインダや溶媒等を用いて、分散液とする方法等が挙げられる。
また光触媒含有層中の光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下であることが好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
本発明における光触媒含有層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより処理用基板を効率よく表面処理することが可能となる。
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法の他の例としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
バインダを用いた場合の光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
さらに、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
(2)基材
次に、光触媒含有層側基板に用いられる基材について説明する。本発明においては、図1に示すように、光触媒含有層側基板3は、少なくとも基材1とこの基材1上に形成された光触媒含有層2とを有するものである。
本発明に用いられる基材は、上記光触媒含有層を形成可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば可撓性を有する樹脂製フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。
なお、基材表面と上記光触媒含有層との密着性を向上させるため、また光触媒の作用による基材の劣化を防ぐために基材上に中間層を形成するようにしてもよい。このような中間層としては、シラン系、チタン系のカップリング剤や、反応性スパッタ法やCVD法等により作製したシリカ膜等が挙げられる。
2.表面処理工程
次に、本発明における表面処理工程について説明する。本発明における表面処理工程は、基材、および上記基材上に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板の上記光触媒含有層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面を有する処理用基板の上記被表面処理面とを対向させて配置し、上記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、上記被表面処理面を処理し、上記処理用基板の表面の処理を行う工程である。なお、本発明において上記表面処理工程は、少なくとも2回以上行われればよく、その回数は特に限定されるものではない。
本発明においては、上記表面処理工程と表面処理工程との間に、上記付着物除去工程が行われることから、上記表面処理工程に用いられる光触媒含有層側基板の光触媒の感度が変化してしまうことを防ぐことができ、複数の処理用基板の表面を均一な状態に処理することが可能となるのである。以下、本工程に用いられる処理用基板、およびエネルギーの照射方法についてそれぞれ説明する。
(処理用基板)
まず本発明に用いられる処理用基板について説明する。本発明に用いられる処理用基板は、上述した光触媒含有層側基板と対向させてエネルギーを照射した際に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面処理される被表面処理面を有するものであれば、特に限定されるものではない。
上記被表面処理面としては、例えば上記光触媒の作用により表面の不純物等が分解等され、表面が洗浄される面であってもよく、また上記光触媒の作用により表面の有機基が分解または変性等して濡れ性が変化する面等であってもよい。また例えば表面の帯電性が改良される面や、表面の密着性が改良される面等であってもよい。
本発明に用いられる処理用基板は、上記被表面処理面を有するものであれば、1層からなるものであってもよく、また2層以上の層が積層されたもの等であってもよい。例えばシリコン、ガラス、セラミックス等の無機材料や、金、銀、銅、鉄等の金属材料からなるもの等であってもよく、またポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセタール樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン等の樹脂等からなるものであってもよいが、本発明においては、特に有機物からなるものであることが好ましい。処理用基板が有機物からなるものである場合、上記光触媒含有層側基板を用いて上記処理用基板の表面処理を行った際、付着物が光触媒含有層に付着しやすいため、本発明の利点を特に活かすことが可能となるからである。また、上記処理用基板の形状としても特に限定されるものではなく、例えばフィルム状であってもよく、また板状等であってもよい。
(エネルギーの照射方法)
次に、本工程におけるエネルギーの照射方法について説明する。本工程においては、処理用基板と、上記光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、所定の間隙をおいて配置し、所定の方向から光触媒含有層にエネルギーが照射される。
ここで、上記の配置とは、実質的に光触媒の作用が処理用基板に及ぶような状態で配置された状態をいうこととし、上記光触媒含有層と上記処理用基板とが密着している状態の他、所定の間隔を隔てて上記光触媒含有層と処理用基板とが配置された状態とする。この間隙は、200μm以下であることが好ましい。
本発明において上記間隙は、光触媒の感度が高く、処理用基板の表面の処理効率が良好である点を考慮すると特に0.2μm〜50μmの範囲内、好ましくは1μm〜10μmの範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小面積の処理用基板に対して特に有効である。
一方、例えば300mm×300mm以上といった大面積の処理用基板に対して処理を行う場合は、上述したような微細な間隙を光触媒含有層側基板と上記処理用基板との間に形成することは極めて困難である。したがって、処理用基板が比較的大面積である場合は、上記間隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μmの範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲内とすることにより、処理用基板が比較的大面積であったとしても、間隙を均一に保つことが可能となるからである。また、間隙を上記範囲内とすることにより、光触媒の作用により間隙内で生じた活性酸素種が被表面処理面に作用しやすく、かつ上記活性酸素種が消滅や拡散等することを抑制できるため、処理用基板の表面を処理する効率が低下する等の問題が生じることなく、表面状態にムラが発生しないといった効果を有するからである。
このように比較的大面積の処理用基板にエネルギー照射する際には、エネルギー照射装置内の光触媒含有層側基板と処理用基板との位置決め装置における間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に25μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。設定値をこのような範囲内とすることにより、処理用基板表面を処理する効率の大幅な低下を招くことのないものとすることができるからである。
このように光触媒含有層と、処理用基板表面すなわち被表面処理面とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および光触媒作用により生じた活性酸素種が被表面処理面に作用しやすくなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と処理用基板との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種が被表面処理面に作用しにくくなり、結果的に処理用基板の表面を処理する速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。また、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が消滅や拡散等してしまい、この場合も処理用基板の表面を処理する速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。
このような極めて狭い間隙を均一に形成して光触媒含有層と処理用基板とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができるからである。また、このようなスペーサを用いることにより、光触媒の作用により生じた活性酸素種が拡散することなく、効率よく処理用基板の表面処理を行うことができる。
なお、上記光触媒含有層が可撓性を有する樹脂フィルム等の可撓性を有する基材上に形成された光触媒含有層側基板を用いる場合においては、上述したような間隙を設けることが難しく、製造効率等の面から、上記光触媒含有層と処理用基板とが接触するように配置されていることが好ましい。
本発明においては、このような光触媒含有層側基板の配置状態は、少なくともエネルギー照射の間だけ維持されればよい。
なお、本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、処理用基板の表面を処理することが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
通常このようなエネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは150nm〜380nmの範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。また、エキシマ、YAG等のレーザを光源として用いることも可能である。
ここで、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、処理用基板の表面が処理されるのに必要な照射量とする。またこの際、光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的に処理用基板の表面を処理できる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
3.その他
本発明の表面処理方法は、上記付着物除去工程および上記表面処理工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、上記工程以外に、例えば処理用基板を製造する工程等を有していてもよい。
B.表面処理用装置
次に、本発明の表面処理用装置について説明する。本発明の表面処理用装置は、基材、および上記基材上に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板の上記光触媒含有層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面を有する処理用基板の上記被表面処理面とを対向させて配置し、上記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、上記被表面処理面の処理を行う表面処理工程を複数回行って、複数の上記処理用基板の表面を処理する際に用いられる表面処理用装置であって、上記処理用基板を支持する処理用基板支持部と、上記光触媒含有層を上記被表面処理面と対向するように支持する光触媒含有層側基板支持部と、上記光触媒含有層側基板にエネルギーを照射するエネルギー照射部と、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去するための付着物除去手段とを有することを特徴とするものである。
本発明の表面処理用装置は、例えば図2(a)の断面図および図2(b)の斜視図に示すように、処理用基板を支持する処理用基板支持部11と、光触媒含有層側基板を支持する光触媒含有層側基板支持部12と、上記光触媒含有層側基板にエネルギーを照射するエネルギー照射部13と、上記光触媒含有層側基板の光触媒含有層に付着した付着物を除去するための付着物除去手段14とを有するものである。
本発明の表面処理用装置は、上記処理用基板支持部に処理用基板を支持させ、上記光触媒含有層側基板支持部に光触媒含有層側基板を支持させてエネルギー照射部からエネルギーを照射することにより、処理用基板の表面を処理する際に用いられるものである。
ここで、上述したように、上記光触媒含有層側基板を用いて、処理用基板の表面処理を行った場合、処理用基板上で生じた分解物等が気化し、対向して配置されている上記光触媒含有層に付着してしまう場合がある。これにより、続けて他の処理用基板に対して表面処理を行った際、この光触媒含有層に付着した付着物がラジカルとなって処理用基板の表面処理に寄与してしまったり、また上記付着物が光触媒により発生した活性酸素種の働きを阻害する場合がある。そのため、複数回連続して複数の処理用基板の表面処理を行った場合、目的とする均一な状態となるように表面を処理することが難しい、という問題があった。
しかしながら本発明においては、上記表面処理用装置が、上記付着物除去手段を有していることから、表面処理工程と表面処理工程との間に、付着物を除去することが可能となる。したがって、本発明の表面処理用装置を用いることにより、上記光触媒含有層側基板を用いて処理用基板の表面を処理させ、連続的に表面処理を行った場合であっても、光触媒含有層に付着した付着物等によって感度が変化してしまうことのないものとすることができ、目的とする均一な表面状態に処理用基板を処理することが可能となる。
以下、本発明の表面処理用装置について各構成ごとに詳しく説明する。
1.付着物除去手段
まず、本発明に用いられる付着物除去手段について説明する。本発明に用いられる付着物除去手段としては、処理用基板の表面処理に用いられる光触媒含有層側基板の光触媒含有層に付着した付着物を除去することが可能な手段であれば、特に限定されるものではない。上記付着物除去手段は、表面処理用装置内で、3次元方向に移動するものとされていてもよく、また固定されているものであってもよい。また、付着物除去手段は、例えば図2に示すように、光触媒含有層側基板を光触媒含有層支持部12により支持した状態で、上記付着物を除去する手段であってもよいが、本発明においては、例えば光触媒含有層側基板支持部から光触媒含有層側基板を取り外した状態で、上記光触媒含有層に付着した付着物を除去する手段であってもよい。
このような付着物除去手段としては、例えば、気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段、液体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段、固体状物質を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段、またはエネルギーを利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段等が挙げられる。また上記付着物除去手段には、上記いずれか1種類の手段が形成されていてもよく、また2種類以上の上記手段が形成されていてもよい。
以下、上記の各手段についてそれぞれ詳しく説明する。
(1)気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段
気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段について説明する。気体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段としては、例えば上記光触媒含有層に不活性のガスを吹き付けて、風圧により付着物を除去するガス吹き付け手段や、上記光触媒含有層表面から、付着物を吸引して付着物を除去する吸引手段、または上記ガス吹きつけ手段と吸引手段とを組み合わせた手段等とすることができる。
上記ガス吹きつけ手段としては、例えば図3に示すように、光触媒含有層側基板支持部12に支持された光触媒含有層側基板3の光触媒含有層2に、ガスを吹き付けるための吹き付け用ノズル部21と、上記吹き付け用ノズル部21にガスを送るためのガス供給部22とを有するもの等とすることができる。上記吹き付け用ノズル部としては、光触媒含有層全面にガスを吹き付けることが可能な形状とされていてもよく、また光触媒含有層の一部にガスを吹き付けることが可能な形状とされていてもよい。このような吹き付け用ノズル部としては、一般的な洗浄に用いられるエアーブロー用のノズルと同様とすることができる。また通常、この吹き付け用ノズルは、後述する処理用基板支持部から処理用基板が取り外された後、上記光触媒含有層側基板支持部に支持されている光触媒含有層側基板の光触媒含有層の近傍まで移動するための移動機構を有するものとされる。また、上記吹き付け用ノズルは、光触媒含有層表面に沿って2次元方向に移動する移動機構を有するものとされていてもよい。
また上記ガス供給部としては、上記ノズル部に気体を供給可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的なコンプレッサー等と同様とすることができる。なお、上記光触媒含有層に吹き付けるガスの種類等については、上述した「A.表面処理方法」の項で説明したものと同様とすることができる。
また、上記光触媒含有層表面から、付着物を吸引して付着物を除去する吸引手段としては、例えば図4に示すように、光触媒含有層側基板支持部12に支持された光触媒含有層側基板3の光触媒含有層2表面から、付着物を吸引するための吸気用ノズル部23と、気体を吸引するための吸気部24と、吸気用ノズル部によって吸引した付着物を貯める貯蔵部25等を有するものとすることができる。
上記吸気用ノズル部としては、光触媒含有層全面から一時に付着物を吸引することが可能な形状とされていてもよく、また光触媒含有層の一部から付着物を吸引することが可能な形状とされていてもよい。このような吸気用ノズル部としては、一般的なクリーナーに用いられるノズルと同様の構造を有するものとすることができる。また通常、この吸気用ノズルは、後述する処理用基板支持部から処理用基板が取り外された後、上記光触媒含有層側基板支持部に支持されている光触媒含有層側基板の光触媒含有層の近傍まで移動する移動機構を有するものとされる。また、上記吸気用ノズルは、光触媒含有層表面に沿って2次元方向に移動する移動機構を有するものとされていてもよい。
また上記貯蔵部は、上記吸気用ノズル部と、吸気部との中間に配置されるものであり、上記吸気用ノズル部から吸引された付着物を貯蔵することが可能なものであれば、特に限定されるものではない。上記吸気用ノズル部と吸気部とが直接つながっている場合には、吸気用ノズル部から吸引された付着物が吸気部に詰まってしまい、故障等の原因となるからである。このような貯蔵部としては、一般的なクリーナーに設けられている貯蔵部と同様の構造を有するものとすることができる。
また、上記吸気部としては、所定の吸気圧力で吸気可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的なクリーナーに設けられている吸気部と同様とすることができる。
また上記ガス吹きつけ手段と吸引手段とを組み合わせた手段としては、上記光触媒含有層にガスを吹き付けるための吹き付け用ノズル部と、ガスによって光触媒含有層から離脱した付着物を吸引するための吸気用ノズル部と、上記吸気用ノズル部から吸引された付着物を貯蔵する貯蔵部と、上記吸引用ノズル部から吸気した気体を、上記吹き付け用ノズル部に供給するための気体循環部等とを有するものとすることができる。上記吹き付け用ノズル部や、吸気用ノズル部、貯蔵部等については、上述したものと同様とすることができる。また、上記気体循環部は、一般的な装置に用いられている気体循環部等と同様とすることができる。
(2)液体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段
次に、液体を利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段について説明する。本発明において液体を利用して上記付着物を除去する手段としては、例えば上記光触媒含有層側基板を液体中に浸漬させて、上記付着物の液体に対する溶解性等を利用して除去する浸漬手段や、上記光触媒含有層側基板にノズル等により、液体を吹き付けて光触媒含有層を洗浄する洗浄手段等とすることができる。
上記浸漬手段としては、例えば上記付着物を溶解させることが可能な溶剤等を保持可能な溶液保持部を有するもの等とすることができる。上記溶液保持部としては、上記付着物を溶解可能な溶剤を保持し、かつ上記光触媒含有層側基板を浸漬可能なものであれば、特に限定されるものではない。上記溶液保持部に保持される溶液の種類等は、付着物の種類や量等に応じて適宜選択されることとなる。
また上記洗浄手段としては、例えば図5に示すように、液体を吐出し、光触媒含有層2の表面を洗浄するための洗浄部26と、上記洗浄部26に液体を供給するための液体供給部27と、光触媒含有層2を乾燥させるための吸引乾燥部28とを有するもの等とすることができる。上記洗浄部としては、上記光触媒含有層側表面に液体を吐出し、洗浄可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば光触媒含有層全面に液体を吐出可能なものであってもよく、また光触媒含有層の一部に液体を吐出可能なものであってもよい。このような洗浄部としては、一般的なスプレー洗浄装置に用いられるノズル等を備えた洗浄部と同様の構造を有するものとすることができる。なお、この洗浄部は、通常、後述する処理用基板支持部から処理用基板が取り外された後、上記光触媒含有層側基板支持部に支持されている光触媒含有層側基板の光触媒含有層の近傍まで移動する移動機構を有するものとされる。また、上記洗浄部は、光触媒含有層表面に沿って2次元方向に移動する移動機構を有するものとされていてもよい。
また、上記溶液供給部としては、上記溶液吐出部に所定の量、溶液を供給可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的なスプレー洗浄装置に設けられている溶液供給手段等と同様の構造を有するものとすることができる。また、上記吸引乾燥部としては、上記光触媒含有層を乾燥させることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的な洗浄装置に用いられている吸引乾燥部と同様の構造を有するものとすることができる。
なお、上記洗浄手段には、光触媒含有層を熱乾燥させるための温度制御部や、洗浄部から吐出される溶液の圧力を調整するための圧力制御部等を有するものであってもよい。ここで、上記洗浄手段から吐出される溶液等については、上述した「A.表面処理方法」で説明したものと同様とすることができる。
(3)固体状物質を接触させることにより、上記光触媒含有層から付着物を除去する手段
次に、本工程において固体状物質を接触させることにより、上記光触媒含有層から付着物を除去する手段について説明する。上記光触媒含有層に固体状物質を接触させることにより、上記光触媒含有層から付着物を除去する手段としては、例えば光触媒含有層に吸着性を有する吸着板を接触させて光触媒含有層側基板から付着物を除去する吸着手段や、ブラシを用いて光触媒含有層側基板から付着物を掃きとる手段等が挙げられる。
上記吸着手段としては、例えば図6に示すように、吸着性を有する吸着板29を有するものとされ、この吸着板29は光触媒含有層2と密着した後、光触媒含有層2から剥離するような移動機構を有するものとされる。上記吸着板の種類等としては、付着物との接着性を有し、かつ光触媒含有層から剥離することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば一般的な粘着層を基板上に形成したもの等とすることができ、付着物の種類等により適宜選択される。
また、上記ブラシを用いる手段としては、光触媒含有層表面の洗浄を行うブラシ部を有するものとされ、このブラシ部は光触媒含有層と接触後、光触媒含有層に沿って移動する機構を有するものとされる。このようなブラシ部としては、光触媒含有層を傷つけないものであれば特に限定されるものではなく、一般的な装置の洗浄等に用いられるものと同様とすることができる。
(4)エネルギーを利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段
次に、エネルギーを利用して上記光触媒含有層から付着物を除去する手段について説明する。このような手段としては、例えば光触媒含有層に熱エネルギーを照射し、光触媒含有層に付着した付着物を揮発させること等により付着物を除去する熱エネルギー照射手段や、光触媒含有層に超音波を照射し、光触媒含有層に付着した付着物を振動により除去する超音波照射手段、光エネルギーを照射する光エネルギー照射手段、電子線を照射する電子線照射手段、プラズマを照射するプラズマ照射手段等とすることができる。
上記熱エネルギー照射手段としては、例えば表面処理用装置内の温度を上昇させるための加熱部と、表面処理用装置内の温度を調整するための温度調整部を有するもの等とすることができる。このような加熱部や温度調整部としては、例えば一般的なホットプレートや、ヒーター、オーブンに用いられるものと同様とすることができる。なお、このエネルギー照射手段は、後述する処理用基板支持部から処理用基板が取り外された後、上記光触媒含有層側基板支持部に支持されている光触媒含有層側基板の光触媒含有層の近傍まで移動する移動機構を有するものとされていてもよい。
上記超音波照射手段としては、例えば光触媒含有層側基板を浸漬するための洗浄液保持槽と、上記光触媒含有層に超音波を照射するための超音波照射部とを有するもの等とすることができる。上記洗浄液保持槽としては、光触媒含有層を洗浄可能な洗浄液を保持し、かつ光触媒含有層側基板を浸漬させることが可能な槽であれば、特に限定されるものではなく、一般的な超音波洗浄装置に用いられている洗浄液保持槽と同様のものとすることができる。また、上記超音波照射部としては、上記光触媒含有層の表面から付着物を除去可能な超音波を照射可能なものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な超音波洗浄装置に用いられている超音波照射部と同様のものとすることができる。
また、上記光エネルギー照射手段としては、上記光触媒含有層に光エネルギーを照射し、光そのもののエネルギーによって付着物を除去する手段であってもよいが、本発明においては、特に光エネルギー照射に伴う光触媒の作用を利用して上記付着物を除去する手段であることが好ましい。これにより、上記光触媒の作用を利用してより効率よく付着物を除去することが可能となるからである。
このような光エネルギー照射手段としては、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を有するものとすることができる。また、エキシマ、YAG等のレーザを有する手段としてもよい。また、上記光触媒の感度を向上させるために、光触媒含有層を加熱する温度調整部等を有するものであってもよい。なお、このような光エネルギー照射手段における光エネルギー照射方法としては、「A.表面処理方法」の付着物除去方法で説明した方法と同様とすることができる。
プラズマ照射手段としては、上記光触媒含有層にプラズマを照射して上記付着物を除去可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば真空中でプラズマ照射する手段であってもよく、また大気圧下でプラズマ照射する手段であってもよいが、本発明においては、特に大気圧下でプラズマ照射する手段であることが好ましい。これにより、装置の設計等を容易なものとすることができるからである。なお、このようなプラズマ照射手段としては、一般的なプラズマ照射装置におけるプラズマ照射手段と同様とすることが可能である。また、このようなプラズマ照射手段を用いたプラズマ照射方法としては、「A.表面処理方法」の付着物除去方法で説明した方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記光触媒含有層に電子線を照射する電子線照射手段としては、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を、分解除去可能な電子線を照射することが可能な手段であれば特に限定されるものではない。このような電子線照射手段として具体的には、一般的な電子線照射装置における電子線照射手段と同様とすることが可能である。また、このような電子線照射手段を用いた電子線照射方法としては、「A.表面処理方法」の付着物除去方法で説明した方法と同様とすることができる。
2.処理用基板支持部
次に、本発明の表面処理用装置における処理用基板支持部について説明する。本発明の表面処理用装置における処理用基板支持部は、上記処理用基板を、表面処理用装置内で安定して支持することが可能なものであれば特に限定されるものではない。その基板支持部の形状等は、本発明の表面処理用装置により露光される処理用基板の形状や用途等に合わせて適宜選択されることとなり、例えば処理用基板の全面を支えるような構造であってもよく、また処理用基板の一部を支持するような構造であってもよい。
このような処理用基板支持部は、処理用基板を支持することが可能な強度を有するものであれば、その材料等は特に限定されるものではなく、例えば金属やセラミック等の無機材料や、プラスチック等の有機材料も用いることができる。なお、上記処理用基板支持部により支持される処理用基板としては、上述した「A.表面処理方法」で説明した処理用基板と同様とすることができる。
3.光触媒含有層側基板支持部
次に、本発明の表面処理用装置における光触媒含有層側基板支持部について説明する。本発明の表面処理用装置における光触媒含有層側基板支持部は、上記光触媒含有層側基板を、上記処理用基板支持部により支持された処理用基板の被表面処理面と対向するように、表面処理用装置内で安定して光触媒含有層側基板を支持することが可能なものであれば特に限定されるものではない。その光触媒含有層側基板支持部の形状等は、光触媒含有層側基板の形状や用途等に合わせて適宜選択されることとなり、例えば光触媒含有層側基板の全面を支えるような構造であってもよく、また光触媒含有層側基板の一部を支持するような構造であってもよい。
このような光触媒含有層側基板支持部は、上述した処理用基板支持部と同様とすることができる。また、上記光触媒含有層側基板支持部および処理用基板支持部は、光触媒含有層中に含有される光触媒のエネルギー照射に伴う作用が、処理用基板に及ぶような距離に処理用基板および光触媒含有層側基板が支持されるように形成される。なお、上記距離や、上記光触媒含有層側基板支持部により支持される光触媒含有層側基板としては、上述した「A.表面処理方法」で説明したものと同様とすることができる。
4.エネルギー照射部
次に、本発明に用いられるエネルギー照射部について説明する。本発明に用いられるエネルギー照射部は、上記光触媒含有層側基板の光触媒含有層にエネルギーを照射可能なものであれば特に限定されるものではない。上記エネルギー照射部は、表面処理用装置において、例えば図2(a)に示すように、上記光触媒含有層側基板支持部12側に設けられているものであってもよく、また上記処理用基板支持部11側に設けられているものであってもよい。
このようなエネルギー照射部としては、光触媒含有層中の光触媒を励起可能なエネルギーを照射可能なランプを有するものであればよく、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を有するものとすることができる。またエキシマ、YAG等のレーザを有するもの等であってもよい。
5.表面処理用装置
本発明の表面処理用装置は、上記付着物除去手段、処理用基板支持部、光触媒含有層側基板支持部、およびエネルギー照射部を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて例えば表面処理用装置内の温度を制御する温度制御手段や、表面処理用装置内の湿度を制御するための湿度制御手段等を有していてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(光触媒含有層側基板の作製)
石英ガラス基板(基材)上に、二酸化チタンの水分散液(石原産業(株)製、品名:「ST-K03」)をスピンコーティングし、加熱乾燥することにより透明な光触媒含有層を形成し、光触媒含有層側基板とした。
(処理用基板の作製)
デシルトリメトキシシラン(信越シリコーン製 LS5258)0.5mlを入れたガラス容器とガラス基板とを蓋付きの耐熱容器に入れ密閉した。上記耐熱容器を165℃に加熱したオーブンに投入し1時間保持することで、上記耐熱容器内をデシルトリメトキシシラン雰囲気にし、ガラス基板表面にデシルトリメトキシシランを蒸着させ、透明で均一な被表面処理面を有する処理用基板を得た。
(表面処理工程)
上記処理用基板の被表面処理面と光触媒含有層側基板とをギャップを設けて対向させ、光触媒含有層側基板の基材側から超高圧水銀ランプにて、波長が365nmの紫外線を38mW/cmの照度で照射することにより露光し、被表面処理面の処理を行い、表面処理基板を得た。処理用基板の被表面処理面は、未露光時における水との接触角が102°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は71°であった。また、露光後の表面処理基板の水との接触角が25°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角が10°になるのに、露光時間を110s要した。
(付着物除去工程および表面処理工程)
続いて付着物除去工程として、上記露光後の光触媒含有層側基板における光触媒含有層を0.05MPaで60s間吸引し、上記光触媒含有層表面に付着した付着物を除去した。その後表面処理工程として、上述した処理用基板と同様の処理用基板に対して、上記付着物除去工程後の光触媒含有層側基板を用いて、上記と同様に110s間露光を行った。上記付着物除去工程および表面処理工程を、それぞれ50回繰返し、50枚の表面処理基板を作製した。50枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が100°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は70°であったが、露光後の水との接触角は24°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は9°であった。
[実施例2]
(光触媒含有層側基板の作製)
実施例1と同様に光触媒含有層側基板を作製した。
(処理用基板の作製)
1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン製TSL8233)0.5mlを入れたガラス容器とガラス基板とを蓋付きの耐熱容器に入れ密閉した。上記耐熱容器を240℃に加熱したオーブンに投入し1時間保持することで、上記耐熱容器内を1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン雰囲気にし、ガラス基板表面に1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランを蒸着させ、透明で均一な被表面処理面を有する処理用基板を得た。
(表面処理工程)
上記処理用基板と光触媒含有層側基板とを用いて実施例1と同様に露光を行い、表面処理基板を得た。処理用基板の被表面処理面は、未露光時における水との接触角が114°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は78°であった。また、露光後の表面処理基板の水との接触角が30°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角が12°になるのに、露光時間を165s要した。
(付着物除去工程および表面処理工程)
続いて付着物除去工程として、上記露光後の光触媒含有層側基板における光触媒含有層に、50%のメタノール水溶液を洗浄液とし、吐出量1L/min、吐出圧1MPaで30秒間スプレー洗浄を行った後、エアーを吹き付けて、光触媒含有層表面に付着した洗浄液を完全に除去した。
その後、表面処理工程として、上述した処理用基板と同様の処理用基板に対して、上記付着物除去工程後の光触媒含有層側基板を用いて、上記と同様に165s間露光を行った。
上記付着物除去工程および表面処理工程を、それぞれ50回繰返し、50枚の表面処理基板を作製した。50枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が114°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は78°であったが、露光後の水との接触角は29°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は11°であった。
[実施例3]
(付着物除去工程および表面処理工程)
実施例1と同様の光触媒含有層側基板と処理用基板とを用いて、実施例1と同様に表面処理工程を1回行った。続いて付着物除去工程として、上記露光後の光触媒含有層側基板における光触媒含有層に、シリコンゴム製の吸着板を密着圧1.2kg/cmで20秒間接触させた。
その後、表面処理工程として、上述した処理用基板と同様の処理用基板に対して、上記付着物除去工程後の光触媒含有層側基板を用いて、上記と同様に110s間露光を行った。
上記付着物除去工程および表面処理工程を、それぞれ50回繰返し、50枚の表面処理基板を作製した。50枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が100°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は70°であったが、露光後の水との接触角は24°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は9°であった。
[実施例4]
(付着物除去工程および表面処理工程)
実施例1と同様の光触媒含有層側基板と処理用基板とを用いて、実施例1と同様に表面処理工程を1回行った。続いて付着物除去工程として、上記露光後の光触媒含有層側基板における光触媒含有層を80℃のホットプレートで2分間加熱した。
その後、表面処理工程として、上述した処理用基板と同様の処理用基板に対して、上記付着物除去工程後の光触媒含有層側基板を用いて、上記と同様に110s間露光を行った。
上記付着物除去工程および表面処理工程を、それぞれ50回繰返し、50枚の表面処理基板を作製した。50枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が100°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は70°であったが、露光後の水との接触角は24°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は9°であった。
[実施例5]
(付着物除去工程および表面処理工程)
実施例2と同様の光触媒含有層側基板と処理用基板とを用いて、実施例2と同様に表面処理工程を1回行った。続いて付着物除去工程として、上記露光後の光触媒含有層側基板における光触媒含有層に電力700W、照射距離5mm、プラズマ処理速度20mm/secで、大気圧酸素プラズマを照射した。
その後、表面処理工程として、上述した処理用基板と同様の処理用基板に対して、上記付着物除去工程後の光触媒含有層側基板を用いて、上記と同様に165s間露光を行った。 上記付着物除去工程および表面処理工程を、それぞれ50回繰返し、50枚の表面処理基板を作製した。50枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が114°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は78°であったが、露光後の水との接触角は29°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は11°であった。
[実施例6]
(付着物除去工程および表面処理工程)
実施例2と同様の光触媒含有層側基板と処理用基板とを用いて、実施例2と同様に表面処理工程を1回行った。続いて付着物除去工程として、上記露光後の光触媒含有層側基板における光触媒含有層に、エレクトロンカーテン型の電子線照射装置を用い、10Mradの加速エネルギーで電子線を照射した。
その後、表面処理工程として、上述した処理用基板と同様の処理用基板に対して、上記付着物除去工程後の光触媒含有層側基板を用いて、上記と同様に165s間露光を行った。 上記付着物除去工程および表面処理工程を、それぞれ50回繰返し、50枚の表面処理基板を作製した。50枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が114°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は78°であったが、露光後の水との接触角は29°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は11°であった。
[比較例]
(表面処理工程)
実施例1と同様の処理用基板と光触媒含有層側基板とを用いて表面処理工程を行い、表面処理基板を得た。処理用基板の被表面処理面は、未露光時における水との接触角が102°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は71°であった。また、露光後の表面処理基板の水との接触角25°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角が10°になるのに、露光時間を110s要した。
上記表面処理工程を、付着物除去工程を経ずに3回繰返し、3枚の表面処理基板を作製した。3枚目の表面処理基板においては、未露光時における水との接触角が100°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は70°であったが、露光後の接触角は水、表面張力が40mN/mの液体共に濡れ広がり、測定不能であった。
本発明の表面処理方法の一例を示す工程図である。 本発明の表面処理用装置を説明するための説明図である。 本発明の表面処理用装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の表面処理用装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の表面処理用装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の表面処理用装置の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 …基材
2 …光触媒含有層
3 …光触媒含有層側基板
4 …処理用基板
5 …被表面処理面
11…処理用基板支持部
12…光触媒含有層側基板支持部
13…エネルギー照射部
14…付着物除去手段

Claims (4)

  1. 基材、および前記基材上に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層を有する光触媒含有層側基板の前記光触媒含有層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面が処理される被表面処理面を有する処理用基板の前記被表面処理面とを対向させて配置し、前記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、前記被表面処理面の処理を行う表面処理工程を複数回行って、複数の前記処理用基板の表面を処理する表面処理方法であって、
    前記複数回行う表面処理工程の間に、前記光触媒含有層に付着した付着物を除去する付着物除去工程を有し、かつ前記付着物除去工程が、前記光触媒含有層に熱エネルギーを照射し、付着物を揮散させることにより付着物を除去するものであることを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記付着物除去工程において、前記光触媒含有層が前記熱エネルギーによって加熱される温度が、前記付着物の沸点よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記付着物除去工程において、前記光触媒含有層が前記熱エネルギーによって加熱される温度が、50℃〜200℃の範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の表面処理方法。
  4. 前記付着物除去工程において、光触媒含有層に光エネルギーも照射されることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の表面処理方法。
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