JP3964131B2 - ドライ洗浄装置 - Google Patents
ドライ洗浄装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3964131B2 JP3964131B2 JP2000383828A JP2000383828A JP3964131B2 JP 3964131 B2 JP3964131 B2 JP 3964131B2 JP 2000383828 A JP2000383828 A JP 2000383828A JP 2000383828 A JP2000383828 A JP 2000383828A JP 3964131 B2 JP3964131 B2 JP 3964131B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- processing chamber
- excimer
- air
- port
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライ洗浄装置に関し、より詳しくは、エキシマランプによる放射紫外線を用いるドライ洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等の製造工程においては、基板や膜の表面改質、表面付着物除去の手段としてエキシマランプによる波長172nmの紫外線(UV)照射装置が採用されている。
そのようなエキシマ光によれば、基板や膜の表面の有機物を分解するとともに紫外線により発生したラジカル(励起)酸素により分解した有機物をラジカル酸素やオゾンにより除去することができる。
【0003】
このように酸素ラジカル及びオゾンを利用することから、エキシマ光照射部分には酸素が不可欠である。エキシマ光照射部分への酸素は、大気中に存在する酸素を用いたり、或いは酸素ボンベから積極的に酸素を導入することが一般的である。また、エキシマランプは、その下に基板が存在する場合に点灯させ、基板が存在しない場合には消灯するのが一般的である。
【0004】
図1(a),(b) は、エキシマランプを用いた従来のドライ洗浄装置の構成を示す側面図と平面図である。
そのドライ洗浄装置は、エキシマランプ101が取り付けられた発光室102と基板103が置かれる基板処理室104を上下に有し、それらの発光室102と基板処理室104の境界の窓には紫外線を透過する石英板105が取り付けられている。基板処理室104には、基板103を移動するレール106が配置され、その前後には吸気口107が設けられ、吸気口107は基板搬送口を兼用している。さらにその底部には排気口108が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
エキシマ光を基板103に向けて照射する場合、基板処理室104内で発生した生成物を除去するため基板処理室104内を排気することは必須である。従って、排気口108からの排気と吸気口107からの給気のバランスが基板103表面の改質効果や付着物除去の能力に大きく影響する。
【0006】
排気量が小さい場合には処理室107内の酸素濃度が低下し、基板103の処理枚数の増加とともに改質効果および付着物除去の能力が低下する。それとは逆に、排気量が大きい場合には、処理室107内で発生したラジカル酸素が十分に作用せずに洗浄効果が低下する。
特に、石英板105と基板103の間の光照射領域での雰囲気の更新が不十分な場合には、排気量が適切であるにも関わらず、十分な改質および洗浄効果が得られなかったり改質効果にムラが現れることもある。さらに、吸入口107から酸素ガスを導入する場合に、その光照射領域の酸素濃度が濃いと、エキシマ光が酸素分子に吸収されて基板103の表面に作用せずに洗浄効果が低下する。
【0007】
また、基板103と石英板105の間の気流は、基板103の搬送方向とレール107の側方への乱流であり、基板103上での雰囲気は四方に拡散し、そのような気流の乱れに伴って基板3表面の酸素ラジカル分布が不均一になり易いといった問題がある。そのような気流の乱れが生じている従来の洗浄装置では、基板と石英板の間の気流の速度などの制御はなされていない。
【0008】
本発明の目的は、エキシマ光照射によるより安定した改質効果および付着物除去が実現できるドライ洗浄装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、基板に向けてエキシマ光を照射するエキシマランプと、前記エキシマランプと前記基板との間に配置されたエキシマ光透過板と、前記基板の前記エキシマ光照射面の上方にドライエア又は酸素ガスを導入する気体供給手段と、前記基板の前記エキシマ光照射面と反対の面の下方に配置された排気手段と、前記基板の両側に配置され、前記エキシマ光透過板から前記基板の側方に達する高さを有して前記エキシマ光透過板と前記基板との間の気流方向を制御する遮蔽物とを有することを特徴とするドライ洗浄装置によって解決される。
【0011】
上記した課題は、エキシマランプを有する発光室と、エキシマ光透過板によって前記発光室から分離され且つ基板を収納する第1処理室と、前記第1処理室内にクリーンエアを供給して前記第1処理室の内部全体の圧力を高くするエア供給手段と、前記クリーンエアの供給のみによって前記第1処理室内のガスをオーバーフローさせるオーバーフロー口とを有することを特徴とするドライ洗浄装置によって解決される。この場合、前記第1処理室及び前記発光室を収納する第2処理室と、前記第2処理室に外気を導入する給気口と、前記第2処理室に設けられて前記第1処理室のオーバーフロー口から出たガスと前記給気口から導入された前記外気を排気する排気口とを設けてもよい。
【0012】
次に、本発明の作用について説明する。
本発明によれば、エキシマ光が照射される基板上の気流方向を制御するようにしたので、気流の乱れによる洗浄のムラが抑制される。この場合、基板上のガス中の酸素濃度を20%以上で40%未満にすることにより洗浄効果を高くすることができる。
【0013】
また、本発明によれば、エキシマ光が照射される基板の上の気流速度を0m/秒より大きく1m/秒以下に設定すると、酸素オゾンの必要以上の拡散が防止されて酸素オゾンによる洗浄効果が高くなる。この場合の酸素濃度は、20%〜40%が好ましい。また、複数の基板を連続して処理する場合に、基板の入れ替えの際にエキシマ光照射領域における気流速度を3m/秒以上にするようにすると、ガスを常に初期状態に戻すことができるので、処理基板の増加による酸素ラジカルの減少を抑制し、生成物を排気することができ、基板洗浄効果を低減させることがなくなる。さらに、基板の入れ替えの際にエキシマランプを少なくとも1秒間消灯させることにより、基板入れ替えの際の不必要な酸素ラジカルの発生や酸素の消費を抑えることができる。
【0014】
さらに、本発明によれば、エキシマ光を照射する第1処理室内でクリーンエアを導入するとともにクリーンエアによって第1処理室内のガスをオーバーフロー口から外部に押し出すようにしているので、基板上のガスは常に換気された状態になって酸素ラジカルが十分に発生して基板表面の改質効果が向上する。
なお、クリーンエアによって第1処理室から放出されたガスは、第1処理室外部の第2処理室で強制的に排気され、これにより反応生成物やオゾンや酸素ラジカルを回収して大気を汚染することが防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係るドライ洗浄装置の発光室を示す平面図、図3は、図2に示したドライ洗浄装置のI−I線断面図であり、図4は、図2に示したドライ洗浄装置のII−II線断面図である。
【0016】
図において、エキシマランプ1が取り付けられた発光室2とその下方の基板3が置かれる基板処理室4とはそれぞれ仕切5によって上下に分離され、エキシマランプ1直下の仕切5に設けられた窓には紫外線を透過する石英板6が取り付けられている。基板3に照射されるエキシマ光の強さは5mW/cm2である。
基板処理室4内では、基板3を搬送する搬送レール(搬送手段)7が配置され、その前後には吸気口8が設けられ、吸気口8は基板搬送口を兼用している。さらに基板処理室4の底部には排気口9が設けられている。
【0017】
また、仕切5及び石英板6の下面のうち基板3が通過する軌道領域の両側部には一対の板状の遮蔽物10が下方に突出して取り付けられている。遮蔽物10の長さは基板3の移動方向で基板3よりも長く形成されている。また、遮蔽物10の高さは、石英板6と基板3との間隙よりも高くなっていて、例えば、石英板6と基板3との間隙が2.7mmの場合に3.0mmとする。
【0018】
さらに、石英板6と基板3の間の空間のうち基板3の搬入方向に対して後方には酸素含有のクリーンドライエア(CDA)や酸素(O2)等のガスをその空間に供給するためのノズル11が配置されている。
次に、上記したドライ洗浄装置を用いてTFT−LCD用ガラス基板を洗浄する方法について説明する。ガラス基板の洗浄は、ガラス基板自体の表面の付着物除去だけでなく、カラーフィルター表面の有機物の除去や膜質の改善、或いは、TFTを形成する際に使用されるレジストの残渣の除去等のために行われる。
【0019】
TFT−LCD用のガラス基板の平面の大きさは例えば400mm×500mmとする。
そして、基板3を載せた搬送レール7を移動して基板3を石英板6の下方に搬送、スキャンしながら、エキシマランプ1を発光させて波長172nmのエキシマUV光を石英板6に透過させて基板3に向けて例えば30秒間照射する。
【0020】
この場合、基板処理室4内の雰囲気を排気口9を通して外部に排出する一方で給気口8から空気等を基板処理室4内に導入する。そして吸気口8から導入された気体は基板3の表面に供給される。この場合、基板3表面での気体の流れの方向は、遮蔽物10によって制御され、基板3の進行方向の前後方向、即ちほぼ一方にのみ流される。その基板3表面での気体は基板3の移動方向に流れるが、その気体の流速は、ノズル11からのガス供給速度調整や排気口9からの排気量調整によって調整することが可能である。
【0021】
これにより、酸素ラジカルの分布が均一となって基板3の改質度は全面均一となる。そして、酸素ラジカルにより付着物が分解、除去されたガラス基板の表面の濡れ性は向上し、その上に配向膜を形成すると、その配向膜の膜質が均一となり、さらに、配向膜でのピンホールの発生が抑制され、さらに配向膜の表面が水をはじくことが抑制され、配向膜への異物の発生が抑制される等、配向膜不良の発生が低減される。
【0022】
基板3表面での酸素濃度を22%として、基板3の表面の気流速度とその気流速度で洗浄されたガラス基板表面の水接触角の関係を調べたところ、図5のような結果が得られた。即ち、通常の空気の酸素濃度約22%で、気流速度が0.5〜1.0m/秒の範囲で水接触角が小さくなって良好な基板改質効果が現れる。ただし、その流速は、基板3と石英板6の距離によって変動するので、それぞれのプロセスに適した流速の設定が必要になる。
【0023】
また、基板3表面での気流速度を1.0m/秒として、基板3の表面の酸素濃度とその酸素濃度で洗浄された基板3表面の水接触角の関係を調べたところ、図6のような結果が得られた。即ち、酸素濃度20〜40%の範囲で水接触角が小さくなって良好な基板改質効果が現れる。
ノズル11からCDAを50リットル/分の流量で基板3と石英板6の間に導入する。この場合、基板3上の気流速度が1m/秒となるように排気量を調整すると、吸気口8のみ、即ち系外からの空気の供給のみの場合よりも安定した気流制御が可能になる。
【0024】
また、ノズル11から酸素ガスを10リットル/分の流量で基板3上に導入する。この場合、基板3上の気流速度が1m/秒となるように排気口9からの排気量を調整する。これにより、基板3上の酸素濃度は35%になるので、給気口8のみから空気を供給した場合やノズル11からCDAを導入する場合に比べて洗浄効果が向上する。
【0025】
ところで、ノズル11から酸素ガスを30リットル/分の流量で基板3上に導入する。この場合、基板3上の気流速度が1m/秒となるように排気量を調整する。これにより、基板3上の酸素濃度は60%になり、洗浄効果は低減した。従って、図6の特性を考慮すると酸素濃度は40%未満にすることが好ましい。
また、遮蔽物10の高さを3mmではなく、1mmとすると基板の3の側方に隙間が生じてここから基板3上の気体が側方に漏れて乱気流が発生するので、洗浄による膜質改善効果の面内での均一性は低下する。
【0026】
なお、エキシマ光を照射する工程は、TFT−LCDの配向膜の形成前処理時に限定されるものではない。エキシマ光を照射するどのような製品、工程にもちいてもよい。ただし、ギャップ、照射時間、気流速度については、各工程毎に最適化する必要がある。また、エキシマ光の照射は、スキャン方式に限定されるものではなく、例えば一括照射方式であってもよい。
(第2の実施の形態)
図2〜図4で示したドライ洗浄装置において、基板3と石英板6の間の空間における気体の流速が基板洗浄の処理枚数にどのような影響を及ぼすかを調べたところ図7(a) 〜(c) に示すような結果が得られた。図7(a) 〜(c) は、それぞれ基板の処理枚数と洗浄後の基板表面の水接触角との関係を示している。なお、基板・石英板間のギャップを2.7mmとしている。
【0027】
図7(a) は、1枚目の基板の処理の開始から20枚目の基板の処理の終了に至るまで基板・石英板間のギャップ内に流速1m/秒の空気を連続して流した場合を示しており、処理枚数が増えるほど水接触角が大きくなっており、処理枚数が増えるにつれて洗浄能力が低下している。
図7(b) は、1枚目の基板の処理の開始から20枚目の基板の処理の終了に至るまで基板・石英板間のギャップ内に流速2m/秒の空気を連続して流した場合を示しており、処理枚数が増えるほど水接触角が大きくなり、処理枚数が増えるにつれて洗浄能力が低下しているが、図7(b) よりも洗浄処理能力の変化が小さい。
【0028】
図7(c) は、1枚目の基板の処理の開始から20枚目の基板の処理の終了に至るまで基板・石英板間のギャップ内に流速3m/秒の空気を連続して流した場合を示しており、処理枚数が増えても水接触角は殆ど変化がなく、処理枚数が増えても洗浄能力に変化が殆ど見られない。
以上の実験において、排気量を大きくすることにより基板3の洗浄能力をほぼ均一に維持できるのは、処理室4内の環境が常に初期状態に維持されるからである。
【0029】
しかし、図7(a) 〜(c) のそれぞれの処理開始の1番目の基板の水接触角の大きさは同じではない。洗浄効果は、図5で示したように、基板3上の気流速度1.0m/秒以下とした場合に良好になるのであって、3m/秒になると良い結果は得られない。
そこで、基板3へのエキシマ光の照射中にはエキシマ光照射部の気流速度を小さくし、かつ基板3の入れ換えの際にはその気流速度を大きくすることによって処理室4内の環境を初期状態に戻すことが好ましい。
【0030】
このために、エキシマランプ1及び石英板6の下方において、基板3の搬入前の待機と、基板3の搬入による受け入れと、基板3へのエキシマUV光照射と、基板3の搬出といった動作を繰り返す場合に、エキシマランプ1の点灯、消滅のタイミングと石英板6の下の気流速度の変化のタイミングについては図8に示すようなチャートを採用することにした。
【0031】
まず、石英板6の下への基板3の搬送を待機させている状態ではエキシマランプ1を消灯した状態にするとともに石英板6の下方での気流速度を1m/秒より大きく、例えば3m/秒となるように制御する。気流速度の制御は、排気口9に接続されたオートダンパー開閉の調整やブロアーの回転数の変化による排気量調整によって行われる。
【0032】
続いて、基板3を石英板6の下方に搬入動作している状態又は基板3を受け入れた時点で、エキシマランプ1を点灯させるとともに石英板6の下での気流速度を1m/秒以下に減少させる。
そして、石英板6の下でエキシマ光を例えば30秒間基板3に照射した後に、基板3を石英板6の下方から搬出させる。基板3の搬出開始直後或いは搬出状態又は搬出を終えた直後に、エキシマランプ1を消灯するとともに石英板6の下の気流速度を例えば3m/秒以上に上昇させる。その気流速度を例えば1秒間又はそれより長く保持した後に、待機していた次の基板3を石英板6の下での受け入れ開始又は受け入れ終了と同時又はその間にエキシマランプ1を点灯させるとともに気流速度を1m/秒以下に下げる。
【0033】
以上の繰り返し動作は、最後の基板3の処理が終わるまで続けられる。
そのような繰り返し動作によれば、第1実施形態で説明したように、基板処理中の気流速度が1m/秒以下で良好な洗浄効果が得られる。ただし、気流速度が0の場合は洗浄効果が逆に低下するので、0.5m/秒程度は必要になる。また、エキシマ光の非照射時の流速として3m/秒以上とすることで1秒以内での石英板6直下の雰囲気の初期状態への更新が可能になる。これにより、処理室4内の環境を良好に維持できる。
【0034】
なお、ここでは、TFT−LCD用ガラス基板を処理するためのエキシマ照射洗浄装置を想定しており、照射部は450mm×550mmで排気口9は基板搬送領域下方の一カ所に設けたものであり、上記した条件により洗浄されたガラス基板の上に配向膜を形成したところ、配向膜の均一性が向上し、また配向膜にピンホールや撥水部分や異物混入といった不良の発生が低減した。
【0035】
なお、ギャップ、照射時間については、液晶表示装置の形成工程毎に最適化してもよい。また、エキシマUV照射装置はスキャン方式に限定するものではなく一括露光方式等他のどのような方式でもよい。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、石英板の下での気流速度の調整によって、基板3へのエキシマ光の照射時の酸素ラジカル量の最適化を図ったが、本実施形態では別の方法による最適化について説明する。
【0036】
図9は、本実施形態に係るエキシマUV照射によるドライ洗浄装置の構成を示す側断面図である。
図9において、エキシマランプ21が取り付けられた発光室22とその下方で基板23が置かれる第1処理室24はそれぞれ仕切25によって分離され、仕切25の窓には紫外線を透過する石英板26が取り付けられている。第1処理室24の一側部には、蓋27が開閉可能に取り付けられる基板搬送口28が設けられている。また、第1処理室24の他側部にはオーバーフロー口29が設けられている。さらに第1処理室24の中には、基板23を載せる基板載置台30が取り付けられるとともに、外部から空気、ドライクリーンエア、酸素等のガスを導入する給気ノズル31が挿入されている。
【0037】
発光室22及び第1処理室24を収納する第2処理室32は、第1処理室24の基板搬送口28の側方に外側基板搬送口を兼ねた給気口33を有し、さらに第1処理室24の下方に排気口34を有している。なお、排気口34から排気されたガスは処理槽(不図示)により回収され、分解される。
次に、上記した洗浄装置を用いてLCD−TFTガラス基板の洗浄について説明する。
【0038】
まず、第1処理室24の基板搬送口28の蓋27を開けた状態で給気口33と基板搬送口28を通して基板23を基板載置台30の上に載せ、ついで蓋27を閉じる。
次に、給気ノズル31から例えばドライクリーンエアを例えば100リットル/分で第1処理室14内に供給する。また、第2処理室32において、排気口34からの排気量を50m3 /時間とし、給気口33での吸気風速を0.8m/秒とする。このような条件では、第1処理室24内は加圧状態に保たれ、その中のガスはオーバーフロー口29のみから排出されるので、第1処理室24に導入された空気中の酸素は十分な量で酸素ラジカルになる。また、基板23の表面の有機物等の汚れと結合した酸素は、排気によって強制的に第1処理室24の外部に放出されるのではなく、ドライクリーンエアによって強制的にオーバーフロー口29から押し出されるので、基板表面の空気は常に換気された状態になり、処理時間の経過とともに酸素ラジカル濃度が低下することなはい。
【0039】
これにより、基板23の表面では酸素ラジカルを十分に発生させることが可能になり、基板23の表面改質効果が高くなる。
また、第1処理室24のオーバーフロー口29から放出された酸素ラジカルや生成物は、第2処理室32内を通って排気口34から処理槽(不図示)に捕獲されるので、大気汚染を生じさせない。
(付記1)基板に向けてエキシマ光を照射するエキシマランプと、
前記エキシマランプと前記基板の間の気流方向を制御する気流方向制御機構とを有することを特徴とするドライ洗浄装置。
(付記2)前記気流方向制御機構は、前記基板の両側に配置された遮蔽物であることを特徴とする付記1に記載のドライ洗浄装置。
(付記3)前記遮蔽物は、前記エキシマランプと前記基板の間に配置されたエキシマ光透過板から前記基板の側方に達する高さを有していることを特徴とする付記2に記載のドライ洗浄装置。
(付記4)前記基板の前記エキシマ光照射面の上にドライエア又は酸素ガスを導入する気体供給手段を有することを特徴とする付記1に記載のドライ洗浄装置。
(付記5)前記基板表面に供給されるガスの酸素濃度を20%以上で40%未満にする酸素濃度調整手段を有することを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載のドライ洗浄装置。
(付記6)基板に向けてエキシマ光を照射するエキシマランプと、
前記エキシマ光を前記基板に照射している状態において、前記エキシマランプと前記基板の間の気流速度を0m/秒より大きく1m/秒以下に設定する気流速度調整手段を有する
ことを特徴とするドライ洗浄装置。
(付記7)前記気流速度調整手段は、前記基板の入れ替えの間の前記エキシマランプの非発光時の前記気流速度を3m/秒以上に設定することを特徴とする付記6に記載のドライ洗浄装置。
(付記8)前記基板の入れ替えの間に前記エキシマランプの非発光時間を1秒以上とするランプ発光オンオフ手段を有することを特徴とする付記6又は付記7に記載のドライ洗浄装置。
(付記9)エキシマランプを有する発光室と、
エキシマ光透過板によって前記発光室から分離され且つ基板を収納する第1処理室と、
前記第1処理室内にクリーンエアを供給して内部圧力を高くするするエア供給手段と、
前記第1処理室内のガスをオーバーフローさせるオーバーフロー口と
を有することを特徴とするドライ洗浄装置。
(付記10)前記第1処理室の外側に設けられた第2処理室と、
前記第2処理室に外気を導入する給気口と、
前記第2処理室に設けられて前記第1処理室のオーバーフロー口から出たガスと前記給気口から導入された前記外気を排気する排気口と
を有することを特徴とする付記9に記載のドライ洗浄装置。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように 本発明によれば、エキシマ光が照射される基板上の気流方向を制御するようにしたので、気流の乱れによる洗浄のムラを抑制できる。
また、本発明によれば、エキシマ光が照射される基板の上の気流速度を0m/秒より大きく1m/秒以下に設定するようにしたので、酸素オゾンの必要以上の拡散を防止して酸素オゾンによる洗浄効果を高くすることができる。
【0041】
さらに、本発明によれば、エキシマ光を照射する処理室内でクリーンエアを導入するとともにクリーンエアによって処理室内のガスをオーバーフロー口から外部に押し出すようにしているので、基板上のガスは常に換気された状態になって酸素ラジカルを十分に発生させて基板表面の改質効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a),(b) は、従来のドライ洗浄装置を示す断面図及び上面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係るドライ洗浄装置の平面図である。
【図3】図3は、図2のI−I線断面図である。
【図4】図4は、図2のII−II線断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態に係るドライ洗浄装置の基板表面の気流速度と洗浄後のガラス基板表面の水接触角との関係を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係るドライ洗浄装置の酸素濃度と洗浄後のガラス基板表面の水接触角との関係を示す図である。
【図7】図7(a) 〜(c) は、ドライ洗浄装置における処理枚数と洗浄後ガラス基板表面水接触角との関係を、基板表面の気流速度の違いで示した図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係る基板搬入搬出とエキシマランプの点灯・消滅とエキシマランプ直下の気流速度調整のタイミングを示す図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係るドライ洗浄装置の構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…エキシマランプ、2…発光室、3…基板、4…処理室、5…仕切、6…石英板(エキシマ光透過板)、7…搬送レール、8…吸気口(基板搬送口)、9…排気口、10…遮蔽物、11…ノズル(気体供給手段)、21…エキシマランプ、22…発光室、23…基板、24…第1処理室、25…仕切、26…石英板(エキシマ光透過板)、27…蓋、28…基板搬送口(吸気口)、29…オーバーフロー口、30…基板載置台、31…ノズル(気体供給手段)、32…第2処理室、33…吸気口(基板搬送口)、34…排気口。
Claims (3)
- 基板に向けてエキシマ光を照射するエキシマランプと、
前記エキシマランプと前記基板との間に配置されたエキシマ光透過板と、
前記基板の前記エキシマ光照射面の上方にドライエア又は酸素ガスを導入する気体供給手段と、
前記基板の前記エキシマ光照射面と反対の面の下方に配置された排気手段と、
前記基板の両側に配置され、前記エキシマ光透過板から前記基板の側方に達する高さを有して前記エキシマ光透過板と前記基板との間の気流方向を制御する遮蔽物とを有することを特徴とするドライ洗浄装置。 - エキシマランプを有する発光室と、
エキシマ光透過板によって前記発光室から分離され且つ基板を収納する第1処理室と、
前記第1処理室内にクリーンエアを供給して前記第1処理室の内部全体の圧力を高くするエア供給手段と、
前記クリーンエアの供給のみによって前記第1処理室内のガスをオーバーフローさせるオーバーフロー口と
を有することを特徴とするドライ洗浄装置。 - 前記第1処理室及び前記発光室を収納する第2処理室と、
前記第2処理室に外気を導入する給気口と、
前記第2処理室に設けられて前記第1処理室のオーバーフロー口から出たガスと前記給気口から導入された前記外気を排気する排気口と
を有することを特徴とする請求項2に記載のドライ洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000383828A JP3964131B2 (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | ドライ洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000383828A JP3964131B2 (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | ドライ洗浄装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002184742A JP2002184742A (ja) | 2002-06-28 |
JP3964131B2 true JP3964131B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=18851410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000383828A Expired - Fee Related JP3964131B2 (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | ドライ洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3964131B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI251506B (en) * | 2000-11-01 | 2006-03-21 | Shinetsu Eng Co Ltd | Excimer UV photo reactor |
JP3776092B2 (ja) | 2003-03-25 | 2006-05-17 | 株式会社ルネサステクノロジ | エッチング装置、エッチング方法および半導体装置の製造方法 |
JP4640421B2 (ja) * | 2008-02-29 | 2011-03-02 | 凸版印刷株式会社 | 紫外線照射装置 |
KR101407388B1 (ko) | 2008-06-05 | 2014-06-17 | 주식회사 케이씨텍 | 스핀척 및 이를 구비한 매엽식 세정 장치 |
JP5077173B2 (ja) * | 2008-09-27 | 2012-11-21 | 株式会社Gsユアサ | 紫外線照射処理装置 |
JP2015119127A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | ウシオ電機株式会社 | 光照射装置 |
JP6135764B2 (ja) * | 2014-01-20 | 2017-05-31 | ウシオ電機株式会社 | デスミア処理装置 |
JP6728911B2 (ja) * | 2016-04-08 | 2020-07-22 | ウシオ電機株式会社 | 紫外線処理装置 |
-
2000
- 2000-12-18 JP JP2000383828A patent/JP3964131B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002184742A (ja) | 2002-06-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6821906B2 (en) | Method and apparatus for treating surface of substrate plate | |
TW315496B (ja) | ||
US7527695B2 (en) | Apparatus and method for cleaning substrate | |
WO2005064663A1 (ja) | 紫外線洗浄装置および洗浄方法 | |
US20040045575A1 (en) | Apparatus and method for processing a substrate | |
JP4218192B2 (ja) | 基板処理装置及び処理方法 | |
JP3964131B2 (ja) | ドライ洗浄装置 | |
JP2002015970A (ja) | 露光方法及び露光装置 | |
JP4640421B2 (ja) | 紫外線照射装置 | |
KR20040091718A (ko) | 광학 소자 표면의 오염을 제거하는 방법 및 장치 | |
JPH07192996A (ja) | 紫外線照射装置 | |
JP2008164856A (ja) | カラーフィルタ用基板の洗浄装置及び洗浄方法 | |
JP4645781B2 (ja) | 基板処理方法及び基板処理装置 | |
JP2009183949A (ja) | 紫外光洗浄装置および紫外光洗浄装置用紫外線ランプ | |
JPH08316185A (ja) | 紫外線処理装置 | |
JP2588508B2 (ja) | 処理装置 | |
JP2001219053A (ja) | 誘電体バリア放電を使った酸化方法、および酸化処理装置 | |
JP2001343499A (ja) | 基板処理装置及び処理方法 | |
JP2001191044A (ja) | Uv処理方法ならびに洗浄方法、および洗浄装置 | |
JP3440170B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JPS62190730A (ja) | 半導体装置の洗浄装置 | |
JP4211271B2 (ja) | 清浄基板の製造方法、および製造装置 | |
JP3315930B2 (ja) | 基板洗浄装置 | |
JP2656232B2 (ja) | 処理装置 | |
JP3112521B2 (ja) | 光励起プロセス装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040218 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040219 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050712 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050713 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050721 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050721 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060508 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061024 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070522 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070523 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3964131 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100601 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |