JP5077173B2 - 紫外線照射処理装置 - Google Patents
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Description
このような紫外線は、雰囲気中に過剰な酸素が存在すると、その酸素に吸収されて著しく減衰する。
このため、下記特許文献1にも記載のように、紫外線を放射する放電ランプと処理対象物との間の空間に窒素ガス等の不活性ガスを供給して紫外線の減衰を抑制することが従来から行われている。又、不活性ガスに空気等を設定量混入して、紫外線による処理に積極的に関与させてプロセスガスとして機能させる場合もある。
ダウンフローで供給されるガスは、搬送ローラ102の下方位置に備えられている3つの排出口103a,103b,103cのうち、主として中央に位置する排出口103bにて排出される。
このように装置の筐体101内にガスの流れを形成することで、放電ランプ100と処理対象物TTとの間の空間がガスに満たされ、放電ランプ100から出射した紫外線が効率良く処理対象物TTに到達すること等の効果が得られる。
ちなみに、図3においては、縦軸は処理対象物の搬送高さで測定した紫外線強度を示し、各ピークが各放電ランプに対応している。又、横軸は搬送上流端の基準位置からの距離を示しており、距離が大となる程、すなわち、図3のグラフで右側へ行くほど搬送方向の下流側であることを意味している。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、放電ランプから出射される紫外線の処理対象物への到達効率を可及的に向上させる点にある。
その結果、紫外線照射処理装置単独では発生せず、処理対象物の搬送経路が一連に連なる状態に紫外線照射処理装置を他の処理装置に接続した際に特徴的に発生すること、更に、前記他の処理装置がどのような種類の処理装置であっても発生するという訳ではなく、装置の種類等によって発生したりしなかったりすることを特定した。
そして、前記他の処理装置が装置内部に強力な排気装置を有する装置である場合に発生することを見出した。
紫外線照射処理装置の下流側に前記他の処理装置を接続した場合を例示している図2によって説明すると、前記他の処理装置110の排気装置が排出口111を経て強力に吸引するとき、紫外線照射処理装置CLにおける処理対象物の搬送系路の入口から更に上流側の処理装置120の搬送経路の空気を引込み、処理対象物の搬送経路を通して、図2において矢印Bにて示すような空気流を生じさせる。
この空気流は、紫外線照射処理装置の排出口103a,103b,103cからも装置の内部空間から排出されるのであるが、搬送上流側では残存する酸素の量が大きく、その酸素による紫外線の吸収が搬送上流側ほど大となって図3のような特性となるのである。
以上は、紫外線照射処理装置の下流側に強力な排気装置を有する他の処理装置を接続した場合を例示して説明したが、上流側にそのような処理装置を接続する場合でも同様である。
前記侵入阻止部材に流れを制限された外部からの空気流は、ガスの排出部へ至るガスの流路を形成する空間を通って、その排出部あるいは強力な排気装置を有する他の処理装置側へと流れていく。
すなわち、処理対象物の搬送経路を確保した状態で、放電ランプの処理対象物への紫外線照射領域近傍を覆って小さな部屋を形成することで、上記の空気流の侵入を抑制する。
又、上記第2の発明によれば、放電ランプの処理対象物への紫外線照射領域近傍を覆って小さな部屋を形成するだけの構成で上記の空気流の侵入を抑制するので、装置コストの増大を抑制しながら、放電ランプから出射される紫外線の処理対象物への到達効率を可及的に向上できるものとなった。
紫外線照射処理装置CLは、洗浄処理の処理対象物TTであるガラス基板1に対して172nmの波長の真空紫外線を照射して、その紫外線及びその紫外線によって発生した活性酸素の洗浄作用によってガラス基板1表面の汚染物を除去する装置である。
紫外線照射処理装置CLの筐体2内には、図1の概略断面図に示すように、ガラス基板1の入口GIから出口GOまでガラス基板1を載置搬送する搬送ローラ3が並べて配置され、この搬送ローラ3上にガラス基板1の搬送経路が設定されている。
搬送ローラ3の並びの中央部寄りの位置には、いわゆるエキシマランプと称される複数本の放電ランプ4がガラス基板1の搬送方向(図1中において矢印TDにて示す方向)に並べて配置されている。
放電ランプ4の下面とガラス基板1の前記設定搬送経路とは数mm程度の間隔を空けて近接配置されており、前記設定搬送経路に紫外線照射領域を形成している。
上述の放電ランプ4は、処理室7内に配置されている。
本実施の形態で例示する放電ランプ4は、ガラス基板1の搬送横幅方向に長い扁平形状を有しており、放電ランプ4の扁平面がガラス基板1の搬送経路と平行となる姿勢で取り付けられている。
図示を省略するが、放電ランプ4の扁平面には上面側と下面側(ガラス基板1の存在側)とで一対の電極が形成されている。
上面側の電極は金属膜の電極が一様に形成されたベタ電極であり、下面側の電極は金属膜がメッシュ状に形成されたメッシュ電極である。
この上下一対の電極に交流高電圧が印加されると、放電ランプ4の内部空間でいわゆる誘電体バリア放電が発生して放電ランプ4内の封入ガス等に作用し、上記の172nm帯の紫外線を発生する。発生した紫外線は下面側のメッシュ電極の隙間を通過して外部に放射される。
本実施の形態では、このガスとして不活性ガス、より具体的には窒素ガスを使用しているが、他の不活性ガスを使用しても良い。又、目的に応じて少量の空気等を不活性ガスに混入して積極的に処理に利用するプロセスガスであっても良い。
ガス供給ダクト9は、放電ランプ4側の面に多数の窒素ガスの噴出孔(ガス供給口)を備えており、図1において矢印Aで模式的に示すように、隣合う放電ランプ4間に向けて窒素ガスを噴出する。
このガス供給手段GSによって、筐体2内におけるガラス基板1の搬送経路付近の雰囲気は外部から供給される清浄なガスにて置換されており、前記設定搬送経路を通過したガスは主として処理室7下部の排出口2bから排出される。
この仕切り板11は、前記設定搬送経路の入口GI又は出口GOから入った外部からの空気流が放電ランプ4のガラス基板1に対する紫外線照射領域へ侵入するのを妨げる部材SEとして備えられているものである。本実施の形態では、下流側に強力な排気装置を有する他の処理装置110が存在するものとして説明しているので、入口GIからの空気流が前記紫外線照射領域へ侵入するのを妨げることになる。
図1に示すように、仕切り板11の縦壁11aは、搬送方向上流側及び下流側の双方において、搬送経路上方側の縦壁10の直下に位置しており、縦壁10と仕切り板11とで処理室7内に、更に小さな部屋を形成している。
従って、窒素ガスの流路を形成する縦壁10,仕切り板11及び処理室7もガス供給手段GSの一部を構成している。
すなわち、開口部がガラス基板1の入口とガラス基板1の出口と窒素ガスの排出口2bとガス供給口とからなる処理室7内に、放電ランプ4と、ガス供給手段GSとが設けられている。
但し、図1に示す構成では、引込まれた空気の流れは図1において矢印Cで示すものとなり、縦壁10と仕切り板11とで構成される小さな空間には入り込まず、仕切り板11の下方の広い空間を経て排出口2bから排出されるか、あるいは、更に下流側の出口GO等へと流れていく。
従って、放電ランプ4による紫外線照射領域には外部から引込まれた空気流の侵入が十分に抑制され、紫外線の損失を抑制できる。
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、外部からの空気流が前記紫外線照射領域へ侵入するのを妨げる部材SEとして、前記紫外線照射領域を覆う仕切り板11を備える場合を例示しているが、この侵入阻止用部材SEの具体構成は種々に変更可能である。
例えば、図4に示すように、処理室7内における各搬送ローラ3間に、前記設定搬送経路の入口GIからの空気流の向きを排出部GE側へと案内する案内板21を設置することで、前記紫外線照射領域への侵入を妨げるように構成しても良い。
尚、図4中において図1と同一の符号を付して示しているものは、図1について説明しているものと同一の機能を有するものである。
(3)上記実施の形態では、侵入阻止用部材SEである仕切り板11は、ガラス基板1の搬送経路を確保するための開口部分から窒素ガスを排出するように形成されているものとして説明したが、それ以外にも適宜に窒素ガスの排出のための開口を備えても良い。
(4)上記実施の形態では、本発明の紫外線照射処理装置CLを洗浄装置に適用する場合を例示しているが、紫外線を使用する各種の処理装置に適用できる。
GE 排出部
GS ガス供給手段
SE (空気流の侵入を妨げる)部材
TT 処理対象物
Claims (2)
- 設定搬送経路に沿って搬送される処理対象物に向けて紫外線を照射する放電ランプと、前記設定搬送経路における前記放電ランプと前記処理対象物との間の空間にガスを供給するガス供給手段とが設けられ、
前記ガス供給手段は、前記ガスの流路における前記放電ランプ及び前記設定搬送経路の下流側に前記ガスを排出する排出部が備えられて構成された紫外線照射処理装置であって、
前記紫外線を前記処理対象物に照射する処理室と、前記設定搬送経路における前記処理室の搬送上流側に位置する前室とが備えられ、
前記処理室と前記前室とが隔壁にて区分され、
前記設定搬送経路の入口又は出口から入った外部からの空気流が前記放電ランプの前記処理対象物に対する紫外線照射領域へ侵入するのを妨げる部材が前記処理室内に備えられている紫外線照射処理装置。 - 前記部材は、前記放電ランプの前記処理対象物への紫外線照射領域近傍を覆うように形成されている請求項1記載の紫外線照射処理装置。
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