JP2008094647A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴霧されたミストの流れを制御することにより、ミストの温度変化を抑制し、被処理面上に均一な厚さと均質な特性を備えた被膜を形成することができる成膜装置を提供すること。
【解決手段】本発明の成膜装置1は、スプレー熱分解法により被処理体2の被処理面上に被膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を載置する支持手段11と、前記被処理体の温度を調整する温度制御手段11aと、前記被処理体の被処理面に向けて、前記被膜の原料溶液からなるミスト3を噴霧する吐出手段12と、を少なくとも備え、前記吐出手段は、その吐出口12aが前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されるとともに、前記吐出口から噴霧されたミストが、前記加熱手段によって温度制御された前記被処理面に沿って移動するようにミストを供給する構成を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の成膜装置1は、スプレー熱分解法により被処理体2の被処理面上に被膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を載置する支持手段11と、前記被処理体の温度を調整する温度制御手段11aと、前記被処理体の被処理面に向けて、前記被膜の原料溶液からなるミスト3を噴霧する吐出手段12と、を少なくとも備え、前記吐出手段は、その吐出口12aが前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されるとともに、前記吐出口から噴霧されたミストが、前記加熱手段によって温度制御された前記被処理面に沿って移動するようにミストを供給する構成を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、スプレー熱分解法による成膜装置に関する。
スプレー熱分解法は、加熱された基板に向けて原料溶液を噴霧することにより、反応初期には基板表面に付着した液滴中の溶媒蒸発と、溶質の熱分解に続く加水分解反応、および熱酸化反応することにより結晶が形成する。反応が進むと基板上に形成した結晶(多結晶膜)上に液滴が付着、液滴中の溶媒の蒸発とともに溶質および下部の結晶間で結晶成長が進む、という一連の反応を応用した技術である。
出発原料には金属無機塩の水溶液またはアルコール溶液、あるいは有機金属化合物や有機酸塩の有機溶剤系の溶液等が用いられる。基板温度は出発原料、原料溶液によって異なるが、250〜700℃の範囲で設定される。スプレー熱分解法は、作製装置が簡易で安価なため透明導電膜の低コスト化に有効である。
スプレー熱分解法による従来の成膜装置を図6および図7に示す。この成膜装置100は、基板110を載置する支持手段120と、原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段130とを具備している(例えば、特許文献1参照)。
図6に示す成膜装置100Aは、吐出手段130Aを基板110に対して垂直に配し、ミストを基板上に垂直方向から噴霧するものである。これに対して、図7に示す成膜装置100Bは、吐出手段130Bを基板110に対して傾斜させて配し、ミストを基板上に斜め方向から噴霧するものである。
これまでは、ミストを基板上に垂直方向または斜め方向から噴霧していたことから、基板からの上昇気流に抗してミストを噴霧しなければならず、結果として高い流速でミスト噴霧を行っていた。
ミストを基板上に垂直方向または斜め方向から噴霧する場合、基板からの上昇気流に抗して噴霧する必要があり、その結果として基板表面の温度が低下してしまうことから、基板の表面温度を高温にする必要があった。このため、結晶粒の成長が促進されて粒径が粗大化し、結果として表面の凹凸が大きい膜が形成されていた。
また、高い流速でミスト噴霧を行うと、基板に対してミスト流が急速に当たるため、急激な基板温度の低下が起こったり、また、基板を動かすことにより温度が急激に上昇したり、温度変化が大きなものとなっていた。このため、形成される膜は、面内の膜厚分布などが大きく、均一な膜を形成することが難しかった。面内の膜厚分布が大きいと、例えば干渉縞のある膜が形成されるなど、特性低下の原因となる。
実開平06−012446号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、噴霧されたミストの流れを制御することにより、ミストの温度変化を抑制し、被処理面上に均一な厚さと均質な特性を備えた被膜を形成することができる成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の成膜装置は、スプレー熱分解法により被処理体の被処理面上に被膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を載置する支持手段と、前記被処理体の温度を調整する温度制御手段と、前記被処理体の被処理面に向けて、前記被膜の原料溶液からなるミストを噴霧する吐出手段と、を少なくとも備え、前記吐出手段は、その吐出口が前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されるとともに、前記吐出口から噴霧されたミストが、前記加熱手段によって温度制御された前記被処理面に沿って移動するようにミストを供給する構成を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の成膜装置は、請求項1において、前記ミストの移動方向に対して順方向および/または逆方向に前記被処理体を移動させる位置制御手段を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の成膜装置は、請求項1において、前記被処理面上を通過したミストを排出する排気手段をさらに備え、前記排気手段は、その排気口が前記被処理体に対し前記吐出口と対向するとともに、該被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の成膜装置は、請求項1において、前記被処理面に押さえ込むように、前記吐出手段から噴霧されたミストを誘導するミスト制御手段が、前記被処理面の上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の成膜装置は、請求項4において、前記ミスト制御手段は、前記吐出手段から噴霧されたミストに対して、その上方より気体を吹き付ける気体供給手段であることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の成膜装置は、請求項4において、前記ミスト制御手段は、前記被処理体の上方に位置するとともに、該被処理面との間に一定の間隙をもって配された整流部材であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の成膜装置は、請求項6において、前記整流部材は、その温度を調整する温度制御手段を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の成膜装置は、請求項1において、前記ミストの移動方向に対して順方向および/または逆方向に前記被処理体を移動させる位置制御手段を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の成膜装置は、請求項1において、前記被処理面上を通過したミストを排出する排気手段をさらに備え、前記排気手段は、その排気口が前記被処理体に対し前記吐出口と対向するとともに、該被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の成膜装置は、請求項1において、前記被処理面に押さえ込むように、前記吐出手段から噴霧されたミストを誘導するミスト制御手段が、前記被処理面の上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の成膜装置は、請求項4において、前記ミスト制御手段は、前記吐出手段から噴霧されたミストに対して、その上方より気体を吹き付ける気体供給手段であることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の成膜装置は、請求項4において、前記ミスト制御手段は、前記被処理体の上方に位置するとともに、該被処理面との間に一定の間隙をもって配された整流部材であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の成膜装置は、請求項6において、前記整流部材は、その温度を調整する温度制御手段を備えていることを特徴とする。
本発明では、噴霧されたミストが被処理体の被処理面に沿って移動するように、ミストの流れを制御することにより、ミストの温度変化を抑制し、被処理面上に均一な厚さと均質な特性を備えた被膜を形成することができる成膜装置を提供することができる。
以下、本発明に係る成膜装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の成膜装置の一例を模式的に示す図である。
この成膜装置1は、スプレー熱分解法により被処理体2の被処理面上に被膜を形成する成膜装置であって、成膜室10内に、前記被処理体2を載置する支持手段11と、前記被処理体2の温度を調整する温度制御手段11aと、前記被処理体2の被処理面に向けて、前記被膜の原料溶液からなるミスト3を噴霧する吐出手段12と、を少なくとも備えている。
この成膜装置1は、スプレー熱分解法により被処理体2の被処理面上に被膜を形成する成膜装置であって、成膜室10内に、前記被処理体2を載置する支持手段11と、前記被処理体2の温度を調整する温度制御手段11aと、前記被処理体2の被処理面に向けて、前記被膜の原料溶液からなるミスト3を噴霧する吐出手段12と、を少なくとも備えている。
そして本発明の成膜装置1は、前記吐出手段12において、その吐出口12aが前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されるとともに、前記吐出口12aから噴霧されたミスト3が、前記温度制御手段11aによって温度制御された前記被処理面に沿って移動するようにミスト3を供給する構成を備えていることを特徴とする。
前記被処理体2の被処理面に沿って移動するようにミスト3を供給することで、基板からの上昇気流に逆らうことなくミスト3を供給することが可能となる。これにより、上述したような、基板からの上昇気流に抗してミスト3を噴霧することに起因する急激な温度変化の問題点を解決することができる。その結果、被処理面上に均一な厚さと均質な特性を備えた被膜を形成することができる。
また、前記被処理体2の被処理面に沿って移動するようにミスト3を供給することで、ミスト3の被処理体2上における跳ね返りが抑制され、結果として被処理体2の被処理面にミスト3が滞留する時間を長くすることができる。この結果、熱分解して膜形成に寄与するミストの割合が増大し、成膜速度および成膜効率を向上することが可能となる。
また、前記被処理体2は、前記温度制御手段11aによって温度制御されているので、被処理体2の空間的、時間的温度分布範囲が縮小し、被処理面上に均一な厚さと均質な特性を備えた被膜を形成することができる。
支持手段11は、被処理体2の被成膜面を所定の温度に保ちながら被膜を形成するため、被処理体2の加熱機能を備えた温度制御手段11aを内蔵している。温度制御手段11aは、例えばヒータである。
吐出手段12は、その吐出口12aが前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置される。
吐出手段12は、例えばノズルである。そして吐出手段12から噴霧する原料溶液は、ミスト3(液状微粒子)とされている。
このミスト3は、後述する調整室20において予め原料溶液を噴霧することにより生成されたものであってもよい。
吐出手段12は、例えばノズルである。そして吐出手段12から噴霧する原料溶液は、ミスト3(液状微粒子)とされている。
このミスト3は、後述する調整室20において予め原料溶液を噴霧することにより生成されたものであってもよい。
吐出手段12は、ミスト3を、成膜室10の空間に配置された被処理体2上に吹き付けるものである。吐出口12aは、前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置される。吐出口12aからは、流速100〜100,000cm/分でミスト3が噴霧される。また、吐出口12aと被処理面間の距離は、5〜200mmで制御されている。
また、被処理体2は、上記温度制御手段11aからの伝熱等により表面が加熱されており、200〜600℃の温度範囲に制御されている。
また、被処理体2は、上記温度制御手段11aからの伝熱等により表面が加熱されており、200〜600℃の温度範囲に制御されている。
また、図1に示すように、本発明の成膜装置1は、前記ミスト3の移動方向に対して順方向および/または逆方向に前記被処理体2を移動させる位置制御手段13を備えていることが好ましい。
例えば、成膜装置1が吐出口12aを1つのみ備えている場合、位置制御手段13は、ミスト3の移動方向に対して順方向および逆方向(往復運動)に前記被処理体2を移動させる。
このように被処理体2を移動させることで、ミスト噴霧量を被処理体2の全面に亘って均一化することができる。その結果、このようにして得られる被膜は、大面積に亘って膜厚分布のばらつきが抑制されたものとなり、被膜特性の面内均一性が確保され、高品質のものとなる。
また、例えば、成膜装置1が複数の吐出口12aを備えている場合、位置制御手段13ミスト3の移動方向に対して順方向に前記被処理体2を移動させる。これにより、例えば複数の被処理体2に対して処理を行う際に効率よく行うことができる。
また、図2に示すように、本発明の成膜装置1は、前記被処理面上を通過したミスト3を排出する排気手段14をさらに備えていることが好ましい。この排気手段14は、その排気口14aが前記被処理体2に対し前記吐出口12aと対向するとともに、該被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置される。
排気手段14は、被処理体2に向けて吹き付けられたミスト3を、排気することにより被処理体2の被処理面に沿って移動するように誘導する。
これにより、被処理体2に向けて吹き付けられたミスト3は、図2に示すように被処理体2の被処理面に沿って移動するように流れ、排気口14aから排気される。このように、排気手段14によってミスト3を誘導することで、ミスト3の流量や流れを精密にコントロールすることができ、ミスト3の流れがスムーズになり、被処理体表面の面内温度分布のばらつきをより効果的に抑制することができる。その結果、被処理面上に形成される被膜は、より均一な厚さと均質な特性を備えた高品質のものとなる。
また、吐出手段12から被処理体2の間の空間に余分な噴霧が浮遊していると、被処理体2に到達する前に浮遊物が結晶化し、それが被処理体上に異物として付着する。本発明の成膜装置1では、浮遊する余分な噴霧を排気手段14により強制的に排気することにより、ミストが浮遊物により阻害されない。これにより異物の発生を抑制することができる。
排気手段14は、前記排気口14aを通して誘導されたミスト3を処理するミストスクラバ15を導出部に備えている。
ミストスクラバ15は、例えば、半導体装置で使用する、例えばCVD装置で排出されたガスを、室外に廃棄処理する手前において、水噴霧中を通過させることにより、前記ガスを洗浄処理するような装置を用いることができる。
ミストスクラバ15は、例えば、半導体装置で使用する、例えばCVD装置で排出されたガスを、室外に廃棄処理する手前において、水噴霧中を通過させることにより、前記ガスを洗浄処理するような装置を用いることができる。
さらに、本発明の成膜装置1は、前記被処理面に押さえ込むように、前記吐出手段12から噴霧されたミスト3を誘導するミスト制御手段が、前記被処理面の上方に配置されていることが好ましい。
図3に示す成膜装置1では、前記ミスト制御手段として、前記吐出手段12から噴霧されたミスト3に対して、その上方より気体を吹き付ける気体供給手段16を備えている。
図3に示す成膜装置1では、前記ミスト制御手段として、前記吐出手段12から噴霧されたミスト3に対して、その上方より気体を吹き付ける気体供給手段16を備えている。
前記気体供給手段16は、被処理体2の上方に配された給気口16aを有し、その給気口13aから気体(アシストエアー)4を供給することで、前記吐出口12aから噴霧されたミスト3を、前記被処理体2の被処理面に押さえ込むようにノズル吐出後のミスト進行方向を制御する。これにより、ミスト3の被処理体上における跳ね返りが抑制され、結果として被処理体2の被処理面にミスト3が滞留する時間を長くすることができる。
前記気体4は、高温エアーであることが好ましい。気体4を高温エアーとすることで、ミスト流れの制御とともにミストへの熱供給もできるようになった。この結果、熱分解して膜形成に寄与するミストの割合が増大し、成膜速度および成膜効率をさらに向上することが可能となる。
また、気体4を高温エアーとすることで、単位面積あたりの熱供給量が増大し、結果として、加熱基板の設定温度を下げても目標温度に制御することが可能になる。これにより、被処理体2の空間的、時間的温度分布範囲を縮小することができる。その結果、被処理面上に形成される被膜は、均一な厚さと均質な特性を備えた高品質のものとなる。
一方、図4に示す成膜装置1では、前記ミスト制御手段として、前記被処理体2の上方に位置するとともに、該被処理面との間に一定の間隙をもって配された整流部材を備えている。
前記被処理体2の上方に整流部材17を配することで、前記吐出口12aから噴霧されたミスト3を、前記被処理体2の被処理面に押さえ込むようにノズル吐出後のミスト進行方向を制御する。これにより、ミスト3の被処理体2上における跳ね返りが抑制され、結果として被処理体2の被処理面にミスト3が滞留する時間を長くすることができる。
前記被処理体2の上方に整流部材17を配することで、前記吐出口12aから噴霧されたミスト3を、前記被処理体2の被処理面に押さえ込むようにノズル吐出後のミスト進行方向を制御する。これにより、ミスト3の被処理体2上における跳ね返りが抑制され、結果として被処理体2の被処理面にミスト3が滞留する時間を長くすることができる。
このような整流部材17としては、例えば半円形状や流線形状の板状部材が用いられる。整流部材17の側断面(図4において紙面に垂直な方向から見て)は、吐出口12aから噴霧されたミスト3の流れを促す方向に湾曲した形状が好適である。
さらに、整流部材17は、その温度を調整する温度制御手段17aを備え、前記整流部材17は、温度制御手段17aにより100〜500℃の範囲に加熱されていることが好ましい。整流部材17を加熱することで、ミスト流れの制御とともにミスト3への熱供給もできる。この結果、熱分解して膜形成に寄与するミストの割合が増大し、成膜速度および成膜効率をさらに向上することが可能となる。温度制御手段17aは整流部材17を加熱できれば、必ずしも整流部材17と一体(例えば、内蔵または添設)をなす必要はなく、別体として適切な距離をもって配置しても構わない。
さらに、整流部材17は、その温度を調整する温度制御手段17aを備え、前記整流部材17は、温度制御手段17aにより100〜500℃の範囲に加熱されていることが好ましい。整流部材17を加熱することで、ミスト流れの制御とともにミスト3への熱供給もできる。この結果、熱分解して膜形成に寄与するミストの割合が増大し、成膜速度および成膜効率をさらに向上することが可能となる。温度制御手段17aは整流部材17を加熱できれば、必ずしも整流部材17と一体(例えば、内蔵または添設)をなす必要はなく、別体として適切な距離をもって配置しても構わない。
また、被処理体2と前記吐出手段12とを含む空間は、フード18により包み込まれていることが好ましい。フード18は、被処理体2の被処理面に沿って移動するミスト3の流れや温度などが乱れるのを防止し、これらを安定に保つように働くので、被処理体2の被処理面上において広域にわたって均一で均質な皮膜成膜をもたらす。
フード18は、ステンレススチール等の耐食性金属により構成されている。底部近傍の両側に開口部が形成されている。
フード18は、ステンレススチール等の耐食性金属により構成されている。底部近傍の両側に開口部が形成されている。
成膜装置1では、フード18が吐出手段12と対向する位置に配される被処理体2との間の空間を包み込むように配置されているので、吐出手段12の吐出口12aからスプレー状に噴射された原料溶液は外気の影響を受けることなく、吐出口12aから被処理体2に向かう放射状空間に噴霧された状態を安定に保つことができる。換言すると、フード18はその内部空間から装置への外部へ原料溶液が飛散し、無駄な使用量が増加するのも防ぐ働きもする、これにより、原料溶液は被膜の形成に有効に使われる。
また、吐出手段12と被処理体2との間を包み込むようにフード18が配置されているので、成膜時に、被処理体2からの放熱を抑制することができる。その結果、被処理体2の加熱に要する熱量を低減することが可能となり、被処理体2の表面温度の制御性が向上した。
また、この成膜装置1は、予め原料溶液を噴霧することにより前記ミスト3を生成する調整室20と、前記ミスト3を前記調整室20から前記吐出手段12まで移動させる空間からなる搬送手段とをさらに備えていてもよい。
調整室20では、上記の吐出手段12とは異なる噴霧手段により原料溶液を予備噴霧し、径の小さい(細かな)液滴だけをミスト3として効率よく取り出してサイズを均一化するよう選別する制御を行う。より細かいミストを吹き付けることができるため、特性のよい膜を形成できる。
この生成されるミスト3は、60.0〜98.8vol%の気体を含んでいることが好ましい。また、ミスト3のサイズは、好ましくは150μm以下、より好適には100μmである。
この生成されるミスト3は、60.0〜98.8vol%の気体を含んでいることが好ましい。また、ミスト3のサイズは、好ましくは150μm以下、より好適には100μmである。
搬送手段は、生成されたミスト3を誘導しながら搬送する空間としての搬送路21を有している。
搬送路21は、仕切り部材によって外部と隔離され、内壁の温度がミスト3と同じかあるいは高めで、かつ、原料溶液の溶媒の蒸発速度が極端とならない温度を保つように制御されている。すなわち、ミストの温度>搬送路内壁の温度>溶媒の蒸発温度という関係にある。
搬送路21は、仕切り部材によって外部と隔離され、内壁の温度がミスト3と同じかあるいは高めで、かつ、原料溶液の溶媒の蒸発速度が極端とならない温度を保つように制御されている。すなわち、ミストの温度>搬送路内壁の温度>溶媒の蒸発温度という関係にある。
そして、搬送路21内のミスト3には、流速100〜100,000cm/分の流れがある。
また、搬送路21の内壁は、フッ素樹脂等の撥水性を有する材料を採用するか、または表面に撥水性を付与する処理を施すことにより、外部と隔離されている。この際、搬送路21を金属等の熱伝導性の良好な材料を使用したものとすると、外気温度の影響を受けやすく、搬送路内壁へのミスト3の付着に繋がることから、塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂等の熱伝導の低い樹脂材料を採用することが好ましい。なお、金属材料を採用する場合は、搬送路外壁の温度制御を行うことで対応できる。
また、搬送路21の内壁は、フッ素樹脂等の撥水性を有する材料を採用するか、または表面に撥水性を付与する処理を施すことにより、外部と隔離されている。この際、搬送路21を金属等の熱伝導性の良好な材料を使用したものとすると、外気温度の影響を受けやすく、搬送路内壁へのミスト3の付着に繋がることから、塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂等の熱伝導の低い樹脂材料を採用することが好ましい。なお、金属材料を採用する場合は、搬送路外壁の温度制御を行うことで対応できる。
また、薬液として塩酸や硫酸、硝酸等を使用する場合、ミスト3と直接接触する内壁には、耐薬品性の材料を使用するか、あるいは耐薬品性の材料による表面処理を施すことが必要になる。
さらに、搬送路21の距離は短いほど望ましい。しかしながら、ミスト温度や内壁温度、各手段の配置からの制約などの設計の観点から距離を必要とする場合も考えられることを考慮し、長くする場合は、10m未満とすることが望ましい。
さらに、搬送路21の距離は短いほど望ましい。しかしながら、ミスト温度や内壁温度、各手段の配置からの制約などの設計の観点から距離を必要とする場合も考えられることを考慮し、長くする場合は、10m未満とすることが望ましい。
次に、この成膜装置1を用いてスプレー熱分解法により被処理体2上に被膜を形成する方法について説明する。
なお、以下の説明では、図3に示す成膜装置1を用いて、被処理体2である基板上に、透明導電膜としてITO膜を形成する場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な被膜を形成するのに用いることができる。
なお、以下の説明では、図3に示す成膜装置1を用いて、被処理体2である基板上に、透明導電膜としてITO膜を形成する場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な被膜を形成するのに用いることができる。
まず、表面が清浄面とされた基板を台板上に載置し、この基板を台板ごと所定の位置に保持する。
基板としては、例えば、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラスなどのガラスからなる厚さが0.3〜5mm程度のガラス板が好適に用いられる。
基板の表面温度が所定の温度に到達し、安定したら、ITO膜の成膜を開始する。
基板としては、例えば、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラスなどのガラスからなる厚さが0.3〜5mm程度のガラス板が好適に用いられる。
基板の表面温度が所定の温度に到達し、安定したら、ITO膜の成膜を開始する。
調整室20において、噴霧手段によりITO膜の原料溶液を予備噴霧し、ミスト3とする。
ITO膜の原料溶液としては、加熱することによりスズ添加インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物となる成分を含む溶液が好適に用いられる。
ITO膜の原料溶液としては、塩化インジウム・四水和物を0.2mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液に対し、塩化スズ・五水和物を0.01mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液が好適に用いられる。
ITO膜の原料溶液としては、加熱することによりスズ添加インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物となる成分を含む溶液が好適に用いられる。
ITO膜の原料溶液としては、塩化インジウム・四水和物を0.2mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液に対し、塩化スズ・五水和物を0.01mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液が好適に用いられる。
調整室20において生成されたミスト3は、搬送路21を介して成膜室10に搬送され、成膜室10において、基板の外周近傍で、その側方に配された噴霧ノズル(吐出手段12)から基板上に向かって噴霧される。このミスト3が所定の温度に加熱された基板の表面に付着することにより、ミスト中の溶媒が急速に蒸発するともに残った溶質が急速に化学反応してITO等の導電性金属酸化物に変化する。これにより、基板の表面に導電性金属酸化物からなる結晶が速やかに生成し、短時間の間に透明導電膜(ITO膜)を形成することとなる。
このとき、図3に示すように、吐出口12aから基板の被処理面に向けて吹き付けられたミスト3は、給気口16aから供給された気体(アシストエアー)4により前記基板の被処理面に押さえ込まれるように進行方向が制御される。
また、吐出口12aから基板の被処理面に向けて吹き付けられたミスト3は、排気手段14により誘導され、基板の被処理面に沿って移動するように流れ、排気口14aから排気される。
ITO膜の成膜が終了したら、基板温度が所定の温度になるまで冷却し、基板を取り出す。
以上のようにして、基板上にITO膜からなる透明導電膜が形成される。
ITO膜の成膜が終了したら、基板温度が所定の温度になるまで冷却し、基板を取り出す。
以上のようにして、基板上にITO膜からなる透明導電膜が形成される。
この成膜装置1では、基板の被処理面に沿って移動するようにミスト流れを制御することが可能となる。このため、基板面内の温度分布のばらつきが抑制される。また、排気手段によりミスト流れを制御することにより被膜への異物混入を抑制することができる。また、ミスト制御手段により被処理体の被処理面に押さえ込むことで、基板の被処理面にミストが滞留する時間を長くすることができる。この結果、熱分解して膜形成に寄与するミストの割合が増大し、成膜速度および成膜効率が向上する。また、被処理体の空間的、時間的温度分布範囲が縮小する。
その結果、このようにして得られる透明導電膜は、膜厚分布のばらつきが抑制されたものとなり、例えば導電性等の被膜特性の面内均一性が確保され、高品質のものとなる。
さらに、ミスト流れを制御することにより、成膜室の隔壁やノズル等の部材へのミスト付着が防止され、洗浄のためのメンテナンスに要する時間等を低減することができる。
さらに、ミスト流れを制御することにより、成膜室の隔壁やノズル等の部材へのミスト付着が防止され、洗浄のためのメンテナンスに要する時間等を低減することができる。
以上、本発明の成膜装置について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
本発明の成膜装置を用いて、基板上に透明導電膜としてFTO膜を形成した。
まず、以下のようにして、原料溶液を調製した。
<FTO原料溶液の調製>
塩化スズ(IV)五水和物0.701gに対してエタノール30%水溶液10mlの割合で溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592の飽和水溶液を加え、この混合物を超音波にて約20分かけて溶解させて調製した。
まず、以下のようにして、原料溶液を調製した。
<FTO原料溶液の調製>
塩化スズ(IV)五水和物0.701gに対してエタノール30%水溶液10mlの割合で溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592の飽和水溶液を加え、この混合物を超音波にて約20分かけて溶解させて調製した。
(実施例1)
<FTO成膜>
図1に示したような成膜装置を用いて、300mm×300mm×1mmの硼珪酸ガラス基板(TEMPAX#8330) を支持台上に設置し、室温から350℃の表面温度に達するまで加熱した。なお、加熱方法は、ガラス基板の下部に配された加熱基板からの伝熱に加えて、フード上部に配された赤外線ランプからの熱線照射によるものとした。
基板表面温度が安定したことを確認してから、FTO成膜を開始した。
ITO原料溶液は調整室において予備噴霧され、ミスト(液状微粒子)とされている。
<FTO成膜>
図1に示したような成膜装置を用いて、300mm×300mm×1mmの硼珪酸ガラス基板(TEMPAX#8330) を支持台上に設置し、室温から350℃の表面温度に達するまで加熱した。なお、加熱方法は、ガラス基板の下部に配された加熱基板からの伝熱に加えて、フード上部に配された赤外線ランプからの熱線照射によるものとした。
基板表面温度が安定したことを確認してから、FTO成膜を開始した。
ITO原料溶液は調整室において予備噴霧され、ミスト(液状微粒子)とされている。
成膜室においては、スリット型の噴霧ノズル(ノズル出口サイズ:7×270mm)を基板の外周近傍で、その側方に配置して、調整室から搬送されたFTO原料溶液のミストを、基板上に噴霧した。このとき、噴霧ノズルとガラス基板間距離は20mmであった。
また、ノズル出口におけるミスト温度は40℃であり、ノズル出口におけるミスト流速は、4000cm/分であった。
また、ミストの吐出方向に沿って、基板を±200mmの幅で往復揺動させることで噴霧濃度の偏りを防いだ。FTO膜の成膜に要した時間は、15分であった。
また、ミストの吐出方向に沿って、基板を±200mmの幅で往復揺動させることで噴霧濃度の偏りを防いだ。FTO膜の成膜に要した時間は、15分であった。
(実施例2)
図2に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
図2に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
すなわち、本実施例では、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、スリット型の排気ノズル(ノズル出口サイズ:12×300mm)を設けて排気した。排気ノズル入口における排気流速は、6000cm/分であった。
(実施例3)
図3に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
図3に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
すなわち、本実施例では、基板の上方に、スリット型の給気ノズル(ノズル出口サイズ:7×270mm)を設けて気体(アシストエアー)を吹き付けた。ノズル出口における給気流速は、4000cm/分であった。
また、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、排気ノズルを設けて排気した。ノズル入口における排気流速は、12000cm/分であった。
また、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、排気ノズルを設けて排気した。ノズル入口における排気流速は、12000cm/分であった。
(実施例4)
図4に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
図4に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
すなわち、本実施例では、基板の上方に、直径φ200mmの半円形状の整流部材を配した。但し、本実施例では温度制御手段による整流部材の加熱は行わなかった。
また、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、排気ノズルを設けて排気した。ノズル入口における排気流速は、12000cm/分であった。
また、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、排気ノズルを設けて排気した。ノズル入口における排気流速は、12000cm/分であった。
(実施例5)
図4に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
図4に示したような成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。
すなわち、本実施例では、基板の上方に整流部材を配するとともに、温度制御手段により、整流部材を420℃に加熱した。
また、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、排気ノズルを設けて排気した。ノズル入口における排気流速は、8000cm/分であった。
また、成膜室において、基板に対し前記吐出口と対向する位置に、排気ノズルを設けて排気した。ノズル入口における排気流速は、8000cm/分であった。
(比較例1)
図6に示すような従来の成膜装置を用いて、ミストを基板上に斜め方向(傾斜45°)から噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。このときのノズル出口におけるミスト流速は、22500cm/分であった。
図6に示すような従来の成膜装置を用いて、ミストを基板上に斜め方向(傾斜45°)から噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。このときのノズル出口におけるミスト流速は、22500cm/分であった。
(比較例2)
図5に示したような従来の成膜装置を用いて、ミストを基板上に垂直方向から噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。このときのノズル出口におけるミスト流速は、22500cm/分であった。
図5に示したような従来の成膜装置を用いて、ミストを基板上に垂直方向から噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして基板上にFTO膜を成膜した。このときのノズル出口におけるミスト流速は、22500cm/分であった。
このように形成されたFTO膜の特性として、膜厚、シート抵抗、抵抗分布、透過率、ヘイズ率をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
但し、表1における位置A、B、Cは順に、図5に示した被処理体上において、ミストの流れを方向(幅方向においては中央部)に配置された温度センサーの位置である。なお、図5において、中央の四角部分が被処理体(ガラス基板、300mm角)であり、その両サイドに位置する縦長の長方形部分が各々ノズルの排気口(図面左側の「ノズル位置」と明示した領域)と吐出口(図面右側の「ノズル位置」と明示した領域)を表している。各ノズルにおいて、幅広の方が実施例の場合を、幅狭の方が比較例の場合を示す。
具体的には、位置Aは排気ノズル(図面左側のノズル)の先端をなす排気口の近傍(被処理体の縁から20mm内側の地点)、位置Bは排気ノズルと噴霧ノズル(図面右側のノズル)のそれぞれの先端をなす排気口と吐出口の中間付近(被処理体の縁から150mm内側の地点:被処理体の中央部)、位置Cは噴霧ノズルの先端をなす吐出口の近傍(被処理体の縁から20mm内側の地点)である。
但し、表1における位置A、B、Cは順に、図5に示した被処理体上において、ミストの流れを方向(幅方向においては中央部)に配置された温度センサーの位置である。なお、図5において、中央の四角部分が被処理体(ガラス基板、300mm角)であり、その両サイドに位置する縦長の長方形部分が各々ノズルの排気口(図面左側の「ノズル位置」と明示した領域)と吐出口(図面右側の「ノズル位置」と明示した領域)を表している。各ノズルにおいて、幅広の方が実施例の場合を、幅狭の方が比較例の場合を示す。
具体的には、位置Aは排気ノズル(図面左側のノズル)の先端をなす排気口の近傍(被処理体の縁から20mm内側の地点)、位置Bは排気ノズルと噴霧ノズル(図面右側のノズル)のそれぞれの先端をなす排気口と吐出口の中間付近(被処理体の縁から150mm内側の地点:被処理体の中央部)、位置Cは噴霧ノズルの先端をなす吐出口の近傍(被処理体の縁から20mm内側の地点)である。
表1から明らかなように、実施例1と比較例1,2とを比較すると、基板の被処理面に略平行にミストを噴霧した実施例1は、基板の被処理面に対して斜め方向または垂直方向にミストを噴霧した比較例に比べて、基板表面の面内温度分布のばらつきが抑制されていることがわかる。
さらに、排気手段(実施例2)によって基板表面に沿って移動するようにミスト流れを誘導したり、気体吹き付け(実施例3)や整流部材(実施例4,5)により基板表面に押さえ込むようにミスト流れを制御することにより、基板の空間的時間的な温度分布がより効果的に抑制されていることがわかる。その結果、各実施例で得られたFTO膜は、比較例に比べていずれも均一な厚さと均質な特性を備えており、優れた特性を有していることがわかる。
本発明は、スプレー熱分解法により透明導電膜等の被膜を形成する成膜装置に適用可能である。
A、B、C 温度センサーを設ける位置、1 成膜装置、2 被処理体、3 ミスト、4 気体、10 成膜室、11 支持手段、11a 温度制御手段、12 吐出手段、12a 吐出口、13 位置制御手段、14 排気手段、14a 排気口、15 ミストスクラバ、16 気体供給手段、16a 給気口、17 整流部材、17a 温度制御手段、18 フード、20 調整室、21 搬送路。
Claims (7)
- スプレー熱分解法により被処理体の被処理面上に被膜を形成する成膜装置であって、
前記被処理体を載置する支持手段と、
前記被処理体の温度を調整する温度制御手段と、
前記被処理体の被処理面に向けて、前記被膜の原料溶液からなるミストを噴霧する吐出手段と、を少なくとも備え、
前記吐出手段は、その吐出口が前記被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されるとともに、前記吐出口から噴霧されたミストが、前記温度制御手段によって温度制御された前記被処理面に沿って移動するようにミストを供給する構成を備えていることを特徴とする成膜装置。 - 前記ミストの移動方向に対して順方向および/または逆方向に前記被処理体を移動させる位置制御手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 前記被処理面上を通過したミストを排出する排気手段をさらに備え、
前記排気手段は、その排気口が前記被処理体に対し前記吐出口と対向するとともに、該被処理面の外縁近傍の位置にあって、その側方または上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。 - 前記被処理面に押さえ込むように、前記吐出手段から噴霧されたミストを誘導するミスト制御手段が、前記被処理面の上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 前記ミスト制御手段は、前記吐出手段から噴霧されたミストに対して、その上方より気体を吹き付ける気体供給手段であることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
- 前記ミスト制御手段は、前記被処理体の上方に位置するとともに、該被処理面との間に一定の間隙をもって配された整流部材であることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
- 前記整流部材は、その温度を調整する温度制御手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載の成膜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006276558A JP2008094647A (ja) | 2006-10-10 | 2006-10-10 | 成膜装置 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2016163199A1 (ja) * | 2015-04-10 | 2016-10-13 | 旭硝子株式会社 | ガラス板およびその製造方法 |
JP2018076591A (ja) * | 2012-05-24 | 2018-05-17 | 株式会社ニコン | ミストによる成膜装置 |
-
2006
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WO2016163199A1 (ja) * | 2015-04-10 | 2016-10-13 | 旭硝子株式会社 | ガラス板およびその製造方法 |
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