JP2007077433A - 成膜装置 - Google Patents

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卓也 川島
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Abstract

【課題】一連の処理を効率よく行い、生産速度を向上することが可能な成膜装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の成膜装置は、スプレー熱分解法により被処理体上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を所定の温度まで加熱する前処理室と、前記所定の温度に保持した被処理体に向けて、吐出手段から原料溶液を噴霧することにより、該被処理体に薄膜を形成する成膜室と、前記薄膜を形成した被処理体を所定の温度まで冷却する後処理室と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スプレー熱分解法による成膜装置に関するものである。
スプレー熱分解法は、加熱された基板に向けて原料溶液を噴霧することにより、反応初期には基板表面に付着した液滴中の溶媒蒸発と、溶質の熱分解に続く加水分解反応、および熱酸化反応することにより結晶が形成する。反応が進むと基板上に形成した結晶(多結晶膜)上に液滴が付着、液滴中の溶媒の蒸発とともに溶質および下部の結晶間で結晶成長が進む、という一連の反応を応用した技術である。
透明導電膜(TCO:Transparent Conductive oxide)は、絶縁体であるガラスの表面にスズドープ酸化インジウム(ITO)や酸化スズ(TO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)などの半導体セラミックスの薄膜を形成することにより導電性を付与したガラスで、透明であるにもかかわらず電気を流す性質を有する。これらの中で特にITOが透明導電膜として広く知られており、パソコン、テレビ、携帯電話などの液晶ディスプレイに応用されている。
スプレー熱分解法は、成膜装置が簡易で原料も比較的安価なため低コストで透明導電膜等の形成が可能である。透明導電膜の出発原料には、金属無機塩の水溶液またはアルコール溶液、あるいは有機金属化合物や有機酸塩の有機溶剤系溶液等が用いられる。基板温度は出発原料、原料溶液によって異なるが、250〜700℃の範囲で設定される。
スプレー熱分解法による従来の成膜装置を図2に示す。この成膜装置100は、基板110を載置する支持手段120と、原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段130とを具備している。支持手段120は、載置された基板を所定の温度まで加熱する加熱手段を内蔵している。
従来は、このような成膜装置内に基板を設置し、基板加熱、成膜、基板冷却の一連の工程を同一の処理室内で行っていた。このため、成膜を始めるまでに、昇温する時間を持たなければならなかった。また、2層以上からなる多層膜を成膜する場合、それぞれの成膜温度が異なると、基板温度が目的温度に達するまでの間、成膜を待たなければならなかった。さらに、ソーダライムガラス等の線膨張係数が大きい基材を扱うケースでは、急激な加熱/冷却による基板の破損や反りの発生を避けるため、緩慢な加熱や、ゆっくりとした冷却が必要であった(特許文献1参照)。
上記のように、従来技術では成膜時間の他に、昇温時間、基板温度移行時間、そして場合によっては一定温度まで冷却する時間を必要としていた。このため、1枚の製品を製造するのに2時間以上の時間が必要であった。また、成膜の種類によっては温度条件移行の間に膜特性が劣化する場合も見られた。
特開平8−213328号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、一連の処理を効率よく行い、生産速度を向上することが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る成膜装置は、スプレー熱分解法により被処理体上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体を所定の温度まで加熱する前処理室と、前記所定の温度に保持した被処理体に向けて、吐出手段から原料溶液を噴霧することにより、該被処理体に薄膜を形成する成膜室と、前記薄膜を形成した被処理体を所定の温度まで冷却する後処理室と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る成膜装置は、請求項1において、前記成膜室を複数備え、各成膜室は連接されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る成膜装置は、請求項1において、前記吐出手段から噴霧する原料溶液が液状微粒子であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る成膜装置は、請求項3において、予め原料溶液を噴霧することにより前記液状微粒子を生成する調整室と、前記液状微粒子を前記調整室から前記吐出手段まで移動させる空間からなる搬送手段とをさらに備えることを特徴とする。
本発明では、成膜室に加えて、被処理体を予め加熱しておく前処置室と、成膜された被処理体を冷却する後処理室とを設けることで、作業を連続して行うことができ、効率よく成膜を行うことができる。その結果、得られる製品の性能を低下させることなく、生産速度を向上することができる。
以下、本発明に係る成膜装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の成膜装置を模式的に示す図である。
本発明の成膜装置1は、スプレー熱分解法により被処理体2上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記被処理体2を所定の温度まで加熱する前処理室10と、前記所定の温度に保持した被処理体2に向けて、吐出手段22から原料溶液を噴霧することにより、該被処理体2に薄膜を形成する成膜室20と、前記薄膜を形成した被処理体2を所定の温度まで冷却する後処理室30と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
前処理室10、成膜室20、後処理室30からなる構成とし、前処理室10と成膜室20には被処理体2の加熱・保持等を行う手段をそれぞれ設けた。これにより、成膜している間に前処理室10で次の被処理体の加熱を進めておくことが可能となり、1枚の製品を成膜する時間を短縮することが可能となる。連続処理ができるので、効率よく膜を形成することができる。
前処理室10は、加熱手段11を備え、被処理体2を所定の温度まで加熱する。加熱手段11は、例えばヒータである。
成膜室20は、スプレー熱分解法により被処理体2上に薄膜を形成するためのもので、被処理体2を載置する支持手段21と、形成される薄膜の原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段22と、吐出手段22と対向する位置に配される被処理体2との間の空間を包み込むように配置されるフード23とを具備している。
支持手段21は、被処理体2の被成膜面を所定の温度に保ちながら薄膜を形成するため、被処理体2の加熱・保持・冷却機能を備えた温度制御手段を内蔵している。温度制御手段は、例えばヒータである。
吐出手段22は、例えばノズルである。そして吐出手段22から噴霧する原料溶液は、液状微粒子3とされている。
この液状微粒子3は、後述する調整室40において予め原料溶液を噴霧することにより生成されたものであってもよい。
吐出手段22は、液状微粒子3を、成膜室20の空間に配置された被処理体2上に吹き付けるものである。吐出手段22の出口からは、流速100〜100,000cm/分で液状微粒子3が噴霧される。また、吐出手段22と被処理体2表面間の距離は、5〜200mmで制御されている。
また、被処理体2は、加熱手段からの伝熱等により表面が加熱されており、200〜600℃の温度範囲に制御されている。
フード23は、ステンレススチール等の耐食性金属により構成されている。
成膜室20では、フード23が吐出手段22と対向する位置に配される被処理体2との間の空間を包み込むように配置されているので、吐出手段22の吐出口からスプレー状に噴射された原料溶液は外気の影響を受けることなく、吐出口から被処理体2に向かう放射状空間に噴霧された状態を安定に保つことができる。換言すると、フードはその内部空間から装置への外部へ原料溶液が飛散し、無駄な使用量が増加するのも防ぐ働きもする、これにより、原料溶液は薄膜の形成に有効に使われる。
本発明の成膜装置1では、前記成膜室を複数備え、各成膜室は連接されていることが好ましい。図1では、成膜室を2室(第一の成膜室20aおよび第二の成膜室20b)にした場合の構成を示している。
なお、第一の成膜室20aおよび第二の成膜室20bは、ほぼ同様の構成とされているため、明細書中においては、第一の成膜室20aおよび第二の成膜室20bを総称して成膜室20と称している場合がある。
複数の成膜室を連接して設けることにより、連続での成膜が可能となり、成膜温度の異なる2種類の膜形成(多層膜)が被処理体2の温度移行時間を待たずに実施することができる。これにより、例えば多層膜形成等の際、膜間に発生する不具合を抑制することができる。その結果、特性に優れた薄膜(多層膜)を形成することができる。
また、本発明の成膜装置1は、予め原料溶液を噴霧することにより前記液状微粒子3を生成する調整室40と、前記液状微粒子3を前記調整室40から前記吐出手段22まで移動させる空間からなる搬送手段とをさらに備えることが好ましい。
この調整室40は、例えば各成膜室毎に設けられており、図1に示す例では、第一の成膜室20aには第一の調整室40aが設けられ、第二の成膜室20bには第二の調整室40bが設けられている。
なお、第一の調整室40aおよび第二の調整室40bは、ほぼ同様の構成とされているため、明細書中においては、第一の調整室40aおよび第二の調整室40bを総称して調整室40と称している場合がある。
調整室40では、上記の吐出手段22とは異なる噴霧手段(図示せず)により原料溶液を予備噴霧し、径の小さい(細かな)液滴だけを液状微粒子3として効率よく取り出してサイズを均一化するよう選別する制御を行う。より細かい液状微粒子を吹き付けることができるため、特性のよい膜を形成できる。
この生成される液状微粒子3は、60.0〜98.8vol%のエアーを含んでいることが好ましい。
搬送手段は、生成された液状微粒子3を誘導しながら搬送する空間としての搬送路41を有している。
搬送路41は、仕切り部材によって外部と隔離され、内壁の温度が液状微粒子と同じかあるいは高めで、かつ、透明導電膜原料溶液の溶媒の蒸発速度が極端とならない温度を保つように制御されている。すなわち、液状微粒子の温度>搬送路内壁の温度>溶媒の蒸発温度という関係にある。
そして、搬送路41内の液状微粒子3には、流速100〜100,000cm/分の流れがある。
また。搬送路41の内壁は、フッ素樹脂等の撥水性を有する材料を採用するか、または表面に撥水性を付与する処理を施すことにより、外部と隔離されている。この際、搬送路41を金属等の熱伝導性の良好な材料を使用したものとすると、外気温度の影響を受けやすく、搬送路内壁への液状微粒子の付着に繋がることから、塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂等の熱伝導の低い樹脂材料を採用することが好ましい。なお、金属材料を採用する場合は、搬送路外壁の温度制御を行うことで対応できる。
また、薬液として塩酸や硫酸、硝酸等を使用する場合、液状微粒子と直接接触する内壁には、耐薬品性の材料を使用するか、あるいは耐薬品性の材料による表面処理を施すことが必要になる。
さらに、搬送路41の距離は短いほど望ましい。しかしながら、液状微粒子温度や内壁温度、各手段の配置からの制約などの設計の観点から距離を必要とする場合も考えられることを考慮し、長くする場合は、10m未満とすることが望ましい。
後処理室30は、前記薄膜を形成した被処理体2を所定の温度まで冷却する。後処理室30には、例えば被処理体2の一時保管所(ストックヤード)が設けられている。
次に、この成膜装置1を用いてスプレー熱分解法により被処理体2上に薄膜を形成する方法について説明する。
なお、以下の説明では、本発明の成膜装置1を用いて、被処理体2である基板上に、透明導電膜として、ITO膜とFTO膜との積層体を形成する場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な薄膜を形成するのに用いることができる。
まず、表面が清浄面とされた基板を保熱板12上に載置し、この基板を保熱板12ごと、搬送手段により前処理室10内に搬送し、所定の位置に保持する。
基板としては、例えば、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラスなどのガラスからなる厚さが0.3〜5mm程度のガラス板が好適に用いられる。
保熱板12は、ある一定の熱容量、良熱伝導性、比重および耐薬品性(耐酸化性)を有する材料からなる。具体的には、熱容量が0.1〜0.2cal/K・gであり、熱伝導率が0.1cal/cm・s・K以上であり、比重が1.5〜8.0g/cm3であることが好ましい。
このような材料としては、例えばカーボン板、炭化珪素、鋳鉄等が挙げられる。
基板表面温度が所定の温度に到達し、安定したら、基板を保熱板12ごと第一の成膜室20aへ搬送する。
第一の調整室40aにおいて、噴霧手段によりITO膜の原料溶液を予備噴霧し、液状微粒子3とする。
透明導電膜の原料溶液としては、加熱することによりスズ添加インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の導電性金属酸化物となる成分を含む溶液が好適に用いられる。
ITO膜の原料溶液としては、塩化インジウム・四水和物を0.2mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液に対し、塩化スズ・五水和物を0.01mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液が好適に用いられる。
第一の調整室40aにおいて生成された液状微粒子3は、搬送路41を介して第一の成膜室20aに搬送され、成膜室の上部に配された噴霧ノズル(吐出手段22)から基板上に向かって噴霧される。この液状微粒子3が所定の温度に加熱された基板の表面に付着することにより、液状微粒子3中の溶媒が急速に蒸発するともに残った溶質が急速に化学反応してITO等の導電性金属酸化物に変化する。これにより、基板の表面に導電性金属酸化物からなる結晶が速やかに生成し、短時間の間に透明導電膜(ITO膜)を形成することとなる。
第一の成膜室20aにおいて、ITO膜の成膜が終了したら、基板を保熱板12ごと第二の成膜室20bへ搬送する。
第二の調整室40bにおいて、噴霧手段によりFTO膜の原料溶液を予備噴霧し、液状微粒子3とする。
FTO膜の原料溶液としては、例えば塩化スズ・五水和物を0.2mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液に対し、フッ化アンモニウムを1.2mol/L含有した水溶液、またはエタノール溶液、さらにはエタノール−水混合溶液が好適に用いられる。
第二の調整室40bにおいて生成された液状微粒子3は、搬送路41を介して第二の成膜室20bに搬送され、噴霧ノズル(吐出手段22)から基板上に向かって噴霧され、ITO膜上にFTO膜が積層形成される。
第二の成膜室20bにおいて、FTO膜の成膜が終了したら、基板を保熱板12ごと後処理室30へ搬送し、基板温度が所定の温度になるまで冷却する。
以上のようにして、基板上にITO膜とFTO膜の積層体からなる透明導電膜が形成される。
このようにして得られる透明導電膜は、ITO膜の上に、耐熱性や耐薬品性の優れるFTO膜が積層されているので、ITO膜による導電性や光透過性とともにFTO膜による耐熱性や耐薬品性を得ることができるので、特性に優れたものとなる。
このように、本発明では、装置を前処理室と成膜室、そして後処理室からなる構造とすることで、基板性能を低下させることなく、製品の生産速度を向上することが可能となる。
特に、成膜室を複数設けることで基板性能を低下させることなく、多層膜形成基板の生産速度を向上することが可能となった。
また、基板加熱、成膜、冷却と各処理を別々の処理室で行っているので、成膜室において1枚目を成膜している間に、前処理室では2枚目の基板の加熱を進めておくことができ、複数基板への連続成膜を効率的に行うことができる。
また、ある一定の熱容量、良熱伝導性、耐薬品性を有する保熱板上に基板(被処理体2)を設置し、これを全工程が終了するまで一体として取り扱うことにより、基板性能を低下させることなく多層膜形成基板の生産速度を向上することが可能になる。
以上、本発明の成膜装置について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
なお、上述した実施形態では、前処理室が1室のみの場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前処理室を複数設けてもよい。
生産の高速化に対応するため、予備加熱時間が律速になる場合は、前処理室を複数化して、各部屋の到達目標温度を分割することにより、1室に要する時間を短縮し、結果として時間当たりの生産量を上げることができる。
また、上述した実施形態では、成膜室が2室の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、成膜室は、1室であってもよいし、3室以上であってもよい。成膜室を3室以上に増やすことで3種類以上の多層膜形成を行うことが可能となる。
また、場合によっては同一の膜を何室かに分けて成膜することで、1室内で成膜する膜厚を薄くして、1室に滞在する時間を短縮することが可能である。これにより生産をより高速化することができる。
また、上述した実施形態では、複数の成膜室にそれぞれ調整室が設けられている場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、調整室は、複数の成膜室に共通のものが一室設けられていてもよいし、一つの成膜室に複数の調整室が設けられていてもよい。
本発明の成膜装置を用いて、基板上に透明導電膜として、ITO膜とFTO膜との積層体を形成した。
まず、以下のようにして、原料溶液を調製した。
<ITO原料溶液の調製>
塩化インジウム(III)五水和物5.58g/100mlと塩化スズ(IV)五水和物0.36g/100mlの比の薬剤をエタノールに溶解させて調製した。この原料溶液を実施例、比較例ともにそれぞれ800mlを使用した。
<FTO原料溶液の調製>
塩化スズ(IV)五水和物0.701gに対してエタノール10mlの割合で溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592gの飽和水溶液を加え、この混合物を超音波にて約20分間かけて溶解することにより調製した。この原料溶液を、実施例、比較例ともにそれぞれ100ml使用した。
(実施例)
<ガラス基板昇温>
300m×300mm×1mmの硼珪酸ガラス基板を、保熱板としてカーボン板(400×400×15mm)上に設置し、350℃に温まっている前処理室の加熱基板上に搬送した。基板表面温度が350℃に到達し、安定するまでに5分を要した。
ここでカーボン板は、ある範囲の熱容量、熱伝導性、耐薬品性(耐酸化性)を有する保熱板として用いた。その基本性能を他の候補材料および参考として硼珪酸ガラスとともに表1に示す。
Figure 2007077433
温度安定後、ガラス基板をカーボン板とともに第一の成膜室へ搬送した。その後、前処理室には2枚目のガラス基板+カーボン板を設置し昇温を開始した。
<ITO成膜>
基板表面温度が350℃で安定したことを確認してから、ITO成膜を開始した。
ITO原料溶液は第一の調整室において予備噴霧され、液状微粒子とされている。
第一の成膜室においては、2流体式の噴霧ノズル4本(エアー圧力:各0.4Pa)を正方形に配置して、第一の調整室から搬送されたITO原料溶液の液状微粒子を、基板上に噴霧した。このとき、噴霧ノズルとガラス基板間距離は500mmとし、噴霧ノズル側を揺動させることで噴霧濃度の偏りを防いだ。ITO膜の成膜に要した時間は、15分であった。
<FTO成膜>
ITO成膜後、ガラス基板をカーボン板とともに第二の成膜室へ搬送し、基板温度を400℃に上昇させた。温度が安定するまでに10分を要した。
温度安定後、FTO成膜を開始した。
FTO原料溶液は第二の調整室において予備噴霧され、液状微粒子とされている。
第二の成膜室においては、第二の調整室から搬送されたFTO原料溶液の液状微粒子を、基板上に噴霧した。噴霧ノズル本数や噴霧条件はITO成膜のときと同様である。FTO膜の成膜時間は2分であった。
<基板冷却>
FTO成膜後、後処理室へカーボン板とともに搬送した。ストックヤードに設置し基板表面温度が200℃以下になるのを確認してから取り出した。
<2枚目成膜>
2枚目の成膜は、前処理室で2枚目のガラス基板を設置30分経過後(第一の成膜室での1枚目のITO成膜終了の10分後)に、2枚目のガラス基板を第一の成膜室へ搬送した。温度が安定する5分後に、ITO成膜を開始した。以下、ITO成膜〜FTO成膜〜基板冷却と上記の同様の工程を連続して行った。
(比較例)
<ガラス基板昇温>
300mm×300mm×1mmの硼珪酸ガラス基板を加熱用ホットプレート上に設置し、室温から350℃の表面温度に達するまで昇温速度2.5℃/分で加温した。この条件は、5℃/分とした場合、ホットプレート上に生じる中央付近と周辺部の温度差により、ガラス基板に反りが発生してしまう条件である。350℃に到達して表面温度が基板全体にわたって安定するのに、150分を要した。
<ITO成膜>
基板表面温度が350℃で安定したことを確認してから、ITO成膜を開始した。
成膜条件、成膜時間(15分)は実施例の場合と同じであった。
この後、FTO成膜のため、基板温度を400℃に上昇させた。この間、薬液は吹き付けずにエアーのみを吹き付けた。
<FTO成膜>
FTO成膜温度に到達するのに20分を要した。温度が安定した後FTO成膜を開始した。成膜条件、成膜時間(2分)は実施例の場合と同じであった。
<基板冷却>
成膜後、ガラス基板をすぐには外さずに(ガラス基板に反りが発生するのを防止するため)、基板表面温度が200℃以下になるのを確認してから取り出した。400℃から200℃に基板温度が低下するのに60分を要した。
<2枚目成膜>
1枚目成膜後、2枚目の成膜を開始するまでに、基板温度が150℃以下に下がるのを待ち、それから2枚目のガラス基板の温度上昇を開始した。ITO成膜温度である350℃で安定するまでに120分を要した。この後、2枚目の成膜を開始した。以下、ITO成膜〜FTO成膜〜基板冷却と上記の同様の工程を連続して行った。
表2に、実施例および比較例における各工程の所要時間を比較して示す。
Figure 2007077433
以上の結果より、前処理室、2つの成膜室、後処理室から構成される実施例の成膜装置では、比較例に比べて生産速度を7倍以上に高速化することが可能となったことがわかる。
前処理室をさらに1室増設して前処理室に留まる時間を第一の成膜室の合計(20分)以下にすることで、20分/枚・台の生産速度を達成することが可能である。この場合、従来装置では11台分の生産速度に相当する。
表3に、実施例および比較例で透明導電膜が形成された基板の特性比較を示す。
Figure 2007077433
表3より、生産を高速化しても、従来と同等レベルの特性を有する製品を得られることがわかった。
本発明は、スプレー熱分解法により透明導電膜等の薄膜を形成する成膜装置に適用可能である。
本発明の成膜装置の一例を模式的に示す図である。 従来の成膜装置の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 成膜装置、2 被処理体、3 液状微粒子、10 前処理室、11 加熱手段、12 保熱板、20 成膜室、21 支持手段、22 吐出手段、23 フード、 40 調整室、41 搬送路。

Claims (4)

  1. スプレー熱分解法により被処理体上に薄膜を形成する成膜装置であって、
    前記被処理体を所定の温度まで加熱する前処理室と、
    前記所定の温度に保持した被処理体に向けて、吐出手段から原料溶液を噴霧することにより、該被処理体に薄膜を形成する成膜室と、
    前記薄膜を形成した被処理体を所定の温度まで冷却する後処理室と、を少なくとも備えていることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記成膜室を複数備え、各成膜室は連接されていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記吐出手段から噴霧する原料溶液が液状微粒子であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  4. 予め原料溶液を噴霧することにより前記液状微粒子を生成する調整室と、
    前記液状微粒子を前記調整室から前記吐出手段まで移動させる空間からなる搬送手段とをさらに備えることを特徴とする請求項3記載の成膜装置。
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