JP2007145814A - 血小板活性化因子受容体拮抗剤および組成物 - Google Patents

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輝之 金田
Naohiko Haneda
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Abstract

【課題】安価、大量、かつ簡便に調製することが可能である新規なPAF受容体拮抗剤を提供すること、ならびにそのような新規なPAF受容体拮抗剤を含有する気管支喘息、骨粗鬆症、および/または、アナフィラキシーの治療および/または予防のための組成物を提供すること。
【解決手段】本発明者は、イカ可食部、カツオ精巣およびカツオ卵巣のような魚介類抽出物が、PAF受容体拮抗活性を有する物質を含有することを見出した。そして、本発明者は、これら抽出物を提供することによって、上記課題を解決した。
【選択図】なし

Description

本発明は、血小板活性化因子(Platelet activating factor, PAF)受容体拮抗剤、およびPAF受容体拮抗剤を含む気管支喘息、骨粗鬆症、および/または、アナフィラキシーの予防および/または治療のための薬学的組成物および飲食用組成物に関するものである。
PAFは、1−O−アルキル−2−アセチル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンという構造を有し、血小板、好中球、好塩基球、好酸球、マクロファージ、肥満細胞、内皮細胞および種々の組織(肺、心臓、腎臓等)に作用し、炎症を引き起こす(非特許文献1)ことが知られている。
炎症反応における白血球とPAFの関係は、種々の炎症惹起物質の刺激により、PAFは生体防御の細胞より産生される。また、PAFは白血球に作用し、細胞内顆粒酸素や活性酸素を放出させる。この結果は、PAFが炎症病態時に白血球がPAFの産生細胞であると同時に受容体を有する標的細胞であることを意味している(非特許文献2)。
産生されたPAFは、白血球に作用し、血圧低下、血小板減少、気管支収縮および血管透過性亢進を含む種々の生理作用に関与している。これらの作用は、エンドとキシンショック、糸球体腎炎、喘息、血栓症、胃潰瘍、骨粗鬆症および低血圧に関与している(非特許文献3)。また、PAFがアナフィラキシーによる死亡における重要なメディエーターであることも報告されている(非特許文献4)。
また、PAFは、喘息などアレルギー反応を亢進し、そして骨粗鬆症を進行させることが公知である。また、PAF受容体欠損マウスにおいては、オブアルブミン感作による気管支喘息モデルおよび卵巣摘除による骨粗鬆症モデルのいずれにおいても野生型マウスと比較して病態が軽減していたことも実証されている(非特許文献5)。このことから、PAF拮抗剤は、気管支喘息および骨粗鬆症の治療・予防薬となると考えられる。実際に、PAF受容体拮抗剤であるWEB2086の投与によって、メタコリンに対する気道の応答が抑制され(非特許文献6)、また、骨再吸収が抑制されている(非特許文献7)。従って、新規のPAF受容体拮抗剤は、気管支喘息、骨粗鬆症、および、アナフィラキシーの治療・予防薬として利用可能である。
PAF受容体拮抗剤ならびにPAF受容体拮抗剤を含有する気管支喘息、骨粗鬆症、および、アナフィラキシーの治療・予防薬の有効成分を供給するには、多大なコストと労力を要する。そのため、PAF受容体拮抗剤ならびにPAF受容体拮抗剤を含有する気管支喘息、骨粗鬆症、および、アナフィラキシーの治療・予防薬の有効成分を大量かつ安価に供給するための供給源を見出すことが、気管支喘息、骨粗鬆症、および、アナフィラキシーなどの治療・予防薬、あるいは、気管支喘息、骨粗鬆症、および、アナフィラキシーに対する薬理効果を有する飲食用組成物の提供のために求められている。また、新規のPAF受容体拮抗活性を有する物質を見出すことも求められている。
イシイ サトシおよびシミズ タカコ、Progress in Lipid Research、2000年、39:p41−82 和久敬蔵および井上圭三編「血小板活性化因子 −生化学・生理・病理−」、1989年、p115〜121、東京化学同人 Diana M. Stafforini、外3名、「Critical Reviews in Clinical Laboratory Sciences」、2003年、40、p643−672 フクダ ヨシアキ、外5名、「European Journal of Pharmacology」、2000年2月、390(1−2)、p203−7 清水孝雄 編、わかる実験医学シリーズ、脂質生物学がわかる、脂質メディエーターの機能からシグナル伝達まで、羊土社 イシイ サトシ、外8名、「The EMBO Journal」、1997年、16(1)、p133−142 ヒキジ ヒサコ、外4名、「The Journal of Clinical Invenstigation」、2004年、144(1)、p85−93
新規なPAF受容体拮抗剤を提供すること、ならびにそのような新規なPAF受容体拮抗剤を含有する気管支喘息、骨粗鬆症、および/または、アナフィラキシーの治療および/または予防のための組成物を提供すること。
上記課題は、イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物中に、PAF受容体拮抗活性を有する物質が含まれていることを見出すことによって、達成された。
従って、一つの実施形態においては、本願発明は、イカ(例えば、イカの可食部)、魚の精巣(例えば、カツオ精巣)および/または魚卵(例えば、カツオ卵巣)の抽出物を含有する、PAF受容体拮抗剤ならびに気管支喘息、骨粗鬆症、および/または、アナフィラキシーの治療および/または予防のための組成物を提供する。好ましくは、このPAF受容体拮抗剤ならびに薬学的組成物および飲食用組成物は、イカの可食部またはカツオ精巣・卵巣の抽出物を用いて調製される。
従って、本発明は以下を提供する。
(項目1) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、気管支喘息の予防または治療のための薬学的組成物。
(項目2) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目1に記載の気管支喘息の予防または治療のための薬学的組成物。
(項目3) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、骨粗鬆症の予防または治療のための薬学的組成物。
(項目4) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目3に記載の骨粗鬆症の予防または治療のための薬学的組成物。
(項目5) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、気管支喘息の予防または治療のための飲食用組成物。
(項目6) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目5に記載の気管支喘息の予防または治療のための飲食用組成物。
(項目7) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、骨粗鬆症の予防または治療のための飲食用組成物。
(項目8) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目7に記載の骨粗鬆症の予防または治療のための飲食用組成物。
(項目9) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、PAF受容体拮抗剤。
(項目10) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目9に記載のPAF受容体拮抗剤。
(項目11) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、アナフィラキシーの予防または治療のための薬学的組成物。
(項目12) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目11に記載のアナフィラキシーの予防または治療のための薬学的組成物。
(項目13) イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、アナフィラキシーの予防または治療のための飲食用組成物。
(項目14) 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、項目13に記載のアナフィラキシーの予防または治療のための飲食用組成物。
本発明によって、新規なPAF受容体拮抗剤が提供される。さらに、本発明によって、そのような新規なPAF受容体拮抗剤を含有する気管支喘息、骨粗鬆症、および/または、アナフィラキシーの治療および/または予防のための薬学的組成物または飲食用組成物が提供される。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本発明において使用する場合、「リン脂質抽出物」とは、所定の供給源から抽出される物質であって、リン脂質を含有する物質をいう。
本発明において使用する場合、「リン脂質」には、グリセロリン脂質およびスフィンゴリン脂質が包含される。
本発明において使用する場合、用語「スフィンゴリン脂質」とは、リンを含有するスフィンゴ脂質である。本発明において使用する場合、用語「スフィンゴ脂質」とは、スフィンゴシンなどの長鎖塩基を有する脂質をいう。スフィンゴ脂質としては、スフィンゴシンが挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において使用する場合、用語「グリセロリン脂質」とは、グリセロールリン酸およびその誘導体をいう。グリセロールリン酸は、異性体として、sn−グリセロール1−リン酸、sn−グリセロール2−リン酸、およびsn−グリセロール3−リン酸が存在する。生体内では、sn−グリセロール3−リン酸(すなわち、L−グリセロール3−リン酸、D−グリセロール1−リン酸、およびL−α−グリセロリン酸)が存在する。本明細書においてグリセロリン脂質の定義に含まれるグリセロールリン酸の誘導体としては、例えば、1位および2位に脂肪酸を結合し、グリセロールリン酸のリン酸基に、コリン、エタノールアミン、イノシトール、およびセリンなどを結合した、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、およびホスファチジルセリン、ならびにホスファチジン酸を結合した物質が挙げられるが、これらに限定されない。これらのリゾリン脂質もまた、本発明のグリセロールリン酸の誘導体としてのグリセロリン脂質に含まれる。
本発明において使用するリン脂質の供給源としては、動物、植物、魚介類、藻類、微生物が挙げられる。採取効率および作業・操作の容易性等の点を考慮すれば、動物性原料または魚介類由来の原料を選択し、これから抽出することが望ましい。動物性原料としては牛、豚、鶏、アザラシ、ハープシール、オットセイ、セイウチ、トド等の各種動物臓器、ならびに魚介類を使用することが可能である。好ましい供給源は、魚介類である。
魚介類の供給源としては、カツオ、マグロ、イワシ等の魚類の組織が挙げられるが、これらに限定されない。魚類の組織としては、例えば、精巣および卵巣が挙げられるが、これらに限定されない。
魚介類のさらなる供給源としては、ケンサキイカ、コウイカ、マイカ、マツイカ、スルメイカ、ホタルイカ、ヤリイカ等のイカ組織およびこれらの皮(例えば、可食部)が挙げられるが、これらに限定されない。イカ組織から抽出して得られる油分は、本発明のリン脂質の好ましい供給源である。イカ皮(外套筋)も同様に本発明のリン脂質の好ましい供給源である。
本発明の「リン脂質抽出物」を抽出する方法としては、例えば、圧搾法、煮とり法、溶剤抽出法等の公知の方法を用いることができる。
溶剤抽出法の場合、上記供給源を何ら前処理することなく、または、上記供給源を凍結乾燥した後に、溶媒で活性成分を抽出することによって、行うことができる。溶媒としては、例えば、脂溶性有機溶剤、脂溶性有機溶剤と親水性アルコールとの混合溶剤、および親水性アルコール含有溶剤が挙げられるが、これらに限定されない。脂溶性有機溶剤としては、アセトン、ヘキサン、エーテル、および石油エーテル、ならびにこれらの組合せ等が挙げられるが、これらに限定されない。親水性アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびブタノールならびにこれらの組合せ等が挙げられるが、これらに限定されない。
溶剤抽出は、常温または加温下で、常圧または加圧下で、必要に応じて攪拌して、油分の画分を抽出することによって行われる。この抽出された油分画分は一般に原油と称せられ、グリセリドを主成分とするものであるため、これに水を添加して脱ガム処理し、分離したガム質区分を乾燥してリン脂質含量が20〜60重量%のリン脂質含有画分を得ることができる。あるいは、前記親水性アルコールの含水溶剤を用いて抽出すると、抽出物として前記同様のリン脂質含有油分が得られる。
かかる油分の分画物を得るためには、有効成分の溶剤に対する溶解性の差異を利用する液−液分離法が簡便かつ実用的である。例えば、エタノールを用いて調製された抽出物にアセトン沈殿処理を施してリン脂質含量をさらに高めた分画物を得ることができ。また、エタノール抽出物を、シリカゲル、アルミナ等の吸着剤を充填したカラムクロマトグラフィー処理に供することにより、リン脂質含量が90重量%以上の分画物を得ることもできる。
このようにして得られるリン脂質含有油分およびこの分画物の望ましい態様は、リン脂質の含量が20重量%以上、より好ましくは30重量%以上である。以下の実施例に示す方法で調製されたリン脂質では、高度不飽和脂肪酸がリン脂質の構成脂肪酸として含有されているため、魚油等の高度不飽和脂肪酸トリグリセリドと比較して酸化安定性が優れており、精製後の戻り臭や不快臭がほとんどない。
本発明のPAF受容体拮抗剤、ならびに薬学的組成物および飲食用組成物は、前記リン脂質またはこれを含む油分を有効成分として含有する。本発明の薬学的組成物および飲食用組成物は、活性成分としてPAF受容体拮抗剤のみを単独で配合した形態、あるいはPAF受容体拮抗剤以外の活性成分と組み合わせた形態、またはPAF受容体拮抗活性を有するリン脂質以外の活性成分と組み合わせた形態において構成され、望ましくはリン脂質の含有量が20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。本発明の所望の効果を阻害しない範囲および程度であれば、他の公知の成分あるいは原材料を適宜に併用せしめてもよい。これらの例としてアスコルビン酸、アミノ酸、ペプチド、蛋白質およびこの分解物、各種糖質、澱粉およびこの分解物、ミネラル類、ビタミンE、トコフェロール、フィトステロール、カテキン、グァバ葉等のポリフェノール類等およびこれらの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの併用物質がアスコルビン酸パルミテート、フィトステロール、ビタミンE等のように油溶性の場合は、本発明に係るリン脂質またはこれを含む油分と混合して均一状態となし、また、アスコルビン酸、アミノ酸、ミネラル、蛋白質等のように水溶性ないしは水分散性の場合は、例えばその乾燥粉末を本発明に係るリン脂質またはこれを含む油分と混練して分散状態にするか、水および適宜に界面活性剤を共存させて乳化状態となすこともできる。
本発明では、前述のように、リン脂質を有効成分としてなるPAF受容体拮抗剤が提供されるが、さらにこの予防剤を配合してなる組成物も提供される。この組成物の態様としては医薬用組成物および食用組成物が好適である。
(薬学的組成物の処方)
本発明はまた、有効量の治療剤の被験体への投与による、PAF受容体の作用を抑制することによって治療および/または予防され得る疾患または障害(例えば、気管支喘息、骨粗鬆症、および/または、アナフィラキシー)の処置および/または予防の方法を提供する。治療剤は、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合せた、本発明の組成物を意味する。
治療剤を、個々の患者の臨床状態(特に、治療剤単独処置の副作用)、送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(GMP=good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
一般的提案として、用量当り、経口的に投与される治療剤の合計薬学的有効量は、患者体重の、約2μg/kg/日〜40mg/kg/日の範囲にあるが、上記のようにこれは治療的裁量に委ねられる。さらに好ましくは、本発明のPAF受容体拮抗剤について、この用量は、少なくとも10mg/kg/日、最も好ましくはヒトに対して約20mg/kg/日と約40mg/kg/日との間である。また、一般的提案として、用量当り、非経口的に投与される治療剤の合計薬学的有効量は、患者体重の、約0.2μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲にあるが、上記のようにこれは治療的裁量に委ねられる。さらに好ましくは、本発明のPAF受容体拮抗剤について、この用量は、少なくとも1mg/kg/日、最も好ましくはヒトに対して約5mg/kg/日と約10mg/kg/日との間である。
治療剤を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。本発明の薬学的組成物の代表的投与経路は、経口投与である。
「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の処方補助剤をいう。
本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性治療剤の適切な例は、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性治療剤の適切な例は、適切なポリマー物質(例えば、成形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態の半透過性ポリマーマトリックス)、適切な疎水性物質(例えば、許容品質油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、および貧可溶性誘導体(例えば、貧可溶性塩)を包含する。
徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15: 167−277(1981)、およびLanger,Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセテート(Langerら、同書)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。
徐放性治療剤はまた、リポソームに包括された本発明の治療剤を包含する(一般に、Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein and Fidler(編),Liss,New York,317−327頁および353−365(1989)を参照のこと)。治療剤を含有するリポソームは、それ自体が公知である方法により調製され得る:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本国特許出 願第83−118008号;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号ならびにEP第102,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適治療剤のために調整される。
なおさらなる実施態様において、本発明の治療剤は、ポンプにより送達されうる(Langer、前出;Sefton、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら、Surgery 88:507(1980);Saudekら、N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照のこと)。
他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−1533(1990))による総説において議論される。
非経口投与のために、1つの実施態様において、一般に、治療剤は、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合することにより処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化、および治療剤に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
一般に、治療剤を液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方と均一および緊密に接触させて処方物を調製する。次に、必要であれば、生成物を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。
キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質のような微量の添加剤を適切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸および他の有機酸またはその塩類のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;および/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界面活性剤が挙げられる。
治療剤は、代表的には約100mg/ml〜2,000mg/ml、好ましくは500〜2,000mg/mlの濃度で、約6〜9のpHで、このようなビヒクル中に処方される。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、塩が形成されることが理解される。
治療的投与に用いられるべき任意の薬剤は、有効成分としてのウイルス以外の生物・ウイルスを含まない状態、すなわち、無菌状態であり得る。滅菌濾過膜(例えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより無菌状態は容易に達成される。一般に、治療剤は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置される。
治療剤は、通常、単位用量または複数用量容器、例えば、密封アンプルまたはバイアルに、水溶液または再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した5%(w/v)治療剤水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。凍結乾燥した治療剤を、注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調製する。
本発明はまた、本発明の治療剤の1つ以上の成分を満たした一つ以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政府機関による承認を表す。さらに、治療剤を他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。
本発明の治療剤は、単独または他の治療剤と組合わせて投与され得る。組合わせは、例えば、混合物として同時に;同時にまたは並行してだが別々に;あるいは経時的のいずれかで投与され得る。これは、組み合わされた薬剤が、治療用混合物として共に投与されるという提示、およびまた、組み合わされた薬剤が、別々にしかし同時に、例えば、同じ個体に別々の静脈ラインを通じて投与される手順を含む。「組み合わせて」の投与は、一番目、続いて二番目に与えられる化合物または薬剤のうち1つの別々の投与をさらに含む。
本発明のPAF受容体拮抗剤の製剤化にあたっては、前述の抽出物をそのまま使用してもよいが、これをさらに分画処理して有効成分であるリン脂質をより高濃度に含有する分画物として用いてもよい。
(飲食用組成物の製造)
本発明の好適な態様は飲食用組成物である。すなわち、前述のようにして得られるリン脂質を有効成分として含むPAF受容体拮抗剤あるいは薬学的組成物または飲食用組成物は、これをそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶、野菜ジュース、天然果汁、乳飲料、牛乳、豆乳、スポーツ飲料、ニアウォーター系飲料、栄養補給飲料、コーヒー飲料、ココア、スープ、ドレッシング、ムース、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、加工乳、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ケーキミックス、パン、ピザ、パイ、クラッカー、ビスケット、ケーキ、クッキー、スパゲティー、マカロニ、パスタ、うどん、そば、ラーメン、キャンデー、ソフトキャンデー、ガム、チョコレート、おかき、ポテトチップス、スナック、アイスクリーム、シャーベット、クリーム、チーズ、粉乳、練乳、乳飲料などの粉末状または液状の乳製品、饅頭、ういろ、もち、おはぎ、醤油、たれ、麺つゆ、ソース、だしの素、シチューの素、スープの素、複合調味料、カレーの素、マヨネーズ、ケチャップ、レトルトカレー、レトルトシチュー、レトルトスープ、レトルトどんぶり、缶詰、ハム、ハンバーグ、ミートボール、コロッケ、餃子、ピラフ、おにぎり、冷凍食品および冷蔵食品、ちくわ、蒲鉾、弁当のご飯、寿司、乳児用ミルク、離乳食、ベビーフード、スポーツ食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品等に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉等の賦型剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品等として利用できる。これらの食品類あるいは飲食用組成物における本発明のPAF受容体拮抗剤またはこれを含む抽出物の配合量は、当該食品や組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、約0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。配合量が0.01重量%未満では経口摂取による所望の効果が小さく、50重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なったり当該食品を調製できなくなる場合がある。なお、本発明のPAF受容体拮抗剤活性を有する抽出物は、これをそのまま食用に供してもさしつかえない。
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:イカ可食部よりの抽出物の調製)
イカの可食部を凍結乾燥で乾燥した。乾燥スルメイカ100gに純度99%のエタノール800mL加え、60℃で2時間抽出を行った。濾過した後、残渣に純度99%のエタノール350mLを加え、60℃で2時間抽出を行った。濾液を合わせて濃縮し、イカ抽出物を13g得た。イカ抽出物からアセトン沈殿により、イカリン脂質6gを得た。
(実施例2:カツオ卵巣よりの抽出物の調製)
カツオ卵巣を凍結乾燥で乾燥した。乾燥カツオ卵巣100gに純度99%のエタノール800mL加え、60℃で2時間抽出を行った。濾過した後、残渣に純度99%のエタノール350mL加え、60℃で2時間抽出を行った。濾液を合わせて濃縮し、カツオ卵巣抽出物14g得た。カツオ卵巣抽出物からアセトン沈殿によりカツオ卵巣リン脂質7gを得た。
(実施例3:カツオ精巣よりの抽出物の調製)
カツオ精巣を凍結乾燥で乾燥した。乾燥カツオ精巣100gに純度99%のエタノール800mL加え、60℃で2時間抽出を行った。濾過した後、残渣に純度99%のエタノール350mL加え、60℃で2時間抽出を行った。濾液を合わせて濃縮し、カツオ精巣抽出物9g得た。カツオ精巣抽出物からアセトン沈殿によりカツオ精巣リン脂質5gを得た。
(実施例4:各種供給源由来の抽出物の比較)
上記実施例1〜3によって単離された抽出物、ならびにコントロールとしての大豆リン脂質(辻製油(株)三重県松阪市、およびDHAトリグリセライド(備前化成(株)岡山県赤磐市)のDHA含有量およびリン脂質含有量を日本油化学会制定基準油脂分析試験法(財団法人 日本油化学会)に従って、決定した。具体的には、DHA含有量を2.4.2.2−1996 脂肪酸組成FID昇温ガスクロマトグラフ法に従って決定し、リン脂質含有量を4.3.4−1996 リン湿式分解法に従って、決定した。
上記の結果に示されるように、実施例1〜3において調製された抽出物は、約30〜40%のDHA含有量および約70%のリン脂質含有量を有した。
(実施例5:上記リン脂質のPAF受容体結合能活性)
実施例1〜3によって得られたリン脂質のPAF受容体結合能活性を調べた。
上記PAF受容体結合能活性は、ヒト血小板を用いて、常法より行なった。具体的には、0.12nMのH標識PAFと、実施例1〜3の各抽出物との置換反応を、3時間、25℃で行ない、置換反応を放射能活性により測定した。PAF受容体結合活性を有さないDHAトリグリセライドをネガティブコントロールとして用いた。
表2に示すようにイカおよびカツオ卵巣由来のリン脂質には、PAF受容体結合能活性が見られた。また、リン脂質を含むがDHAを含まないダイズリン脂質、およびDHAを含むがリン脂質を含まないDHAトリグリセライドは、PAF受容体結合能を示さなかった。これに対して、カツオ精巣由来のサンプルは、リン脂質を含まないDHAトリグリセライドと比較して有意に高い結合能を示した。
これらの結果から、PAF受容体に結合してPAFと競合する成分が、これらリン脂質抽出物中にあることが明らかとなった。
(実施例6:上記リン脂質のPAF惹起血小板凝集阻害活性)
PAF惹起血小板凝集阻害活性を、常法より行なった。具体的には、ウサギ由来の血小板含有血漿を用いて、37℃、5分間の血小板凝集反応を測定した。5nMのPAFを添加し、血小板凝集の抑制作用(アンタゴニスト活性)もしくは、単独での血小板凝集反応(アゴニスト活性)を確認した。その結果を、表3に示す。
表2でPAF受容体結合能活性が見られたイカおよびカツオ卵巣由来のリン脂質は、アンタゴニスト活性であることがわかった。従って、イカ抽出物中およびカツオ卵巣抽出物中に含まれるPAF受容体結合活性を示す物質は、PAF受容体アンタゴニストであることが実証された。
(実施例7:気管支喘息の治療・予防についての薬理学的効果の測定)
PAF受容体遺伝子は既に単離されており、PAF受容体を過剰発現するトランスジェニックマウスも得られている。そして、PAF受容体を過剰発現するマウスは、気管支喘息の病態生理学を研究するためのモデルマウスとして提唱されている。なぜなら、PAF受容体を過剰発現するトランスジェニックマウスは、メタコリン(アセチルコリンの誘導体であり気管支過敏反応をテストするときの気管支収縮剤として用いる副交感神経興奮薬)に対して過剰反応するからである(非特許文献5)。
(1.PAF受容体を過剰発現するトランスジェニックマウスの調製)
PAF受容体を過剰発現するトランスジェニックマウスの調製は、非特許文献5に従って、以下の様に行う。
モルモットのPAF受容体cDNAを、ニワトリのβアクチンプロモーターおよびサイトメガロウイルスの前初期エンハンサーの制御下に置く。Hoganら(Manupulating the Mouse Embryo:A laboratory manual.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1986))の方法を用いて、野生型の雄性マウスと交配した過剰排卵する雌性マウスの受精卵の前核に、精製したトランスジーン構築物(4.1kbのBamHI−BamHIフラグメント)をマイクロインジェクションする。次世代マウスを4週間で離乳させ、そして、遺伝子タイピングのために、マウスの尾部からゲノムDNAを調製して、PCRを行う。PCRプライマーには、正方向プライマー5’−ACCACACTCCTGTCAATC−3’(配列番号1)と、逆方向プライマー5’−TCAGGATCAGGTCATGAT−3’(配列番号2)を用い、94℃ 1分間;55℃ 2分間;72℃ 2分間のサイクルを30回繰り返す。トランスジーンを含む場合、290bpの増幅産物を生じる。マウスは、空調した部屋のケージ内で、実験マウス用の餌を自由に食べさせて、飼育する。
上記PCRを用いるスクリーニングによってトランスジーンを含む次世代マウスを同定し、さらにそのマウスの中から生殖細胞系にトランスジーンを含むマウスを同定する。その生殖細胞系にトランスジーンを含むマウスを交配に用いて、さらに次世代マウスを調製する。尾部を用いて、マウスゲノムがトランスジーンを含むことを確認する。マウスの心臓および筋肉を用いて、トランスジーンの発現を確認する。
(2.肺抵抗試験)
PAF受容体遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウスと、同腹子のコントロールに、ケタミンとペントバービタルの混合物(各々25mg/kg)を腹腔内注入することによって、麻酔する。金属性のカニューレ(内径 1.0mm)を、気管切開術を行ったマウスの気管に挿入する。マウスに対して、150呼吸/分の頻度、一回呼吸気量8ml/kg、3cm HOの呼気終末陽圧にて、機械的に通気する(モデル683;Harvard Apparatus,South Natick,MA)。正中線での胸骨切開術および肋骨の横隔膜の縁にわたる広範な横向きの切開の手段によって、胸郭を広く開く。麻酔剤(臭化パンクロニウム、0.1mg/kg)を、腹腔内に投与して、自発的な呼吸を消去する。実験の間、通気システムに連続的に酸素を供給する。気管圧力および気管の流れを、それぞれ、ピエゾ抵抗微小変換器(Endevco 8540B−2,San Juan Capistrano,CA)およびフライシュ呼吸気流計(No.00000,Metabo SA.lauzanne,Switzerland)を用いて測定する。これらの測定結果から、総肺抵抗を、Batesらの方法(Respir.Physiol.,78,369−382)に従って計算する。カニューレの抵抗を、0.225cmHO/ml/sであると推定して、全ての総肺抵抗から減算する。
ベースライン気管圧の記録後、PAFのビヒクル(生理食塩水中の0.25%BSA)を注入し、その後PAF(10μg/kg)を注入する。各々3.0ml/kgの注入量を頚静脈を介して注入する。
エアロゾルは、超音波ネブライザー(Ultra−Neb 100,De Vilbiss,Somerset,PA)を用いる。生理食塩水のエアロゾルに1分間マウスを曝露した後、一連のメタコリンエアロゾル(0.625〜80mg/ml)を、1分間にわたり気管に送達する。本発明のリン脂質抽出物を500〜200mg/kg、3.0ml/kgの容量で、メタコリン投与の2分前に、静脈内に注入する。PAF受容体拮抗活性のコントロールとして、WEB2086(Boeringer Ingelheim,Ingelheim,Germany)(1.0mg/kg)を用いる。
ネブライザー処理をしたメタコリンを、気管を通してマウスに投与した後に、総肺抵抗を計算する。用量応答曲線を作成し、それに基づいて、EC200(ベースラインの総肺抵抗の100%増加をもたらすために必要とされる、メタコリンの用量)を計算する。候補薬物(例えば、本発明のPAF受容体拮抗剤または組成物、あるいはコントロールとしてのWEB2086)の存在下および非存在下における、EC200を比較する。候補薬物を予め注入した場合に、EC200が上昇した場合、その候補薬物が、気管支喘息の治療・予防効果を有することを示す。
PAF受容体遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウスのみならず、野生型マウスにおいても、WEB2086によるメタコリン応答に対する抑制効果が確認されている(非特許文献5)。従って、PAF受容体遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウスのみならず、野生型マウスを用いても、上記試験によって、PAF受容体拮抗活性を測定することが可能である。
(実施例8:骨粗鬆症の治療・予防についての薬理学的効果の測定)
骨粗鬆症の症状としては、例えば、骨質量の減少が挙げられる。骨質量の減少は、例えば、骨の再吸収を抑制することによって、抑制することができる。従って、骨再吸収を抑制する薬剤は、骨粗鬆症の治療・予防薬として使用することができる。
PAFは、骨粗鬆症を進行させる効果を有する。また、PAFは、破骨細胞のアポトーシスを刺激する。破骨細胞は、骨再吸収において重要な役割を担う細胞であるため、PAFによる破骨細胞のアポトーシスの刺激によって、骨の再吸収は促進される。それとは反対に、破骨細胞のアポトーシスを抑制することによって、骨の再吸収を抑制することができる。従って、PAFによる破骨細胞アポトーシスを抑制するPAF受容体拮抗剤は、骨再吸収を抑制し、その結果、骨粗鬆症の治療効果および/または予防効果をもたらす。
実際に、WEB2086のようなPAF受容体拮抗剤は、骨再吸収を顕著に抑制することが公知である(非特許文献6)。従って、新規のPAF受容体拮抗剤を同定することによって、新規の骨粗鬆症の治療剤・予防剤を提供することができる。単離および/または同定したPAF受容体拮抗剤が骨再吸収の抑制活性という薬理効果を有するか否かについて、以下の手法を用いて決定することができる。
PAFによる破骨細胞の生存率の上昇を、候補薬物(例えば、本発明のPAF受容体拮抗剤または組成物、あるいはコントロールとしてのWEB2086)の存在下および非存在下で比較する。PAFは、加水分解されやすい化合物であるため、加水分解されないPAFアナログであるメチルカルバモイルPAF(mcPAF)を用いることも好ましい。
候補化合物によって、PAFまたはPAFアナログによる破骨細胞の生存率の上昇が抑制される場合、その候補化合物は、骨粗鬆症の治療効果および/または予防効果を有すると判断できる。
(1.破骨細胞の培養)
脾臓を、7〜8週齢の雄性マウスより単離し、40μmのナイロンメッシュ細胞ストレイナー(Falcon,Franklin Lakes,New Jersey,USA)を通過させる。7〜8週齢の雌性マウスの大腿骨および脛骨から、骨髄を、洗い流す。RANKLおよびM−CSFを用いる刺激によって、破骨細胞を、骨髄培養物中の造血細胞から分化させる。脾臓細胞または骨髄細胞を、10%のFBSならびに可溶性RANKL(100ng/ml)およびM−CSF(10ng/ml)を含むαMEM中で、7日間培養する。破骨細胞に分化させるために、RAW264.7マウスのマクロファージ細胞を、10%のFBSおよび可溶性RANKL(100ng/ml)を含むDMEM中で、5日間培養する。培地交換の際に、TNF−α(10ng/ml)およびIL−1β(10ng/ml)を添加することによって、破骨細胞を、TNF−αおよびIL−1βで処理する。生きている破骨細胞の検出のために、細胞を、トリパンブルーで染色し、その後、100mM L(+/−)酒石酸(pH 5.0)存在下、0.01%ナフトールAS−MXホスフェートと反応させ、酒石酸耐性酸性フォスファターゼ活性(TRAP活性)を測定する。トリパンブルーについてネガティブであり、TRAPについてポジティブであり、かつ3個より多い核を有する細胞を、生きている破骨細胞として計数する。
(2.骨芽細胞培養)
1歳齢のマウスから、頭蓋冠を切除し、PBSで洗浄し、0.1%コラゲナーゼおよび0.2%ディスパーゼで10分間、5回消化し、そして、画分2〜5からの細胞を、プールし、そして7日間、10%FBS含有αMEM中で培養する。MC3T3−E1マウスの骨形成原細胞(理研、埼玉)も、10%FBS含有αMEM中で培養する。培養の6日目に、mcPAF(1μM)、TNF−α(10ng/ml)、およびIL−1β(10ng/ml)を培地交換の際に添加する。骨芽細胞を、サイトカイン刺激の存在下および非存在下において、さらに培養する。
(3.破骨細胞生存アッセイ)
マウスの骨芽細胞培養および骨髄細胞の共培養系を開発し、そして、破骨細胞機能の調節メカニズムを試験する。共培養からの骨芽細胞/間質細胞の除去は、破骨細胞のアポトーシスを誘導する。7〜8週齢のC57BL/6Nマウスの大腿骨および脛骨由来のマウス骨芽細胞(1×10細胞/ディッシュ)およびマウス骨髄細胞(2×10細胞/ディッシュ)を、上記のように調製し、0.24%のコラーゲンゲルマトリクスでコートした10cmの培養ディッシュで培養する。培養培地は、10%FBS,100nM 1,25−(OH)、および1μM PGEを添加したαMEMを用い、2〜3日に一回培地を交換する。培養の7日後、ディッシュを、10%のFBSを含有するαMEM中の4mlの0.2%コラゲナーゼで、37℃で20分間処理する。破骨細胞の粗調製物を、24ウェルプレートで培養する。2時間のインキュベーションの後、プレートを0.1%コラゲナーゼおよび0.2%ディスパーゼを含有するPBSで処理して、骨芽細胞/間質細胞を除去する。精製した破骨細胞を、mcPAF(1μM)、M−CSF(100ng/ml)またはIL−1β(1ng/ml)とともに、候補薬物(例えば、本発明のリン脂質抽出物、あるいはコントロールとしてのWEB2086)存在下で24時間培養する。破骨細胞の生存率を計算するために、生存した破骨細胞を、インキュベーションの前後、光学顕微鏡を用いて計数する。
(実施例9:PAF惹起アナフィラキシー試験)
イカリン脂質のPAF惹起による抗アナフィラキシー試験を常法により行った。具体的には、CD−1マウス(22±2g)を購入し、1週間予備飼育したマウス(24±2g)に、実施例1で調製したイカリン脂質2,000mg/10ml(2% Tween80溶液)/kgを経口投与した。経口投与の60分後、0.1mg/kgの用量のPAF(0.1mg/10ml(生理食塩水)/kg)を静脈内に投与し、さらに60分後の生存率を測定した。ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールとしては、イカリン脂質の代わりに、それぞれ、10ml/kgの2%Tween80溶液およびWEB−2086(ベーリンガーインゲルハイム社)10mg/kg(10mg/ml(2% Tween80溶液)/kg)を用いた。動物は12時間の明暗サイクル、温度(23−24℃)、湿度(60−70%)で飼育した。5匹の動物について試験した結果を表4に示す。
表4に示されるように、PAFでアナフィラキシーを起こした場合、ネガティブコントロールの2%Tween80を用いた場合には20%の生存率であったのに対して、イカリン脂質を用いた場合は60%の生存率であった。上記の結果により、イカリン脂質はPAFにより引き起こされるアナフィラキシーを処置および/または予防する効果を有することが明らかとなった。また、上記の結果は、本願発明の組成物が、生体内においてもPAF受容体拮抗剤として作用することを実証するものである。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
以上のように、本発明のPAF受容体拮抗剤ならびにPAF受容体拮抗活性を有する活性成分を含有する薬学的組成物および飲食用組成物は、気管支喘息、骨粗鬆症、および、アナフィラキシーの予防、治療剤等として利用可能である。また、特に機能性食品などに好適に用いることができる。
配列番号1=PCR正方向プライマー
配列番号2=PCR逆方向プライマー

Claims (8)

  1. イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、気管支喘息の予防または治療のための飲食用組成物。
  2. 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、請求項1に記載の気管支喘息の予防または治療のための飲食用組成物。
  3. イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、骨粗鬆症の予防または治療のための飲食用組成物。
  4. 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、請求項3に記載の骨粗鬆症の予防または治療のための飲食用組成物。
  5. イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、PAF受容体拮抗剤。
  6. 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、請求項5に記載のPAF受容体拮抗剤。
  7. イカリン脂質抽出物、カツオ精巣リン脂質抽出物およびカツオ卵巣リン脂質抽出物からなる群から選択されるリン脂質抽出物を含有する、アナフィラキシーの予防または治療のための飲食用組成物。
  8. 前記リン脂質抽出物がエタノール抽出物である、請求項7に記載のアナフィラキシーの予防または治療のための飲食用組成物。
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