JP2007145658A - Li系フェライト焼結体の製造方法及びLi系フェライト焼結体 - Google Patents

Li系フェライト焼結体の製造方法及びLi系フェライト焼結体 Download PDF

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Abstract


【課題】Li系フェライト焼結体のΔHを低減することを課題とする。
【解決手段】Fe原料、MnO原料、ZnO原料及びTiO原料の1種又は2種を含む混合物を出発原料とし、この出発原料から第1の反応物を得る第1の仮焼工程と、第1の反応物に、LiO原料を添加した混合物を第1の仮焼工程よりも低い温度で加熱保持することにより第2の反応物を得る第2の仮焼工程と、第2の反応物を所定形状に成形する成形工程と、成形工程で得られた成形体を焼結する焼成工程と、を備えることを特徴とするLi系フェライト焼結体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波回路等に用いられるアイソレータ、サーキュレータ等の非可逆回路素子用の材料に関し、特にマイクロ波(周波数:3〜30GHz)、ミリ波(周波数:30〜30GHz)用アイソレータ、サーキュレータに用いて好適なLi系フェライト焼結体に関する。
現在使用されているマイクロ波通信では、例えば携帯電話では800MHz帯や2GHz帯が使用されている。
しかし、データ通信においてはさらなる高伝送レートが求められており、そのためには通信帯域の広帯域化が必要となる。しかし、周波数一定の条件で広帯域化する事は周波数管理の面から一定周波数での広帯域化は難しく、比帯域一定の条件下では高周波化が有効と考えられてきた。
これら広帯域通信に使用される通信装置では、送信回路の後段に線形の電力増幅回路が備えられ、電力増幅回路の後段に送信アンテナが備えられている。通信の品質を確保するためには電力増幅回路の歪み特性を良好な状態に維持することが重要となるが、これには送信電力の反射波による影響を排除する事が非常に重要である。
この問題点を回避する手段として、従来のマイクロ波通信回路では、送信アンテナと電力増幅回路との間にアイソレータを備える。アイソレータは、非可逆回路素子であり、電力増幅回路側から入力された信号は、送信アンテナ側に出力するが、送信アンテナ側から入力された信号は、電力増幅回路側に出力しない。そのため、送信アンテナからの反射波による電力増幅回路の信号の歪みが抑制される。
この種の高い周波数帯で使用されるアイソレータは、一般的に、非可逆性をもたらす磁気回転子と、この磁気回転子に直流磁界を印加するための永久磁石とを導波管内に組み込んで使用される。通常、磁気回転子としてはYIG(イットリウム−鉄−ガーネット)系のフェライト、具体的にはYFe12を基本組成とし、これに各種元素を添加したガーネット型フェライト材料が用いられている。このガーネット型フェライト材料は、挿入損失の尺度であるΔH(磁気共鳴半値幅、JIS C2565)が40A/m(0.5Oe)以下と低い。
マイクロ波、ミリ波に使用される材料は、使用される周波数に応じた飽和磁化(Ms)を有することが必要であり、一般に、要求されるMsの値は使用される周波数に比例するといわれている。ところが、ガーネット型フェライト材料は、Msが1800G(0.18T)以下のために、ミリ波のようにより高い周波数帯域での使用は制限されてしまう。
ところが、1800G以上の高いMsを持つフェライト焼結体は存在するものの、高Msを有し、かつΔHが低い材料は見いだされていないのが現状である。例えば、特開平9−306716号公報(特許文献1)では高いMsを持つNi−Zn−Cu系フェライト焼結体について記載があるが、ΔHについては考慮されていない。また、特表平9−501397号公報(特許文献2)及び特開平7−109121号公報(特許文献3)には、低損失なフェライト焼結体が開示されているが、前者の実施例における使用周波数が最大10MHzであり、また後者においてはMHz領域での使用に好適であることが示されているに過ぎず、1GHz以上のマイクロ波領域での特性は考慮されていなかった。
Li系フェライトは、1800G以上のMsを有しており、その単結晶のΔHが低いこと、さらにキュリー温度が高いことから、マイクロ波用の材料として注目されている。Li系フェライトは、Li0.5Fe2.5の一般式で表され、Li及び/又はFeの一部を、Zn、Tiで置換することにより、Msを制御することができる。さらに、Mnを添加することにより、誘電損失係数tanδを小さくすることができることが知られている。しかし、Li系フェライトは、焼結体としてはΔHを十分に低くすることができないのが現状である。また、Li系フェライトのLi原料であるLiCOが水溶性であるため(特公昭45−35941号公報(特許文献4))、製造条件の制御が困難である。したがって、非水系分散媒(通常はアルコール)を使用する必要があった。しかし、非水系分散媒は高価であり、かつ、使用後の廃棄に対する環境負荷が大きいという問題点があった。
特開平9−306716号公報 特表平9−501397号公報 特開平7−109121号公報 特公昭45−35941号公報
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、Li系フェライト焼結体のΔHを低減することを目的とする。さらに本発明は、その過程で分散媒として水を用いることのできるLi系フェライト焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発者はLi系フェライト焼結体の組織を観察したところ、Li系フェライトを構成する元素が偏析していることを知見した。本発明者等はこの偏析を解消することにより、Li系フェライト焼結体のΔHを向上できるのではないかと考えた。偏析は、Li系フェライトを構成するFe、そしてLi及び/又はFeを置換するTi、Znに観察された。したがって、これら元素をフェライト焼結体組織中に均一に分散させる必要がある。
Li系フェライトを製造する場合、通常、出発原料として、Fe、MnCO、ZnO及び/又はTiOを用意し、これを混合、粉砕した後に、仮焼することによりフェライト反応物を得る。このフェライト反応物に焼結助剤を添加して焼成を行うことによりLi系フェライト焼結体を得ている。ここで、Liは蒸気圧が高いため、仮焼の温度を高くすると系外に飛散してしまうし、また、焼結が進行するため後の粉砕が困難になる。したがって、従来は、Fe、MnCO、ZnO及び/又はTiOを出発原料とする場合の仮焼温度は800〜1000℃と低めに設定していた。上記知見は、この比較的低い温度での仮焼が、所望するフェライト反応物を得るために、Fe、Ti及び/又はZnに対して十分に拡散するだけの熱エネルギを与えていないことを示唆した。
そこで本発明者等は、Liの出発原料であるLiCOを除く他の出発原料を各元素が十分に拡散できる温度で仮焼し、その後にLiCOを加えてLiCOに適した温度で仮焼する工程を採用した。その結果、得られたLi系フェライト焼結体は、従来の工程を経て得られるLi系フェライト焼結体に比べてΔHを低減できることが確認された。そして、この新たな工程を採用して得られたLi系フェライト焼結体は、Fe、Ti及び/又はZnの偏析が低減されていた。しかも、この新たな工程を採用することにより、水を混合用の分散媒として用いても、LiCOの分散不良の影響をほとんど受けなかった。
本発明は、以上の技術的知見に基づく以下の新規なLi系フェライト焼結体の製造方法を提供する。この製造方法は、Fe原料、MnO原料、ZnO原料及びTiO原料の1種又は2種を含む混合物を出発原料とし、この出発原料から第1の反応物を得る第1の仮焼工程と、第1の反応物に、LiO原料を添加した混合物を第1の仮焼工程よりも低い温度で加熱保持することにより第2の反応物を得る第2の仮焼工程と、第2の反応物を所定形状に成形する成形工程と、成形工程で得られた成形体を焼結する焼成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のLi系フェライト焼結体の製造方法において、第1の仮焼工程を1100〜1300℃の温度域で行い、第2の仮焼工程を800〜1000℃の温度域で行うことが好ましい。
また本発明のLi系フェライト焼結体の製造方法において、LiO原料を添加した混合物は、水を分散媒とする湿式混合で得ることができる。
さらに、本発明のLi系フェライト焼結体の製造方法によりLiO:2.5〜5.2wt%、Fe:80〜94wt%、MnO:3〜3.6wt%、ZnO:12wt%以下及びTiO:12wt%以下の1種又は2種を主成分とする焼結体からなり、焼結体におけるFeのCV値が20%以下であるLi系フェライト焼結体を得ることができる。このLi系フェライト焼結体は、Feのみならず、前記主成分を構成する元素の分散度合いが高いという特徴がある。
以上説明したように、本発明によれば、ΔHが低減されたLi系フェライト焼結体を製造することができる。また本発明のLi系フェライト焼結体の製造方法によれば、混合時の分散媒に水を用いたとしても、LiO原料の乾燥時における偏析の影響を排除できる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態によるLi系フェライト焼結体の製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施の形態によるLi系フェライト焼結体は、出発原料の混合、第1の仮焼、反応物へのLiCOの添加、第2の仮焼、反応物への焼結助剤の添加、造粒、成形及び焼成の各工程を経ることにより製造される。以下、各工程について順次説明する。
<出発原料の混合>
出発原料であるFe原料、MnO原料、ZnO原料及び/又はTiO原料としては、当該酸化物または加熱により当該酸化物となる化合物の粉末を用いる。具体的には、Fe粉末、MnCO粉末、ZnO粉末、TiO粉末等を用いることができる。各原料粉末の平均粒径は0.1〜3μmの範囲で適宜選択すればよい。
出発原料を湿式で混合する。湿式混合は、ボールミルを用い、分散媒を水として行うことができる。ボールミルを用いた湿式混合により、各出発原料は粉砕されつつ混合される。
出発原料を湿式混合した後、この混合材料を仮焼(第1の仮焼)する。第1の仮焼は1100〜1300℃の範囲内で行うことにより第1の反応物を得ることが好ましい。第1の仮焼の温度が1100℃未満では、反応物内において反応物を構成する各元素が十分に拡散しないことにより、所望するスピネル型フェライトの生成が不十分となり、ΔHを低減することができない。仮焼の温度が1300℃を超えると、反応物内における各構成元素の拡散は足りるが、反応物が硬くなり、後の粉砕の負担が大きくなる。そこで、本発明では、第1の仮焼の温度を1100〜1300℃とすることが好ましい。より好ましい第1の仮焼の温度は1120〜1280℃、さらに好ましい第1の仮焼の温度は1150〜1250℃である。第1の仮焼の雰囲気は大気〜Oガス雰囲気とすればよい。第1の仮焼の安定時間は0.5〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。なお、本発明は、この段階でLiO原料を添加することを排除するものではない。しかし、第1の仮焼の温度が1100〜1300℃と高温であるため、第1の仮焼の過程で焼結が進行し、後の粉砕が困難になる。
第1の仮焼により得られた反応物(以下、第1の反応物)にLiO原料としてLiCO粉末を添加する。そして、LiCO粉末が添加された第1の反応物を湿式混合して混合材料を得る。この際の湿式混合も、出発原料の湿式混合と同様に、ボールミルを用い、分散媒を水として行うことができる。ボールミルを用いた湿式混合により、第1の反応物及びLiCO粉末は粉砕されつつ混合される。
本発明によれば、第1の反応物にLiO原料であるLiCO粉末を添加する形態を採用することにより、湿式混合の分散媒として水を用いても、乾燥時におけるLiCO原料偏析の影響を排除できる。したがって、本発明によれば、非水溶性の分散媒を用いる必要がないという効果を奏する。なお、湿式混合の分散媒として水を用いても、乾燥時におけるLiCO原料偏析の影響を排除できることの理由は、現時点では明確になっていない。
以上で得られた混合材料を、仮焼(第2の仮焼)する。第2の仮焼は第1の仮焼に比べて低温の800〜1000℃で行われることが好ましい。第2の仮焼をこのような低温で行うのは、Liの焼結体外への飛散を防止し、また、粉砕不可能なまでに焼結が進行することを防ぐためである。ただし、800℃未満では反応物中にLiが十分に拡散することができない。また、仮焼の温度が1000℃を超えると、Liの焼結体外への飛散が顕著となり、また、焼結の進行により後の粉砕が困難になる。第2の仮焼のさらに好ましい温度は800〜950℃、より好ましい温度は800〜900℃である。第2の仮焼の雰囲気は大気〜Oガス雰囲気とすればよい。第2の仮焼の安定時間は0.5〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。
第2の仮焼で得られた反応物(第2の反応物)に、焼結助剤を添加して湿式混合する。焼結助剤としては、Bi及びVの1種又は2種を用いることができる。焼結助剤の添加量は、第2の反応物に対して0.25wt%以下とすればよい。また、湿式混合は、出発原料の湿式混合と同様に、ボールミルを用い、分散媒を水として行うことができる。ボールミルを用いた湿式混合により、第2の反応物及び焼結助剤は粉砕されつつ混合される。この段階で、例えば、平均粒径を0.5〜2μm程度とする。なお、焼結助剤は本発明の必須要素ではない。
主成分及び焼結助剤からなる混合材料は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒に造粒される。造粒は例えばスプレードライヤを用いて行うことができる。混合材料に適当な結合材、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、これをスプレードライヤで噴霧、乾燥する。
得られた顆粒は、例えば所定形状の金型を有するプレスを用いて所望の形状に成形され、この成形体は焼成に供される。
焼成は、950〜1100℃の温度範囲で行うことが好ましい。焼成温度が950℃未満では緻密な焼結体を得ることが困難であり、1100℃を超えると焼結体中に異相であるLiFeOが生成して、ΔH、Msの特性が劣化するからである。さらに好ましい焼成温度は970〜1100℃、より好ましい焼成温度は1000〜1100℃である。
焼成の安定時間は、1〜10時間とすればよい。また、焼成は酸素(O)雰囲気とすることが好ましい。焼成雰囲気を酸素(O)とするのは、Fe2+の生成を抑制することにより、損失を改善するためである。
以上説明したように、LiCOを除く出発原料を一旦仮焼(第1の仮焼)した後に、LiCOを加えて再度仮焼(第2の仮焼)をし、かつ第1の仮焼を相対的に高温で、第2の仮焼を相対的に低温で行うことが本実施の形態の要旨である。そして、高温で行う第1の仮焼により各構成元素の拡散を十分に行い、その後LiCOを添加した後に低温で第2の仮焼を行うことにより、Liの焼結体外への飛散を防止し、なおかつ仮焼粉末の粉砕性を確保しつつ、Li系フェライト反応物を得る。このようにして製造されるLi系フェライト焼結体は、主成分の構成元素の焼結体内における分散度合いが良好で、ΔHを低減することができる。
次に、本発明に適用されるLi系フェライトについて説明する。
本発明は、Li0.5Fe2.5の一般式で示されるスピネル型のLi系フェライトを基本とする。このLi0.5Fe2.5の、Liサイト、FeサイトをZn及びTiの1種又は2種で置換することにより、飽和磁化(Ms)を制御することができる。通常、Liサイト、FeサイトをTiで置換する量が多くなると、飽和磁化(Ms)が低くなる。逆に、FeサイトをZnOで置換する量が多くなると、飽和磁化(Ms)が高くなる。また、Li0.5Fe2.5の一般式で示されるスピネル型のLi系フェライトは、Mnを添加することにより、誘電体損失係数(tanδ)を、無添加の材料に比べて小さくすることができる。
さて、本発明に適用されるLi系フェライトの要旨は以上の通りであるが、焼結体中の主成分としての組成は以下の通りとすることが好ましい。なお、以下の組成は、例えばFeについて言えば、Feの酸化物がFe換算で80〜94wt%含まれることを意味している。また、主成分とは、Li系フェライトを構成する成分のことを言い、焼結助剤を除外することを意図している。
Fe:80〜94wt%、より好ましくは80〜90wt%、さらに好ましくは81〜88wt%
LiO:2.5〜5.2wt%、より好ましくは2.7〜4.7wt%、さらに好ましくは3〜4.5wt%
MnO:3〜3.6wt%、より好ましくは3.1〜3.5wt%、さらに好ましくは3.2〜3.45wt%
ZnO:12wt%以下及びTiO:12wt%以下の1種又は2種、より好ましくはZnO:2〜10wt%及びTiO:2〜10wt%の1種又は2種、さらに好ましくはZnO:3〜8wt%及びTiO:3〜8wt%の1種又は2種
本発明によるLi系フェライト焼結体は、後述する実施例から明らかなように、主成分を構成する元素の焼結体における分散の度合いが高い。この分散の度合いは、CV(CV:Coefficient of Variation:変動係数)値によって特定することができる。CV値は標準偏差を算術平均値で割った値(百分率)であり、この値が小さいほど当該元素の分散の度合いが高いことを示す。本発明によるLi系フェライト焼結体が、主成分を構成する元素の分散の度合いが高いのは、前述した第1の仮焼の温度を1100〜1300℃と高くしていることに起因している。従来のように、LiCOを含めて仮焼を行う場合には、1000℃以下の温度で仮焼を行う必要があったために、主成分を構成する元素の拡散が不十分となり、その分散の度合いが低い。
主成分を構成する元素の分散の度合いが高いことは、1つの元素、例えばFeのCV値が低いことで代表することができる。上述した本発明が適用される組成のLi系フェライト焼結体において、FeのCV値を20%以下とすることができる。この場合、もちろん他の元素のCV値も低いことになる。ここで、CV値が低いとは、LiCOを含めて他の主成分を構成するための原料とともに仮焼を行う場合と比べてCV値が低いことをいう。
(実施例1)
Fe粉末(比表面積2.63m/g)を84.6wt%、MnCO粉末(比表面積12.14m/g)を5.1wt%、ZnO粉末(比表面積1.34m/g)を10.3wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはイオン交換水を使用した。原料粉末、後述する焼結助剤は、以下の実施例、比較例においても同様のものを使用した。
この混合材料を大気中、1200℃で2時間仮焼し反応物を得た。この反応物にLiCO粉末(比表面積0.50m/g)を6.5wt%加え1Lのミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた後、大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。なお、LiCOを6.5wt%加えたことを考慮した各組成物の重量比率を表1に示す。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末(比表面積0.20m/g)を0.2wt%加えイオン交換水を混合用の分散媒とし、1Lのボールミルにて4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。この混合材料の比表面積3.304m/gである。その後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。混合材料、顆粒の平均粒径は、以下の実施例、比較例においても同様である。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSM(振動式磁力計)により飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。さらに、アルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(比較例1)
Fe粉末を79.2wt%、MnCO粉末を4.8wt%、LiCO粉末を6.4wt%、ZnO粉末を9.6wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはエタノールを使用した。
この混合材料を大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.2wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。その後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(実施例2)
Fe粉末を84.9wt%、TiO粉末(比表面積2.46m/g)を5.7wt%、MnCO粉末を5.5wt%、ZnO粉末を3.9wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して 混合材料を得た。混合用の分散媒にはイオン交換水を使用した。
この混合材料を大気中、1200℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物にLiCOを9.4wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた後、大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBiを0.2wt%加えイオン交換水を混合用の分散媒とし、1Lのボールミルにて4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。その後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(比較例2)
Fe粉末を77.1wt%、TiO粉末を5.2wt%、MnCO粉末を5.0wt%、ZnO粉末を3.5wt%、LiCO粉末を9.2wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。
混合用の分散媒にはエタノールを使用した。この混合材料を大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.2wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。この後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(実施例3)
Fe粉末を90.6wt%、TiO粉末を3.9wt%、MnCO粉末を5.5wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはイオン交換水を使用した。
この出発原料を大気中、1200℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物にLiCO粉末を9.9wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた後、大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.2wt%加えイオン交換水を混合用の分散媒とし、1Lのボールミルにて4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。その後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(比較例3)
Fe粉末を81.8wt%、TiO粉末を3.5wt%、MnCO粉末を5.0wt%、LiCO粉末を9.7wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはエタノールを使用した。
この混合材料を大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.2wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。この後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(実施例4)
Fe粉末を87.3wt%、TiO粉末を7.0wt%、MnCO粉末を5.7wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはイオン交換水を使用した。
この混合材料を大気中、1200℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物にLiCO粉末を10.6wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた後、大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.2wt%加えイオン交換水を混合用の分散媒とし、 1Lのボールミルにて4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。この後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(比較例4)
Fe粉末を78.2wt%、TiO粉末を6.3wt%、MnCO粉末を5.1wt%、LiCO粉末を10.4wt%主成分とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。
混合用の分散媒にはエタノールを使用した。これを大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.2wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。この後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(実施例5)
Fe粉末を83.1wt%、TiO粉末を11.2wt%、MnCO粉末を5.7wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはイオン交換水を使用した。
この混合材料を大気中、1200℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物にLiCO粉末を11.6wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた後、大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.21wt%加えイオン交換水を混合用の分散媒とし、1Lのボールミルにて4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。この後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHを測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
(比較例5)
Fe粉末を73.7wt%、TiO粉末を9.9wt%、MnCO粉末を5.1wt%、LiCO粉末を11.3wt%とした出発原料200gを1Lのボールミルにて3時間湿式混合して混合材料を得た。混合用の分散媒にはエタノールを使用した。
この混合材料を大気中、850℃で2時間仮焼し反応物を得た。
この反応物に焼結助剤としてBi粉末を0.21wt%加え1Lのボールミルにてイオン交換水を混合用の分散媒とし4時間湿式混合し、乾燥機で乾燥させた。その後、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液を10wt%添加して顆粒化した。
この顆粒を1ton/cmの圧力で目的形状に成形し、酸素雰囲気中、1050℃で4時間焼成して 特性測定用サンプルとなるLi系フェライト焼結体を得た。
Li系フェライト焼結体をφ6mm×2mmの円柱状に加工し、VSMにて飽和磁化(Ms)を測定した。
また、Li系フェライト焼結体をφ1mmの球状に加工してΔHをJIS C2565にしたがって測定した。またアルキメデス法にて密度(ρ)を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。なお、表2には、焼結体における主成分の組成も示している。
Figure 2007145658
Figure 2007145658
実施例1〜実施例5は、いずれも、主成分について、LiCOを除く原料を仮焼(第1の仮焼)し、その反応物にLiCOを添加した後に再度仮焼(第2の仮焼)を行ったものである。一方、比較例1〜比較例5は、LiCOも含め、全ての主成分の原料を一緒に仮焼したものである。なお、実施例1と比較例1は、表1に示すように、LiCOを含めた主成分の組成がほぼ一致している。実施例2と比較例2〜実施例5と比較例5の関係も同様である。
表2には、ΔHの改善率(%)を示している。このΔHの改善率(%)は、実施例のΔHをΔH、比較例におけるΔHをΔHとした場合、以下の式で求められる値である。
ΔHの改善率(%)=(ΔH−ΔH)/ΔH×100
表1より、主成分について、LiCOを除く原料を高温で仮焼し、その反応物にLiCOを添加した後に再度低温で仮焼を行った実施例1〜実施例5は、各々対応する比較例1〜比較例5に比べてΔHが5〜25%程度低減、つまり改善されていることがわかる。飽和磁化(Ms)については、実施例1〜実施例5は各々対応する比較例1〜比較例5に比べて若干劣化する傾向にあるものの、許容範囲内である。
得られた実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例5の焼結体について、主成分を構成する元素のCV(CV:Coefficient of Variation:変動係数)値を求めた。このCV値が小さいほど、当該元素の分散度合いが高いことを示している。よく知られているようにCV値は標準偏差を算術平均値で割った値(百分率)であり、EPMA(電子プローブマイクロアナライザ)を用いて以下の条件で求めた。測定結果を表3に示す。また、図2に実施例1の、図3に比較例1の、図4に実施例2の、図5に比較例2の、図6に実施例3の、図7に比較例3の、図8に実施例4の、図9に比較例4の、図10に実施例5の、図11に比較例5のEPMAによる元素マッピング像を示す。
<CV値測定条件>
EPMA:日本電子株式会社製 JSM−5400LV
加速電圧:20kV
ビームサイズ:1μm
照射電流:0.041μA
照射時間:10msec/点
測定点:X→256ポイント(0.400μmステップ)
Y→256ポイント(0.400μmステップ)
範囲:102.4μm×102.4μm
倍率:500倍
Figure 2007145658
表3に示すように、LiCOを除く原料を仮焼し、その反応物にLiCOを添加した後に再度仮焼を行った実施例1〜実施例5は、各々対応する比較例1〜比較例5に比べても主成分を構成する元素のCV値が低く、その分散度合いが向上していることが判明した。例えば、Feについては、実施例1〜実施例5のいずれもが、20%以下と低い値を示している。これは、実施例1〜実施例5は、Fe粉末、MnCO粉末、ZnO粉末及び/又はTiO粉末を1200℃と、比較例1〜比較例5の850℃に比べて高温で仮焼を行っているために、Fe、Mn、Zn及びTiの拡散が十分になされたためと解される。そして、このように主成分を構成する各元素の分散度合いが良好なために、ΔHが改善されたものと本発明者等は理解している。
ところで、実施例1〜実施例5は、仮焼前の混合用の分散媒としてイオン交換水を用いている。ところが、以上のΔH、飽和磁化(Ms)の測定結果からすると、Liは焼結体中に必要量存在している。前述したように、LiCOは水溶性であり、従来は水を混合用の分散媒として用いると、粉砕後の乾燥に吸引濾過脱水法を用いた場合は分散媒中に溶出してしまい、焼結体中に所望量のLiを残存させることができなかったし、また、粉砕スラリーを全量回収しバット中で乾燥させる方法ではLiCOの偏析が発生して分散不良を発生させ、特性不良を起こしていた。したがって、LiCOを除く原料を仮焼し、その反応物にLiCOを添加した後に再度仮焼を行う本発明のプロセスが、何らかの理由により乾燥時におけるLiCO原料偏析の影響を排除しているものと見なすことができる。
本実施の形態におけるLi系フェライト焼結体の製造方法を示すフローチャートである。 実施例1のEPMA元素マッピング像である。 比較例1のEPMA元素マッピング像である。 実施例2のEPMA元素マッピング像である。 比較例2のEPMA元素マッピング像である。 実施例3のEPMA元素マッピング像である。 比較例3のEPMA元素マッピング像である。 実施例4のEPMA元素マッピング像である。 比較例4のEPMA元素マッピング像である。 実施例5のEPMA元素マッピング像である。 比較例5のEPMA元素マッピング像である。

Claims (4)

  1. Fe原料、MnO原料、ZnO原料及びTiO原料の1種又は2種を含む混合物を出発原料とし、この出発原料から第1の反応物を得る第1の仮焼工程と、
    前記第1の反応物に、LiO原料を添加した混合物を前記第1の仮焼工程よりも低い温度で加熱保持することにより第2の反応物を得る第2の仮焼工程と、
    前記第2の反応物を所定形状に成形する成形工程と、
    前記成形工程で得られた成形体を焼結する焼成工程と、
    を備えることを特徴とするLi系フェライト焼結体の製造方法。
  2. 前記第1の仮焼工程を1100〜1300℃の温度域で行い、
    前記第2の仮焼工程を800〜1000℃の温度域で行うことを特徴とする請求項1に記載のLi系フェライト焼結体の製造方法。
  3. 前記LiO原料を添加した前記混合物は、水を分散媒とする湿式混合で得られることを特徴とする請求項1又は2に記載のLi系フェライト焼結体の製造方法。
  4. LiO:2.5〜5.2wt%、
    Fe:80〜94wt%、
    MnO:3〜3.6wt%、
    ZnO:12wt%以下及びTiO:12wt%以下の1種又は2種を主成分とする焼結体からなり、
    前記焼結体におけるFeのCV値が20%以下であることを特徴とするLi系フェライト焼結体。
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