JP2007145162A - 船外機の操舵装置 - Google Patents

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Koichi Oka
岡  浩一
Hiroshi Mizuguchi
博 水口
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Abstract

【課題】片ロッド復動型からなる油圧シリンダの特性を積極的に利用することにより、大型化・重量化を回避するようにした船外機の操舵装置を提供する。
【解決手段】伸縮するとき船外機(10)を船体(12)に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダ(60)とを備えると共に、前記油圧シリンダを、前記船体が前進するときのプロペラの回転方向に対して前記油圧シリンダが伸長されるときの前記船外機の左右いずれかの転舵方向(矢印B方向)が相違するようにを配置した。
【選択図】図10

Description

この発明は、船外機の操舵装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載されるように、船外機をアクチュエータによって左右に転舵させるようにしたDBW(Drive By Wire)方式の操舵装置が提案されている。この種の装置にあっては、一般に、船体に配置されたステアリングホイールの操舵角に応じて船外機の目標転舵角を設定し、検出される転舵角が目標転舵値に一致するようにアクチュエータの動作を制御している。また、船外機を転舵させるためのアクチュエータとして片ロッド復動型からなる油圧シリンダなどが用いられる。
特開2002−363828号公報
ところで、船体は、一般的に、船外機のプロペラの回転に対する水の反力によってその回転方向とは逆の方向に傾斜する結果、傾斜した方向に舵をとられる(パドルホイールアクション効果)。例えば、船体後方に取り付けられた船外機を船体後方から見た場合、前進するにあたって船外機のプロペラが左方向に回転されるとき、船体は右に傾斜して右に舵をとられる。このため、一般的に船外機に取り付けられたトリムタブの角度を調整することにより、船体が直進するように補正している。
しかしながら、トリムタブが未調整の場合にあっては、船外機を左右に転舵させるとき、かかるパドルホイールアクション効果が作用する反対側の転舵には大きな操舵力が必要とされる。このことから、船外機を転舵させる油圧シリンダについては、パドルホイールアクション効果によって大きな操舵力が必要とされる転舵方向の操舵力に応じてそのシリンダ容量を決定する必要がある。従って、船外機を転舵させる油圧シリンダは大型化・重量化する傾向にあり、船外機の操舵装置全体も大型化・重量化するという不具合があった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、片ロッド復動型からなる油圧シリンダの特性を積極的に利用することにより、大型化・重量化を回避するようにした船外機の操舵装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、内燃機関で駆動されるプロペラを備えると共に、スイベルシャフトを介して船体に転舵自在に取り付けられた船外機の操舵装置において、前記スイベルシャフトを収容するスイベルケースと、および一端が前記スイベルケースに接続される一方、他端が前記スイベルシャフトに接続され、伸縮するとき前記船外機を前記船体に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダとを備えると共に、前記油圧シリンダを、前記船体が前進するときの前記プロペラの左右いずれかの回転方向に対して前記油圧シリンダが伸長されるときの前記船外機の左右いずれかの転舵方向が相違するように配置する如く構成した。
請求項2に係る船外機の操舵装置にあっては、前記スイベルケースは略矩形状を呈すると共に、前記油圧シリンダはその長手方向が前記スイベルケースの対角線上に位置するように前記スイベルケースと前記スイベルシャフトに接続される如く構成した。
請求項3に係る船外機の操舵装置にあっては、前記船外機は、トリムタブが除去されてなる如く構成した。
請求項1に係る船外機の操舵装置にあっては、伸縮するとき船外機を船体に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダを備えると共に、その油圧シリンダを、船体が前進するときのプロペラの左右いずれかの回転方向に対して油圧シリンダが伸長されるときの船外機の左右いずれかの転舵方向が相違するように配置する如く構成、換言すれば、船外機の左右いずれかの転舵方向に対して片ロッド復動型からなる油圧シリンダの特性を利用する、即ち、収縮されるときに発生する出力荷重に比して大きな伸長されるときに発生する出力荷重をプロペラのパドルホイールアクション効果によって大きな操舵力が必要とされる転舵方向に適用するように構成したので、片ロッド復動型からなる油圧シリンダを効率よく機能させることができ、よって片ロッド復動型からなる油圧シリンダの大型化・重量化を回避することができる。これにより、船外機の操舵装置の大型化・重量化を回避することができる。
また、上記のように構成したので、船体を直進させる際には、片ロッド復動型からなる油圧シリンダを伸長側に可動された位置で保持させることができ、よって油圧シリンダを収縮側に可動された位置で保持させるために必要とされる油圧よりも小さな油圧で船体を直進させることができる。
請求項2に係る船外機の操舵装置にあっては、スイベルケースを略矩形状とすると共に、油圧シリンダはその長手方向がスイベルケースの対角線上に位置するようにスイベルケースとスイベルシャフトに接続される如く構成したので、油圧シリンダの取り付けスペースを最小に抑えることができる。
請求項3に係る船外機の操舵装置にあっては、船外機は、トリムタブが除去されてなる如く構成したので、船外機の構成を簡素にすることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る船外機の操舵装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る船外機の操舵装置を船体も含めて全体的に示す概略図である。図2は、図1に示す船外機の拡大側面図である。
図1および図2において、符号10は船外機を示す。船外機10は、図示の如く、船体(艇体)12の後尾に装着される。尚、図中の符号Wは海水あるいは淡水を示し、符号Sはその水面を示す。
船外機10の鉛直方向において上部には、内燃機関(駆動源。以下「エンジン」という)14が配置される。エンジン14は火花点火式の直列4気筒で2200ccの排気量を備えるガソリンエンジンからなる。船外機10の下部にはプロペラ16が設けられる。プロペラ16は、バーチカルシャフト18およびシフト機構20を介してエンジン14の出力が伝達されて回転し、船体12を前進あるいは後進させる推力を生じる。
また、プロペラ16の後方には、船外機10の鉛直軸方向において角度調整されてパドルホイールアクション効果による取られ舵を補正するトリムタブ22が設けられる。但し、以降においては、トリムタブ22は未調整である(中立位置に設定される)ことを想定して説明する。
図3は、図2に示すシフト機構20付近の部分拡大断面図である。シフト機構20はギヤケース24に収容される。バーチカルシャフト18は、その上端にエンジン14のクランクシャフト(図示せず)が接続される一方、下端にピニオンギア26が設けられる。
ギヤケース24の内部には、水平軸回りに回転自在に支持されたプロペラシャフト28が収容される。プロペラシャフト28の一端はギヤケース24から船外機10の後方に向けて突出され、そこに前記したプロペラ16が取り付けられる。
シフト機構20は、ピニオンギア26、フォワードベベルギヤ30、リバースベベルギヤ32、クラッチ34、シフトスライダ36およびシフトロッド38などの公知の機構から構成される。以下、シフト機構20の動作について簡単に述べる。
クラッチ34がフォワードベベルギヤ30に向けてスライドさせられると、バーチカルシャフト18の回転がピニオンギヤ26、フォワードベベルギヤ30およびクラッチ34を介してプロペラシャフト28に伝達され、よってプロペラ16が回転して船体12を前進させる方向の推力を生じる。これにより、シフト位置としてフォワードポジションが確立される。
一方、クラッチ34がリバースベベルギヤ32に向けてスライドさせられると、バーチカルシャフト18の回転がピニオンギヤ26、リバースベベルギヤ32およびクラッチ34を介してプロペラシャフト28に伝達され、よってプロペラ16が前進時とは逆方向に回転して船体12を後進させる方向の推力を生じる。これにより、シフト位置としてリバースポジションが確立される。
上記は、図1から図3に示されるねじれ方向のプロペラ16を前提としている。従って、プロペラ16のねじれ方向とは逆のねじれ方向を有するプロペラ(後述)であれば、クラッチ34が上記のフォワードベベルギヤ30と係合する位置がリバースポジション、クラッチ34が上記のリバースベベルギヤ32と係合する位置がフォワードポジションとなる。
図2の説明に戻ると、船外機10は、船体12に固定されたスターンブラケット40と、スターンブラケット40に左右軸回り(紙面垂直軸回り)に回転自在に連結されたスイベルケース42と、スイベルケース42に鉛直軸回り(紙面上下軸回り)に回転自在に連結されたマウントフレーム44を備える。マウントフレーム44は、エンジン14やプロペラ16などが搭載された船外機本体10aに接続される。
図4は、図2に示すスターンブラケット40、スイベルケース42およびマウントフレーム44の拡大斜視図である。尚、図4では、スイベルケース42を船外機10がチルトアップされたときの位置で示す。
図4に示すように、スイベルケース42は側方視においてΓ字形状に形成され、船外機10がチルトダウンされたときに水平方向に平行となる水平部42aと、水平部42aから鉛直方向下方に延設された鉛直部42bとを備える。スイベルケース42の鉛直部42bには、円筒部42cが形成される。円筒部42cは、その軸方向が鉛直軸に平行とされる。また、水平部42aの前端付近には、チルティングシャフト50が挿通される。チルティングシャフト50の軸方向は、左右軸に平行とされる。
スターンブラケット40は、スイベルケース42の左右に1個ずつ設けられる。スイベルケース42は、前記したチルティングシャフト50を介し、2個のスターンブラケット40に左右軸回りに回転自在に連結される。
マウントフレーム44は、図2および図4に示す如く、船外機本体10aに接続される接続部44aと、接続部44aから鉛直方向下方に延設されたスイベルシャフト44bとを備える。スイベルシャフト44bは、スイベルケース42の円筒部42cに転舵自在に収容されると共に、その下端はロアマウントセンターハウジング52を介して船外機本体10aに固定される。
このように、船体12に固定されたスターンブラケット40にスイベルケース42を左右軸回りに回転自在に連結することにより、船外機10(より詳しくは船外機本体10a)はチルティングシャフト50を回転軸としてチルトアップ・ダウンおよびトリムアップ・ダウン自在とされる。また、船外機本体10aに固定されたマウントフレーム44をスイベルケース42に鉛直軸回りに回転自在に連結することにより、船外機10はスイベルシャフト44bを転舵軸として左右に転舵自在とされる。
図1および図2の説明に戻ると、船体12の操縦席付近には、操船者によって回転操作自在にステアリングホイール54が配置される。ステアリングホイール54の回転軸56には、操舵角センサ58が取り付けられ、ステアリングホイール54の操舵角に応じた信号を出力する。
また、船外機10は、油圧シリンダ60と転舵角センサ62を備える。転舵角センサ62は、油圧シリンダ60の伸縮によって回転駆動されたスイベルシャフト44bの転舵角に応じた信号を出力する。
船外機10の適宜位置には、マイクロコンピュータからなる電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)64が配置される。図1および図2に示されるように、上記した操舵角センサ58と転舵角センサ62の出力は、ECU64に入力される。ECU64は、操舵角センサ58と転舵角センサ62の出力に基づき、油圧シリンダ60の動作を制御して船外機10を転舵させる。具体的には、ECU64は、検出された操舵角に基づいてスイベルシャフト44bの目標転舵角を決定すると共に、検出されたスイベルシャフト44bの転舵角が目標転舵角と一致するように油圧シリンダ60の動作を制御する。
図5は、船外機10を鉛直方向において上方から見たときのスイベルケース42付近の上面図である。図6は、船外機10を右回りに最大転舵角まで回動させたときのスイベルケース42付近の図5と同様な上面図である。図7は、船外機10を左回りに最大転舵角まで回動させたときのスイベルケース42付近の図5と同様な上面図である。尚、説明の便宜のため、船外機本体10aはその外形線(垂直投影面)として一部のみ示す。また、図5に示される船外機の転舵位置は中立位置である。
図5に示すように、スイベルケース42の上面42d(具体的には、水平部42aの上面)には1個の油圧シリンダ60が配置される。スイベルケース42は上面視において略矩形状を呈し、油圧シリンダ60はその長手方向(シリンダの軸方向)が上面42dの対角線上に位置するように配置される。油圧シリンダ60は、片ロッド復動型(後述)の油圧シリンダからなると共に、2本の油路66,68を介して図示しない油圧ポンプに接続されて油圧を供給されて伸縮駆動される。
マウントフレーム44においてスイベルシャフト44bの直上付近には、ステー70が設けられる。ステー70には、油圧シリンダ60の出力部、具体的にはロッドヘッド60aが鉛直軸回りに回転自在に取り付けられる。
また、スイベルケース42の水平部42aにおいて船体12側の前端付近には、ステー72が設けられる。ステー72には、油圧シリンダ60の本体側、具体的にはシリンダボトム60bが鉛直軸回りに回転自在に取り付けられる。
このように、油圧シリンダ60においては、そのロッドヘッド60aがマウントフレーム44のステー70を介してスイベルシャフト44bに接続されると共に、シリンダボトム60bがステー72を介してスイベルケース42に接続される。
従って、油圧シリンダ60が伸縮されることにより、マウントフレーム44がスイベルシャフト44bを転舵軸として回転し、船外機10(より詳しくは船外機本体10a)がスイベルシャフト44bを転舵軸として左右に(鉛直軸回りに)転舵される。これにより、プロペラ16およびプロペラ16下部のラダーが揺動されて船体12が操舵される。
具体的には、油圧シリンダ60が伸長方向に駆動されることにより、図6に示すように、スイベルシャフト44bおよびマウントフレーム44が船体12に対して上面視において右回りに回動し、即ち、船外機10が上面視において右回りに転舵され、船体12は左回りに操舵(左旋回)される。
一方、油圧シリンダ60が収縮方向に駆動されることにより、図7に示すように、スイベルシャフト44bおよびマウントフレーム44が船体12に対して左回りに回動し、即ち、船外機10は左回りに転舵され、船体12が右回りに操舵(右旋回)される。
また、図5から図7に示されるように、油圧シリンダ60の配置において対角線を形成する角と異なる角の付近には、前記した転舵角センサ62が配置される。転舵角センサ62は、センサロッド74を介してステー70に接続される。従って、スイベルシャフト44bの転舵角は、マウントフレーム44、ステー70およびセンサロッド74を介して転舵角センサ62に伝達され、転舵角センサ62によって検出される。
次いで、油圧シリンダ60の構造および特性について述べる。
図8は、油圧シリンダ60の縦断面を模式的に示す説明図である。前述したように、油圧シリンダ60は片ロッド復動型である。
図8に示すように、油圧シリンダ60は、シリンダ本体部60cと、シリンダ本体部60cの内部を第1の油室60dおよび第2の油室60eに区画しつつ移動するピストン60fと、およびピストン60fの片側に接続されたロッド60gとを備える。ロッド60gはシリンダ本体部60cから突出させられ、その先には前記したロッドヘッド60aが接続される。シリンダ本体60cには、前記した油路66,68と接続されて第1の油室60dおよび第2の油室60eに油圧を供給するための孔60h,60iが穿設される。
第1の油室60dに作動油が供給されると、ピストン60fは第2の油室60e側に移動する。即ち、ピストン60fのロッド60gが接続されない側の面60jに油圧が作用するとき、油圧シリンダ60は伸長させられる。
一方、第2油室60eに作動油が供給されると、ピストン60fは第1の油室60d側に移動する。即ち、ピストン60fのロッド60gが接続される側の面60kに油圧が作用するとき、油圧シリンダ60は収縮させられる。
ここで、面60jの面積S1は、ロッド60gが接続されない分、面60kの面積S2よりも大きい。従って、第1の油室60dに油圧Pが供給されてシリンダ60が伸長するときの出力荷重(S1×P)は、第2の油室60eに油圧Pが供給されてシリンダ60が収縮するときの出力荷重(S2×P)に比して大きい。即ち、片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60は、伸長するときの出力荷重が収縮するときの出力荷重より大きいという特性を有する。
一方、上述したように、トリムタブ22が未調整の場合にあっては、船外機を左右に転舵させるとき、パドルホイールアクション効果が作用する反対側の転舵には大きな操舵力が必要とされる。
発明者達はパドルホイールアクション効果による左右操舵力差と片ロッド復動型の油圧シリンダ60の上記した特性に着目し、油圧シリンダ60が効率よく機能するように配置した。以下、プロペラ16の回転方向と油圧シリンダ60の配置関係を説明する。
図9は、船外機10を船体12の後方から見たときの状態を模式的に示す説明図である。図10は、図6と同様な、船外機10を右回りに最大転舵角まで回動させたときのスイベルケース42付近の上面図である(説明に不要な符合を省略すると共に、船外機本体10aの外形線を全体的に示す)。
図9に示すように、船体12が前進するときのプロペラ16の回転方向(矢印A方向)は左とされる。かかる場合においては、パドルホイールアクション効果によって船体12は右に傾斜して右に舵をとられる。このため、船外機10をその鉛直軸方向上方から見たとき、船体12に対して船外機10を右に転舵させる場合に必要とされる操舵力は、左に転舵させる場合に必要とされる操舵力より大きくなる。
そこで、図10に示されるように、船外機10をその鉛直軸方向上方から見た場合に、油圧シリンダ60が伸長されるとき、船体12に対して船外機10を右(矢印B方向)に転舵させるように(船体12を左旋回させるように)油圧シリンダ60を配置した。
即ち、船体12が前進するときのプロペラ16の回転方向(矢印A方向)に対して油圧シリンダ60が伸長されるときの船外機10の転舵方向(矢印B方向)が相違するように油圧シリンダ60を配置した。
また、船体12は右に舵をとられることから、船外機10の中立位置からやや右方向(矢印B方向)に転舵された位置が船体12の直進性を保持する転舵位置となる。換言すれば、船体12を直進させる際には、油圧シリンダ60はやや伸長側に可動された位置で保持される。
このように、第1実施例に係る船外機10の操舵装置にあっては、伸縮するとき船外機10を船体12に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60を備えると共に、船体12が前進するときのプロペラ16の回転方向を左(矢印A方向)とし、油圧シリンダ60が伸長されるときの船外機10の転舵方向を右(矢印B方向)とする、即ち、油圧シリンダ60を、船体12が前進するときのプロペラ16の回転方向(矢印A方向)に対して油圧シリンダ60が伸長されるときの船外機10の転舵方向(矢印B方向)が相違するように配置した。換言すれば、船外機の転舵方向(矢印B方向)に対して片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60の特性を利用、即ち、収縮されるときに発生する出力荷重(S2×P)に比して大きな伸長されるときに発生する出力荷重(S1×P)をプロペラ16のパドルホイールアクション効果によって大きな操舵力が必要とされる転舵方向(矢印B方向)に適用するように油圧シリンダ60を配置したので、片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60を効率よく機能させることができる。
従って、船外機10を転舵させる油圧シリンダ60については、パドルホイールアクション効果によって大きな操舵力が必要とされる転舵方向の操舵力に応じてそのシリンダ容量を決定する必要があるが、片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60を用いながら、それを効率よく機能させるように配置することにより、片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60の大型化・重量化を回避することができる。これにより、船外機の操舵装置の大型化・重量化を回避することができる。
また、上記のように構成したので、船体12を直進させる際には、片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60を伸長側に可動された位置で保持させることができ、よって油圧シリンダ60を収縮側に可動された位置で保持させるために必要とされる油圧よりも小さな油圧で船体を直進させることができる。
また、スイベルケース42を略矩形状とすると共に、油圧シリンダ60はその長手方向がスイベルケース42の対角線上に位置するようにスイベルケース42とスイベルシャフト44bに接続されるように構成したので、油圧シリンダ60の取り付けスペースを最小に抑えることができる。
また、油圧シリンダ60の配置において対角線を形成する角と異なる角の付近に転舵角センサ62を配置し、センサロッド74を介してステー70に接続されるように構成したので、スイベルケース42の上面42dのスペースを有効に活用することができる。
次いで、この発明の第2実施例に係る船外機の操舵装置について説明する。
図11は、第2実施例に係る船外機の操舵装置に係る船外機を鉛直方向において上方から見たときのスイベルケース42付近の図5と同様な上面図である。尚、第1実施例と共通の構成については、同一の符号を付した。
第1実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第2実施例にあっては、図2および図3の想像線で示されるように、第1実施例のプロペラ16のねじれ方向とは逆のねじれ方向を有するプロペラ16aを備えると共に、シフト機構20のフォワードポジションとリバースポジションの設定を第1実施例のものと相違させた。シフト機構20について、具体的には、クラッチ34がフォワードベベルギヤ30と係合する位置がリバースポジション、クラッチ34がリバースベベルギヤ32と係合する位置がフォワードポジションとなるようにシフト位置の設定を変更した。
また、図11に示すように、第2実施例にあっては、油圧シリンダ60をはじめ、油路66,68、ステー70,72、転舵角センサ62およびセンサロッド74の配置関係を左右対称とした。
即ち、船体12が前進するときのプロペラ16aの回転方向と、油圧シリンダ60が伸長されるときの船外機10の転舵方向のそれぞれを、第1実施例の場合と相違させた。尚、残余の構成は第1実施例と同一である。
このように、第2実施例に係る船外機10の操舵装置にあっては、第1実施例と同様、伸縮するとき船外機10を船体12に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダ60を備えると共に、油圧シリンダ60を、船体12が前進するときのプロペラ16aの回転方向(矢印A方向とは反対方向)に対して油圧シリンダ60が伸長されるときの船外機10の転舵方向(矢印B方向とは反対方向)が相違するように配置した。従って、第1実施例で述べたのと同様な効果が得られる。
次いで、この発明の第3実施例に係る船外機の操舵装置について説明する。
図12は、第3実施例に係る船外機の操舵装置に係る船外機の図2と同様な拡大側面図である。尚、第1および第2実施例と共通の構成については、同一の符号を付した。
第3実施例にあっては、図12に示すように、船外機10からトリムタブ22を除去した。トリムタブ22は、船外機の鉛直軸方向において角度調整されてパドルホイールアクション効果による取られ舵を補正するものであるが、船外機10からトリムタブ22自体を除去したので、船外機を左右に転舵させるとき、パドルホイールアクション効果が作用する反対側の転舵は大きな操舵力が必要とされる。その点において、トリムタブ22自体を船外機10から除去することは、第1実施例のトリムタブ22が未調整の場合と同様である。尚、残余の構成は第1実施例と同一である。
このように、第3実施例に係る船外機10の操舵装置にあっては、船外機10はトリムタブ22が除去されてなる如く構成したので、船外機10の構成を簡素にすることができる。
以上の如く、この発明の第1から第3実施例にあっては、内燃機関(エンジン14)で駆動されるプロペラ(16あるいは16a)を備えると共に、スイベルシャフト(44d)を介して船体(12)に転舵自在に取り付けられた船外機(10)の操舵装置において、前記スイベルシャフトを収容するスイベルケース(42)と、および一端(60b)が前記スイベルケースに接続される一方、他端(60a)が前記スイベルシャフトに接続され、伸縮するとき前記船外機を前記船体に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダ(60)とを備えると共に、前記油圧シリンダを、前記船体が前進するときの前記プロペラの左右いずれかの回転方向(例えば、矢印A方向)に対して前記油圧シリンダが伸長されるときの前記船外機の左右いずれかの転舵方向(例えば、矢印B方向)が相違するように配置する如く構成した。
また、前記スイベルケースは略矩形状を呈すると共に、前記油圧シリンダはその長手方向が前記スイベルケースの対角線上に位置するように前記スイベルケースと前記スイベルシャフトに接続される如く構成した。
また、この発明の第3実施例にあっては、前記船外機は、トリムタブ(22)が除去されてなる如く構成した。
この発明の第1実施例に係る船外機の操舵装置を船体も含めて全体的に示す概略図である。 図1に示す船外機の拡大側面図である。 図2に示すシフト機構付近の部分拡大断面図である。 図2に示すスターンブラケット、スイベルケースおよびマウントフレームの拡大斜視図である。 図2に示す船外機を鉛直方向において上方から見たときのスイベルケース付近の上面図である。 船外機を右回りに最大転舵角まで転舵させたときのスイベルケース付近を上方から見た図5と同様な上面図である。 船外機を左回りに最大転舵角まで転舵させたときのスイベルケース付近を上方から見た図5と同様な上面図である。 図2などに示す油圧シリンダの縦断面を模式的に示す説明図である。 図2に示す船外機を船体の後方から見たときの状態を模式的に示す説明図である。 図2に示す船外機を右回りに最大転舵角まで回動させたときのスイベルケース42付近の図6と同様な上面図である。 この発明の第2実施例に係る船外機の操舵装置に係る船外機を鉛直方向において上方から見たときのスイベルケース付近の図5と同様な上面図である。 この発明の第3実施例に係る船外機の操舵装置に係る船外機の図2と同様な拡大側面図である。
符号の説明
10:船外機、12:船体、14:エンジン(内燃機関)、16,16a:プロペラ、22:トリムタブ、42:スイベルケース、44d:スイベルシャフト、60:油圧シリンダ、60a:ロッドヘッド、60b:シリンダボトム

Claims (3)

  1. 内燃機関で駆動されるプロペラを備えると共に、スイベルシャフトを介して船体に転舵自在に取り付けられた船外機の操舵装置において、前記スイベルシャフトを収容するスイベルケースと、および一端が前記スイベルケースに接続される一方、他端が前記スイベルシャフトに接続され、伸縮するとき前記船外機を前記船体に対して転舵させる片ロッド復動型からなる油圧シリンダとを備えると共に、前記油圧シリンダを、前記船体が前進するときの前記プロペラの左右いずれかの回転方向に対して前記油圧シリンダが伸長されるときの前記船外機の左右いずれかの転舵方向が相違するように配置したことを特徴とする船外機の操舵装置。
  2. 前記スイベルケースは略矩形状を呈すると共に、前記油圧シリンダはその長手方向が前記スイベルケースの対角線上に位置するように前記スイベルケースと前記スイベルシャフトに接続されることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。
  3. 前記船外機は、トリムタブが除去されてなることを特徴とする請求項1または2記載の船外機の操舵装置。
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