JP2007144613A - 有機膜研磨用研磨液及びこれを用いた有機膜の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨速度を保ちつつ色間段差を効率的に解消することができ、さらに画素内での着色層の膜厚が均一である、液晶ディスプレイ用カラーフィルターの研磨に好適な有機膜研磨用研磨液及びこれを用いた有機材料の膜(有機膜)の研磨方法を提供する。
【解決手段】砥粒、水溶性ポリマー及び水を含む研磨液であり、研磨液中の砥粒のゼータ電位が正である有機膜研磨用研磨液、及び研磨する有機膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、前記研磨液を有機膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に動かして有機膜を研磨する有機膜の研磨方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機材料表面の研磨に関するものであり、特に液晶ディスプレイ用カラーフィルター等の有機材料の膜表面の平坦化に適した有機膜研磨用研磨液及びこれを用いた有機膜の研磨方法に関する。
テレビ画面やデスクトップ用ディスプレイの大型化に伴い液晶ディスプレイの普及が顕著である。現在の液晶ディスプレイの主流がカラーTFT−LCDであり、その構造は2枚のガラス基板の間に、液晶ディスプレイパネルをカラー化させるR(赤)G(緑)B(青)の各画素からなるカラーフィルターが形成されている。このカラーフィルターの形成は、液状のカラーレジストを使用する方法が一般的であり、各色ごとにカラーレジスト塗布、パターニングを繰り返して膜状のRGBのカラーフィルターを形成する。これらカラーフィルターの材質は、主にアクリル樹脂等の有機材料と、顔料等の着色剤からなる。
このカラーフィルター形成時に、二色目又は三色目のカラーレジストは平滑な基板ではなく、すでに他の色のカラーフィルターが形成されている基板に塗布、パターニングを行うことになり、最終的に形成されるRGBカラーフィルターには隣接するRGB画素間の膜厚差(画素間段差または色間段差ともいう。)が生じることが避けられない。この色間段差は、液状のカラーレジスト使用時に顕著であるが、フィルム状のカラーレジスト使用時にも見られる。
また、色間段差以外にもRGBの各画素間に遮光を目的として形成されるブラックマトリックスが、従来のクロムから樹脂に置き換わることにより膜厚が増し、画素とブラックマトリックスが重なる部分のカラーフィルターが局部的に盛り上がることにより、画素内でも段差が発生する。これらの段差は液晶ディスプレイを構成する2枚のガラス基板の隙間であるセルギャップの不均一による液晶密度のばらつきや色むら、さらにはギャップそのものの寸法に制限を与え、パネル性能に悪影響を及ぼすことがある。
そこで、このような段差を平坦化するため、種々の研磨液を用いて研磨することが提案されている。例えば、特許文献1には、シリカスラリーを用いてシリコン酸化膜を研磨する方法が提案されている。
特開2000−208541号公報
しかしながら、ゼータ電位が負である研磨液を使用した場合、色間段差や断面形状は優れているが、研磨速度が小さい問題がある。一方ゼータ電位が正の研磨液を使用した場合は研磨速度は大きいものの、色間段差が大きくなり、かつ、画素の仕上がりが中心と端で色材の厚さが大きく異なり、端が丸みを帯びた形状となって断面形状に劣るといった問題があった。
そこで、研磨速度が大きく、研磨後の色間段差が小さく、断面形状が良好な研磨液が望まれていた。
本発明の目的は、研磨速度を保ちつつ色間段差を効率的に解消することができ、さらに画素内での膜厚が均一である、液晶ディスプレイ用カラーフィルターの研磨に好適な有機膜研磨用研磨液及びこれを用いた有機材料の膜(有機膜)の研磨方法を提供することである。
本発明は、砥粒、水溶性ポリマー及び水を含む研磨液であり、研磨液中の砥粒のゼータ電位が正である有機膜研磨用研磨液に関する。
また、本発明は、砥粒の研磨液中におけるゼータ電位が、+20mV〜+100mVの範囲である有機膜研磨用研磨液に関する。
また、本発明は、砥粒が、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアから選ばれた1種以上である有機膜研磨用研磨液に関する。
また、本発明は、砥粒を分散させるための分散剤を含有してなる有機膜研磨用研磨液に関する。
また、本発明は、水溶性ポリマーが、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルアクリルアミドから選ばれた1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液に関する。
また、本発明は、研磨液のpHが、3〜12である有機膜研磨用研磨液に関する。
また、本発明は、有機膜が液晶パネル用カラーフィルター、液晶パネル用透明樹脂又は液晶パネル用ブラックマトリクスである有機膜研磨用研磨液に関する。
さらに、本発明は、研磨する有機膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、前記のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液を有機膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に動かして有機膜を研磨する有機膜の研磨方法に関する。
本発明の有機膜研磨用研磨液を用いれば、研磨によりカラーフィルターの断面形状が良好な状態で、画素内での膜厚差および色間段差を解消することができ、有機材料の研磨方法に極めて好適である。このためカラーフィルター製造の高品質化に寄与することができる。
本発明で、有機膜研磨用研磨液中での砥粒のゼータ電位は、正であり、+20mV〜+100mVの範囲であることが好ましく、+30mV〜+90mVの範囲であることがより好ましい。本発明における被研磨膜である有機膜の多くは広いpH領域で負のゼータ電位を示し、このことから砥粒のゼータ電位が正であれば被研磨膜との間に引力を生じさせることができ、高い研磨速度を得ることができる。
なお、本発明において、研磨液中での砥粒のゼータ電位とは、研磨液を遠心分離した上澄み液を電気泳動法により測定したゼータ電位を指す。具体的には、砥粒のゼータ電位は、研磨液を遠沈管に25g量り取った後、25℃、8000min−1で30分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定する。
アクリル樹脂をベースとしたカラーフィルターのゼータ電位のpH依存性を図1に示す。図1は、ガラス基板に形成された緑色単色のカラーフィルターをカッターで0.1g削り取り、50mlの純水中に超音波分散により分散させた後、硝酸もしくは水酸化カリウム水溶液を用いて所望のpHにし、上記研磨液と同様に遠心分離し測定したゼータ電位のグラフである。
ここで、電位が高すぎると被研磨膜への付着が増加し、研磨後の被研磨膜表面を清浄に保つことが難しくなる傾向がある。
一方、ゼータ電位が20mV未満の領域では砥粒間の斥力が低下することで砥粒の凝集が生じ、安定した研磨液が得にくい場合があると共に、被研磨膜との引力が比較的小さくなることから十分な研磨速度を得にくい場合がある。
本発明における砥粒としてはアルミナ、シリカ、セリア、ジルコニア、チタニア、酸化鉄、酸化マンガンなどのケイ素及び金属元素の酸化物からなる粒子を用いることができる。このうち、好ましいのはアルミナ、シリカ、セリアである。
砥粒のゼータ電位が正であれば高い研磨速度を得ることができるが、それだけではカラーフィルターの仕上がり形状(色間段差、断面形状)を良好なものとすることは難しい。多くの場合、砥粒のゼータ電位が負の研磨液に比べ色間段差が増加し、断面形状は悪化する。そこで、水溶性ポリマーを研磨液中に添加することで、砥粒のゼータ電位が正で高い研磨速度を示しつつ、仕上がり形状が良好な研磨液とすることができる。
水溶性ポリマーは、ゼータ電位を正にする必要があることから、例えば、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルアクリルアミドなどの水溶性陽イオン性ポリマーが好ましい。
水溶性陽イオン性ポリマーとしては、他にココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
また、研磨液中の砥粒のゼータ電位が正であれば水溶性非イオン性ポリマー水溶性両性ポリマーを使用してもよい。
水溶性両性ポリマーとしては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
また、水溶性非イオン性ポリマーとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
これらのポリマー添加量は、分散液又は研磨液中や研磨液中の粒子の分散性及び沈降防止との関係から、砥粒100質量部に対して、0.01質量部〜2.0質量部の範囲が好ましい。分散剤の分子量は、100〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。分散剤の分子量が100未満の場合は、有機膜を研磨するときに、十分な研磨速度が得られなくなることがあり、分散剤の分子量が50,000を超えた場合は、粘度が高くなり、研磨液の保存安定性が低下することがある。
研磨液のpHは3〜12の範囲が好ましく、3.5〜11の範囲がより好ましい。図1から分かるように、被研磨膜のゼータ電位はpHが3以上の領域で負となっており、このpH領域で研磨砥粒との引力が発生する。よってpHが低すぎると研磨砥粒と被研磨膜間で引力が発生せず、十分な研磨速度が得られない。また、pHが高すぎると被研磨膜の膨潤が生じる場合があり、好ましくない。
本発明の研磨液中の砥粒の平均粒子径は、0.01μm〜20μmであることが好ましく、0.02μm〜10μmあることがより好ましく、0.05μm〜10μmであることがさらに好ましい。砥粒の平均粒子径が0.1μm未満であると研磨速度が低くなりすぎ、20μmを超えると研磨する膜に傷がつき易くなるからである。なお、本発明において平均粒子径とはレーザ回折式粒度分布計で測定した累積中央値を示す。
砥粒を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミルなども使用でき、特に限定されない。
本発明の有機膜の研磨方法は、有機膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、上記本発明の研磨液を有機膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に動かして有機膜を研磨する。
以下、基板表面に形成した液晶RGBカラーフィルターの研磨方法について説明するが、このような有機材料の研磨方法に限定されるものではない。
本発明の有機膜の研磨方法において、使用できる研磨装置としては、基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付けられ、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある定盤とを有する一般的な研磨装置でよく、特に制限はない。
また、研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等特に制限はないが、研磨布に研磨液がたまるような溝加工を施すことが好ましい。
さらに、研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200min−1以下の低回転が好ましく、また、基板にかける圧力は研磨後に、基板の研磨表面に傷が発生しないように9.8×10Pa以下(1kg/cm以下)以下にすることが好ましい。
本発明の研磨液を研磨装置に供給する方法は、研磨している間、研磨布に研磨液をポンプ等で連続的に供給できれば特に制限はない。
さらに、この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤなどを用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本発明の研磨液は液晶パネル用カラーフィルターの他、液晶パネル用透明樹脂、液晶パネル用ブラックマトリクス等の有機材料の膜の研磨に使用できる。
液晶パネル用透明樹脂とは、主にアクリル系の樹脂で、オーバーコート材も含まれる。オーバーコート以外の用途としては、カラーフィルターの透過部やカラーフィルター上に形成される透明な樹脂によるパターンで、液晶の配向方向を制御すること等に用いられる。
液晶パネル用ブラックマトリクスとしては、アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂等が使用される。

本発明の研磨液および有機膜の研磨方法に適用できる有機材料としては、フェノール、エポキシ、不飽和ポリエステル、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルホルマリン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレンなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらの中で、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレンなどのフッ素樹脂を用いると膜の低誘電率化に有効であり、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いると膜の耐熱性に有効であるが、特に制限は無い。
以下、本発明の実施例、比較例をあげてさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
(カラーフィルター基板の作製)
清浄な5cm角のガラス基板表面に1500Åのクロム薄膜層をスパッタ法にて形成した。その後、液状レジスト(ローム アンド ハース社製、PHOTOPOSIT SN 50A)を塗布し、マスク露光後、現像処理を行い不要なレジスト層を除去した。さらに2%硝酸アンモニウムセリウム溶液にてエッチング処理を行い、ラインアンドスペースが30/70μm幅のクロム層(ブラックマトリクス)を形成した。
次に、赤色顔料を含むカラーフィルター用樹脂(日立化成工業(株)製アクリル系樹脂、商品名PD−500)を塗布した。ブラックマトリクス間のガラス基板上に3本間隔となるようにマスク露光を行い、剥離、ベーク処理を経て、厚さ15000Å、70μm幅のカラーフィルター(赤)を形成した。同様に緑色、青色のカラーフィルターを形成し、評価用カラーフィルター基板を得た。
実施例1
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間、空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。X線回折法でこの粉末の相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。
また、焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。
さらに、焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察され、粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、体積分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。
次に、この酸化セリウム粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕し、粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察した。結晶子径と同等サイズの微粒子の他に、1〜3μmの大きな多結晶粒子と0.5〜1μmの多結晶粒子が混在していた。
(酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液の作製)
上記で作製した酸化セリウム粒子1kgとポリアリルアミン2.5gと脱イオン水8997.5gとを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られた研磨液を1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより1wt%酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液を得た。この酸化セリウム系研磨液のpHは8.4であった。
また、酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が240nmであった。
さらに、酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+48mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後に酸化セリウム系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上に塗膜(カラーフィルター)面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%酸化セリウム系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で1310nm/minと高速であった。
また、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が93nm程度と小さく、さらに画素内の端と中央で厚さの差がほとんどみられず、断面形状は良好であった。
なお、表中の「断面形状」は、研磨後のカラーフィルター基板の中央付近、任意の場所を上述の段差計で1000μmスキャンして観察された画素断面を観察し、次のように評価した。各画素の中央と、画素端部から中央方向へ4μmの地点との膜厚差を求め、段差計観察データ内で最も膜厚差の大きかった画素における値を代表値とした。この代表値が〜0.4kÅが○(良)、0.4〜0.8kÅが△(やや不良)、0.8kÅ〜が×(不良)とした。
実施例2
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で、2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。X線回折法でこの粉末の相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。
また、焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。
さらに、焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察され、粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、体積分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。
次に、この酸化セリウム粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕し、粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察した。結晶子径と同等サイズの微粒子の他に、1〜3μmの大きな多結晶粒子と0.5〜1μmの多結晶粒子が混在していた。
(酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液の作製)
上記で作製した酸化セリウム粒子1kgとポリビニルピロリドン10gと脱イオン水8990gを混合し、さらに攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られた研磨液を1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより1wt%酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液を得た。この酸化セリウム系研磨液のpHは5.8であった。
また、この酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が247nmであった。
さらに、この酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+38mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後に酸化セリウム系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上にカラーフィルター面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%酸化セリウム系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差およびその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で440nm/minと高速であった。
また、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が71nm程度と小さく、さらに画素内の端と中央で厚さの差がほとんどみられず、断面形状は良好であった。
実施例3
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。X線回折法でこの粉末の相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。
また、焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。
さらに、焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察され、粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、体積分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。
次に、この酸化セリウム粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕し、粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察した。結晶子径と同等サイズの微粒子の他に、1〜3μmの大きな多結晶粒子と0.5〜1μmの多結晶粒子が混在していた。
(酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液の作製)
上記で作製した酸化セリウム粒子1kgとポリエチレンイミン2.5gと脱イオン水8997.5gとを混合し、さらに攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られた研磨液を1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより1wt%酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液を得た。この酸化セリウム系研磨液のpHは8.5であった。
また、酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が233nmであった。
さらに、この酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+51mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後に酸化セリウム系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径およびゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上に塗膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%酸化セリウム系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で960nm/minと高速であった。また、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が97nm程度と小さく、さらに画素内の端と中央で厚さの差がほとんどみられず、断面形状は良好であった。
実施例4
純度99.9%のα−アルミナ粉末を純水中に懸濁し超音波分散後、分級により粗大粒子を取り除き平均粒径0.3μm、濃度10wt%のα−アルミナ懸濁液を作製した。このα−アルミナ懸濁液10質量部にポリアリルアミン0.025質量部及び水89.975質量部を加えて溶解し、α−アルミナ系有機膜研磨用研磨液を得た。このα−アルミナ系研磨液のpHは9.8であった。
また、α−アルミナ系研磨液中のα−アルミナ粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が257nmであった。
さらに、この研磨液中のα−アルミナ粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+32mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後にα−アルミナ系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上にカラーフィルター面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%α−アルミナ系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で970nm/minと高速であった。
また、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が103nm程度と小さく、さらに画素内の端と中央で厚さの差がほとんどみられず、断面形状は良好であった。
実施例5
純度99.9%のα−アルミナ粉末を純水中に懸濁し超音波分散後、分級により粗大粒子を取り除き平均粒径0.3μm、濃度10wt%のα−アルミナ懸濁液を作製した。このα−アルミナ懸濁液10質量部にポリビニルピロリドン0.1質量部及び水89.9質量部を加えて溶解し、α−アルミナ系有機膜研磨用研磨液を得た。得られたα−アルミナ系研磨液のpHは5.5であった。α−アルミナ系研磨液中のα−アルミナ粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が243nmであった。
さらに、この研磨液中のα−アルミナ粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+39mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後にα−アルミナ系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上にカラーフィルター面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%α−アルミナ系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で1584nm/minと高速であった。
また、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が104nm程度と小さく、さらに画素内の端と中央で厚さの差がほとんどみられず、断面形状は良好であった。
比較例1
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。X線回折法でこの粉末の相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。
また、焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。
さらに、焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察され、粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、体積分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。
次に、この酸化セリウム粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕し、粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察した。結晶子径と同等サイズの微粒子の他に、1〜3μmの大きな多結晶粒子と0.5〜1μmの多結晶粒子が混在していた。
(酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液の作製)
上記で作製した酸化セリウム粒子1kgと脱イオン水9000gを混合した後、10wt%硝酸水溶液を添加することでpHを3.8とし、さらに攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られた研磨液を1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより1wt%酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液を得た。この酸化セリウム系研磨液のpHは3.8であった。
また、酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が210nmであった。
さらに、この酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+52mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後に酸化セリウム系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上にカラーフィルター面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%酸化セリウム系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で1800nm/minと高速であった。しかし、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差は160nm程度と比較的大きく、画素内の端と中央で厚さの差が大きく、形状が丸みを帯びたものとなり、断面形状は不良であった。
比較例2
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。X線回折法でこの粉末の相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。
また、焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。
さらに、焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察され、粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、体積分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。
次に、この酸化セリウム粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕し、粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察した。結晶子径と同等サイズの微粒子の他に、1〜3μmの大きな多結晶粒子と0.5〜1μmの多結晶粒子が混在していた。
(酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液の作製)
上記で作製した酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩10gと脱イオン水8990gとを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られた研磨液を1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより1wt%酸化セリウム系有機膜研磨用研磨液を得た。この酸化セリウム系研磨液のpHは8.3であった。
また、酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が190nmであった。
さらに、この酸化セリウム系研磨液中のセリウム粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、−69mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後に酸化セリウム系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上にカラーフィルター面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%酸化セリウム系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で240nm/minと比較的低速であった。研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が142nm程度と比較的大きかった。画素内の端と中央で厚さの差がほとんどみられず、断面形状は良好であった。
比較例3
(α−アルミナ系有機膜研磨用研磨液の作製)
純度99.9%のα−アルミナ粉末を純水中に懸濁し超音波分散後、分級により粗大粒子を取り除き平均粒径0.3μm、濃度10wt%のα−アルミナ懸濁液を作製した。このα−アルミナ懸濁液10質量部に90質量部を加えて溶解し、α−アルミナ系有機膜研磨用研磨液を得た。得られたα−アルミナ系研磨液のpHは6.7であった。
また、α−アルミナ系研磨液中のα−アルミナ粒子の平均粒子径をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径の中央値が190nmであった。
さらに、この研磨液中のα−アルミナ粒子のゼータ電位を測定するため、8000min−1、10分間遠心分離し、その上澄み液をマルバーン社製ゼータサイザー3000HSでゼータ電位を測定した。その結果、+50mVと分散性は良好であった。
また、1、3、6ヶ月後にα−アルミナ系研磨液を十分攪拌した後に、粒子径及びゼータ電位を測定したところ、作製時と顕著な差は見られなかった。
(カラーフィルターの研磨)
研磨装置(株式会社ナノファクター製、FACT−200)の基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに2cm角に切断した上記カラーフィルター基板をセットし、発泡ポリウレタンの研磨パッドを貼り付けた定盤上にカラーフィルター面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に上記1wt%α−アルミナ系研磨液を10ml/minで滴下しながら、定盤を50min−1で30秒間回転させ、カラーフィルターを研磨した。
研磨後フィルターをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄し、洗浄液、超音波洗浄機によってさらに20分間洗浄した。洗浄後、窒素ブローにより乾燥させた。乾燥後、段差計Dektak V200−Si(Veeco社製型番)を用いて、研磨後のガラス基板とカラーフィルター表面の段差を測定し研磨速度を見積もった。画素間段差及びその形状を測定した。研磨結果を表1に示す。
ガラス基板とカラーフィルターとの段差から算出した研磨速度は赤色部で1880nm/minと高速であった。また、研磨後のカラーフィルターは画素間での段差が174nm程度と比較的大きかった。
さらに画素内の端と中央で厚さの差が大きく、形状が丸みを帯びたものとなり、断面形状は不良であった。
Figure 2007144613
pHとカラーフィルターのゼータ電位の関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 砥粒、水溶性ポリマー及び水を含む研磨液であり、研磨液中の砥粒のゼータ電位が正である有機膜研磨用研磨液。
  2. 砥粒の研磨液中におけるゼータ電位が、+20mV〜+100mVの範囲である請求項1記載の有機膜研磨用研磨液。
  3. 砥粒が、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアから選ばれた1種以上である請求項1又は2記載の有機膜研磨用研磨液。
  4. 砥粒を分散させるための分散剤を含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液。
  5. 水溶性ポリマーが、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルアクリルアミドから選ばれた1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液。
  6. 研磨液のpHが、3〜12である請求項1〜5のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液。
  7. 有機膜が液晶パネル用カラーフィルター、液晶パネル用透明樹脂又は液晶パネル用ブラックマトリクスである請求項1〜6のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液。
  8. 研磨する有機膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、請求項1〜7のいずれかに記載の有機膜研磨用研磨液を有機膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして有機膜を研磨する有機膜の研磨方法。
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