JP2007141770A - 防水ゴム栓 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防水ゴム栓30は、被覆電線10の挿通孔31を有する筒状で、ハウジングのキャビティ内に嵌着される栓本体32の前面に、端子金具のインシュレーションバレル部の一対のバレル片27がかしめられる小径の取付筒部36が連設されている。取付筒部36の内周面には、8本の円周溝37が、長さ方向に等間隔を開けて形成される。被覆電線10の被覆12の端末が取付筒部36に挿通された状態で、一対のバレル片27が前後にラップしてかしめられる。バレル片27はスプリングバックを見越して相当量かしめられ、かしめられた部分の肉は内周側に押し出されて、被覆12の外周に押し付けられるが、その押し出された肉は、円周溝37を埋めるようにして逃がされる。バレル片27の前後から肉が外周側に逃げることが回避される。
【選択図】図4
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、バレル片のかしめに伴って損傷を受けることを避け得るようにした防水ゴム栓を提供するところにある。
防水ゴム栓のかしめ領域にバレル片がかしめられると、同領域の肉が内周側に押し付けられるが、その肉は同領域の内周面に凹み形成された逃がし部内に逃がされ、したがってバレル片の前後から肉が外周側に逃げることが無くなる。そのため、バレル片の端部付近で肉に対してせん断力が作用することが回避され、亀裂が生じる等の損傷を受けることが防止される。
バレル片の前後から肉が外周側に逃げることを確実に回避するには、バレル片の端縁の付近において肉を逃がし部に逃がすことが有効である。一方、バレル片のかしめ位置は、前後方向すなわちかしめ領域の長さ方向にずれるおそれがあるが、この発明では、逃がし部が、長さ方向に間隔を開けた複数条の溝部によって構成されているから、バレル片のかしめ位置が前後にずれたとしても、バレル片の端縁付近の肉をいずれかの溝部に対して逃がすことができる。すなわちバレル片のかしめ位置が少々ずれたとしても、バレル片の前後から肉が外周側に逃げることを確実に回避できる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
本実施形態の防水ゴム栓30(以下、単にゴム栓30という)は、図5に示すように、被覆電線10の端末に固着された端子金具20の後方に設けられ、端子金具20がハウジング15のキャビティ16内に挿入されて抜け止めされたところで、ゴム栓30がキャビティ16の入口16A内に緊密に嵌着され、キャビティ16に対するシールが取られるようになっている。
被覆電線10は、芯線11の外周に被覆12が施された周知の構造であって、その端末部分では、被覆12の端末が所定寸法切除されることにより、芯線11の端末が被覆12の端末から突出した形態に処理される。
ワイヤバレル部22は、円弧状に形成された底壁23の左右の端縁から、幅広で背の低いバレル片24が対向状に立ち上がり形成されており、両バレル片24が、被覆電線10における芯線11の端末に、断面略ハート形をなすようにかしめられることで、固着されるようになっている。
大径の後部側は、キャビティ16の入口16Aに緊密に嵌着される栓本体32であって、栓本体32の外周面には、前部側において図示2条のリップ33が形成されている。また内周面にも、図示2条のリップ34が、外周側のリップ33とは互い違いの位置に形成されている。
そして、この取付筒部36の内周面には、全周にわたって連続した円周溝37が、図示8本、長さ方向に等間隔を開けて形成されている。これらの円周溝37が、本発明の溝部、さらには逃がし部に相当する。円周溝37は、後記するように取付筒部36の外周にバレル片27がかしめられて、当該取付筒部36の肉が内周側に押し出された場合に、その押し出された分の肉を逃がすことができる容量が確保できるように、その溝幅と深さとが設定されている。
被覆電線10の端末に端子金具20及びゴム栓30を固着するに当たっては、まず被覆電線10の端末をゴム栓30の挿通孔31に後方から挿通して、一旦前方に貫通させ、既述したように、被覆12の端末を切除して芯線11の端末を所定寸法露出させる端末処理を施す。そののち、被覆12の切除端が、取付筒部36の前面から少し出る程度まで、被覆電線10を引き戻す。上記のように、被覆電線10の端末にゴム栓30が組み付けられたら、図示しないかしめ装置の下型(アンビル)にセットされた端子金具20に対してゴム栓30が載せられる。
ここで、インシュレーションバレル部25の両バレル片27をかしめるについては、そのスプリングバックを見越して、取付筒部36を相当量、例えば図3に示すように同取付筒部36の厚さの半分強の寸法を潰すようにかしめられる。
なお、かしめ作業が終わった後には、バレル片27がスプリングバックにより少し開くが、それを見越して予め多めにかしめているから、図4に示すように、バレル片27は未だ、取付筒部36を弾性的に潰しつつ被覆12の端末を抱きかかえ、ゴム栓30は、被覆電線10ともども端子金具20に対して確実に固着される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)インシュレーションバレル部のバレル片の形態としては、3本以上が左右両側から互い違いに形成されていたり、1本のみが形成されているものであってもよい。
(2)また、対をなすバレル片が左右で対向状に形成されて、内外に重なるようにかしめられる形式であってもよい。
(4)一部既述したように、円周溝の溝幅や深さ、さらに本数については、バレル片がかしめられることに伴い取付筒部の肉が内周側に押し出される量等の条件に応じて、任意に設定することができる。
その場合、バレル片の端縁付近において肉を逃がし部に逃がすことが、バレル片の前後から肉が外周側に逃げることを回避することに最も有効であることに鑑み、円周溝は、少なくともバレル片の端縁付近に対応する位置に形成することが望ましい。
(6)適用する端子金具は、上記実施形態に例示した雌側の端子金具に限らず、雄側の端子金具であってもよい。
12…被覆
15…ハウジング
16…キャビティ
20…端子金具
25…インシュレーションバレル部
27…バレル片
30…防水ゴム栓
31…挿通孔
32…栓本体
36…取付筒部(かしめ領域)
37…円周溝(溝部;逃がし部)
Claims (2)
- 電線が挿通可能な筒状をなし、端子金具に設けられたバレル片が外周から抱くようにかしめられることで、電線とともに端子金具に固定される防水ゴム栓において、
前記バレル片がかしめられる領域の内周面には、当該領域の肉を逃がす逃がし部が凹み形成されていることを特徴とする防水ゴム栓。 - 前記バレル片のかしめ領域の内周面には、周方向に沿った溝部が複数条長さ方向に間隔を開けて形成され、これらの溝部によって前記逃がし部が構成されていることを特徴とする請求項1記載の防水ゴム栓。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5700729B1 (ja) * | 2013-12-25 | 2015-04-15 | 日本デルファイ・オートモーティブ・システムズ株式会社 | 防水コネクタ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1069938A (ja) * | 1996-08-29 | 1998-03-10 | Yazaki Corp | 防水コネクタ |
JP2004265661A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Ryosei Electro-Circuit Systems Ltd | 電気コネクタのシール部材 |
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2005
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