JP5131134B2 - ゴム栓及び防水コネクタ - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ゴム栓から引き出された電線が繰り返し振動を受けたような場合にも、芯線が断線を起こすことを防止するところにある。
すなわち、ゴム栓のテーパ部が曲げ力を吸収して電線が緩やかに曲げられることに留め、また等径部においてシール性が確保される。
(1)前記電線が、金属製の芯線を絶縁被覆で覆った構造であって、この電線における前記芯線の端末には端子金具のワイヤバレルが圧着されるとともに、前記絶縁被覆の端末には前記ゴム栓が嵌装されて、同ゴム栓の前記取付部並びに前記絶縁被覆の端末には、前記端子金具のインシュレーションバレルが圧着されている。
本発明の一実施形態を図1ないし図5によって説明する。
本実施形態では、アルミ電線10の端末に雌側の端子金具20(以下、雌端子金具20)が接続され、同雌端子金具20が雌側のコネクタハウジング40(以下、雌ハウジング40)のキャビティ41内に挿入され、それとともにゴム栓30でキャビティ41の後端部(入口46)を塞いでシールするようにした防水コネクタが例示されている。
端子接続部21の内部には、底板22の前縁から折り返されるようにして弾性接触片23が設けられており、同端子接続部21に対して上記した相手の雄端子金具のタブが前方から挿入され、弾性接触片23と弾性的に接触することにより、雄端子金具と雌端子金具20とが電気的に接続されるようになっている。端子接続部21の底面には、ランス孔(図示せず)が形成されている。
一方、アルミ電線10の残された絶縁被覆13の端末には、後記するゴム栓30が嵌装され、上記したインシュレーションバレル26は、絶縁被覆13の端末並びにゴム栓30の取付部32に亘ってかしめ圧着されるものである。インシュレーションバレル26は、例えば、両バレル片26Aがそれぞれの突出端を重ね合わせつつ、ゴム栓30の取付部32の外周を左右両側から抱き込むようにして、いわゆるオーバラップ型にかしめられるようになっている。
ゴム栓30は、後側の略2/3の範囲がゴム栓本体31となっており、一方、前側が、先端に向けて次第に縮径されたテーパ状をなす取付部32となっている。同取付部32に、上記したように雌端子金具20のインシュレーションバレル26がかしめられる。
なお、ゴム栓30におけるゴム栓本体31の内周面には、前後2条の内側リップ39が周設されている。各内側リップ39は例えば、両外側リップ34の間の位置、及び後側の外側リップ34の後方位置に形成されている。
図1に示すように、アルミ電線10の端末に対してゴム栓30が先通しされ、ゴム栓30が一旦後方に退避された状態でアルミ電線10の絶縁被覆13の端末が皮剥きされ(同図の鎖線に示す部分)、芯線11の端末が所定長さに亘って露出状態とされる。そののち、ゴム栓30が前方に移動されて、取付部32が残された絶縁被覆13の端末に外周に嵌められた状態となる。
また、キャビティ41の後部側には、全長の半分弱の領域に亘り断面円形をなすシール部45が形成されている。このシール部45は、上記したゴム栓30の外側リップ34の外径よりも所定寸法小さい内径寸法を有している。このシール部45の後端の開口が、キャビティ41の入口46となっている。
アルミ電線10の端末には、既述した要領により雌端子金具20並びにゴム栓30が固着される。そしてハーネス化されたのち、各アルミ電線10の端末に固着された雌端子金具20並びにゴム栓30は、図3の矢線に示すように、雌ハウジング40の対応するキャビティ41内に後方から挿入され、図4に示すように、正規位置まで挿入されたところでランス44により抜け止めされる。
このときゴム栓30はキャビティ41のシール部45に嵌着され、両外側リップ34がシール部45の内周面に弾性的に密着してシールする。また、ゴム栓30の等径部35は、その前端側の多くの部分がキャビティ41の入口46に緊密に嵌合され、一方、テーパ部36は、キャビティ41の入口46の開口縁47よりも外方に突出した状態となる。
ここで、雌ハウジング40の配設場所によっては、振動を受ける等によって、ゴム栓30から後方に引き出されているアルミ電線10が大きく振られ、すなわち軸線方向と交差する方向に大きな曲げ力が作用することがあり得る。
なお、テーパ部36における等径部35との接続縁37が、キャビティ41の入口46の開口縁47から内方に引っ込んでいた場合、特に、キャビティ41の入口46が上を向くように雌ハウジング40が配されていると、等径部35の後面側に水等が溜まりやすく、シール性においては芳しくない。その点、テーパ部36における等径部35との接続縁37が、キャビティ41の入口46の開口縁47から外方に位置していれば、上記のような水等が溜まることが回避され、シール性を確保する上で好都合となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ゴム栓がキャビティの入口に嵌着された場合の、テーパ部における等径部との接続縁の位置は、キャビティの入口の開口縁と面一または開口縁の外方にあればよい。
(2)ゴム栓の等径部とテーパ部の幅寸法や、両者の幅の比率は、条件等に応じて任意に設定できる。
(3)上記実施形態では、テーパ部の前縁(等径部との接続縁)の外径を等径部の外径と一致させたが、等径部の外径よりも小さくして段付き形状としてもよい。
(5)本発明は、芯線を構成する素線の機械的強度が相対的に小さいとされるアルミ電線を用いた場合に特に有効と言えるが、アルミ電線以外の、銅電線等の他の電線を用いた場合にも、芯線の断線防止を同様に図ることができる。
11…芯線
12…アルミ素線
13…絶縁被覆
20…雌端子金具(端子金具)
25…ワイヤバレル
26…インシュレーションバレル
30…ゴム栓
31…ゴム栓本体
32…取付部
34…外側リップ(リップ)
35…等径部
36…テーパ部
37…接続縁
40…雌ハウジング(コネクタハウジング)
41…キャビティ
45…シール部
46…(キャビティ41の)入口
47…(入口46の)開口縁
Claims (4)
- 電線の端末に嵌装されて端子金具とともに固着され、前記端子金具がコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されることに伴い同キャビティの入口側に嵌着されてシールするゴム栓であって、
当該ゴム栓は、外周面にリップが前後に間隔を開けて2条周設されたゴム栓本体を備え、このゴム栓本体の後端部には、前記キャビティの内周に緊密に嵌合する等径部と、後端に向けて次第に縮径されたテーパ部とが後方に向けて順次に連設され、前記ゴム栓本体の前端側に前記端子金具に固着される取付部が設けられ、
前記キャビティの入口側に嵌着された場合に、前記テーパ部における前記等径部との接続縁が、前記キャビティの入口の開口縁と面一または開口縁の外方に位置するようになっており、
前記等径部は、前記両リップの間隔にほぼ匹敵する幅を有し、
かつ、前記電線における前記等径部に挿通された部分では曲げが拘束される一方、前記テーパ部に挿通された部分では、同テーパ部を弾性的に湾曲変形させて曲げ力を吸収しつつ、比較的緩やかな円弧形をなすように曲げられるようになっていることを特徴とするゴム栓。 - 電線の端末にはゴム栓が嵌装されて端子金具とともに固着され、前記端子金具がコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されることに伴い前記ゴム栓が前記キャビティの入口側に嵌着されてシールするようにした防水コネクタにおいて、
前記ゴム栓は、外周面にリップが前後に間隔を開けて2条周設されたゴム栓本体を備え、このゴム栓本体の後端部には、前記キャビティの内周に緊密に嵌合する等径部と、後端に向けて次第に縮径されたテーパ部とが後方に向けて順次に連設され、前記ゴム栓本体の前端側に前記端子金具に固着される取付部が設けられ、
前記ゴム栓は、前記キャビティの入口に対して、前記テーパ部における前記等径部との接続縁が、前記キャビティの入口の開口縁と面一または開口縁の外方に位置するように嵌着されており、
前記ゴム栓の前記等径部は、前記両リップの間隔にほぼ匹敵する幅を有し、
かつ、前記電線における前記ゴム栓の前記等径部に挿通された部分では曲げが拘束される一方、前記テーパ部に挿通された部分では、同テーパ部を弾性的に湾曲変形させて曲げ力を吸収しつつ、比較的緩やかな円弧形をなすように曲げられるようになっていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記電線が、金属製の芯線を絶縁被覆で覆った構造であって、この電線における前記芯線の端末には端子金具のワイヤバレルが圧着されるとともに、前記絶縁被覆の端末には前記ゴム栓が嵌装されて、同ゴム栓の前記取付部並びに前記絶縁被覆の端末には、前記端子金具のインシュレーションバレルが圧着されていることを特徴とする請求項2記載の防水コネクタ。
- 前記電線が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の芯線を備えたアルミ電線であることを特徴とする請求項3記載の防水コネクタ。
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