JP2007139797A - 絶縁検査装置及び絶縁検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板のスパークに関連して、一層正確に検査し得る絶縁検査装置及び絶縁検査方法を提供すること
【解決手段】複数の配線パターン(P)が形成される回路基板(10)の絶縁検査を行う絶縁検査装置(1)であって、前記複数の配線パターンから一つの配線パターンを第一検査部(図2のT1)として選出するとともに、該記第一検査部以外の全ての配線パターンを第二検査部(同T2)として選出する選出手段(2)と、前記第一検査部と前記第二検査部との間に所定の電位差を設定するために、前記第二検査部に接続されるとともに該第二検査部に電圧を印加する電源手段(3)と、前記第一検査部に流れる電流を検出するために前記第一検査部に接続される第一電流検出手段(4)と、前記第一電流検出手段が検出する電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定する判定手段(7)と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁検査装置及び絶縁検査方法に関し、より詳しくは、複数の配線パターンが形成されている回路基板の絶縁検査を迅速に且つ正確に行うことができる絶縁検査装置及び絶縁検査方法に関する。
従来、複数の配線パターンを有する回路基板の絶縁検査は、配線パターン間に於ける絶縁状態の良否(十分な絶縁性が確保されているか否か)の判定を行うことによって、この回路基板が良品であるか不良品であるかが判定されていた。
このような従来の絶縁検査装置では、検査対象となる2つの配線パターン間に、比較的高い電圧(例えば、200V)を印加することによって、配線パターン間の抵抗値を算出し、この抵抗値を基に絶縁状態の良否を判定していた。
しかしながら、このような従来の絶縁検査装置では、所定電圧印加後に所定時間が経過した後の安定状態となった時に検査が開始されるため、所定電圧が印加されている間にスパークが発生した場合には不正確な抵抗値を算出してしまい、絶縁状態の良否を正確に判定することができない問題点を有していた。
このような問題点を解決するために、本発明者は、先に出願した特許文献1に開示される絶縁検査装置及び方法を創出した。
特許掲載公報第3546046号(発行日:2004年7月21日) この特許文献1に開示される絶縁検査装置及び方法では、一対の配線パターン間に所定の直流電圧を印加し、印加開始から所定電圧値までの間に変化する電圧を検出することによって、その電圧変化からスパークを検出し、スパーク発生時の電圧降下を検出することでスパーク検出しようとするものである。このように、印加電圧の立ち上がり期間の電圧変化を検出することによって、スパークを検出することができ、上記問題点を解決することができた。
しかしながら、この特許文献1には、スパークの状況等に関しての検査に関する記載は存在しない。
従って、スパークの状況等も考慮して、回路基板のスパークに関連して、一層正確に検査し得る絶縁検査装置及び絶縁検査方法の創出が要望されていた。
本発明は、回路基板のスパークに関連して、一層正確に検査し得る絶縁検査装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、回路基板のスパークに関連して、一層正確に検査し得る絶縁検査方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑みて、本発明に係る絶縁検査装置は、複数の配線パターンが形成される回路基板の絶縁検査を行う絶縁検査装置であって、前記複数の配線パターンから検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該記第一検査部以外の検査対象となる全ての配線パターンを第二検査部として選出する選出手段と、前記第一検査部と前記第二検査部との間に所定の電位差を設定するために、前記第二検査部に接続されるとともに該第二検査部に電圧を印加する電源手段と、前記第一検査部と第二検査部との間に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記第一電流検出手段が検出する電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
更に、上記絶縁検査装置では、前記不良品の判定は、前記電流値が前記基準値よりも大きい場合に、当該回路基板を不良品と判定することもできる。
更に、上記絶縁検査装置では、前記第二検査部は、前記第一検査部の配線パターン以外の配線パターンからなり、これらの配線パターンが全て並列接続されていてもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記電流検出手段が、前記第一検査部と直列に接続されていてもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記電流検出手段が、前記第二検査部と直列に接続されていてもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記電流検出手段は、相違する2つのレンジを有する第一電流検出手段と第二電流検出手段を有していてもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記絶縁検査装置は、更に、前記第一検査部の電圧を検出する電圧検出手段と、前記第一電流検出手段が検出する電流値を時系列に表示する表示手段とを備えていてもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記選出手段は、全ての前記複数の導体パターンを順次第一検査部として選出してもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記第一電流検出手段は、前記第一検査部に関連したスパークの発生を検出するために設けられ、前記第二電流検出手段は、第一検査部と第二検査部との間の絶縁抵抗値を測定するために設けられていてもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記判定手段は、スパーク検出部を有し、前記第一電流検出手段からの測定電流値に基づいてスパーク発生を検出してもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記判定手段は、電力算出部を有し、前記第一電流検出部からの測定電流値と前記電圧検出部からの測定電圧値とに基づいて、スパークの状況を検出してもよい。
更に、上記絶縁検査装置では、前記判定手段は、抵抗算出部を有し、前記第二電流検出部からの測定電流値と前記電圧検出部からの測定電圧値とに基づいて、抵抗値を算出してもよい。
更に、本発明に係る絶縁検査方法は、複数の配線パターンが形成される回路基板の絶縁検査を行う絶縁検査方法であって、前記複数の配線パターンから検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる全ての配線パターンを第二検査部として選出するステップと、前記第一検査部と前記第二検査部の間に所定電位差を生じさせるため、前記第二検査部に電圧を印加するステップと、前記第二検査部に電圧が印加された状態で、前記第一検査部と第二検査部との間に流れる電流を検出するステップと、前記第一検査部に流れる電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定するステップとを含んでいる。
更に、本発明に係る記録媒体は、コンピュータに、前記複数の配線パターンから検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる全ての配線パターンを第二検査部として選出するステップと、前記第一検査部と前記第二検査部の間に所定電位差を生じさせるため、前記第二検査部に電圧を印加するステップと、前記第二検査部に電圧が印加された状態で、前記第一検査部と第二検査部との間に流れる電流を検出するステップと、前記第一検査部に流れる電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定するステップと、を実行させるための回路基板の絶縁検査方法プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、回路基板のスパークに関連して、一層正確に検査し得る絶縁検査装置を提供することができる。
更に、本発明によれば、回路基板のスパークに関連して、一層正確に検査し得る絶縁検査方法を提供することができる。
以下、本発明に係る絶縁検査装置及び絶縁検査方法の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ符号を付して、重複した説明を省略する。
この出願書類に記載される用語「回路基板」は、プリント配線基板に限らず、例えば、フレキシブル基板、多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の配線が施される基板を総称している。即ち、回路基板には、絶縁検査の対象となり得る全ての基板が含まれる。
[絶縁検査装置]
図1は、本発明に係る絶縁検査装置1の概略構成の一例を説明する図である。ここで、絶縁検査装置1は、図1に示された要素から、検査対象である回路基板10を除いた各要素からなる。即ち、絶縁検査装置1は、制御手段9と、表示手段(モニタ)8と、スイッチ群SWsと、電源手段3と、第一電流検出手段4と、第二電流検出手段5と、電圧検出手段6とを備えている。この制御手段9は、選出手段(「SW切換制御手段」ともいう。)2と、判定手段7と、記憶手段10とを有している。制御手段9は、通常のコンピュータで構成され、選出手段2及び判定手段7はそのCPUからなり、記憶手段10は、この絶縁検査方法を実行するコンピュータプログラムを記憶するROMや作業メモリRAM等からなる。スイッチ群SWsは、一対のスイッチSW1とスイッチSW2の組を複数組有している。
一方、検査対象である回路基板10には、導通パターンP1〜P5(「P」と総称する。)が形成されている。図面を簡単にして理解を容易にするため、図にはパターンPとして、直線状の配線パターンP1,P2、T字状の配線パターンP3及び十字状の配線パターンP4,P5の5種類の配線パターンのみを例示する。ここで、良品である回路基板10は、パターンP1〜P5の各々が電気的に夫々独立状態にあり、隣接パターン間で所定の絶縁抵抗を保持している。
絶縁検査装置1は、スイッチ群SWsを構成する各SW1とSW2の組に接続されたコンタクトピンCPを複数本有し、各コンタクトピンが回路基板10の各配線パターンP1〜P5に対して夫々電気的に接触して、各配線パターンの絶縁状態又は導通状態の検査を可能にしている。
絶縁検査装置1の実行する検査の基本原理は、回路基板10のパターンPを所定の規則に従って第一検査部T1と第二検査部T2として選出し、第二検査部T2に対し所定電圧を印加して第一検査部T1と第二検査部T2との間に所定電位差を生じさせた状態で第一検査部T1に流れる電流を検出することにより、スパーク関連して一層正確な検査を実行するものである。ここで、第一検査部は、回路基板10が有する複数の配線パターン(図では、P1〜P5)から選出された検査対象となる一つの(単一の)配線パターン(「被検査パターン」ともいう。)からなる。第二検査部T2は、第一検査部T1以外の検査対象となる残り全ての配線パターン(「被検査パターン以外の全パターン」ともいう。)からなる。検査は、回路基板10が有する複数の配線パターンを第一検査部として順次選出してその都度第二検査部との間で絶縁検査を行い、全ての配線パターンを第一検査部として選出して検査したときに終了する。
以下、絶縁検査装置1を構成する各要素に関して説明する。選出手段2は、回路基板10が有する複数の配線パターンの中から、検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部(被検査パターン)T1として選出する。同時に、第一検査部T1である配線パターン以外の検査対象となる残り全ての配線パターンを第二検査部T2として選出する。この状態で、第一検査部T1と第二検査部T2との間で絶縁検査を行った後、未だ第一検査部T1として選出されていないパターンの中から検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部T1として選出して、検査対象となる残り全ての配線パターンを第二検査部T2として選出する。以下、このような段階を繰り返す。
具体的な選出方法は、複数のスイッチ素子SW1,SW2を有するスイッチ群SWsと、各スイッチ素子を切換制御する選出手段(SW切換制御手段)2とを用いて、選出手段2による各スイッチ素子SW1,SW2のオン・オフ切換動作によって、複数の配線パターンを第一検査部T1又は第二検査部T2のいずれかに選出することにより行っている。
例えば、図2Aでは、スイッチ群SWsの内の一番上の配線パターンP1が第一検査部(被検査パターン)T1として選出され、配線パターンP1以外の配線パターンP2〜P5が第二検査部(被検査パターン以外の全パターン)T2として選出されている様子を示している。図2Bでは、配線パターンP4が第一検査部T1として選出され、配線パターンP4以外の配線パターンP1〜P3,P5が第二検査部T2として選出されている様子を示している。
各配線パターンPに電気的に接続された各コンタクトピンCPは、スイッチSW1を介して電源手段3に接続可能であり、スイッチSW2を介して第一電流検出手段4,第二電流検出手段5及び電圧検出手段6に接続可能となっている。
図2Aでは、第一検査部T1として選出された配線パターンP1は、スイッチSW2がONになることにより、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5に接続され、更に電圧検出手段6に接続される。第二検査部T2として選出された配線パターンP2〜P5は、各々、スイッチSW1がONになることにより、電源手段3に接続される。第一電流検出手段4の前段にスイッチSWa、電圧検出手段6の前段にスイッチSWvを設け、制御手段9の制御の下、夫々の検出時に該当スイッチをONにするようにしてもよい。
第二検査部T2として選出された配線パターンP2〜P5は、各SW1を介して、相互に電気的に並列接続される。このように並列接続されることにより、第二検査部T2の配線パターンP2〜P5全てを等電位とすることができ、複雑で大きな面積を有する配線パターンであっても配線パターン同士でのスパーク発生を防止することができる。
この選出手段2の制御の下に行われる配線パターンPの選出は、第一検査部T1として一度選出された配線パターンP1は、それ以降の第一検査部T1として再度選出されることがないように設定されている。このため、第一検査部T1は、全ての配線パターンPを、一つずつ順次選出することになる。
電源手段3は、第一検査部T1と第二検査部T2との間に所定の電位差を設定するために、第二検査部T2に各SW1を介して所定電圧を印加することができるよう接続されている。この電源手段3により第二検査部T2の電位を変化させることになり、第二検査部T2は第一検査部T1と相違する電位を有することになる。
この電源手段3は、所定の電位差を第一検査部T1と第二検査部T2との間に発生されることができればよく、直流電源であっても交流電源であっても特に限定されるものではない。しかし、後述する第一電流検出手段4に於ける電流値の変化をより正確に検出するために、可変直流電源であることが好ましい。
この電源手段3が印加する所定の電位差は、特に限定されないが、1〜10V/μSの電位差を生じるように設定されることが好ましい。この範囲の電位差を用いることにより、短時間で且つ正確にスパークを検出することができるようになるからである。
図2Aで示される如く、第一電流検出手段4は、スイッチSW2,コンタクトピンCPを介して第一検査部(配線パターンP1)T1に直列に接続され、第一検査部T1の電流を検出する。第一電流検出手段4は、電流値を測定することができる電流計を利用する。第一電流検出手段4が検出する電流は、第二検査部T2に所定の電圧が印加されることによって第一検出部T1と第二検出部T2間に電位差が生じ、この電位差の影響を受けて第一検出部T1に流れる電流である。
このため、第一電流検出手段4に於いて測定される電流値が、所定値以上の電流値又は所定値以上の電流値の変化を示した場合、第一検出部T1と第二検出部T2間にスパークが発生したことを示すことになる。つまり、この第一電流検出手段4が測定する電流値により、両検査部間のスパークを検出が可能となる。
第一電流検出手段4が第一検査部(被検査パターン)T1側に接続されているため、第二検査部(被検査パターン以外の全ての配線パターン)T2とコンタクトピンCPとの接触不良に起因するスパークが、第一電流検出手段で検出されることはない。また、第一検査部T1には電圧の印加は無く、更にコンタクトピンCP,スイッチSW2,第一電流検出手段4,第二電流手段を介して接地されているため、第一検査部(被検査パターン)T1とコンタクトピンCPとの間で接触不良に起因するスパークは発生しない。
さらに、所定の電圧が印加された第二検査部(被検査パターン以外の全ての配線パターン)T2とこれら配線パターン近傍の金属枠等の間で発生するスパーク(本出願書類では「疑似スパーク」ともいう。)の発生があった場合でも、第一検査部T1側には電流が流れないため、絶縁検査装置1は、このような擬似スパークの検出は行わない。このように、絶縁検査装置1は、第一検査部T1と第二検査部T2間以外で発生するスパークの発生を防止し、また発生したとしてもこれを検出することはない。
この第一電流検出手段4は、スパークした場合の電流値を測定することができれば、その測定性能は特に限定されないが、0.1〜10mAの電流値を検出することができることが好ましい。尚、この第一電流検出手段4が検出する電流値は、後述する判定手段7へ送られることになる。
第二電流検出手段5は、第一検査部T1に直列に接続されてこれに流れる電流を検出する。第二電流検出手段5は、上記の第一電流検出手段4と同様に第一検査部T1に流れる電流を測定することができる点に於いて共通であるが、第一電流検出手段5に比べて、より微小な電流を測定する性能を有している点で相違する。
この第二電流検出手段5を有することによって、第一検査部T1と第二検査部T2間に流れる電流値を確実に測定することができるので、後述する電圧検出手段6を利用して第一検査部T1及び第二検査部T2間の抵抗値を算出することができる。
この第二電流検出手段5が有する電流測定能力は、上記の如き第一及び第二検査部T1,T2間の抵抗値を算出するために必要な電流値を測定することができれば、特に限定されず、0.1〜20μAの電流値を検出することができることが好ましい。この第二電流検出手段5が測定する電流値は、判定手段7へと送られる。
第一電流検出手段4は、主として、第一検査部(被検査パターン)に関連したスパーク発生を検出するために設けられ、第二電流検出手段5は第一検査部と第二検査部との間の絶縁抵抗値を測定するために設けられている。しかし、使用する電流計の性能によっては、1個の電流計により、第一電流検出手段4と第二電流検出手段5とを兼用することもできることを承知されたい。
電圧検出手段6は、第一検査部T1に接続されて第一検査部T1の電圧を検出する。この電圧検出手段6は、第一検査部T1に係る電圧値を測定することのできる電圧計を利用することができる。この電圧検出手段6が測定する電圧値は、判定手段7へと送られる。
判定手段7は、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5からの測定電流値、並びに電圧検出手段6からの測定電圧値を夫々受け取り、これらの測定値を基に当該回路基板が不良品であるか判定する。図3は判定手段7の機能を示す概略構成図である。判定手段7は、スパーク検出部71と、電力算出部73と、抵抗算出部74と、絶縁判定部75と、送信部72とを有している。
この判定手段7が行う判定は、第一電流検出手段4からの電流値を基にして、予め設定された基準値と比較し、その比較結果に応じて良品又は不良品の判定を行うスパーク検出部71を備えることにより行われる。このスパーク検出部71が行う具体的な比較方法として、例えば、次の三つの方法が挙げられる。
第一の方法として、第一電流検出手段4より検出される電流値と基準値を直接比較し、検出された電流値が所定値よりも大きい場合に、スパーク発生として判定する方法である。
例えば、図4では、破線で示される電流値の変化が良品回路基板に於ける変化を示し、実線で示される電流値の変化が検査対象の不良回路基板に於ける変化を示しており、基準値Aを超えた部分がスパーク発生箇所であることを示している。この第一の方法を利用する場合の基準値Aは、特に限定されないが、0.1〜1.0mAに設定される。
尚、この第一の方法により判定する場合には、電源手段3は可変電圧電源とし、適当な回路を設け、電圧を印加した瞬間の電流値の上昇を所定値よりも超過しないように制御することが好ましい。この判定手段7は、例えば、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5からの測定電流値(アナログ値)をデジタル電流データに逐次変換するA−D変換回路(図示せず。)と、このデジタル電流データを基準値Aのデジタル基準値データとを入力し、測定デジタル電流データがデジタル基準値データを超えたときに論理高“1”を出力する比較回路(図示せず。)から構成することが出来る。
第二の方法として、予め良品回路基板を使用して電流値の変化を基準電流変化値Bとして求めておき、検査対象の不良回路基板を使用した場合の電流値と基準電流変化値Bとの差分を求め、その差分が予め設定された許容範囲内にない場合にスパークとして判定する方法である。
例えば、図5Aでは、破線で示される電流値の変化が良品の回路基板に於ける電流値の変化(基準電流変化値B)を示し、実線で示される電流値の変化が不良品の回路基板に於ける電流値の変化を示している。図5Bは、図5Aで示される測定電流値と基準電流変化値Bとの差分を示しており、許容範囲Cを超える差分が表れる箇所Aがスパーク発生箇所を示している。この第二の方法を利用する場合の許容範囲Cは、特に限定されないが、±0.1〜1.0mAに設定される。
この判定手段7は、例えば、検査対象の回路基板からの測定電流値(アナログ値)を逐次デジタル電流データに変換するA−D変換回路(図示せず。)と、適当なメモリ(図示せず。)に予め蓄積してある基準電流変化値Bのデジタル基準電流変化値データと、デジタル電流データとメモリから読み出された対応するデジタル基準電流変化値データとを入力してその差分データを出力する減算回路(図示せず。)と、この減算回路の後段において、差分データがデジタル許容範囲Cデータを超えたときに論理高“1”を出力する比較回路(図示せず。)とを用いて構成することが出来る。
第三の方法としては、電源手段3により第一検査部T1に電圧を印加してから、所定時間毎の電流の変化を算出し、電流値の減少変化から増加変化(電流の変化の傾きがゼロから正へ変化した場合に、スパークとして判定する方法である。
例えば、図6では、破線で示される電流値の変化が良品回路基板に於ける変化を示し、実線で示される電流値の変化が検査対象の不良回路基板に於ける変化を示している。破線示される良品の電流値の変化は右下がりの一途を辿るが、実線で示される不良品の電流値の変化は電流値の増加する時刻t1が見受けられ、この箇所Aがスパーク発生箇所であることを示している。
例えば、時刻t1と時刻t2間に於いて、良品では電流値が減少(直前電流値に対する変化量がマイナス)の一途を辿っているが、不良品回路基板では時刻t1で電流値が増加(直前電流値に対する変化量がプラス)してスパークが発生したことが理解される。この第三の方法を利用する場合の判断基準は、電流値が増加する場合を検出するため電流値の変化がゼロ以上であればよいし、或いは急激な電流値の変化のみを検出するように特定の正の変化値に設定しておくこともできる。
この判定手段7は、例えば、検査対象の回路基板からの測定電流値(アナログ値)をデジタル電流データに逐次変換するA−D変換回路(図示せず。)と、このデジタル電流データを微分処理する微分回路(図示せず。)と、微分回路の出力データが正負又は所定の変化値を越えるか否かを判定するための判定回路又は比較回路(図示せず。)によって構成することが出来る。
再び図3を参照すると、判定手段7は、上記の如きスパーク検出部71がスパークを検出した場合にスパーク検出信号を送信する送信部72を備えている。この送信部73は、後述する表示手段8に於いてスパーク検出を目視できるようにしてもよいし、アラーム音等を利用して聴覚で認識できるようにしてもよい。
判定手段7は、電力算出部73を備え、第一電流検出手段4の電流値と電圧検出手段6の電圧値とから、スパーク発生時の電力の推移を算出している。この電力算出部73は、操作部を設け、予め利用者によりその算出方法を設定しておいてもよく、スパークを検出した際に自動的に算出するように設定してもよい。
電力算出部73は、例えば、適当なメモリ容量の先入れ先出しメモリFIFO(図示せず。)を用いて、適当なA−D変換器(図示せず。)を介して得られる第一電流検出手段4からのデジタル電流データと電圧検出手段6からのデジタル電圧データとを逐次蓄積し、スパーク発生から所定時間でこれらのデータ蓄積をストップする手段(図示せず。)を設けることにより、スパーク発生直後の所定時間の電流データ及び電圧データを確保することができる。この電力算出部73を備えることにより、スパーク発生直後の所定時間の電流データ及び電圧データ並びに選出手段2がどの配線を被検査パターンとして選出していたかのデータ等を利用して、スパーク検出時刻,被検査パターン,電力の時間的推移,スパークの大きさ,絶縁破壊等の状況を知ることができる。
また、この判定手段7は抵抗算出部74を備え、第二電流検出手段5と電圧検出手段6より第一検査部T1と第二検査部T2と間の抵抗値を算出する。抵抗算出部74は、例えば、第二電流検出手段5からの測定電流値と電圧検出手段6からの測定電圧値とを、適当なA−D変換器(図示せず。)によりデジタル電流値とデジタル電圧値に変換し、除算回路(図示せず。)を利用して、抵抗値データを求めることが出来る。
このように抵抗算出部74と絶縁判定部75を備えることにより、スパーク検出検査を行うと同時に絶縁抵抗算出を行うことができる。判定手段7は、第一検査部T1と第二検査部T2が絶縁状態にあるかどうかの判定を行う。判定手段7は、例えば、抵抗値データと基準抵抗値データを入力する比較器(図示せず。)を用いて、判定することができる。
尚、これらの電力算出部73,抵抗算出部74及び絶縁判定部75の算出結果は、送信部72へ送られて表示手段8で表示される。
表示手段8は、第一電流検出手段4,第二電流検出手段5,電圧検出手段6,電力算出部73,抵抗算出部74及び絶縁判定部75に於いて検出又は算出された電流値,電圧値,抵抗値,電力値等と、スパークの有無や絶縁の良否の判定結果と回路基板の良品や不良品の判定結果を画面上に表示することができる。また、この表示手段8は、上記の如き数値や状態を時系列的にグラフや表にして表示することもできる。このように時系列的に表示することにより、絶縁検査装置1の利用者が目視してスパークの発生状況や大きさを確認することができるようになるからである。
以上が本発明にかかる絶縁検査装置1の実施形態の構成の説明である。
[絶縁検査方法]
図7は、本発明に係る絶縁検査装置の検査方法の一例を示すフローチャートである。この検査方法を実行するコンピュータプログラムは、例えば、記憶手段10に蓄積されており、この絶縁検査は、制御手段9の制御の下に実行される。
まず、検査対象である回路基板を本絶縁検査装置1に設置し、スパークを検出するための所定値が設定される(S1)。ここでは、スパーク検出方法として上述した第二の方法を例示して説明するが、この方法に限定するものではない。尚、第二の方法を利用するため、良品による電流変化値である基準電流変化値Bのデジタル基準電流変化値データ及び良品と判定するためのデジタル許容範囲Cデータを、記憶手段10に設定しておく。
対象となる回路基板の検査が開始される。
まず、選出手段2により、検査対象の複数の配線パターンより第一検査部(被検査パターン)T1となる配線パターンを選出するとともに、残りの配線パターンを第二検査部T2として選出する(S2)。第一検査部は、SW2を介して第一及び第二電流検出手段に接続される。第二検査部を構成するパターンは、SW1を介して電源手段3に夫々接続される。このとき、第二検査部T2を形成する複数の配線パターンは、相互に並列接続されている。
回路基板の配線パターンが第一検査部T1と第二検査部T2との2つのグループに選出された後、電源手段3により所定電圧が第二検査部T2に印加される(S3)。
この状態で、第一検査部T1に接続されている第一電流検出手段4、第二電流検出手段5及び電圧検出手段6は、第一検査部T1の電流及び電圧を夫々測定する(S4)。これら第一電流検出手段4、第二電流検出手段5及び電圧検出手段6が測定する電流値及び電圧値は判定手段7へ送られる。
判定手段7のスパーク検出部71は、第一電流検出手段3により測定される電流値と所定基準値とに基づき、その差分データを算出する(S5)。
その差分データが許容範囲Cデータに存在しているか否が判定される(S6)。
この差分データが許容範囲Cデータ内である場合、スパークなし(スパーク検出せず)として判定され(S7)、一方、差分データが許容範囲Cデータ外である場合、スパークが検出されたと判定される(S8)。
ステップS8で、スパーク有ると判定された場合、当該回路基板は不良品として判定される(S10)。スパーク発生の場合には、送信部72により表示手段8上で表示されることになる。
スパークが検出されない場合には、第二電流検出手段5と電圧検出手段6からの電流値と電圧値を利用して、判定手段7の抵抗算出部74によって、第一検査部T1と第二検査部T2間の抵抗が算出される。尚、このフローチャートでは、スパーク検査の終了毎に絶縁検査を行う検査工程を示しているが、絶縁検査をスパーク検査の前に行ってもよいし、スパーク検査と絶縁検査と同時に行う検査工程でもよい。
この抵抗算出部74により算出された抵抗値データが絶縁判定部75へ送られる。この絶縁判定部75は、算出された抵抗値データと予め設定される基準抵抗値データの比較を行い、絶縁状態の判定を行う(S9)。算出された抵抗値データが基準抵抗値データ以上であれば絶縁状態であると判定し、当該回路基板は良品と判定され(S11)、算出された抵抗値データが基準抵抗値データ未満であれば絶縁状態でないと判定され(S12)、当該回路基板を不良品として判定する(S10)。
不良品と判定された場合は、スパーク検出時と同様に、送信部72により表示手段8上で表示される。
スパーク検査と絶縁検査の両方が完了すると、次の第一検査部T1と第二検査部T2が選出手段2により選出され、全ての配線パターンが第一検査部T1として検査が行われるまで繰り返し検査が行われる(S13)。
尚、表示手段8上でスパーク発生により不良品である旨が通知されると、利用者により又は自動的に、第一電流検出手段4から得られた電流値データと電圧検出手段6から得られた電圧値データとから、判定手段7の電力算出部73が電力値データを算出する。このとき、算出された電力値データは、表示手段8上にて表示される。
このため、本絶縁検査装置1の利用者は、スパーク発生時に於いて即座にスパークの大きさ等を目視により確認することが可能となる。以上が、本発明に係る絶縁検査方法の実施形態の説明である。
[本実施形態に係る絶縁検査装置及び絶縁検査方法の利点]
(1)従来の絶縁検査装置では、例えば、配線パターンとこの配線パターンに接触されるプローブ(コンタクトピンCP)が接続不良であった場合に、これら配線パターンとプローブ間でスパークが発生して電圧降下が発生した際に、回路基板に於ける配線パターン間のスパークとして検出される場合があった。また、配線パターンとこの配線パターン近傍の金属枠間でスパークが発生していた場合にも同様に、回路基板に於ける配線パターン間のスパークとして検出される場合があった。つまり、回路基板上で発生する全てのスパークを、配線パターン間で発生したスパークとして検出してしまう問題点を有していた。
本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、第二検査部にのみ電圧を印加することになるので、電位差が第一検査部と第二検査部間にのみ生じることになる。第一検査部に接続される電流検出手段は、この第一検査部と第二検査部間に流れる電流のみを検出することになり、第一検査部と第二検査部中のいずれかの配線パターンとの間のスパークのみを検出する。
(2)従来の絶縁検査装置では、例えば、装置を形成するための回路素子の都合上、印加電圧の急激な変化にともなって、電圧降下を検出することができなくなるため、どうしても印加電圧を所定電圧値まで立ち上げる検査時間を十分に長く設定する必要があった。このため、結果的にスパーク検出を行う必要な検査時間が長くなるという結果をもたらしていた。
本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、電流値が所定値よりも大きい場合にスパークが発生し、不良品であると判定するので、より短時間で効率良く判定することを可能にする。
更に、本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、、絶縁検査装置が、第一電流検出手段と異なるレンジを有する第二電流検出手段を有するので、第一電流検出手段でスパークを検出し、第二電流検出手段でリーク電流を検出することが可能となる。このため、絶縁検査とスパーク検出検査を同時に行うことが可能となり、検査時間の更なる短縮が可能となる。
(3)従来の絶縁検査装置では、例えば、スパーク検出方法に関し、電圧変化の推移を観察して電圧降下を検出することによりスパーク検出を行うのみで、発生したスパークの状況や大きさを解析することはできなかった。
本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、絶縁検査装置が電流検出手段,電圧検出手段及び表示手段を有するので、スパークを検出した場合の電流及び電圧の変化の様子を表示装置で表示することが可能となるとともに、スパークの大きさ(電力)を算出して表示することも可能となる。このため、利用者にスパークの状況を視覚的に表すことができ、スパークの状態を容易に把握させることを可能にする。
(4)特に近年では、回路基板の複雑化が進み、配線パターンの複雑化が進んでいる。この配線パターンの複雑化に伴って、配線パターン自体の面積(ネットの大きさ)が増加している。このことにより、配線パターンに電圧を印加すると、配線パターン自らが電荷を蓄えてしまい、スパークを発生し易くなっていた。さらに、回路基板自体の微細化のため、回路基板自体に内在する異物によるスパークも発生し易くなっていた。
本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、配線パターンが複雑であっても、また配線パターン自体が電荷を帯びていたとしても第一電流検出手段はその影響を受けることがなく、配線パターン間のみの電流を測定することになる。
更に、本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、第二検査部は、第一検査部の配線パターン以外の複数の該配線パターンが全て並列接続されて形成されているので、第二検査部間でスパークが発生することを防止する。このため、検査対象以外の配線パターンに於けるスパーク発生を防止することを可能にする。
更に、本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法によれば、第二検査部にのみ電圧を印加することになるので、電位差が第一検査部と第二検査部間にのみ生じることになる。このため、第一検査部に接続される第一電流検出手段は、この第一検査部と第二検査部間に流れる電流のみを検出することになり、第一検査部と第二検査部中のいずれかの配線パターンとのスパーク発生を検出することを可能にする。このため、検査対象となる配線パターン間以外のスパーク(擬似スパーク)が発生しても、スパークとして検出することを防止することができるとともに、配線パターンが複雑であっても配線パターン自体で電荷を帯びても影響を受けることがない。
このように、本実施形態の絶縁検査装置及び絶縁検査方法は、複数の配線パターンが形成される回路基板の絶縁検査を行う装置と方法であって、複雑な配線パターンであっても配線パターン間のスパークをより正確に且つそのスパークの状況を的確に検出することができ、また、従来に比して検査時間を短時間にすることのできる。
[代替例等]
以上、本発明の係る絶縁検査装置及び絶縁検査方法の実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に拘束されない。当業者が容易になしえる追加、削除、改変等は、本発明に含まれることを承知されたい。
(1)回路基板10に形成されたパターンPとして、5種類の配線パターンを例示している。しかし、配線パターンPは、これら5種類に限定されるものではないし、配線パターンの種類,本数,位置,大きさ,形状等も図示の配線パターンに限定されない。回路基板10は、配線パターンが経由孔(ビアホール)を経由して複数層に拡がる多層基板も対象とする。
(2)制御手段9の選出手段9,判定手段7,記憶手段10等に於いて、夫々の構成回路を例示したが、これらに限定されない。個々の手段の目的を達成し得るその他の回路を使用することが出来る。
(3)回路基板10に形成されたパターンPを、単一の第一検査部(被検査パターン)と第一検査部以外の第二検査部(被検査パターン以外の全ての配線パターン))として説明した。しかし、絶縁検査装置は、被検査パターンと、これに隣接して絶縁不良を発生するパターンとの間で行う検査である。この目的を達成できる範囲で、「被検査パターン以外の全ての配線パターン」は弾力的に解釈すべきである。
即ち、第二検査部を「被検査パターン以外の全ての配線パターン」としてあるが、被検査パターンに隣接して絶縁不良を発生するおそれのないパターンを第二検査部から除いたとしても、本発明の対象であることを承知されたい。例えば、回路基板10の配線が、ブロックに分割されていて、ブロック間ではパターン相互が分離されて絶縁不良を発生するおそれのない場合は、単一のブロック内で第一検査部及び第二検査部が定義される。
同様に、隣接パターンに接近するおそれのないパターンを除いて、絶縁検査する場合もこれらのパターンは、第一検査部及び第二検査部の対象とならない。
更に、本発明の技術的範囲から逃れるために、何らの目的又は効果無く、第二検査部から何本かのパターンを外すようにしても、このような実施品は本発明の対象である。
(4)更に、本発明の対象には、コンピュータ9にこの絶縁検査方法を実行させるコンピュータプログラム及びこれを記録した記録媒体も含まれる。
(5)各検査段階で、第二検査部T2に対して、電源手段3から所定電圧が印加される。従って、各検査段階で、第二検査部T2に充電された電荷を放電する段階をステップを設けてもよい。
(6)絶縁検査装置1の実行する検査は、回路基板10のパターンPを所定の規則に従って第一検査部T1と第二検査部T2として選出し、第二検査部T2に対し所定電圧を印加して第一検査部T1と第二検査部T2との間に所定電位差を生じさせた状態で第一検査部T1に流れる電流を検出することにより絶縁検査を実行している。ここで、第一検査部は、選出された検査対象となる単一の配線パターンからなり、第二検査部T2は、第一検査部T1以外の全ての配線パターンからなる。検査は、各配線パターンを第一検査部として順次選出して、その都度第二検査部との間で絶縁検査を行い、全ての配線パターンを第一検査部として選出して検査したときに終了する。
このため、単一の配線パターンからなる第一検査部T1に流れる漏洩電流を検出するため、図1,図2A及び図2Bでは、単一の配線パターンT1と接地(アース)箇所との間に、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5を接続している。
しかし、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5の接続箇所は、これに限定されない。単一の配線パターンからなる第一検査部T1に流れる漏洩電流は、電源手段3から第二検査部T2に対して所定の電圧が印加され、第一検査部T1に絶縁不良が有る場合に生じる漏洩電流である。第一検査部T1に絶縁不良が無い場合には、電源手段3から第二検査部T2に対して所定の電圧が印加されても、第一検査部T1には電流が流れない。
従って、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5のいずれか一方又は両方を、電源手段3と第二検査部T2の間に接続して、第二検査部T2に流れる電流を検出する事により第一検査部T1の絶縁不良の有無を検出できる。即ち、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5のいずれか一方又は両方は、図1,図2A及び図2Bにおいて、電源手段3と各第二検査部T2の分岐点との間に接続してもよい。この場合も、第一電流検出手段4及び第二電流検出手段5が検出した電流データは、制御手段9に送られる。
本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
図1は、本発明に係る絶縁検査装置の一例の概略構成図を示す。 図2Aは、図1の選出手段による第一検査部と第二検査部の組み合わせの一例を示す図であり、スイッチ群SWsの内の一番上の配線パターンP1が第一検査部T1として選出され、配線パターンP2〜P5が第二検査部T2として選出されている様子を示している。 図2Aは、図1の選出手段による第一検査部と第二検査部の組み合わせの一例を示す図であり、配線パターンP4が第一検査部T1として選出され、配線パターンP1〜P3,P5が第二検査部T2として選出されている様子を示している。 図3は、図1の判定手段の機能を示す概略構成図である。 図4は、良品及び不良品の回路基板に於ける電流値の変化を示すグラフである。ここで、二点破線は基準値Aを示している。 図5Aは、良品及び不良品の回路基板に於ける電流値の変化を示すグラフである。 図5(B)は、図5Aで示される電流値の差分を示している。ここで、2本の一点破線は許容範囲を示している。 図6は、良品及び不良品の回路基板に於ける電流値の変化を示すグラフである。ここで、時刻t1,t2に於ける変化の様子を示す。 図7は、図1の絶縁検査装置で実行される検査方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1:絶縁検査装置、 2:選出手段、 3:電源手段、 4:第一電流検出手段、 5:第二電流検出手段、 6:電圧検出手段、 7:判定手段、 8:表示手段、 9:制御手段、 10:記憶手段
P:配線パターン、 SW:スイッチ、 SWs:スイッチ群、 T1:第一検査部、 T2:第二検査部、 CP:コンタクトピン

Claims (14)

  1. 複数の配線パターンが形成される回路基板の絶縁検査を行う絶縁検査装置であって、
    前記複数の配線パターンから検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該記第一検査部以外の検査対象となる全ての配線パターンを第二検査部として選出する選出手段と、
    前記第一検査部と前記第二検査部との間に所定の電位差を設定するために、前記第二検査部に接続されるとともに該第二検査部に電圧を印加する電源手段と、
    前記第一検査部と第二検査部との間に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段が検出する電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする絶縁検査装置。
  2. 請求項1記載の絶縁検査装置において、
    前記不良品の判定は、前記電流値が前記基準値よりも大きい場合に、当該回路基板を不良品と判定することを特徴とする、絶縁検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の絶縁検査装置において、
    前記第二検査部は、前記第一検査部の配線パターン以外の配線パターンからなり、これらの配線パターンが全て並列接続されていることを特徴とする、絶縁検査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の絶縁検査装置において、
    前記電流検出手段が、前記第一検査部と直列に接続されていることを特徴とする、絶縁検査装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の絶縁検査装置において、
    前記電流検出手段が、前記第二検査部と直列に接続されていることを特徴とする、絶縁検査装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の絶縁検査装置において、
    前記電流検出手段は、相違する2つのレンジを有する第一電流検出手段と第二電流検出手段を有することを特徴とする、絶縁検査装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の絶縁検査装置において、前記絶縁検査装置は、更に、
    前記第一検査部の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記第一電流検出手段が検出する電流値を時系列に表示する表示手段とを備えることを特徴とする、絶縁検査装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の絶縁検査装置において、
    前記選出手段は、全ての前記複数の導体パターンを順次第一検査部として選出する、絶縁検査装置。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の絶縁検査放置に於いて、
    前記第一電流検出手段は、前記第一検査部に関連したスパークの発生を検出するために設けられ、
    前記第二電流検出手段は、第一検査部と第二検査部との間の絶縁抵抗値を測定するために設けられている、絶縁検査装置。
  10. 請求項6乃至9のいずれか一項に記載の絶縁検査装置に於いて、
    前記判定手段は、スパーク検出部を有し、前記第一電流検出手段からの測定電流値に基づいてスパーク発生を検出する、絶縁検査装置。
  11. 請求項6乃至10のいずれか一項に記載の絶縁検査装置に於いて、
    前記判定手段は、電力算出部を有し、前記第一電流検出部からの測定電流値と前記電圧検出部からの測定電圧値とに基づいて、スパークの状況を検出する、絶縁検査装置。
  12. 請求項6乃至11のいずれか1項に記載の絶縁検査装置に於いて、
    前記判定手段は、抵抗算出部を有し、前記第二電流検出部からの測定電流値と前記電圧検出部からの測定電圧値とに基づいて、抵抗値を算出する、絶縁検査装置。
  13. 複数の配線パターンが形成される回路基板の絶縁検査を行う絶縁検査方法であって、
    前記複数の配線パターンから検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる全ての配線パターンを第二検査部として選出するステップと、
    前記第一検査部と前記第二検査部の間に所定電位差を生じさせるため、前記第二検査部に電圧を印加するステップと、
    前記第二検査部に電圧が印加された状態で、前記第一検査部と第二検査部との間に流れる電流を検出するステップと、
    前記第一検査部に流れる電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定するステップと、を含むことを特徴とする絶縁検査方法。
  14. 複数の配線パターンが形成される回路基板の絶縁検査を行うコンピュータに、
    前記複数の配線パターンから検査対象となる一つの配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる全ての配線パターンを第二検査部として選出するステップと、
    前記第一検査部と前記第二検査部の間に所定電位差を生じさせるため、前記第二検査部に電圧を印加するステップと、
    前記第二検査部に電圧が印加された状態で、前記第一検査部と第二検査部との間に流れる電流を検出するステップと、
    前記第一検査部に流れる電流値を所定基準値と比較して、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定するステップと、
    を実行させるための回路基板の絶縁検査方法プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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