JP2007137980A - 高密度アセチレンブラック及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加圧下において直流パルス電流を通電してアセチレンブラック粉末を焼結させて得られる、タップ密度が0.15g/cm3以上の高密度アセチレンブラック、及び該高密度アセチレンブラックの粉末からなる電池又はキャパシタ用導電材。
【選択図】図1
Description
ンの拡散距離を短くし、活物質の利用率を上げる、(2)電極活物質に導電材を被覆(また
は接合)して導電材の分布の不均一を緩和する、(3)導電材同士の結合を強くして導電ネ
ットワークを保持する、等の方法が考えられる。
度が低下するため、電極活物質の電極合剤中に占める割合が低下して電池の重量エンルギー密度及び体積エネルギー密度が低下するという問題がある。(2)の方法としては、例え
ば、電極活物質を合成する前後に有機物を混合し、焼成により炭素を含む活物質を調製する方法が知られている(例えば、下記非特許文献2)。しかしながら、この方法は還元雰囲気で焼成を行うため、耐還元性の比較的高いLiFePO4等のオリビン型構造の活物質以外
には適用は難しい。(3)の方法については、実現できればどのような活物質にも適用可能
で汎用性が非常に高い方法と考えられるが、これを実現するための手法がなく、これまでほとんど検討されていない。このため重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を低下させることなく、また、活物質を還元雰囲気に晒すことなく、電極を高出力化させることができる普遍的かつ簡便な方法を見出すことが必要とされている。
R. Kostecki and F. McLarnon, Electrochem. Solid-State Lett., 5, A164 (2002). Z. Chen and J. R. Dahn, J. Electrochem. Soc., 149, A1184 (2002).
1. 加圧下において直流パルス電流を通電してアセチレンブラック粉末を焼結させて得られる、タップ密度が0.15g/cm3以上の高密度アセチレンブラック。
2. 上記項1に記載の高密度アセチレンブラックの粉末からなる電池又はキャパシタ用導電材。
3. 上記項2に記載の導電材を含む電池又はキャパシタ用電極。
4. 上記項3に記載の電極を含む一次電池、二次電池又はキャパシタ。
5. アセチレンブラック粉末を導電性を有する型に充填し、加圧下において直流パルス電流を通電して該アセチレンブラック粉末を焼結させることを特徴とする高密度アセチレンブラックの製造方法。
原料として用いるアセチレンブラック粉末については特に限定はなく、通常の市販品等を用いることができる。例えば、アセチレンを高温で熱分解させて得られる粉末、いわゆる爆発法によって得られる粉末など公知のアセチレンブラック粉末を使用できる。アセチレンブラック粉末の粒径については特に限定はないが、例えば5nm〜100nm程度の平均粒子径の粉末を用いればよい。
電焼結を行うことができる。
不十分となるため好ましくなく、10MPa程度以上の加圧力が好適である。圧力の上限につ
いては特に限定はないが、通常、500MPa程度とすればよく、300MPa程度とすることが好ましい。
、600℃程度以上の加熱が好適である。加熱温度の上限については特に限定的ではないが
、通常、1500℃程度とすればよく、1200℃程度とすることが好ましい。
く、内径100mm程度の型材を用いる場合には1000〜8000A程度の電流値とすることが好ましい。
上記した方法で得られる高密度アセチレンブラックは、原料とするアセチレンブラックの粉末同士が強固に結合されて高密度化されたものであり、良好な導電ネットワークが形成されている。このため、例えば、リチウム二次電池の電極用導電材として用いる場合に、高密度で充放電を繰り返した場合であっても、導電ネットワークの切断が生じ難く、優れた充放電特性を長期間安定に維持することができる。
/cm3程度を上回る場合には、活物質との混合が難しくなり、良好な充放電特性を示す電極を作製することが困難になると考えられる。尚、本願明細書におけるタップ密度は、約0.2gの試料を25mlのメスシリンダーに入れて100回タップを行った後、測定した
値である。
μm程度の範囲の平均粒子径の粉末として用いればよい。
あるいは市販の粉末等を用いても良い。
質と混合して電極を作製することによって、重量エネルギー密度、体積エネルギー密度等を低下させることなく、高電流密度での充放電が可能な電池、キャパシタ等を得ることができる。
市販のアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、デンカブラック)粉末約2gを内径25mmの黒鉛型材に充填し、通電焼結機内にセットして約30MPaで加圧しながら約1200Aのパルス電流(パルス幅2.5ミリ秒のON−OFF直流電流、周期29Hz)を通電した。黒鉛型材近傍は約10℃/分の昇温速度で加熱され、パルス電流の通電開始80分後に800℃に到達した。こ
の温度で1分間保持した後、電流の通電と加圧を停止し、自然放冷させた。室温に冷却後
、焼結体を型材より取り出し、メノウ乳鉢で粉砕して粉末状の生成物を回収した。
用いて、電流56mA/g(0.2C)および280mA/g(1C)、カットオフ電位4.3−2.5Vにおける定電流測定で充放電試験を行った。図1および図2に0.2Cおよび1Cレートでの放電容量を示す。それぞれ、約124、100mAh/gの放電容量であった。
、90mAh/g程度という低い値であった。
った。
実施例1と同様の方法で高密度アセチレンブラック粉末を作製し、これを正極活物質であるLi1.2Fe0.4Mn0.4O2(LiOH、Fe(NO3)3、MnCl2を原料に用い、水熱合成法により作製)と重量比で1:9で混合してリチウム二次電池の正極材料として用い、実施例1と同様の手順で実施例2のリチウム二次電池を作製した。充放電試験は、電流42.5mA/g(0.33C)および212.5mA/g(1.67C)、カットオフ電位4.8−2.5Vにおける定電流測定で行った。図3および図4に、0.33Cおよび1.67Cレートでの放電容量を示す。それぞれ、約155、80mAh/gの放電容量であった。
して、比較例2では、それぞれ3.37と3.03Vであり、平均電圧も低い値を示した。
行っていないアセチレンブラック粉末を用いた比較例2のリチウム二次電池と比べて高容
量であり、特に高電流密度での放電容量が高く、活物質の利用率が増大していることが明らかとなった。
実施例1と同様の方法で高密度アセチレンブラック粉末を作製し、これを正極活物質で
あるLiCoO2(日本化学工業(株)製セルシードC5)と重量比で1:9で混合し、これにポリビニ
リデンフルオライド(PVDF)をアセチレンブラックと同重量加え、これらをN-メチルピロリドン(NMP)液(活物質の50%重量)に入れて手撹拌した。更に撹拌器にて5500Paおよび2500Paに減圧しながら撹拌し、脱泡した。これをアルミニウム箔の上に塗布し、140℃で乾燥後、ロールプレス機で圧延し、膜厚圧縮率65%になるようプレスした。得られた塗布電極をリチウム二次電池の正極材料として用い、負極に天然グラファイト、電解液としてLiPF6
をエチレンカルボネート/ジエチルカルボネート混合液に溶解させたものを用い、リチウム二次電池を作製した。充放電試験は、電流55mA/g(0.2C)、274mA/g(1C)、548mA/g(2C)、
821mA/g(3C)、および1369mA/g(5C)、カットオフ電位4.2−3.0Vにおける定電流測定で行った。図5及び図6に、0.2C、1C、2C、3Cおよび5Cレートでの放電容量を示す。それぞれ、約140、122、79、34、10mAh/gの放電容量であった。
Claims (5)
- 加圧下において直流パルス電流を通電してアセチレンブラック粉末を焼結させて得られる、タップ密度が0.15g/cm3以上の高密度アセチレンブラック。
- 請求項1に記載の高密度アセチレンブラックの粉末からなる電池又はキャパシタ用導電材。
- 請求項2に記載の導電材を含む電池又はキャパシタ用電極。
- 請求項3に記載の電極を含む一次電池、二次電池又はキャパシタ。
- アセチレンブラック粉末を導電性を有する型に充填し、加圧下において直流パルス電流を通電して該アセチレンブラック粉末を焼結させることを特徴とする高密度アセチレンブラックの製造方法。
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