JP2007137813A - 非エアゾール式のフォーム剤用組成物及び当該組成物を用いたフォーム剤 - Google Patents
非エアゾール式のフォーム剤用組成物及び当該組成物を用いたフォーム剤 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】脂肪酸アルキロールアミド及び炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを配合したことを特徴とするフォーム剤用組成物を含有してなるフォーム剤用組成物、及び当該フォーム剤用組成物を用いたフォーム剤。
【選択図】 なし
Description
グリチルリチン酸塩は、甘草から抽出したグリチルリチン酸を、カリウム塩やアンモニウム塩とし、水溶性にしたものであり、副腎皮質ホルモンに似た構造を有し、ステロイド様の作用を示す。白色〜淡黄色の結晶性の粉末で、においはなく、特異な甘味がある。外用薬としては、急性や慢性の皮膚炎に対して効果があり、副腎皮質ホルモンに比べ緩和な作用を有し、安全性が高く、汎用されている。
したがって、本発明は、かゆみを伴う皮膚疾患に適用され得る非エアゾール式のフォーマー容器を用いたフォーム剤に用いられるフォーム剤用組成物、それを用いたフォーム剤を提供する。より詳細には、本発明は、防腐剤としてパラベンを含有してなる非エアゾール式のフォーマー容器を用いたフォーム剤用の鎮痒剤組成物、それを用いたフォーム剤を提供する。
しかしながら、パラベンは水溶性に乏しく、軟膏やクリーム剤などには適した防腐剤であったが、水分を多く含有するフォーム剤用組成物においては、軟膏やクリーム剤の場合と比べて防腐剤として使用することが困難であった。また、鎮痒成分や抗炎症成分と併用した場合には、白濁が生じたり、不溶物が生成し、不溶物の沈殿が生じることがわかった。例えば、鎮痒成分として抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)、特に塩酸ジフェンヒドラミン又はマレイン酸クロルフェニラミンを用い、抗炎症成分としてグリチルリチン酸塩を用いた場合には、外観上も明らかな白濁が生じ、フォーマー容器のメッシュにおける目詰まりが生じフォーム剤用組成物として使用することができなかった。ここで使用した、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンは水に溶けやすく、また、グリチルリチン酸塩も水に溶けやすいことは一般的に知られていることから、防腐剤として使用したパラベンが白濁、又は不溶物の生成に大きく寄与しているものと考えられた。
そこで、本発明者らは、防腐剤としてパラベンを含有する鎮痒剤組成物のフォーム剤用組成物としての製剤化のための界面活性剤について検討したが、通常の界面活性剤では好ましいフォーム剤用組成物を得ることが困難であった。
さらに詳細には、本発明は、次の(A)〜(F)
(A)鎮痒成分として塩酸ジフェンヒドラミン、
(B)抗炎症成分としてグリチルリチン酸塩、
(C)防腐剤としてパラベン、
(D)水
(E)脂肪酸アルキロールアミド、及び、
(F)炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、
からなる成分を含有してなるフォーム剤用組成物を提供するものである。
さらに、より詳細には、本発明は、次の(A)〜(F)
(A)組成物全量に対し0.01〜2質量%の塩酸ジフェンヒドラミン、
(B)組成物全量に対し0.01〜2質量%のグリチルリチン酸塩、
(C)組成物全量に対し0.01〜1質量%のパラベン、
(D)組成物全量に対し40〜98質量%の水、
(E)組成物全量に対し0.1〜2質量%の脂肪酸アルキロールアミド、及び、
(F)組成物全量に対し0.1〜1質量%の、炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、
からなる成分を含有してなるフォーム剤用組成物を提供するものである。
また、本発明は、さらに保湿成分を含有するフォーム剤用組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、上述したフォーム剤用組成物を非エアゾール式のフォーマー容器に収容してなるフォーム剤を提供するものである。
(1)非エアゾール式のフォーマー容器に収容され、このフォーマー容器から泡沫状に吐出させて使用するフォーム剤用組成物であって、防腐剤としてパラベンを含有してなる鎮痒剤組成物において、界面活性剤として、脂肪酸アルキロールアミド及び炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを配合したことを特徴とするフォーム剤用組成物。
(2)鎮痒剤組成物が、鎮痒成分として抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)を用い、抗炎症成分としてグリチルリチン酸塩を用いたものである前記(1)に記載のフォーム剤用組成物。
(3)抗ヒスタミン薬が、塩酸ジフェンヒドラミンである前記(2)に記載のフォーム剤用組成物。
(4)パラベンが、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びベンジルパラベンからなる群から選ばれる1種又は2種以上からなる前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフォーム剤用組成物。
(5)非エアゾール式のフォーマー容器に収容され、このフォーマー容器から泡沫状に吐出させて使用するフォーム剤用組成物であって、次の成分(A)〜(F)
(A)塩酸ジフェンヒドラミン、
(B)グリチルリチン酸塩、
(C)パラベン、
(D)水、
(E)脂肪酸アルキロールアミド、及び、
(F)炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、
を含有してなるフォーム剤用組成物。
(6)非エアゾール式のフォーマー容器に収容され、このフォーマー容器から泡沫状に吐出させて使用するフォーム剤用組成物であって、次の成分(A)〜(F)
(A)組成物全量に対し0.01〜2質量%の塩酸ジフェンヒドラミン、
(B)組成物全量に対し0.01〜2質量%のグリチルリチン酸塩、
(C)組成物全量に対し0.01〜1質量%のパラベン、
(D)組成物全量に対し40〜98質量%の水、
(E)組成物全量に対し0.1〜2質量%の脂肪酸アルキロールアミド、及び、
(F)組成物全量に対し0.1〜1質量%の炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、
を含有してなる前記(5)に記載のフォーム剤用組成物。
(7)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである前記(5)又は(6)に記載のフォーム剤用組成物。
(8)さらに、保湿成分を含有する前記(1)〜(7)のいずれかに記載のフォーム剤用組成物。
(9)保湿成分が、尿素である前記(8)に記載のフォーム剤用組成物。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載のフォーム剤用組成物を、非エアゾール式のフォーマー容器に収容してなるフォーム剤。
また、本発明に係るフォーム剤用組成物は、尿素などの保湿成分を含有することもでき、ドライスキン、乾皮症等のかゆみをともなう乾燥性皮膚疾患に対して特に有効な鎮痒剤組成物をフォーム剤用組成物として製剤化できるものであり、例えばドライスキン治療薬などとしても好適に使用され得るフォーム剤を提供することができる。
さらに、本発明は、製剤化上好ましいフォーム剤用組成物を非エアゾール式のフォーマー容器に収容してなることにより、起泡性が良好で、かつ使用感も良好で、皮膚刺激性もなく安全性の高い、かゆみを伴う皮膚疾患に有効なフォーム剤を提供するものであり、保形性に優れ、きめ細かい良好な泡沫を得ることができ、かゆみを伴う皮膚疾患に対して広い範囲にわたって素早く適用することができる、使用感に優れる鎮痒剤組成物を提供するものである。
本発明における鎮痒剤組成物は、少なくとも1種の鎮痒成分を含有するものであり、好ましくは少なくとも1種の鎮痒成分及び少なくとも1種の抗炎症成分を、より好ましくは鎮痒成分として抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)及び抗炎症成分としてグリチルリチン酸塩を、より好ましくは鎮痒成分として抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)である塩酸ジフェンヒドラミン及び抗炎症成分としてグリチルリチン酸塩を含有するものである。
本発明において非エアゾール式のフォーマー容器とは、泡沫を一定量吐出する非エアゾール式のノンガス容器(非エアゾール式容器)をいい、フォーム剤用組成物を空気と混合して泡沫状態で吐出できるものであれば特に限定されない。例えば、ポンプ機構を備え、キャップの頭を押圧することにより使用されるポンプフォーマー容器、軟質容器の胴部を押圧することにより使用されるスクイズフォーマー容器等が挙げられ、本発明においては特にポンプフォーマー容器が好適に使用される。このようなフォーマー容器は通常、ディップチューブ等でフォーム剤用組成物を吸い上げて容器内に設けられた気液混合室へ導入するとともに、フォーム剤用組成物と空気とを気液混合室で混合し、起泡させ、得られた気液混合物を微細な孔が形成されたメッシュを通過させることによって均一できめ細かい泡沫を吐出口から吐出させる。この際、メッシュは、フォーム剤用組成物が通過する領域において複数枚設けられていてもよい。また、メッシュサイズは特に限定されないが1インチ当たり150〜255メッシュが好適に使用され、特にこのメッシュを200メッシュとした場合に、均一できめ細かい泡沫を形成することができる。このようなフォーマー容器としては、具体的には、例えばポンプフォーマーE3タイプ、ポンプフォーマーF2タイプ(大和製罐社製)、WPフォーマーポンプ(株式会社吉野工業所製)などが挙げられる。
本発明のフォーム剤用組成物における抗ヒスタミン薬の含有量としては、通常の鎮痒剤に配合される量であれば特に制限はなく、例えば、抗ヒスタミン薬として塩酸ジフェンヒドラミンを使用した場合の含有量としては、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.01〜2質量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜1.5質量%、特に好ましくは1質量%とすることが望ましい。含有量が0.01質量%より少ないと鎮痒作用が十分でなく、含有量が2質量%を超えると薬効の観点から配合の意味合いが殆ど無いばかりか、フォーム剤の使用感を悪くするなどの不具合を生じることもある。
本発明に用いられる抗炎症成分は、抗炎症作用を有する成分であれば特に限定されず、このような抗炎症成分としては、水溶性の成分が好ましく、例えばグリチルリチン酸塩などが挙げられる。グリチルリチン酸塩は抗炎症作用を有し、鎮痒作用を有する成分とともにかゆみを伴う皮膚疾患に広く使用されている。グリチルリチン酸塩としては、例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が挙げられる。本発明においてはグリチルリチン酸二カリウムが特に好ましい。
本発明のフォーム剤用組成物における抗炎症成分の含有量としては、通常の鎮痒剤に配合される量であれば特に制限はなく、例えば、グリチルリチン酸塩の含有量としては、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.01〜2質量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜0.7質量%、特に好ましくは0.5質量%とすることが望ましい。含有量が0.01質量%より少ないとかゆみを抑えるのに不十分であり、含有量が2質量%を超えると薬効の観点から配合の意味合いが殆ど無いばかりか、フォーム剤の使用感を悪くするなどの不都合を生じることもある。
本発明のフォーム剤用組成物におけるパラベンの含有量は、特に限定されるものではないが、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.01〜1質量%の範囲内であり、好ましくは0.05〜0.5質量%、特に好ましくは0.1〜0.2質量%とすることが望ましい。含有量が0.01質量%より少ないと防腐効果が十分でなく、含有量が1質量%を超えると皮膚刺激性などの観点から好ましくないことがある。
本発明のフォーム剤用組成物におけるの水の含有量は、特に限定されるものではないが、通常フォーム剤用組成物全量に対し40〜98質量%の範囲内であり、好ましくは50〜97.5質量%、特に好ましくは65質量%〜97質量%とすることが望ましい。
本発明に用いられる脂肪酸アルキロールアミドは、非イオン性界面活性剤の一種であり、フォーム剤用組成物の起泡性を向上させ、泡量を増やすのに有効な成分である。脂肪酸アルキロールアミドは脂肪酸とモノエタノールアミン、又はジエタノールアミンを1:1又は1:2のモル比で反応させたものであり、前者を1:1型、後者を1:2型という。本発明においては特に1:1型が好ましい。
脂肪酸アルキロールアミドにおける脂肪酸部分については特に制限はなく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等単一のものの他、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛油脂肪酸等の混合物でも良い。これらのうち、ヤシ油脂肪酸が特に好ましい。
本発明に用いられる脂肪酸アルキロールアミドとして、スタホームDFC等のスタホームシリーズ(日本油脂社製)、アミゾールLDE等のアミゾールシリーズ(川崎ファインケミカル社製)、アミコールCDE等のアミコールシリーズ(ミヨシ油脂社製)、トーホールN−220(東邦化学社製)等の市販品を使用できる。
本発明のフォーム剤用組成物における成分(E)の脂肪酸アルキロールアミドの含有量は、特に限定されるものではないが、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.1〜2質量%の範囲内であり、好ましくは0.3〜1質量%、特に好ましくは0.5質量%とすることが望ましい。含有量が0.1質量%より少ないと本発明におけるフォーム剤用組成物の白濁及び不溶物の生成の抑制効果が不十分であり、含有量が2質量%を超えると、使用感を悪化させる上、皮膚刺激性も懸念され、また起泡性の向上も認められないことがある。
R1−O−(R2−O)n−(R3−O)m−H (1)
(但し、R1は炭素数11〜18の脂肪族基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、n及びmはポリオキシアルキレンの繰り返し単位数を示す0又は正の整数であり、nとmの合計は7〜40である。)
で示されるものが挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける脂肪族基としては、炭素数11〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基が挙げられ、具体的には例えば、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシリル基、ミリスチル基、ペンタデシリル基、セチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、オレイル基などが例示される。本発明における脂肪族基としては、特にラウリル基、オレイル基が好ましい。
ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける、繰り返し単位を形成するオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基などが挙げられ、これらの基は単独で繰り返し単位を形成してもよいし、例えば、オキシエチレン基とオキシプロピレン基などが混合されていてもよい。2種以上のオキシアルキレン基が混合して使用される場合には、これらのオキシアルキレン基はランダムに混合されていても、ブロックで混合されていてもよい。
ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数は7〜40の範囲であり、8〜30が好ましく、9〜25が特に好ましい。
このような炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルやポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン脂肪族エーテルなどが挙げられ、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルとしては、具体的には例えば、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルなどが挙げられ、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルが特に好ましい。なお、カッコ内の数字はポリオキシエチレン単位数を表す。また、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン脂肪族エーテルとしては、具体的には例えば、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(23)セチルエーテルなどが挙げられ、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテルが特に好ましい。なお、カッコ内の数字はそれぞれポリオキシエチレン単位数、ポリオキシプロピレン単位数を表す。本発明においては、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルが好ましい。
本発明のフォーム剤用組成物における成分(F)の炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテルとしては、BL−9EX、BL−21、BL−25、BO−7、BO−10、BO−20、BC−23、BC−30TX、BS−20、PBC−34、PBC−44(以上、日光ケミカルズ社製)等のポリオキシエチレン脂肪族エーテルの市販品を使用できる。
本発明のフォーム剤用組成物における保湿成分の含有量は、特に限定されるものではないが、保湿成分として尿素を用いる場合、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.01〜25質量%、好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは10質量%とすることが望ましい。グリセリンなどの多価アルコールを用いる場合、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.01〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは5〜10質量%とすることが望ましい。ヒアルロン酸ナトリウムを配合する場合、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.2質量%以下、好ましくは0.01〜0.1質量%とすることが望ましい。
本発明のフォーム剤用組成物においては、泡の保形性のために、適度な粘度を出す高分子を配合することが好ましい。具体的には、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等の天然水溶性高分子、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成水溶性高分子、ポリビニルアルコールなどの合成水溶性高分子のなどを配合させることができる。これらの高分子を配合する場合、通常フォーム剤用組成物全量に対し0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.2質量%とすることが望ましい。
更に、クエン酸、リン酸、乳酸等、あるいはこれらの塩、またジイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、グリシン等のpH調整剤、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、または香料を適宜配合することが可能である。
本発明のフォーム剤の使用量及び使用頻度は特に限定されず、かゆみを伴う皮膚疾患の症状や適用部位、患者の年齢等の種々の条件に応じて適宜選択可能である。
実施例1のヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)及びポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを無配合とし、その他は実施例1と同様にして比較例1のフォーム剤用組成物を得た。
[比較例2]
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを無配合とし、その他は実施例1と同様にして比較例2のフォーム剤用組成物を得た。
[比較例3]
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル(BB−20、日光ケミカルズ社製)に替え、その他は実施例1と同様にして比較例3のフォーム剤用組成物を得た。
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル(BL−2、日光ケミカルズ社製)に替え、その他は実施例1と同様にして比較例4のフォーム剤用組成物を得た。
[比較例5]
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを、ポリオキシエチレン(50)オレイルエーテル(BO−50、日光ケミカルズ社製)に替え、その他は実施例1と同様にして比較例5のフォーム剤用組成物を得た。
[比較例6]
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを、ステアリン酸シュガーエステルに替え、その他は実施例1と同様にして比較例6のフォーム剤用組成物を得た。
[比較例7]
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(TMGS−15、日光ケミカルズ社製)に替え、その他は実施例1と同様にして比較例7のフォーム剤用組成物を得た。
[比較例8]
実施例1のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテルを、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(GO−440、日光ケミカルズ社製)に替え、その他は実施例1と同様にして比較例8のフォーム剤用組成物を得た。
実施例1〜4、比較例1〜8の組成物について、透明であるか、白濁あるいは不溶物を生じるか外観を目視により評価した。その結果を表1に示す。尚、「○」は白濁及び不溶物の生成が起こらず透明であることを示し、「×」は白濁あるいは不溶物が生じたことを示す。
Claims (10)
- 非エアゾール式のフォーマー容器に収容され、このフォーマー容器から泡沫状に吐出させて使用するフォーム剤用組成物であって、防腐剤としてパラベンを含有してなる鎮痒剤組成物において、界面活性剤として、脂肪酸アルキロールアミド及び炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを配合したことを特徴とするフォーム剤用組成物。
- 鎮痒剤組成物が、鎮痒成分として抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)を用い、抗炎症成分としてグリチルリチン酸塩を用いたものである請求項1に記載のフォーム剤用組成物。
- 抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)が、塩酸ジフェンヒドラミンである請求項2に記載のフォーム剤用組成物。
- パラベンが、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びベンジルパラベンからなる群から選ばれる1種又は2種以上からなる請求項1〜3のいずれかに記載のフォーム剤用組成物。
- 非エアゾール式のフォーマー容器に収容され、このフォーマー容器から泡沫状に吐出させて使用するフォーム剤用組成物であって、次の成分(A)〜(F)
(A)塩酸ジフェンヒドラミン、
(B)グリチルリチン酸塩、
(C)パラベン、
(D)水、
(E)脂肪酸アルキロールアミド、及び、
(F)炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、
を含有してなるフォーム剤用組成物。 - 非エアゾール式のフォーマー容器に収容され、このフォーマー容器から泡沫状に吐出させて使用するフォーム剤用組成物であって、次の成分(A)〜(F)
(A)組成物全量に対し0.01〜2質量%の塩酸ジフェンヒドラミン、
(B)組成物全量に対し0.01〜2質量%のグリチルリチン酸塩、
(C)組成物全量に対し0.01〜1質量%のパラベン、
(D)組成物全量に対し40〜98質量%の水、
(E)組成物全量に対し0.1〜2質量%の脂肪酸アルキロールアミド、及び、
(F)組成物全量に対し0.1〜1質量%の炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、
を含有してなる請求項5に記載のフォーム剤用組成物。 - ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである請求項5又は6に記載のフォーム剤用組成物。
- さらに、保湿成分を含有する請求項1〜7のいずれかに記載のフォーム剤用組成物。
- 保湿成分が、尿素である請求項8に記載のフォーム剤用組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のフォーム剤用組成物を、非エアゾール式のフォーマー容器に収容してなるフォーム剤。
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