JP2007136345A - マイクロリアクターおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率の触媒反応が可能であり、装置全体の小型化が可能なマイクロリアクターと、このようなマイクロリアクターの材料制限を最小限にして簡便に製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】マイクロリアクターを、筐体内に少なくとも1枚のメッシュ形状の触媒担持体とを備えたものとし、上記の筐体は原料導入口と生成物排出口と1対の電極用開口部を有するものであり、触媒担持体は電熱体を有するとともに触媒を担持するものであり、電熱体は、電極用開口部から筐体の外部へ突出している1対の電極に接続した構造とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マイクロリアクターとその製造方法に係り、特に担持した触媒により所望の反応を進行させるためのマイクロリアクターと、このマイクロリアクターの製造方法に関する。
内部に触媒を担持したリアクターは、その目的に応じた最適な設計がなされて、種々の分野で使用されている。このようなリアクターの一例として、下記のように、燃料電池の分野においてマイクロリアクターが着目されている。
燃料電池は、水素を直接電力に変換できることや、発生する熱を利用するコジェネレーションシステムにおいて高いエネルギー変換効率が可能であり、従来から宇宙開発や海洋開発等の特殊な条件において採用されてきた。そして、最近では自動車や家庭用分散電源用途への開発が進んでおり、また、携帯機器用の燃料電池も開発されている。このような燃料電池のなかで、携帯機器用の燃料電池は小型化が必須とされている。このため、例えば、炭化水素系燃料を水蒸気改質して水素ガスを生成する改質器用のマイクロリアクターが種々開発されている。このようなマイクロリアクターとして、例えば、発熱性基板に流体経路を形成し、この流体経路内に触媒を担持した構造のものが開発されている(特許文献1)。
特開2003−331896号公報
しかしながら、流体経路内に触媒を担持している従来のマイクロリアクターでは、流体経路内での原料移送における圧力損失が大きく、このため、原料移送用ポンプの小型化には限界があった。
また、従来のマイクロリアクターでは、触媒の担持性が良好な基板材料を用いて流体経路を作製する必要があり、このため、使用する材料によっては、マイクロリアクターに供給される熱の利用効率が悪いという問題があった。
さらに、流体経路が形成された基板の接合においては、接合される基板面が清浄であることが必要である。しかし、流体経路内に触媒を担持する工程において基板面の清浄性が低下し、基板の接合によるマイクロリアクター作製に支障が生じるという問題があった。また、流体経路が形成された厚みのある基板の接合は、金属薄板の接合に比べて困難であり、接合不良がマイクロリアクターの信頼性低下に直結するという問題もあった。
また、流体経路内に担持した触媒が、基板接合工程等において著しく汚染されて劣化したり失活する場合があり、このため使用できる触媒が制限されたり、製造工程管理が難しいという問題もあった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、高効率の触媒反応が可能であり、装置全体の小型化が可能なマイクロリアクターと、このようなマイクロリアクターの材料制限を最小限にして簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のマイクロリアクターは、原料導入口と生成物排出口と1対の電極用開口部を有する筐体と、該筐体内に配設された少なくとも1枚のメッシュ形状の触媒担持体とを備え、該触媒担持体は電熱体を有するとともに触媒を担持するものであり、前記電熱体は前記電極用開口部から筐体の外部へ突出している1対の電極に接続しているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記筐体が1組の筐体半体を接合したものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記原料導入口と前記生成物排出口は前記筐体の対向する面に位置しているような構成とした。
本発明の他の態様として、メッシュ形状の前記触媒担持体を2枚以上備え、各触媒担持体の電熱体が1対の前記電極に接続されているような構成とした。
本発明の他の態様として、各触媒担持体が所定の間隔を設けて平行に配設されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電極と前記電極用開口部の間隙部がシール部材により封止されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記触媒担持体は、メッシュ形状の金属基体と、該金属基体を被覆する金属酸化膜と、該金属酸化膜の一部に配設された電熱体と、前記金属酸化膜に担持された触媒とを備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属酸化膜が前記金属基体の陽極酸化により形成されたものであるような構成、あるいは、前記金属酸化膜がウォッシュコート処理により形成されたものであるような構成、あるいは、前記金属酸化膜が前記金属基体に金属酸化物を溶射することにより形成されたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記触媒担持体は、メッシュ形状の電熱体と、該電熱体を被覆する金属酸化膜と、該金属酸化膜に担持された触媒とを備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属酸化膜がウォッシュコート処理により形成されたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記触媒担持体は、メッシュ形状の電熱体と、該電熱体を被覆する金属膜と、該金属膜を被覆する金属酸化膜と、該金属酸化膜に担持された触媒とを備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属酸化膜が前記金属膜の陽極酸化により形成されたものであるような構成、あるいは、前記金属酸化膜がウォッシュコート処理により形成されたものであるような構成とした。
本発明のマイクロリアクターの製造方法は、電熱体を有するとともに触媒を担持したメッシュ形状の触媒担持体を形成する工程と、1組の筐体半体内に前記触媒担持体を収納し、かつ、前記電熱体に接続された1対の電極を外部に突出させるように、前記筐体半体を接合して筐体とする工程と、を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記筐体半体を、凹部と、該凹部の周縁に配設されたフランジ部とを有する形状に形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、少なくとも一方の前記筐体半体の前記フランジ部に、原料導入口、生成物排出口、および、1対の電極用開口部となるための溝部を設けるような構成とした。
本発明の他の態様として、一方の前記筐体半体の前記凹部に原料導入口を形成し、他方の前記筐体半体の前記凹部に生成物排出口を形成し、また、少なくとも一方の前記筐体半体の前記フランジ部に1対の電極用開口部となるための溝部を設けるような構成とした。
本発明の他の態様として、触媒担持体を形成する工程において、電熱体を有するメッシュ形状の触媒担持体に触媒を担持させた後、複数の触媒担持体を所定の間隔を設けて一体化するような構成、あるいは、触媒担持体を形成する工程において、電熱体を有するメッシュ形状の複数の触媒担持体を所定の間隔を設けて一体化した後、各触媒担持体に触媒を担持させるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記筐体半体を接合して筐体とする工程において、レーザー溶接を用いて筐体半体の接合を行なうような構成とした。
本発明の他の態様として、前記筐体半体を接合して筐体とする工程において、1対の前記電極が筐体から外部へ突出した部位の間隙をシール部材で封止するような構成とした。
本発明のマイクロリアクターは、筐体内にメッシュ形状の触媒担持体を備えたものであり、原料移送における圧力損失を生じる流体経路内に触媒を担持した構造ではないので、原料移送に必要なポンプの小型化、したがって、マイクロリアクターを含む装置全体の小型化が可能であり、また、触媒担持体が電熱体を有するので、触媒を瞬時に適温に加熱することができ、停止状態から始動したときの立ち上がり速度が速く、かつ、投入電力の利用効率の高いマイクロリアクターが可能となり、また、触媒担持性を考慮することなく筐体の材料を選定することができ、例えば、熱伝導率の低い筐体を使用して、筐体内部からの熱放出を防止して熱の利用効率を向上させることができる。
また、本発明の製造方法では、筐体半体の作製とは別に、触媒担持体が作製されるので、触媒の汚染や失活が防止され、かつ、均一な触媒担持が可能で、難しい製造工程管理が不要となり、また、筐体半体の接合面の清浄性が失われることがなく、かつ、筐体半体の接合は、流体経路を備えた基板面の接合に比べ容易であり、接合が確実に行なわれるので、信頼性の高いマイクロリアクターの製造が可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[マイクロリアクター]
図1は本発明のマイクロリアクターの一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示されるマイクロリアクターの筐体分解斜視図であり、図3は図1に示されるマイクロリアクターのA−A線における縦断面図である。図1〜図3において、本発明のマイクロリアクター1は、筐体11と、この筐体11内部に配設された触媒担持体21とを備えている。
筐体11は、周囲にフランジ14を有し、このフランジ14が配設された4面のうち、1つの面11aに原料導入口15、これに対向する面11bに生成物排出口16を備え、また、別の対向する1組の面11c、11dには、電極用開口部17,17を備えている。このような筐体11は、筐体半体12A,12Bを接合したものであり、各筐体半体12A,12Bは、触媒担持体21を収納するための凹部13A,13Bと、この凹部13A,13Bの周縁にフランジ部14A,14Bを備えた形状である。各筐体半体12A,12Bにおいて、フランジ部14A,14Bには、原料導入口用の溝部15A,15B、生成物排出口用の溝部16A,16B、および、電極用開口部となるための1対の溝部17A,17Bが形成されている。尚、筐体11は、フランジ14を備えないものであってもよく、この場合、筐体11の壁面に上述の原料導入口15、生成物排出口16、および、電極用開口部17,17が開口したものであってもよく、また、上述の原料導入口15、生成物排出口16、および、電極用開口部17,17が筐体11の壁面から突出した形状としてもよい。
筐体11に収納されている触媒担持体21は、図示例では3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24が多段接続部材27,27により所定の間隔を設けて平行に配設されている。尚、本発明では、触媒担持体を構成するメッシュ形状の触媒担持体の枚数(段数)に制限はない。
ここで、本発明におけるメッシュ形状とは、複数の微細孔を備えた形状のことであり、例えば、複数の微細孔を備えた板体であってよく、また、金属線等により編まれた網体等であってもよい。また、触媒担持体の全面がメッシュ形状でもよく、触媒担持体の所定の部位のみがメッシュ形状となったものでもよい。
図4は図2、図3に示される3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24の平面図であり、図5は図3に示される触媒担持体21の断面の部分拡大図である。3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24は、多段接続部材27,27を介して相互に接続されるための多段接続部位22a,23a,24aを両端に有している。また、この多段接続部位22a,23a,24aに挟まれる部位には、複数の微細孔25が形成されメッシュ形状となっている微細孔形成領域22b、23b、24b(図4にて点線で囲まれる部位)と、電熱体配設領域22c、23c、24c(図4にて斜線を付して示した領域)が設定されている。したがって、3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24は、所定の領域(22b、23b、24b)のみがメッシュ形状となっている。
また、3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24のうち、中央に位置する触媒担持体22では、多段接続部位22aの外側に1対の電極26,26が設けられている。尚、微細孔形成領域22b、23b、24bと電熱体配設領域22c、23c、24cの大きさ、位置等の関係には特に制限はなく、触媒担持体22,23,24を構成する材料の熱伝導性等を考慮して適宜設定することができる。
上述の3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24は、上記の微細孔形成領域22b、23b、24bに微細孔25が形成されたメッシュ形状の金属基体41と、上記の多段接続部位22a,23a,24aを残すように金属基体41を被覆している金属酸化膜42と、上記の電熱体配設領域22c、23c、24c内において金属基体41の一方の面に(金属酸化膜42上に)形成された電熱体43と、金属酸化膜42に担持された触媒44とを備えている。電熱体43は、各触媒担持体22,23,24の多段接続部位22a,23a,24aに接続され、多段接続部位22a,23a,24aは、多段接続部材27,27によって相互に接続され、最終的に1対の電極26,26に接続されている。
上記の1対の電極26,26は、筐体11の電極用開口部17,17から突出しているとともに、この電極26,26と電極用開口部17,17との間隙部はシール部材31により封止されている。ここで、シール部材31は、通常、絶縁性を有する材料を使用する。
次に、本発明のマイクロリアクターを構成する部材について説明する。
マイクロリアクター1を構成する筐体11(筐体半体12A,12B)は、触媒担持体21を内部に配設保持できる所望の強度を有し、内部での反応に支障を来たさない材質であれば特に制限はなく、ステンレス等の金属、アルミナ、シリコン、石英等の材質から、触媒担持性を考慮することなく適宜選定することができる。特に、ステンレスは、レーザー溶接、拡散接合、ろう付けを用いた筐体半体12A,12Bの接合が可能であり、好適である。
筐体11の寸法、形状は、内部に配設した触媒担持体21の寸法、形状、および、原料導入口15と生成物排出口16の位置等を考慮して適宜設定することができる。また、筐体11の厚み(肉厚)は、使用する材料に応じて適宜設定することができる。
触媒担持体21を構成する金属基体41は、例えば、陽極酸化により金属酸化膜42を形成できる金属を使用することができる。このような金属としては、例えば、Al、Si、Y、Ce等を挙げることできる。また、金属基体41として、ウォッシュコート処理により金属酸化膜42の形成が可能な材料、例えば、Cu、ステンレス、Fe、Al等を使用することもできる。金属基体41の厚みは、使用する材料の熱容量、熱伝導率等の特性、形成するメッシュ形状等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、100μm〜1mm程度の範囲で設定することができる。また、微細孔25の開口形状は、円形状、楕円形状、多角形状等、いずれであってもよく、開口の大きさは、最大開口幅が100μm〜1mm程度の範囲となるように設定することができる。
また、金属酸化膜42は、触媒44を担持するために設けられたものであり、上述のような金属基体41の陽極酸化により形成されたもの、あるいは、ウォッシュコート処理により形成されたものであってよい。このような金属酸化膜42は、微細孔を有し、触媒44の担持量が大きく、かつ、安定した触媒担持を可能とする。
金属基体41の陽極酸化による金属酸化膜42の形成は、金属基体41を外部電極の陽極に接続した状態で、陽極酸化溶液に浸漬して陰極と対向させ通電することにより行うことができる。金属酸化膜42の厚みは、例えば、10〜100μm程度の範囲で設定することができる。
また、ウォッシュコート処理による金属酸化膜42の形成は、例えば、アルミナゾルのようなベーマイトアルミナが分散されている状態の懸濁液を用い、この懸濁液の粘度を十分に低下させたものを金属基体41に塗布(あるいは、金属基体41を浸漬)し、その後、乾燥させ、ベーマイト被膜を金属基体41の表面に固定化させることにより行うことができる。このようなウォッシュコート処理により形成される金属酸化膜42は、酸化アルミニウム薄膜であり、厚みは、例えば、0.1〜10μm程度の範囲で設定することができる。
金属酸化膜42上に配設されている電熱体43としては、ニクロム(Ni−Cr合金)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)等の電熱材料を使用することができる。図示例では、電熱体43は金属基体41の一方の面に配設されているが、金属基体41の熱容量、熱伝導率等の特性、形成するメッシュ形状等を考慮して適宜設定することができる。例えば、金属基体41の両面に配設されてもよく、また、金属基体41の一方の面であって、かつ、複数個の微細孔25を囲むような疎の状態で配設されてもよい。
金属酸化膜42に担持される触媒44は、マイクロリアクター1の用途に応じて適宜選択することができ、特に制限はない。
また、多段接続部材27は、各触媒担持体22,23,24の多段接続部位22a,23a,24aを相互に接続するとともに、各触媒担持体22,23,24を所望の間隔を設けて保持するための部材である。このような多段接続部材27は、金属板を積層しスポット溶接で固定して形成したり、導電微粒子を含有したガラスペースト、セラミックペースト等により形成することができる。また、各触媒担持体22,23,24の間隔は、例えば、200μm〜1mmの範囲で適宜設定することができる。
電極26,26と電極用開口部17,17との間隙部を封止するシール部材31は、ガラスペースト、セラミックペースト等により形成することができる。
本発明では、3枚のメッシュ形状の触媒担持体22,23,24を他の構造としてもよく、図6は、このような触媒担持体の他の構造例を示すものである。尚、図6では、便宜的に、触媒担持体22,23,24のうち、触媒担持体22のみを示した。
図6に示されるメッシュ形状の触媒担持体22(23,24)は、上記(図4)の微細孔形成領域22b(23b、24b)に微細孔25が形成されたメッシュ形状の電熱体53と、金属酸化膜52と、金属酸化膜52に担持された触媒54を備えている。金属酸化膜52は、電熱体53のうち、上記(図4)の多段接続部位22a(23a,24a)が露出するように電熱体53を被覆している。そして、各触媒担持体22(23,24)の多段接続部位22a(23a,24a)は、図示しない多段接続部材27,27によって相互に接続され、最終的に1対の電極26,26に接続されている。尚、この例では、1対の電極26,26も電熱体で構成されているが、1対の電極26,26を電熱体ではない金属導電材料、例えば、Au、Ag、Pd、Pd−Ag等の導電材料を用いて形成してもよい。
また、図7は、図6と同様に、触媒担持体の他の構造例を示すものであり、この図7においても、便宜的に、触媒担持体22,23,24のうち、触媒担持体22のみを示した。
図7に示されるように、メッシュ形状の触媒担持体22(23,24)は、上記(図4)の微細孔形成領域22b(23b、24b)に微細孔25が形成されたメッシュ形状の電熱体63と、金属膜61と、金属酸化膜62と、この金属酸化膜62に担持された触媒64を備えている。金属膜61は、電熱体63を被覆するものであり、また、金属酸化膜62は、金属膜61のうち、上記(図4)の多段接続部位22a(23a,24a)が露出するように金属膜61を被覆している。そして、各触媒担持体22(23,24)の多段接続部位22a(23a,24a)は、多段接続部材27,27によって相互に接続され、最終的に1対の電極26,26に接続されている。尚、この例では、1対の電極26,26は、電熱体63が金属膜61で被覆されたものであるが、1対の電極26,26を電熱体を含まない金属導電材料、例えば、Au、Ag、Pd、Pd−Ag等の導電材料を用いて形成してもよい。
上記のメッシュ形状の電熱体53,63は、としては、ニクロム(Ni−Cr合金)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)等の電熱材料を使用することができる。この電熱体53,63の厚みは、使用する材料の強度、形成するメッシュ形状等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、1〜100μm程度の範囲で設定することができる。また、微細孔25の開口形状は、円形状、楕円形状、多角形状等、いずれであってもよく、開口の大きさは、最大開口幅が100μm〜1mm程度の範囲となるように設定することができる。
金属酸化膜52は、触媒54を担持するために設けられたものであり、ウォッシュコート処理により形成されたものであってよい。ウォッシュコート処理による金属酸化膜52の形成は、上述のウォッシュコート処理による金属酸化膜42の形成と同様に行なうことができる。
また、金属膜61としては、例えば、陽極酸化により金属酸化膜62を形成できる金属を使用することができる。このような金属としては、例えば、Al、Si、Y、Ce等を挙げることできる。また、金属膜61として、ウォッシュコート処理により金属酸化膜62の形成が可能な材料、例えば、Cu、ステンレス、Fe、Al等を使用することもできる。金属酸化膜62は、触媒64を担持するために設けられたものであり、上述のような金属膜61の陽極酸化により形成されたもの、あるいは、ウォッシュコート処理により形成されたものであってよい。この金属膜61の厚みは、電熱体63による通電発熱に支障を来たさない厚みであればよく、例えば、1〜10μmの範囲で設定することができる。
金属酸化膜52,62に担持される触媒54,64は、マイクロリアクターの用途に応じて適宜選択することができ、特に制限はない。
上述のような本発明のマイクロリアクター1は、筐体11内にメッシュ形状の触媒担持体21を備えたものであり、流体経路内に触媒を担持した従来のマイクロリアクターにおいて問題となっていた原料移送時の圧力損失が低減され、原料移送に必要なポンプの小型化が可能である。また、触媒担持体21が電熱体43,53,63を有するので、触媒を瞬時に適温に加熱することができ、停止状態から始動したときの立ち上がり速度が速く、かつ、投入電力の利用効率の高いものとなる。また、触媒担持性を考慮することなく筐体11の材料を選定することができ、例えば、熱伝導率の低い筐体11を使用して、筐体11内部からの熱放出を防止して熱の利用効率を更に向上させることができる。
尚、本発明のマイクロリアクターは、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、原料導入口と生成物回収口の位置は限定されず、図8に示されるように、筐体11を構成する一方の筐体半体12Aの凹部側に原料導入口15′を配設し、他方の筐体半体12Bの凹部側に生成物排出口16′を配設したマイクロリアクター1′としてもよい。
また、上述の実施形態では、筐体11が周囲にフランジ14を備えているが、対向する2方向のみにフランジを備えたもの、あるいは、上述のようにフランジを備えないもの等であってもよい。
[マイクロリアクターの製造方法]
図9および図10は、上述のマイクロリアクター1を例とした、本発明のマイクロリアクター製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明の製造方法は、触媒担持体21を作製する工程と、筐体半体12A,12Bを作製する工程が独立している。
まず、触媒担持体21を作製する工程について説明する。尚、図9(A)〜図9(D)では、便宜的に、触媒担持体22,23,24のうち、触媒担持体22を図示する。
触媒担持体21の作製では、最初に、金属基体41に複数の微細孔25と1対の電極26,26を形成する(図9(A))。この微細孔25は、例えば、金属基体41の両面に所定の開口パターンを有するレジストを形成し、このレジストをマスクとしたウエットエッチングで形成することができる。また、レーザー穴あけ加工、放電加工、金型によるプレス加工等を用いて微細孔25を形成することも可能である。このような微細孔25は、図4に示される微細孔形成領域22b、23b、24bに形成される。尚、1対の電極26,26は、微細孔25形成前、あるいは、微細孔25形成後の金属基体41に打ち抜き加工等を施すことにより形成することができる。また、電極26,26を形成しない他は、触媒担持体23,24用の金属基体41にも、同様に、微細孔25を形成する。
次に、金属基体41を被覆するように金属酸化膜42を形成する(図9(B))。この金属酸化膜42は、図4に示される多段接続部位22a,23a,24aの金属基体41が露出するように形成される。
金属基体41への金属酸化膜42の形成は、例えば、金属基体41の陽極酸化あるいは金属基体41へのウォッシュコート処理(あるいは金属酸化物の溶射)により行なうことができる。陽極酸化による金属酸化膜42の形成は、金属基体41を外部電極の陽極に接続した状態で、陽極酸化溶液に浸漬して陰極と対向させ通電することにより行うことができる。また、ウォッシュコート処理による金属酸化膜42を形成することも可能である。このウォッシュコート処理の場合、例えば、アルミナゾルのようなベーマイトアルミナが分散されている状態の懸濁液を用い、この懸濁液の粘度を十分に低下させたものを金属基体41に塗布(あるいは、金属基体41を浸漬)し、その後、乾燥させ、ベーマイト被膜を金属基体41の表面に固定化させる。
尚、多段接続部位22a,23a,24aの金属基体41が露出するように金属酸化膜42を形成するには、多段接続部位22a,23a,24aに予め金属基体41を被覆するレジストパターンを形成し、その後、金属酸化膜を形成する方法、あるいは、金属基体41の全面に金属酸化膜42を形成した後、多段接続部位22a,23a,24aに位置する金属酸化膜42をエッチング、サンドブラスト等により除去する方法等を用いることができる。
次いで、金属酸化膜42上に電熱体43を形成する(図9C)。この電熱体43は、図4に示される電熱体配設領域22c、23c、24c内に形成するとともに、多段接続部位22a,23a,24aにおいて金属基体41に接続するように形成する。電熱体43の形成方法としては、カーボンペースト、ニクロム(Ni−Cr合金)、W、Mo等の材料を含有するペーストを用いてスクリーン印刷により形成する方法、上記の材料を含有するペーストを用いて塗布膜を形成し、その後、エッチング等によりパターニングする方法、配線パターンを有するメタルマスクを介して真空成膜法により絶縁膜上にパターニングする方法等を挙げることができる。
次に、金属酸化膜42上に触媒44を担持する(図9(D))。金属酸化膜42への触媒44の担持は、例えば、金属酸化膜42で被覆された金属基体41を触媒前駆体溶液に浸漬したり、触媒前駆体溶液を塗布して、適量を金属酸化膜42に付着させ、その後、触媒前駆体溶液を乾燥することにより行うことができる。
これにより、両端に金属基体41からなる電極26を備えた触媒担持体22が得られる。また、電極26を形成しない他は、触媒担持体22と同様に、触媒担持体23,24を形成することができる。このような触媒担持体22,23,24の作製では、金属基体41上に均一な金属酸化膜42を形成することができ、この金属酸化膜42上に触媒前駆体溶液を均一に付着させることができるので、所望の担持量で触媒を均一に担持させることができる。
その後、多段接続部材27により触媒担持体22,23,24を相互に接続し、所定の間隔で平行に保持して、触媒担持体21を作製する(図9(E))。この多段接続部材27による触媒担持体22,23,24の接続、保持は、例えば、金属板を積層しスポット溶接で固定したり、触媒担持体22,23,24を所定間隔で平行に配列し、その後、触媒担持体22の電極26を露出させるように各触媒担持体22,23,24の両端部を多段接続部材27用の材料で被覆し、硬化させることにより行なうことができる。多段接続部材27用の材料としては、導電微粒子を含有したガラスペースト、セラミックペースト等を挙げることができる。
尚、触媒44を担持する前に、多段接続部材27により触媒担持体22,23,24を相互に接続、保持し、その後、上記のようにして各触媒担持体22,23,24に触媒44を担持してもよい。
一方、上記の触媒担持体21を形成する工程と独立して、筐体半体12A,12Bを作製する(図10(A))。この筐体半体12A,12Bは、フランジ部14A,14Bに原料導入口用の溝部15A,15B、生成物排出口用の溝部16A,16B、および、電極用開口部となるための1対の溝部17A,17Bを備えた形状に作製する。このような筐体半体12A,12Bは、例えば、金属板にプレス加工を施すことにより作製することができる。
次に、上述のように作製した触媒担持体21を、1対の電極26,26が1対の溝部17A,17Bから外側に突出するように筐体半体12A,12B内に収納し(図10B)、その後、筐体半体12A,12Bを接合してマイクロリアクター1とする(図10(C))。筐体半体12A,12Bの接合は、例えば、筐体半体12A,12Bの材質がステンレス等である場合には、フランジ部14A,14Bをレーザースポット溶接することにより行なうことができる。また、筐体半体12A,12Bの材質に応じて、拡散接合、ロウ付け、抵抗溶接、陽極接合等により接合することも可能である。
上述のような本発明の製造方法では、筐体半体12A,12Bの作製とは別に、触媒担持体21を作製するので、触媒の汚染による劣化や失活が防止され、また、均一な触媒担持が可能となり、難しい製造工程管理を不要とすることができる。また、筐体半体12A,12Bの接合面の清浄性が失われることがなく、かつ、筐体半体12A,12Bの接合は、従来の流体経路が形成された基板相互の接合に比べ容易であり、接合が確実に行なわれるので、信頼性の高いマイクロリアクターの製造が可能となる。
また、図6に示される構造の触媒担持体を作製する場合には、ニクロム(Ni−Cr合金)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)等の電熱材料からなる電熱体53に、上述と同様にして、複数の微細孔25と1対の電極26,26を形成する。次いで、図4に示される多段接続部位22a,23a,24aの電熱体53が露出するように金属酸化膜52を形成する。この金属酸化膜52は、例えば、ウォッシュコート処理により形成でき、アルミナゾルのようなベーマイトアルミナが分散されている状態の懸濁液を用い、この懸濁液の粘度を十分に低下させたものを電熱体53に塗布(あるいは、電熱体53を浸漬)し、その後、乾燥させ、ベーマイト被膜を電熱体53の表面に固定化させる。その後、上述と同様にして、金属酸化膜52上に触媒54を担持する。
また、図7に示される構造の触媒担持体を作製する場合には、ニクロム(Ni−Cr合金)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)等の電熱材料からなる電熱体63に、上述と同様にして、複数の微細孔25と1対の電極26,26を形成する。次いで、電熱体63を被覆するように金属膜61を形成する。この金属膜61は、電気めっき、ホットディップ、クラッド被覆等の方法により形成することができ、使用する材料は、Al、Si等、陽極酸化により金属酸化膜62を形成できる材料、あるいは、Cu、ステンレス、Fe、Al等、ウォッシュコート処理により金属酸化膜62の形成が可能な材料を挙げることができる。
次に、金属膜62上に、図4に示される多段接続部位22a,23a,24aの金属膜62が露出するように金属酸化膜62を形成する。この金属酸化膜62は、金属膜62の陽極酸化あるいは金属膜62へのウォッシュコート処理により行なうことができ、陽極酸化、ウォッシュコート処理は、上述と同様である。その後、上述と同様にして、金属酸化膜62上に触媒64を担持する。
尚、上述のマイクロリアクター製造方法の実施形態は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
(微細孔の形成)
金属基体として、厚み200μmのアルミニウム基板を複数枚準備し、1枚の金属基体を、図4に示されるような触媒担持体22の形状(23mm×25mmの長方形と、この長手方向の両端部の中央から幅5mmで10mm突出した電極を備えた形状)に打ち抜き、また、2枚の金属基体を、図4に示されるような触媒担持体23,24の形状(23mm×25mmの長方形状)に打ち抜いて、2種、3枚の金属基体を作製した。
次いで、3枚の金属基体の両面に感光性レジスト材料(東京応化工業(株)製OFPR)をディップ法により塗布(膜厚7μm(乾燥時))した。次に、微細孔形成用のフォトマスクを介してレジスト塗布膜を露光し、炭酸水素ナトリウム溶液を使用して現像した。これにより、各金属基体の長手方向の中央の微細孔形成領域(17mm×19mmの長方形、図4参照)に、開口径が200μmの微細開口がピッチ100μmで配列されたレジストパターンが形成された。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、下記の条件で各金属基体をエッチング(5分間)した。
(エッチング条件)
・温度 : 20℃
・エッチング液(HCl)濃度: 200g/L
(35%HClを純水中に200g溶解して1Lとする)
上記のエッチング処理が終了した後、水酸化ナトリウム溶液を用いてレジストパターンを除去し、水洗した。これにより、17mm×19mmの長方形領域に、最大開口径が約200μmの微細孔がピッチ100μmで配列形成され、メッシュ形状の金属基体を得た。
(金属酸化膜の形成)
次に、メッシュ形状の3枚の金属基体を、それぞれ外部電極の陽極に接続し、陽極酸化溶液(4%シュウ酸溶液)に浸漬して陰極と対向させ、下記の条件で通電することにより、表面に酸化アルミニウム薄膜を形成した。この酸化アルミニウム薄膜の厚みをエリプソメーターで測定した結果、約30μmであった。
(陽極酸化の条件)
・浴温 : 25℃
・電圧 : 25V(DC)
次に、各金属基体について、上記の微細孔が形成された17mm×19mmの長方形領域を除く部位のアルミニウム基板が露出するように、酸化アルミニウム薄膜を研磨した。
(電熱体の形成)
次に、メッシュ形状の各触媒担持体(金属基体)の一方の面について、上記の酸化アルミニウム薄膜上、および、アルミニウム基板が露出している部位に、下記組成の電熱体用ペーストをスクリーン印刷により印刷し、200℃で硬化させて電熱体を形成した。このように形成した電熱体は、幅50μmの細線がピッチ300μmで格子状に形成されたものであり、各格子の中央には微細孔が位置し、また、格子状の電熱体の端部は、アルミニウム基板が露出している部位に接続したものであった。
(電熱体用ペーストの組成)
・カーボン粉末 … 20重量部
・微粉末シリカ … 25重量部
・キシレンフェノール樹脂 … 36重量部
・ブチルカルビトール … 19重量部
(触媒担持体の接続・保持)
上述のように電熱体を形成した2種、3枚のメッシュ形状の触媒担持体を、1対の電極を有する触媒担持体が中央となるように治具を用いて500μm間隔で平行に配列した。この状態で、両端部のアルミニウム基板露出部を被覆し、かつ、中央の触媒担持体の電極を露出させるように、下記組成の導電性ペーストを付着させ、その後、200℃、1時間の焼成処理を施して、多段接続部材を形成した。
(導電性ペーストの組成)
・銀めっき・銅粉末 … 90重量部
・フェノール樹脂 … 6.5重量部
・ブチルカルビトール … 3.5重量部
(触媒の担持)
次いで、上述のように多段状態で接続・保持された3枚のメッシュ形状の触媒担持体を、下記組成の触媒前駆体溶液内に浸漬(2時間)し、引き上げ、350℃、6時間の乾燥処理を施して、酸化アルミニウム薄膜に触媒(Cu/ZnO)を担持させた。これにより、触媒担持体とした。
(触媒前駆体溶液の組成)
・Cu … 0.5モル/L
・Zn … 0.5モル/L
(筐体半体の作製)
厚み500μmのステンレス基板を2枚準備し、プレス加工により図2に示されるような構造の筐体半体を1組作製した。この筐体半体は、深さ3mm、開口形状が33mm×35mmの長方形である凹部と、この凹部の周縁に幅5mmのフランジ部を備えたものとした。上記のプレス加工により、凹部を介して対向するフランジ部には、深さ1mm、幅5mmの原料導入口用の溝部と生成物排出口用の溝部をそれぞれ形成した。また、別の対向するフランジ部には、深さ1mm、幅5mmの電極用開口部となる溝部を形成した。これらの溝部は、それぞれ、筐体半体をフランジ部で接合したときに同じ位置となり、原料導入口、生成物排出口、および、1対の電極用開口部が形成されるように設定した。
(筐体半体の接合)
上述のように作製した触媒担持体を、上記の1組の筐体半体内に、1対の電極が1対の電極用開口部から外側に突出するように収納し、その後、筐体半体のフランジ部をレーザースポット溶接により接合し、筐体を完成させた。次いで、電極と電極用開口部の間隙部をガラスペーストで封止して、本発明のマイクロリアクターを得た。
[実施例2]
(微細孔の形成)
電熱体として、厚み1μmのニクロム(Ni−Cr合金)基板を複数枚準備し、実施例1と同様に打ち抜いて、2種、3枚の電熱体を作製した。
次いで、3枚の電熱体に、実施例1と同様にして、レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、下記の条件で各電熱体をエッチング(5分間)した。
(エッチング条件)
・温度 : 80℃
・エッチング液: 塩化第二鉄溶液 比重濃度45ボーメ(°Be)
上記のエッチング処理が終了した後、水酸化ナトリウム溶液を用いてレジストパターンを除去し、水洗した。これにより、17mm×19mmの長方形領域に、最大開口径が約50μmの微細孔がピッチ300μmで配列形成され、メッシュ形状の電熱体を得た。
(金属膜の形成)
次に、メッシュ形状の3枚の電熱体を溶融アルミニウム中に浸漬し引き上げることにより、メッシュ形状の電熱体を被覆するようにアルミニウム膜を形成した。このアルミニウム薄膜の厚みをマイクロメーターで測定した結果、電熱体表面の厚みが約50μm、微細孔内の厚みが約50μmであった。
(金属酸化膜の形成)
次に、アルミニウム膜を備えたメッシュ形状の3枚の電熱体を、それぞれ外部電極の陽極に接続し、陽極酸化溶液(4%シュウ酸溶液)に浸漬して陰極と対向させ、下記の条件で通電することにより、表面に酸化アルミニウム薄膜を形成した。この酸化アルミニウム薄膜の厚みをエリプソメーターで測定した結果、約30μmであった。
(陽極酸化の条件)
・浴温 : 25℃
・電圧 : 25V(DC)
次に、各電熱体について、上記の微細孔が形成された17mm×19mmの長方形領域を除く部位のアルミニウム膜が露出するように、酸化アルミニウム薄膜を研磨した。
(触媒担持体の接続・保持)
上述のように作製した2種、3枚のメッシュ形状の触媒担持体(電熱体)を、実施例1と同様にして、多段接続部材で接続、保持した。
(触媒の担持)
次いで、上述のように多段状態で接続・保持された3枚のメッシュ形状の触媒担持体に、実施例1と同様にして、触媒(Cu/ZnO)を担持させた。これにより、触媒担持体とした。
(筐体半体の接合)
上述のように作製した触媒担持体を、実施例1と同様に作製した1組の筐体半体内に、1対の電極が1対の電極用開口部から外側に突出するように収納し、その後、筐体半体のフランジ部をレーザースポット溶接により接合し、筐体を完成させた。次いで、電極と電極用開口部の間隙部をガラスペーストで封止して、本発明のマイクロリアクターを得た。
本発明は、担持した触媒により所望の反応を得るための用途、例えば、炭化水素系燃料を水蒸気改質して水素を製造する用途等に利用することができる。
本発明のマイクロリアクターの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示されるマイクロリアクターの筐体半体を離間させた状態の分解斜視図である。 図1に示されるマイクロリアクターのA−A線における縦断面図である。図1に示されるマイクロリアクターのA−A線における拡大縦断面図である。 図2、図3に示される3枚のメッシュ形状の触媒担持体の平面図である。 図3に示される触媒担持体の断面の部分拡大図である。 本発明のマイクロリアクターを構成する触媒担持体の他の構造例を示す図である。 本発明のマイクロリアクターを構成する触媒担持体の他の構造例を示す図である。 本発明のマイクロリアクターの他の実施形態を示す側面図である。 本発明のマイクロリアクターの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明のマイクロリアクターの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
符号の説明
1…マイクロリアクター
11…筐体
12A,12B…筐体半体
13A,13B…凹部
14(14A,14B)…フランジ(部)
15…原料導入口
16…生成物排出口
17…電極用開口部
21(22,23,24)…触媒担持体
25…微細孔
26…電極
27…多段接続部材
31…シール部材
41…金属基体
42,52,62…金属酸化膜
43,53,63…電熱体
61…金属膜
44,54,64…触媒

Claims (23)

  1. 原料導入口と生成物排出口と1対の電極用開口部を有する筐体と、該筐体内に配設された少なくとも1枚のメッシュ形状の触媒担持体とを備え、該触媒担持体は電熱体を有するとともに触媒を担持するものであり、前記電熱体は前記電極用開口部から筐体の外部へ突出している1対の電極に接続していることを特徴とするマイクロリアクター。
  2. 前記筐体は、1組の筐体半体を接合したものであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクター。
  3. 前記原料導入口と前記生成物排出口は前記筐体の対向する面に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロリアクター。
  4. メッシュ形状の前記触媒担持体を2枚以上備え、各触媒担持体の電熱体が1対の前記電極に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  5. 各触媒担持体は、所定の間隔を設けて平行に配設されていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロリアクター。
  6. 前記電極と前記電極用開口部の間隙部はシール部材により封止されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  7. 前記触媒担持体は、メッシュ形状の金属基体と、該金属基体を被覆する金属酸化膜と、該金属酸化膜の一部に配設された電熱体と、前記金属酸化膜に担持された触媒とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  8. 前記金属酸化膜は、前記金属基体の陽極酸化により形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載のマイクロリアクター。
  9. 前記金属酸化膜は、ウォッシュコート処理により形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載のマイクロリアクター。
  10. 前記金属酸化膜は、前記金属基体に金属酸化物を溶射することにより形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載のマイクロリアクター。
  11. 前記触媒担持体は、メッシュ形状の電熱体と、該電熱体を被覆する金属酸化膜と、該金属酸化膜に担持された触媒とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  12. 前記金属酸化膜は、ウォッシュコート処理により形成されたものであることを特徴とする請求項11に記載のマイクロリアクター。
  13. 前記触媒担持体は、メッシュ形状の電熱体と、該電熱体を被覆する金属膜と、該金属膜を被覆する金属酸化膜と、該金属酸化膜に担持された触媒とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  14. 前記金属酸化膜は、前記金属膜の陽極酸化により形成されたものであることを特徴とする請求項13に記載のマイクロリアクター。
  15. 前記金属酸化膜は、ウォッシュコート処理により形成されたものであることを特徴とする請求項13に記載のマイクロリアクター。
  16. 電熱体を有するとともに触媒を担持したメッシュ形状の触媒担持体を形成する工程と、
    1組の筐体半体内に前記触媒担持体を収納し、かつ、前記電熱体に接続された1対の電極を外部に突出させるように、前記筐体半体を接合して筐体とする工程と、を有することを特徴とするマイクロリアクターの製造方法。
  17. 前記筐体半体を、凹部と、該凹部の周縁に配設されたフランジ部と、を有する形状に形成することを特徴とする請求項16に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  18. 少なくとも一方の前記筐体半体の前記フランジ部に、原料導入口、生成物排出口、および、1対の電極用開口部となるための溝部を設けることを特徴とする請求項17に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  19. 一方の前記筐体半体の前記凹部に原料導入口を形成し、他方の前記筐体半体の前記凹部に生成物排出口を形成し、また、少なくとも一方の前記筐体半体の前記フランジ部に1対の電極用開口部となるための溝部を設けることを特徴とする請求項17に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  20. 触媒担持体を形成する工程において、電熱体を有するメッシュ形状の触媒担持体に触媒を担持させた後、複数の該触媒担持体を所定の間隔を設けて一体化することを特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれかに記載のマイクロリアクターの製造方法。
  21. 触媒担持体を形成する工程において、電熱体を有するメッシュ形状の複数の触媒担持体を所定の間隔を設けて一体化した後、各触媒担持体に触媒を担持させることを特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれかに記載のマイクロリアクターの製造方法。
  22. 前記筐体半体を接合して筐体とする工程において、レーザー溶接を用いて筐体半体の接合を行なうことを特徴とする請求項16乃至請求項21のいずれかに記載のマイクロリアクターの製造方法。
  23. 前記筐体半体を接合して筐体とする工程において、1対の前記電極が筐体から外部へ突出した部位の間隙をシール部材で封止することを特徴とする請求項16乃至請求項22のいずれかに記載のマイクロリアクターの製造方法。
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