JP2007135985A - 机 - Google Patents

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Abstract

【課題】頑丈な構造でしかも組み立てが簡単な机を提供する。
【手段】脚4の後部は天板2の後方に露出しており、天板2は、フロント金具43及びリア金具60を介して脚4又は袖キャビネットに固定されている。フロント金具43は側面視前向き鉤状の係合爪53を有していてボルト52で天板2に固定されており、係合爪53は脚4を構成する前支持体55の係合穴56に前方から嵌まっている。リア金具60は天板2の後面から後方に突出した張り出し片61を備えており、この張り出し片61がボルト64で脚4に固定されている。ボルト62の回転操作は天板2の後方の露出部で行えるため、机の組み立て・分解の作業を簡単に行える。
【選択図】図9

Description

本願発明は、組み立てが簡単な机(テーブル)に関するものである。
オフィス用等の机は、一般に、脚や袖キャビネット(ワゴン)等の支持体で天板を支持した構成になっており、脚又は袖キャビネットと天板とは互いに固定されている。そして、机は頑丈な構造であることが必要であり、また、組み立てはできるだけ簡単であることが望ましい。
そして、組み立て作業が容易な机として、特許文献1には、脚又は袖キャビネット等の支持体の後部上面に段付きボルトをねじ込み固定する一方、天板の下面を構成する補強部材に、前記段付きボルトに前方から嵌まり込む係合溝を形成し、更に、天板の前部の左右側部に切欠き部を形成して、この切欠き部に、カバーで覆われた座板を設け、この座板をボルトで脚又は袖キャビネットにボルトで締結して成る構成が開示されている。
また、特許文献2には、天板を袖キャビネットに固定する手段として、天板と袖キャビネットとの前部は爪と袋状係合部との嵌め合わせによって上下相対動不能及び左右相対動不能に連結し、天板と袖キャビネットとの後部は、袖キャビネットの上面板に下方から挿通したボルトによって締結することが記載されている。
他方、本願出願人は、特許文献3において、脚や袖キャビネットのような支持体を共用した状態で机を左右に連結できる多連式の机システムを提案した。
実公平7−16334号公報 実開昭51−120802号公報 特開2004−337452号公報
特許文献1及び2とも、天板と支持体との固定手段としてスライド式の係合手段とねじ止め(ボルト締結)とを併用したもので、ねじ止めしていることにより、天板が強固に固定される利点がある。
しかし、特許文献2では、机の組み立て又は分解作業において作業者は手を袖キャビネットの内部に差し込んでボルトを回転操作しなければならないため、机の組み立てや分解の作業が面倒である。これに対して特許文献1では、作業者は無理な姿勢をとることなくボルトの回転操作を天板の上面箇所で行えるため、机の組み立てや分解の作業を簡単に行える利点があるが、その反面、天板にはカバーで覆われた切欠き部を形成しなければならないため、天板の体裁が悪くなるという問題があった。
本願発明は、このような現状を改善することを課題とするものである。
前記課題を解決するため請求項1の発明では、天板とこれを下方から支持する左右の支持体とを、当該天板と支持体とを前後方向に相対動させると互いに嵌まり合って上下離反不能に保持されるスライド式係合手段と、ねじによる締結とで連結(固定)している机において、前記支持体の後部上面を天板の後面の後方に露出させており、前記スライド式係合手段は平面視で天板と支持体とが重なり合った部位に配置されている一方、天板の後部に、支持体の後部の露出部に上方から重なるリア金具を設けて、このリア金具をねじで支持体に締結している。なお、この構成においてスライド式係合手段は1カ所でも良いし、前後複数箇所に設けても良い。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記左右支持体の背面に重なる背面部材を備えており、背面部材と左右の支持体とは、両者を上下方向に相対動すると互いに嵌まり合う係合手段によって前後左右ずれ不能に連結されており、天板の後面と背面部材との間に上下に開口した配線空間を形成している。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記天板の左右端部には、前記スライド式係合手段として側面視後ろ向き鉤状の係合爪を有するフロント金具を設けて、前記支持体には、前記スライド式係合手段として、前記フロント金具の係合爪が上向き動不能に嵌まる係合穴が形成されている一方、前記リア金具は天板の後部の左右端部に設けられていてこれにボルトの貫通穴を有する張り出し片が形成され、支持体の露出部には前記ボルトがねじ込まれる雌ねじ部が形成されている。
そして、前記フロント金具の係合爪と支持体の係合穴、及び、リア金具の張り出し片と支持体の雌ねじ部とをそれぞれ左右一対ずつ設けて、1つのフロント金具の左右係合爪が支持体の左右係合穴に嵌まると共に1つのリア金具の左右張り出し片が支持体の左右雌ねじ部に重なった状態と、1つのフロント金具の一方の係合爪が支持体の一方の係合穴に嵌まると共に1つのリア金具の一方の支持片が支持体の1つの雌ねじ部に重なる状態とを選択自在と成すことにより、1つの支持体に1枚の天板の端部を連結することと、1つの支持体に左右隣り合った2枚の天板の端部を連結することとが選択可能になっている。
本願発明によると、スライド式係合手段とねじ止めとを併用することによって天板を支持体に強固に固定できる机において、ねじ(ボルト)の回転操作は天板の後方の広い空間箇所で行えるため、作業者は無理な姿勢をとることなく机の組み立てや分解の作業を簡単に行うことができ、また、天板の後方に突出したリア金具を支持体に締結するものであるため天板に切欠きを形成する必要はなく、このため美感に優れている。
近年の机では、天板の後方に配線空間を形成していることが多く、この場合、脚や袖キャビネットのような支持体の後部が天板の後方に露出することになるため、請求項2のように構成すると、配線用空間を形成することに起因してできる支持体の露出部を天板の取り付けに有効利用することができ、また、机全体としてデザイン的に違和感もない。
請求項3のように構成すると、特許文献3のように左右に隣り合った単位机が支持体と背面部材とを共用してなる多連式机システムを形成するにおいて、フロント金具及びリア金具はそれぞれ1種類で足りるため、それだけ部材管理の手間を軽減できる利点がある。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(1).全体の概要
図1(A)は多数の机群の外観斜視図であり、机群は、前机ユニット1と後机ユニット1′とを連結した背中合わせ方式机システムを左右に連結した形態になっている。換言すると、前机ユニット1を左右に並設した多連式机システムと後机ユニット1′を左右に並設した多連式机システムとが背中合わせ状に連結されている。図1(B)は1つの前側の多連式机システムを後方から見た斜視図である。
なお、背中合わせ方式の机システムではどちらが前か後か名分し難いが、以下の説明では、便宜上、図1(A)に表示した正面視・背面視の方向を基準にして前後を定めることとする。
図1から理解できるように、各机ユニット1,1′は、平面視長方形の天板2とこれを支持する脚4又は袖キャビネット5を備えており、前後机ユニット1,1′の脚4又は袖キャビネット5は、それらの間に介在した背面部材3に連結されている。換言すると、前後の単位机が背面部材3を共用している。脚4及び袖キャビネット5は天板に対する支持体の一例であり、背面部材3はその左右端部が脚4又は袖キャビネット5の背面に重なっている。つまり、左右に隣り合った単位机1は、脚4又は袖キャビネット5を共用しており、天板2と左右支持体4,5と背面部材3とで全体の剛性が確保されている。
背面部材3の上面と天板2の上面とは略同じ高さになっており(異なる高さでも良い)、天板2と背面部材3との間には、上下に開口した配線用空間が空いている。すなわち、天板2の背面を脚4又は袖キャビネット5の背面よりも手前側にずらして脚4及び袖キャビネット5の後部を露出させることにより、天板2の後方に上下開口の配線用空間を形成している。
詳細は省略するが、背面部材3には、配線用空間を覆う配線カバー6を着脱自在に取り付けることができる。また、背面部材3には配線受け樋8を取り付けることができる。更に、背面部材3の上面には机上パネル9を取り付けることができる。
脚4は、中空板状の基部4aと、基部4aの上端に固着した上アーム11及び基部4aの下端部に固着した下アーム12を備えて側面視でコ字状に形成されている。
図1(B)に示すように、背面部材3は、脚4又は袖キャビネット5に連結される縦長の左右サイドフレーム13とそれら左右サイドフレームの上端に連結された横長の上部水平フレーム(以下、(アッパーフレーム」という)14とから成る外枠体と、左右サイドフレーム13に固定されたパネル体16とで構成されている。アッパーフレーム14とサイドフレーム13とはともにアルミ等の軽金属の押し出し製品を使用しているが、角形鋼管や板金製品を使用することも可能である。
図1(B)に示すように、アッパーフレーム14とパネル体16との間に配線可能な空間17が空いている場合、アッパーフレーム14とパネル体16との間に、着脱自在なスペーサ18を配置することが可能である。なお、背中合わせ方式の机システムでは背面部材3には目隠し機能は基本的に必要はないので、背面部材3の上下幅寸法は、机の強度メンバーとしての強度を確保できるのに必要な寸法があれば足りる。
(2).背面部材3の詳細
次に、主として図2〜図4を参照して背面部材3について説明する。図2は背面部材3の背面図、図3は背面部材3の分離斜視図、図4は背面部材と脚及び袖キャビネットとの関係を示す図であり、(A)はサイドフレーム13の側面図、(B)はサイドフレーム13の部分背面図、(C)はサイドフレームの部分正面図、(C)は後机ユニット1′の部分側面図、(D)は前机ユニット1の部分側面図である。
背面部材3を構成するパネル体16は鋼板からなっており、その四周に角形の折り返し部20,21を形成することによって剛性を高めている。折り返し部20,21は内向き片20a,21aを有している。パネル体16の前面には横長の補強材22を溶接によって固着している。背面部材3の左右長さが短い場合(例えば900mm以下の場合)は、補強材22は必ずしも必要はない。背面部材3は特許文献3のような四方枠構造体となしたり、或いは、全体にわたって等しい厚さの板体とすることも可能であり、机の強度メンバーとしての機能を果たすことができれば良い。
背面部材3のアッパーフレーム14は全体としては中空角形であり、表裏両面(前後両面)には、上から順に、横向き第1溝23、横向き第2溝24、横向き第3溝25が形成されており、また、下面には下向き溝26が形成されている。各溝は蟻溝状に形成されている。
サイドフレーム13は全体として中空角形になっていて、前面体13aと後面板13bとを備えている。また、サイドフレーム13には、パネル体16の左右の折り曲げ部21がきっちり嵌まり込む内向き縦溝28と、外側に向けて開口した外向き縦溝29とが形成されている。外向き縦溝29は前後一対の内向きリップ29aを備えて蟻溝になっており、更に、サイドフレーム13の内部には、円筒の一部を縦に切除した形状のインナー縦溝30が一体形成されている。サイドフレーム13の前後両面はフラットである。サイドフレーム13の上下両端には樹脂製のキャップ31を装着している。
アッパーフレーム14とサイドフレーム13とは、アッパーフレーム14の隔壁27とサイドフレーム13の内側面に重なるL形のジョイント金具32とビス(図示せず)を使用して連結されている。サイドフレーム13の内向き溝28には、ジョンイント金具32を差し込むための窓穴34が空いている。いうまでもないが、サイドフレーム13とアッパーフレーム14とは他の連結構造(例えば溶接)も採用できる。
パネル体16の左右の折り返し部21は上下複数本(2本)のビス(例えばタッピンねじ)35でサイドフレーム13の内向き縦溝28に固定されている。パネル体16は、その上端がアッパーフレーム14の下向き横溝26に部分的に嵌まった高位置と、アッパーフレーム14との間に配線用空間17が空いた低位置との2段階に高さ調節できるようになっている。図3の符号36,37はビス35の挿通穴である。
背面部材3におけるサイドフレーム13の前面板13a及び後面板13bには、当該サイドフレーム13と脚4又は袖キャビネット5との連結手段の一環として、上下一対の係合穴39が空けられており、また、サイドフレーム13の前面板13a及び後面板13bの上端部には横長スリット状のストッパー穴40を空けている。
前記係合穴39は大径部39aと小径部39bとが連通したダルマ形係合穴であるが、図4に示すように、前面板13aの係合穴39と背面板13bの係合穴39とは姿勢が上下逆になり、かつ、前後の係合穴39とも小径部39bの中心は同じ高さになっている。なお、本実施形態では、前面板13aでは小径部39bが下向きで後面板13bでは大径部39aが下向きになっているが、ダルマ形係合穴39の姿勢は前後で逆向きでも良い。
(3).脚4及び袖キャビネット5と背面部材3との連結
図4に示すように、机ユニット1,1′を構成する脚4及び袖キャビネット5の背面には、背面部材3との連結手段の一環として、異径ピン41を突設している。異径ピン41は、ダルマ形係合穴39の大径部39aよりもやや小径で小径部39bよりは大径の頭41aと、ダルマ形係合穴39の小径部39bよりやや大径の首部41bとを備えており、脚4又は袖キャビネット5の背面板に固着したナットにねじ込みによって固定している。
異径ピン41はサイドフレーム13の上下ダルマ形係合穴39に対応して上下2本を1セットとしており、更に、1つの脚4及び袖キャビネット5に左右に並設した背面部材3を連結することを可能ならしめるため、異径ピン41は脚4及び袖キャビネット5に左右2セットずつ設けている。また、前机ユニット1における上段の異径ピン41及び後机ユニット1′における上段の異径ピン41、及び、前机ユニット1における下段の異径ピン41及び後机ユニット1′における下段の異径ピン41はそれぞれ同じ高さに設定されている。
本実施形態では、背中合わせ方式机システムの組み立ては例えば次のような手順で行うことができる。すなわち、後机ユニット1′の脚4又は袖キャビネット5に対して背面部材3を連結し、次いで、背面部材3に対して前机ユニット1の脚4又は袖キャビネット5を連結し、それから、前後机ユニット1,1′の脚4又は袖キャビネット5に対して天板2をそれぞれ連結するのである(脚4及び袖キャビネット5と天板2との連結構造は後述する)。
そして、本実施形態では、後机ユニット1′の脚4又は袖キャビネット5に背面部材3を連結するに際しては、背面部材3におけるダルマ形係合穴39の大径部39aを異径ピン41に嵌め入れてから下方にずらすことにより、異径ピン41とダルマ形係合穴39とを係合させるという手順を取り、前机ユニット1の脚4又は袖キャビネット5を背面部材3に連結するに際しては、脚4又は袖キャビネット5の異径ピン41を前方からダルマ形係合穴39の大径部39aに嵌め入れて下方にずらすことにより、異径ピン41とダルマ形係合穴39とを係合させるという手順をとる。机システムの分解は逆の手順で行われる。
(4).天板と脚及び袖キャビネットとの連結構造
次に、天板2と脚4及び袖キャビネット5との連結構造を主として図5以下の図面に基づいて説明する。図5のうち(A)は天板2の前部と脚4との連結構造を示す分離斜視図、(B)はフロント金具43を後方から見た斜視図、図6は天板2の後部と脚4との連結構造を示す分離斜視図、図7は背面部材3と脚4との上下ずれ防止手段を示す分離斜視図、図8は両面使い使用の机の部分的な平面図、図9は図14の IX-IX視断面図である。
天板2は、その上面を構成する表面板44と、表面板44の前部を支持する左右長手の前部補強枠45と、表面板44の後部を支持する後部補強枠46と、前後補強枠45の間に位置した中間補強枠(図示せず)と、補強枠群の左右両端に固着した前後長手のサイド補強枠47と、樹脂製のサイドエッジ48及びリアエッジ49を備えている。
前後補強枠45,46はほぼ同じ断面形状であり、表面板44に重なる部分とこれら下方に突出した角形樋状部50を有する形態である。また、内部には断面略コ字状の補助補強材51が配置されている(図9では後部補強枠46の補助補強材51は省略している)。
例えば図5から容易に理解できるように、前部補強枠45における角形樋状部50の下面にフロント金具(前部連結金具)43をボルト52で固定している(溶接してもよい)。フロント金具43は、側面視で後ろ向き鉤状の係合爪53を左右に配置した正面視略下向き開口コ字形に形成されており、角形樋状部50に形成した凹溝部50aに配置している。また、フロント金具43の上面には台形状の後ろ向き突出部43a形成しており、角形樋状部50における凹溝部50aの壁面に形成した角穴54に後ろ向き突出部43aを嵌め込むことによって位置決めをしている。
他方、脚4の上アーム11は上向きに開口した樋状に形成されており、その前部に側断面略下向き開口コ字状の前支持体55を溶接によって固着し、この前支持体55に、請求項に記載したスライド式係合手段の一環として、フロント金具43の係合爪53が前後方向から係脱する左右一対の係合穴56を形成している。フロント金具43のうち係合爪53の上方には、前支持体55の上面に当接又は密接し得る補助突起53aを形成しており、このため、前支持体55は係合爪53と補助突起53aとで上下から挟まれた状態になり、その結果、天板3と脚4との固定強度を向上できる(特に、天板2に下向きの荷重がかかったとき、天板3の沈みを防止して、机全体の剛性を向上できる)。
天板2を上アーム11に重ねてから後方にスライドさせることにより、係合爪53を係合穴56に簡単に係脱させることができる。係合穴56は、後端に行くに従って溝幅が小さくなるテーパ状に形成されている。これにより、天板2を後方に押すと天板2は正確に位置決めされて、左右の天板2の側端面を密着させることができる。脚4における上アーム11の上端には内向きフランジ11aを形成している。
例えば図6及び図9に示すように、天板2を構成する後部補強枠46の角形樋状部50には、天板2の後方に露出した張り出し片61を有するリア金具(後部連結金具)60がボルト62で固定されている一方、脚4における上アーム11の後部には側断面略下向き開口コ字状の後部支持体63が溶接によって固着されており、後部支持体63には、リア金具60の張り出し片61をボルト64で固定するための雌ねじ部(ナット)65を設けている。
雌ねじ部65は、上アーム11の前後長手中心線58を挟んだ両側に振り分けて配置されている。1つの脚4で左右の天板2を支持する場合は、リア金具60の1つの張り出し片61は脚4の外側にはみ出ている。1つの脚4で1枚の天板2を支持する場合は、左右張り出し片61は上アーム11と重なっている。
後部支持体63は上アーム11の上面よりも若干下方に落ち込んでおり、このため、リア金具60の張り出し片61は天板2に密着する部分から段落ちさせている。また、リア金具60のうち天板2への固定用ボルト穴66を挟んだ前後両側に突起60aを設けている一方、天板1を構成する後部補強枠46の角形樋状部50には、前後突起60aで挟まれる突条部50bを形成して、この突条部50bの内面にナットを溶接している。
リア金具60は、天板2と脚44との間に隙間を空けるためのスペーサの役割も備えており、そこで、リア金具60のうち前後突起60aの前後外側の部分に、脚4における上アーム11の水平フランジ11aに載る下向き押し曲げ部60bを形成している。リア金具60の張り出し片61には、前後長手の小判形(長穴)のボルト挿通穴68を空けている。
リア金具60のようなスライド式係合手段を設けて天板2を脚4や袖キャビネット5に連結する場合、部材の加工誤差により、天板2を押し込み切った状態で左右に隣り合った天板2の前後端面に段差が生じることが有り得るが、本実施形態のようにリア金具60のボルト挿通穴68を前後長手の長穴に形成しておくと、連結式机システム(机群)を構成するにおいて、各天板2の前端を一直線に揃えた状態にすることができるため、美感に優れた机システムを実現できる利点がある。
天板2を脚4に連結するに際しては、まず、フロント金具43の係合爪53を前支持体55の係合穴56に係合させ、次いで、リア金具60の張り出し片61を脚4の後部支持体63にボルト64で固定したら良い。フロント金具43と係合穴56との嵌まり合いにより、天板2と脚4とは上下左右方向に相対動不能に保持され、かつ、リア金具60が脚4にボルト64で締結されていることにより、天板2と脚4とはその後部において上下左右及び前後動不能に保持される。従って、天板2と脚4とは強固に固定されている。
そして、フロント金具43と係合穴56との嵌め合わせは天板2をスライドさせることで簡単に行われる一方、リア金具60を締結するボルト64の回転操作は、天板2の後方の露出箇所の無理な姿勢をとることなくごく簡単に行える。従って、机の組み立て及び分解をごく簡単に行うことができる。
脚4及び袖キャビネット5と背面部材3との連結手段として実施形態のように異径ピン41とダルマ形係合穴39との組み合わせを採用すると、例えば机を持ち上げたときに背面部材3を上下動不能に保持する手段が必要である。この点について本実施形態では、図7に示すように、上アーム11の後部支持体63にストッパー金具69をボルト70で固定し(このため脚4の後部支持体63にストッパー金具用雌ねじ部65′を設けている)、これに設けたストッパー爪69aを背面部材3におけるサイドフレーム13のストッパー穴40に嵌め込んでいる。
ストッパー爪69aは左右に2個振り分けて設けており、左右の背面部材3で1つの脚4を共用する場合は、左右のストッパー爪69aがそれぞれ背面部材3のストッパー穴40に嵌まる。
図10は1つの脚4に1つの背面部材3の端部のみを連結する場合を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B視断面図であるが、1つの脚4に1つの背面部材3しか連結しない場合は、この図10に示すように、一方のストッパー爪69aは背面部材3のストッパー穴40に嵌まり、他方のストッパー爪69aは背面部材3におけるアッパーフレーム14の横向き第2溝24に嵌まっている。つまり、アッパーフレーム14の横向き第2溝24をストッパー爪69aの逃がし溝として利用することにより、1つの脚4に1つの背面部材3を連結する場合も、左右2つの背面部材3を連結する場合も1つのストッパー金具69で足りるようになっている。
(5).天板と袖キャビネットとの連結
次に、天板と袖キャビネットとの連結について、図11及び図12に基づいて補足しておく。図11は袖キャビネット5の平面図、図12のうち(A)は図11の部分的な平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は図11の XIIC-XIIC視断面図である。
袖キャビネット5と天板2との連結構造も基本的には脚4の場合と同じで、既述のフロント金具43とリア金具60を使用しているが、袖キャビネット5は左右幅が大きいので、例えば天板2を持ち上げたときの強度を確保するため、フロント金具43及びリア金具60とも左右に2個ずつ配置している(ストッパー金具69は1個だけで良い)。
袖キャビネット5の本体は側板に固定された前かまち(前補強材)71及び後ろかまち(後ろ補強材)72とを備えており、天板2は両かまち71,72に連結している。前後かまち71,72の間は上向きに開口した空間になっている。袖キャビネット5と天板2との連結も基本的には脚4との連結と同じであり、各金具43,60,69は既述したものと同じである。前かまち71は断面凹凸状の補強材73を備えており、また、係合穴56は補強板74に形成している。
既述のとおり、フロント金具43及びリア金具60は左右2個ずつ使用しているが、袖キャビネット5で左右2枚の天板2を支持する場合も1枚の天板2を支持する場合のいずれにおいてもフロント金具43の左右係合爪53が係合穴56に嵌まるように、前部の係合穴56は3本ずつ形成している。このため袖キャビネット5と天板2との取付け強度を向上できる。
なお、図11ではストッパー金具69を左右2個表示しているが、ストッパー金具69は背面部材3のサイドフレーム13に嵌め込むものであるため、普通は1つしか使用しない(勿論、2個使用することは可能である)。
ところで、袖キャビネット5を使用して単位机又は多連式机システムを構成するにおいて、袖キャビネット5を使用者の左側に配置したり、左右の天板2をその合わせ面が袖キャビネット5の左右中間部に位置するようにして配置したり、或いは、左右横幅が大きい天板2の場合に天板2の左右中途部を袖キャビネット5で支持したりするということが有り得る。そして、本実施形態のように、フロント金具43が取り付く係合穴56と及びリア金具60が取り付く雌ねじ部65とを袖キャビネット5に左右に振り分けた状態で配置すると、天板2と袖キャビネット5との相対的な配置関係が様々に異なっても的確に連結することができる利点がある。
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、フロント金具及びリア金具の形態は必要に応じて変更できる。例えば、フロント金具やリア金具を天板に一体に形成することも可能である。また、爪部を有するフロントを脚等の支持体に設けて、係合穴を天板に形成することも可能である。更に、天板及び脚は木製や樹脂製又は複合素材製であっても良い。リア金具の締結手段としては、脚等の支持体にスタッドボルトを突設して、これにナットをねじ込むことも可能である。
本願発明の実施形態に係る机システム(机群)の斜視図である。 背面部材の背面図である。 背面部材の分離斜視図である。 背面部材と脚及び袖キャビネットとの関係を示す図である。 天板の前部と脚との連結構造を示す分離斜視図である。 天板の後部と脚との連結構造を示す分離斜視図である。 背面部材と脚との上下ずれ防止手段を示す分離斜視図である。 机の部分的な平面図である。 図8の IX-IX視断面図である。 1つの脚4に1つの背面部材を連結した状態の図で、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。 袖キャビネット5の平面図である。 (A)は図11の部分的な平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は図11の XIIA-XIIA視断面図である。
符号の説明
1 前机ユニット
1′ 後机ユニット
2 天板
3 背面部材
4 支持体の一例としての脚
5 支持体の一例としての袖キャビネット
13 背面部材を構成するサイドフレーム
39 支持体と背面部材との連結手段を成すダルマ形係合穴
41 支持体と背面部材との連結手段を成す異径ピン
43 フロント金具
53 フロント金具の係合爪
55 脚を構成する前支持体
56 係合穴
60 リア金具
62 ボルト
65 雌ねじ部

Claims (3)

  1. 天板とこれを下方から支持する左右の支持体とを、当該天板と支持体とを前後方向に相対動させると互いに嵌まり合って上下離反不能に保持されるスライド式係合手段と、ねじによる締結とで連結している机であって、
    前記支持体の後部上面を天板の後面の後方に露出させており、前記スライド式係合手段は平面視で天板と支持体とが重なり合った部位に配置されている一方、天板の後部に、支持体の後部の露出部に上方から重なるリア金具を設けて、このリア金具をねじで支持体に締結している、
    机。
  2. 更に、前記左右支持体の背面に重なる背面部材を備えており、背面部材と左右の支持体とは、両者を上下方向に相対動すると互いに嵌まり合う係合手段によって前後左右ずれ不能に連結されており、天板の後面と背面部材との間に上下に開口した配線空間を形成している、
    請求項1に記載した机。
  3. 前記天板の左右端部には、前記スライド式係合手段の一環として側面視後ろ向き鉤状の係合爪を有するフロント金具が設けられ、前記支持体には、前記スライド式係合手段の一環として前記フロント金具の係合爪が上向き動不能に嵌まる係合穴を形成している一方、
    前記リア金具は天板の後部の左右端部に設けられていてこれにボルトの貫通穴を有する張り出し片が形成され、支持体の露出部には前記ボルトがねじ込まれる雌ねじ部が形成されており、
    前記フロント金具の係合爪と支持体の係合穴、及び、リア金具の張り出し片と支持体の雌ねじ部とをそれぞれ左右一対ずつ設けて、1つのフロント金具の左右係合爪が支持体の左右係合穴に嵌まると共に1つのリア金具の左右張り出し片が支持体の左右雌ねじ部に重なった状態と、1つのフロント金具の一方の係合爪が支持体の一方の係合穴に嵌まると共に1つのリア金具の一方の支持片が支持体の1つの雌ねじ部に重なる状態とを選択自在と成すことにより、1つの支持体に1枚の天板の端部を連結することと、1つの支持体に左右隣り合った2枚の天板の端部を連結することとが選択可能になっている、
    請求項1又は2に記載した机。
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