JP2007132826A - 渦電流探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】渦電流探傷プローブ3を保持するプローブ保持部材部材21は、円筒状部材22の内面を摺動するプローブ保持部材取付け部材23に固着してある。プローブ保持部材取付け部材23は、コイル状バネ26によって被検査体1側へ押圧されている。エアー噴射孔部211,25からエアーを噴射すると、プローブ保持部材21は、コイル状バネ26の反発力に抗して被検査体1から浮上する。その際エアー噴射孔部25から噴射するエアーは、プローブ保持部材21を浮上させるとともに、プローブ保持部材21の姿勢を修正する。コイル状バネ26は、反発力の小さいバネ261と反発力の大きいバネ262からなり、エアーの噴射圧が変わってもリフトオフを一定に保つ。
【選択図】図1
Description
図4(a)は、平面図、図4(b)は、図4(a)のX方向の側面図である。
ケース10は、渦電流探傷プローブ12を収納し、底部に4個の車輪11を備えている。ケース10は、車輪11によって被検査体1の検査面上を移動して探傷する。渦電流探傷プローブ12は、被検査体1との距離、即ちリフトオフLを一定に保った状態で被検査体1の検査面上を移動する。
本願発明は、従来の渦電流探傷装置の前記問題点に鑑み、車輪等の被検査体の検査面に接触する手段を用いずに、エアーの噴射圧で渦電流探傷プローブを浮上させてリフトオフを一定に保持する手段を備えた渦電流探傷装置を提供することを目的とする。
請求項2に記載の渦電流探傷装置は、請求項1に記載の渦電流探傷装置において、前記保持部材を被検査体の検査面側へ押圧するバネを備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の渦電流探傷装置は、請求項2に記載の渦電流探傷装置において、前記バネは、反発力の小さいバネと反発力の大きいバネからなる非線形バネであることを特徴とする。
請求項4に記載の渦電流探傷装置は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の渦電流探傷装置において、前記エアー噴射手段は、渦電流探傷プローブを中心に浮上用エアー噴射孔部と姿勢修正用エアー噴射孔部を同心状に配置してあることを特徴とする。
請求項5保持部材に取付けた渦電流探傷プローブを被検査体の検査面から所定のリフトオフを保って保持する渦電流探傷装置において、円筒状部材内に渦電流探傷プローブを保持するプローブ保持部材を同心状に配置し、プローブ保持部材は前記円筒状部材の内面を摺動するプローブ保持部材取付け部材に固着してあり、プローブ保持部材には渦電流探傷プローブを中心に同心状に配置したエアー噴射孔部を形成し、プローブ保持部材の外周と前記円筒状部材の内面とによって前記エアー噴射孔部と同心状にエアー噴射孔部を形成してあり、前記プローブ保持部材取付け部材を被検査体の検査面側へ押圧するバネを備え、そのバネは反発力の小さいバネと反発力の大きいバネからなる非線形バネであることを特徴とする。
本願発明の渦電流探傷装置は、従来の渦電流探傷装置のように走行用の車輪等の被検査体に接触する部材を設けないから、被検査体の検査面が凹凸状や曲面の場合にも、走査することができ、かつリフトオフを一定に保持することができる。また本願発明の渦電流探傷装置は、車輪等の走行スペースが必要でないから、被検査体の端部付近のキズも探傷することができる。
本願発明の渦電流探傷装置は、反発力の小さいバネと反発力の大きいバネを組み合わせた非線形のバネを用いて、渦電流探傷プローブを被検査体側へ押圧するように構成してあるから、渦電流探傷プローブのリフトオフは、反発力の小さいバネの反発力の大きさ(最大反発力)によって決まり、そのリフトオフは、反発力の大きいバネの反発力によって一定に保される。したがってリフトオフは、渦電流探傷装置から噴射するエアーの噴射圧が変わっても一定に保持される。
図1(a)は、図1(b)のX3方向の断面図(バネは断面でない)、図1(b)は、図1(a)のX1方向の断面図、図1(c−1),(c−2)は、図1(a)のX2方向の断面図である。また図1(d),(e)は、図1(a)の渦電流探傷プローブとバネの側面図である。
プローブ保持部材21は、断面が円形で円筒状部材22内に円筒状部材22と同心状に配置し、円筒状部材22の内面を摺動する円形(円板状)のプローブ保持部材取付け部材23に固着してある。円筒状部材22は、プローブ保持部材取付け部材23のシリンダーとしての機能を有する。円筒状部材22は、キャップ部材24に固着し、キャップ部材24は、図示しない支持部材に取付けてある。
エアー噴射孔部211,25からエアーが噴出していないとき、プローブ保持部材取付け部材23は、バネ26によってプローブ保持部材21とともに被検査体1側へ押圧され、ケース部材21の先端は、被検査1に接触している。その状態で通気孔部241へエアーを供給すると、エアー噴射孔部25,211からエアーが矢印Y2,Y3方向へ噴射し、コイルバネ26の反発力に抗してプローブ保持部材21は被検査体1から浮上する。
なおプローブ保持部材取付け部材23を厚くする或いはキャップ状にして円筒状部材22の内面と接触する部分を大きくすれば、プローブ保持部材21の傾斜を小さくすることができる。
図2(a)は、コイルバネ26の構成を示し、図2(b)は、エアーの噴射圧Hとコイルバネの反発力B、渦電流探傷プローブのリフトオフLとの関係を示す。図2(b)の横軸は、噴射圧Hを表し、縦軸は、コイルバネの反発力BとリフトオフLを表している。
噴射圧Hが0のとき、即ちエアー噴射孔からエアーが噴射していないとき、リフトオフLは0である(即ち渦電流探傷プローブは、被検査体に接触している)。この状態において、エアー噴射孔からエアーが噴射され始めると、渦電流探傷プローブは、コイルバネ26の反発力に抗して浮上し始める。噴射圧が0〜H1の間は、反発力の小さいバネ261が主に収縮するが、バネ261の反発力は噴射圧よりも小さいため、リフトオフは、徐々に大きくなり、噴射圧がH1になるとL1に達する。噴射圧がH1になると、バネ261の反発力は最大のB1に達し、バネ261は収縮し切った状態になる。そのため、噴射圧がH1以上になるとバネ262が収縮を始める。バネ262の反発力は、噴射圧と同じに設定してあるため、噴射圧がH1以上になるとリフトオフは、一定値L1に保持される。したがって噴射圧を、H1以上でH1から大きい方へ離れた値に設定すると、噴射圧が変動しても、H1より小さくならない限りリフトオフは、L1に保持される。即ちリフトオフは、噴射圧の変化の影響を受けない。
試験には、直径1mmのフェライトコアに直径0.07mmの銅線を50回巻いた2個のコイルからなる自己誘導自己比較型の渦電流探傷プローブ3を、プローブ保持部材に保持した渦電流探傷装置を用い、被検査体1としてアルミニウムの板にレーザー加工により幅0.02mm、深さ0.4mm、長さ1.5mmのキズを形成したものを用いた。また励磁信号の周波数は、500kHzに設定し、エアーの噴射圧は、全体で(浮上用、姿勢修正用合わせて)0.2MPa、リフトオフは、0.6mmに設定した。プローブ保持部材21は外径8mm、円筒部材22は外径12mm、キャップ部材24は外径22mmに設定した。
図3は、検出信号(キズ信号)の波形(パターン)を示す。
図3において、横軸は検出電圧のX成分(励磁信号と同相成分)、縦軸は検出電圧のY成分(励磁信号に対し90度進相成分)を表している。
図3によると、噴射エアーによって渦電流探傷プローブを浮上させても、何らの支障もなくキズを高感度で検出できることが分かる。
21 プローブ保持部材
211 エアー噴射孔部
212 通気孔部
213 凹部
22 円筒状部材
23 プローブ保持部材取付け部材
24 キャップ部材
241 通気孔部
25 エアー噴射孔部
26 コイル状バネ
3 渦電流探傷プローブ
L リフトオフ
Claims (5)
- 保持部材に取付けた渦電流探傷プローブを被検査体の検査面から所定のリフトオフを保って保持する渦電流探傷装置において、被検査体の検査面にエアーを噴射して前記保持部材を浮上させるエアー噴射手段を備えていることを特徴とする渦電流探傷装置。
- 請求項1に記載の渦電流探傷装置において、前記保持部材を被検査体の検査面側へ押圧するバネを備えていることを特徴とする渦電流探傷装置。
- 請求項2に記載の渦電流探傷装置において、前記バネは、反発力の小さいバネと反発力の大きいバネからなる非線形バネであることを特徴とする渦電流探傷装置。
- 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の渦電流探傷装置において、前記エアー噴射手段は、渦電流探傷プローブを中心に浮上用エアー噴射孔部と姿勢修正用エアー噴射孔部を同心状に配置してあることを特徴とする渦電流探傷装置。
- 保持部材に取付けた渦電流探傷プローブを被検査体の検査面から所定のリフトオフを保って保持する渦電流探傷装置において、円筒状部材内に渦電流探傷プローブを保持するプローブ保持部材を同心状に配置し、プローブ保持部材は前記円筒状部材の内面を摺動するプローブ保持部材取付け部材に固着してあり、プローブ保持部材には渦電流探傷プローブを中心に同心状に配置したエアー噴射孔部を形成し、プローブ保持部材の外周と前記円筒状部材の内面とによって前記エアー噴射孔部と同心状にエアー噴射孔部を形成してあり、前記プローブ保持部材取付け部材を被検査体の検査面側へ押圧するバネを備え、そのバネは反発力の小さいバネと反発力の大きいバネからなる非線形バネであることを特徴とする渦電流探傷装置。
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