JP2021028585A - 探傷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の探傷センサを備えたフレキシブルプローブを用いて検査対象物の探傷を行う際に、フレキシブルプローブの面を、検査対象物の表面形状に倣わせることができる探傷装置を提供する。【解決手段】検査対象物の傷を検出可能な複数の探傷センサが、曲げ変形可能な基板の面に、配列方向yに沿って複数配置されたフレキシブルプローブ30と、支持部材10と、弾性部材21,22と、を有し、弾性部材21,22は、変形軸zに沿って一端が、支持部材10に結合され、他端が、フレキシブルプローブ30の探傷センサ35が設けられた面30aと反対側30bに結合され、配列方向yに沿って位置ごとに異なる変形量で、変形軸zに沿って弾性変形可能である、探傷装置1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、探傷装置に関し、さらに詳しくは、複数の探傷センサを備えたフレキシブルプローブを利用した探傷装置に関する。
超音波探傷や渦流探傷により、検査対象物の内部や表面の傷を検出することができる探傷プローブとして、近年、フレキシブルプローブが用いられるようになっている。フレキシブルプローブは、曲げ変形可能な基板の表面に、複数の探傷センサが一列に配列されたものである。基板が曲げ変形可能であることにより、自在に変形させ、種々の形状を有する検査対象表面に配置し、多点で探傷を行うことが可能となる。
探傷装置を用いて、多様な表面形状を有する検査対象物に対して、精度の高い検査を行うためには、検査対象物の表面上で、検査を行う位置に対して、探傷プローブを、所定の位置関係に配置することが重要となる。探傷センサを1つのみ備える従来一般の探傷プローブについて、そのように位置決めを行うために、倣い装置が用いられている。例えば、特許文献1に、ワークに接するシューを旋回させる旋回手段と、シューをワークに押し付ける方向に直線的にスライドさせる直動スライド手段を備えた倣い装置が開示されている。また、特許文献2に、駆動手段によってプローブを目標測定点に移動させた後、被測定面に当接するまで被測定面の法線方向と平行に移動させるように、検出と制御を行う倣い制御装置が開示されている。さらに、特許文献3には、棒材の表面傷を検査する探傷装置用倣い機構のガイド部が開示されており、棒材を挿通する開口の内周に設けられたガイド部材を、棒材の外周へ当接させるものとなっている。
特開2009−115782号公報 特開平1−158310号公報 特開平11−258212号公報
検査対象物の探傷にフレキシブルプローブを用いれば、柔軟性を利用して、検査対象物の表面が複雑な形状を有している場合でも、その複雑な形状に沿わせてフレキシブルプローブを配置し、表面の各位置に対して、同時に探傷を行うことが可能となる。この場合に、検査対象物の表面形状にフレキシブルプローブの面を沿わせる操作は、主に、作業者が手作業で行うことが想定されている。しかし、フレキシブルプローブを用いた検査を、工場の製造ラインの途中等において、自動的に行えるようにすることが望まれる。その場合には、柔軟性を有するフレキシブルプローブの面全体を、検査対象物の面に沿わせて配置することができる、倣い機構が必要となる。
しかし、上記特許文献1,2のように、探傷センサを1つのみ備えた従来一般の探傷装置を想定した倣い装置は、多数の探傷センサを有し、しかもそれらの探傷センサが柔軟性のある基板に取り付けられたフレキシブルプローブの倣い装置として、そのまま適用できるものではない。特許文献3のように、検査対象物の形状に合わせたガイド部を準備し、そのガイド部にフレキシブルプローブを取り付けることも考えられるが、そのような方法では、検査対象物の形状が変動した際に、その変動に追随することは難しい。
本発明が解決しようとする課題は、複数の探傷センサを備えたフレキシブルプローブを用いて検査対象物の探傷を行う際に、フレキシブルプローブの面を、検査対象物の表面形状に倣わせることができる探傷装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる探傷装置は、検査対象物の傷を検出可能な複数の探傷センサが、曲げ変形可能な基板の面に、配列方向に沿って複数配置されたフレキシブルプローブと、支持部材と、弾性部材と、を有し、前記弾性部材は、変形軸に沿って一端が、前記支持部材に結合され、他端が、前記フレキシブルプローブの前記探傷センサが設けられた面と反対側に結合され、前記配列方向に沿って位置ごとに異なる変形量で、前記変形軸に沿って弾性変形可能である。
ここで、前記弾性部材は、前記変形軸に沿って、前記支持部材側に位置する第一の弾性部材と、前記フレキシブルプローブ側に位置する第二の弾性部材とに分割されており、前記第一の弾性部材は、前記第二の弾性部材よりも、前記変形軸に沿って、大きなバネ定数を有するとよい。この場合に、前記第一の弾性部材は、前記配列方向に沿って配列された複数のバネよりなり、前記第二の弾性部材は、高分子弾性体のブロックよりなるとよい。
前記探傷装置はさらに、前記弾性部材全体を、前記変形軸に沿って進退せることができる進退部を有するとよい。この場合に、前記進退部は、前記弾性部材全体を前記変形軸に沿って前進させる駆動手段と、前記変形軸に沿って弾性変形可能であり、前記弾性部材よりも大きなバネ定数を有するバネよりなる進退用バネと、を有するとよい。
前記フレキシブルプローブにおいて、前記基板は、前記配列方向に沿った中央部が、両端部よりも、前記弾性部材の前記変形軸に沿って外側に膨出した状態で、前記弾性部材を介して前記支持部材に支持されているとよい。
前記探傷センサは、渦流探傷センサであるとよい。
前記探傷装置はさらに、転動部材を有しており、前記転動部材は、前記探傷センサの列を挟んで両側に、前記配列方向に沿って、それぞれ複数が配列されており、前記基板の面に対して、前記探傷センサよりも外側に突出しているとよい。この場合に、前記転動部材は、ボールローラであるとよい。
上記発明にかかる探傷装置においては、フレキシブルプローブが、弾性部材を介して支持部材に支持されている。弾性部材が、フレキシブルプローブにおける探傷センサの配列方向に沿って、位置ごとに異なる変形量で、弾性変形可能であることにより、探傷装置のフレキシブルプローブの面を検査対象物の面に押し付けた際に、検査対象物の面に凹凸が存在していても、位置ごとに、その凹凸に応じた変形量で、弾性部材が変形されることになる。その結果、フレキシブルプローブの基板が、検査対象物の面の凹凸形状に追従して、曲げ変形を起こす。このようにして、フレキシブルプローブの面を、検査対象物の面に倣わせることができる。その状態で検査対象物の検査を行えば、各探傷センサが、検査対象物の表面の各位置に対して、所定の位置関係で配置されていることにより、各位置に対して、高い精度で安定して探傷を行うことが可能となる。
ここで、弾性部材が、変形軸に沿って、支持部材側に位置する第一の弾性部材と、フレキシブルプローブ側に位置する第二の弾性部材とに分割されており、第一の弾性部材が、第二の弾性部材よりも、変形軸に沿って、大きなバネ定数を有する場合には、バネ定数が小さく、容易に弾性変形できる第二の弾性部材を有することにより、検査対象物の面の小さな凹凸形状や、複雑な凹凸形状にも、フレキシブルプローブを柔軟に沿わせやすくなる。一方、バネ定数が大きく、大きな復元力を発揮する第一の弾性部材を有することにより、第二の弾性部材の弾性変形の解消を補助することができる。例えば、検査対象物の面に沿って探傷装置を移動させながら検査を行う際等に、フレキシブルプローブが接する面の形状が変化した場合に、第二の弾性部材が、当初の面形状に沿った変形を解消し、新しい面形状に沿った変形へと移行するのを、補助することができる。このように、バネ定数の異なる第一の弾性部材と第二の弾性部材をともに備えることにより、検査対象物の面形状への柔軟な追従と、面形状の変化への敏感な適応を、両立することができる。
この場合に、第一の弾性部材が、配列方向に沿って配列された複数のバネよりなり、第二の弾性部材が、高分子弾性体のブロックよりなる形態によれば、第一の弾性部材が第二の弾性部材よりも大きなバネ定数を有する形態を、簡便に実現することができる。高分子弾性体のブロックよりなる第二の弾性部材は、そのブロックの各所で、異なる変形量で、連続的に弾性変形することができる。そのため、フレキシブルプローブの面の各位置を、検査対象物の面の凹凸形状に沿わせやすく、フレキシブルプローブの面全体を、検査対象物の面に柔軟に倣わせることができる。
探傷装置がさらに、弾性部材全体を、変形軸に沿って進退せることができる進退部を有する場合には、探傷検査を行う際に、進退部によって、弾性部材全体を検査対象物の面に対して押し付けることができる。この際、検査対象物の面に凹凸が存在すると、弾性部材が、各位置において、その位置に存在する凹凸に応じた変形量で圧縮され、復元力を生じる。その結果、フレキシブルプローブを、各位置で、検査対象物の面形状に、柔軟に沿わせた状態で、安定に保持しやすくなる。
この場合に、進退部が、弾性部材全体を変形軸に沿って前進させる駆動手段と、変形軸に沿って弾性変形可能であり、弾性部材よりも大きなバネ定数を有するバネよりなる進退用バネと、を有する形態によれば、検査対象物の位置や寸法に変動があっても、弾性部材を対象物の面に対して押圧した状態を、簡便に形成することができる。
フレキシブルプローブにおいて、基板が、配列方向に沿った中央部が、両端部よりも、弾性部材の変形軸に沿って外側に膨出した状態で、弾性部材を介して支持部材に支持されている場合には、フレキシブルプローブを、膨出形状の頂部で検査対象物の面に当接させた状態から、検査対象物に対して押し付けることで、弾性部材を各位置で弾性変形させ、フレキシブルプローブを、検査対象物の面の凹凸形状に、追従させやすくなる。特に、中央部が凸状に隆起した検査対象物の面に対して、フレキシブルプローブを追従させやすい。
探傷センサが、渦流探傷センサである場合には、弾性部材を用いてフレキシブルプローブを被検査物の対象面に倣わせることの効果を、検査の精度および安定性の向上に、特に有効に利用することができる。渦流探傷センサは、安定して探傷を行うために、検査対象物の面に対して所定の位置関係に配置することが特に重要であるが、本探傷装置においては、弾性部材の弾性変形によって、フレキシブルプローブを検査対象物の面の凹凸形状に沿わせて配置することにより、フレキシブルプローブに備えられる各探傷センサを、検査対象物の表面の各位置に対して、所定の位置関係で配置しやすくなっているからである。
探傷装置がさらに、転動部材を有しており、転動部材が、探傷センサの列を挟んで両側に、配列方向に沿って、それぞれ複数配列されており、基板の面に対して、探傷センサよりも外側に突出している場合には、探傷装置を検査対象物の面に接触させたまま移動させて、検査を行う際に、探傷装置の移動が、転動部材の転動によって補助され、円滑に移動を行うことができる。同時に、転動部材は、探傷センサと検査対象物の面の間に所定の間隔を確保するスペーサとしての役割も果たす。
この場合に、転動部材が、ボールローラであれば、検査対象物の面において、各方向に自在に転動することができるため、検査対象物の面が、複雑な形状になっている場合や広大である場合でも、探傷装置の移動と、その凹凸形状に追従したフレキシブルプローブの配置を、円滑に行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる探傷装置を示す斜視図である。 上記探傷装置を検査部側から見た状態を示す拡大斜視図である。 上記探傷装置の検査部を検査対象物の面形状に追従させた状態を示す図である。(a)は追従前の初期状態を示している。(b)〜(d)はそれぞれ、(b)平面形状、(c)凸面形状、(d)凹面形状の表面に追従させた状態を示している。
以下に、本発明の一実施形態にかかる探傷装置について説明する。本実施形態にかかる探傷装置は、金属材料等よりなる検査対象物において、傷の有無や位置、程度等を検査するための装置である。
[探傷装置の構成]
図1,2に、本発明の一実施形態にかかる探傷装置1の構成を示す。探傷装置1は、支持部材10と、弾性変形部20と、検査部30と、進退部40と、を有している。弾性変形部20は、2種の弾性部材21,22を有し、検査部30は、フレキシブルプローブ32を有している。
本明細書においては、図示したとおりに、x方向、y方向、z方向を設定している。z方向は、弾性変形部20を構成する弾性部材21,22が弾性変形する変形軸に沿った方向である。弾性変形部20に対して支持部材10が配置された方向(図1の上方)が+z方向であり、検査部30が配置された方向(図1の下方)が−z方向である。そして、z方向に直交する面内において、フレキシブルプローブ32における探傷センサ32bの配列方向に沿った方向(図1,2の横方向)をy方向とし、y方向に直交する方向をx方向とする。
本探傷装置1においては、検査部30が、弾性部材21,22を備えた弾性変形部20を介して、支持部材10に支持されている。以下、検査部30から順に、各部材について説明する。
(1)検査部
検査部30は、取り付け部材31と、フレキシブルプローブ32と、転動部材35とを有している。後に説明するとおり、検査部30は、弾性変形部20の弾性体ブロック22の圧縮端面22aの形状に従って、図1,2に示すように、−z方向に緩やかに膨出した状態で、探傷装置1に取り付けられているが、ここで、検査部30の構造について説明するにあたっては、膨出せずにz方向に直交して配置された状態を想定して、説明を行う。
取り付け部材31は、フレキシブルプローブ32および転動部材35を取り付ける基材となる部材である。取り付け部材31は、ゴムやエラストマー等、可逆的に曲げ変形可能な材料の板材より構成されている。取り付け部材31は、中央に長方形の開口を有する枠形状を有しており、その開口に、フレキシブルプローブ32が嵌め込まれて、固定されている。また、開口を囲む枠部分に、複数の転動部材35が取り付けられている。
フレキシブルプローブ32は、基板32aに、複数の探傷センサ32bが取り付けられたものである。基板32aは、取り付け部材31と同様に、ゴムやエラストマー等、曲げ変形可能な材料の板材より構成されている。探傷センサ32bは、検査対象物の表面や内部に存在する傷を検出可能な素子であり、渦流探傷センサや超音波探傷センサ等、公知の探傷センサを利用することができる。本実施形態においては、探傷センサ32bが渦流探傷センサとして構成されている場合を、主に扱う。
フレキシブルプローブ32においては、基板32aの一方の面に、y方向に沿って、複数の探傷センサ32bが、並べて配置されている。図示した形態では、11個の探傷センサ32bが配置されている。各探傷センサ32bは、独立に、探傷を実行することができる。各探傷センサ32bには、図示しない信号線が接続されており、外部の制御装置により、制御および探傷信号の取り出しを行うことができる。この種のフレキシブルプローブ32としては、探傷センサ32bとして渦流探傷センサを備えたものや、超音波探傷センサを備えたものが、市販されている。
フレキシブルプローブ32は、探傷センサ32bが取り付けられた基板32aの面が、取り付け部材31の面と略面一になるように、取り付け部材31に固定されている。以降、この基板32aの面とフレキシブルプローブ32の面よりなる、検査部30の−z側の面を、検出面30aと称する。また、その検出面30aと反対側の+z側の面を、結合面30bと称する。
転動部材35は、ボールローラよりなっている。転動部材35は、取り付け部材31の検出面30aにおいて、探傷センサ32bの列を挟んで両側(+x側および−x側)に、それぞれ複数がy方向に沿って配列されて、取り付けられている。転動部材35は、検出面30aに対して、探傷センサ32bよりも、外側(−z側)に突出した状態で、取り付けられている。ボールローラよりなる転動部材35は、それぞれ独立して、その場で、検出面30aの面内の各方向に、自在に回転することができる。
(2)支持部材
支持部材10は、弾性変形部20を介して検査部30を支持する枠部材である。支持部材10は、フレキシブルプローブ32の基板32a、および次に説明する弾性変形部20の弾性部材21,22よりも高い剛性を有し、進退部40によって外力を印加されても、実質的に変形を起こさない材料よりなっている。支持部材10は、xy面に平行に設けられた天井面11と、天井面11の両端から−z方向に垂下した、xz面に平行な側壁面12,12とを、一体に有している。それぞれの側壁面12には、z方向に沿って長穴状に切り欠かれた、1対のスリット13,13が設けられている。また、2つの側壁面12,12の間には、天井面11と平行に、押圧面14が固定されている。
y方向両側の側壁面12のそれぞれにおいて、−z側の端部には、1対のヒンジ15,15を介して、結合片16が結合されている。1対の結合片16,16の間に、検査部30が渡され、検査部30のy方向両端部が、それぞれ結合片16に固定されている。各ヒンジ15は、上下方向(±z方向)に屈伸可能であり、ヒンジ15の屈伸により、結合片16、および結合片16に取り付けられた検査部30が、側壁面12に対して、±z方向に運動可能となっている。
(3)弾性変形部
弾性変形部20は、弾性部材として、第一の弾性部材である複数の追従用バネ21と、第二の弾性部材である弾性体ブロック22とを有している。弾性変形部20はさらに、弾性体保持面23と、バネ支柱24を有している。
弾性体保持面23は、xy方向に沿った面状の部材として構成されており、y方向両端に、1対ずつ、挿通軸23a,23aを、±y方向に突出させて有している。各挿通軸23aは、支持部材10の側壁面12に設けられたスリット13に、抜け止めされた状態で挿通されており、スリット13に沿って、弾性体保持面23が、±z方向に移動可能となっている。弾性体保持面23には、y方向に沿って相互に離間して、複数のバネ支柱24が、z方向に立設されている。バネ支柱24は、下端にて弾性体保持面23に固定されており、上端は、抜け止めされた状態で、支持部材10の押圧面14に設けられた貫通孔に挿通されている。
追従用バネ21は、コイルバネとして構成されており、金属製、樹脂製等のものを用いることができる。複数の追従用バネ21が、それぞれ、中空部にバネ支柱24を挿通された状態で、弾性体保持面23と、支持部材10の押圧面14との間に保持されている。つまり、複数の追従用バネ21が、変形軸をz方向に向けた状態で、y方向に沿って配列された状態となっている。バネ支柱24および追従用バネ21の数は、特に限定されるものではないが、ここでは、4つずつとなっている。
弾性体ブロック22は、高分子弾性体よりなるブロック状部材として構成されている。弾性体ブロック22を構成する高分子弾性体は、有機高分子を主成分としてなっている。有機高分子としては、ゴムやエラストマーを例示することができる。高分子弾性体は、発泡されていても、発泡されていなくてもよいが、発泡させることにより、つまりスポンジ状とすることにより、弾性率を下げ、軟らかい弾性体とすることができる。
弾性体ブロック22は、弾性変形部20の弾性体保持面23と、検査部30の結合面30bと、保持部材の1対の側壁面12,12に囲まれた空間の中に、配置されている。弾性体ブロック22は、略直方体形状を有しており、検査部30の結合面30bに面する圧縮端面22a以外の面は、平面より構成されているが、圧縮端面22aは、曲面形状を有している。具体的には、弾性体ブロック22の圧縮端面22aは、y方向に沿って中央部が、両端部よりも、外側(−z方向)に膨出した、緩やかな凸面形状を有している。弾性体ブロック22は、y方向に沿って、フレキシブルプローブ32が配置された領域の略全域を占めている。また、弾性体ブロック22は、z方向に沿って、弾性変形部20の弾性体保持面23と検査部30の結合面30bの間の全域を占めており、上面で弾性体保持面23に、下面(圧縮端面22a)で結合面30bに、それぞれ当接している。弾性体ブロック22の圧縮端面22aが膨出形状を有することにより、検査部30において、取り付け部31およびフレキシブルプローブ32の基板32aは、y方向に沿った中央部が、両端部よりもz方向に沿って外側(−z側)に膨出した状態となって、支持部材10に支持されている。
この弾性変形部20において、追従用バネ21も、弾性体ブロック22も、広義の弾性体として機能し、変形軸方向(z方向)に力を印加された際に、その変形軸方向に弾性変形する。しかし、追従用バネ21が、z方向に沿って、弾性体ブロック22よりも高い弾性率を有しており、大きなバネ定数を示す。つまり、追従用バネ21の方が、弾性体ブロック22よりも硬い弾性体となっており、z方向に沿って同じ変形量を与えた際に、追従用バネ21の方が、大きな復元力を発現することができる。一方、z方向に沿って同じ大きさの力を印加した際に、弾性体ブロック22の方が、z方向に大きく変形することができる。なお、追従用バネ21および弾性体ブロック22のバネ定数は、それぞれ、全ての追従用バネ21の集合体、および弾性体ブロック22の全体に対して規定される。
(4)進退部
進退部40は、駆動手段41と、進退用バネ42とを有している。進退部40はさらに、進退部保持面43と、バネ支柱44を有している。
進退用バネ42は、y方向に沿って弾性変形可能なバネよりなっている。進退用バネ42も、弾性変形部20の追従用バネ21と同様に、コイルバネとして構成されており、金属製、樹脂製等のものを用いることができる。ただし、進退用バネ42は、追従用バネ21および弾性体ブロック22よりも、大きなバネ定数を有しており、追従用バネ21よりも硬いバネとなっている。
進退部40においては、4本のバネ支柱44が、支持部材10の天井面11の上方(+z側)に、立設されている。また、xy面に沿った面として配置される進退部保持面43に設けられた貫通孔に、それらバネ支柱44が、抜け止めされた状態で挿通されている。そして、4本の進退用バネ42が、それぞれ、中空部にバネ支柱44を挿通された状態で、進退部保持面43と、支持部材10の天井面11との間に保持されている。
駆動手段41はシリンダ等、前進運動(−z方向への運動)を駆動することができる装置として構成されており、進退部保持面43の上方(+z側)に取り付けられている。駆動手段41に駆動される前進運動により、進退部保持面43に対して下方(−z方向)に押し下げる力を印加することで、進退用バネ42を介して、支持部材10、および支持部材10に支持された弾性変形部20および検査部30を、全体として、下方(−z方向)に前進させることができる。
[検査対象物の表面における探傷装置の配置と検査]
以上のような構成を有する探傷装置1を用いて、検査対象物(ワーク)Wの探傷を行うのに先立ち、ワークWの表面W1に探傷装置1を配置する必要がある。つまりワークWの表面W1に、探傷装置1の検査部30の面を沿わせて配置する必要がある。
探傷装置1を配置する際に、最初に、図3(a)に示すように、検査部30の下端部(最も−z側の部位)、つまり検査部30の膨出形状の頂部を、ワークWの表面W1に接触させる。この状態で、支持部材10および弾性変形部20を介して、検査部30に、押圧力Fを印加し、検査部30の検出面30aを、ワークWの表面W1に押し付ける。
押圧力Fの印加は、進退部40によって行う。具体的には、駆動手段41によって、支持部材10の前進運動(−z方向に進む運動)を駆動する。すると、支持部材10とワークWの表面W1と間で、検査部30を介して、弾性変形部20の弾性部材21,22が挟み込まれ、上下方向に力を受けることで、弾性部材21,22の下方に向けて圧縮される。詳細には、追従用バネ21が、支持部材10の押圧面14から下方(−z方向)に向かう力を印加されることで、z方向に沿って圧縮される。同時に、弾性体ブロック22が、検査部30を介して、ワークWの表面W1と弾性体保持面23との間に挟み込まれて、上下両側から力を受け、z方向に沿って圧縮される。
追従用バネ21および弾性体ブロック22は、z方向の弾性を有していることから、z方向に圧縮された際に、復元力を発揮する。つまり、上下方向に伸長しようとする力を発現する。この復元力により、検査部30の検出面30aが、ワークWの表面W1に向かって、下方(−z方向)に押し付けられる。この押し付けにより、検出面30aが、各位置において、転動部材35を介して、ワークWの表面W1に密着するようになる。
本探傷装置1においては、弾性変形部20を構成する追従用バネ21が、y方向に複数配列されており、それぞれ異なる変形量で伸縮することができるうえ、弾性体ブロック22が、xy平面内の各部において、異なる変形量で、z方向に弾性変形することができる。そのため、図3(a)のように押圧力Fを印加した際に、y方向に沿った各位置において、検査部30とワーク表面W1との間の距離dに応じた変形量で、追従用バネ21および弾性体ブロック22が弾性変形し、それぞれの変形量に応じた復元力を発生させる。その結果、図3(b)のように、ワーク表面W1の各位置において、検査部30が、転動部材35を介して、ワーク表面W1に押し付けられるようになる。検出部30は、図3(a)の初期状態においては、膨出形状に曲げられているのに対し、押圧力Fの印加に伴って、曲げ状態が変化し、図3(b)の押圧後の状態においては、平面状となっている。
図3(a)の例では、ワーク表面W1が平面状であるのに対し、検査部30が凸形状に膨出しているので、検査部30とワーク表面W1の間の距離が、y方向中央部においては小さい一方、y方向端部に向かうにつれて大きくなっている。この状況で押圧力Fを印加すると、y方向両端部では、追従用バネ21および弾性体ブロック22の圧縮量が小さく、復元力も小さいのに対し、y方向中央部では、追従用バネ21および弾性体ブロック22の圧縮量が大きくなり、復元力も大きくなる。その結果、図3(b)のように、ワーク表面W1において、y方向全域で、検査部30の検出面30aが、ワーク表面W1に沿って配置され、復元力によってワーク表面W1に押し付けられた状態が形成される。
さらに、図3(c)や図3(d)のように、ワークWの表面W1が平面状ではなく、凹凸形状を有する場合にも、追従用バネ21および弾性体ブロック22が、y方向に沿って、位置ごとに異なる変形量で弾性変形することにより、検査部30の面を曲げ変形させ、各位置において、検出面30aを、ワークWの表面W1に沿わせて押し付けることができる。図3(c)のように、ワーク表面W1が、中央部が陥没した凹構造を有する場合には、図3(b)のワーク表面W1が平面形状をとる場合と比較して、追従用バネ21および弾性体ブロック22の圧縮量について、y方向に沿った差が小さくなる。一方、図3(d)のように、ワーク表面W1が、中央部が隆起した凸構造を有する場合には、追従用バネ21および弾性体ブロック22の圧縮量が、y方向中央部で特に大きくなる。
このように、弾性変形部20の弾性部材21,22の弾性変形により、ワークWの表面W1に凹凸形状があっても、そのワーク表面W1の形状に追従させて、検査部30において、取り付け部材31およびフレキシブルプローブ32の基板32aを曲げ変形させ、ワーク表面W1に沿わせて配置することができる。すると、y方向に沿って配列された複数の探傷センサ32bのそれぞれが、基板32aからの転動部材35の突出高さに応じた距離だけ、ワーク表面W1から離れた位置に、配置されることになる。その結果、ワーク表面W1の各検査位置に対する探傷センサ32bの位置関係が、複数の探傷センサ32bの間で揃い、均一性の高い条件で、各探傷センサ32bでの探傷を行うことが可能となる。よって、y方向に沿った各位置での探傷において、高い精度および安定性を得ることができる。
本探傷装置1においては、ワーク表面W1の形状へのフレキシブルプローブ32の追従を、弾性部材である追従用バネ21および弾性体ブロック22の弾性変形と、それに伴う復元力の発生によって行っており、弾性変形部20全体を前進させる進退部40の駆動手段41以外には、シリンダやスライダ等の機械装置や、電気的制御を利用して、探傷センサ32bごとに位置を調整するものではない。よって、装置構成を簡素にすることができるとともに、ワーク表面W1の形状への追従を短時間で完了することができる。従って、探傷装置1を、ワークWを製造する製造ラインに組み込む等して、大型のワークの多数の箇所に対する検査や、多数のワークに対する検査を、自動的に順次実行する形態にも、適用しやすい。
さらに、本探傷装置1は、ワークWの表面W1の上を走査しながら、探傷を行うことができる。つまり、図示しないスライダ等により、探傷装置1全体を、x方向に沿って移動させながら、探傷を行うことができる。詳細には、ある位置において、y方向各部での探傷を同時に行った後、探傷装置1をx方向に移動させ、再度探傷を行う工程を繰り返すことで、長尺状のワークWの表面W1に対して、xy面内で二次元的に探傷を行うことができる。検出面30aをワーク表面W1に接触させた状態のまま、探傷装置1を移動させる際に、転動部材35がワーク表面W1上で転動することで、移動を円滑に進行させることができる。
探傷装置1をx方向に移動させた際に、移動前の位置と移動後の位置で、y方向に沿ったワーク表面W1の凹凸形状に変化があると、ワークWから追従用バネ21および弾性体ブロックに印加される垂直抗力の分布が変化するため、追従用バネ21および弾性体ブロック22が、y方向の各位置において、即座に、移動前の状態における弾性変形を解消し、移動後の新しい位置におけるワーク表面W1の凹凸形状に応じた弾性変形を起こすようになる。これにより、移動の前後を通じて、それぞれの位置におけるワーク表面W1の凹凸形状に追従して検査部30を曲げ変形させ、探傷を行うことが可能となる。その結果、x方向およびy方向の両方向に沿って、安定性および精度の高い探傷を行うことができる。
探傷装置1において、弾性変形部20を構成する弾性部材は、変形軸(z方向)に沿って一端が支持部材10に結合され、他端が検査部30の結合面30bに結合されたものであれば、そして、探傷センサ32bの配列方向(y方向)に沿って、位置ごとに異なる変形量で、変形軸(z方向)に沿って弾性変形可能な弾性(粘弾性も含む)を有するものであれば、どのような種類および形状のものであってもよい。また、弾性部材は、本実施形態の第一の弾性部材21と第二の弾性部材22のように、複数の弾性部材に分割されていても、1つのみの弾性部材よりなってもよい。なおここで、弾性部材の両端について、「結合されている」とは、直接的または間接的に、連結されて固定されている状態、あるいは固定されずに当接している状態を指す。
弾性部材の例としては、本実施形態における追従用バネ21のように、コイルバネをはじめとするバネが、z方向に変形軸を向けて、y方向に沿って複数配列された集合体を例示することができる。別の例としては、本実施形態における弾性体ブロック22のように、弾性体、特に高分子弾性体が、y方向に沿って連続して配置される形態を例示することができる。その他の弾性部材としては、空気バネ等、流体を利用したものを挙げることができる。それらのうちいずれの形態を、弾性変形部20を構成する弾性部材として用いてもよく、本実施形態のように、複数の形態の弾性部材を併存させてもよい。
多くの場合、z方向に交差する方向に曲げ構造や捩り構造を有するバネ21の方が、z方向に連続体として構成される弾性体ブロック22よりも、z方向に沿って、大きなバネ定数を有する。つまりz方向への圧縮に関して、高い弾性率を有しており、硬いバネとして機能する。弾性変形部20に設ける弾性部材として、バネ定数が小さく、小さな力を印加しただけでも変形しやすい弾性体ブロック22を用いることで、バネ21のみを用いる場合に比べて、ワーク表面W1の凹凸構造によって、z方向に弾性変形を起こしやすく、ワーク表面W1の小さな凹凸や、複雑な凹凸形状にも、柔軟に追従して変形しやすい。また、弾性体ブロック22は、y方向に連続しているため、y方向に離散的にしか設けられないバネ21のみを用いる場合よりも、y方向に沿った各所において、ワーク表面W1の凹凸形状を反映して、変形量を連続的に異ならせやすい。それらの結果として、弾性体ブロック22を用いる場合の方が、バネ21のみを用いる場合よりも、検査部30を、ワーク表面W1の形状に、忠実に倣わせやすくなる。
一方、弾性変形部20に設ける弾性部材として、バネ定数が大きく、大きな復元力を発生させることができるバネ21を用いることで、弾性体ブロック22のみを用いる場合に比べて、検査部30を、ワーク表面W1に対して、強く押し付けて、ワーク表面W1に対する検査部30の接触状態を、安定させることができる。またバネ21は、大きな復元力を有することにより、力を印加されて弾性変形を起こした後、その力が除去されると、速やかに、弾性変形を解消して元の状態に復帰しやすい。よって、例えば、ワーク表面W1において、x方向に沿って探傷装置1を移動させながら検査を行う間に、ワーク表面W1の凹凸形状が途中で変化した場合に、変化前の凹凸形状に応じた弾性変形を解消し、変化後の凹凸形状に応じた弾性変形に遷移する過程が、遅延なく進行しやすい。このように、バネ21を用いる場合の方が、弾性体ブロック22のみを用いる場合よりも、ワーク表面W1の形状の変化、変動に対して、敏感に適応して弾性変形の状態を変化させることができる。
このように、弾性体ブロック22とバネ21は、それぞれに長所を有するが、本実施形態のように、両者を併用することにより、特に、z方向に沿って支持部材10側(+z側)に、大きなバネ定数を有するバネ21を配置するとともに、検査部30側(−z側)に小さなバネ定数を有する弾性体ブロック22を配置することにより、弾性体ブロック22とバネ21の両方の長所を利用することができる。つまり、弾性体ブロック22の柔軟性と連続性を利用して、検査部30をワーク表面W1の凹凸形状に忠実に倣わせることができる一方で、バネ21の大きな復元力を利用して、検査部30の接触状態を安定化でき、また、弾性体ブロック22の弾性変形の復帰を補助することで、ワーク表面W1の形状の変化に敏感に適応することができる。
本実施形態においては、弾性体ブロック22の圧縮端面22aが、y方向に沿って中央部が膨出した凸形状を有していることにより、探傷装置1をワーク表面W1に押し付ける前の初期状態において、y方向に沿って検査部30の中央部が、端部よりも、z方向に沿って外側(−z方向)に膨出した状態となっている。弾性部材21,22による検査部30の保持形状は、このような膨出形状に限られるものではなく、y方向に沿って平坦な平面形状、y方向に沿って中央部が端部よりも−z側に陥没した陥没形状等、どのような保持形状をとってもよい。しかし、弾性部材21,22によって検査部30を膨出形状に保持しておくことで、図3(b)〜(d)に示すように、平面状、凹形状、凸形状等、各種の表面形状に倣って検査部30を変形させ、ワーク表面W1に沿わせやすい。特に、図3(d)のように、ワーク表面W1が凸形状を有する場合に、弾性部材21,22による復元力が大きく働き、検査部3をワーク表面W1の形状に追従させ、検査部30の各部をワーク表面W1に沿わせた状態で、安定に保持しやすい。
この図3(d)の状況のように、ワーク表面W1の凹凸形状と反対向きに、検査部30を湾曲させて保持しておけば、検査部30をワーク表面W1の凹凸形状に追従させやすくなる。一方で、ワーク表面W1が凸形状を有する場合に、検査部30を陥没形状に湾曲させて保持しておく形態のように、ワーク表面W1の凹凸形状と同じ向きに、検査部30を湾曲させて保持しておき、かつそれらの曲率を十分に近くしておけば、押圧力Fを印加しなくても、あるいは小さな押圧力Fを印加するのみで、検査部30の探傷センサ32bをワーク表面W1に接近させて配置し、探傷を行うことが可能となる。
上記のように、本実施形態にかかる探傷装置1に備えられる探傷センサ32bは、渦流探傷式のものであっても、超音波探傷式のものであってもよい。しかし、渦流探傷センサを用いる場合の方が、弾性部材21,22によるワーク表面W1への追従の効果を、有効に利用することができる。渦流探傷を安定に、また高精度に行うためには、ワーク表面W1と探傷センサ32bとの間の距離を、一定に維持することが重要である。距離を離しすぎると、検査精度が低下してしまう一方、ワーク表面W1に探傷センサ32bが接触してしまうと、渦電流を発生させることができず、探傷が行えなくなってしまう。これは、超音波探傷において、水中で検査を行うこと等に起因して、探傷センサとワーク表面との間の距離の変動が、検査実行の可否や検査精度に、それほど大きな影響を与えないのとは異なる。本実施形態にかかる探傷装置1においては、検査部30の取り付け部材31および基板32aを、ワーク表面W1の凹凸形状に沿って曲げ変形させた状態で、基板32aの面よりも突出して設けられた転動部材35によって、探傷センサ32bとワーク表面W1の間に距離を確保することで、y方向に沿って配列された各探傷センサ32bとワーク表面W1との間の距離を、安定に確保することができる。よって、探傷センサ32bが渦流探傷センサである場合にも、安定した条件で、探傷を行うことが可能となる。
本実施形態にかかる探傷装置1は、検査部30および弾性変形部20、支持部材10に加えて、進退部40を備えており、進退部40の駆動手段41によって、検査部30を介して、弾性部材21,22を、ワーク表面W1に対して押し付けることができる。上記でも説明したように、押圧を受けた弾性部材21,22は、y方向の各位置において、その位置におけるワーク表面W1の凹凸に応じた変形量で圧縮され、復元力を発生することで、検査部30の各部を、ワーク表面W1の形状に沿わせ、転動部材35を介して、ワーク表面W1に押し付けることができる。ただし、探傷装置1は、進退部40を必ずしも備えなくてもよく、進退部40を備えない場合にも、例えば、作業者による手作業、重力の利用、ワークWの運動等の手段により、ワーク表面W1と探傷装置1の間で、押し付けを行うことができる。
さらに、本実施形態においては、進退部40は、駆動手段41に加え、弾性変形部20の弾性部材21,22よりも大きなバネ定数を有する、進退用バネ42を備えている。このような進退用バネ42を設けておくことで、長尺状のワークや多数のワークに対して検査を行う場合等に、ワークWの位置や全体としての寸法に、変化や変動があった場合にも、ワーク表面W1に対して探傷装置1を押し付けた状態を、形成し、また維持しやすくなる。換言すると、検出面30aの面積の全域にわたって、検査部30とワーク表面W1の相対位置が一様に変化するような、大きな空間スケールでのワークWの位置や寸法、形状の変化に対しては、進退用バネ42によって、その変化への追従を行う一方、検出面30aの面積の中でワーク表面W1の高さが変化するような、小さな空間スケールの凹凸構造に対しては、追従用バネ21および弾性体ブロック22の弾性変形によって追従し、検査部30をワーク表面W1に沿わせることができる。
本実施形態にかかる探傷装置1においては、転動部材35も、必須に設けられるものではないが、転動部材35を設けることで、上記のように、ワークWの表面W1での探傷装置1の円滑な移動を補助できるとともに、探傷センサ32bとワーク表面W1の間に距離を確保するスペーサとしても、転動部材35を機能させることができる。特に、転動部材35として、ボールローラを用いることで、平面上を自在に転動することができるので、ワーク表面W1において、探傷装置1を、一方向のみならず、二次元的に移動させ、探傷を行うことができる。そのようにすることで、例えば、ワーク表面W1が複雑な凹凸形状を有する場合や、大面積である場合にも、探傷検査を簡便に進めることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 探傷装置
10 支持部材
11 天井面
12 側面
13 スリット
14 押圧面
15 ヒンジ
16 結合片
20 弾性変形部
21 追従用バネ(第一の弾性部材)
22 弾性体ブロック(第二の弾性部材)
22a 圧縮端面
23 弾性体保持面
24 バネ支柱
30 検査部
30a 検出面
30b 結合面
31 取り付け部材
32 フレキシブルプローブ
32a 基板
32b 探傷センサ
35 転動部材
40 進退部
41 駆動手段
42 進退用バネ
F 押圧力
W ワーク(検査対象物)
W1 ワーク表面

Claims (9)

  1. 検査対象物の傷を検出可能な複数の探傷センサが、曲げ変形可能な基板の面に、配列方向に沿って複数配置されたフレキシブルプローブと、
    支持部材と、
    弾性部材と、を有し、
    前記弾性部材は、変形軸に沿って一端が、前記支持部材に結合され、他端が、前記フレキシブルプローブの前記探傷センサが設けられた面と反対側に結合され、前記配列方向に沿って位置ごとに異なる変形量で、前記変形軸に沿って弾性変形可能である、探傷装置。
  2. 前記弾性部材は、前記変形軸に沿って、前記支持部材側に位置する第一の弾性部材と、前記フレキシブルプローブ側に位置する第二の弾性部材とに分割されており、前記第一の弾性部材は、前記第二の弾性部材よりも、前記変形軸に沿って、大きなバネ定数を有する、請求項1に記載の探傷装置。
  3. 前記第一の弾性部材は、前記配列方向に沿って配列された複数のバネよりなり、
    前記第二の弾性部材は、高分子弾性体のブロックよりなる、請求項2に記載の探傷装置。
  4. 前記探傷装置はさらに、前記弾性部材全体を、前記変形軸に沿って進退せることができる進退部を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の探傷装置。
  5. 前記進退部は、
    前記弾性部材全体を前記変形軸に沿って前進させる駆動手段と、
    前記変形軸に沿って弾性変形可能であり、前記弾性部材よりも大きなバネ定数を有するバネよりなる進退用バネと、を有する、請求項4に記載の探傷装置。
  6. 前記フレキシブルプローブにおいて、前記基板は、前記配列方向に沿った中央部が、両端部よりも、前記弾性部材の前記変形軸に沿って外側に膨出した状態で、前記弾性部材を介して前記支持部材に支持されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の探傷装置。
  7. 前記探傷センサは、渦流探傷センサである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の探傷装置。
  8. 前記探傷装置はさらに、転動部材を有しており、
    前記転動部材は、前記探傷センサの列を挟んで両側に、前記配列方向に沿って、それぞれ複数が配列されており、前記基板の面に対して、前記探傷センサよりも外側に突出している、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の探傷装置。
  9. 前記転動部材は、ボールローラである、請求項8に記載の探傷装置。
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