JP2007132247A - 摺動部材およびその製造方法 - Google Patents

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Masahiko Shibahara
雅彦 芝原
Nobuo Sakate
宣夫 坂手
Yasuo Uosaki
靖夫 魚崎
Akio Wakasaki
章夫 若崎
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Abstract

【課題】主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材の摩耗を抑制しつつ、適正に潤滑性を付与することができる摺動部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】主として耐摩耗性が要求される部位A,Bと、主として潤滑性が要求される部位Cとが同一面内に連続して設けられた摺動部材(シリンダライナー2)において、上記耐摩耗性が要求される部位Aに、急冷凝固組織10を有する硬質面部を形成するとともに、上記潤滑性が要求される部位Cに、オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成した摺動部材およびその製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材およびその製造方法に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、内周面にホーニング処理により形成された研削痕を有するシリンダおよびシリンダライナーおいて、上記研削痕が、円周方向に30°以下の角度をなして交差する第1の研削痕と、この第1の研削痕の間に設けられて、この第1の研削痕の交差角度より5°以上大なる交差角をなして形成された第2研削痕とでなり、かつ第1の研削痕の深さが第2の研削痕の深さより大に設定され、これらの研削痕がオイル溜まりとして利用されるように構成されたものが知られている。
また、下記特許文献2に示されるように、鉄系合金の摺動材表面を、レーザー光等からなる収束集中した高密度エネルギー源を用いて急速加熱し、この摺動材表面を局部的にかつ微少深さだけ溶融させるのと同時に、この溶融部に気体噴流を吹き付けて、微少な凹部を形成するとともに、上記急速加熱に伴い上記凹部を囲む部分を焼き入れ硬化させ、上記凹部から供給される潤滑剤によって摺動剤の摩耗を防止することが行われている。
さらに、下記特許文献3に示されように、シリンダライナー内面のピストントップリングの上死点に対応した位置に、レーザー加工により形成された保油溝を形成することにより、シリンダライナー内面における保油性を向上させ、潤滑不足に起因したピストンやピストンリングの焼き付きを防止することが行われている。
特開昭59−196954号公報 特開平2−294423号公報 実開昭61−110847号公報
上記特許文献1〜2に開示されているように、ピストンが摺動するシリンダライナー等からなる摺動部材の内周面に、オイル溜まりとなるホーニングの研削痕またはレーザー加工溝を形成した場合には、上記オイル溜まりから供給されるオイルによって潤滑性が付与されるため、摩擦抵抗(摩擦係数)の低下に伴って燃費を改善できるという利点がある。しかしながら、エンジンの作動時にピストンの上下動により上記オイル溜まりに保持されたオイルが掻き出されて排気行程で燃焼室の外部に導出されたり、エンジンの膨張行程で発生する燃焼ガスとともに燃焼したりすることに起因して、オイルの消費量が増大することが避けられないという問題がある。
特に、上記特許文献3に示すように、シリンダライナーの内面において、エンジンの燃焼時およびピストンが上死点位置で移動方向が反転する際に大きな面圧が作用する部位、つまりピストントップリングの上死点に対応した位置に保油溝を設けた場合には、この部位に保油溝が形成されることに起因して上記特許文献2と同様にオイル消費量が増大するという問題があり、さらには耐摩耗性が考慮されていないことにより、ピストンが上死点位置にあるときのトップリングに対応するライナー内面が摩耗してガス抜けが生じ、出力不足や燃費増に繋がるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材において、その摩耗を抑制するとともに、オイル消費を抑制し、かつ摺動抵抗を下げることにより燃費の改善も可能とする摺動部材およびその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材において、上記耐摩耗性が要求される部位に、急冷凝固組織を有する硬質面部を形成するとともに、上記潤滑性が要求される部位に、オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成したものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の摺動部材において、上記耐摩耗性が要求される部位に、レーザー光の照射により形成された急冷凝固組織を設けるとともに、潤滑性が要求される部位に、レーザー光の照射に応じて加熱溶融した溶融金属を除去することにより形成されたオイル溜まり用の凹部を設けたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の摺動部材において、この摺動部材がレシプロ式エンジンのシリンダライナーによって構成され、そのピストンが上死点位置にあるときのオイルリングよりも燃焼室側の摺動面部位と、ピストンが下死点位置にあるときのトップリングよりもクランクケース側の摺動面部位とに、上記急冷凝固組織を有する硬質面部が形成され、上記両部位の間に、オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部が形成されたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1または2に記載の摺動部材において、この摺動部材がロータリ式エンジンのサイドハウジングにより構成され、ロータリ式エンジンのロータに設けられたサイドシールがサイドハウジングに描く摺動軌跡のラインと、ロータに設けられて上記サイドシールよりも内方側に位置するオイルシールがサイドハウジングに描く摺動軌跡のラインとの囲繞部の外方側に位置する部位に、上記オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成するとともに、上記囲繞部の外方側に位置する部位のうち、出力軸に対して直角な短軸方向に窪んだ位置の近傍に、上記急冷凝固組織を有する硬質面部を形成したものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の摺動部材において、上記耐摩耗性が要求される部位に設けられた急冷凝固組織の占有面積率を1%〜20%の範囲内に設定したものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の摺動部材において、上記潤滑性が要求される部位に設けられたオイル溜まりとなる凹部の占有面積率を1%〜20%の範囲内に設定したものである。
請求項7に係る発明は、上記主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材の製造法であって、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位および潤滑性が要求される部位に、レーザー光を照射して急加熱するとともに、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位では、上記急加熱の後に急冷させて急冷凝固組織を形成し、かつ潤滑性が要求される部位では、上記急加熱により溶融した溶融部にアシストガスを吹き付けて溶融金属を除去することによりオイル溜まり用の凹部を形成するものである。
請求項1に係る発明によれば、主として耐摩耗性が要求される部位に、急冷凝固組織を有する硬質面部を形成するとともに、主として潤滑性が要求される部位に、オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成したため、上記耐摩耗性が要求される部位の摩耗を効果的に防止しつつ、上記潤滑性が要求される部位の潤滑性を充分に確保して当該部位の摺動抵抗および摩擦損失を低下させ、オイル消費を抑制し、かつその耐摩耗性を効果的に向上できるという利点がある。
請求項2に係る発明によれば、上記急冷凝固組織を有する硬質面部と、上記凹部を有する低摩擦面部とを容易かつ迅速に形成することができるとともに、上記急冷凝固組織および凹部の位置および大きさを適正に設定できるという利点がある。
請求項3に係る発明によれば、上記ピストンの上死点および下死点に対応したシリンダライナーの部位であって、エンジンの燃焼時およびピストン上下動の反転時に大きな面圧が作用する上下部位に急冷凝固組織を設けて耐摩耗性を向上させたため、この部位の摺動抵抗が大きくなるのを防止するとともに、オイルの消費量が増大するのを防止しつつ、その摩耗を効果的に防止できるという利点がある。また、シリンダライナーのピストン上死点位置および下死点位置に対応する部位の間に位置する中間部位に、オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成したため、上記凹部から掻き出されたオイルによって潤滑性を確保することにより、摺動抵抗の低減が可能となり、もって燃費を改善できるという利点がある。
請求項4に係る発明によれば、ロータに設けられたサイドシールがサイドハウジングに描く摺動軌跡のラインと、ロータに設けられて上記サイドシールよりも内方側に位置するオイルシールがサイドハウジングに描く摺動軌跡のラインとの囲繞部の外方側に位置する部位に、上記サイドシールおよびオイルシールが当接しつつ摺動する際の摺動抵抗を効果的に低減し、もって燃費の改善が可能となる。さらに、上記囲繞部の外方側に位置する部位のうち、出力軸に対して直角な短軸方向に窪んだ位置の近傍では、サイドシールがそれ自身の長さ方向に向かって摺動するのでサイドハウジングにオイル切れが生じ易く、段付摩耗を生じ易いが、この近傍に硬質面部を設けることにより、その摩耗を効果的に防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、急冷凝固組織の占有面積率が過大となるのを防止しつつ、主として耐摩耗性が要求される部位の摩耗を効果的に防止できるという利点がある。
請求項6に係る発明によれば、上記潤滑性が要求される部位における凹部の占有面積率が過大になることに起因してオイルが顕著に消費されるのを防止しつつ、摺動抵抗を下げ、かつ上記部位の摩耗を効果的に抑制できるという利点がある。
請求項7に係る発明によれば、主として摺動部材の耐摩耗性が要求される部位および主として潤滑性が要求される部位に、レーザー光をそれぞれ照射して急加熱するとともに、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位では、上記急加熱の後に急冷させて急冷凝固組織を形成し、かつ潤滑性が要求される部位では、上記急加熱に応じて溶融した溶融部にアシストガスを吹き付ける等により溶融金属を除去してオイル溜まり用の凹部を形成することにより、同一のレーザー加工機を使用して上記急冷凝固組織を有する硬質面部と上記オイル溜まりとなる凹部を有する低摩擦面部とを連続して容易に形成できるという利点がある。
図1は、本発明に係る摺動部材の実施形態を示している。この摺動部材は、エンジンのシリンダブロック1に挿入されて保持されるシリンダライナー2により構成され、その内周面に沿ってピストン3が図1の仮想点で示す下死点位置から実線で示す上死点位置に昇降変位するようになっている。このシリンダライナー2は、合金鋳鉄により形成され、上記ピストン3の上死点位置および下死点位置に対応する上下部位A,B(Aは、ピストン3が上死点位置にあるときのオイルリング6cの位置よりも燃焼室40側であって、トップリング6aとセカンドリング6bとが位置する部分を含む範囲、Bは、ピストン3が下死点位置にあるときのトップリング6aよりもクランクケース50側であって、トップリング6aとセカンドリング6bとが位置する部分を含む範囲)に、急冷凝固組織10を有する硬質面部が形成されるとともに、この硬質面部が形成された上記上下部位A,Bの間に位置する中間部位Cに、オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部が形成されている。
上記シリンダライナー2を製造するには、まず図外の鋳造工程において、図2(a)に示すようなシリンダライナー用素材2aを成形した後、これを例えば不図示のアルミニウム合金製シリンダブロックに鋳込み、あるいは圧入する。そして、図2(b)に示すように、シリンダライナー用素材2a内にホーニング砥石4を挿入して所定速度で回転させつつ昇降駆動することにより、上記シリンダライナー用素材2aの内周面を荒加工する。次いで、図2(c)に示すように、パルス式YAGレーザー加工機5を使用して上記シリンダライナー用素材2aの上方部位および下方部位にそれぞれ急冷凝固組織を有する硬質面部を形成するとともに、上記上方部位および下方部位の間に位置する中間部位に複数の凹部を有する低摩擦面部を形成する。その後、図2(d)に示すように、ホーニング砥石4を上記シリンダライナー用素材2a内に挿入し、上記硬質面部および低摩擦面部の成形過程で形成されたバリ等を除去する仕上げ加工を施すことにより、図1に示すシリンダライナー2を形成する。
上記パルス式YAGレーザー加工機5は、イットリウム(YITTRIM)、アルミニウム(ALUMINIUM)およびガーネット(GARNET)を発振媒体として用いた固定式レーザーであって、加工性能が高いとともにピーク出力が高く、かつガラス中で減衰をほとんど生じないため、光ファイバーによるパワー伝送が可能である等の特徴を有している。このパルス式YAGレーザー加工機5のレーザー光照射部5aを、図2(c)に示すように、シリンダライナー用素材2a内に挿入し、矢印Dに示すように一定速度で旋回させるとともに、矢印Eに示すように一定速度で下降させつつ、上記ピストン3の上死点位置に対応する上方部位Aにレーザー光を間欠的に照射して部分的に溶融温度まで急加熱した後、上記レーザー光の照射を停止して急加熱部の熱を周縁部に吸収させて急冷却することにより、図3の楕円で囲繞した範囲に示す急冷凝固組織10が部分的に設けられた硬質面部を上記上方部位Aに形成する。
そして、上記パルス式YAGレーザー加工機5のレーザー光照射部5aが、上記ピストン3の上死点位置に対応する上方部位Aから、その下方の中間部位Cに移行した時点で、レーザー光を間欠的に照射することにより急加熱してシリンダライナー2の内周面を部分的に溶融させるとともに、この溶融部に上記レーザー光照射部5aに設けられたアシストガス吹付部5bから窒素ガス等のアシストガスを吹き付け、その吹付圧力に応じて溶融金属を除去することにより、図4に示すような所定の大きさを有するオイル溜まりとなる多数の凹部11が一定間隔で互いに独立して配列された低摩擦面部を上記中間部位Cに形成する。
次いで、上記パルス式YAGレーザー加工機5のレーザー光照射部5aが、上記中間部位Cから、その下方に位置するピストン3の下死点位置に対応する下方部位Bに移行した時点で、上記ピストン3の上死点位置に対応する上方部位Aと同様に、レーザー光を間欠的に照射して部分的に急加熱した後、この急加熱部の熱を周縁部に吸収させて急冷却することにより急冷凝固組織10が部分的に設けられた硬質面部を上記下方部位Bに形成する。
上記のようにシリンダライナー2のピストン上死点位置および下死点位置に対応する上下部位A,Bに、上記急冷凝固組織10を有する硬質面部を形成するとともに、この硬質面部が形成された上下部位A,Bの間に対応する中間部位Cに、オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成したため、主として耐摩耗性が要求される上記上下部位A,Bの摩耗を効果的に防止しつつ、主として潤滑性が要求される上記中間部位Cの潤滑性を充分に確保して摺動抵抗を下げ、もって燃費を改善できるとともに、さらにはその摩耗も効果的に抑制できるという利点がある。
すなわち、上記ピストン3の上死点および下死点に対応したシリンダライナー2の上下部位A,Bには、エンジンの燃焼時およびピストン3の上下動の反転時に大きな面圧が作用するので、エンジンの作動時に上記上下部位A,Bが顕著に摩耗する傾向があるが、上記のように上下部位A,Bにレーザー光を照射して急冷凝固組織10を設けることにより、上記部位A,Bの硬度を向上させるように構成すれば、上記ピストン3の上死点および下死点に対応した上記シリンダライナー2の上下部位A,Bの摩耗を効果的に抑制することができる。
また、上記のようにピストン3の上死点および下死点に対応した上下部位A,Bに上記急冷凝固組織10を設け、上記中間部位Cのようにオイル溜まりとなる凹部11を形成しないようにすると、特にピストン上死点位置に対応する部位Aの摩耗を防止できるとともに、ピストン3の上下動に応じ、凹部11内に収容されたオイルがピストンリング(トップリング6aやセカンドリング6b)により掻き出されるという事態を生じることがない。したがって、上記部位Aが摩耗しにくくなるという相乗効果でオイルの消費量が増大するのを防止できるという利点がある。
一方、上記シリンダライナー2のピストン上死点位置および下死点位置に対応する上下部位A,Bの間に位置する上記中間部位Cは、オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部として形成されるので、ピストン3の摺動抵抗が下がり、これによって燃費が改善されるという利点がある。
上記のように主として耐摩耗性が要求される上下部位A,Bと、主として潤滑性が要求される中間部位Cとが同一面内に連続して設けられたシリンダライナー2からなる摺動部材において、上記耐摩耗性が要求される部位A,Bに、急冷凝固組織10を有する硬質面部を形成するとともに、上記潤滑性が要求される部位Cに、オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成することによる効果を確認するために行った実験例について以下に説明する。
すなわち、パルス式YAGレーザー加工機5を使用して平均出力20w、周波数1000Hzのレーザー光を、加工速度1m/minの加工速度で合金鋳鉄からなるシリンダライナー用素材2aに照射するとともに、窒素ガスからなるアシストガスを噴射することにより、0.05mm〜0.1mm程度の幅寸法(ピストンリング摺動方向の寸法)と0.1mm〜5mm程度の長さ(シリンダライナー2の円周方向の寸法)を有する複数の凹部11を千鳥状に配設するとともに、その占有面積率、つまり全表面積に対する凹部11の合計面積が占める割合からなる面積率が例えば5%となるように形成する。なお、この面積率が5%となる凹部11は、上記幅寸法が0.08mmで上記長さが3mm、深さが15μmの形状をなしている。そして、この凹部11が形成されたシリンダライナー用素材2aを、1mmの幅寸法と20mmの長さとを有する試験片7に切除し、図5に示すように、鋼材からなり、摺動面にクロム(Cr)メッキを施したピストンリング6を、147Nの圧力で上記試験片7に当接させつつ、かつ実験開始前に0.2ccのエンジンオイル10W20を滴下してこれを略均一に引き伸ばした状態で、60分間に亘り往復動させることにより、摩擦係数μの変化状態を測定する実験を行ったところ、図6に示すような実施例データ1が得られた。なお、本実験における摺動速度は、ピストンリング6の往復動に応じて左右端で一旦0となり、中央部で最高速度が0.8m/sとなる場合の平均のものである。
上記実施例データ1から、シリンダライナー2の内周面にオイル溜まりとなる凹部11を形成することにより、シリンダライナー2とピストンリング6との摩擦係数μを、上記オイル溜まりとなる凹部11のない場合における比較例データ1に比べて0.02程度、低減できることが確認された。したがって、上記のように摺動部材の潤滑性が要求されるシリンダライナー2の中間部位Cに、オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成することにより、上記中間部位Cの内周面に沿ってピストンリング6が高速で摺動する際にその抵抗を効果的に低減できることがわかる。
また、上記の条件下で、ピストンリング6の摺動速度が0.1m/s〜0.7m/sにおける摩擦係数μの変化状態を測定する実験を行ったところ、図7に示すような実施例データ2および比較例データ2が得られた。これらのデータから、ピストンリング6の摺動速度が遅い場合、つまり0.1m/sである場合には、上記オイル溜まりとなる凹部11を形成した場合における本発明の実施例データ2と、この凹部11がない場合における比較例データ2とで、摩擦係数μにほとんど差がなく、上記シリンダライナー2のピストン上死点位置および下死点位置に対応する上下部位A,Bに、上記オイル溜まりとなる凹部11を設ける必要性が少ないことがわかる。
次いで、上記凹部11の幅寸法を0.05mmから0.1mm程度の範囲内で種々に変化させるとともに、凹部11の長さを0.1mmから5mm程度の範囲内で種々に変化させることにより、上記凹部11の占有面積率を変化させて上記摩擦係数μの変化状態を計測する実験を行ったところ、図8に示すようなデータが得られた。このデータから、上記凹部11の占有面積率を0.5%に設定した場合における比較例データ4と、この凹部11がない場合における比較例データ3とでは、摩擦係数μの差がなく、上記凹部11の占有面積率をそれぞれ1%,5%,20%の範囲内に設定した場合における本発明の実施例データ3,4,5では、上記比較例データ3,4に比べて摩擦係数μを低減できることが確認された。
また、上記凹部11の占有面積率が増大するのに応じて摩擦係数μの低減効果が減衰する傾向があるとともに、上記凹部11内に保持されるオイル量が過大になる傾向があるので、上記凹部11の占有面積率の上限値を20%とすることが好ましい。したがって、上記凹部11の占有面積率を1%〜20%の範囲内に設定することにより、上記中間部位Cの摩耗を、簡単な構成で効果的に抑制できることが上記データからわかる。
次に、上記パルス式YAGレーザー加工機5を使用して平均出力20w、周波数1000Hzのレーザー光を、加工速度1m/minの加工速度で合金鋳鉄からなるシリンダライナー用素材2aに照射した後に急冷却して上記急冷凝固組織10を形成する実験を行ったところ、この急冷凝固組織10を形成することにより、シリンダライナー2のビッカース硬さがHv230からHv750に変化し、耐摩耗性が要求される上記部位A,Bの硬度を大幅に向上させることができることが確認された。そして、上記急冷凝固組織の占有面積率を、0.5%から、それぞれ1%,5%,20%の範囲内に変化させることにより、摩耗量がどのように変化するかを測定したところ、図9に示すようなデータが得られた。この実験例では、試験片7の摩耗を促進するために無添加のベースエンジンオイルを使用するとともに、上記ピストンリング6の当接圧力を392Nに設定した。
上記データから、急冷凝固組織10の占有面積率を0.5%に設定した場合における比較例データ6と、急冷凝固組織10のない場合における比較例データ7とでは、シリンダライナー2の摩耗量を示す摩耗断面積、つまり試料片7の摩耗面積を平均化した値に、顕著な差がないことが確認された。これに対して上記急冷凝固組織10の占有面積率を1%,5%,20%に設定した場合における本発明の実施例データ6〜8では、上記摩耗断面積を顕著に減少させることができることが確認された。また、上記急冷凝固組織10の占有面積率を大きくするのに応じてシリンダライナー2の摩耗量を低減することができるが、上記急冷凝固組織10の占有面積率を20%以上に設定しても、上記摩耗低減効果をそれ程顕著に発揮させることができないことが上記データからわかる。このため、急冷凝固組織10の占有面積率を1%〜20%の範囲内に設定することにより、上記レーザー加工機5によるレーザー光の照射範囲を広範囲に設定する等の煩雑な作業を要することなく、上記部位A,Bの耐摩耗性を効果的に向上させることができる。
また、上記実施形態に示すように、耐摩耗性が要求される部位A,Bに、レーザー光の照射により急冷凝固組織10を形成するとともに、潤滑性が要求される部位Cに、レーザー光の照射による急加熱に応じて溶融した溶融金属を除去することにより上記オイル溜まり用の凹部11を形成した構造とすれば、レーザー加工機5を用いて急冷凝固組織10を有する硬質面部および凹部11を有する低摩擦面部を、容易かつ迅速に連続して形成できるとともに、上記急冷凝固組織10および凹部11の位置および大きさを適正に設定できるという利点がある。
特に、上記実施形態に示すように、主として耐摩耗性が要求される部位A,Bと、主として潤滑性が要求される部位Cとが同一面内に連続して設けられた摺動部材の製造法において、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位A,Bおよび潤滑性が要求される部位Cに、レーザー光をそれぞれ照射して急加熱するとともに、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位A,Bでは、上記急加熱の後に急冷させて急冷凝固組織10を形成し、かつ潤滑性が要求される部位Cでは、上記急加熱に応じて溶融した溶融部にアシストガスを吹き付けることにより溶融金属を除去してオイル溜まり用の凹部11を形成するように構成した場合には、同一のレーザー加工機5を使用して上記急冷凝固組織10を硬質面部と上記オイル溜まりとなる凹部11を有する低摩擦面部とを、極めて容易かつ適正に形成できるという利点がある。
図10は、ロータリ式エンジンのロータ22とロータハウジング27とサイドハウジング21とを組み付けた状態の概略構成を示す正面図、図11は、上記サイドハウジング21において本発明に係る硬質面部と低摩擦面部との形成範囲を示す説明図である。図10および図11に示すように、ロータリ式エンジンを構成するサイドハウジング21からなる摺動部材において、正面視で略三角形をなすロータ22の各辺の端面近傍部に配設されたサイドシール23がサイドハウジング21に描く摺動軌跡のラインMと、このサイドシール23の内方側に配設されたオイルシール24がサイドハウジング21に描く摺動軌跡のラインNとの囲繞部の外方側であって、吸気ポート25と排気ポート26との設置部およびロータハウジング27により覆われた部分を除く部位(図11のハッチングで示す範囲)A1に、上記オイル溜まりとなる複数の凹部11が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成する。したがって、上記凹部11が形成される範囲A1の外形は、出力軸29に対して直角な短軸方向が窪んだまゆ形となる。そして、上記範囲A1内において、出力軸29に対して直角な短軸方向に窪んだ位置近傍である範囲A2に急冷凝固組織10を有する硬質面部を形成する。
上記急冷凝固組織10を有する硬質面部の形成範囲A2は、サイドシール23がそれ自体の長さ方向に沿った摺動軌跡を描く範囲、言い換えればサイドシール23がサイドハウジング21に当接ししつつ略長軸方向に沿って摺動する範囲である。したがって、上記範囲A2では、サイドシール23があたかもサイドハウジング21を切るように摺動するとともに、この部分にオイル溜まりとなる凹部11を形成したとしても充分にオイルが掻き出されることがなく、上記急冷凝固組織10を設けなければ段付摩耗が生じ易いが、本実施形態のように主として耐摩耗性を要求される部位(範囲A2)に急冷凝固組織10を設ければ、当該部位の耐摩耗性が向上し、そして主として潤滑性が要求される部位(範囲A1)にオイル溜まりとなる凹部11を設ければ、摩擦抵抗を低減して燃費を低減することが可能となる。なお、図10において、符号28は、サイドハウジング21に形成された軸孔、符号29はロータ22の中部に設けられたアペックスシール、符号30はロータハウジング27に形成された点火プラグホールである。
本発明に係る摺動部材の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る摺動部材の製造方法の実施形態を示す工程図である。 急冷凝固組織の具体例を示す写真である。 オイル溜まりとなる凹部の具体例を示す写真である。 本発明に係る摺動部材の摩擦係数を測定するための実験装置の具体例を示す説明図である。 試験時間に応じて変化する摩擦係数の測定データを示すグラフである。 ピストンリングの摺動速度に応じて変化する摩擦係数の測定データを示すグラフである。 凹部の専有面積率と摩擦係数との対応関係を示す表である。 凹部の専有面積率と摩擦断面積との対応関係を示す表である。 ロータリ式エンジンの概略構成を示す説明図である。 本発明に係る摺動部材の別の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
2 シリンダライナー(摺動部材)
3 ピストン
5 レーザー加工機
10 急冷凝固組織
11 オイル溜まりとなる凹部
21 サイドハウジング
22 ロータ
23 サイドシール
24 オイルシール
40 燃焼室
50 クランクケース

Claims (7)

  1. 主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材において、上記耐摩耗性が要求される部位に、急冷凝固組織を有する硬質面部を形成するとともに、上記潤滑性が要求される部位に、オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成したことを特徴とする摺動部材。
  2. 上記耐摩耗性が要求される部位に、レーザー光の照射により形成された急冷凝固組織を設けるとともに、潤滑性が要求される部位に、レーザー光の照射に応じて加熱溶融した溶融金属を除去することにより形成されたオイル溜まり用の凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 上記摺動部材は、レシプロ式エンジンのシリンダライナーであり、上記急冷凝固組織を有する硬質面部は、ピストンが上死点位置にあるときのオイルリングよりも燃焼室側の摺動面部位と、ピストンが下死点位置にあるときのトップリングよりもクランクケース側の摺動面部位とに形成され、上記両部位の間に、オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部材。
  4. 上記摺動部材は、ロータリ式エンジンのサイドハウジングであり、ロータに設けられたサイドシールがサイドハウジングに描く摺動軌跡のラインと、ロータに設けられて上記サイドシールよりも内方側に位置するオイルシールがサイドハウジングに描く摺動軌跡のラインとの囲繞部の外方側に位置する部位に、上記オイル溜まりとなる複数の凹部が互いに独立して配列された低摩擦面部を形成するとともに、上記囲繞部の外方側に位置する部位のうち、出力軸に対して直角な短軸方向に窪んだ位置の近傍に、上記急冷凝固組織を有する硬質面部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部材。
  5. 上記耐摩耗性が要求される部位に設けられた急冷凝固組織の占有面積率を1%〜20%の範囲内に設定したこと特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の摺動部材。
  6. 上記潤滑性が要求される部位に設けられたオイル溜まりとなる凹部の占有面積率を1%〜20%の範囲内に設定したこと特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の摺動部材。
  7. 主として耐摩耗性が要求される部位と、主として潤滑性が要求される部位とが同一面内に連続して設けられた摺動部材の製造法であって、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位および潤滑性が要求される部位に、レーザー光を照射して急加熱するとともに、上記摺動部材の耐摩耗性が要求される部位では、上記急加熱の後に急冷させて急冷凝固組織を形成し、かつ潤滑性が要求される部位では、上記急加熱により溶融した溶融部にアシストガスを吹き付けて溶融金属を除去することによりオイル溜まり用の凹部を形成することを特徴とする摺動部材の製造方法。
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