JP2007131479A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒素又はボロンドープ材の追添加が不要で、有転位化する傾向が低い、窒素及びボロンを添加したシリコン単結晶を得る。
【解決手段】窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法における溶融工程の前工程において、溶融される原料が投入される坩堝内に、多結晶シリコン原料18とともに、窒素ドープ材となる窒化膜付シリコン材20及びボロンドープ材となる合金ボロン22が互いに非接触の状態で、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解されるように該ボロンドープ材及び該窒素ドープ材を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶の製造方法、特に、ドーパントとして窒素とボロン(ホウ素)を添加するシリコン単結晶の製造方法及び同製造方法を構成する工程(又は方法)に関する。また、同製造方法に用いられる原料集合体に関する。
従来、シリコン単結晶等の単結晶を製造する方法として、CZ法(チョクラルスキー法)やFZ法(浮遊帯法)が知られている。
CZ法によるシリコン単結晶を製造する場合には、坩堝に原料として多結晶シリコンを収容し、これを加熱溶融した原料融液に種結晶を融着させた後、回転しながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する。尚、融液に磁場を印加しながら単結晶を育成するMCZ法も、CZ法に含まれる。このMCZ法は、単結晶の大型化したことにより多く用いられるようになってきた。
CZ法によりP型シリコン単結晶を育成するにあたって、抵抗率を制御するドーパントとして一般的にボロンが用いられている。ボロンドープ材としては、金属ボロン若しくは合金ボロン等が用いられている。
一方、BMDの増加やグローイン(Grown−in)欠陥サイズの制御等を目的として窒素がドーパントとして用いられることもある。窒素をドーピングする方法には、窒化物等の固体を用いる場合がある。
CZ法により窒素ドープのP型単結晶を育成する場合には、それぞれ固体であるボロンドープ材及び窒素ドープ材を用いることができ、これらを石英坩堝の中に、多結晶シリコン原料と共に収容し、一緒に溶融した後に結晶の育成を行うことが多い。
ところで、窒素を添加したP型結晶は、窒素を添加しないP型結晶に比較し、有転位化する傾向が高いことが分かった。この原因は必ずしも明らかではないが、各種原料の溶融工程で生成する窒化ボロン(BN)によるものとも考えられ、例えば特許文献1では、どちらか一方が溶けた後、融液表面に結晶を析出させ、その上に、残りのドーパントを添加する方法が開示されている。
特開2004−269335号公報
しかしながら、特許文献1にあるように、坩堝(ルツボ)に多結晶原料を収容し、これを加熱溶融した原料融液から種結晶を融着後引き上げて単結晶を育成するチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、前記単結晶にドーパントとして窒素とボロンを添加する場合に、ドープ材(剤)として、それぞれ固体である窒素ドープ材とボロンドープ材を用い、いずれか一方のドープ材を前記多結晶原料と共に坩堝に収容して溶融させた後、該原料融液に他方のドープ材を添加して溶融させ、その後、前記単結晶の育成を行う方法では、生産性が必ずしもよくない。即ち、同時に両ドープ材を坩堝に収容(又は投入)する場合に比べて、追添加する工程が増えてしまうのである。
そこで、上述のように一方を溶融した後に他方のドープ材の追添加をする工程が不要で、かつ、窒素及びボロンを添加したシリコン単結晶であって、有転位化し難いものを製造する方法及びその製造方法で得られるシリコン単結晶を提供する。
窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法における溶融工程の前工程において、溶融される原料が投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材が互いに非接触の状態で、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解されるように該ボロンドープ材及び該窒素ドープ材を配置することを特徴とする。
より具体的には、以下のものを提供する。
(1)窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材が互いに非接触の状態で、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解するように該ボロンドープ材又は該窒素ドープ材が配置された原料集合体。
上述したように、CZ法により窒素ドープのP型単結晶を育成する場合には、それぞれ固体である窒素ドープ材とボロンドープ材を用いることが多く、石英坩堝内に、多結晶シリコン原料と共にボロンドープ材と窒素ドープ材を収容し、一緒に溶融した後に結晶の育成を行うことが多い。窒素ドープ材としては、窒化珪素、予め窒素ドープされたシリコン、シリコンウエーハの表面に窒化膜を形成したもののような窒化膜付シリコン材、窒化ケイ素粉末の焼結品等、固体状のものを用いることができる。その他の窒化物を用いてもよいが、窒化ボロン(BN)は好ましくない。ボロン(ホウ素)ドープ材としては、例えば、金属ボロンエレメント、ボロン含有シリコン等を用いることができる。
ここで、窒素ドープ材及びボロンドープ材が互いに非接触の状態であるとは、両ドープ材が重なり合う等の直接的な接触状態ではないことを意味することができる。また、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解するとは、窒素又はボロンのどちらかが先に融解したシリコン中に溶解することを意味することができ、実質的に同時に溶解しないことを意味することができる。例えば、シリコンの融解は、昇温過程において温度の高い部分から始まると考えられるが、この温度の高い部分の近くにどちらかのドープ材を配置すれば、融解したシリコン中に窒素又はボロンのいずれかが先に溶解することになる。具体的には、坩堝の壁(底を含む)の近くは熱が伝わりやすくなるため、高温になり易いので、この坩堝の壁近くにどちらかのドープ材を配置することができる。例えば、側壁近くに配置された場合は、近接するシリコン原料が融解し始め、側壁近傍を流れ落ちるので、その近くに配置されたいずれかのドープ材から窒素又はボロンが溶解することになる。しかしながら、側壁近傍よりも底面近くがより好ましい。融解したシリコンがたまり、溶解がより容易に行われると考えられるからである。
また、原料集合体とは、シリコン原料、ボロンドープ材、窒素ドープ材がそれぞれ固体状態で集まったひとまとまりを意味することができる。それぞれの材料の間に、製品に影響を与えないものをバインダーとして配置することも可能であり、また、ネット状のもので包んだ状態でひとまとまりの原料集合体を作ることもできる。また、これらの固体の材料の形状により機械的な組み合わせを作り、相互に連結させてもよい。
(2)窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材を互いに非接触の状態で、該ボロンドープ材が該窒素ドープ材よりも下又は上になるように配置された原料集合体。
ここで、ボロンドープ材が窒素ドープ材よりも下又は上に配置するのは、下側に配置されたドープ材が、融解したシリコン融液に先に接触し易くなると考えられるからである。即ち、側壁近傍で融解したシリコン融液であっても重力により底に移動するからである。このようにすれば、先に融液に接触したドープ材から窒素又はボロンが融液中に溶解することが容易にできるのである。
(3)より下に配置された前記窒素ドープ材又は前記ボロンドープ材は最下位置に配置され、他方の前記窒素ドープ材又は前記ボロンドープ材は原料集合体全体の高さの3分の1以上の高さの位置に配置されたことを特徴とする上記(2)に記載の原料集合体。
上述のように、底にたまるシリコン融液の液面が上昇することにより、先に接触するドープ材から窒素又はボロンが融液中に溶解するが、その溶解にはある程度の時間が必要となるので、時間差が生じやすいように最下位置からある程度の高さのところに他方のドープ材を配置することが好ましい。この位置は、ドーパントの量、シリコンの量、昇温速度、坩堝の回転速度等、種々の要因により決定することができるが、一般的には、例えば、原料集合体全体の高さの6分の1以上、より好ましくは4分の1以上、更により好ましくは3分の1以上の位置である。いずれかのドーパントの量が少ない場合は、この下限値をより小さくすることもできる。尚、この位置は、原料集合体がシリコンの融解の過程で崩れて、上下関係が途中で逆転しないものであれば、特に上限はなく、最上位置に他方のドープ材を配置することが好ましい。
また、このように時間差をより大きくすることは、シリコン融液中に溶解した窒素又はボロンの濃度(又は活性度)を考慮することにより、より好ましいと考えられる。即ち、シリコン融液中において、窒化ホウ素を生じる反応は、B+N=BN、と考えられるが、その反応速度は、一般に、融液中のそれぞれの濃度の積:[B]×[N]に比例すると考えられ、時間差を設けることにより、窒素又はボロンの濃度が十分低くなってから、他方のドーパンントの溶解が始まることとなるからである。
(4)窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材を互いに非接触の状態で、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解するように該ボロンドープ材又は該窒素ドープ材を配置することを特徴とする原料投入方法。
ここで、原料投入方法は、例えば、予め所定の位置にそれぞれのドープ材を配置した原料集合体をそのまま坩堝内に投入する方法、シリコン多結晶体、窒素ドープ材、ボロンドープ材のそれぞれを所定のタイミングで投入する方法等、種々の方法を含むことができる。
(5)窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材を互いに非接触の状態で、該ボロンドープ材が該窒素ドープ材よりも下又は上になるように配置することを特徴とする原料投入方法。
(6)より下に配置された前記窒素ドープ材又は前記ボロンドープ材を最下位置に配置し、他方の前記窒素ドープ材又は前記ボロンドープ材を原料集合体全体の高さの3分の1以上の位置に配置することを特徴とする上記(5)に記載の原料投入方法。
(7)窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法において、坩堝内で溶融されたシリコン中の窒素濃度及びボロン濃度の積を所定の値以下に制御することを特徴とする原料投入方法。
(8)育成されたシリコン単結晶中の抵抗率を0.001Ωcm以上、1000Ωcm以下にするようにボロン濃度が制御されることを特徴とする上記(4)から(7)いずれかに記載の原料投入方法。
ここで、ボロンドープ材は、育成される単結晶の抵抗率が0.001Ωcm以上、1000Ωcm以下となるボロン濃度となるように添加することが好ましい。このような抵抗率範囲のシリコン単結晶では、その育成時にBN起因の有転位化が発生しやすいからである。
(9)育成されたシリコン単結晶中の窒素濃度が1×1011/cm以上、5×1014/cm以下になることを特徴とする上記(4)から(8)いずれか記載の原料投入方法。
このような窒素濃度範囲のシリコン単結晶では、BMDやグローンイン欠陥の制御が十分にでき、ゲッタリング能力に一層優れたものとなる。
(10)上記(4)から(9)記載のいずれか記載の原料投入方法を用いるCZ法であって、原料投入後の溶融工程において、前記坩堝を0.1rpm以上、20rpm以下で回転させることを特徴とするCZ方法。
ここで、坩堝を回転させると、昇温過程において坩堝の温度ムラが少なくなり、好ましい。また、融解したシリコンが坩堝の壁(側壁、底壁を含んでよい)に広がりやすく、熱の伝達がより容易に行われる。
また、単結晶の育成に際し、原料融液に少なくとも300ガウス以上の磁場を印加して単結晶の育成を行うことができる(MCZ法)。300ガウス以上の磁場強度で磁場を印加すると、融液の対流の抑制効果が大きくなり、温度勾配がつき易くなる。そのため、坩堝の温度が高くなって、窒化ボロンが生成し易くなる。しかるに、本発明では、窒化ボロンの形成が抑制されるため、MCZ法により単結晶を育成する場合に有転位化を防止して、大口径で、ゲッタリング能力の高い単結晶を高い生産性で製造することができる。また、直径が200mm以上となる大口径単結晶を育成する場合には、坩堝から結晶までの距離が遠くなるため坩堝の温度が高くなりやすく、同様に窒化ボロンが生成され易い。しかるに、本発明では窒化ボロンの形成が抑制されるので、大口径の単結晶を高い生産性で製造することができる。
さらに、以下のものを提供することができる。
(11)坩堝に多結晶原料を収容し、これを加熱溶融した原料融液に種結晶を着液し、単結晶を育成するCZ法において、ドーパントとして、窒素とボロンを添加する場合、ドープ材として、それぞれ固体である窒素ドープ材、ボロンドープ材を用い、坩堝に多結晶原料と共に収容する際に、窒素ドープ材とボロンドープ材を離して収容することを特徴とするCZ引上げ方法。
(12)前記ボロンドープ材を添加した際の単結晶の抵抗率が0.001Ωcm以上、1000Ωcm以下となるボロン濃度となるように添加することを特徴とする上記(11)記載のCZ引上げ方法。
(13)前記窒素ドープ材を添加した際の単結晶の窒素濃度が1×1011/cm以上、5×1014/cm以下となるよう添加することを特徴とする上記(11)記載のCZ引上げ方法。
(14)上記(11)から(14)記載のいずれかに記載のCZ引上げ方法において、溶解中の坩堝回転を0.1rpm以上、20rpm以下にすることを特徴とするCZ引上げ方法。
本発明では、チョクラルスキー法によりドーパントとして窒素とボロンを添加した単結晶を育成する際、ドープ材として、それぞれ固体である窒素ドープ材とボロンドープ材を用い、窒素ドープ材及びボロンドープを所定の位置に配置することにより、窒素又はボロンを先に溶融することで、窒化ボロンの形成を抑制することができる。従って、窒化ボロンに起因する単結晶の有転位化の発生頻度を大きく減少させることができ、高ゲッタリング能力を持つ、窒素ドープP型シリコン単結晶を高い生産性で製造することができ、結果的に製造コストの低下を達成することができる。
以下に本発明の実施例について、図面に基づいてより詳しく説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施例の原料集合体10を充填した坩堝12(直径は約60cm、高さが約40cm)を断面にて示している。坩堝12は、内側の石英坩堝12aと外側の黒鉛坩堝12bとからなり、下方に設けられた坩堝制御手段(図示せず)により回転軸14を介して回転させながら昇降を行うことができるようになっている。坩堝12の周囲(側部及び底部)には加熱ヒータ16が配設されている。
坩堝12の上方には、ワイヤー(またはシャフト)を介して単結晶を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段(図示せず)が設置されている。単結晶の育成の際には、上方より静かにワイヤーを下降し、ワイヤー下端のホルダーに吊された、円柱または角柱状の種結晶を融液面に着液(融着)させる。次いで、種結晶を回転させながら上方に静かに引上げて徐々に直径を細くするネッキングを行った後、引上げ速度と温度等を調整して絞り部分を拡径し、単結晶棒のコーン部の育成に移行する。コーン部を所定の直径まで拡径した後、再度引上げ速度と融液温度を調整して所望直径の直胴部の育成に移る。
尚、単結晶の成長に伴い原料融液が減って融液面が下がるので、坩堝12を上昇させることで融液面のレベルを一定に保ち、育成中の単結晶棒が所定の直径となるように調整される。操業は、アルゴンガス雰囲気で行われる。
このような装置を用い、本発明により窒素ドープされたP型のシリコン単結晶を製造するには、まず、それぞれ固体である多結晶シリコン原料18、窒素ドープ材となる窒化膜付シリコン材20、ボロンドープ材となる合金ボロン22(一度シリコンに溶かし込んだ合金ボロン)を用意する。図1に示すように坩堝12の底(即ち、原料集合体10の最下位置)に合金ボロン22を配置し、次に、多結晶シリコン原料18を載せ、原料集合体10の高さTLの約3分の1の高さLのところに窒化膜付シリコン材20を配置し、その上に更に多結晶シリコン原料18を積み上げて、原料集合体10とする。
ここで、窒化膜付シリコン材20及び合金ボロン22の位置は、それぞれの平均位置であるが、上下方向にこれらのドープ材がばらつかない方がより好ましい。特に、下方向にばらつくと最下位置の合金ボロン22の溶解が生じて間もなく窒素の溶解が始まるおそれがあり、平均位置Lから下方にL/10以内に全ての窒化膜付シリコン材20が配置されることが好ましい。また、窒化膜付シリコン材20は、多結晶シリコン原料18の隙間から落下しない大きさ(例えば、10mm×10mm以上)であることが好ましい。
図2は、図1の状態から、ヒータ16により加熱し始めたところを示す。シリコン原料18は、坩堝12の断面視で左右の小R部付近24より溶け出す。また、底の中心部は芯が残ったようなイメージとなる。これは、ヒータ16が底中心部の真下にないからであると考えられる。このとき融液25は、底部にたまり、合金ボロン22からボロンを溶解する。
図3は、更に加熱を続けた状態を示す。残ったイメージの中心部の芯は少なくなり、全体的に沈み込む。そして、窒化膜ウェーハが溶け出し、窒素が融液25中に溶解し始める。更に加熱を続けると、図4のようになり、全体的に溶け、融液26中にシリコン原料が浮島状態となる。そして、更に加熱を続けると図5に示すように、融液28として全溶する。このとき、液面28aは水平面を形成する。
以上のように、ボロンが先にシリコン融液中に溶解するため、後から溶け出した窒素との反応が抑制され、窒化ボロンが生成し難くなる。
図6から10は、図1から5までのものと、原料集合体10を投入した後に所定の角速度(ω)で回転させることを除けば、同じであるので、重複する説明は省略する。図7から、小R部付近24で溶け出したシリコン融液25が坩堝12に密着し、坩堝からより効果的に熱を伝達できることがわかる。更に、図8では、側壁のある高さまで融液25が上がっていることがわかる。このようにすると、底部にたまる融液の量が減り、同じ高さに中心部にある窒化膜付シリコン材20が配置されていても、その窒化膜付シリコン材20への接触が遅れることになる。
このような液面の状態を図11に示すモデルによりより詳しく説明する。図11は、坩堝を模した円筒13が、回転軸17を中心にωの角速度で回転している様子を示す。シリコン融液に見立てた液体33は、所定の密度ρを有する。液面31は、中心位置からの距離rのところでの遠心力による加速度(rω)及び重力加速度(g)により、回転放物線面となる。
尚、本実施例において、20rpmで回転させた場合、図10の中心位置の液面の高さを0とすれば、側壁の液面の高さhは、h=r×ω/(2×g)となり、具体的には、0.3×(20×2×π/60)/(2×9.8)=0.02[m]となる。
図12は、窒化膜付シリコン20を最下位置に、合金ボロン22をその上に配置した実施形態を示す。その他については、図1に示すものと同じであるので詳しい説明は省略する。
<実施例及び比較例>
図1に示す坩堝内12に、ボロンドープ材及び窒素ドープ材をそれぞれ最下位置に配置した原料集合体を用いたもの(比較例)、ボロンドープ材を最下位置に配置し窒素ドープ材を中段(約1/2の高さ)に配置したもの(実施例1)、そして、ボロンドープ材を最下位置に配置し窒素ドープ材を1/3の高さに配置したもの(実施例2)をそれぞれ20個準備した。これらは、全て同じ条件で加熱・融解され、シリコン単結晶が上述したようなCZ法によって引き上げられた。得られた単結晶を評価したところ、表1に示すように、それぞれ、実施例1で18個、実施例2で17個がOK品であり、比較例では14個がOK品となる結果が得られた。
Figure 2007131479
この結果から明らかなように、原料集合体において、ボロンドープ材及び窒素ドープ材を配置する位置を所定のものとすることにより、単結晶のOKの比率が高くなった。
図13及び図14は、CZ法における原材料の溶融工程を示すフローチャートである。図13は、それぞれの材料を準備し(S10)、一方のドープ材だけを原材料と共に投入し(S12)、坩堝を回転させ(S14)、原材料が溶融し他方のドープ材を添加する準備が整ったことを確認して(S16)、他方のドープ材を添加して溶解し(S18)、単結晶の引き上げ(S20)を行うものを示している。一方、図14は、原材料の投入(S13)が、両方のドープ材を同時に坩堝内にセットするものである。このため、溶融の確認工程(S16)や他方のドープ材の添加工程(S18)が不要となり、生産性が向上することが明らかである。更に、他方のドープ材を添加するときに、例えば、融液の表面を硬化する等により融液が跳ね上がらない工夫をする必要がない。
原料集合体が入った坩堝の断面を模式的に示す図である。 図1の坩堝を加熱し始めたときの状態を示す図である。 図2から、更に加熱を続けたときの状態を示す図である。 図3から、更に加熱を続けたときの状態を示す図である。 図4から、更に加熱を続けたときの状態を示す図である。 原料集合体が入った回転する坩堝の断面を模式的に示す図である。 図6の坩堝を加熱し始めたときの状態を示す図である。 図7から、更に加熱を続けたときの状態を示す図である。 図8から、更に加熱を続けたときの状態を示す図である。 図9から、更に加熱を続けたときの状態を示す図である。 回転する坩堝を模したモデル示す図である。 別の原料集合体が入った坩堝の断面を模式的に示す図である。 一方のドープ材しか入れていない原材料を溶融し、他方のドープ材を後に添加するCZ法における溶融工程を示すフローチャートである。 本実施例による原材料の溶融工程を示すフローチャートである。
符号の説明
10 原料集合体
12 坩堝
12a 石英坩堝
12b 黒鉛坩堝
13 円筒
14、17 回転軸
16 ヒータ
18 多結晶シリコン原料
20 窒化膜付シリコン材
22 合金ボロン
24 小R部付近
25、26、28 シリコン融液
31 液面
33 液体

Claims (10)

  1. 窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、
    溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材が互いに非接触の状態で、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解するように該ボロンドープ材又は該窒素ドープ材が配置された原料集合体。
  2. 窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、
    溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材を互いに非接触の状態で、該ボロンドープ材が該窒素ドープ材よりも下又は上になるように配置された原料集合体。
  3. より下に配置された前記窒素ドープ材又は前記ボロンドープ材は最下位置に配置され、他方の前記ボロンドープ材又は前記窒素ドープ材は原料集合体全体の高さの3分の1以上の位置に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の原料集合体。
  4. 窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、
    溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材を互いに非接触の状態で、窒素又はボロンのいずれかが先に融液中に溶解するように該ボロンドープ材又は該窒素ドープ材を配置することを特徴とする原料投入方法。
  5. 窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法の溶融前工程において、
    溶融される原料が固形で投入される坩堝内に、窒素ドープ材及びボロンドープ材を互いに非接触の状態で、該ボロンドープ材が該窒素ドープ材よりも下又は上になるように配置することを特徴とする原料投入方法。
  6. より下に配置された前記窒素ドープ材又は前記ボロンドープ材を最下位置に配置し、他方の前記ボロンドープ材又は前記窒素ドープ材を原料集合体全体の高さの3分の1以上の位置に配置することを特徴とする請求項5に記載の原料投入方法。
  7. 窒素及びボロンが添加されたシリコン単結晶を育成するCZ法において、
    坩堝内で溶融されたシリコン中の窒素濃度及びボロン濃度の積を所定の値以下に制御することを特徴とする原料投入方法。
  8. 育成されたシリコン単結晶中の抵抗率を0.001Ωcm以上、1000Ωcm以下にするようにボロン濃度が制御されることを特徴とする請求項4から7いずれかに記載の原料投入方法。
  9. 育成されたシリコン単結晶中の窒素濃度が1×1011/cm以上、5×1014/cm以下になることを特徴とする請求項4から8いずれか記載の原料投入方法。
  10. 請求項4から9記載のいずれか記載の原料投入方法を用いるCZ法であって、
    原料投入後の溶融工程において、前記坩堝を0.1rpm以上、20rpm以下で回転させることを特徴とするCZ方法。
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