JP2011046568A - 単結晶引上げ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定の比抵抗を有する長い単結晶を効率よく育成できる単結晶引上げ方法を提供する。
【解決手段】単結晶引上げ方法において、溶融液4の不純物濃度が上限値を超えたら引き上げされている単結晶5下端に種結晶部7を形成させた後、単結晶5育成を一旦停止する。停止中、るつぼ3内に原料を補充し、溶融液4の不純物濃度が下限値を下回ったら種結晶部7を利用して(新たな種結晶2を装着せずに)単結晶5育成を再開する。種結晶部7形成、単結晶5育成の一旦停止、原料補充及び単結晶5育成の再開を繰り返し行う。単結晶5育成の一旦停止時に、溶融液4の不純物濃度の均一化及び溶融液面4aの乱れの鎮静化も行う。
【選択図】図3
【解決手段】単結晶引上げ方法において、溶融液4の不純物濃度が上限値を超えたら引き上げされている単結晶5下端に種結晶部7を形成させた後、単結晶5育成を一旦停止する。停止中、るつぼ3内に原料を補充し、溶融液4の不純物濃度が下限値を下回ったら種結晶部7を利用して(新たな種結晶2を装着せずに)単結晶5育成を再開する。種結晶部7形成、単結晶5育成の一旦停止、原料補充及び単結晶5育成の再開を繰り返し行う。単結晶5育成の一旦停止時に、溶融液4の不純物濃度の均一化及び溶融液面4aの乱れの鎮静化も行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子デバイス等に用いられるシリコン等の単結晶、特に比抵抗が精密に制御された単結晶の製造に好適な単結晶引上げ方法に関するものである。
従来、この種の技術としては特許文献1に記載の装置があった。
これは、単結晶の引き上げ中にドープ剤(不純物)を添加し、単結晶の途中より抵抗率が制御された単結晶を製造するというものである。
これは、単結晶の引き上げ中にドープ剤(不純物)を添加し、単結晶の途中より抵抗率が制御された単結晶を製造するというものである。
上記従来技術によれば、数種類の抵抗率(比抵抗)の単結晶を製造できるという利点があるが、一定の比抵抗を有する長い単結晶を製造することは困難であった。
これは、例えばシリコン単結晶の育成において、必要な比抵抗を得るためには単結晶育成時にリンやボロンを添加しているが、固相と液相との平衡濃度の違いによる偏析現象(偏析係数はボロンの場合0.8、リンの場合0.35)が発生する。このため、単結晶育成の初期と終了時点、換言すれば単結晶の育成開始位置側と終了位置側とで不純物濃度の差ができてしまうからである。
また、ドープ剤を添加して単結晶引上げ方向のドープ濃度調整を行い、単結晶を育成する方法では比抵抗を下げることしかできず、したがって所望の比抵抗の単結晶は結局全体の一部のみとなるからである。
更に、るつぼ内にドープ剤を添加しても、それが溶融液中にすぐには広がらないので溶融液中の不純物濃度が均一にならず、また、添加する時にるつぼ内の溶融液面を乱す等によっても、一定の比抵抗を有する長い単結晶を得ることを困難にしていた。
これは、例えばシリコン単結晶の育成において、必要な比抵抗を得るためには単結晶育成時にリンやボロンを添加しているが、固相と液相との平衡濃度の違いによる偏析現象(偏析係数はボロンの場合0.8、リンの場合0.35)が発生する。このため、単結晶育成の初期と終了時点、換言すれば単結晶の育成開始位置側と終了位置側とで不純物濃度の差ができてしまうからである。
また、ドープ剤を添加して単結晶引上げ方向のドープ濃度調整を行い、単結晶を育成する方法では比抵抗を下げることしかできず、したがって所望の比抵抗の単結晶は結局全体の一部のみとなるからである。
更に、るつぼ内にドープ剤を添加しても、それが溶融液中にすぐには広がらないので溶融液中の不純物濃度が均一にならず、また、添加する時にるつぼ内の溶融液面を乱す等によっても、一定の比抵抗を有する長い単結晶を得ることを困難にしていた。
本発明(請求項1)は、上記のような実情に鑑みなされたもので、一定の比抵抗を有する長い単結晶の効率よい育成を可能とした単結晶引上げ方法を提供することを課題とする。
また本発明(請求項2及び3)は、一定の比抵抗を有する長い単結晶を効率よく育成できる単結晶引上げ方法を提供することを課題とする。
また本発明(請求項2及び3)は、一定の比抵抗を有する長い単結晶を効率よく育成できる単結晶引上げ方法を提供することを課題とする。
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、各々対応する。(4)項は請求項に係る発明ではない。
(1) るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、単結晶育成を停止する前に、該単結晶の下端に種結晶部を形成させるようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。
単結晶引上げ方法としては、単結晶の原料を入れたるつぼを加熱して原料溶融液を得、この原料溶融液に種結晶を接触させて引き上げながら目的とする単結晶を育成する方法の代表例である周知のCZ法(チョクラルスキー法)が好適である。
種結晶部の形成は、単結晶育成の停止前に、その本来の単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶を引き上げること等により行われる。
(2) るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、前記るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば引き上げされている単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止し、前記るつぼ内に原料を補充し、前記原料溶融液の不純物濃度が規定下限値を下回ったならば前記種結晶部を利用して単結晶育成を再開するようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。
規定上限値及び規定下限値は、得られる単結晶の必要に応じて適宜設定される。規定上限値を超えたか、あるいは規定下限値を下回ったかは、例えば単結晶育成条件を種々変えた実験等によって予め判定可能とされる。原料溶融液の不純物濃度や引き上げられた単結晶の不純物濃度を外部からリアルタイムで計測可能であれば、そのような計測方法を用いて判定するようにしてもよい。
単結晶引上げ方法としてCZ法が好適であることや、種結晶部の形成が本来の単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶を引き上げること等により行われることは、(1)項に記載の発明の場合と同様である。
(3) るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、前記るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば引き上げされている単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止し、前記るつぼ内に原料を補充し、前記原料溶融液の不純物濃度が規定下限値を下回ったならば前記種結晶部を利用して単結晶育成を再開し、前記種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返し行うようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。
規定上限値及び規定下限値は、得られる単結晶の必要に応じて適宜設定されること、規定上限値を超えたか、あるいは規定下限値を下回ったかは、例えば単結晶育成条件を種々変えた実験等によって予め判定可能とされること、原料溶融液の不純物濃度や引き上げられた単結晶の不純物濃度を外部からリアルタイムで計測可能であれば、そのような計測方法を用いて判定するようにしてもよいこと等は、(2)項に記載の発明の場合と同様である。
単結晶引上げ方法としてCZ法が好適であることや、種結晶部の形成が本来の単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶を引き上げること等により行われることは、(1)項に記載の発明の場合と同様である。
(4) 前記単結晶育成の一旦停止の時間は、前記原料の補充に要する時間に、前記原料を補充後の原料溶融液の不純物濃度の均一化及び溶融液面の乱れの鎮静化に要する待ち時間を加えた時間に基づいて設定されることを特徴とする(2)項又は(3)項に記載の単結晶引上げ方法。
本項に記載の発明によれば、原料補充後の原料溶融液の不純物濃度の均一化及び溶融液面の乱れの鎮静化が確実に行われ、一定の比抵抗を有する単結晶を無駄なく製造できる。
単結晶引上げ方法としては、単結晶の原料を入れたるつぼを加熱して原料溶融液を得、この原料溶融液に種結晶を接触させて引き上げながら目的とする単結晶を育成する方法の代表例である周知のCZ法(チョクラルスキー法)が好適である。
種結晶部の形成は、単結晶育成の停止前に、その本来の単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶を引き上げること等により行われる。
(2) るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、前記るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば引き上げされている単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止し、前記るつぼ内に原料を補充し、前記原料溶融液の不純物濃度が規定下限値を下回ったならば前記種結晶部を利用して単結晶育成を再開するようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。
規定上限値及び規定下限値は、得られる単結晶の必要に応じて適宜設定される。規定上限値を超えたか、あるいは規定下限値を下回ったかは、例えば単結晶育成条件を種々変えた実験等によって予め判定可能とされる。原料溶融液の不純物濃度や引き上げられた単結晶の不純物濃度を外部からリアルタイムで計測可能であれば、そのような計測方法を用いて判定するようにしてもよい。
単結晶引上げ方法としてCZ法が好適であることや、種結晶部の形成が本来の単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶を引き上げること等により行われることは、(1)項に記載の発明の場合と同様である。
(3) るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、前記るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば引き上げされている単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止し、前記るつぼ内に原料を補充し、前記原料溶融液の不純物濃度が規定下限値を下回ったならば前記種結晶部を利用して単結晶育成を再開し、前記種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返し行うようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。
規定上限値及び規定下限値は、得られる単結晶の必要に応じて適宜設定されること、規定上限値を超えたか、あるいは規定下限値を下回ったかは、例えば単結晶育成条件を種々変えた実験等によって予め判定可能とされること、原料溶融液の不純物濃度や引き上げられた単結晶の不純物濃度を外部からリアルタイムで計測可能であれば、そのような計測方法を用いて判定するようにしてもよいこと等は、(2)項に記載の発明の場合と同様である。
単結晶引上げ方法としてCZ法が好適であることや、種結晶部の形成が本来の単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶を引き上げること等により行われることは、(1)項に記載の発明の場合と同様である。
(4) 前記単結晶育成の一旦停止の時間は、前記原料の補充に要する時間に、前記原料を補充後の原料溶融液の不純物濃度の均一化及び溶融液面の乱れの鎮静化に要する待ち時間を加えた時間に基づいて設定されることを特徴とする(2)項又は(3)項に記載の単結晶引上げ方法。
本項に記載の発明によれば、原料補充後の原料溶融液の不純物濃度の均一化及び溶融液面の乱れの鎮静化が確実に行われ、一定の比抵抗を有する単結晶を無駄なく製造できる。
(1)項に記載の発明によれば、単結晶育成を停止する前に、該単結晶の下端に種結晶部を形成させるようにしたので、一連の単結晶の育成中における結晶育成の停止から再開の移行が容易になり、一定の比抵抗を有する長い単結晶の効率よい育成が可能になる。
(2)項及び(3)項に記載の発明によれば、るつぼ内に原料を補充し原料溶融液の不純物濃度を一定に調整しながら単結晶育成を行うに当たって、原料補充の際に単結晶育成を一旦停止するようにしたので、原料補充後の原料溶融液の不純物濃度均一化及び原料溶融液面の乱れの鎮静化等のための時間をとることができ、一定の比抵抗を有する長い単結晶の育成を行うことができる。しかも単結晶育成の再開は、単結晶育成の一旦停止前において単結晶下端に形成させた種結晶部を用いて行うので新たな単結晶の装着が無用となり、長い単結晶の育成を効率よく行うことができる。
特に(3)項に記載の発明によれば、単結晶育成を再開後に、種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返し行うようにしたので、更に長い単結晶の育成を効率よく行うことができる。
なお、(4)項に記載の発明は、本発明(特許請求の範囲に記載した発明)ではないので、上記課題を解決するための手段の欄に、その効果を述べた。
(2)項及び(3)項に記載の発明によれば、るつぼ内に原料を補充し原料溶融液の不純物濃度を一定に調整しながら単結晶育成を行うに当たって、原料補充の際に単結晶育成を一旦停止するようにしたので、原料補充後の原料溶融液の不純物濃度均一化及び原料溶融液面の乱れの鎮静化等のための時間をとることができ、一定の比抵抗を有する長い単結晶の育成を行うことができる。しかも単結晶育成の再開は、単結晶育成の一旦停止前において単結晶下端に形成させた種結晶部を用いて行うので新たな単結晶の装着が無用となり、長い単結晶の育成を効率よく行うことができる。
特に(3)項に記載の発明によれば、単結晶育成を再開後に、種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返し行うようにしたので、更に長い単結晶の育成を効率よく行うことができる。
なお、(4)項に記載の発明は、本発明(特許請求の範囲に記載した発明)ではないので、上記課題を解決するための手段の欄に、その効果を述べた。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
電子デバイス等に用いられるシリコン等の単結晶は単結晶引上げ方法によって製造可能である。これは、単結晶の原料を入れたるつぼを加熱して原料溶融液を得、この原料溶融液に種結晶を接触させて引き上げながら目的とする単結晶を育成する単結晶引上げ方法であり、代表例として周知のCZ法(チョクラルスキー法)がある。
このような単結晶引上げ方法においては、引き上げられる単結晶に所望の比抵抗を与えるため、単結晶の育成開始時にボロンやリン等の不純物を添加する。この不純物のるつぼ内の濃度(不純物濃度)は、単結晶の育成に従ってるつぼ内の原料溶融液の減少により徐々に上昇するため、育成の開始時よりも終了時の方が高くなる。このことは、引き上げされた単結晶中に取り込まれている不純物の濃度についても同様である。このため、一定の比抵抗を有する長い単結晶を育成することができない。
電子デバイス等に用いられるシリコン等の単結晶は単結晶引上げ方法によって製造可能である。これは、単結晶の原料を入れたるつぼを加熱して原料溶融液を得、この原料溶融液に種結晶を接触させて引き上げながら目的とする単結晶を育成する単結晶引上げ方法であり、代表例として周知のCZ法(チョクラルスキー法)がある。
このような単結晶引上げ方法においては、引き上げられる単結晶に所望の比抵抗を与えるため、単結晶の育成開始時にボロンやリン等の不純物を添加する。この不純物のるつぼ内の濃度(不純物濃度)は、単結晶の育成に従ってるつぼ内の原料溶融液の減少により徐々に上昇するため、育成の開始時よりも終了時の方が高くなる。このことは、引き上げされた単結晶中に取り込まれている不純物の濃度についても同様である。このため、一定の比抵抗を有する長い単結晶を育成することができない。
図1は、るつぼ内の不純物濃度が育成の開始時よりも終了時の方が高くなる様子を弧状の曲線アで示すグラフである。この図1において、るつぼ内の不純物濃度を表す縦軸上の上限値とは、一定の、つまり所望の比抵抗を得るための不純物濃度の上限値(規定上限値)、下限値とは、所望の比抵抗を得るための不純物濃度の下限値(規定下限値)である。
横軸は育成開始時から同終了時における単結晶の位置を表しており、全長LAの単結晶の位置L1以降の育成部分は所望の比抵抗を超えた規格外の単結晶部分となる。
横軸は育成開始時から同終了時における単結晶の位置を表しており、全長LAの単結晶の位置L1以降の育成部分は所望の比抵抗を超えた規格外の単結晶部分となる。
本発明の実施形態は、上記と同様の単結晶引上げ方法において、所望(一定)の比抵抗を有する長い単結晶の育成を可能とするため、しかもこれを効率よく可能とするため、次のような方法を採用する。なお、本実施形態においては上記のCZ法が適用されている。
すなわち、本実施形態に係る単結晶引上げ方法は、CZ法において、図2に示すように、るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば、るつぼ内に原料を補充して、原料溶融液の不純物濃度を下げる。るつぼ内への原料の補充に際しては、引き上げ中の単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止させる。
このるつぼ内の原料の補充により、原料溶融液の不純物濃度が薄まり規定下限値を下回ったならば、原料の補充を停止して単結晶育成を再開する。この単結晶育成の再開は、上記原料の補充に際して単結晶の下端に形成させた種結晶部を用いて行う。
以後、上記種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返す(図2中のほぼ鋸歯状の曲線イ参照)、という方法である。
すなわち、本実施形態に係る単結晶引上げ方法は、CZ法において、図2に示すように、るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば、るつぼ内に原料を補充して、原料溶融液の不純物濃度を下げる。るつぼ内への原料の補充に際しては、引き上げ中の単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止させる。
このるつぼ内の原料の補充により、原料溶融液の不純物濃度が薄まり規定下限値を下回ったならば、原料の補充を停止して単結晶育成を再開する。この単結晶育成の再開は、上記原料の補充に際して単結晶の下端に形成させた種結晶部を用いて行う。
以後、上記種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返す(図2中のほぼ鋸歯状の曲線イ参照)、という方法である。
図3は、CZ法が適用された本実施形態に係る単結晶引上げ方法により、シリコン単結晶が引き上げられている様子を説明するための図である。
この図において、始めに引上げ軸1の下端に装着された種結晶2を、加熱された石英等からなるるつぼ3内のシリコン溶融液(以下、溶融液と略記する。)4に接触させる。溶融液4にはボロンやリン等の不純物が添加されている。
そして上記種結晶2を、引上げ軸1を矢印ウに示すように軸周り方向に所定の低速度で回転させながら上昇させ、シリコン単結晶(以下、単結晶と略記する。)5を育成しながら矢印エに示すように引き上げて行く。
この単結晶5の育成が所定の不活性ガス中において行われ、また、るつぼ3も回転されること等は、周知のCZ法が適用された単結晶引上げ方法と同様である。
この図において、始めに引上げ軸1の下端に装着された種結晶2を、加熱された石英等からなるるつぼ3内のシリコン溶融液(以下、溶融液と略記する。)4に接触させる。溶融液4にはボロンやリン等の不純物が添加されている。
そして上記種結晶2を、引上げ軸1を矢印ウに示すように軸周り方向に所定の低速度で回転させながら上昇させ、シリコン単結晶(以下、単結晶と略記する。)5を育成しながら矢印エに示すように引き上げて行く。
この単結晶5の育成が所定の不活性ガス中において行われ、また、るつぼ3も回転されること等は、周知のCZ法が適用された単結晶引上げ方法と同様である。
上記のように単結晶5を育成して行くと、るつぼ3内の不純物濃度は徐々に上昇し、このまま放置して単結晶5の育成を続けると所望の比抵抗を有する単結晶5が得られなくなる。
そこで、るつぼ3内の溶融液4の不純物濃度が上昇し、規定上限値を超えた際には、引き上げされている単結晶5の下端に種結晶部7を形成させた後、単結晶育成を一旦停止する。そして、るつぼ3内に原料(本実施形態では高純度シリコン)を定量投入可能な原料入れ6からるつぼ3内に同原料を補充する。原料の補充は、単結晶5を上昇させて種結晶部7を溶融液面4aから引き上げて行う。
原料を補充して行き、溶融液4の不純物濃度が薄まり規定下限値を下回った時点で原料の補充を停止し、単結晶育成を再開する。この単結晶育成の再開は、原料の補充に際して単結晶5の下端に形成させた種結晶部7を用いて行う。すなわち、単結晶5を降下させて種結晶部7を溶融液4に接触させて行う。
そこで、るつぼ3内の溶融液4の不純物濃度が上昇し、規定上限値を超えた際には、引き上げされている単結晶5の下端に種結晶部7を形成させた後、単結晶育成を一旦停止する。そして、るつぼ3内に原料(本実施形態では高純度シリコン)を定量投入可能な原料入れ6からるつぼ3内に同原料を補充する。原料の補充は、単結晶5を上昇させて種結晶部7を溶融液面4aから引き上げて行う。
原料を補充して行き、溶融液4の不純物濃度が薄まり規定下限値を下回った時点で原料の補充を停止し、単結晶育成を再開する。この単結晶育成の再開は、原料の補充に際して単結晶5の下端に形成させた種結晶部7を用いて行う。すなわち、単結晶5を降下させて種結晶部7を溶融液4に接触させて行う。
なお種結晶部7は、るつぼ3内の溶融液4の不純物濃度が規定上限値を超えた時点から、それまでの単結晶育成のための引上げ速度よりも速めて単結晶5を引き上げることにより形成する。この種結晶部7の形成によれば、単結晶育成の再開において新たな単結晶5の装着が無用となり、1回の単結晶育成作業中における単結晶育成の一旦停止及び再開が可能となる。
単結晶育成の一旦停止の時間は、上記原料の補充に要する時間に、原料補充後の溶融液4の不純物濃度の均一化及び原料補充による溶融液面4aの乱れの鎮静化に要する待ち時間を加えた時間に基づいて設定される。
上記溶融液4の不純物濃度の均一化は、本実施形態では原料補充後、時間を置くことで行われるが、この時間を置くことによって溶融液面4aの乱れの鎮静化も行われる。
なお、原料補充後の溶融液4は、単結晶育成の再開時までに単結晶育成に必要な温度まで加熱昇温される。この原料補充後の溶融液4の加熱昇温による熱対流は、同溶融液4の不純物濃度の均一化に作用する。
単結晶育成の一旦停止の時間は、上記原料の補充に要する時間に、原料補充後の溶融液4の不純物濃度の均一化及び原料補充による溶融液面4aの乱れの鎮静化に要する待ち時間を加えた時間に基づいて設定される。
上記溶融液4の不純物濃度の均一化は、本実施形態では原料補充後、時間を置くことで行われるが、この時間を置くことによって溶融液面4aの乱れの鎮静化も行われる。
なお、原料補充後の溶融液4は、単結晶育成の再開時までに単結晶育成に必要な温度まで加熱昇温される。この原料補充後の溶融液4の加熱昇温による熱対流は、同溶融液4の不純物濃度の均一化に作用する。
以後、上記のような種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開が、るつぼ3内の溶融液4を使い切るまで繰り返されて、本実施形態では2回繰り返されて(図2中の曲線イ参照)、不純物濃度の揃った一連の単結晶5(5a〜5c)が連続的に育成される。
図3は、第1〜第2連目の単結晶5a〜5bの育成が終っていて、第3連目のシリコン単結晶5cが育成中である状況を示している。
図3は、第1〜第2連目の単結晶5a〜5bの育成が終っていて、第3連目のシリコン単結晶5cが育成中である状況を示している。
図4は、本実施形態による単結晶5の育成を図2に示すグラフに関連づけて示す図で、図中、a,bは単結晶5上の単結晶育成の一旦停止位置を示す。
この一旦停止位置において、上記単結晶育成の一旦停止期間(育成停止期間)が設定されており、この育成停止期間において、上記原料の補充、原料補充後の溶融液4の不純物濃度均一化及び溶融液面4aの乱れの鎮静化が行われる。
この一旦停止位置において、上記単結晶育成の一旦停止期間(育成停止期間)が設定されており、この育成停止期間において、上記原料の補充、原料補充後の溶融液4の不純物濃度均一化及び溶融液面4aの乱れの鎮静化が行われる。
以上述べたように本実施形態では、るつぼ3内に原料を補充し溶融液4の不純物濃度を一定に調整しながら単結晶育成を行うに当たって、原料補充の際に単結晶育成を一旦停止するようにしたので、原料補充開始から所望の時間を設定できる。したがってその時間を、原料補充のためと、原料補充後の溶融液4の不純物濃度均一化及び溶融液面4aの乱れの鎮静化のための時間に充てることにより、所望の比抵抗を有する長い単結晶5の育成を行うことができる。
しかも単結晶育成の再開は、単結晶育成の一旦停止の直前において引上げ中の単結晶5の下端に形成させた種結晶部7を用いて行うので新たな単結晶5の装着が無用となり、上記のような長い単結晶5の育成を効率よく行うことができる。
しかも単結晶育成の再開は、単結晶育成の一旦停止の直前において引上げ中の単結晶5の下端に形成させた種結晶部7を用いて行うので新たな単結晶5の装着が無用となり、上記のような長い単結晶5の育成を効率よく行うことができる。
更に、単結晶育成の一旦停止の時間を、原料補充に要する時間に、原料補充後の溶融液4の不純物濃度の均一化及び原料補充による溶融液面4aの乱れの鎮静化に要する待ち時間を加えた時間に基づいて設定したので、上記不純物濃度の均一化及び溶融液面乱れの鎮静化を確実に行うことができる。したがって、単結晶育成再開の直後から一定の比抵抗を有する単結晶5が得られ、無駄なく単結晶製造できる。
なお、一連の単結晶5(5a〜5c)の育成中における結晶育成の停止から再開の移行は、単結晶5の育成停止前に、その単結晶5の下端に種結晶部7(図3参照)を形成させるようにしたことによって可能となり、これにより上述実施形態が実現可能となった。
なお、一連の単結晶5(5a〜5c)の育成中における結晶育成の停止から再開の移行は、単結晶5の育成停止前に、その単結晶5の下端に種結晶部7(図3参照)を形成させるようにしたことによって可能となり、これにより上述実施形態が実現可能となった。
1:引上げ軸、2:種結晶、3:るつぼ、4:シリコン溶融液(溶融液)、4a:溶融液面、5:シリコン単結晶(単結晶)、5a〜5c:第1〜第3連目の単結晶、6:原料入れ、7:種結晶部。
Claims (3)
- るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、
単結晶育成を停止する前に、該単結晶の下端に種結晶部を形成させるようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。 - るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、
前記るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば引き上げされている単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止し、前記るつぼ内に原料を補充し、前記原料溶融液の不純物濃度が規定下限値を下回ったならば前記種結晶部を利用して単結晶育成を再開するようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。 - るつぼ内の原料溶融液から単結晶を引き上げながら育成する単結晶引上げ方法において、
前記るつぼ内の原料溶融液の不純物濃度が規定上限値を超えたならば引き上げされている単結晶の下端に種結晶部を形成させて単結晶育成を一旦停止し、前記るつぼ内に原料を補充し、前記原料溶融液の不純物濃度が規定下限値を下回ったならば前記種結晶部を利用して単結晶育成を再開し、
前記種結晶部の形成、単結晶育成の一旦停止、原料の補充及び単結晶育成の再開を繰り返し行うようにしたことを特徴とする単結晶引上げ方法。
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JP2009197123A JP2011046568A (ja) | 2009-08-27 | 2009-08-27 | 単結晶引上げ方法 |
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2009
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