JP2007129073A - 光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザ光源の特性の経時的な劣化などに起因する光束の波面の歪みの影響を受けることなく所望の光強度分布を安定的に形成することのできる光照射装置。
【解決手段】 互いにインコヒーレントな複数のレーザ光源(1a)を有する光源装置(1)と、複数のレーザ光源から発振されるレーザ光に基づいて光変調素子(2)を重畳的に照明するためのホモジナイザ(3a)を含む照明光学系(3)と、光変調素子により位相変調されたレーザ光に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成する結像光学系とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 互いにインコヒーレントな複数のレーザ光源(1a)を有する光源装置(1)と、複数のレーザ光源から発振されるレーザ光に基づいて光変調素子(2)を重畳的に照明するためのホモジナイザ(3a)を含む照明光学系(3)と、光変調素子により位相変調されたレーザ光に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成する結像光学系とを備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイスに関する。特に、本発明は、非単結晶半導体薄膜の表層部分に電界効果トランジスタを製造する技術、および電界効果トランジスタを製造するための非単結晶半導体薄膜基板並びに電界効果トランジスタを組み込んだ液晶表示装置や情報処理装置等の電子装置の製造技術に好適な技術に関する。
アクティブマトリクス型液晶表示装置や有機EL表示装置などのような表示装置では、各画素を個別に駆動するために、ガラスやプラスチック等の絶縁基板上に多数の薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:以下、「TFT」という)が形成される。このTFTのソース、ドレイン、チャネル領域が形成される非晶質シリコン(amorphous-Silicon:以下、「a−Si」という)膜は、形成温度が低く、気相法で比較的容易に形成することが可能であり、量産性にも富むため、TFTに用いる半導体薄膜として一般的に用いられている。
しかしながら、非晶質シリコン膜を用いる場合は、導電率等の物性が多結晶シリコン(poly-Silicon:以下、「p−Si」という)膜に比べて劣る(a−Siの移動度はp−Siの移動度に比べて2桁以上低い)という欠点がある。このため、TFTの動作速度を高速化するために、非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に変化させる方法、例えばエキシマレーザを用いたアニール法(Excimer Laser Annealing;以下、「ELA法」という)が用いられている。このELA法は、汎用ガラス基板が使用可能な温度範囲、すなわち室温から500°C程度までの温度範囲で実施することができる。
ELA法は、例えば基板上に非晶質シリコン膜を所定の厚さ(例えば50nm程度の厚さ)に堆積した後、この非晶質シリコン膜に波長が248nmのKrF(クリプトン弗素)エキシマレーザ光や波長が308nmのXeCl(キセノン塩素)エキシマレーザ光などのようなレーザ光を線状に整形して基板にスキャン照射し、照射領域の非晶質シリコン膜を局所的に溶融・再結晶化させて平均粒径が0.1〜0.2μm程度の多結晶シリコン膜に変える結晶化方法である。
なお、ELA法は、レーザ光の平均強度(フルエンス)を変化させることにより、他の様々なプロセスに適応可能である。例えば、加熱の作用のみが発揮されるようなレーザ光の強度に設定すれば、TFTの不純物活性化工程に用いることができる。また、レーザ光の強度を極端に大きく設定すれば、急激な温度上昇を引き起こすため、TFTにおける膜の除去に利用することもできる。また、これらの現象の利用は、TFTに限定されることなく、広く半導体プロセスに適応できるものである。
ところで、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置は、動作速度の高速化や高性能化を図るために多結晶シリコン膜にTFTを形成すると、多結晶シリコン膜の結晶粒界がTFTのチャネル領域に存在することになる。この場合、各TFTのチャネル領域に形成される結晶粒界数が異なり、この結晶粒界数の相違によりTFT毎の閾値電圧や移動度などの特性ばらつきが著しく増大する。TFT毎の閾値電圧のばらつきは、表示装置全体としての動作特性を大幅に低下させ、画質などを劣化させる原因になる。また、これらの不安定なTFT特性は、製品の歩留まりを低下させる。
このため、各TFTのチャネル領域の結晶粒界数をできるだけ均等にするか、粒径の大きい結晶化領域を形成し且つ各結晶化領域内に各TFTが形成されるように結晶化領域の形成位置を制御することにより各TFTのチャネル領域から結晶粒界を排除することが要望されている。従来、位相シフトマスク(位相シフタ)を介して発生させた逆ピークパターンの光強度分布を有する光を半導体膜に照射して大粒径の結晶化シリコンを生成する技術が開示されている(非特許文献1、特許文献1および2を参照)。
Chang-Ho OH et al., "A Novel Phase-Modulated Excimer-Laser Crystallization Method of Silicon Thin Films", Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 37(1998), pp. L492-L495
特開2000−082669号公報
特開2000−306859号公報
本願発明者の研究によれば、TFTのサイズよりも十分に大きい粒径の結晶を生成し且つその形成位置を制御してTFTの活性層から結晶粒界を排除するには、被処理基板上に所望の光強度分布を安定的に形成する必要がある。被処理基板である非晶質シリコン膜上でのレーザ光の光強度分布(平面像)が適切な光強度分布に調整されれば、位置制御された大粒径化シリコン単結晶薄膜が得られる。この単結晶薄膜とTFTのチャネル領域とを位置合わせすれば、活性領域に結晶粒界が存在しない高性能TFTを作成することが可能になる。
さらに、所望する粒径の結晶化を安定的に行うには、被処理基板の表面での光強度勾配が重要なファクターであり、光強度分布のミクロな安定性とマクロな均一性とが重要である。光強度分布のミクロな安定性とマクロな均一性とを実現するには、レーザ光源の特性(局所的な領域での光の平行度、コヒーレンシなど)が安定していることが必要である。しかしながら、本願発明者の研究によれば、エキシマレーザ光源を長期間使用すると、これらの特性が劣化することがわかってきた。
エキシマレーザ光源を長期間に亘って使用すると、局部的な領域での光の平行度およびコヒーレンシが低下し、射出される光束に波面の歪み(乱れ)が発生する。レーザ光源からの射出光束の波面の歪みは、被処理基板位置での像のずれ(光軸と直交する平面上での光強度分布の位置ずれ)、像のムラ(照度ムラ)、像のボケ(光強度分布の光軸方向の位置ずれ)などの現象を発生させる。これらの像のずれ、ムラ、ボケなどの現象の把握方法に関しては、エキシマレーザ光は不可視であるため、作業員による肉眼での監視が困難である。
従って、例えばアモルファスシリコン(非晶質シリコン)を成膜した基板に照射して実際にレーザアニールを行い、セコ(Secco)エッチングなどで結晶粒界を際立たせる処理を行った後に、走査型電子顕微鏡などによって結晶組織を観察することにより、像のずれ、ムラ、ボケなどの現象の発生を判断する方法、いわゆるオフライン検査方法行うことしかできなかった。このオフライン検査方法は非常に長い時間と多くの手間が掛かるので、実用的ではなく、安定した結晶組織を形成することが困難であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、レーザ光源の特性の経時的な劣化などに起因する光束の波面の歪みの影響を受けることなく所望の光強度分布を安定的に形成することのできる光照射装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、互いにインコヒーレント(非干渉的)な複数のレーザ光源を有する光源装置と、
前記複数のレーザ光源から発振されるレーザ光に基づいて光変調素子を重畳的に照明するためのホモジナイザを含む照明光学系と、
前記光変調素子により位相変調されたレーザ光に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成する結像光学系とを備えていることを特徴とする光照射装置を提供する。
前記複数のレーザ光源から発振されるレーザ光に基づいて光変調素子を重畳的に照明するためのホモジナイザを含む照明光学系と、
前記光変調素子により位相変調されたレーザ光に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成する結像光学系とを備えていることを特徴とする光照射装置を提供する。
第1形態の好ましい態様によれば、前記複数のレーザ光源は、前記ホモジナイザの複数の分割入射面にそれぞれ対応するように配置されている。また、第1形態では、前記複数のレーザ光源の各々は、固体レーザ(半導体レーザ)光源であることが好ましい。
本発明の第2形態では、第1形態の光照射装置と、前記所定面に非単結晶半導体膜を保持するためのステージとを備え、前記所定面に保持された非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化装置を提供する。
本発明の第3形態では、第1形態の光照射装置を用いて、前記所定面に保持された非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化方法を提供する。
本発明の第4形態では、第2形態の結晶化装置または第3形態の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイスを提供する。
本発明の光照射装置では、ホモジナイザの複数の分割入射面にそれぞれ対応するように配置された互いにインコヒーレント(非干渉的)な複数のレーザ光源を備えているので、照明光学系中のホモジナイザで分割されたレーザ光が互いに干渉することなく、例えば被処理基板の表面上において所望の光強度分布を形成することができる。すなわち、レーザ光源の特性の経時的な劣化などに起因する光束の波面の歪みの影響を受けることなく所望の光強度分布を安定的に形成することができ、ひいては所望する粒径の結晶化を安定的に行うことができる。その結果、たとえばTFTのサイズよりも十分に大きい粒径の結晶を生成し、且つその形成位置を制御してTFTの活性層から結晶粒界を排除することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる光照射装置の構成を概略的に示す図である。図1を参照すると、本実施形態の光照射装置は、複数のレーザ光源(図1では不図示、図2を参照)1aを有する光源装置1と、複数のレーザ光源1aから発振されたレーザ光で位相シフタ(光変調素子)2を照明する照明光学系3と、被処理基板4を保持する基板ステージ5と、位相シフタ2と被処理基板4との間に設けられた結像光学系6とを備えている。
また、本実施形態の光照射装置は、光源装置1を制御する(ひいては複数のレーザ光源1aをそれぞれ制御する)制御部7を備えている。制御部7として、例えばパーソナルコンピュータを用いることができる。複数のレーザ光源1aとして、被結晶化処理体を溶融するエネルギー光線を射出する性能を有する光源、例えば半導体レーザ光源やファイバレーザ光源やYAGレーザ光源などの固体レーザ光源を用いることができる。複数のレーザ光源1aの特性については後述する。
図2に示すように、複数のレーザ光源1aから発振されたレーザ光は、照明光学系3に入射する。照明光学系3は、一対のレンズアレイ3aa,3abとフィールドレンズ3acとからなるホモジナイザ3aを備えている。複数のレーザ光源1aは、ホモジナイザ3aの複数の分割入射面にそれぞれ対応するように、すなわち第1レンズアレイ3aaを構成する複数の微小レンズの入射面にそれぞれ対応するようにマトリクス状に(一般には光軸と直交する平面に沿って一次元的または二次元的に)配置されている。
したがって、各レーザ光源1aから発振されたレーザ光は、第1レンズアレイ3aa中の対応する微小レンズ、第2レンズアレイ3ab中の対応する微小レンズ、およびフィールドレンズ3acを介して、位相シフタ2を重畳的に照明する。こうして、照明光学系3は、ほぼ均一な光強度分布を有するレーザ光により位相シフタ2を照射する。位相シフタ2に入射して位相変調されたレーザ光は、結像光学系6を介して、被処理基板4に入射する。
ここで、結像光学系6は、位相シフタ2の位相パターン面と被処理基板4とを光学的に共役に配置している。換言すれば、被処理基板4は、位相シフタ2の位相パターン面と光学的に共役な面(結像光学系6の像面)に設定されている。結像光学系6は、第1正レンズ群6aと、第2正レンズ群6bと、これらのレンズ群の間に配置された開口絞り6cを備えている。開口絞り6cの開口部(光透過部)の大きさ(ひいては結像光学系6の像側開口数NA)は、被処理基板4の半導体膜上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。結像光学系6は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
被処理基板4は、基板上に、下層絶縁膜、半導体薄膜、上層絶縁膜の順に成膜することにより構成されている。すなわち、被処理基板4は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスのような透明基板の上に化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜、非単結晶膜例えば非晶質シリコン膜およびキャップ膜が順次形成されたものである。キャップ膜は、例えばSiO2や、SiOxなどである。下地絶縁膜は、非晶質シリコン膜とガラス基板が直接接触してガラスに含まれるNaなどの成分が非晶質シリコン膜に混入するのを防止し、また非晶質シリコン膜の熱が直接ガラス基板に伝熱されるのを防止するために、SiNや、SiNとSiO2の多層膜を使用する。
非晶質シリコン膜は、結晶化される半導体膜である。キャップ膜は、非晶質シリコン膜に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、光ビームの入射が遮断されたとき、非晶質シリコン膜の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板4は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ5上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
図1に示す光照射装置では、位相シフタ2を介してその直後に例えば逆ピーク状の光強度分布が形成され、結像光学系6により逆ピーク状の光強度分布の像が被処理基板4の表面上に形成される。その結果、逆ピーク状の光強度分布における光強度の勾配方向に沿って結晶核からラテラル方向に結晶が成長し、大粒径の結晶化半導体膜が生成される。
前述したように、従来の結晶化装置のような光照射装置では、光源として、例えばKrFエキシマレーザ光源やXeClエキシマレーザ光源などを用いている。一般に、エキシマレーザ光源から発振されるレーザ光は、そのビーム形状がトップフラットで、3cm×1cm程度と比較的大きく、ホモジナイザにより細かく分割するのに適している。また、原理的にエキシマレーザ光はコヒーレンシ(干渉性)が低いため、ホモジナイザにより分割された各レーザ光が互いに干渉しにくいので、スペックルが発生することなく安定的なビーム合成が可能である。
しかしながら、このエキシマレーザ光源を用いる従来技術では、レーザ光源の特性の経時的な劣化などに起因して光束の波面の歪みが発生し、波面の歪みの影響により被処理基板の表面上において所望の光強度分布を安定的に形成することができなくなる。具体的に、従来技術では、図3に示すように、照明光学系13に入射したエキシマレーザ光が、テレスコープ(ビームエキスパンダ)13aを介して拡大された後、一対のレンズアレイ13ba,13bbとフィールドレンズ13bcとからなるホモジナイザ13bに入射する。ホモジナイザ13bを介した光束は、位相シフタ12を重畳的に照明する。
波面に歪み(乱れ)が全くない理想的な平面波の光束が照明光学系13中のホモジナイザ13bに入射する場合、ホモジナイザ13bにより形成された複数の小光源の各々からの光も同じく平面状の波面で位相シフタ12を照明し、各小光源からの光が位相シフタ12の直後の平面上に鮮明な像としての所望の光強度分布を形成する。その結果、各小光源からの光は、結像光学系(不図示)を介して、被処理基板(不図示)の表面上に鮮明な合成像としての所望の光強度分布を形成する。
一方、波面に歪みのある光束が照明光学系13中のホモジナイザ13bに入射する場合、ホモジナイザ13bにより形成された複数の小光源のうちの少なくとも一部からの光も波面に歪みのある光束で位相シフタ12を照明することになる。このため、ある小光源からの光は位相シフタ12の直後の平面上に鮮明な像としての所望の光強度分布を形成するが、ある小光源からの光は位相シフタ12の直後の平面上に歪んだ像としての光強度分布を形成する。
ここで、「歪んだ像」とは、理想的な平行光でない入射光に起因して発生する、光軸と直交する平面上での像の位置ずれ、光軸方向の像の位置ずれ、像の形状の歪みなどを指す。各小光源からの光は、結像光学系を介して、被処理基板の表面上に不鮮明な合成像としての光強度分布を形成する。すなわち、被処理基板の表面上に形成される光強度分布は、所望の光強度分布に比して、基板の表面に沿って位置ずれしたり、結像光学系の光軸方向(フォーカス方向)に位置ずれしたり、形状(プロファイル)が歪んだりし、被処理基板の表面上において所望の光強度分布を得ることができない。
この問題に対して、レーザ光の周辺を使用することなく中心部のみを使用することにより、すなわちほぼ平面状の波面光束だけを利用することにより所望の光強度分布を得る方法がある。しかしながら、この方法では、利用可能な光エネルギーが大幅に減少するため、スループットが極端に低下してしまう。
また、図4に示すように、通常は1段構成であるホモジナイザ(図3参照)を2段構成にすることにより、ほぼ平面状の波面光束だけを利用して所望の光強度分布を得る方法もある。図4の2段構成では、テレスコープ13aを介して拡大された後、第1ホモジナイザ13b(13ba,13bb,13bc)を介して、一対のレンズアレイ13ca,13cbとフィールドレンズ13ccとからなる第2ホモジナイザ13cの入射面を重畳的に照明する。
さらに、第2ホモジナイザ13cを介した光束は、位相シフタ12を重畳的に照明する。第1ホモジナイザ13bにより、照明光学系13’に入射したレーザ光について、位相シフタ12上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2ホモジナイザ13cにより、第1ホモジナイザ13bからの入射角度が均一化されたレーザ光について、位相シフタ12上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。しかしながら、ホモジナイザを2段構成にする方法においても、利用可能な光エネルギーが大幅に減少するため、スループットが極端に低下してしまう。
また、上述の問題はレーザ光源の特性の経時的な劣化が原因であるから、レーザ光源のチューブ(発振用のガス容器)を交換する方法もある。しかしながら、この方法は、レーザ光源のチューブが非常に高価であるため、コスト的な観点から実用的ではない。
上述のようなエキシマレーザ光源に固有の不都合、すなわちレーザ光源の特性の経時的な劣化などに起因して光束の波面に歪みが発生し易いという不都合に鑑みて、経時的に特性が劣化しにくい固体レーザ光源をエキシマレーザ光源に代えて使用することも考えられる。しかしながら、エキシマレーザ光源を固体レーザ光源で単に置き換えても、エキシマレーザ光以外のほとんどのレーザ光はコヒーレンシ(干渉性)が高いため、ホモジナイザで分割したレーザ光を合成する際に光の干渉に起因してモアレやスペックルが発生し、均一な光強度分布の光で位相シフタを照明することができず、ひいては被処理基板の表面上に所望の光強度分布を形成することができない。
そこで、本実施形態では、上述したように、例えば固体レーザ光源(半導体レーザ光源、ファイバレーザ光源、YAGレーザ光源など)からなる複数のレーザ光源1aより発振されたレーザ光が、ホモジナイザ3aの複数の分割入射面にそれぞれ入射するように、すなわち第1レンズアレイ3aaを構成する複数の微小レンズの入射面にそれぞれ入射するように構成している。ここで、各レーザ光源1aから発振されるレーザ光のセルフコヒーレンシは非常に高いが、相互のコヒーレンシ(干渉性)は無い。
換言すれば、ホモジナイザ3aの複数の分割入射面にそれぞれ対応するようにマトリクス状に配置された複数のレーザ光源1aは、互いに独立した光源であって、互いにインコヒーレントである。したがって、本実施形態では、ホモジナイザで分割したレーザ光を合成する際に光の干渉に起因してモアレやスペックルが発生することがなく、均一な光強度分布の光で位相シフタ2を照明することができ、ひいては被処理基板4の表面上に所望の光強度分布を形成することができる。
また、出力が比較的大きい1つのレーザ光源から発振されるレーザビームを分割して合成する従来技術よりも、1つ1つは出力が比較的小さくても複数のレーザ光源1aをマトリクス状に配置している本実施形態の方が、結果としてハイパワーを発揮することができる。
エキシマレーザ光源の劣化例を、図6(a)および図6(b)に示す。図6(b)は、1×108ショットの発振後のKrFエキシマレーザ光源からのビームを、図3の照明光学系に類似した構成を有する図6(a)の光学系へ導き、図6(a)の光学系において一対のシリンドリカルレンズアレイ(図3の一対のレンズアレイ13baおよび13bbに対応)13ba’と13bb’との間の光路中に配置された感熱紙40に焼き付けたときに得られたプロファイル(光強度分布)である。図6(b)では、黒色の度合いが強いほど、レーザ強度が高いことを示している。
感熱紙40の直前に配置されたシリンドリカルレンズアレイ13ba’を構成する各レンズ要素は等間隔に配置され且つ同じ曲率を有するため、図中aで示したすべての間隔は12mmと互いに等しいはずであるが、実測結果ではこれらの間隔が互いに異なっていた。また、本来レーザ光が集光されて達しないはずの領域(図中bで示す領域)に、光が存在していた。これは、レーザ光の波面が乱れており、斜入斜成分が多く存在しているために、領域bが生じたものと考えられる。このように、エキシマレーザ光源では、経時劣化によって波面の歪みが顕著になるのである。
次に、図5(a)乃至(e)を参照して、本実施形態の光照射装置(結晶化装置)を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する方法を説明する。図5(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO2積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)および不図示のキャップ膜82a(例えば、膜厚30nm〜300nmのSiO2膜など)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板5を準備する。そして、本実施形態にしたがう光照射装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
こうして、図5(b)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、キャップ膜82aをエッチングにより除去した後、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば薄膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO2膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図5(d)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)をイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、炉において450°Cで1時間)やレーザによる活性化(レーザ光83を用いる)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85にソース領域91、ドレイン領域92を形成する。次に、図5(e)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
以上の工程において、図5(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に薄膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
なお、上述の説明では、非単結晶半導体膜に所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置に本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、一般的に結像光学系を介して所定の光強度分布を所定面に形成する光照射装置、たとえばレーザアニール装置、レーザ結晶化装置、レーザアブレーション加工装置などに対して本発明を適用することができる。
1 光源装置
1a レーザ光源
2 位相シフタ
3 照明光学系
4 被処理基板
5 基板ステージ
6 結像光学系
7 制御部
1a レーザ光源
2 位相シフタ
3 照明光学系
4 被処理基板
5 基板ステージ
6 結像光学系
7 制御部
Claims (6)
- 互いにインコヒーレントな複数のレーザ光源を有する光源装置と、
前記複数のレーザ光源から発振されるレーザ光に基づいて光変調素子を重畳的に照明するためのホモジナイザを含む照明光学系と、
前記光変調素子により位相変調されたレーザ光に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成する結像光学系とを備えていることを特徴とする光照射装置。 - 前記複数のレーザ光源は、前記ホモジナイザの複数の分割入射面にそれぞれ対応するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
- 前記複数のレーザ光源の各々は、固体レーザ光源であることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射装置と、前記所定面に非単結晶半導体膜を保持するためのステージとを備え、前記所定面に保持された非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射装置を用いて、前記所定面に保持された非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化方法。
- 請求項4に記載の結晶化装置または請求項5に記載の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005320624A JP2007129073A (ja) | 2005-11-04 | 2005-11-04 | 光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイス |
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