JP2007127671A - 複数エピトープ融合タンパク質 - Google Patents

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Abstract

【課題】より感受性の高いHCV診断方法を提供すること。
【解決手段】一般構造式(I)を有する複数コピーエピトープ配列を用いてHCVを診断する方法:(A)x−(B)y−(C)z (I)
ここで、(I)は直鎖状アミノ酸配列であり;
Bは、少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であって、該アミノ酸は、生物の天然に存在する抗原決定基に対応し;
AおよびCは、各々Bおよび互いと異なるアミノ酸配列であり、各々独立して少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であり、該アミノ酸は天然ではBに隣接しない抗原決定基を示し;
yは2以上の整数であり;そして
xおよびzは各々独立して整数であり、ここでx+zは1以上である。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、一般的にはタンパク質合成およびイムノアッセイの分野に関し、そして詳細には、HCVのようなウイルスのエピトープの複数のコピーを含有するアミノ酸の長鎖を合成する方法、および複数のエピトープを利用して抗体の存在を検出するアッセイデバイスに関する。
発明の背景
一般的には、イムノアッセイはウイルスと特異的に関連するエピトープを最初に決定し、次いでどのエピトープが開発されるアッセイに好ましいかを決定することにより産生される。免疫優性なエピトープが単離される場合、その配列が決定され、そして免疫優性なエピトープを産生するための遺伝物質が産生される。化学的または生物学的手段のいずれかによってタンパク質を産生する方法は、特定のエピトープに対する抗体の存在を検出するために用いるアッセイと同様に既知である。
イムノアッセイの産生において、全体の目的は高感度および高選択性の両方であるイムノアッセイを得ることである。さらに詳細には、イムノアッセイは、このイムノアッセイが検出するように設計された物質を非常に低レベルでさえ検出し得る(すなわち高感度である)ように設計されなければならない。高い程度の感度を有するアッセイは、試験されたサンプルが、アッセイが検出するように設計される物質で汚染されていないことを保証する。例えば、所定のウイルスについての抗体のごく微量の存在さえも検出する高感度アッセイは、サンプルがウイルスを含有することを示す任意の量の抗体を含むサンプルを、検出し、従って棄却することをこのアッセイが可能にする点で望ましい。
高い程度の感度はアッセイには望ましいが、アッセイが物質の存在を誤って示す(すなわち、アッセイが偽陽性の結果を生じる)場合望ましくない。このような偽陽性結果は、分析物がサンプル中に存在する別の物質との高い程度の類似性を有する場合起こり得る。2つの類似するが異なる物質の間を区別するアッセイの能力は、その選択性に関連する。
高い程度の選択性を有するイムノアッセイは、物質が類似の構造を有する他の物質と組み合わせでサンプル中に存在する場合でさえ、アッセイされる物質の存在を検出する。従って、高度選択性イムノアッセイは、ほとんどの最も偽陽性結果を除去する。一般的には、選択性が増加するに従って感度が低減する。これは、一部は、ウイルスの高い程度の変異性に起因して起こる。従って、高感度であるように設計されるアッセイは、異なるウイルス間の変異性を考慮に入れなければならない。ウイルスの変異性が感度を改善するために調節されると、選択性が低減する。あるいは、特定のウイルスに関してますます選択的であるイムノアッセイを産生すると、感度が低減するほど選択的になるアッセイの可能性が増加する。
大部分において、改善された選択性(より少ない偽陽性)を提供する問題は最も免疫優性なエピトープを探し、そして見い出すことにより処理される。感度(低濃度検出)の問題は、ウイルスの種々の異なる領域から免疫優性なエピトープを提供することにより処理される。
現在のアッセイは「主要なエピトープ」または非常に免疫優性なエピトープとして選択された比較的少ないペプチドを利用して設計されている。アッセイ感度は固体支持体上で利用可能な主要なエピトープの数に依存する。エピトープの利用可能性が、固相上にコートされ得るペプチドの数により制限される場合、アッセイは感度を低減する。これらの結果は、不十分なアッセイ希釈感度、不十分なセロコンバージョン感度、および/または偽陰性検出として示され得る(非特許文献1)。
従って、現在、生物学的液体中の病原体に対する抗体についてのアッセイの感度および選択性を改善し、そしてそれによって改善された血液供給物のスクリーニングを生じる病原体感染の診断を改善する必要性が存在する。
Chien,D.Y.ら、(1993) J.Gastroent. Hepatol. 8:S33−39
発明の要旨
単一のアッセイにおいて多数の病原体株由来の抗体を検出し得る複数コピー融合抗原(MEFA)イムノアッセイは、(1)免疫優性な成分を含む複数の異なるエピトープをコードするヌクレオチド配列を同定する工程;(2)発現カセットへヌクレオチド配列を配置する工程、ここで、ウイルスのような生物の同じエピトープ領域または異なるウイルス株の対応する領域をコードする配列の少なくとも2つのコピーが、単一のカセットに配置される;(3)エピトープをコードする配列を発現するためにカセットの1つ以上のコピーで適切な宿主を形質転換する工程(この配列は一本鎖抗原における少なくとも1つのエピトープの2つ以上のコピーを含む);(4)発現した複数エピトープ抗原を精製する工程;および(5)精製された複数エピトープ抗原をイムノアッセイに適合させる工程、ここで適合させる工程は以下を含むが、それらに限定されない:基質の表面上に複数エピトープ抗原をコートする工程;複数エピトープ抗原に検出可能なマーカーを共有結合させる工程;などの工程により産生される。
精製されたエピトープは、直鎖状アミノ酸配列を示す一般構造式(A)x−(B)y−(C)zにより包含される。Bは、少なくとも5アミノ酸で1,000より多くないアミノ酸の抗原決定基または抗原決定基のクラスターのアミノ酸配列であり、そしてyは2以上の整数である。Bの各コピーは等価抗原決定基である(例えば、各コピーは異なるウイルス株由来のエピトープである)。AおよびCは、各々独立して天然にはBにすぐ隣接していないエピトープまたはエピトープのクラスターのアミノ酸配列である;そしてxおよびzは各々独立して0以上の整数であり、ここでxおよびzの少なくとも1つは1以上である。好ましくは、Bのy個のエピトープは、異なるウイルス株由来の等価抗原決定基であり、それにより単一の複数エピトープ抗原により検出可能な病原体の多様性を増加する。
選択性は、同じウイルスの2つ以上の異なる株の同じ領域由来の免疫優性なエピトープを含むことによりさらに改善される。より好ましくは、Bの等価抗原決定基が異なる血清型特異性を有する。Bエピトープ間の相同性は少なくとも30%であり、好ましくは少なくとも40%である。本発明のエピトープはより可溶性であり、従って従来のエピトープより容易に精製される。さらに、繰り返しエピトープ配列の存在は、マスキング問題を低減し、そして非常に多くのエピトープが基質の単位面積上に可能であることにより抗体を検出する感度を改善する。感度は、本発明の複数コピーエピトープを小さな球形または不規則な形のビーズまたは微粒子上に配置し、それによりアッセイデバイスの所定の面積あたりの露出した表面積を増加することにより、さらに改善される。
本発明の目的は、複数のエピトープを含有するアミノ酸配列を提供することであり、ここで少なくとも1つのエピトープの少なくとも抗原決定基部分は2回以上の回数を繰り返す。
本発明の別の目的は、複数エピトープ融合抗原を用いるイムノアッセイを産生する方法を提供することである。
本発明の特徴は、所定のエピトープ配列の多数のコピーを含むアミノ酸配列が、任意の所定のエピトープの単一のコピーのみを含むアミノ酸配列と比較してより高い溶解度を有することである。
本発明の別の特徴は、エピトープをコードするヌクレオチド配列が、病原体のゲノムにおける直線的順序とは異なり得る直線的順序であることである。従って、A、BおよびCの抗原決定基は、A、BおよびCの天然に存在する抗原決定基とは異なる直線的順序であり得る。本発明の配列の直線的順序は、好ましくは複数エピトープ融合抗原を含む発現されたアミノ酸配列の至適な抗原性について整えられる。
本発明の利点は、式(I)の複数エピトープ抗原が従来のエピトープと比較してより容易に精製され得ることである。
本発明の別の利点は、抗原決定基のマスキングが低減され得ることである。
本発明の別の利点は、複数エピトープ融合抗原を利用するイムノアッセイが、改善された感度および選択性を有することである。
本発明のさらに別の利点は、複数のエピトープ(特にBの繰り返しエピトープ)が、エピトープのタイプ特異性に基づく1つより多いの病原体または単一の病原体の1つより多いの株を検出し得るアッセイを提供することである。
本発明の別の特徴は、式(I)の複数エピトープ配列が、任意の所定のエピトープの単一のコピーのみを含むエピトープ配列に一般的に存在するより多数のおよび/またはより長い配列を含むように設計され得ることである。
本発明の別の利点は、式(I)による複数エピトープ抗原の設計が、任意の所定のエピトープの単一のコピーのみを含む抗原に比較して、イムノアッセイの表面の単位面積上により多くの数の抗原決定基を含むことを可能にすることである。
本発明はまた、複数のエピトープが必要であり、そして固相表面積が限定される場合、血清学的試験の一般的な特異性および感度を改善する利点を提供する。さらに、単一のキメラ抗原に基づくイムノアッセイ試験は、特に検出可能なマーカーで標識した抗原を必要とする試験について、製造工程を非常に簡素化する。
本発明の実施態様は、1工程同時アッセイであるために、実施するのに簡単かつ便利な、複数エピトープ融合抗原を用いる迅速な捕捉リガンドイムノアッセイをさらに提供する。検出は、抗原/抗体複合体のメンバー(好ましくは抗原)への検出可能なマーカーの接着による。接着は、共有結合手段によるか、または標準サンドイッチアッセイのような検出可能な標識抗体の結合によるか、または酵素反応(その反応産物が検出可能である)により得る。検出可能なマーカーは、発色団、抗体、抗原、酵素、酵素反応化合物(それらの分解産物が検出可能である)、ローダミンまたはローダミン誘導体、ビオチン、ストレプトアビジン、蛍光化合物、化学発光化合物(例えば、ジメチルアクリジニウムエステル(DMAE、Ciba Corning Diagnostics Corp.))、これらのマーカーの誘導体および/または組み合わせ、を包含し得るがそれらに限定されない。
本発明の別の実施態様において、捕捉リガンド形式アッセイは、抗原としてのMEFA、およびアッセイ混合物に添加されるさらなる検出可能なエピトープを含有する。さらなる検出可能なエピトープは、単一のエピトープまたは複数のエピトープであり得、そしてMEFAに含まれるエピトープ、好ましくはE1、E2、およびc33cのような領域由来のエピトープを含有し得るがこれらに限定されない。本発明のこの実施態様によると、さらなるエピトープは上記のように検出可能なマーカーに接着されているかまたは接着可能である。さらなるエピトープが、コンフォメーション、グリコシル化などのような好ましい特徴を有する場合、さらなるエピトープは、細胞から組換えポリペプチドとして発現され、その発現は所望の形態でエピトープを提供する。好ましくは、エピトープは、エピトープの所望の特徴を保存する緩和な単離条件を用いて細胞から得られ得る。細胞は、さらなるエピトープが所望の形態で単離され得る、哺乳動物細胞(好ましくはチャイニーズハムスター卵巣(CHO))あるいは細菌、酵母または昆虫細胞のような任意の適切な細胞であり得る。
本発明のこれらおよび別の目的、利点および特徴は、本明細書の一部を形成する付随的な一般構造式(ここでは同様のシンボルは一貫して同様の分子部分を言う)に対してなされる言及とともに、下記により十分に記載される、複数コピーエピトープ、イムノアッセイおよびこれらの産生方法の詳細を読むことで当業者に明らかになる。
また、本発明は、以下を提供する:
項目1.一般構造式(I)を有する複数コピーエピトープ配列:
(A)x−(B)y−(C)z (I)
ここで、(I)は直鎖状アミノ酸配列であり;
Bは、少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であって、該アミノ酸は、生物の天然に存在する抗原決定基に対応し;
AおよびCは、各々Bおよび互いと異なるアミノ酸配列であり、各々独立して少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であり、該アミノ酸は天然ではBに隣接しない抗原決定基を示し;
yは2以上の整数であり;そして
xおよびzは各々独立して整数であり、ここでx+zは1以上である。
項目2.A、B、およびCが複数の生物由来のエピトープである、項目1に記載の複数コピーエピトープ。
項目3.A、B、およびCがC型肝炎ウイルスの免疫優性なエピトープである、項目1に記載の複数コピーエピトープ。
項目4.A、B、およびCが1種のウイルスのエピトープであり、少なくとも1つのBは該ウイルスの異なるウイルス株由来の等価抗原決定基である、項目1に記載の複数コピーエピトープ。
項目5.A、B、およびCがHCVポリタンパク質の領域由来のエピトープであり、ここで該領域が、NS3、NS4、NS5、c100、C25、コア、E1、E2、c33c、c100−3、およびc22からなる群より選択される、項目3に記載の複数コピーエピトープ。
項目6.イムノアッセイを産生する方法であって:
複数の異なるエピトープをコードするヌクレオチド配列を同定する工程;
発現カセットへ該ヌクレオチド配列を配置する工程、ここで、エピトープの所定の抗原決定基をコードする配列の少なくとも2コピーが、該カセットに配置される;
複数エピトープポリペプチドとしてエピトープをコードする配列を発現するために、該カセットで適切な宿主を形質転換する工程;
該発現した複数エピトープポリペプチドを精製する工程;および
イムノアッセイのために該複数エピトープポリペプチドを修飾する工程、
を包含する、方法。
項目7.前記エピトープがHIVおよびHCVからなる群より選択されるウイルスのエピトープである、項目6に記載の方法。
項目8.アッセイデバイスであって:
支持体表面;および
該支持体表面に結合するエピトープ、ここで該エピトープは一般構造式(I)を有する:
(A)x−(B)y−(C)z (I)
ここで(I)は直鎖状アミノ酸配列であり;
Bは、少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であって、該アミノ酸は生物の天然に存在する抗原決定基に対応し;
AおよびCは、各々Bおよび互いと異なるアミノ酸配列であり、各々独立して少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であって、該アミノ酸は天然にはBに隣接しない抗原決定基を示し;
yは2以上の整数であり;そして
xおよびzは各々独立して整数であり、ここでx+zは1以上である。
項目9.A、B、およびCがC型肝炎ウイルスのエピトープである、項目8に記載のアッセイデバイス。
項目10.A、B、およびCが1つのウイルスのエピトープであり、各Bが該ウイルスの異なるウイルス株由来の等価抗原決定基である、項目8に記載のアッセイデバイス。
項目11.A、B、およびCがHCVポリタンパク質の領域由来のエピトープであり、ここで該領域が、NS3、NS4、NS5、c100、C25、コア、E1、E2、c33c、c100−3、およびc22からなる群より選択される、項目8に記載のアッセイデバイス。
項目12.項目1に記載の複数コピーエピトープを含有するアッセイ組成物であって、該複数コピーエピトープが検出可能なマーカーに接着されている、アッセイ組成物。
実施態様の詳細な説明
本発明の実施は、他に記載のない限り、当該技術の範囲内のウイルス学、免疫学、微生物学、分子生物学、および組換えDNA技術の従来の方法を用いる。このような技術は、文献に十分記載されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第二版,1989);DNA Cloning:A Practical Approach,IおよびII巻(D.Glover編);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan編、Academic Press, Inc.);およびHandbook of Experimental Immunology I−IV巻(D.M.Weir およびC.C.Blackwell編、Blackwell Scientific Publications);Fundamental Virology、第二版、IおよびII巻(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編)を参照のこと。
本発明の複数エピトープ融合タンパク質、イムノアッセイならびにこれを産生および使用する方法が記載される前に、本発明は、特定のアミノ酸配列、イムノアッセイまたは産生方法に限定されないこと(これらはもちろん変化し得るので)が理解されるべきである。本明細書中で用いられる用語は、特定の実施態様のみを記載する目的のためであり限定する意図はないことも理解されるべきである。なぜなら本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ限定されるためである。
他に定義されない限り、本明細書中に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中の記載と類似または同等の任意の方法および材料が、本発明の実施または試験に用いられ得るが、好ましい方法および材料はこれから記載する。
定義
本明細書中に用いられる用語「複数コピー」は、直鎖状分子内で2回以上の回数を繰り返される、少なくとも約5で約1,000より多くないアミノ酸を直鎖形式に含有するアミノ酸配列を特定する。繰り返し配列は、それ自身に直接連結する必要はなく、自然界では同じ様式で繰り返さず、さらに、繰り返されないかまたは「コピーされない」他のアミノ酸を含有するより大きな配列内に存在し得る。少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸の配列は、下記に定義されるエピトープを含有する。本発明の目的では、アミノ酸配列の「コピー」は、正確な配列コピーまたは異なるウイルス株の同じエピトープに対応する配列のいずれかであり得る(すなわちコピーは、正確なコピーまたは下記に定義される「等価抗原決定基」である配列のいずれかである)。
本明細書で用いられる用語「エピトープ」は、少なくとも約5で約1,000より多くないアミノ酸の直鎖形式に連結した配列をいい、このアミノ酸はそれ自身またはより大きな配列の一部として、このような配列に対して生成される抗体に結合する。本発明に用いられるエピトープは、由来する親タンパク質の一部分の正確な配列を有するポリペプチドに限定されない。実際、ウイルスゲノムは一定の流動的状態にあり、そして単離物間の比較的高い程度の変異性を示すいくつかの可変ドメインを含有する。従って、用語「エピトープ」は、本来の配列と同じ配列、ならびに欠失、付加、および置換(一般的に性質が保存)のような本来の配列への修飾を包含する。
本明細書で使用する用語「構造エピトープ」は、全長の天然のタンパク質内のエピトープをコードするアミノ酸配列に本来由来する構造的特徴を有する組換えエピトープをいう。本来の構造的特徴は、グリコシル化および3次元構造を含むが、それらに限定されない。一般的に、構造エピトープは、MEFA含有イムノアッセイ混合物に添加され、アッセイ感度および選択性を増強する。好ましくは、組換え構造エピトープは、細胞中で発現され、この細胞から所望の構造的特徴を保存する(例えば、エピトープの変性なし)条件下で抽出可能である)。このような細胞は、細菌、酵母、昆虫、および哺乳動物細胞を含む。好ましくは、構造エピトープが発現される細胞は、哺乳動物細胞(例えばチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO))である。HCVのE1およびE2領域由来の組換え構造エピトープの発現および単離は、WO96/04301、WO94/01778、WO95/33053、WO92/08734に記載されている。
本明細書中に用いられる用語「発現カセット」は、適合性宿主中のコード領域の発現をもたらし得る1つ以上の適切な制御配列に作動可能に連結したコード領域を含有するDNA配列をいう。発現系はプロモーターを常に含むが、意図される宿主に依存し、リボソーム結合部位またはCAP部位、終結配列、およびプロモーターから上流のまたは他の作動可能な位置にある随意のエンハンサー配列のような重要なヌクレオチド配列をさらに含み得る。本明細書中に記載の本発明の組換え発現カセットは、その発現を果たし得るさらなるDNA配列に作動可能に連結したMEFAをコードする本発明のDNAを含む。発現カセットは、宿主細胞の染色体から独立して自己複製しているプラスミドまたは他のベクターのような転移ベクターに存在し得るか、または宿主細胞へ挿入する場合に染色体へ統合し得るように構築され得る。
「等価抗原決定基」とは、所定の生物の異なる亜種または株(例えばC型肝炎ウイルスの株1、2、または3由来のような異なるウイルス株)由来の抗原決定基を意味する。C型肝炎のようなウイルスについてより詳細には、エピトープは5−1−1のように既知であり、そしてこのようなエピトープは既知の株1、2、および3の間で変化する。従って、3つの異なる株由来のエピトープ5−1−1は等価抗原決定基であり、従ってその配列が同一ではないとしても「コピー」である。一般には、等価抗原決定基のアミノ酸配列は、2つの配列が並列された場合、高い程度の配列相同性(例えば30%より多い、好ましくは40%より多いアミノ酸配列相同性)を有する。
用語「トレーサー」は、エピトープまたはMEFAに接着可能な任意の検出可能なマーカー分子を意味する。接着は、好ましくは共有結合による。本発明においてトレーサーとして有用な検出可能なマーカー分子は、ジメチルアクリジニウムエステル(DMAE)、発色団、ビオチン、ストレプトアビジン、抗体、抗原、酵素蛍原性光化合物、ローダミン化合物、フルオレセイン、FITCなどを含むが、それらに限定されない。
イムノアッセイー一般
高感度および高選択性イムノアッセイは、本発明の複数エピトープ融合抗原を用いて産生され得る。このようなイムノアッセイを産生するために、最初にサンプルがアッセイするべき標的(例えば、体液サンプル中の特定のウイルス)を同定する必要がある。目的のウイルスを同定した後、ウイルスの好ましい免疫優性なエピトープが単離され、配列決定され、そしてエピトープのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が決定および産生される。アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が、標準的な組換え法を用いて互いに融合され得る。配列はまた、その発現および精製を容易にするために、さらなるポリペプチドに融合され得る。
融合配列は、所定のエピトープをコードするヌクレオチド配列の少なくとも2つのコピーを含まなければならない。次いで、ヌクレオチド配列は発現カセット内に配置され、そして適切な宿主がそのカセットで形質転換される。宿主は、複数コピーエピトープ(複数エピトープ融合抗原、MEFA)を提供するために配列を発現させられる。次いで、産生した複数コピーエピトープは、例えば、アフィニティクロマトグラフィにより精製され、この工程は、所定のエピトープの複数のコピーの存在に起因して、ある程度まで促進される。次いで、精製MEFAは、ELISA型アッセイの基質の表面上にコートされる。あるいは、精製MEFAは、化学発光アッセイ(CLIA)のような、抗体結合の検出のための検出可能なマーカートレーサー分子に接着される。
本発明の本質は、精製された複数コピーエピトープ(すなわち天然には通常はこのような形式で互いに連結されていない他のエピトープに融合された、所定のエピトープの複数のコピーを直鎖状形式で含む精製融合タンパク質)(MEFA)である。精製エピトープは、以下のような一般構造式(I)に包含される:(A)x−(B)y−(C)z、これは直鎖状アミノ酸配列を示す。Bはエピトープまたはエピトープのクラスターのアミノ酸配列であり、そして各Bは少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含み、yは2以上の整数であり、AおよびCはそれぞれ独立して天然にはBにすぐ隣接していないエピトープまたはエピトープのクラスターのアミノ酸配列であり、そしてxおよびzはそれぞれ独立して0以上の整数であり、ここでxおよびzの少なくとも1つは1以上である。x、y、またはzの各々が1より大きい場合、またはx、y、およびzの各々が1より大きい場合、A、B、およびCの複数のコピーは同一であり得る。すなわちAの各コピー(BおよびCと異なる)が正確に同じアミノ酸配列であり、 Bの各コピー(AおよびCと異なる)が正確に同じアミノ酸配列であり、そしてCの各コピー(AおよびBと異なる)が正確に同じアミノ酸配列である。あるいは、各A、B、またはCコピーは、同じウイルスの異なる株由来の等価抗原決定基であり得る。従って,例えばyが3である場合、各Bは、同一のアミノ酸配列またはHCV株1、2、および3由来の等価抗原決定基由来の3つの異なる配列であり得る。本発明は、式(I)の複数コピーエピトープを産生する核酸構築物中に遺伝物質を連結することにより、既知のエピトープまたはエピトープグループをコードする遺伝物質を利用し得る。
個々の単一エピトープが固相支持体上にコートされているHCV抗体捕捉アッセイは、キメラ複数エピトープポリタンパク質(例えば免疫優性なコア由来のエピトープ、c33c(NS3)、およびc100(NS4)領域配列を含むポリタンパク質(C25)(Chien,D.Y.ら、(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10011−10015))が固相支持体上にコートされている捕捉アッセイより感度が低い。同様に、C25キメラポリタンパク質を用いる捕捉アッセイは、本発明のMEFAを用いるHCV抗体捕捉アッセイより感度が低い。このMEFAは少なくとも1つのエピトープの複数コピーを含み、そして少なくとも1つのコピーは異なるHCV株由来である。従って、一般式Ax−By−Czを有する本発明の好ましいMEFAは、エピトープの1つより多いコピーを含み(すなわち、yは2以上の整数である)、そしてBの少なくとも1つのエピトープは、異なる等価抗原決定基(例えば、異なる病原体株由来のエピトープ)である。
本明細書中に開示された発明は、組換えDNA技術およびタンパク質工学を利用して、種々の病原体または病原体株由来の種々の異なる免疫優性なエピトープを、イムノアッセイ開発のためのキメラ抗原として融合する組換えポリタンパク質を設計する。さらに、本発明は、組換えポリタンパク質として結合および発現される遺伝子の構造および非構造コード領域由来の選択されたエピトープの複数コピーを利用して、イムノアッセイの感度および選択性を有意に改善する。
本発明の複数コピーエピトープを作製するのに用いられるエピトープは、種々の異なる生物由来であり得る。例えば、エピトープは、細菌、原生類、ウイルス、リケッチア、寄生虫または菌類由来のアミノ酸配列であり得る。本発明の好ましい実施態様は、細菌またはウイルス由来のエピトープを用い、特に好ましいエピトープはヒト免疫不全ウイルス(HIV)由来のようなウイルス由来のエピトープであり、最も好ましくはC型肝炎ウイルス(HCV)由来である。例えば、HIVエピトープは、免疫反応性を示す任意の種々のウイルス領域(例えば、gp120、gp160およびgp41、p24gagおよびp55gagのようなgag抗原、ならびにpol領域由来のタンパク質のような任意の種々のエンベロープタンパク質のような(しかしそれらに限定されない))由来であり得る。同様に、HCVエピトープは、C、E1、E2/NS1、NS2、NS3、NS4、およびNS5領域のような(しかしそれらに限定されない)任意の種々のウイルス領域由来であり得る。
図1は、HCV由来の本発明で用いられる代表的なMEFA抗原を示す。しかし、HCVゲノム由来の他のエピトープもまた、本アッセイでの使用を見い出すことが理解されるべきである。例えば、アミノ酸384−410または390−410に広がる領域のような、さらなるエピトープ(例えばE2の超可変領域由来)がMEFA抗原に含まれ得る。特に有効なE2エピトープは、この領域由来のコンセンサス配列(例えば、コンセンサス配列
Figure 2007127671
(これは、HCVタイプ1ゲノムのアミノ酸390−410のコンセンサス配列を示す)を含むエピトープである。本発明のMEFA抗原に存在する代表的なE2エピトープは、アミノ酸390−444に広がるハイブリッドエピトープを含み得る。このようなハイブリッドE2エピトープは、HCV E2のアミノ酸411−444の本来のアミノ酸配列に融合されたコンセンサス配列を示すアミノ酸390−410を含み得る。
任意の所定の生物が、ある個々の生物から別の生物に変化し、そしてさらにウイルスのような所定の生物が多くの異なる株を有し得ることは周知である。例えば、多数のHIV単離物が存在し、そしてC型肝炎ウイルスは少なくとも1、2、および3株を含む。これらの株の各々は、等価抗原決定基を含有する。より詳細には、各株はウイルスの全ての株に存在する多数の抗原決定基を含むが、ウイルス株ごとわずかに異なる。例えば、C型肝炎は、5−1−1(ウイルスゲノムのNS3領域中)として公知の抗原決定基を含む。この特定の抗原決定基は、C型肝炎の3つの異なるウイルス株上に3つの異なる形態で現れる。従って、本発明の好ましい実施態様において、5−1−1の3つのすべての形態は、本発明の複数エピトープ融合抗原上に現れる。本発明のMEFAは上記の構造式 I を有し、ここでyは3であり、従って3つの”B”の各々は、C型肝炎の3つの異なるウイルス株から得られた5−1−1 の等価抗原決定基である。
本発明の複数コピーエピトープはまた、同じエピトープの正確なコピーである複数のコピーを含む。例えば、C型肝炎のコア領域由来のエピトープの2つのコピーを含むことが望ましい。本発明の特に好ましい実施態様は、図3に示される複数コピーエピトープである。この複数コピーエピトープは、コア領域由来のエピトープの2つの正確なコピーおよび5−1−1領域由来のエピトープの3つのコピーを含み、この3つのコピーは、それらがC型肝炎の3つの異なるウイルス株から得られる抗原決定基であることを意味する等価抗原決定基である。一般的には、等価抗原決定基は、並列した場合相同性の程度が一般的に30%以上、あるいはより好ましくは40%以上、のアミノ酸配列に関する高い程度の相同性を有する。
HCVイムノアッセイ
高選択性および高感度イムノアッセイは一般的に、患者に感染する疑いのある病原体の主要な免疫優性なエピトープを含む。以前、イムノアッセイは、生物学的サンプル中の抗HCV抗体に結合するために個々のエピトープを使用してきた。
ウイルスHCVについて、主要な免疫優性な直鎖状エピトープは、ウイルスポリタンパク質のコア、NS3(非構造(ontructural))、NS4、およびNS5領域から同定された。Sallbergらは、HCVに対する抗体を含有するヒト血清サンプルに対してHCVコアタンパク質および推定マトリックスタンパク質をアッセイし、そしてHCVタンパク質内のいくつかの免疫優性な領域を定義した(Sallberg,M.ら、(1992) J.Clin.Microbiol. 30:1989−1994)。ドメインC、E1、E2/NS1、NS2、NS3、NS4およびNS5を含むHCV−1ポリタンパク質のタンパク質ドメインが同定され、そしてそれらのおよその境界線はChienおよびRutterにより提供された(Chien,D.Y.およびRutter,W.、WO93/00365、国際公開日1993年1月7日)。Kotwalらが、HCV患者の血清の試験に有用な免疫優性なエピトープを得るため、ウイルスHCVの構造領域由来の配列を有する個々のポリペプチドを設計した(Kotwal,G.J.ら、(1992)、Proc.Natl.Acad.Sci.89:4486−4489)。
HCVの血清学的に定義可能なサブタイプが、変異した抗原性を示すウイルスサブタイプとしてChienらにより同定された(第三回国際肝炎学会、東京、1993年5月に提示されたおよびChien,D.Y.ら(1994)Viral Hepatitis and Liver Disease、320−324頁)。HCV−1コア、NS4およびNS5領域は、血清型特異的エピトープを含有することが見い出された。HCV−1およびHCV−2由来の個々の推定コアタンパク質は、個々の抗原として用られ、血清学的に区別可能なコア抗原サブタイプを用いてHCV感染を検出する酵素結合免疫吸着アッセイのための抗体が産生された(Machida,A.ら、(1992) Hepatology 16:886−891)。Simmondsらは、エピトープマッピングおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により、NS4タンパク質の抗原性に対するHCVの異なるタイプ間の配列変異性の効果を調査した。これらの著者は、HCVによる自然感染で誘起された抗体により認識されたHCV NS4ポリタンパク質中の2つの主要な抗原領域をマッピングした。特定のHCVタイプに対するタイプ特異的抗体も検出された(Simmonds,P.ら(1993) J.Clin.Microbiol. 31:1493−1503)。Chingらは、HCV推定ヌクレオキャプシド(コア)タンパク質の高度に保存された領域の配列に基づく一連の合成ぺプチドを調製し、そしてヒトおよびチンパンジー血清により認識された免疫優性な領域を発見した(Ching,W.−M.ら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci. 89:3190−3194)。
試験抗原として単一のエピトープを含むアッセイは、短いペプチドを含む大量の個々のエピトープによる支持体表面の固相コートを制御することが困難であるという欠点を有する。このような場合において、アッセイが固相支持体上の免疫原性抗原の沈殿を含む場合、アッセイの感度は、固相支持体の表面上にコートされ得る抗原量により制限される。
単一のウイルスサブタイプの異なる領域由来の免疫優性なエピトープを含むイムノアッセイの例は、Chienらに開示されている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10011−10015(1992))。Chienにより記載されたアッセイは、キメラ組換えポリタンパク質(C25)の領域(構造および非構造領域の両方で明らかな免疫優性な成分を含む)を含むHCVタイプ1ポリタンパク質の多くの異なる領域由来の組換えHCVポリペプチドを用いる。産生されたポリタンパク質は、組換え的に誘導されたウイルスポリペプチドであり、そして抗体を捕捉する(すなわち、HCVの感染に応答して生じた抗体の存在を検出する)ためにイムノアッセイの表面上に含まれる。しかし、これらのポリタンパク質は、単一のウイルス株由来のエピトープ含み、それによりそのウイルスの異なる株由来の抗HCV抗体を検出する能力を限定する。
以下の実施例は、複数コピーエピトープおよび本発明のイムノアッセイに使用するための試薬を作製する方法、ならびにこれらの使用の完全な開示および記載を当業者に提供するために記載され、そして発明者が本発明として考える範囲を限定する意図はない。用いられる数値(例えば量、温度など)に関して正確さを確実にするために努力がなされたが、いくらかの実験的誤差および偏差は本明細書中に内在し得る。他に記載がない限り、部分は重量部、分子量は重量平均分子量、温度は℃、および圧力は大気圧またはその付近である。
実施例1:HCVエピトープポリタンパク質発現カセットの構築および発現
以下の実施例は、主要なエピトープのポリタンパク質カセット、特に複数エピトープのカセットを調製する構想を例示する。実施例は、病原体の異なる株由来のエピトープを首尾よく用いることをさらに例示する。親水性複数エピトープ抗原は、ポリタンパク質の溶解度を増加することもまた示される。エピトープは、ポリタンパク質の抗原性により例証されるように、抗体に結合するための本来の局所コンフォメーションを維持することが示される。
複数エピトープカセットから発現されたポリタンパク質は、本明細書中において複数エピトープ融合抗原(MEFA)といわれる。
好ましくは、エピトープが繰り返される場合、余分のコピーが同じ方向に縦に整列される。エピトープとして用いられたウイルスコード配列の領域がわずかに変更し得、そしてなお抗原活性を維持し、そしてアミノ酸番号表示は株毎に変更し得ることが理解される。従って、繰り返しエピトープは、株配列変異および/または番号表示に起因して、アミノ酸配列が株毎に変化し得る。好ましくは、MEFA内の繰り返しエピトープのアミノ酸配列は、アミノ酸レベルで少なくとも30%相同、より好ましくはアミノ酸レベルで少なくとも40%相同である。
前記順序にエピトープを連結し、そしてキメラ抗原の設計における修飾を容易にすることにより本発明の有用性を強化するために独特の制限酵素部位を導入した。制限酵素部位の選択およびクローニング手順が、組換えDNA技術の分野の当業者により容易に決定される。好ましくは、エピトープ接合部(クローニングに起因してエピトープ間に生成されるアミノ酸配列)は、非特異的エピトープを生成しない。非特異的エピトープは、例えば、天然ではHCVエピトープに隣接して存在しない非HCV配列である。非特異的エピトープは、偽陽性アッセイ結果を引き起こす試験サンプル中の抗体を結合し得る。好ましくは、複数エピトープ融合タンパク質は、エピトープ接合部で生成したこのような配列に起因する偽陽性結果について試験される。接合部配列に起因するMEFAとの非特異的相互作用を避けるために、接合部をコードするDNA配列を、例えば変異アミノ酸配列との非特異的相互作用を低減するように変異し得、エピトープフラグメントのクローニングを可能にする。
HCVエピトープのMEFA発現カセットの構築
HCV MEFA−3発現カセットを、図1に示される縦列で主要なエピトープを含むコードヌクレオチド配列をクローニングすることにより構築した。主要なエピトープを、エピトープへの抗体反応頻度および反応強度(力価)に基づいて選択した(Chien,D.Y.ら、(1994) Viral Hepatitis and Liver Disease、320−324頁)。HCVエピトープをコードする種々のDNA セグメントを、PCR増幅によりまたは合成オリゴヌクレオチドにより構築した。各セグメント中にコードされるアミノ酸コドンを、各セグメントの下に示す。完全なHCV−1アミノ酸配列(3011アミノ酸)が、Chooら(1991)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2451−2455により決定された。HCVに結合し得るオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,350,671号に記載される。本発明のエピトープ中のアミノ酸の番号は、Chooら(前出)に提供される番号表示に従う。ここで、アミノ酸#1はコア領域のコード配列によりコードされる最初のメチオニンである。例えば、コア領域由来のエピトープセグメントは、HCVコアタンパク質のアミノ酸コドン10〜53にコードされる。c33c領域由来のエピトープは、アミノ酸コドン1192〜1457にコードされる。
MEFA−3構築物は、発現カセット中にコアセグメントエピトープアミノ酸10−35の2つのコピー;アミノ酸1192−1457由来のc33cエピトープセグメントの1つのコピー;HCV NS4領域(特に5−1−1領域)由来の等価抗原決定基の3つのコピー、ここで2つのエピトープは、HCVタイプ1のNS4 5−1−1領域由来のセグメント(アミノ酸1694〜1735)であり、一方、1つのコピーは、アミノ酸1694〜1735由来のHCV タイプ2(Nomoto)のNS4 5−1−1領域由来のセグメントである;アミノ酸1901−1940由来のNS4(C100)C末端領域主要エピトープの2つのコピー;ならびにNS5領域のアミノ酸2278−2310由来の主要エピトープの2つのコピーを含む。MEFA−3発現カセットは、 Ax−By−Czについて一般構造式2−1−2−1−2−2を有し、ここでA=コア−コア−c33c、x=1;B=(5−1−1)、y=3;およびC=(c100)−(c100)−(NS5)−(NS5)、z=1である。
他のHCV MEFAは、 MEFA−5およびMEFA−6を含み、この発現カセットを、図2および表1、ならびに図3および表2にそれぞれ記載されるように、縦列に主要なエピトープを含むコードヌクレオチド配列をクローニングすることにより構築した。MEFA−5およびMEFA−6中のエピトープのすべてが、5−1−1エピトープの3つの等価抗原決定基の2つを除いてHCVタイプ1由来であることに注意する。5−1−1領域由来のエピトープがHCV血清型間で変異する事が見いだされた。本明細書中に記載のMEFA中に存在するHCVタイプ特異的5−1−1エピトープの各々のコピーは、試験生物学的サンプル中に存在し得る任意のHCVタイプを結合させる。HCVのようなウイルス血清型を区別するのに有用なエピトープを、繰り返しの等価抗原決定基として提供し、単一のアッセイにおいて多数のタイプのウイルスまたは病原体を検出することが本発明の特徴である。HCV血清型を検出する方法はWO96/27153に見いだされる。
(表1 MEFA−5抗原エピトープおよびHCVゲノム内のその配置)
Figure 2007127671
(表2 MEFA−6抗原エピトープおよびHCVゲノム内のその配置)
Figure 2007127671
MEFA−5およびMEFA−6の調製のためのクローニング手順は、上記のMEFA−3を調製するために用いられる手順に類似していた。MEFA−5およびMEFA−6は、HCV株1、2、および3由来の等価抗原決定基を含む、C型肝炎ポリタンパク質のコア、エンベロープ、NS3、NS4およびNS5領域由来のエピトープを含んだ。HCVエピトープをコードする種々のDNAセグメントを、PCR増幅によりまたは合成オリゴヌクレオチドにより構築した。図2および3は、MEFA−5および−6に用いられたHCVゲノム内のエピトープの配置、ならびにMEFAベクター構築物を示す概略表示である。表1および2は、それぞれ、MEFA−5およびMEFA−6カセットにおける各エピトープのアミノ酸セグメント、種々のエピトープの直鎖状配置、ならびにコピーの数を記載する。各エピトープ間のアミノ酸(接合部アミノ酸)は、クローニングに用いられる制限部位由来である。好ましくは、MEFAは、非病原体(例えば、HCV)接合部アミノ酸に起因する偽陽性結果についてイムノアッセイで試験される。MEFA−5は、そこではコアセグメントがMEFA−5ではN末端の付近にあるが、MEFA−6ではC末端にある点で直鎖状配置がMEFA−6とは異なる。アミノ酸10−53コアエピトープは高抗原性であるので、そのC末端での配置は、おそらくコアタンパク質およびE1およびE2領域由来の抗原由来のエピトープとサンプルの抗HCV抗体との改善された相互作用により、MEFAの抗原性を改良する。
エピトープを、酵母発現ベクターにサブクローニングし、そして配列を2060塩基対のEcoRI−SalIフラグメント(MEFA−5およびMEFA−6について)および約1927塩基対のEcoRI−SalIフラグメント(MEFA−3について)として全体の融合抗原を組立てる前に確認した。MEFA−5およびMEFA−6を、ハイブリッドADH−GAPDHプロモーターの制御下でヒトスーパーオキシドジスムターゼ(hSOD)融合タンパク質(hSODの157アミノ酸)としてクローニングした。MEFA−5およびMEFA−6発現カセットを、酵母シャトルベクターpAB24(Chiron Corporation)に連結し、それぞれ図2および図3に示されるようにpMEFA−5およびpMEFA−6を産生した。
図3に示すように、MEFA−6抗原は、コアおよびNS5領域由来のHCVエピトープの複数のコピー;NS4 5−1−1領域由来の異なる血清型エピトープ;c100 C末端領域、E1およびE2領域、ならびにHCV NS3(c33c)領域由来の主要な直鎖状エピトープの単一のコピーを含む。MEFA−6の一般構造式は、hSOD−−E1−E2−c33c−5−1−1(タイプ1)−5−1−1(タイプ3)−5−1−1(タイプ2)−c100−NS5(2コピー)−コア(2コピー)である。この抗原は、酵母中で非常に高発現レベルを有し、高度の同質性に精製し、そして下記のイムノアッセイ中で高感度および高選択性を示す。
MEFAの酵母中での発現
酵母中におけるMEFAの発現の以下の実施例は、本発明の任意のMEFAの発現に適用し得る。必要に応じて条件を変更し、特定のMEFA構築物を発現することは本発明の範囲内である。本発明のMEFAの発現に好ましい細胞としては、細菌、酵母、および昆虫細胞が挙げられる。酵母におけるMEFA−6の発現は、本発明の限定されない実施例として提供される。
酵母株AB122、JSC310、およびAD2(Chiron Corporation)を、酢酸リチウムプロトコルを用いて、適切なMEFA発現プラスミド(例えばpMEFA−6)で形質転換した。Ura形質転換体を単一のコロニーについてストリークし、プラスミドコピー数を増加するためにLeu/8%グルコースプレートにパッチした。Leu開始培養物を、24時間30℃で増殖させ、次いでYEPD(酵母抽出物バクトペプトングルコース)培地で1:20に希釈した。細胞を48時間30℃で増殖させ、そして回収した。MEFA−6組換え抗原の発現を試験するために、細胞のアリコート(0.5 OD単位等価)を、50mM DTTを含むSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)ゲル電気泳動サンプル緩衝液(例えば、Lammli緩衝液)中で煮沸し、細胞混合物のタンパク質成分を、Tris−グリシンポリアクリルアミドゲル上でゲル電気泳動により分離した。MEFA−6は、不溶性ペレット画分中に非常に富んでいた。
酵母中のMEFAタンパク質の精製
以下の手順は、特定のMEFA、MEFA−6の精製を記載する。技術および条件は、本発明を限定する意図はない。なぜなら、当業者は、本発明の別のMEFAの精製のための条件を調整する必要があることを見いだし得るからである。他に示さない限り、MEFAの精製は約0℃で処理される。
MEFA−6を、S.cerevisiae中で発現させ、細胞を上記のように回収した。細胞を、溶解緩衝液(50mM Tris、0.15M NaCl、1mM EDTA、1mM PMSF、pH8.0)中に懸濁し、そしてDyno−Mill(Wab Willy A. Bachofon, Basel, Switzerland)またはガラスビーズを用いる同等の装置で溶解した。溶解物を、低速度条件(3,000〜5,000rpm、15分間)で遠心分離し、そして不溶性タンパク質画分を含むペレットを、溶解緩衝液中の尿素濃度(1M、2M、3M)を増加させて洗浄した。タンパク質を、溶解緩衝液中0.1N NaOH、4M尿素で遠心分離ペレットから可溶化した。細胞片を、低速度遠心分離(3,000から5,000rpm、15分間)により除去した。上清を、6N HClでpH8.0に調整し、これらの条件下で不溶性のタンパク質を沈殿させた。
沈殿物を遠心分離によって除去し、上清を2.3% SDS、50mM DTT(pH8.0)に調整し、そして3分間煮沸した。混合物中のタンパク質を、0.1% SDS、1mM EDTAを含み、そしてpH7.4に調整したリン酸緩衝化生理食塩水において、Pharmacia Sephacryl S−400上でゲル濾過により分画した。MEFA−6を含むカラム溶出画分を回収し、プールし、そしてAmicon YM−30膜で濃縮した。ゲル濾過を、プールした画分について同じカラムおよび条件を用いて繰り返した。
MEFAの抗原性の評価
本発明のキメラ抗原の抗原性を評価するために、MEFA−3のエピトープを、特定の個々のエピトープに対して惹起したポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体に暴露した。精製した組換え複数エピトープ融合抗原(MEFA)を、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)において至適なコーティング濃度に希釈し、Immulon Iプレート(Dynatech)上にコートした。コア、NS3(c33c)、NS4(c100および5−1−1)、NS5に対するモノクローナル抗体ならびにウサギ由来のポリクローナル抗血清抗E1およびE2を、標準的な技術(BIOS−Chile、Maraton 1943,Santiago,Chile)により調製し、そしてプレート上でサンプル希釈液で200倍に希釈し、37℃で1時間インキュベートし、そしてプレート洗浄緩衝液(PBS、0.075% Tween−20、pH7.2)で洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合したヤギ抗マウスF(ab’)またはアフィニティ精製ヤギ抗ウサギIgGのいずれかの重鎖および軽鎖特異的抗体(抗マウス結合物に対して1:5000希釈;抗ウサギ結合物に対して1:10,000希釈)を、各アッセイウェル に添加した。このプレートを、37℃で1時間インキュベートし、そして洗浄した。o−フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)および過酸化水素を、西洋ワサビペルオキシダーゼ反応呈色物(HRPO)として添加した。光学密度の読みを、492nm/620nmでプレートリーダーを用いて測定した。
結果は、設計されたMEFA内のすべての抗原エピトープが、本発明のすべてのMEFAに対する特異的HCV抗体により容易に検出されたことを示した。例えば、表3は、個々のエピトープ、ならびにHCV特異的エピトープのモノクローナル抗体に対するキメラ抗原(MEFA−3)の免疫反応性についてのデータを提供する。表3に示すように、MEFA−3のコア、c33c、c100、5−1−1およびNS5エピトープは、HCV特異的抗体と免疫反応性であった。表4は、MEFA−5およびMEFA−6のエピトープc33c、c22、5−1−1、c100、NS5、E1およびE2がHCV特異的抗体と免疫反応性であることを示す。
(表3 MEFA−3抗原のHCV特異的エピトープ:抗HCVモノクローナル抗体による評価)
Figure 2007127671
(表4 MEFA−5およびMEFA−6内のHCVエピトープ曝露)
Figure 2007127671
R=反応
NR=反応せず。
阻害アッセイ:ペプチド阻害アッセイを、MEFA抗原上の抗原型特異的エピトープが、血清中のHCVタイプ特異的抗体を検出するかどうかを試験するために行った。アッセイは、溶液中のMEFAが血清HCVタイプ特異的抗体に結合し、それにより抗原型特異的ペプチドが固相支持体上の抗原性種である連続するELISA反応を阻害する程度を評価した。図4は、固相支持体結合抗原への結合が酵素触媒加水分解により検出される、標準ELISA手順の模式図である。
阻害アッセイを、複数の抗原ELISAにより行った。組換えHCV抗原を、Chienら(1992)PNAS 89:10011−10015に記載されたように調製した。c22(119アミノ酸)、E1(130アミノ酸)、NS5(942アミノ酸)、およびキメラC25(858アミノ酸)抗原を、ヒトスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とのC末端融合物として、c100−3(363アミノ酸)抗原の生成について以前に記載された方法(Kuo,Gら(1989) Science 244:362−364、参考として本明細書中に引用されている;およびCousens,L.S.ら(1987)、Gene 61:265−275、参考として本明細書中に引用されている)を用いて、酵母S. cerevisiae内の内部抗原として発現した。c33c抗原(363アミノ酸)を、5−1−1抗原の合成について記載された方法(Choo,O.−L.ら(1989)Science 244:359−362、(本明細書中に参考として引用される))によりE.coli中に内部SOD融合ポリペプチドとして発現した。組換えHCV抗原を、Chien,D.Y.ら((1989)PNAS 89:10011−10015、前出、本明細書中に参考として引用されている)に記載されたように精製した。
阻害アッセイを行う前に、患者サンプル希釈ブレーキングポイントを決定した(表5)。患者サンプルを、系列希釈し、そして固相支持体上に別々に固相化された組換えc22、c33c、c100およびNS−5抗原に対する反応性について試験した(例えば、Van der Poel,C.Lら、(1991) Lancet 337:317−319を参照のこと(本明細書中に参考として引用される))。希釈ブレーキングポイントは、結合がなお検出可能である最大希釈であった。連続する阻害アッセイにおける至適な検出のために、患者サンプルは、表5に示されるように、希釈ブレーキングポイント希釈より低い希釈であった。
(表5 患者サンプルMEFA−3抗原エピトープについての検出限界決定)
Figure 2007127671
NR=反応せず
ND=試験せず。
一般に、阻害アッセイを以下の手順により行った。組換えHCV抗原および変性SOD(コントロール)をリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)で至適な濃度に希釈し、そしてImmulon Iプレート(Dynatech)上にコートした。30%牛胎児血清(FCS)または30%FCS中に溶解されたMEFA−3ペプチド(示されたようにアッセイあたり5または10μg)のいずれかの200μlアリコートを、5μlの希釈血清または血漿試料とプレート上で混合した。サンプルを37℃で1時間インキュベートし、そしてプレート洗浄緩衝液で洗浄した。125Iまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のいずれかに結合したポリクローナルヤギ抗ヒトIgG(重鎖および軽鎖特異的)抗体を各ウェルに加えた。プレートを37℃で1時間インキュベートし、次いで洗浄した。o−フェニレンジアミン二塩酸塩および過酸化水素を、HRP呈色剤として加えた。結果を、492nm/620nm(ELISA)でプレートリーダーを用いて読んだ。SOD、C25、c22、E1、E2、c33cおよびNS5領域由来の抗原についてのELISAカットオフOD値は、各アッセイに含まれる3つの陰性コントロール血清の0.40+平均ODであった。コントロールSOD抗原が反応性であった場合、それによりサンプルは非反応性または不確定であると考えられた。結合阻害の割合を以下の式により計算した:100×(加えたMEFA抗原を含まない患者サンプルについてのA492nm)−(加えたMEFA抗原を含む患者サンプルについてのA492nm)/(加えたMEFA抗原を含まない患者サンプルについてのA492nm)。加えたMEFA−3により引き起こされたタイプ特異的ペプチドに対する結合阻害%は、患者サンプルの抗HCV抗体を結合するMEFA−3内のエピトープの能力を示す(表6を参照のこと)。
(表6 MEFA-3の特定のエピトープによる結合阻害)
Figure 2007127671
抗HCVタイプ1および抗HCVタイプ2抗体と相互作用するMEFA−3の能力を、MEFA ELISAプロトコルを用いる阻害研究により証明した。HCVタイプ1a、1b、2aおよび2b 5−1−1領域由来の個々の合成ペプチドを、別々の固相支持体上に固相化した。タイプ特異的患者抗体に結合する5−1−1領域由来の合成ペプチドの能力を、加えたMEFA−3との競合により測定した。表7の結果は、MEFA−3が、個々のタイプ特異的エピトープ(5−1−1領域由来のアミノ酸1689−1718)へのHCV 1a、1b、2aおよび2bの結合を阻害することを示す。MEFAのHCVの2つの異なる株に対する抗体を結合する能力は、MEFA−3、MEFA−5およびMEFA−6と同じであった。
(表7 HCVタイプ特異性:HCVタイプ1および2に対する抗体と相互作用するMEFA−3 5−1−1エピトープ)
Figure 2007127671
実施例2:抗原としてMEFAを使用するELISAの感度
希釈感度の比較を、MEFA ELISA(MEFA−3)とC25 ELISAとの間で行った。HCVポリタンパク質C−25(c33c−c100−3−c22)およびアッセイ手順は、1×リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(pH7.0〜7.2)のコーティング緩衝液を使用する、Chien,D.Y.ら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89:10011−10015(前出)に記載された通りであった。抗原をImmulon Iプレートマイクロリットルウェルの表面に、1ウェルあたり100 ngの抗原および5μg/mlのBSAでコーティングした。サンプルサイズは、1アッセイあたり5μlであった。西洋ワサビペルオキシダーゼに結合したヤギ抗ヒトIgG(重鎖および軽鎖特異的)抗体は、MEFA−3アッセイについては1:60,000に、そしてC25アッセイについては1:40,000に希釈した。表8の結果は、C25 ELISAが反応を示さなかった希釈率で、MEFA−3 ELISAを用いて血清抗体が検出可能であることを示す。MEFA−3、−5、および−6 CLIAの感度を、互いにそしてC25 ELISAと比較した。表9の結果は、MEFA−5およびMEFA−6 CLIAは、MEFA−3 CLIAより優れた感度を提供し、一方、MEFA−3 CLIAは、C25 ELISAより感度が高かったことを示す。
(表8 希釈感度:MEFA ELISAとC−25 ELISAとの間の比較研究)
Figure 2007127671
(+/−)=カットオフ値に近いOD
NR=非反応性
C−25 ELISAは2G(第2世代)HCV ELISAに等しい。
(表9 MEFA−3対MEFA−5対MEFA−6対c25の希釈感度)
Figure 2007127671
S/CO=感度(OD)/カットオフ(OD)。
セロコンバージョン感度アッセイは、感染に応答した力価の増加として病原体特異的抗体を検出する方法の感度を測定する。一人のHCV感染患者からの血液サンプルについて、C25 ELISAと比較したMEFA−3 ELISAの経時的感度を、表8に示す。MEFA−3は、感染後の早い時期にC25 ELISAよりも高い感度で抗体を検出した。
現存する市販のアッセイに対するMEFAを使用する化学発光イムノアッセイの感度および簡便性
トレーサーとしてのMEFA
MEFA−6組換え抗原を使用して、Chiba Corning ACS−NGシステム(Fモデル)上で、手動化学発光イムノアッセイ(CLIA)ならびに自動CLIAを設計した。
HCV r−Ag−DMAE CLIA(HCV組換え抗原−ジメチルアクリジニウムエステル化学発光イムノアッセイ)と称されるCLIAを開発した(図5)。ポリペプチドまたは合成ペプチド抗原を、DMAEに共有結合した反応性部分とのアミノ酸側鎖(例えば、リジン側鎖またはシステインチオール)の反応によって、DMAEで標識した(WO 95/27702、1995年10月19日公開、Chiba Corning Diagnostics Corp.を参照のこと)。本明細書中に記載のHCV MEFAを、リジン側鎖のアミノ基とChiba Corningから入手したNSP−DMAE−NHS(2’,6’−ジメチル−4’−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)フェニル10−(3’−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート)との反応によって標識した。アミノ酸側鎖のチオールは、DMAE−ED−MCCまたはNSP−DMAE−PEG−BrAc(Chiba Corning)を使用して標識し得る。標識手順は、一般的に、WO 95/27702(前出)に、最適な検出および抗原性を提供するために各抗原に必要な種々の条件とともに記載されている。他の検出可能なマーカー(例えば、蛍光化合物、ローダミン化合物、抗体、抗原、酵素など)が、本発明において有用であるということが理解される。任意のマーカーでの標識を、MEFAまたは他のエピトープの最適な検出および抗原性が得られる条件下で行う。
DMAEがアッセイにおいて検出可能なマーカーである場合、得られるHCV r−Ag−DMAE結合体はトレーサーであり、DMAEは、NaOH/Hと反応した場合に発光によって検出可能である。特定のMEFA(例えば、MEFA−6)をアッセイに使用した場合、そのアッセイをMEFA−6−DMAE CLIAと称した。
手動アッセイ。本明細書中に開示された研究に使用された手動HCV r−Ag−DMAE CLIAプロトコルを、最初に説明する。Magic Lite Analyzer System II(MLA II)を、手動アッセイに使用した。容量、濃度、時間、および温度のようなパラメーターは、ガイダンスのために提供される。抗体検出を得るためのこれらのパラメーターの変化は、本発明の範囲内である。試験サンプルの2〜10μlのアリコートを、対応するチューブに添加した。試験サンプルは、抗HCV抗体を含む生物学的液体(例えば、血漿または血清)が好ましい。各チューブに、50μlの水を添加し、続いて100μlのビオチン化組換え抗原、合成ペプチド、またはDMAEとポリペプチドとの直接結合体(例えば、MEFA−6−DMAE、c33c−DMAE、c−200−DMAE、およびc22−DMAE)を添加する。抗原を、リガンド試薬(LR)希釈剤で、約0.1μg/アッセイ〜1μg/アッセイの濃度に希釈した。好ましくは、所定量のリガンド試薬を各サンプルに添加し、約25×10光単位当量(相対光単位、RLU)が、アッセイ毎に存在するようにした。光単位当量のこの概量は、1つのリガンドまたは複数のリガンドの添加について好ましかった。LR希釈剤は、Tris緩衝液(pH8.0)、150mM NaCl、1.0% BSA、0.1% Tween−20、0.09% NaN、1mM EDTAを含んでいた。抗ヒトIgG Fcに付着するPMP(常磁性粒子)の100〜150μlアリコートを、約60μg/アッセイの最終濃度で、各チューブに添加した。好ましくは、常磁性粒子は、直径約10μm未満であった。抗IgGFc−PMP粒子を、Tris緩衝液(pH8.0)、150mM NaCl、2.75%BSA、0.1%カゼイン、0.1%Tween−20、0.1%イーストエキストラクト、0.25% E.coliエキストラクト、0.005% SOD、0.09% NaN、1mM EDTAを含む希釈剤で希釈した。完全な混合を確実にするために、チューブを、Vortexミキサーで、各回につき5〜10秒で6回振盪した。サンプルチューブを、37℃で18分間インキュベートした。サンプルチューブを、3分間(PMP粒子の沈殿に十分な時間)磁石上に置いた。サンプルを、磁石を用いてデカンテーションし、PMP粒子を維持した。PMP粒子を、1mlのPBS中でボルテックスして2回洗浄した。洗浄液は、PBS、0.1% Tween−20、0.09% NaN、1mM EDTAであった。混合、インキュベート、沈殿、デカンテーションの工程を、少なくとも一回反復し得る。各チューブに100μlの水を添加し、PMP粒子を再懸濁した。次いで、チューブをMLA−II機器に置き、そして発光を2秒間測定した。
手動MEFA−6−DMAE CLIA法は、MEFA−6 ELISAと比較して増強された検出感度を提供した。8希釈感度パネルの研究に続いて、MEFA−6−DMAE CLIAが、8パネルのうちの6つにおいて、ELISAより良好な希釈感度を示すことが見出された。
重要なことに、MEFA−6−DMAE CLIA法は、試験した慢性感染HCV患者からの全てのサンプルにおいてHCV抗体の存在を検出した。例えば、29の慢性C型肝炎感染個体のうち、26がC25 ELISAを用いて陽性であったが、29全てが本発明のMEFA−6−DMAE CLIAを用いて陽性であった。さらに、偽陽性結果は、MEFA−6−DMAE CLIAによる200のランダムなサンプルの試験では認められなかった。CLIA法の他の利点は、共分散が10%未満のアッセイ間およびアッセイ内精度である。さらに、CLIAは、ELISAに比べて、より広範な応答範囲および改善された直線性を有する。
自動化アッセイ。以下のプロトコルを有する自動化MEFA−DMAEアッセイもまた、使用した。Fモデル自動化分析装置を、アッセイのために使用した。10μlのサンプル(例えば、ヒト抗HCV抗体を含む生物学的液体)を、各サンプルチューブに添加した。次いで、自動化サンプラーが、各サンプルチューブに、以下のものを同時に分配した:100μlのHCV r−Ag−DMAE結合体(1試験あたり合計約25×10光単位当量を有する)および常磁性粒子に付着させた150μlの抗ヒトIgGFc(1アッセイあたり60μgのIgGFc)および40μlの水バッキング(water backing)。リガンド希釈剤およびIgG−PMP希釈剤は、上記の手動アッセイのものであった。ボルテックスによる混合を必要としなかった。サンプルを、加熱ブロック上で、37℃まで18分間加熱した。血清サンプル中に存在するHCV抗体に結合した抗ヒトIgG FC PMP粒子を、0.1% Tween−20、0.09% NaN、1mM EDTAを含むPBSの洗浄緩衝液中に再懸濁して、3回洗浄した。磁石を使用してPMP粒子を維持する一方、サンプル上清を吸引した。粒子を、500μlの洗浄緩衝液に再懸濁した。自動化法を使用すると、混合、インキュベート、沈殿、およびデカンテーション工程を繰り返す必要がなく、このことが、HCV r−Ag−DMAE CLIAアッセイを現存する市販のアッセイと比較して、効率的(20分対40分)で、感度よく、正確にした。
MEFA−6−DMAE CLIAおよびMEFA−6−DMAE+c33c−DMAE CLIAは、複数抗原HCV 2.0G ELISAテスト(Chiron Corp.,Emeryville,CA)(別々の組換えペプチドc100−3、c22−3、およびc200(c100−3に連結したc33c)を含む)と比較した場合、より良好であるかまたは等しい感度および特異性を有した(図7を参照のこと)。さらに、本発明のアッセイ法は、実施するのが容易である。なぜなら、1つの簡単な組換え捕獲抗原を用いる、単一の機器での1工程同時アッセイであるからである。本発明のさらなる実施態様によれば、さらなるエピトープは、構造エピトープCHO E1またはCHO E2(チャイニーズハムスター卵巣細胞から発現されるHCVエピトープE1またはE2)のようなMEFAの異なるエピトープで有り得、そして上記の実施例のさらなるエピトープc33cのために記載されるような検出可能なマーカーで標識され得る。HCVからのこのような構造エピトープおよびそれらを含むイムノアッセイは、WO 96/04301、WO 94/01778、WO 95/33053、WO 92/08734(前出)に記載される。
セロコンバージョン感度
MEFA−6キメラ抗原のセロコンバージョン感度もまた、CLIA(検出可能なマーカーとしてDMAE)によって決定し、そして市販のELISA法と比較した。抗原としてMEFA−6−DMAE単独を用いることに加えて、MEFA−6−DMAE+c33c−DMAEの混合物を、本発明の別の実施態様として、セロコンバージョン感度について試験した。血液サンプルを、慢性感染HCV患者から経時的に得て、上記の手順を用いてCLIAによって試験し、そしてOrtho 3.0 EIA(ELISA)(表10のみ)およびAbbott 2.0 ELISA(図8および表10を参照のこと)の性能と比較した。感度を、(アッセイサンプルの光学密度)/(光学密度単位アッセイ検出カットオフ)(S/CO)として報告した。
これらのサンプルにおけるHCV抗体の検出もまた、市販のストリップイムノブロットアッセイ(RIBA(登録商標)3.0 Chiron Corporation)によって実施した。このアッセイは、HCV抗体検出のための確認試験として臨床的に使用される。RIBA(登録商標)法によれば、組換えHCV抗原は、ゲル電気泳動によって分離され、そして患者血清と接触させられる。分離した抗原との反応性は、二次標識抗体を用いるイムノブロットアッセイによって実施される(Eheling,Fら (1991) Lancet 337:912−913)。
図8および表10中の比較の結果は、MEFA−6−DMAE+c33c−DMAEアッセイが、HCV抗体を、より早期の採血日により高い感度で検出可能であったことを示す。MEFA−6−DMAEおよびMEFA−6−DMAE+c33c−DMAEアッセイは、より早期の採血時期で、市販のアッセイまたは確認RIBA(登録商標)テストのいずれよりも、高感度であった。
本発明のMEFA CLIA法を、商業的供給元からのELISAと比較し、MEFA CLIAが真の陽性および真の陰性サンプルを確実に検出することを確認した。図9の結果は、本発明のMEFA CLIAを用いるHCV抗体検出は、商業的に使用されるHCV Second Generation ELISA(Abbott Laboratories)の抗体検出と密接に相関することを示す。サンプルが、市販のアッセイによってHCV抗体について陽性と、そしてMEFA CLIAによって陰性とアッセイされた場合、このサンプルは、確認RIBA(登録商標)テストによって陰性(非反応性)であることがわかった。このことは、本発明のMEFA CLIAの正確性をさらに支持する。
(表10 セロコンバージョン感度)
Figure 2007127671
セロコンバージョンパネルID:Boston Biomedical,Inc.抗HCVセロコンバージョンパネル(PHV902)。
HCV抗体の検出の正確性を、MEFA−6−DMAE CLIAを用いてさらに実証した(図10を参照のこと)。献血センターからの200のランダムな陰性サンプルおよび42の既知のHCV陽性サンプルを、上記のMEFA−DMAE CLIAプロトコルを用いて試験した。図10に示すように、陰性サンプルを試験した場合、偽陽性は見出されず、そして既知の陽性サンプルを試験した場合、陰性結果は得られなかった。
ビオチン化MEFA
MEFAを検出可能なマーカーとしてのビオチンに付着させ、そしてビオチン−ストレプトアビジン−DMAE連結を介してDMAEに間接的に付着させた、化学発光イムノアッセイ(CLIA)を開発した。この方法に従って、上記の抗ヒトIgGFc−PMP粒子を、ヒト抗HCV抗体を含む生物学的液体と接触させた。ヒト抗体を、抗ヒトIgGFc−PMP粒子に結合させ、そしてMEFA−ビオチンを、ヒトHCV抗体に結合させた。次いで、ストレプトアビジン−DMAE結合体を、MEFA−ビオチンに結合させた。約25×10光単位当量のストレプトアビジン−DMAEを、各試験サンプルに添加した。未結合物質を、サンプルから洗浄し、そしてNaOH/HとのPMP粒子結合DMAEの反応により発せられた光を、2秒間測定した。
このMEFA CLIA法では、本明細書中にまた記載されるMEFA−DMAE CLIAとは、MEFA−DMAE CLIAが、MEFAに直接付着したDMAEトレーサー分子を有するが、ビオチン化MEFA CLIAは、DMAEトレーサー分子を抗HCV/MEFA複合体に結合させるために、さらなるビオチン/ストレプトアビジン連結を含む点で異なる。アッセイ手順の概略図を、図6に提供する。
MEFAがビオチンに付着されているCLIAを、上記のMEFA−DMAE CLIAについての記載のように自動化し得る。これらの状況の下で、ストレプトアビジン−DMAEを、結合および検出のためにサンプルに添加する。約25×10光単位当量のストレプトアビジン−DMAE結合体を、試験混合物に好ましく添加した。
本発明は示されており、そして本明細書中に記載されており、そして最も実用的で好適な実施態様であると考えられた。しかし、本発明の範囲内にあるこの実施態様からの変更がなされ得、そして自明な改変が本開示を読むことで当業者に思い浮かぶことが認識される。
図1は、MEFA−3、MEFA−5、およびMEFA−6抗原における、エピトープの同定(アミノ酸)および配置を示す模式図である。 図2は、MEFA−5抗原エピトープおよびそれらのHCVゲノム内の配置を示す模式図である。pmefa−5(MEFA−5の発現ベクター)の略図もまた提供される。 図3は、MEFA−6抗原エピトープおよびそれらのHCVゲノム内の配置を示す模式図である。pmefa−6(MEFA−6の発現ベクター)の略図もまた提供される。 図4は、MEFAが固相支持体の表面上に吸着されている酵素結合免疫吸着イムノアッセイ(ELISA)の模式図である。 図5は、MEFAが検出可能マーカー分子DMAEに接着している、化学発光による抗HCV抗体の検出のための抗体捕捉形式の模式図である。MEFA(MEFA−6)およびさらなるエピトープ(c33c)がアッセイの抗原である形式も示す。 図6は、抗原(MEFA)が、DMAEで標識されたストレプトアビジンを結合するビオチン(B)に接着している、ヒト抗病原体抗体を化学発光により検出するための抗体捕捉形式の模式図である。 図7は、MEFA−6−DMAEおよびMEFA−6−DMAE+c33c−DMAEの希釈感度を、市販のELISAであるHCV 2.0G(第二世代)ELISAの希釈感度と比較するプロットである。 図8は、市販のELISA(Abbott Laboratories)、MEFA−6、MEFA−6+c33c、およびRIBA(登録商標) 3.0のセロコンバージョン感度を比較するプロットである。サンプルは時間が経つにつれて(採血日)慢性的に感染した患者から得られた。 図9は、HCV第二世代ELISAによるサンプル中のHCV抗体検出(陽性または陰性)と、MEFA化学発光イムノアッセイ(CLIA)による検出との相関図である。 図10は、本発明のMEFA−6−DMAE CLIAの正確さを例示するチャートである。すべての既知の陰性サンプルは、カットオフ値を下回る相対光単位(relative light unit)(RLU)を示す一方、既知の陽性サンプルはカットオフ値を十分上回るRLUを示した。

Claims (2)

  1. 1.一般構造式(I)を有する複数コピーエピトープ配列を用いてHCVを診断する方法:
    (A)x−(B)y−(C)z (I)
    ここで、(I)は直鎖状アミノ酸配列であり;
    Bは、少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であって、該アミノ酸は、生物の天然に存在する抗原決定基に対応し;
    AおよびCは、各々Bおよび互いと異なるアミノ酸配列であり、各々独立して少なくとも5で1,000より多くないアミノ酸を含有するアミノ酸配列であり、該アミノ酸は天然ではBに隣接しない抗原決定基を示し;
    yは2以上の整数であり;そして
    xおよびzは各々独立して整数であり、ここでx+zは1以上である。
  2. 実施例に記載されるHCVの診断方法。
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