JP2007127445A - エタロン装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対向配置された一対の平行平板1,2と、一対の平行平板1,2をそれぞれ別々に保持する一対のホルダ部3,4と、一対のホルダ部3,4の外側に設けられたハウジング部7とを備え、一対のホルダ部3,4の少なくとも一方(ここではホルダ部3,4)が、その内周部に、対応する平行平板が当接する受け部(ここでは受け部3a,4a)を有するとともに、傾斜面(ここでは球面部1c)を、受け部3a,4a及び平行平板1,2の少なくとも一方(ここでは平行平板1)に設けている。傾斜面1cは、平行平板1の外周部に形成されている。
【選択図】図1
Description
図15に示すように、この種の従来のエタロン装置では、平行平板51,52が、エタロンとして使用される。平行平板51,52は、その外形が円筒円盤状に形成されている。また、平行平板51,52は、ホルダ53,54に設けられた凹部53a,54aに、接着剤等により固定されている。そして、平行平板51,52の光学面を向かい合わせた状態で、1組(固定側エタロン51、移動側エタロン52)の部組品が、ボディ57を介して位置決めされている。また、ボディ57内には、圧電素子56が組み込まれている。そして、この圧電素子56を介して、移動側エタロン52のホルダ54を押圧移動させている。このようにすることで、平行平板51,52の向かい合う面の間隔を可変させる構造となっている。
・「平行平板自体の表裏面の平行度」の誤差
・「ホルダの凹部の加工精度」(平行平板が載置される面のホルダの軸方向に対する直角度)
・「接着剤層の厚みのバラツキ」
等の理由により、平行平板の対向する面同士が、厳密には平行にならずに多少の傾きを生じ易い。
特許文献1等に記載の従来のエタロン装置では、その組立時にエタロン(すなわち平行平板51,52)を、ホルダの凹部53a,54aに落とし込んで取り付ける構成となっている。
このため、平行平板51,52の対向する面同士の平行度を調整して、エタロン装置を組立てることができなかった。その結果、例えば、図16に示すように、平行平板51,52の対向する面同士が相当量の傾きαをもって、2つの平行平板が組立てられてしまうことがあった。
そこで、平行平板51,52の対向する面同士の傾き(平行度)を補正するために、特許文献1に記載のエタロン装置では圧電素子56を用いている。この圧電素子56は、本来は平行平板51,52の対向する面の間隔を可変させるためのものである。しかしながら、ここでは、圧電素子56は、平行平板51,52の対向する面同士の傾きの補正にも使われる。すなわち、平行状態からのずれ分だけ反対方向に、ホルダ54ごと平行平板52(すなわち移動側エタロン)を傾かせるために、圧電素子56を用いている。
本発明のエタロン装置は、対向配置された一対の平行平板と、一対のホルダ部とを有している。一対のホルダ部は、一対の平行平板のそれぞれの外周部を、それぞれ別々に保持する。そして、一対のホルダ部の少なくとも一方は、その内周部に、平行平板(このホルダ部に載置される平行平板)が当接する受け部を有する。そして、傾斜面が、平行平板と受け部(ホルダ部)の少なくとも一方に設けられている。
一方、固定側部組は、受け部を有する場合と有しない場合ある。更に、固定側部組は、傾斜面を有する場合と有さない場合がある。固定側部組では、どの場合であっても、エタロン装置の組立て開始時に、平行平板がホルダ部に対して固定されている。
図1は本発明の実施例1にかかるエタロン装置の組立途中の所定状態を示す断面図である。図2は図1のエタロン装置の組立において平行平板の向かい合う面同士を密着させた状態を示す断面図である。
平行平板1,2は、それぞれ薄板円盤形状に形成されていて、互いに対向して配置されている。平行平板1は、平行平板2と向かい合う面1aと、反対側の面1bを備えている。また、もう一方の平行平板2は、平行平板1と向かい合う面2aと、反対側の面2bを備えている。
ホルダ3,4は円筒形状をしており、それぞれ軸方向に、貫通した孔が中心部に形成されている。また、ホルダ3,4には、凹部3a,4aが設けられている。この凹部3a,4aは受け部であって、平行平板1,2を、それぞれ別々に保持するために設けられている。また、凹部3a,4aには、平行平板1の面1b(後述の球面部1cを含む),平行平板2の面2bが当接可能なように、それぞれ、底面3a1,4a1が平面に形成されている。更に、底面3a1,4a1の一端には、エッジ3a2,4a2が形成されている。また、底面3a1,4a1の他端は側面3a3,4a3と接している。
ここで、凹部3aの内径(内周面の直径)は、平行平板1の外径よりも大きくなっている。その差によって形成される空間の大きさは、平行平板1が所定の範囲でチルトできる程度の大きさである。また、凹部4aの内径(内周面の直径)は、平行平板2の外径よりも僅かに大きくなっている。その差によって形成される空間の大きさは、接着剤を充填できる程度の大きさである。
ここで、ハウジング7の内径、すなわち嵌合孔7bの直径は、ホルダ3,4の外径(外周面の直径)と略一致している。よって、ホルダ3,4は、嵌合によってハウジング7内に保持される。また、孔5aの直径は、ホルダ4の内径(内周面の直径)よりも小さい。よって、ホルダ4の端面4bとプレート5の内側面5bが当接する状態で、ホルダとプレート5が接する。これにより、ハウジング7は、一端部の内側に、ホルダ4を、固定した状態に保持している。また、ハウジング7は、他端部の内側に、ホルダ3を、中心軸Xに沿う方向に摺動可能に保持している。なお、中心軸Xは、ホルダ3、4やハウジング7の中心軸でもある。
ここで、平行平板2の載置は、従来と同様に、凹部4aに平行平板2を落とし込むことで行われる。そのため、反対側の面2bが底面4a1に面接触した状態で載置される場合もあれば、面接触しない状態で載置される場合もある。前者の場合が理想的な状態で、この場合、平行平板2の面2aの法線と中心軸Xは平行になる。一方、後者の場合は理想的ではない状態で、平行平板2の面2aの法線と中心軸Xは非平行になる。本実施例では、後者の状態で、平行平板2が載置されるものとする。
まず、ホルダ4の凹部4aに、平行平板2を載置する。このとき、面2aの法線は、中心軸Xと非平行になっている。この状態のままで、平行平板2とホルダ4の凹部4aとの隙間に接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させる。これにより、平行平板2がホルダ4に固定される。なお、ここでは、ホルダ4と平行平板2の組を部組と呼ぶ。この時点では、平行平板2がホルダ4に固定されている。本実施例では、この部組を固定側部組と呼ぶ。
これにより、本実施例におけるエタロン装置の組立調整が終了する。以後は、エタロン装置として、所望の面間隔となるように、調整側部組を移動させて使用する。
実施例2は、以下の点で、実施例1と相違している。
・面間隔可変手段としての圧電素子部6(6a,6b,6c)を備えている点。
・平行平板2が、面接触した状態でホルダ4に載置されている点。
・面接触及びハウジングの内面形状に段差がある点。
また、平行平板2は、ホルダ4の底面4a1に面接触した状態で、ホルダ4に載置されている。よって、本実施例では、平行平板2の面2aの法線と中心軸Xは平行(一致)している。
まず、圧電素子6a,6b,6cの他端面6a2,6b2,6c2に、接着剤を塗布する。そして、ホルダ4の端面4bに、圧電素子6a,6b,6cを接着固定する。その際、圧電素子6a,6b,6cが等間隔に配置されるようにする。
次に、ホルダ4と圧電素子6a,6b,6cとの部組品を、プレート5に接着固定する。これにより、圧電素子6a,6b,6cが孔5aの周囲に等間隔に配置される。この時点で、平行平板2がホルダ4に固定される。本実施例では、この部組を固定側部組と呼ぶ。他の部品の組立ては、実施例1で述べたのとほぼ同じである。
圧電素子6a,6b,6cを駆動(伸長)させて、図3に示すように固定側部組を下側方向へ移動させておく。
次に、ホルダ3に対し下方から押圧力を与える。これにより、ホルダ3を、嵌合孔7b’にガイドされた状態で上方向に摺動させる。ホルダ3を上方向へ摺動させ続けていくと、平行平板1は、平行平板2に対して接触する。更にホルダ3を上方向へ摺動させると、平行平板1は、平行平板2を介して、中心軸Xに沿う方向(即ち、摺動方向に沿う方向)からの押圧力を受ける。すると、エッジ3a2を、球面部1cが滑るように移動する。すなわち、平行平板1は、球面部1cを介して、3a1のエッジ3a2に当接しながらチルト動作する。更に、ホルダ3を上方向へ摺動させ続けていくと、所定の時点で平行平板1と平行平板2は、互いの面1a,2aが密着した状態になる。これにより、調整側部組の平行平板1は、固定側部組の平行平板2に対して平行度が高精度に調整された状態になる。
これにより、本実施例におけるエタロン装置の組立調整が終了する。以後は、必要に応じて圧電素子6a,6b,6cを介して所望の面間隔へ可変させて、使用する。
なお、実施例1の構成においても、ホルダ3側に圧電素子部6を設ければ、面の間隔を可変させることができる。
図5(a),(b)は、上記各実施例における可動部組の平行平板とホルダの変形例を示す要部断面図である。
図5(a)の変形例のように、ホルダ3の凹部3aに傾斜部を形成して構成しても、平行平板1をチルト可能にすることができる。すなわち、平行平板1は、平行平板2を介して、ホルダ3,4の中心軸を結ぶ方向(即ち、摺動方向に沿う方向)からの押圧力を受ける。そのとき、平行平板1の面1bのエッジが、ホルダ3の凹部3a、すなわち凹R形状の部分に当接しながら(滑りながら)移動する。その結果、平行平板1がチルト動作する。これにより、可動部組の平行平板1は、固定部組の平行平板2に対して平行度が高精度に調整される。
また、図5(b)に示すように、平行平板1とホルダ3の凹部3aの両方に、傾斜部を形成してもよい。なお、上記実施例及び変形例では、傾斜部の形状は曲面であるが、平面、または平面と曲面の組み合わせでもよい。
まず、図8(a)に示すように、ハウジング7の内部に治具20を挿入する。この治具20は、ハウジング7に嵌合するように製作されている。また、治具20の一方の面は、凹部20aが設けられている。凹部20aは、平行平板2の有効径よりも大きくなるように形成されている。そして、凹部20aよりも外側の外縁部20bで平行平板2における有効径の外側部分と接触するようになっている。なお、治具20は、ハウジング7の内部において外縁部20bがハウジング7の一端面よりも他端面側に位置するようにしておく。このようにすると、平行平板2をハウジング7の内周面と治具20の外縁部20bとで保持できるようになる。次に、図8(b)に示すように、平行平板2をハウジング7の凹部20a側から挿入し、治具20の外縁部20b上に平行平板20を載置する。そして、図8(c)に示すように、治具20をさらにハウジング7の内部に移動させ、所定の位置で停止させる。その後、接着剤を塗布して、平行平板2をハウジング7に固定する。その後、治具20をハウジング7から取り出し、図7に示すようにプレート5をハウジング7に固定する。
図12は本発明のエタロン装置の内視鏡装置の対物光学系への一応用例を示す要部説明図である。
図12において、12は対物レンズ、13は本発明によるエタロン装置、14はCCD等の撮像素子を用いた検出器である。エタロン装置13は、実施例2で示したものを用いている。なお、図12では、説明の便宜上、エタロン装置の詳細な構成は省き、対向する一対の平行平板のみを示してある。
図12の内視鏡装置では、エタロン装置13を対物レンズ12を構成する光学系の明るさ絞りの位置近傍に配置している。
このようなエアギャップ可変式エタロンで、基板間の間隔(エアギャップ)を制御してピーク波長を走査すると、所望の波長街域を選択することができる。そこで、このエアギャップ可変式エタロン装置を用いてエアギャップ調整を行なえば、例えば、内視鏡装置において任意の波長帯域の像を検出することができる。
このように、波長帯域変換を必要とする光学装置に、上述したようなエアギャップが可変のエタロン装置を用いると、光学系全体を小型化でき、波長帯域変換速度を高速化でき、低消費電力化できる。
図13において、15は内視鏡のファイバーバンドルやファイバー11を、CCD等の撮像素子を用いた検出器14へ結像、又は集光する光学系である。エタロン装置13は、実施例2で示したものを用いている。なお、図13では、説明の便宜上、エタロン装置の詳細な構成は省き、対向する一対の平行平板のみを示してある。
図13の内視鏡装置では、エタロン装置13を結像光学系15を構成する光学系の明るさ絞りの位置近傍に配置している。
このようなエアギャップ可変式エタロンで、基板間の間隔(エアギャップ)を制御してピーク波長を走査すると、所望の波長領域を選択することができる。そこで、図12の応用例と同様に、図13の内視鏡装置においても、エアギャップ可変式エタロン装置を用いてエアギャップ調整を行なえば、例えば、バンドルファイバー内視鏡装置において任煮の波長帯域の像を検出することができる。
1a,1b,2a,2b 面
1c 球面部
3,4 ホルダ
3a,4a 凹部
3a1,4a1 底面
3a2,4a2 エッジ
3a3,4a3 側面
5 プレート
5a 孔
5b 内側面
6 圧電素子部
6a,6b,6c 面間隔可変手段(圧電素子)
6a1,6b1,6c1 一端面
6a2,6b2,6c2 他端面
7 ハウジング
7a 端面
7b,7b’ 嵌合孔
11 ファイバー
12 対物レンズ
13 エタロン装置
14 検出器
15 結像光学系
20 治具
20a 凹部
20b 外縁部
51,52 平行平板
53,54 ホルダ
53a,54a 凹部
56 圧電素子
57 ボディ
Claims (8)
- 対向配置された一対の平行平板と、
前記一対の平行平板をそれぞれ別々に保持する一対のホルダ部と、
前記一対のホルダ部の外側に設けられたハウジング部とを備え、
前記一対のホルダ部の少なくとも一方が、その内周部に、対応する前記平行平板が当接する受け部を有するとともに、傾斜面を、該受け部及び該平行平板の少なくとも一方に設けたことを特徴とするエタロン装置。 - 前記傾斜面が、前記平行平板の外周部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエタロン装置。
- 前記傾斜面が、前記受け部の所定の位置に形成され、
該所定の位置が、前記平行平板の外周部が当接する位置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエタロン装置。 - 前記傾斜面の面形状が、曲面であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエタロン装置。
- 前記傾斜面の面形状が、平面であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエタロン装置。
- 前記傾斜面の面形状が、平面と曲面を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエタロン装置。
- 更に、前記一対の平行平板の面間隔を可変させる間隔可変手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のエタロン装置。
- 一対の平行平板を対向配置し、
前記一対の平行平板のうちの一方を、チルト動作可能に仮保持し、
前記一対の平行平板のうちの他方を、固定した状態で保持し、
次いで、一方の前記平行平板と他方の前記平行平板とを互いに向かい合う面同士で当接させ、
次いで、一方の前記平行平板を固定させる工程を有することを特徴とするエタロン装置の製造方法。
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