JP2007127184A - ボールジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車のサスペンション等に使用されているボールジョイントのボールスタッドを保持するソケットとバーとの連結部に、従来のような溶接構造を採用することなく接合強度を確保し、鉄以外の材料も使用可能とすることによって軽量化を可能としたボールジョイントを提供する。
【解決手段】バー2とボールスタッド3の球状部4を保持するボールジョイントソケット5とを一体的にパイプ部材6から形成し、該パイプ部材6の端部付近に形成された拡径部7の内部にボールシート8が設けられると共に、該ボールシート8の内部にボールスタッド3の球状部4が揺動自在に挿着された状態でパイプ部材2の端部の開口部6aが縮径されたことによってボールスタッド3の球状部4が脱出しないように保持された構成を有する。
【選択図】図1
【解決手段】バー2とボールスタッド3の球状部4を保持するボールジョイントソケット5とを一体的にパイプ部材6から形成し、該パイプ部材6の端部付近に形成された拡径部7の内部にボールシート8が設けられると共に、該ボールシート8の内部にボールスタッド3の球状部4が揺動自在に挿着された状態でパイプ部材2の端部の開口部6aが縮径されたことによってボールスタッド3の球状部4が脱出しないように保持された構成を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車のサスペンション等に使用されるボールジョイントに関する。
自動車のサスペンション等に使用されている従来のボールジョイントとしては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この文献のボールジョイントは、図3に示すように、ボールジョイントソケット30に拡管(拡管部31)あるいは縮管(縮管部32)を施すと共に、縮管部32をラック軸34と接合し、拡管部31の内部にボールシート35を形成してボールスタッド36の球状部37を嵌入し、そのボールシート35の受圧面38をラック軸34の端面と対向させるように構成したものである。
ところが、このような構成においては、ボールジョイントソケット30の縮管部32とラック軸34とはネジ接合39によって結合されているため、接合強度の面で不十分であり、また加工に手間を要するものであった。
一方、本出願人が知り得た従来の技術として、図4に示すように、ボールジョイントソケット41とバー42とを溶接接合43によって結合することにより、接合強度を強化するようにした構造がある。即ち、図4に示すように、ボールジョイント40は、円柱形状のバー42の両端にボールスタッド44の球状部45を嵌装するためのソケット41が設けられ、このソケット41の底面部がバー42の端部に抵抗溶接(溶接部43)等によって溶接接合された構成を有するものである。また、ソケット41の開口部41aはボールスタッド44の球状部45の最大外径よりも小となるように構成され、ソケット41の内側にはボールスタッド44の球状部45を保持するためのボールシート47が固定された構成とされている。
特開昭62−159221号公報
ところで、上記のように、ソケット41の底面部とバー42とを接合するために抵抗溶接を用いると、これらのソケット41やバー42の材料はほぼ鉄材に限定されるため、アルミニウム等の軽量材料が使用できず、製品の軽量化を図ることが困難となっていた。なお、抵抗溶接のほかに、フリクション溶接やアーク溶接などの溶接方法もあるが、溶接時間が長く、極端に生産性が落ちるため、抵抗溶接以外は採用するのが難しいという実情があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、自動車のサスペンション等に使用されているボールジョイントのボールスタッドを保持するソケットとバーとの連結部に、従来のような溶接構造を採用することなく接合強度を確保し、鉄以外の材料も使用可能とすることによって軽量化を可能としたボールジョイントを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明における請求項1記載のボールジョイントは、バーとボールスタッドの球状部を保持するボールジョイントソケットとを一体的にパイプ部材から形成し、該パイプ部材の端部付近に形成された拡径部の内部にボールシートが設けられると共に、該ボールシートの内部に前記ボールスタッドの球状部が揺動自在に挿着された状態で前記パイプ部材の端部の開口部が縮径されたことによって前記ボールスタッドの球状部が脱出しないように保持されたことを特徴とする。
また、本発明における請求項2記載のボールジョイントは、請求項1において、前記ボールシートは前記パイプ部材の拡径部に至るテーパ部の内部形状に合わせた絞り形状を有し、該ボールシートの絞り形状を前記拡径部のテーパ部の内部に突き当てた状態にして前記パイプ部材の端部の開口部が縮径されたことによって該ボールシートが固定されるようにしたことを特徴とする。
本発明のボールジョイントによれば、バーとボールジョイントソケットとを一体的にパイプ部材から形成することができるため、従来のように溶接接合の必要がなく、従って、使用材料は鉄材に限定されず、アルミニウムやチタン等の軽量材料を使用することができ、製品全体の軽量化を促進することが可能となる。
また、本発明によれば、パイプ部材を拡径または縮径する加工によってバーとボールジョイントソケットとを一体的に構成し得る構造であるため、部品点数が削減でき、製造コストの面でも有利となる。
さらに、本発明において、ボールシートはパイプ部材の拡径部に至るテーパ部の内部形状に合わせた絞り形状を有し、該ボールシートの絞り形状を拡径部のテーパ部の内部に突き当てた状態にしてパイプ部材の端部の開口部が縮径されたことによってボールシートが固定される構成であるため、ボールシートの挿着が容易であり、パイプ部材を拡径または縮径する加工だけでボールシートを固定することが可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明によるボールジョイント1は、図1(a)又は(b)に示すように、バー2とボールスタッド3の球状部4を保持するボールジョイントソケット5とを一体的にパイプ部材6から形成し、該パイプ部材6の端部付近に形成された拡径部7の内部にボールシート8が設けられると共に、該ボールシート8の内部にボールスタッド3の球状部4が揺動自在に挿着された状態でパイプ部材6の端部の開口部6aが縮径(縮径部8d)されたことによってボールスタッド3の球状部4が脱出しないように保持された構成を有する。
以下、このような構成についてより詳細に述べる。従来の構成においては、バー2とボールジョイントソケット5とは別体に構成され、それらをネジ接合あるいは溶接接合等により結合していたのであるが、本発明においては、まずバー2とボールジョイントソケット5とは一体的にパイプ部材6から形成されている。従って、このパイプ部材6は、上記のように溶接接合の必要がないため、鉄材に限定されず、アルミニウムやチタン等の軽量材料を使用することができ、製品全体の軽量化を促進することが可能となる。
また、本実施例においては、上記のパイプ部材6の中央部の一定外径部6bをバー2として使用し、その端部付近に拡径加工した拡径部7をボールジョイントソケット5として使用する。また、このようなパイプ部材6の端部付近を拡径部7として形成する際に、バー2をなす一定外径部6bから拡径部7に至る部位はテーパ部6cとして形成される。ボールシート8は、このテーパ部6cの内部形状に合わせた絞り形状8aを有するように形成されている。
このボールシート8は、合成樹脂から形成され、図2(a)に示すように、開口部8bの反対側は上記のように外径がパイプ部材6のテーパ部6cの内部形状に合わせた絞り形状8aに形成されている。また、ボールシート8の開口部8bの内径(L1)はボールスタッド3の球状部4の最大外径(L2)よりもやや縮小され、ボールシート8の内部においてはボールスタッド3の球状部4の外径と略同様の内径に形成されている。なお、図1(b)に示すように、ボールシート8の底部には貫通孔8cが形成され、この貫通孔8cがバー2のパイプ部材6の内部空洞6dに連通するように取り付けられている。
このように構成されたボールシート8と拡径部7とを有するパイプ部材6を用いてボールスタッド3を結合するには、図2(a)に示すように、ボールシート8の開口部8bへボールスタッド3の球状部4を押し込むと、ボールシート8の合成樹脂による伸縮によってボールシート8の開口部8bが広がり、図2(b)に示すように球状部4がボールシート8の内部に挿入された状態に収容される。
次いで、図2(c)に示すように、ボールシート8の外周にパイプ部材6の拡径部7を嵌め込んで、ボールシート8の絞り形状をテーパ部6cの内部に突き当てた状態にし、さらに、図2(d)に示すように、パイプ部材6の端部の開口部6aの外周をカシメ加工等により縮径(縮径部8d)することによって、該ボールシート8を拡径部7の内部に固定した状態にすると、該ボールシート8の内部にボールスタッド3の球状部4が揺動自在に挿着された状態でパイプ部材6の端部の開口部6aが縮径されたことによってボールスタッド3の球状部4が脱出しないように保持された構成となる。
なお、図2(d)に示すように、パイプ部材6の端部の開口部6aを縮径した後、ボールスタッド3の球状部4の付け根付近に形成された周状凹部3aにゴム製のダストカバー9の一端の肉厚部9aを嵌合する。また、このダストカバー9の他端9bはパイプ部材6の拡径部7の外周に包囲するようにして、パイプ部材6の端部の開口部6aとボールスタッド3の球状部4との間を外部から遮断することにより、外部の異物がダストカバー9によってパイプ部材6の開口部6aから内部へ進入するのを防ぐようにしている。
本発明のボールジョイントは、自動車のサスペンション等に使用されているボールジョイントのボールスタッドを保持するソケットとバーとの連結部に、従来のような溶接構造を採用することなく接合強度を確保し、鉄以外の材料も使用可能とすることによって軽量化を可能としたボールジョイントとして利用することが可能である。
1 ボールジョイント
2 バー
3 ボールスタッド
3a 周状凹部
4 球状部
5 ボールジョイントソケット
6 パイプ部材
6a 開口部
6b 一定外径部
6c テーパ部
6d 内部空洞
7 拡径部
8 ボールシート
8a 絞り形状
8b 開口部
8c 貫通孔
8d 縮径部
9 ダストカバー
9a 肉厚部
9b 他端
2 バー
3 ボールスタッド
3a 周状凹部
4 球状部
5 ボールジョイントソケット
6 パイプ部材
6a 開口部
6b 一定外径部
6c テーパ部
6d 内部空洞
7 拡径部
8 ボールシート
8a 絞り形状
8b 開口部
8c 貫通孔
8d 縮径部
9 ダストカバー
9a 肉厚部
9b 他端
Claims (2)
- バーとボールスタッドの球状部を保持するボールジョイントソケットとを一体的にパイプ部材から形成し、該パイプ部材の端部付近に形成された拡径部の内部にボールシートが設けられると共に、該ボールシートの内部に前記ボールスタッドの球状部が揺動自在に挿着された状態で前記パイプ部材の端部の開口部が縮径されたことによって前記ボールスタッドの球状部が脱出しないように保持されたことを特徴とするボールジョイント。
- 前記ボールシートは前記パイプ部材の拡径部に至るテーパ部の内部形状に合わせた絞り形状を有し、該ボールシートの絞り形状を前記拡径部のテーパ部の内部に突き当てた状態にして前記パイプ部材の端部の開口部が縮径されたことによって該ボールシートが固定されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005319973A JP2007127184A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | ボールジョイント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005319973A JP2007127184A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | ボールジョイント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007127184A true JP2007127184A (ja) | 2007-05-24 |
Family
ID=38150002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005319973A Pending JP2007127184A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | ボールジョイント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007127184A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017516675A (ja) * | 2014-07-24 | 2017-06-22 | サムヨン フィッティング シーオー.,エルティーディーSamyoung Fitting Co.,Ltd | 大型パイプ高速切断機 |
KR101917007B1 (ko) * | 2016-12-06 | 2018-11-08 | 성균관대학교산학협력단 | 인장압축 시험장치의 하중선 정렬 상태를 확인하기 위한 지그 |
-
2005
- 2005-11-02 JP JP2005319973A patent/JP2007127184A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101917007B1 (ko) * | 2016-12-06 | 2018-11-08 | 성균관대학교산학협력단 | 인장압축 시험장치의 하중선 정렬 상태를 확인하기 위한 지그 |
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A977 | Report on retrieval |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080904 |