JP2007125690A - 高速工具装置 - Google Patents

Abstract

【課題】スライダが高い正確さで案内され取り付けられる高速工具装置を提供すること。
【解決手段】ハウジング（２５）に固定されている複数の支持部材（２６乃至３１）で、ハウジングの中を直線的な往復運動のために案内され、外側端に工具（２１）又は加工物のためのホルダ（３３）を有し、内側端で可動コイル駆動部（３４）と動作可能に接続されているスライダ（２４）を有する、特に光学的加工物の機械加工のためのフライス盤のための高速工具装置において、スライダ（２４）が、平行平面のフランジ面及びウェブ面（３６、３８）を備えたＴ字型のプロファイルの断面を有し、支持部材（２６乃至３１）は、これらプロファイルフランジ（３５）とプロファイルウェブ（３７）との両側に対で配置されていることを特徴とする装置を提供する。
【選択図】 図３

Description

本発明は、請求項１の前提部に係る高速工具装置、特に光学的加工物を機械加工するためのフライス盤のための高速工具装置に関する。特に、この高速工具装置は、プラスチック眼鏡レンズを機械加工するために提供される。

高速工具装置は、旋削工程の間の送り方向での工具の極めて動的な動作のための追加的な機械部品である。特に、超高精度機械で用いるために、このような高速工具装置で、自由造形面、円環面、非円環面、及び同様な面のような非回転対象な形態を、旋削工程で生成することができる。回転高速システム及びリニア高速システムが既知である。本発明は、リニアシステムに関する。

請求項１の前提部に係るこのような高速工具装置は、例えば、特許文献１から既知である。この文書の図７に係る実施例において、スライダ（「シャトル」とも称される）が、複数の平坦な空気圧式支持部材に案内され取り付けられている。空気圧式支持部材は、その優れた特性のためにこのような装置に対して特に適している。取り付けと案内とが非接触で行われるため、実際上、空気圧式支持部材には、摩擦と磨耗とが全く生じない。空気圧式支持部材は、動作中に、静音であり振動がない。高速工具装置においてあるような、大きな運動速度と大きな加速及び減速とが可能となる。空気圧式支持部材は、また、注油を全く必要としない。

特許文献１から既知の高速工具装置において、スライダの両側に空気圧式支持部材が２つだけ設けられ、これら２つの空気圧式支持部材は、互いに実質的に間隔を有し、この結果、可動コイル駆動部により不可避的に発生してしまう熱により、熱膨張のためにこれらの空気圧式支持部材の間に配置される金属のスライダの、動作精度に有害な、実質的なディメンジョンの変化が生じる。スライダが空気圧式支持部材で止まることを防止するために、比較的大きなエアギャップが必要とされる。しかしながら、このエアギャップによりシステムの頑丈さが低減されてしまう。
ＷＯ ０２／０６００５ Ａ１号公報

ＷＯ ０２／０６００５ Ａ１に係る従来技術から始めて、本発明は、スライダの加熱により、非常に小さなディメンジョンの変化しか生じず、この結果、生成される光学面の正確さと品質とに課される高い必要条件が満足され、また、１回の動作の行程が大きく、スライダの質量が小さい場合でも、スライダが高い正確さで案内され取り付けられることができる、最初に説明されたデザインと適用との高速工具装置を提供するという目的に基づいている。

この目的は、本発明により、請求項１に与えられている特徴部により達成される。本発明の有利な並びに／もしくは適当な改良は、従属請求項に与えられ、また以下でより詳細に説明される。

本発明に係れば、請求項１の前提部に係る高速工具装置において、スライダが、平行平面のフランジ面とウェブ面とを備えたＴ字のプロファイルの断面を有し、複数の支持部材は、プロファイルウェブ及びプロファイルフランジの両側に対で配置されていることが提案される。

小さくコンパクトなディメンジョンで、したがって、小さな質量しか有していない、Ｔ字のプロファイルとしての前記スライダの、このデザインのために、このスライダは非常に頑丈であることが達成される。平行平面のフランジ面及びウェブ面の結果、これら平面は、幅と長さとの全体で、支持部材でのスライダの支持及び案内のために用いられることができる。このスライダのＴ字型のプロファイルのために、前記支持部材の対、具体的には、前記プロファイルウェブでの１対及び前記プロファイルフランジでの２対、すなわち総じて６つの支持部材が、コンパクトな配置で設けられることができる。各対の支持部材が、間にウェブ又はフランジの材料の厚さだけを囲むため、熱膨張は、前記スライダのディメンジョンに非常にわずかな影響しか与えず、したがって、前記支持部材でのスライダの案内の正確さにも非常にわずかな影響しか与えない。

発明の概念の一部として、前記スライダの支持と案内とのための請求項２に係るハウジングは、前記スライダと支持部材とのディメンジョンにあわせられた、Ｔ字形状の凹部を有している。このハウジングが、請求項３に与えられているように２つの部品から径背制されると好ましい。

請求項４によれば、前記スライダは、互いに複数のボルト（請求項５）により接続される２つの平行平面のプレートからなると、好ましい。このスライダとハウジングとは、幾何学的に単純な矩形の構成要素から形成され、この結果、製造を正確にすることができるにもかかわらず、経済的とすることができる。

前記スライダは、このスライダの構成のためにコンパクトでしたがって軽量である。請求項６によれば、このスライダは、前記プロファイルウェブに長さ方向の孔を設け、前記プロファイルフランジに横方向の孔を設けることにより、好都合にもさらに重量を減少させることができる。プレート状の、ねじ止めされた構成において、請求項７によれば、前記ボルトを、前記プロファイルフランジを形成しているプレートの前記横方向の孔の隣でこのプレートを通して案内することが適切である。

適合されたハウジングが、前記スライダと可動コイル駆動部とに割り当てられる。これら２つのハウジングが、請求項８に与えられているように隙間を形成して、接続されている結果、前記可動コイル駆動部の速い運動により発生される振動が、前記高速工具装置に伝達されず、複数のボルトにより両方のハウジングがしっかりと接続されている機械のフレームの質量により吸収されると、好ましい。

前記可動コイル駆動部の永久磁石の外側ケーシング面を空気又は冷却剤で冷却するために、請求項９で与えられている配置が設けられると適切である。しかし、請求項１０に係る本発明の他の実施形態において、前記可動コイルのために空冷がまた与えられ、冷却用空気は、空気圧式支持部材として形成されている前記支持部材からの流出空気と、前記可動コイルにより移動される空気と共に、前記可動コイルのイマージョンリングチャンバを介して外側に向けて案内される。

前記可動コイル駆動部から高速工具装置への熱の防止できない流れを排除するために、請求項１１に従って、もし、前記スライダが、形状及びディメンジョンが熱的に安定している熱絶縁プラスチックからなるアイソレータプレートが間に設けられて、前記可動コイルにボルト止めされているならば、好都合である。このアイソレータプレートが、請求項１２に示されているように、前記可動コイルの接続ケーブルを収容するような複数の溝を有しているならば適当である。

前記スライダと可動コイルとの共通の行程の運動の長さを制限するために、本発明のさらなる改良において、運動の両方向に、請求項１３乃至１５に規定されている複数の停止部材が設けられる。

本発明のさらなる詳細は、前記高速工具装置の適用例とこの高速工具装置の実施形態とを示している複数の図面を参照して、以下でより詳細に説明される。

まず、高速工具装置の適用例を説明するために、図１を参照する。図１は、直交座標系で、特に、プラスチックの眼鏡レンズ１３の表面機械加工のためのＣＮＣ制御された機械１の概略を示している。この座標系において、文字ｘ、ｙ及びｚは、それぞれ、この機械１及びその構成要素の幅方向（ｘ）、長さ方向（ｙ）及び高さ方向（ｚ）を示している。

この機械１は、機械加工領域３を有する機械のフレーム２を備えている。図１で、機械加工領域３の右側には、互いに平行に（水平な）幅方向ｘに延びている２つのガイドレール４が、機械のフレーム２の上部取付け面５に取り付けられている。割り当てられている複数のＣＮＣ駆動及び制御要素（図示されていない）により、ｘ軸の両方向に、ＣＮＣ位置制御されて調整可能なｘ方向スライダ６が、これらガイドレール４に移動可能に取り付けられている。

他の２つのガイドレール７は、互いに平行に（同じく水平な）縦方向ｙに、ガイドレール４に垂直に延び、ｘ方向スライダ６の上部取付面８に取り付けられている。メカニカルステージの配置において、割り当てられている複数のＣＮＣ駆動及び制御要素（図示されていない）により、ｙ軸の両方向に、ＣＮＣ位置制御されて調整可能なｙ方向スライダ９が、これらガイドレール７に移動可能に取り付けられている。

速さと回転角とをＣＮＣ制御される電気モータ１２により回転が駆動されることが可能な、部品加工スピンドル１１が、ｙ方向スライダ９の下部取付面１０に取り付けられている。部品加工の回転軸は、ｙ軸方向に調整されている。特に、眼鏡レンズ１３の処方面（prescription face）１４を機械加工するために、阻止部品により阻止される眼鏡レンズ１３は、この眼鏡レンズ１３が、部品加工スピンドル１１と同時に回転することができるように、機械加工領域３に突出している、部品加工スピンドル１１の端部のクランプ装置により保持される。

図１に示されている機械加工領域３の左側には、フライス盤１５が機械のフレーム２に取り付けられている。このフライス盤１５は、電気モータ１６により速さを制御されて駆動されるフライススピンドル１７を有し、機械加工領域３の中に突出しているフライススピンドル１７の端部には、フライス１８が取り付けられている。フライス盤１５により、フライスの工程が、眼鏡レンズ１３で実行されることができる。この工程は、プランジ研削の工程を有するＥＰ ０ ７５８ ５７１ Ａ１の教示に従っている。このプランジ研削では、結果として生じた材料を取り除くために、このｘ軸及びｙ軸における眼鏡レンズ１３の動きの軌道を制御することにより、フライス１８が形成工程で、眼鏡レンズ１３に渡って外側から内側にらせんの行程に沿って案内される前に、少なくとも眼鏡レンズ１３の外縁の領域で、円形の皿形状の凹部を生じさせるように、フライス盤１８の盤の回転軸を中心として速度制御を受けて回転するフライス盤１８と、加工部品の回転軸を中心として回転角制御を受けて回転する眼鏡レンズ１３とが、２つの軸方向ｘ及びｙの少なくとも一方で、位置制御を受けて互いに動かされることができる。場合によっては、このフライスの工程と同時に行なわれるのが好ましい工程は、エッジの機械加工及び眼鏡レンズ１３のファセッティングである。回転するフライス１８によるエッジの機械加工において、眼鏡レンズのブランクの機械加工が、例えば、眼鏡レンズのフレームにより規定される周囲の輪郭で行なわれ、この結果、眼鏡レンズのブランクの表面又は内面をファッセッティングする際に、回転するフライス１８により面取りが行なわれる。

図１に示されている実施形態において、高速工具装置１９、２０が、平行な配置で設けられている。この高速工具装置に取り付けられ、機械加工領域３の中へと到達する旋削工具(turning tool)２１、２２で、フライス盤１５により前に機械加工された眼鏡レンズ１３の処方面１４は、回転されて、仕上げ加工されることができる。この回転による機械加工の間に、従来の研磨工程で到達可能な表面のクオリティが達成される。高速工具装置１９、２０は、機械のフレーム２の取付面２３に取り付けられている。その他の点では、それ自身既知の高速工具装置の動作方法を備えた、図１に示されているこの機械の動作方法は、本発明の目的ではなく、したがって、動作方法をその程度までここで説明する必要はない。したがって、この程度までデザインされている高速工具装置１９、２０のデザインは、以下で装置１９の例でより詳細に述べられる。

特に図５から明らかであるように、高速工具装置１９は、バイト２１を案内するスライダ２４を有している（図２）。このスライダ２４は、図示されている実施形態では、６つの平坦な空気圧による支持部材２６乃至３１でハウジング２５内を直線的に往復運動するために案内されている。これら支持部材２６乃至３１の配置は、図３のハウジング２５で明らかである。このスライダ２４は、突部３２で、この突部３２にねじ込まれるバイト２１のためのホルダ３３を有している。このスライダ２４は、内側端で、以下でより詳細に説明される可動コイル駆動部(moving coil drive)３４に動作可能に接続されている。

スライダ２４は、図８に示されているように、プロファイルフランジ３５の複数の平行平面のフランジ面３６と、プロファイルウェブ３７の平行平面のウェブ面３８とを有するＴ字形状の輪郭の断面を有している。スライダ２４は、Ｔ字形状に互いに垂直に配置され、プロファイルフランジ３５とプロファイルウェブ３７とを形成している２つの平行平面のプレートからなる。これら２つのプレートが、アルミニウムからなり、図３、５、７、及び８に示されているように、複数のボルト３９によりともに接続されているならば好ましい。

２つのプレートからスライダ２４を構成する結果、このスライダ２４の複数の案内面を形成する複数の平行平面のフランジ面３６と複数の平行平面のウェブ面３８を経済的に製造することが可能である。ラップ盤による加工により複数のフランジ面３６とウェブ面３８との平行さと平坦さに関する非常に小さな公差を達成することができる。機械加工の後で、２つのプレートに、強い陽極酸化により、硬い耐久性の保護層を与えることができ、続いて、さらに精密なラップ仕上げを行うことができ、この結果、平坦さ、平行さ及び粗さに関して、光学鏡面(surface which is of optical quality)となる。このように形成されたスライダ２４のＴ字形状の輪郭の結果、フランジ面３６及びウェブ面３８の実際的に全体が、最適化された、負荷に対する支圧強度と非常に硬度の高い案内とを示す支持面として利用可能である。この硬度は、特に、プラスチック眼鏡レンズの高性能のカッティングの間に生じる工程中のｘ及びｙ方向への大きな力のために、好都合である。

重さを最小化するために、図５及び７に示されているように、プロファイルウェブ３７を形成するプレートには、このプロファイルウェブ３７の長さのほぼ全体にわたって複数の円筒状の長さ方向の孔４０乃至４２が設けられており、一方、プロファイルフランジ３４を形成するプレートには、このプロファイルフランジ３４の幅のほぼ全体にわたって複数の横方向の孔４３が設けられている。この配置は、複数のボルト３９がプロファイルフランジ３５を通る複数の横方向の孔４３の隣に又は間に案内されるように、なされている。

ハウジング２５は、図５と関連して図３に示されているように、スライダ２４と空気圧式支持部材２６乃至３１とを保持するように、このハウジングの長さにわたって延びているＴ字形状の凹部４４を有している。このハウジング２５は、上部部分４５と下部部分４６とを有し、Ｔ字形状の凹部４４は、上部部分４５にあり、下部部分４６は、プレート状に形成され、下方からフランジの側の凹部４４を閉じている。この凹部４４は、突部３２を外側に通過させるための開口部４８が備えられている面板４７により、外側が閉じられている。この面板４７は、図５に関連して図９に示されている、ハウジング２５の上部部分４５及び下部部分４６と複数のボルト４９を介してしっかりと接続されている。

スライダ２４を案内し支持する空気圧式支持部材２６乃至３１は、プロファイルウェブ３７又はプロファイルフランジ３５の両側に複数の対で配置されている。空気圧式支持部材の対２６及び２７は、プロファイルウェブ３７に割り当てられている一方、空気圧式支持部材の対２８及び２９と、３０及び３１は、プロファイルフランジ３５に割り当てられている。好ましい空気圧式支持部材２６乃至３１は、Ｎｅｗ Ｗａｙ Ｐｒｅｃｉｓｉｏｎ／ＩＢＳ Ｐｒｅｃｉｓｉｏｎ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇによる、平坦で矩形のデザインの多孔の空気圧式支持部材である。これら空気圧式支持部材２６乃至３１は、反応性樹脂接着剤によりハウジング２５の凹部４４の中に直接接着され、他の調整を必要としない。これら空気圧式支持部材２６乃至３１は、複数の対応する通路（図示されていない）を介して６つの空気圧式支持部材２６乃至３１に空気が案内される接続部品５０を介して面板４７に空気が導通するように(pneumatically)接続されている。特定の平坦な空気圧式支持部材の代わりとして、構造を有する支持部材を、気体だけでなく流体でも静圧支持部材として動作させることができる。

直線状の行程測定システム、例えば、好ましくはプロファイルウェブ３７にはめ込まれているガラスの測定ロッド５１、が、スライド２４の上面に配置されている。読出しヘッド５２がこのガラスの測定ロッド５１に割り当てられている。この読出しヘッド５２は、ガラスの測定ロッド５１に対して調整可能であり、ハウジングの凹部５４の中に入れられている読出しヘッド保持部５３の中にある。このハウジングの凹部５４は、読出しヘッド５２のケーブルが外側に案内される開口５６を備えたカバー５５により閉じられることができる。この行程測定システムの配置は、図４及び図５に示されている。

可動コイル駆動部３４は、管状の駆動部ハウジング５７により囲まれ、このハウジング５７は、スライダ２４のためのハウジング２５と接続され、隙間５８を形成している。ハウジング２５、５７の両方は、図５及び図６に示されているように、ねじボルト５９を介して機械のフレーム２にボルト止めされている。これら２つのハウジング２５、５７は、２つのハウジングの対向する面上の気泡ゴムのビーズにより互いにシールされている。このビーズ６０は、ハウジングの面の一方の溝６１の中に収められている。これら２つのハウジング２５、５７は、図２から特に明らかな複数のボルト６２により接続されている。

これら２つのハウジング２５、５７を、これらボルト６２により互いにしっかりと固定することができるが、この場合、所望の隙間５８が形成されないだろう。したがって、組み立ての間に、対向するハウジングの面の間に、スペーサフィルムを介在させることにより、わずかな隙間を設定すると、好ましい。高速工具装置１９と可動コイル駆動部３４とを機械のフレーム２に取り付けた後、ボルト６２が緩められ、このスペーサフィルムが再び取り除かれる。このように、狭い隙間５８が２つのハウジングの間に残る。結果として、可動コイル装置３４の動作により起こされた振動は、高速工具装置１９のハウジング２５とこのハウジング２５の中の測定システムとには、直接伝達されず、機械のフレーム２の質量により吸収される。

可動コイル(Tauchspule)駆動部３４の永久磁石６３は、図１０に関連して図５に示されている複数のボルト６５、６６により複数の駆動部ハウジング５７の１つを閉じている後部プレート６４と共に駆動部ハウジング５７にしっかりと接続されている。この永久磁石６３は、中心軸６７と同軸状の円形のチャンバ６８を有し、この中心軸６７は、径方向に遊びあり、この中心軸６７の中で軸方向に可動な可動コイル６９を保持している。

スライダ２４は、アイソレータプレート７０を介在させて可動コイルにボルト止めされている。このために用意される複数のチタンのボルト７１が、スライダ２４のプロファイルウェブ３７に接着される複数のプラグ７２の中へとねじ込まれる。このアイソレータプレート７０は、形状とディメンジョンとが安定な、熱絶縁性の耐熱性プラスチックからなる（ＫＥＴＲＯＮ ＰＥＥＫ−ＨＰＶ、製造者Ｑｕａｄｒａｎｔ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ Ｐｌａｓｔｉｃ Ｐｒｏｄｉｃｔｓの商標名）。駆動部ハウジング５７の外側に案内される可動コイル６９の（図示されていない）複数の接続ケーブルを収容するように、複数の溝７３がアイソレータプレート７０に設けられている。これらケーブルは、駆動部ハウジング５７から、プラグ付属品７５により駆動部ハウジング５７の上部開口部７４（図５）介して、ループで案内され、このループは、スライダ２４の動作を妨げない。

可動コイル駆動部３４の永久磁石６３の外側ケーシング面７６と、この永久磁石を囲んでいる駆動部ハウジング５７との間に、空気又は冷却剤を通過させるために形成されている封止された円形のチャンバ７７が設けられている。この冷却剤の供給と抜き取りとは、図５に示されているようなＬ字型のねじ止め付属品７８又は７９を介して行われる。

可動コイル駆動部３４のコイル６９は、空冷される。冷却用空気を供給するために、図５に示されているように、開口部８２を介して、可動コイル６９を囲んでいる円形のチャンバ８１に冷却用空気を供給する空気入口コネクタ８０が駆動部５７に設けられている。この冷却用空気は、イマージョンリングチャンバ６８に入り、複数の通路を介して後部プレート６４の収集用リングチャンバ８３に入り、図１０に示されている複数の通気孔を介して、この収集用リングチャンバ８３から抜き取られる。これら通気孔８４は、（図示されていない）空気抜き取りホースを取り付けるために設けられている外側接続部品８５の中に位置している。この冷却用空気と共に、説明された空気の通路を介して、空気圧式支持部材２６乃至３１と可動コイル６９により移動された空気とが外側に案内される。

スライダ２４と、このスライダ２４と接続されている可動コイル６９とのために、以下で図５及び図３を参照して説明される、ハウジングに対して固定されている移動制限用停止部が、設けられている。１つの運動方向に作用する停止部材は、永久磁石６３を通して、対応する孔８６と可動コイル６９の内側端部に面している停止面８８とを介して、同心状に案内される停止用ロッド８７である。この停止ロッド８７の外部端は、後部プレート６４を介して外側に案内され、ねじ止め式の自己ロック用のナット９０が取り付けられている。後部プレート６４で停止ロッド８７を停止減衰させて支持することは、停止ロッド８７に取り付けられ後部プレート６４に支持されている円盤ばねパケット９２に位置するリングフランジ９１により確実にされている。他の運動方向に作用する停止部材は、エラストマからなる２つの緩衝部材９３（Ｓｃｈｗｉｎｇｍｅｔａｌｌ部材、会社Ｃｏｎｔｉｎｅｎｔａｌ−Ｇｕｍｍｉ−Ｗｅｒｋｅ ＡＧの商標名）であり、これら緩衝部材は、ハウジング２５に取り付けられ、可動コイル６９の隣接する前部に面している。

ハウジングに対して静止している複数の支持部材でハウジングの中を直線的に往復運動するために案内され、また、一方の外側端で工具または加工物のための保持部を有し、内側端で可動コイル駆動部に動作接続されているスライダを有する、光学加工物を機械加工するための、特に、旋盤のための、高速工具装置において、このスライダは、平行平面のフランジ及びウェブ面を有するＴ字の輪郭の断面を備えていることが規定され、支持部材は、プロファイルウェブとプロファイルフランジとの両側に複数の対で配置されている。

光学的加工物、特にプラスチック眼鏡レンズ、を機械加工するための、２つの本発明に係る高速工具装置を取り付けられている機械の斜視図である。 可動コイル駆動部を備えている高速工具装置と、バイトが備えられている高速工具装置に取り付けられている工具保持部との側面図である。 図２の切断線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った切断図である。 図２に従った可動コイル駆動部を備え工具保持部を除いた高速工具装置の上面図である。 図４の切断線Ｖ−Ｖに沿った縦断面図である。 図５の円ＶＩに従った拡大図である。 図５に示されているスライダに沿った拡大縦断面図である。 図７のスライダの内側端の前面図である。 図４に示されている高速工具装置の外側の前面図である。 図４に示されている可動コイル駆動部の外側の前面図である。

符号の説明

１…機械、 ２…機械のフレーム、 ３…機械加工領域、 ４…ガイドレール、 ５…取付け面、 ６…ｘ方向スライダ、 ７…ガイドレール、 ８…取付け面、 ９…ｙ方向スライダ、 １０…取付け面、 １１…部品加工スピンドル、 １２…電気モータ、 １３…眼鏡レンズ、 １４…処方面、 １５…フライス盤、 １６…電気モータ、 １７…フライススピンドル、 １８…フライス、 １９…高速工具装置、 ２０…高速工具装置、 ２１…旋削工具、 ２２…旋削工具、 ２３…取付け面、 ２４…スライダ、 ２５…ハウジング、 ２６…空気圧式支持部材、 ２７…空気圧式支持部材、 ２８…空気圧式支持部材、 ２９…空気圧式支持部材、 ３０…空気圧式支持部材、 ３１…空気圧式支持部材、 ３２…突部、 ３３…保持部、 ３４…可動コイル駆動部、 ３５…プロファイルフランジ、 ３６…フランジ面、 ３７…プロファイルウェブ、 ３８…ウェブ面、 ３９…ボルト、 ４０…長さ方向の孔、 ４１…長さ方向の孔、 ４２…長さ方向の孔、 ４３…横方向の孔、 ４４…凹部、 ４５…上部部分、 ４６…下部部分、 ４７…面板、 ４８…開口部、 ４９…ボルト、 ５０…接続部品、 ５１…ガラスの測定ロッド、 ５２…読出しヘッド、 ５３…読出しヘッド保持部、 ５４…ハウジングの凹部、 ５５…カバー、 ５６…開口、 ５７…駆動部ハウジング、 ５８…隙間、 ５９…ねじボルト、 ６０…気泡ゴムビーズ、 ６１…溝、 ６２…ボルト、 ６３…永久磁石、 ６４…後部プレート、 ６５…ボルト、 ６６…ボルト、 ６７…中心軸、 ６８…円形チャンバ、 ６９…可動コイル、 ７０…アイソレータプレート、 ７１…ボルト、 ７２…プラグ、 ７３…溝、 ７４…開口部、 ７５…プラグ付属品、 ７６…ケーシング面、 ７７…リングチャンバ、 ７８…Ｌ字型のねじ止め付属品、 ７９…Ｌ字型のねじ止め付属品、 ８０…空気入口コネクタ、 ８１…円形のチャンバ、 ８２…開口部、 ８３…収集用リングチャンバ、 ８４…通気孔、 ８５…接続部品、 ８６…孔、 ８７…停止用ロッド、 ８８…停止面、 ９０…自己ロック用のナット、 ９１…リングフランジ、 ９２…円盤ばねパケット、 ９３…緩衝部材。

Claims (15)

1. ハウジング（２５）に固定されている複数の支持部材（２６乃至３１）で、前記ハウジングの中で直線的な往復運動のために案内され、外側端に工具（２１）又は加工物のためのホルダ（３３）を有し、内側端で可動コイル駆動部（３４）と動作可能に接続されているスライダ（２４）を具備する、特に光学的加工物の機械加工のためのフライス盤のための高速工具装置において、
   前記スライダ（２４）は、複数の平行平面のフランジ面及びウェブ面（３６、３８）を備えたＴ字型のプロファイルの断面を有し、前記支持部材（２６乃至３１）は、これらプロファイルフランジ（３５）とプロファイルウェブ（３７）との両側に対で配置されていることを特徴とする装置。
2. 前記ハウジング（２５）は、前記スライダ（２４）と支持部材（２６乃至３１）とを保持するように、このハウジングの長さにわたって延びているＴ字形状の凹部（４４）を有することを特徴とする請求項１に係る装置。
3. 前記ハウジングは、中にＴ字形状の凹部（４４）が配置されている上部部分（４５）と、プレート形状の下部部分（４６）との２つの部品から形成され、この下部部分（４６）は、この下部部分のフランジ側面で、前記Ｔ字形状の凹部（４４）を閉じることを特徴とする請求項１又は２に係る装置。
4. 前記スライダ（２４）は、互いにＴ字形状に垂直に配置される２つの平行平面のプレートからなることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１に係る装置。
5. 前記スライダ（２４）の２つのプレートは、複数のボルト（３９）により互いにねじ止めされていることを特徴とする請求項４に係る装置。
6. 前記プロファイルウェブ（３７）を形成するプレートには、このプレートの長さのほぼ全体にわたって円筒状の細長い複数の孔（４０、４１、４２）が設けられ、前記プロファイルフランジ（３５）を形成するプレートには、このプレートの幅全体にわたって横断方向の複数の孔（４３）が設けられていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１に係る装置。
7. 前記ボルト（３９）は、各々、前記横断方向の孔（４３）の隣で前記プレートを通って案内されていることを特徴とする請求項５又は６に係る装置。
8. 前記可動コイル駆動部（３４）は、前記スライダ（２４）のためのハウジング（２５）に接続され、隙間を形成する、駆動部ハウジング（５７）に囲まれ、これら２つのハウジング（２５、５７）は、前記フライス盤の機械のフレーム（２）にボルトで固定されていることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１に係る装置。
9. 前記可動コイル駆動部（３４）の永久磁石（６３）の外側ケーシング面（７６）と、この永久磁石（６３）を囲んでいる前記駆動部ハウジング（５７）との間には、冷却剤を通過させるために形成されている封止されたリングチャンバ（７７）が設けられていることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１に係る装置。
10. 前記支持部材は、空気圧式支持部材（２６乃至３１）であり、前記可動コイル駆動部（３４）の可動コイル（６９）は、空冷され、その冷却用空気は、好ましくは、前記空気圧式支持部材（２６乃至３１）からの吹出し空気及び前記可動コイル（６９）により移動された空気と共に、前記可動コイル（６９）のイマージョンリングチャンバ（６８）と、前記駆動部ハウジング（５７）の外側端でこの駆動部ハウジングを閉じている後部プレート（６４）とを介して、外側に案内されることを特徴とする請求項１乃至９のいずれか１に係る装置。
11. 前記スライダ（２４）は、アイソレータプレート（７０）を介在させて前記可動コイル（６９）にボルト止めされていることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか１に係る装置。
12. 前記アイソレータプレート（７０）には、前記駆動部ハウジング（５７）から外側に案内される、前記可動コイル（６９）の複数の接続ケーブルが収容される複数の溝（７３）が設けられていることを特徴とする請求項１１に係る装置。
13. 前記ハウジングに固定された、運動を制限する停止部材が、前記スライダ（２４）と可動コイル（６９）とにしっかりと固定されて設けられていることを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１に記載の装置。
14. １つの運動方向に作用する前記停止部材は、前記永久磁石（６３）に同心状に案内され、この永久磁石から突出している停止ロッド（８７）であり、この停止ロッドの停止面（８８）が、前記可動コイル（６９）の内側面に向けられ、この停止ロッドの外側端が、前記駆動部ハウジング（５７）の後部プレート（６４）と緩衝用ばね部材（９２）を介して接続されていることを特徴とする請求項１３に係る装置。
15. 他の運動方向に作用する前記停止部材は、前記ハウジング（２５）に取付けられ、前記可動コイル（６９）の隣接する面に向けられているエラストマ材料からなる緩衝用部材により形成されていることを特徴とする請求項１３又は１４に係る装置。

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