JP3290087B2 - 静圧軸受を用いた位置決め装置 - Google Patents
静圧軸受を用いた位置決め装置Info
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Description
などの装置あるいは組み立て検査装置などの生産機器な
どにおいて用いられる位置決め装置で、特に静圧軸受を
採用し、移動体の移動方向と直交する方向に移動体の微
動が可能な位置決め装置に関するものである。
する加工装置や測定機あるいは組み立て装置や検査装置
などの生産機器などにおける従来の技術では、主たる位
置決め装置とこの位置決め装置の移動体の移動方向に直
交する方向に移動体の移動方向が一致する他の位置決め
装置とを組み合わせることで構成される装置が一般的で
ある。この場合、主に移動体の位置検出に用いられる位
置検出器の分解能によって位置決め分解能や位置決め精
度が左右される。
置決め装置に求められる移動体の移動距離がミクロンオ
ーダと極めて短い場合には、位置決め装置を複数組み合
わせる代わりに、主たる位置決め装置に必要な微動機構
を備える特開昭59−106722や特公平5−216
82の加工装置にみられる例がある。
置決め装置に対して直交する方向に配置された静圧気体
軸受装置において、移動体に取り付けられた回転体のス
ラスト方向の複数の軸受部に個別に気体を供給し、主た
る位置決め装置の移動体移動方向と直交する方向の微動
が必要な場合、これを回転体の軸方向移動により実現す
るものが記載されている。この時、静圧気体軸受装置の
スラスト方向の軸受部への気体供給圧に圧力差を設け、
回転体の移動方向側のスラスト軸受部の気体供給圧を低
圧にすることで、回転体に軸方向の微少変位を与えてい
る。これにより、装置を複雑化することなく低コストか
つ高精度でサブミクロンの微少切り込みが可能であると
している。
06722と同様に静圧軸受を用いた主軸装置の主軸を
軸方向に移動させることで主たる位置決め装置と直交す
る方向の微動を得るもので、「主軸に主軸の半径方向に
突出し前記刃物側への移動を拘束しない位置にフランジ
部を設け、また主軸に主軸の半径方向に突出した可動筒
を設け、フランジ部と主軸台の対向する面間に主軸をス
ラスト支持し、フランジ部と主軸台の対向する面間の隙
間が小さくなるにつれて主軸に作用する被加工物側への
推力を増大させる静圧流体スラスト軸受を設け、可動筒
と主軸台間に主軸に被加工物と反対側への推力を発生さ
せる円筒状のシリンダ室を形成し、前記被加工物の切削
を行なう前記被加工物の移動過程においては前記シリン
ダ室に低い圧力を供給して前記主軸を前進位置に移動さ
せ、前記被加工物の戻し過程においては前記シリンダ室
に高い圧力を供給して前記主軸を後退位置に移動させる
流体圧制御手段を設けた構成」であるので加工精度を悪
化させたり、加工のサイクルタイムを増加させることな
く微動が可能となるとしている。
最初に述べた位置決め装置の組み合わせでは装置構成要
素が増加し、装置自体が複雑となる。また、主たる位置
決め装置に対する他の位置決め装置に求められる移動体
の移動距離が短い場合には装置全体の構成が冗長なもの
となり、かつ装置全体の小型化を図るのが困難である。
さらに移動距離が短い場合には位置検出系の分解能や位
置決め精度もより高度なものが要求される場合が多く、
これを実現するための位置検出器、制御器、構成機構部
品などを考慮すると装置の低コスト化にも大きな困難が
伴うものである。
1682の加工装置に見られる例では、加工中に主軸が
回転している状態で軸方向に移動させることで微動を得
ることを前提としている。これらは主軸の回転数が低い
例えば5000rpm以下のような場合には回転中の主
軸を軸方向に移動させることによる問題は生じないが、
主軸の回転数が例えば10000rpm以上と高くなる
と、主軸の遠心力による半径方向の変形や高速回転時の
発熱による熱変形などに起因して軸受隙間が減少し、よ
り高精度なバランス修正が主軸装置に求められるなどの
問題が生じてくる。このために、高速回転時に回転中の
主軸を軸方向に移動するというこれらの手法は、軸方向
移動に伴いさらに軸受隙間が減少する可能性があった
り、軸方向移動に伴い主軸系の動バランスがくずれ、適
切な回転状態が得られない可能性がある等の点から適用
が困難になる。
もので、移動体が案内により案内される方向と直交する
方向に微動位置決めが可能であり、構成が簡略で、小型
かつ低廉な位置決め装置を提供することを目的とする。
め、本発明の位置決め装置は、移動体を第1の方向に案
内する案内と、該移動体を該案内に対して第1の方向と
直交する第2の方向に静圧により支持する多孔質絞りを
用いた第1の軸受けと、該移動体を該案内に対して第2
の方向で第1の軸受けと逆向きに静圧により支持する、
第1の軸受けとは多孔質体の組成、気孔率および通気率
の少なくとも一つが異なる第2の軸受けと、第2の軸受
けに対して流体を第1の軸受けを含む他の軸受けとは独
立して供給する作動流体供給手段と、第2の軸受けへの
流体の供給を調整する流体供給調整手段とを具備し、第
2の軸受けへの流体の供給を調整することにより第2の
方向へ微動し位置決めすることを特徴とする。
は、移動体を案内に対して静圧軸受けにより支持する位
置決め装置において、移動体移動方向(第1の方向)と
直交する方向のうち少なくとも一方の方向(第2の方
向)に、少なくとも一組の対向する軸受け部を持ち、該
対向する軸受け部を構成する軸受け(第1および第2の
軸受け)の多孔質体の組成、気孔率または通気率等によ
り変わる減衰特性が互いに異なる組み合わせであり、前
記位置決め装置における静圧軸受け(第1、第2および
その他の軸受け)の中で、前記対向する軸受け部を構成
する前記減衰特性の異なる軸受けのうち少なくとも通気
率が大きいために該減衰特性が良好でない方の軸受け
(第2の軸受け)に関しては作動流体供給装置からの流
体の供給が個別に行なわれており、該個別に行なわれて
いる流体供給管路中に位置決め制御装置からの指令によ
り任意に流体の供給が調整できる流体供給調整部を持
ち、前記移動体移動方向と直交する方向のうち少なくと
も一方の方向(第2の方向)を前記移動体の微動方向と
して前記移動体を微動させる場合において、通気率が大
きい軸受け(第2の軸受け)の側に前記移動体を微動さ
せるときは通気率が大きい軸受け(第2の軸受け)への
流体の供給を前記位置決め制御装置からの指令に基づい
て前記流体供給調整部で調整し、流体供給圧あるいは流
量を減じて微動可能とし、これと逆方向に前記移動体を
微動させるには前記流体供給調整部における調整により
流体供給圧あるいは流量を増加して微動可能とする。
受け部を構成する軸受け(第1および第2の軸受け)と
しては多孔質絞りを採用し、多孔質体の組成、気孔率、
通気率等を変えることにより減衰特性の違いをもたらす
ようにしている。また、前記流体供給調整部における流
体供給の調整に基づく前記移動体の微動は、前記移動体
の移動方向(第1の方向)への位置決め完了時、または
前記移動体の移動方向への移動中になされる。また、前
記第1の軸受けは、前記第2の軸受けよりも減衰率が負
となる周波数帯域が狭い、または平均減衰率が大きいこ
ととしてもよい。
合わせることをしていないため、構成簡略化、小型化お
よび低コスト化を図ることができる。また、移動体を案
内に対して静圧により支持する軸受けへの流体供給を調
整して微動位置決めし、特開昭59−106722や特
公平5−21682の加工装置のように回転軸をスラス
ト方向に移動させて位置決めするものではないため、移
動体に取り付けられた回転体の回転数が制限されたり、
回転が妨害される等の悪影響を受けることもない。
る。実施例1 図1は本発明の第1の実施例に係る位置決め装置の構成
を示す。図1において、101は本発明による位置決め
装置が搭載されるベース、102は移動体を案内するガ
イド、103は移動体であるスライダ、104〜107
はスライダ103をガイド102に対して支持する静圧
軸受け部を構成する軸受けパッドで、ここでは左側の軸
受けパッド(軸受けパッドL)104として右、下およ
び上側の軸受けパッド(軸受けパッドR、BおよびT)
105〜107に比較して減衰特性がより良好ではない
ものを用いている。108〜111は105〜107の
各軸受けパッドに個別に作動流体を供給するための流体
供給管路、112は左側軸受けパッド104に対する流
体の供給を調整する流体供給調整部、113は流体供給
調整器としての電磁弁である。114、115は流体供
給装置であり、両者を比較すると114の方が供給圧が
高い。116と117はスライダ103を移動させるた
めのボールねじとこれを回転させるモータである。な
お、図1ではスライダ103とボールねじ116を接続
するナット部は図示されていない。118はモータ11
7の回転角を検出するエンコーダ、119は位置決め装
置の駆動制御装置、120はモータ117への駆動指令
信号、121はモータ駆動指令信号120を受けてモー
タ117を駆動するための電流を流すドライバ、122
はドライバ121から流されたモ−タ駆動電流、123
はエンコーダ118からの出力、124はエンコーダ出
力に対するカウンタ、125はカウンタ124から出さ
れるスライダ103の位置信号、126は駆動制御装置
119から出される電磁弁駆動指令である。
御装置119からのモータ駆動指令信号120を受けた
ドライバ121からモータ117にモータ駆動電流12
2が供給されることでモータ117は回転し、このモー
タ117に接続されたボールねじ116にその回転は伝
達され、さらに図示されないナット部などを介して回転
運動が直線運動に変換されスライダ103は駆動され
る。このときモータ117の回転角はエンコーダ118
により検出されカウンタ124を経てスライダ103の
現在位置を示す信号として位置信号125が駆動制御装
置119に送られ、この信号を基にスライダ103の駆
動および位置決め制御が行なわれる。なお、ここでは駆
動手段としてサーボモータとボールねじを、位置検出手
段としてエンコーダ等を使用することを想定している
が、本発明の実施においては機能的に同等のものを使用
するのであれば、例えば駆動手段にリニアモータ、位置
検出手段にレーザ干渉測長器などというように、他の形
式のものを用いても構わない。
図2を用いて説明する。通常、スライダ103がガイド
102に対して静圧軸受けにより支持される場合は、高
圧側の流体供給装置114からの流体が各軸受けパッド
104〜107に供給される。ここでは左側軸受けパッ
ド104が右、下および上側の軸受けパッド105〜1
07に比較して減衰特性がより良好ではない。このとき
左側軸受けパッド104および右側軸受けパッド105
により形成される軸受けの隙間はそれぞれCL1および
CR1である。スライダ103の位置決めが完了し、微
動を行なう場合は駆動制御装置119からの電磁弁駆動
指令120により電磁弁113が駆動され、図2(a)
のように左側軸受けパッド104への流体の供給が低圧
側の流体供給装置115からなされる。これにより右側
軸受けパッド105のほうが圧力が高いため、左側軸受
けパッド104の低圧の供給流体と力の釣り合いが取れ
る位置までスライダ103は左側軸受けパッド104側
に移動する。その結果、左側軸受けパッド104および
右側軸受けパッド105における軸受け隙間CL2、C
R2は
軸受けパッド105における異なる減衰特性の付与につ
いて説明する。すでに我々は、異なる軸受け特性を有す
る軸受けを用いた静圧軸受け装置およびこれを用いた位
置決めステージに関して特開平6−241230に示さ
れる発明を行なっている。そこでは絞り形式による軸受
け特性の変化および多孔質絞りにおける軸受け特性の変
化について触れている。図3および図4は特に多孔質絞
りに関して説明を行なうためのグラフである。多孔質絞
りを採用する場合、多孔質体の調整により軸受け特性を
大きく変えることができる。図3では多孔質体を透過す
る流体の流量調整による特性(ここでは剛性κと減衰性
Cωの周波数応答)の変化を示している。流量調整をし
ないものでは周波数が高くなると剛性κが下がり、減衰
性Cωは一旦低下した後回復している。しかしながら減
衰性Cωについては周波数の全域にわたって負の値を取
っているため実際には発振しやすい特性を示すことにな
る。一方、流量調整を行なうと高域での剛性κの低下が
認められなくなり、また減衰性Cωもほぼゼロ近傍を推
移し、流量調整が行なわれないものに比べて良好な減衰
性を有することがわかる。このように多孔質絞りに異な
る減衰特性を付与するひとつの方法として流量調整が有
効である。
別の方法として通気率の調整を説明する。通気率Kは一
般に次式で定義される。
気の質量流量、t0 は多孔質体の厚さ、Aは多孔質体の
面積、Psは多孔質体への流体の供給圧力(ゲージ
圧)、Paは大気圧である。
剛性κの低下が低域から始まり、さらに通気率を小さく
すると低域では低い剛性κしか得られず、高域では通気
率が大きな場合よりも高い剛性κが得られている。減衰
性Cωについては通気率が小さな場合に全域にわたって
正の値を取り、さらに通気率を小さくすると低域では負
の値を取るものの高域で正の値を取るようになる。因
に、図3の流量調整を行なわない場合のデータと図4の
通気率が大きい場合のデータは同一の軸受けパットによ
るものである。
性を付与された軸受けパッド(特に多孔質絞り)に対し
て流体供給を変えた場合の変位特性を図5に示す。ここ
では減衰特性の違いが顕著に現われるように、流体の供
給を強制的に遮断した場合の軸受け隙間の時間経過によ
る変化を表わしている。通気率の大きな軸受けパッドの
方が高い応答性を有することがわかる。通気率が大きい
場合、図4で見られるように減衰特性がより良好でない
状態になる。
整して本発明に用いるとき、左側軸受けパッド104に
は図4、図5の通気率が大きいものが適し、これと対向
する右側軸受けパッド105には通気率の小さなものが
適していることになる。このような軸受けパッドの組み
合わせで本発明を実施すれば、通常の流体供給状態では
減衰特性が良好な軸受けパッドの特性を活かして振動や
外乱に対する特性を向上でき、微動時には減衰特性がよ
り良好でない軸受けパッドの高い応答性を活かして高速
な微動が実現できる。さらに特開昭59−106722
や特公平5−21682にみられる加工装置の工作物を
搭載する位置決め装置に適用すれば、主軸装置側に特開
昭59−106722や特公平5−21682による主
軸回転中の軸方向移動を実施することなく、より簡素な
装置構成で同等以上の機能を発揮できる。また減衰特性
が良好な軸受けパッドの特性を活かした振動や外乱に対
する特性の向上により特開昭59−106722や特公
平5−21682にみられる加工装置における断続切削
においても加工面の表面粗さを低減し表面平滑度を向上
することができる。
体601の案内602に対する上下方向の支持を軸受け
パッド603、604と永久磁石(予圧付勢手段)60
7により、左右方向の支持を軸受けパッド605、60
6により行なっている。右側の軸受けパッド606が左
側の軸受けパッド605と較べて減衰特性のより良好で
ない方の軸受けパッドである。軸受けパッド606への
流体の供給は単一の流体供給装置615から高圧側と低
圧側の2系統619b、619aに分岐した後流体供給
調整手段616を介してなされる。図6において、60
8〜611は流体供給管路、612aはモータ、612
bはドライバ、613はボールねじ、614aはエンコ
ーダ、614bはカウンタ、617は駆動制御装置、6
18はナット部である。
ついて図7により説明する。ここでは図7中の流体供給
調整手段616において単一の流体供給装置615から
の高圧側319aと低圧側319bの2系統に分岐し、
低圧側に圧力調整手段(レギュレータ)713を設け、
ここで減圧して流体の供給圧を下げている。移動体微動
時には駆動制御装置617からの指令により電磁弁71
0を駆動し、減衰特性のより良好でない右側軸受けパッ
ド606への流体供給圧を低くしている。これにより通
常の軸受け隙間に対して
機の構成を示す。図8においては、定盤801上に各ユ
ニットが配置される加工前のポリゴンミラー原材812
はワーク取付け用治具811にワーク固定用治具813
によって取付けられる。これらが割り出しユニット81
0の先端に取付けられ、ミラー面の加工時に各面が割り
出される。この割り出しユニット810は割り出しユニ
ットスライダ814に搭載され、割り出しユニットスラ
イダ用案内815、割り出しユニットスライダ用ボール
ねじ816、割り出しユニットスライダ用モータ817
とともに本発明による静圧軸受けを用いた位置決め装置
(ワーク側位置決め装置)820を構成する。主軸80
2は主軸モータ803の回転軸の先端にバイト805を
具備するバイトホルダ804が取付けられ、主軸スライ
ダ806、主軸スライダ用案内807、主軸スライダ用
ボールねじ808、主軸スライダ用モータ809からな
る主軸側位置決め装置830上に搭載される。主軸80
2の回転による主切削運動と割り出しユニット810側
の位置決め装置820による送り運動によりポリゴンミ
ラー原材812のミラー面が加工されていく。
よる加工の様子を図9にて説明する。スタート時点で主
軸802側は所定の切り込み位置に位置決めされてい
る。本発明によるワーク側位置決め装置820の切削送
り運動(主たる位置決め)の開始により加工が進行す
る。1面の加工が終了すると本発明により割り出しユニ
ットスライダ814の微動(主たる位置決め方向と直交
する方向への微動位置決め)を行ない、加工終了面が回
転中の主軸に取付けられているバイト805と干渉しな
いように退避する。その後、割り出しユニットスライダ
814は退避位置を保ったまま加工開始点まで後退す
る。加工開始点に割り出しユニットスライダ814が戻
ると、今度は主軸802側に向かって割り出しユニット
スライダ814の微動を行ない、通常の静圧軸受けによ
る支持位置に戻り、これにより所定の切り込みが次回加
工面にも与えられることになる。次回加工面の割り出し
を行なう時期は割り出しユニットスライダ814が切削
送り開始位置に後退した時点でも、所定切り込み位置に
戻った時点でもいずれでもよい。
に代表される精密加工装置に実施することで低コストで
微少切り込みを実現できることに加えて、加工後に加工
面から刃具を逃がすことができるためにカッタマークを
発生させずに高品位の仕上げ面を得られる、同時に減衰
特性が良好な軸受けパッドの特性を活かして加工時の切
削抵抗による工具−工作物間の相対振動を抑制でき良好
な表面粗さが得られる。
の実施例では水平面内の移動体の微動を行なうように減
衰特性の異なる軸受パッドを配置したが、ここでは上下
方向に移動体の微動を行なうように配置している。案内
1001に対して移動体1002が軸受パッド1003
〜1006Rによって支持されている。このうち軸受パ
ッド1003、1004は移動体1002の水平面内の
移動を拘束する。対向する1005L、Rおよび100
6L、Rの軸受パッドのうち1005L、Rには減衰特
性がより良好でないものを選択している。移動体の微動
時には1005L、R側の流体供給圧を1006L、R
側よりも下げることで移動体の上方への微動が実現さ
れ、これとは逆に1005L、R側の流体供給圧を10
06L、R側よりも上げることで移動体の下方への微動
が実現される。
組み合わせることで移動体の移動方向に直交する2方向
の自由度を持ち、この直交する面内における移動体の微
動を可能ならしめる。
受の配置などは図6に示す第2の実施例と同様であるの
で、異なる部分についてのみ説明を加える。右側軸受パ
ッド1106にはこれと対向する左側軸受パッド110
3に比較して減衰特性がより良好でないものを配置し、
この右側軸受パッド1106への流体供給管路中に流体
供給調整手段としてのサーボバルブ1109とこのサー
ボバルブの制御に用いるフィードバック信号を取り出す
ため右側軸受パッド1106への流体供給管路中の圧力
を検出するための圧力センサ1110を設けている。目
標圧力設定器1124には予め右側軸受パッド1106
への流体供給圧力と移動体1102の微動変位の関係を
データとして持ち、所望の移動体微動変位量が得られる
ように目標圧力指令を発し、減算器1125において右
側軸受パッド1106への流体供給管路中の圧力信号1
128との偏差を取り、この偏差信号1128に基づい
てPID調整器などに代表される補償器1126を介し
てサーボバルブ1109用の駆動装置1127への指令
値を出し、サーボバルブ1109を駆動する。また、本
実施例では移動体1102の位置決め運動と同期させて
移動方向と直交する方向の微動を実現するために移動体
1102の現在位置信号1123を目標圧力設定器11
24が読み込み、予め定められた同期微動運動を実現す
るように目標圧力信号を発生する。
4は上側軸受パッド(L)、1105は上側軸受パッド
(R)、1107は永久磁石(予圧付勢手段)、110
8は流体供給装置、1111はナット、1112はボー
ルねじ、1113は駆動制御装置、1114は目標位置
設定器、1115は目標位置指令信号、1117は補償
器、1118はモータドライバ、1119はモータ、1
120は位置決め装置、1121はエンコーダ、112
2はパルスカウンタである。
運動と微動運動の一例を図12に示す。これは第3の実
施例で示した図8のポリゴンミラー加工機の割り出しユ
ニット側の位置決め装置に適用した場合である。通常、
ポリゴンミラーを角錐状に仕上げたり、ミラー面を平面
ではなく円弧面に仕上げたりする場合に主軸の回転中心
と割り出しユニット側位置決め装置の移動軸の直角度を
調整したり、あるいは主軸の回転中心と割り出しユニッ
ト側位置決め装置の移動軸の直角度をそのままにして、
割り出しユニットスライダ上の割り出しユニット回転中
心と主軸の回転中心との直角度を調整することが多い。
この場合、従来は所望の直角度への調整が容易に行なえ
るものではなく、また段取り替えや異形状のワークへの
対応が柔軟に行なえない。本実施例によれば装置の直角
度調整や段取り替えなどをすることなく、図12のよう
に割り出しユニット側の位置決め装置の切削送りに同期
させて移動体1102の微動運動を行なえば任意の形状
にミラー面を仕上げることが可能である。
明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可
能である。
交する方向の微動を、移動体を案内に対して支持する静
圧軸受けの対向する軸受け部における流体供給の調整に
よって行なうため、微動方向に新たな位置決め装置を設
ける必要がなくなり、装置の複雑化を避けられる。ま
た、流体供給調整部は簡易的には電磁弁等を利用するこ
とができ、また、サーボバルブや流量制御装置を用いる
場合でも微動方向に新たな位置決め装置を設ける場合に
比較して、構成要素自体も小さくなるため装置の小型化
にも大きく寄与する。以上のような構成要素の少数化や
小型化により、高価な位置検出器等が不要になるため装
置の低コスト化にも実現できる。
体の移動方向と直交する方向に移動体の微動が可能とな
るため、特開昭59−106722や特公平5−216
82にみられる加工装置の工作物を搭載する位置決め装
置に本発明を実施して主軸を回転中に軸方向移動させる
機構を省いた場合と、特開昭59−106722や特公
平5−21682に見られるような主軸を回転中に軸方
向に移動する方法とを比較すると、本発明を工作物を搭
載する位置決め装置に実施する方が主軸の高速回転時に
も主軸に何ら支障を来たす因子が存在しないため、主軸
の高速回転による加工に容易に対応できる。また、本発
明の実施により主軸装置に対する複雑な加工や構成をと
ることがないため装置がより簡素化されるとともに製作
コストも抑制することができる。
特性の異なる軸受けを採用するため、使用目的に応じた
適切な軸受け形式あるいは絞り形式等を選択すれば移動
体の微動の高速化とともに移動体自体の振動抑制にも有
利に作用し、特開昭59−106722や特公平5−2
1682にみられる加工装置の工作物を搭載する位置決
め装置に本発明を実施した場合では振動抑制性能の向上
により、加工面の表面粗さをより高精度なものにするこ
とが可能である。
概略構成図である。
明する図である。
し異なる減衰特性の付与を説明する図である。
し異なる減衰特性の付与を説明する図である。
する軸受けの微動時の応答性を説明する図である。
概略構成図である。
明する図である。
加工機の工作物を搭載する位置決め装置の概略構成図で
ある。
明する図である。
の概略構成図である。
の概略構成図である。
を説明する図である。
104:左側軸受パッド、105:右側軸受パッド、1
06:下側軸受パッド、107:上側軸受パッド、10
8:左側軸受パッド用流体供給管路、109:右側軸受
パッド用流体供給管路、110:下側軸受パッド用流体
供給管路、111:上側軸受パッド用流体供給管路、1
12:流体供給調整部、113:電磁弁、114:流体
供給装置(高圧)、115:流体供給装置(低圧)、1
16:ボールねじ、117:モータ、118:エンコー
ダ、119:駆動制御装置、120:モータ駆動指令、
121:ドライバ、122:モータ駆動電流、123:
エンコーダ出力、124:カウンタ、125:位置信
号、126:電磁弁駆動指令、601:移動体、60
2:案内、603、604:軸受パッド、605:軸受
パッド(図示されない)、606:軸受パッド、60
7:永久磁石(予圧付勢手段)、608〜611:流体
供給管路、612a:モータ、612b:ドライバ、6
13:ボールねじ、614a:エンコーダ、614b:
カウンタ、615:流体供給装置、616:流体供給調
整手段、617:駆動制御装置、618:ナット部、6
19a:高圧側、619b:低圧側、710:電磁弁、
713:圧力調製手段(レギュレータ)、801:定
盤、802:主軸、803:主軸用モータ、804:バ
イトホルダ、805:バイト、806:主軸スライダ、
807:主軸スライダ用案内、808:主軸スライダ用
ボールねじ、809:主軸スライダ用モータ、810:
割り出しユニット、811:ワーク取り付け用治具、8
12:ポリゴンミラー(加工前)原材、813:ワーク
固定用治具、814:割り出しユニットスライダ、81
5:割り出しユニットスライダ用案内、816:割り出
しユニットスライダ用ボールねじ、817:割り出しユ
ニットスライダ用モータ、820:ワーク側位置決め装
置、830:主軸側位置決め装置、1001:案内、1
002:移動体、1003:左側軸受パッド、100
4:右側軸受パッド、1005L:下側軸受パッド
(L)、1005R:下側軸受パッド(R)、1006
L:上側軸受パッド(L)、1006R:上側軸受パッ
ド(R)、1101:案内、1102:移動体、110
3:左側軸受パッド、1104:上側軸受パッド
(L)、1105:上側軸受パッド(R)、1106:
右側軸受パッド、1107:永久磁石(予圧付勢手
段)、1108:流体供給装置、1109:流体供給調
整手段(サーボバルブ)、1110:圧力センサ、11
11:ナット、1112:ボールねじ、1113:駆動
制御装置、1114:目標位置設定器、1115:目標
位置指令信号、1116:減算器、1117:補償器、
1118:モータドライバ、1119:モータ、112
0:位置決め装置、1121:エンコーダ、1122:
パルスカウンタ、1123:現在位置信号、1124:
目標圧力設定器、1125:減算器、1126:補償
器、1127:駆動装置(サーボバルブ)、1128:
圧力偏差信号、CL1:通常軸受隙間(左側軸受パッド
側)CR1:通常軸受隙間(右側軸受パッド側)、CL
2:微動時軸受隙間(左側軸受パッド側)、CR2:微
動時軸受隙間(右側軸受パッド側)。
Claims (8)
- 【請求項1】 移動体を第1の方向に案内する案内と、 該移動体を該案内に対して第1の方向と直交する第2の
方向に静圧により支持する多孔質絞りを用いた第1の軸
受けと、 該移動体を該案内に対して第2の方向で第1の軸受けと
逆向きに静圧により支持する、第1の軸受けとは多孔質
体の組成、気孔率および通気率の少なくとも一つが異な
る第2の軸受けと、 第2の軸受けに対して流体を第1の軸受けを含む他の軸
受けとは独立して供給する作動流体供給手段と、 第2の軸受けへの流体の供給を調整する流体供給調整手
段とを具備し、 第2の軸受けへの流体の供給を調整することにより第2
の方向へ微動し位置決めすることを特徴とする位置決め
装置。 - 【請求項2】 前記流体供給調整手段における流体供給
の調整に基づく前記移動体の第2の方向への微動が、前
記移動体の第1の方向への位置決め完了時においてなさ
れるか、あるいは前記移動体の第1の方向への移動中に
おいてなされることを特徴とする請求項1記載の位置決
め装置。 - 【請求項3】 前記第2の軸受けの通気率は、前記第1
の軸受けの通気率より大きいことを特徴とする請求項1
または2記載の位置決め装置。 - 【請求項4】 前記第1の軸受けは、前記第2の軸受け
よりも減衰率が負となる周波数帯域が狭い、または平均
減衰率が大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の位置決め装置。 - 【請求項5】 前記流体供給調整手段が、前記作動流体
供給手段から前記第2の軸受けへの流体供給管路中に設
けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の位置決め装置。 - 【請求項6】 前記流体供給調整手段が、前記第2の軸
受けへの流体供給圧または流量を調整するものであるこ
とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置決
め装置。 - 【請求項7】 前記第1および第2の方向が水平な面内
の直交する2方向であることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載の位置決め装置。 - 【請求項8】 前記第1の方向が水平方向であり、前記
第2の方向が垂直方向であることを特徴とする請求項1
〜6のいずれかに記載の位置決め装置。
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---|---|---|---|
JP2981397A JP3290087B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 静圧軸受を用いた位置決め装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2981397A JP3290087B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 静圧軸受を用いた位置決め装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10217053A JPH10217053A (ja) | 1998-08-18 |
JP3290087B2 true JP3290087B2 (ja) | 2002-06-10 |
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ID=12286470
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JP2981397A Expired - Fee Related JP3290087B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 静圧軸受を用いた位置決め装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3290087B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1958227B (zh) * | 2005-11-01 | 2010-05-12 | 萨特隆有限公司 | 用于加工光学工件的车床的快速工具结构 |
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JP7062885B2 (ja) * | 2017-05-19 | 2022-05-09 | 株式会社ジェイテクト | 静圧スライド案内装置及び静圧スライド案内装置を備えた工作機械 |
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-
1997
- 1997-01-30 JP JP2981397A patent/JP3290087B2/ja not_active Expired - Fee Related
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